JP2022154657A - 導電性シート、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、導電性シート、及びその製造方法に関する。
基材に配された遷移金属粒子を含む構造体は、様々な用途に利用されている。例えば、基材に配された遷移金属粒子の層は、導電材料などとして使用することができる。また、遷移金属粒子の層を微細な細線パターンなどとすることで、透明性を有する導電材料などとして使用することができ、例えば、タッチパネルやディスプレイに使用される透明電極の一部として使用できる。
このような遷移金属粒子の層は、基材上に遷移金属粒子を含むインクを塗布及び/又は印刷することにより製造することができる。この際、基材と遷移金属粒子の層との密着性の向上を目的として、基材上に密着力を向上させる中間層を設けることが知られている。例えば、特許文献1では、基材の比較的広域な範囲に絶縁性樹脂層を設けることが開示されており、特許文献2では液滴噴出法により中間層を設けることが開示されている。
ところで、透明性を有する導電材料を得ることを目的に、基材に配された遷移金属粒子の層をより微細な細線パターンなどを形成する場合、上記中間層はコストや透明性を損なわないようにするという観点から、細線パターンと基材の間のみに設けられることが好ましく、基材上の細線パターンが存在しない部分には形成しないことが好ましい。
しかし、一般に中間層と遷移金属粒子の層が重なるようにすることは容易ではなく、透明性の向上を目的として細線パターンをより細くするにつれて、細線パターンと基材の間のみに中間層を重ねて設けるということは、パターンの位置を整合させつつ細線パターンと中間層のパターンを配さねばならないために、より困難となる。したがって、より高い透明性が求められる導電性シートを達成するためには、特許文献1や2のように、中間層を堆積して、それに重ねて遷移金属粒子の層を形成するという方法とは、全く異なる方法の開発が望まれる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、微細パターンを形成する場合であっても密着性に優れる導電性シート、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討した。その結果、偶然にも特定の工程を経ることで、基材と粒子層の間に、遷移金属粒子と基材とを接合させる、微小な接合体が形成されることを見出し、これにより上記課題を解決し得ることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
基材と、
該基材上に積層された、遷移金属を含む粒子が結合した粒子層と、
接合部と、を含み、
該接合部が、前記粒子層における前記基材に対して突出した粒子の先端と、前記基材とを結合する、
導電性シート。
〔2〕
前記接合部が、透過電子顕微鏡による前記導電性シートの断面についての透過電子像において、前記粒子層と前記基材よりもコントラストの薄い部分として確認されるものである、
〔1〕に記載の導電性シート。
〔3〕
前記基材と前記接合部との接触断面長L0が、1.0nm以上500nm以下である、
〔1〕又は〔2〕に記載の導電性シート。
〔4〕
前記接合部と前記基材との接触角θが、90°以下である、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔5〕
前記接合部の中間高さにおける断面長L1/2が、前記基材と前記接合部との接触断面長L0よりも小さい、
〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔6〕
前記接合部の中間高さにおける断面長L1/2と前記接合部との接触断面長L0の比(L1/2/L0)が0.1以上1.0以下である、
〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔7〕
前記突出した粒子における、前記接合部と接触する部分の曲率が、1.0μm-1以上1000μm-1以下である、
〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔8〕
前記接合部の前記基材の被覆率が、1.0%以上50%以下である、
〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔9〕
前記接合部により接合される前記突出した粒子と前記基材とのギャップが、1nm以上100nm以下である、
〔1〕~〔8〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔10〕
前記基材が複数の層を有する、
〔1〕~〔9〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔11〕
前記基材が、ケイ素化合物を含む表面層を有する、
〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔12〕
前記基材が、プラスチックである、
〔1〕~〔11〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔13〕
前記プラスチックが、ポリエチレンテレフタレートである、
〔12〕に記載の導電性シート。
〔14〕
前記遷移金属が、IUPACの周期表における第11族元素の金属を含む、
〔1〕~〔13〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔15〕
前記遷移金属が、銅を含む、
〔14〕に記載の導電性シート。
〔16〕
前記粒子層を構成する前記粒子の平均粒径が、1.0nm以上500nm以下である、
〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔17〕
前記粒子層の膜厚が、30nm以上1000μm以下である、
〔1〕~〔16〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔18〕
前記粒子層が、開口を有する連続したパターンを構成する、
〔1〕~〔17〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔19〕
前記パターンが、複数の細線が交差して構成されるパターンである、
〔18〕に記載の導電性シート。
〔20〕
前記細線の線幅が、100nm以上1000μm以下である、
〔19〕に記載の導電性シート。
〔21〕
前記細線のピッチが、1.0μm以上1000μm以下である、
〔19〕又は〔20〕に記載の導電性シート。
〔22〕
可視光透過率が、70%以上99%以下である、
〔1〕~〔21〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔23〕
シート抵抗が、0.001Ωcm-2以上20Ωcm-2以下である、
〔1〕~〔22〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔24〕
〔1〕~〔23〕のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
タッチパネル。
〔25〕
〔1〕~〔23〕のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
ディスプレイ。
〔26〕
〔1〕~〔23〕のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
ヒーター。
〔27〕
〔1〕~〔23〕のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
電磁波シールド。
〔28〕
〔1〕~〔23〕のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
アンテナ。
〔29〕
基材に前駆体薄膜を形成する膜形成工程と、
前記前駆体薄膜を、分圧50~1000Paの水素原子を含む気体に50~1000秒間暴露する暴露工程と、
前記気体に暴露した前記前駆体薄膜を、120秒以上2000秒以下、プラズマと反応させて、導電性シートを得るプラズマ反応工程と、を含む、
導電性シートの製造方法。
〔30〕
前記プラズマ反応工程の雰囲気が、水素原子を含む分子である気体を含む、
〔29〕に記載の導電性シートの製造方法。
〔31〕
前記プラズマ反応工程の雰囲気が、希ガスを含む、
〔29〕又は〔30〕に記載の導電性シートの製造方法。
〔32〕
前記プラズマ反応工程において、マイクロ波プラズマを用いる、
〔29〕~〔31〕のいずれか一項に記載の導電性シートの製造方法。
〔1〕
基材と、
該基材上に積層された、遷移金属を含む粒子が結合した粒子層と、
接合部と、を含み、
該接合部が、前記粒子層における前記基材に対して突出した粒子の先端と、前記基材とを結合する、
導電性シート。
〔2〕
前記接合部が、透過電子顕微鏡による前記導電性シートの断面についての透過電子像において、前記粒子層と前記基材よりもコントラストの薄い部分として確認されるものである、
〔1〕に記載の導電性シート。
〔3〕
前記基材と前記接合部との接触断面長L0が、1.0nm以上500nm以下である、
〔1〕又は〔2〕に記載の導電性シート。
〔4〕
前記接合部と前記基材との接触角θが、90°以下である、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔5〕
前記接合部の中間高さにおける断面長L1/2が、前記基材と前記接合部との接触断面長L0よりも小さい、
〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔6〕
前記接合部の中間高さにおける断面長L1/2と前記接合部との接触断面長L0の比(L1/2/L0)が0.1以上1.0以下である、
〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔7〕
前記突出した粒子における、前記接合部と接触する部分の曲率が、1.0μm-1以上1000μm-1以下である、
〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔8〕
前記接合部の前記基材の被覆率が、1.0%以上50%以下である、
〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔9〕
前記接合部により接合される前記突出した粒子と前記基材とのギャップが、1nm以上100nm以下である、
〔1〕~〔8〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔10〕
前記基材が複数の層を有する、
〔1〕~〔9〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔11〕
前記基材が、ケイ素化合物を含む表面層を有する、
〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔12〕
前記基材が、プラスチックである、
〔1〕~〔11〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔13〕
前記プラスチックが、ポリエチレンテレフタレートである、
〔12〕に記載の導電性シート。
〔14〕
前記遷移金属が、IUPACの周期表における第11族元素の金属を含む、
〔1〕~〔13〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔15〕
前記遷移金属が、銅を含む、
〔14〕に記載の導電性シート。
〔16〕
前記粒子層を構成する前記粒子の平均粒径が、1.0nm以上500nm以下である、
〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔17〕
前記粒子層の膜厚が、30nm以上1000μm以下である、
〔1〕~〔16〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔18〕
前記粒子層が、開口を有する連続したパターンを構成する、
〔1〕~〔17〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔19〕
前記パターンが、複数の細線が交差して構成されるパターンである、
〔18〕に記載の導電性シート。
〔20〕
前記細線の線幅が、100nm以上1000μm以下である、
〔19〕に記載の導電性シート。
〔21〕
前記細線のピッチが、1.0μm以上1000μm以下である、
〔19〕又は〔20〕に記載の導電性シート。
〔22〕
可視光透過率が、70%以上99%以下である、
〔1〕~〔21〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔23〕
シート抵抗が、0.001Ωcm-2以上20Ωcm-2以下である、
〔1〕~〔22〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔24〕
〔1〕~〔23〕のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
タッチパネル。
〔25〕
〔1〕~〔23〕のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
ディスプレイ。
〔26〕
〔1〕~〔23〕のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
ヒーター。
〔27〕
〔1〕~〔23〕のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
電磁波シールド。
〔28〕
〔1〕~〔23〕のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
アンテナ。
〔29〕
基材に前駆体薄膜を形成する膜形成工程と、
前記前駆体薄膜を、分圧50~1000Paの水素原子を含む気体に50~1000秒間暴露する暴露工程と、
前記気体に暴露した前記前駆体薄膜を、120秒以上2000秒以下、プラズマと反応させて、導電性シートを得るプラズマ反応工程と、を含む、
導電性シートの製造方法。
〔30〕
前記プラズマ反応工程の雰囲気が、水素原子を含む分子である気体を含む、
〔29〕に記載の導電性シートの製造方法。
〔31〕
前記プラズマ反応工程の雰囲気が、希ガスを含む、
〔29〕又は〔30〕に記載の導電性シートの製造方法。
〔32〕
前記プラズマ反応工程において、マイクロ波プラズマを用いる、
〔29〕~〔31〕のいずれか一項に記載の導電性シートの製造方法。
本発明によれば、微細パターンを形成する場合であっても密着性に優れる導電性シート、及びその製造方法を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。又上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
1.導電性シート
本実施形態の導電性シートは、基材と、該基材上に積層された、遷移金属を含む粒子が結合した粒子層と、接合部と、を含み、該接合部が、粒子層における基材に対して突出した粒子の先端と、前記基材とを結合するものである。
本実施形態の導電性シートは、基材と、該基材上に積層された、遷移金属を含む粒子が結合した粒子層と、接合部と、を含み、該接合部が、粒子層における基材に対して突出した粒子の先端と、前記基材とを結合するものである。
図1に、本実施形態の導電性シートの一例を示す概略断面図を示し、図2に図1における断面Sの拡大図を示す。図1には、基材20上に粒子層10が配された導電性シート100の概略断面図が示されている。図1に示す粒子層10は、遷移金属の粒子が結合して形成された粒子層として表現されており、その断面は空孔11を有していてもよい。
図2に示すように、本実施形態の導電性シート100は、基材20と粒子層10の界面に、基材20と粒子層10を結合する接合部30を有し、これにより、粒子層10と基材20の密着性がより向上する。特に、後述する製造方法によって、本実施形態の接合部30は、粒子層10において突出した粒子12の先端と、基材20とを結合するように形成することができる。そのため、より粒子層10によってより微細な細線パターンなどを形成しようとする場合において、例えば密着性向上ための中間層を基材全面に塗工したり、又は、基材の一部に塗工した中間層と遷移金属粒子の層が重なるように遷移金属粒子の層を配する必要がない。以下、本実施形態の導電性シートの各構成について詳説する。
1.1.接合部
図2に示すように、接合部30は、粒子層10における基材20に対して突出した粒子12の先端と、基材20とを結合するものである。具体例の一つとして、図5に後述する実施例1における接合部の、走査型透過電子顕微鏡(STEM)による透過電子像と反射電子像を示す。この反射電子像では粒子12の先端が基材20に接しているようにみえるが、驚くべきことに、透過電子像では粒子12の先端は、実際には遷移金属を含む粒子層10(粒子12)と基材20よりもコントラストの薄い部分、すなわち電子密度の薄い部分であり、粒子12や基材20とは異なるものであることが分かる。接合部30による粒子層10と基材20との結合の機構は特に限定されないが、上述のように観察される接合部30が電子密度の低い構造となることで、接合部30が偶然にも粒子層10と基材20に対して共に好適に密着することができ、その結果、好適に粒子層10と基材20とを接合できる機構が考えられる。
図2に示すように、接合部30は、粒子層10における基材20に対して突出した粒子12の先端と、基材20とを結合するものである。具体例の一つとして、図5に後述する実施例1における接合部の、走査型透過電子顕微鏡(STEM)による透過電子像と反射電子像を示す。この反射電子像では粒子12の先端が基材20に接しているようにみえるが、驚くべきことに、透過電子像では粒子12の先端は、実際には遷移金属を含む粒子層10(粒子12)と基材20よりもコントラストの薄い部分、すなわち電子密度の薄い部分であり、粒子12や基材20とは異なるものであることが分かる。接合部30による粒子層10と基材20との結合の機構は特に限定されないが、上述のように観察される接合部30が電子密度の低い構造となることで、接合部30が偶然にも粒子層10と基材20に対して共に好適に密着することができ、その結果、好適に粒子層10と基材20とを接合できる機構が考えられる。
本実施形態においては、反射電子像において確認できる粒子12と基材20の接合部分であって、透過電子像においては粒子層と基材よりもコントラストの薄い部分として確認される部分を接合部30として定義する。この接合部30が粒子12や基材20とは異なるものであることは、透過電子像においては粒子層と基材よりもコントラストの薄い部分であること、及び/又は接合部30近傍に電子線を長時間照射することで接合部30が破壊されることを観測することなどにより、確認することができる。
図3に、図2の断面S2の拡大図、すなわち接合部30の拡大図の一例を示す。接合部30の形状は、特に限定されないが、例えば、基材20との接触面31と、粒子12との接触面33と、接触面31及び接触面33をつなぐ側面32を有する。
また、図3おいて、側面32も中心に向かって湾曲した面を有する。
また、図3おいて、側面32も中心に向かって湾曲した面を有する。
1.1.1.接触面31及び接触面33
接合部30と基材20との接触面31は、基材20の表面に沿うように平坦な面となっており、この接触面31において接合部30は基材20と密着している。この接触面31の長さ(接触断面長L0)は、好ましくは1.0~500nmであり、より好ましくは5.0~400nmであり、さらに好ましくは10~300nmである。接触断面長L0が上記範囲内であることにより、接合部30と基材20との密着性がより向上し、ひいては粒子層10と基材20の密着性がより向上する傾向にある。
接合部30と基材20との接触面31は、基材20の表面に沿うように平坦な面となっており、この接触面31において接合部30は基材20と密着している。この接触面31の長さ(接触断面長L0)は、好ましくは1.0~500nmであり、より好ましくは5.0~400nmであり、さらに好ましくは10~300nmである。接触断面長L0が上記範囲内であることにより、接合部30と基材20との密着性がより向上し、ひいては粒子層10と基材20の密着性がより向上する傾向にある。
同様に、接合部30と粒子12との接触面33は、粒子12の表面に沿うように湾曲した面となっており、この接触面33において接合部30は粒子層10と密着している。接触面33が大きいほど、接合部30と粒子層10との密着性がより向上し、ひいては粒子層10と基材20の密着性がより向上する傾向にある。
なお、接合部30の太さは、粒子12の大きさや、粒子12と基材20との近さ(ギャップG)に依存する傾向にあり、粒子12が大きかったり、またギャップGが近かったりするほど、接合部30の太さが太くなる傾向にある。そして、接合部30の太さが太くなるほど、接触面31の大きさ(接触断面長L0)と接触面33の大きさが大きくなる傾向にある。そのため、粒子12の大きさやギャップGを制御することにより接触断面長L0や接触面33の大きさを制御することができる。
図5の各写真に示されるように、接合部30は粒子12と基材20との間において形成され、基材20の全面に形成されるものではない。このことを表現する指標として、接合部30の基材20の被覆率を用いることができる。この被覆率は、粒子層10と基材20との間の領域の界面の距離を100%として、好ましくは1.0~50%であり、より好ましくは1.0~25%であり、さらに好ましくは1.0~15%である。被覆率が上記範囲内であることにより、粒子層10と基材20の密着性がより向上する傾向にある。
なお、「粒子層10と基材20との間の領域の界面の距離を100%として」とは、上記被覆率の算出において、粒子層10が形成されていない基材20の部分は除き、粒子層10が形成されている部分において、被覆率を算出することを意味する。また、より具体的には、粒子層10が図1のような金属細線の断面を有する場合には、その断面についてこの被覆率を求めるようにしてもよい。
1.1.2.側面32
側面32は、接触面31及び接触面33をつなぐ部分である。図3に示すように、接合部30は、内側に湾曲した側面32を有していてもよい。接合部30が内側に湾曲した側面32を有する理由は、特に限定されないが、接合部30の形成過程において、遷移金属を含む粒子12と水素原子を含む気体との反応により、遷移金属を含む粒子が凝集や体積収縮を生じ、これにより接合部30の前駆体が引っ張られる張力が生じるため内側に湾曲した側面32が形成されると推察されるが、接合部30の形成過程はこれに限定されるものではない。
側面32は、接触面31及び接触面33をつなぐ部分である。図3に示すように、接合部30は、内側に湾曲した側面32を有していてもよい。接合部30が内側に湾曲した側面32を有する理由は、特に限定されないが、接合部30の形成過程において、遷移金属を含む粒子12と水素原子を含む気体との反応により、遷移金属を含む粒子が凝集や体積収縮を生じ、これにより接合部30の前駆体が引っ張られる張力が生じるため内側に湾曲した側面32が形成されると推察されるが、接合部30の形成過程はこれに限定されるものではない。
側面32の湾曲性を表現する指標として、接合部30の中間高さH1/2における断面長L1/2を用いることができる。断面長L1/2が、接触断面長L0よりも小さいことにより、接合部30は側面32が中心に向かって湾曲した面を有し、また、断面長L1/2と接触断面長L0との差が大きいことにより、接合部30はより大きな湾曲を有する側面32を有するものとなる。なお、ここで、中間高さH1/2を算出するために用いる「高さH」は、図3に示すように、基材20から、接合部30の最も高い位置までの距離とする。
断面長L1/2は、好ましくは1.0~500nmであり、より好ましくは5.0~400nmであり、さらに好ましくは10~300nmである。接触断面長L0が上記範囲内であることにより、接合部30と基材20との密着性がより向上し、ひいては粒子層10と基材20の密着性がより向上する傾向にある。
断面長L1/2と接触断面長L0の比(L1/2/L0)は、好ましくは0.1~1.0であり、より好ましくは0.2~0.9であり、さらに好ましくは0.3~0.8である。L1/2/L0が上記範囲内であることにより、接合部30と基材20との密着性がより向上し、ひいては粒子層10と基材20の密着性がより向上する傾向にある。
また、側面32の湾曲性を表現する指標として、接合部30の側面と基材20との接触角θを用いることもできる。接触角θは、好ましくは90°以下であり、より好ましくは80°以下であり、さらに好ましくは70°以下である。接触角θが上記範囲内であることにより、粒子層10と基材20の密着性がより向上する傾向にある。
上記では、側面32が内側に湾曲した場合について記載しているが、側面32は外側に湾曲したものであってもよい。より具体的には、接合部30の形成過程においてその前駆体が基材20や粒子12表面に親和性が高く、接触角が小さくなる場合には、側面32が内側に湾曲したり、断面長L1/2が接触断面長L0よりも小さくなったり、接触角が90°以下となったりする。一方で、接合部30の形成過程においてその前駆体が基材20や粒子12表面に親和性が小さく、接触角が大きくなる場合には、側面32が外側に湾曲したり、断面長L1/2が接触断面長L0よりも大きくなったり、接触角が90°超過となったりする。但し、接合部30の形成過程はこれに限定されるものではない。
本実施形態においては、粒子12の先端と基材20の表面との距離をギャップGと定義する。接合部30により接合される突出した粒子12と基材20とのギャップGは、好ましくは1.0~100nmであり、より好ましくは3.0~75nmであり、さらに好ましくは5.0~50nmである。ギャップGが上記範囲内であることにより、粒子層10と基材20の密着性がより向上する傾向にある。
1.1.3.測定方法
接合部30は、上述のとおり、反射電子像において確認できる粒子12と基材20の接合部分であって、透過電子像においては粒子層と基材よりもコントラストの薄い部分として確認される部分として確認することができる。また、接合部30の接触面31,33及び側面32に関する各種パラメータについても、反射電子像及び透過電子像、主には透過電子像によって測定することができる。
接合部30は、上述のとおり、反射電子像において確認できる粒子12と基材20の接合部分であって、透過電子像においては粒子層と基材よりもコントラストの薄い部分として確認される部分として確認することができる。また、接合部30の接触面31,33及び側面32に関する各種パラメータについても、反射電子像及び透過電子像、主には透過電子像によって測定することができる。
なお、接合部30に関する各種パラメータは、粒子層10が後述する金属細線である場合には、その1つの断面(図1~3参照)に含まれる接合部ごとに各種パラメータを算出し、その平均値として求めることができる。
1.1.4.調整方法
接合部30は、後述する製造方法における暴露工程の有無や、暴露工程及びプラズマ反応工程の条件を制御することによって、粒子12の先端と基材20との間に形成することができる。また、接合部30の接触面31,33及び側面32に関する各種パラメータについても、暴露工程の有無や、暴露工程及びプラズマ反応工程の条件の制御により粒子12の粒子成長の制御すること等に伴って、制御することができる。
接合部30は、後述する製造方法における暴露工程の有無や、暴露工程及びプラズマ反応工程の条件を制御することによって、粒子12の先端と基材20との間に形成することができる。また、接合部30の接触面31,33及び側面32に関する各種パラメータについても、暴露工程の有無や、暴露工程及びプラズマ反応工程の条件の制御により粒子12の粒子成長の制御すること等に伴って、制御することができる。
1.2.粒子層
粒子層10は、遷移金属を含む粒子が結合したものであり、基材20に対して突出した粒子12を有するものであれば、特に制限されず、空孔11を有していてもよい。この粒子層10によって、導電性シート100の導電性が発揮される。
粒子層10は、遷移金属を含む粒子が結合したものであり、基材20に対して突出した粒子12を有するものであれば、特に制限されず、空孔11を有していてもよい。この粒子層10によって、導電性シート100の導電性が発揮される。
図2に示すように、粒子層10は、基材20と粒子層10の界面に比較的多くの空孔11を有していてもよい。より具体的には、後述する製造方法により、前駆体薄膜を特定の条件下でプラズマ処理する際に、前駆体薄膜の表面側で優先的に遷移金属の焼結粒子の成長が進行し、それに伴い基材20と粒子層10の界面側では空孔増大が進行する。これにより、基材20と粒子層10の界面には空孔11が形成されやすくなり、このように形成された粒子層10は、基材20と粒子層10の界面側に突出した粒子12を有するものとなると考えられる。但し、粒子12が形成される理由は上記に限定されない。
このように基材20と粒子層10の界面に比較的多くの空孔11を有する構造により、基材20の曲げなどの応力がかけられた場合であっても、粒子層10はより断線し難いものとなる。一方で、基材20と粒子層10の界面に比較的多くの空孔11を有する場合には、基材20と粒子層10との接触面積が小さくなるために、一般に基材20から粒子層10が剥離しやすくなるものと考えられるが、本実施形態においては上記接合部30を有することにより粒子層と基材の密着性を確保することが可能となる。
突出した粒子12における、接合部30と接触する部分の曲率は、好ましくは1.0~1000μm-1であり、より好ましくは20~100μm-1である。突出した粒子12の曲率が上記範囲内であることにより、接合部30との密着性がより向上する傾向にある。また、粒子12の曲率が上記範囲内であることにより、基材20と粒子層10の界面側においてもプラズマ処理による焼結粒子の成長が十分に成長したものと認めることができ、そのような粒子12を有する粒子層10は導電性に優れ、シート抵抗の低い傾向にある。なお、接合部30と接触する部分とは、接触面33に対応する粒子12の部分と言い換えることもできる。
粒子層10を構成する粒子の平均粒径は、好ましくは1.0~500nmであり、より好ましくは5.0~400nmであり、さらに好ましくは10~300nmである、平均粒径が上記範囲内であることにより、シート抵抗がより低下する傾向にある。粒子層10を構成する粒子の平均粒径は、粒子層10断面の透過電子像により測定することができる。
1.2.1.組成
本実施形態の粒子層10は、遷移金属を含み、必要に応じて、酸素原子、炭素原子、リン原子などその他の原子を含んでいてもよい。また、遷移金属は、金属単体の状態の他、酸化物などの金属化合物の状態で存在していてもよい。
本実施形態の粒子層10は、遷移金属を含み、必要に応じて、酸素原子、炭素原子、リン原子などその他の原子を含んでいてもよい。また、遷移金属は、金属単体の状態の他、酸化物などの金属化合物の状態で存在していてもよい。
粒子層10において、遷移金属は、金属単体の状態の他、酸化物などの金属化合物の状態で存在していてもよい。粒子層10に含まれる遷移金属原子は、IUPACの周期表における、第3族元素から第11族元素の金属であれば特に限定されないが、第11族元素の金属を含むことが好ましく、銀又は銅を含むことがより好ましく、銅を含むことがさらに好ましい。このような遷移金属を用いることにより、粒子層10の導電性がより向上する傾向にある。
また、遷移金属を含む金属化合物の種類としては、特に限定されないが、例えば、硫化物、セレン化物、テルル化物、窒化物、リン化物、酸化物などが挙げられる。このなかでも、人体への害が少なく、製造が比較的容易であるため、酸化物であることが好ましい。
1.2.2.膜厚
粒子層10の膜厚は、好ましくは30nm~1000μmであり、より好ましくは50nm~100μmであり、さらに好ましくは100nm~10μmであり、よりさらに好ましくは200~1000nmであり、さらにより好ましくは300~500nmである。膜厚が30nm以上であることにより、粒子層10のシート抵抗がより低下する傾向にある。また、膜厚が1000μm以下であることにより、粒子層10の基材に対する密着性が向上する傾向にある。また、膜厚が1000μm以下であると、粒子層10のパターンがより形成しやすくなる傾向にある。
粒子層10の膜厚は、好ましくは30nm~1000μmであり、より好ましくは50nm~100μmであり、さらに好ましくは100nm~10μmであり、よりさらに好ましくは200~1000nmであり、さらにより好ましくは300~500nmである。膜厚が30nm以上であることにより、粒子層10のシート抵抗がより低下する傾向にある。また、膜厚が1000μm以下であることにより、粒子層10の基材に対する密着性が向上する傾向にある。また、膜厚が1000μm以下であると、粒子層10のパターンがより形成しやすくなる傾向にある。
粒子層10の膜厚は、後述の粒子層10の断面STEM―EDX評価により、求めることができる。より具体的には、導電性薄膜中の遷移金属の原子濃度が20%以上となる領域を該導電性薄膜の膜厚と定義し、任意の3か所において測定したその膜厚の平均値を粒子層10の膜厚とすることができる。なお、本実施形態の粒子層10は、一様な厚さを有する薄膜の他、表面に凹凸が存在したり、粒子層10の位置によって部分的に薄い部分があったりする薄膜であってもよい。
基材20と粒子層10の界面に比較的多くの空孔11を有するか否かに関わらず、本実施形態における粒子層10の膜厚は、基材20表面から粒子層10の表面までの距離とする。
1.2.3.パターン
粒子層10は、開口を有する連続したパターンを有してもよいし、開口を有しないベタパターンを有してもよい。粒子層10が有するパターンは、目的とする電子デバイスの用途に応じて設計することができ、規則的なパターンであっても不規則なパターンであってもよい。ここで、開口とは、導電性シートが存在しない部分をいい、開口部分では光が透過できる。また、連続したパターンとは、光学顕微鏡にて接続(接触)していることが確認されることをいい、このようなパターンは電気的に接続されたものとなる。
粒子層10は、開口を有する連続したパターンを有してもよいし、開口を有しないベタパターンを有してもよい。粒子層10が有するパターンは、目的とする電子デバイスの用途に応じて設計することができ、規則的なパターンであっても不規則なパターンであってもよい。ここで、開口とは、導電性シートが存在しない部分をいい、開口部分では光が透過できる。また、連続したパターンとは、光学顕微鏡にて接続(接触)していることが確認されることをいい、このようなパターンは電気的に接続されたものとなる。
このなかでも、粒子層10は、開口を有する連続したパターンを有することが好ましい。このように開口を設けることで、光透過性の導電性シートとすることができる。また、開口を有する連続したパターンとしては、特に限定されないが、例えば、複数の細線が交差して構成されるパターンが好ましい。この場合、細線が導電性シートに相当し、細線間の間隙が開口となる。
以下、複数の細線により形成されるパターンの具体的態様について説明するが、本実施形態におけるパターンは以下に限定されるものではない。なお、以下において、金属細線とは平面視において細線状の粒子層10を意味し、金属細線パターンとは複数の金属細線により形成されるパターンをいう。
図4に、本実施形態の導電性シート100のパターン40の一例を示す概略上面図を示す。図4は、基材20上に粒子層10が配された導電性シート100を、粒子層10の形成面側から見た上面図である。図4において、粒子層10は、細線状になっており、その細線がグリッド状に交差した状態として表されている。ここで、細線状である粒子層10を金属細線10’という。前述の図1の断面は、この金属細線10’をA-A’の断面で表したものである。
図4に示すように、連続したパターンとは、例えば、複数の金属細線10’が互いに交差して連続層を形成することで、平面方向に広がる粒子層10上の任意の2点において通電できるように構成されるものをいう。また、開口を有するとは、例えば、複数の金属細線10’の間に不連続な開口50を有することをいう。そして、このように金属細線10’によって形成される導電性の連続層と開口とからなるものを、本実施形態においては金属細線パターン40という。
ここで、金属細線パターン40を構成する金属細線10’の線幅Wとは、基材20の金属細線パターン40が配された面側から、金属細線10’を基材20の表面上に投影したときの金属細線10’の線幅をいう。「投影したときの線幅」とは、例えば、図1に示すように、粒子層10の基材と接する界面が最も太くなるような場合には、その太さを線幅と定義する。また、ピッチPは、線幅Wと金属細線間の距離Lの和として定義する。
上記のような金属細線パターンとしては、具体的には、複数の金属細線が網目状に交差して形成されるメッシュパターンや、複数の略平行な金属細線が形成されたラインパターンが挙げられる。また、金属細線パターンは、メッシュパターンとラインパターンとが組み合わされたものであってもよい。メッシュパターンの網目は、正方形又は長方形であっても、ひし形等の多角形であってもよい。また、ラインパターンを構成する金属細線は、直線であっても、曲線であってもよい。さらに、メッシュパターンを構成する金属細線においても、金属細線を曲線とすることができる。
1.2.4.線幅
線幅Wは、好ましくは100nm~1000μmであり、より好ましくは200nm~500μmであり、さらに好ましくは300nm~100μmであり、よりさらに好ましくは400nm~50μmであ、さらにより好ましくは500nm~5.0μmである。
線幅Wは、好ましくは100nm~1000μmであり、より好ましくは200nm~500μmであり、さらに好ましくは300nm~100μmであり、よりさらに好ましくは400nm~50μmであ、さらにより好ましくは500nm~5.0μmである。
金属細線の線幅Wが100nm以上であることにより、金属細線の導電性を十分に確保でき、シート抵抗がより低下する傾向にある。また、金属細線表面の酸化や腐食等による導電性の低下を十分に抑制できる。さらに開口率を同じとした場合、金属細線の線幅が細いほど、金属細線の本数を増やすことが可能となる。これにより、導電性シートの電界分布がより均一となり、より高解像度の電子デバイスを作製することが可能となる。また、一部の金属細線で断線が生じたとしても、それによる影響を他の金属細線が補うことができる。
他方、金属細線の線幅Wが5.0μm以下であることにより、金属細線の視認性がより低下し、導電性シート及びそれを備える導電性シートの透明性がより向上する傾向にある。
1.2.5.アスペクト比
金属細線の線幅Wに対する金属細線の厚さTで表されるアスペクト比は、好ましくは0.05~1.00であり、より好ましくは0.08~0.90であり、さらに好ましくは0.10~0.80である。線幅Wが一定である場合にはアスペクト比が大きいほど、透過率を低下させることなく導電性がより向上する傾向にある。また、アスペクト比が1.00以下であることにより、膜厚が厚すぎることによって、かえって透過率が低下することが抑制される傾向にある。
金属細線の線幅Wに対する金属細線の厚さTで表されるアスペクト比は、好ましくは0.05~1.00であり、より好ましくは0.08~0.90であり、さらに好ましくは0.10~0.80である。線幅Wが一定である場合にはアスペクト比が大きいほど、透過率を低下させることなく導電性がより向上する傾向にある。また、アスペクト比が1.00以下であることにより、膜厚が厚すぎることによって、かえって透過率が低下することが抑制される傾向にある。
1.2.6.ピッチ
ピッチPは、好ましくは1.0~1000μmであり、より好ましくは5.0~500μmであり、さらに好ましくは50~250μmであり、よりさらに好ましくは100~250μmである。ピッチPが1.0μm以上であることにより、導電性シート及びそれを備える導電性シートの透明性がより向上する傾向にある。また、ピッチPが1000μm以下であることにより、導電性がより向上する傾向にある。なお、金属細線パターンの形状がメッシュパターンである場合には、線幅1μmの金属細線パターンのピッチを200μmとすることにより、開口率99%とすることができる。
ピッチPは、好ましくは1.0~1000μmであり、より好ましくは5.0~500μmであり、さらに好ましくは50~250μmであり、よりさらに好ましくは100~250μmである。ピッチPが1.0μm以上であることにより、導電性シート及びそれを備える導電性シートの透明性がより向上する傾向にある。また、ピッチPが1000μm以下であることにより、導電性がより向上する傾向にある。なお、金属細線パターンの形状がメッシュパターンである場合には、線幅1μmの金属細線パターンのピッチを200μmとすることにより、開口率99%とすることができる。
1.2.7.開口率
金属細線パターンの開口率は、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。金属細線パターンの開口率が60%以上であることにより、導電性シートの透過率がより向上する傾向にある。
金属細線パターンの開口率は、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。金属細線パターンの開口率が60%以上であることにより、導電性シートの透過率がより向上する傾向にある。
また、金属細線パターンの開口率は、好ましくは100%未満であり、より好ましくは95%以下であり、さらに好ましくは90%以下であり、よりさらに好ましくは80%以下であり、さらにより好ましくは70%以下であり、特に好ましくは60%以下である。金属細線パターンの開口率が100%未満であることにより、導電性シートの導電性がより向上する傾向にある。
金属細線パターンの開口率は、金属細線パターンの形状によっても適正な値が異なる。また、金属細線パターンの開口率は、目的とする電子デバイスの要求性能(透過率及びシート抵抗)に応じて、上記上限値と下限値を適宜組み合わせることができる。
なお、「金属細線パターンの開口率」とは、基材上の金属細線パターンが形成されている領域について以下の式で算出することができる。基材上の金属細線パターンが形成されている領域とは、金属細線パターンが形成されていない縁部等は除かれる。
金属細線パターンの開口率=(1-金属細線パターンの占める面積/透明基材の面積)×100
金属細線パターンの開口率=(1-金属細線パターンの占める面積/透明基材の面積)×100
なお、金属細線パターンの線幅W、アスペクト比、及びピッチPは、導電性シート断面を電子顕微鏡等で見ることにより確認することができる。また、金属細線パターンの線幅とピッチはレーザー顕微鏡や光学顕微鏡でも観察できる。また、ピッチPと開口率は後述する関係式を有するため、一方が分かればもう一方を算出することもできる。また、金属細線パターンの線幅W、アスペクト比、及びピッチPを所望の範囲に調整する方法としては、後述する導電性シートの製造方法において用いる版の溝を調整する方法、インク中の金属粒子の平均粒径を調整する方法等が挙げられる。
1.2.8.可視光透過率
導電性シートの可視光透過率は、好ましくは70~99%であり、より好ましくは75~95%であり、さらに好ましくは80~90%である。ここで、可視光透過率は、JIS K 7361-1:1997の全光線透過率に準拠して、その可視光(360~830nm)の範囲の平均透過率を算出することで測定することができる。パターン付き薄膜の可視光透過率は、金属細線パターンの線幅を小さくしたり、開口率を向上させたりすることにより、向上する傾向にある。
導電性シートの可視光透過率は、好ましくは70~99%であり、より好ましくは75~95%であり、さらに好ましくは80~90%である。ここで、可視光透過率は、JIS K 7361-1:1997の全光線透過率に準拠して、その可視光(360~830nm)の範囲の平均透過率を算出することで測定することができる。パターン付き薄膜の可視光透過率は、金属細線パターンの線幅を小さくしたり、開口率を向上させたりすることにより、向上する傾向にある。
1.2.9.シート抵抗
導電性シートのシート抵抗は、好ましくは0.001~20Ωcm-2であり、より好ましくは0.01~17.5Ωcm-2であり、さらに好ましくは0.01~15Ωcm-2であり、好ましくは0.1~10Ωcm-2である。シート抵抗が低いほど導電性がより向上する傾向にある。
導電性シートのシート抵抗は、好ましくは0.001~20Ωcm-2であり、より好ましくは0.01~17.5Ωcm-2であり、さらに好ましくは0.01~15Ωcm-2であり、好ましくは0.1~10Ωcm-2である。シート抵抗が低いほど導電性がより向上する傾向にある。
導電性シートのシート抵抗は、金属細線のアスペクト比(高さ)を向上させることにより、低下する傾向にある。また、金属細線を構成する金属材料種の選択によっても調整することが可能である。
1.2.10.ヘイズ
導電性シートのヘイズは、好ましくは0.01~5.00%であり、より好ましくは0.01~3.00%であり、さらに好ましくは0.01~1.00%である。ヘイズが5.00%以下であることにより、可視光に対する導電性シートの曇りがより抑制される傾向にある。本明細書におけるヘイズは、JIS K 7136:2000のヘイズに準拠して測定することができる。
導電性シートのヘイズは、好ましくは0.01~5.00%であり、より好ましくは0.01~3.00%であり、さらに好ましくは0.01~1.00%である。ヘイズが5.00%以下であることにより、可視光に対する導電性シートの曇りがより抑制される傾向にある。本明細書におけるヘイズは、JIS K 7136:2000のヘイズに準拠して測定することができる。
1.3.基材
基材としては、導電性シートの用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、ガラス等の透明無機基材、金属板等の不透明無機基材、プラスチックフィルムなどの透明又は不透明の有機基材が挙げられる。このなかでも、柔軟かつ透明な導電性シートを得る観点から、プラスチックが好ましい。また、これら基材は、表面に任意の層を有していたり、コロナ処理など任意の表面処理がされていたりするものであってもよい。
基材としては、導電性シートの用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、ガラス等の透明無機基材、金属板等の不透明無機基材、プラスチックフィルムなどの透明又は不透明の有機基材が挙げられる。このなかでも、柔軟かつ透明な導電性シートを得る観点から、プラスチックが好ましい。また、これら基材は、表面に任意の層を有していたり、コロナ処理など任意の表面処理がされていたりするものであってもよい。
基材の形態は、板状のものや、フィルム状のものが利用でき、形態自由度に優れる観点から、フィルム状のものが好ましい。
プラスチックとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の透明有機基材が挙げられる。
このなかでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることが、導電性シートを製造するためのコスト削減効果を包括する生産性が高い観点から好ましい。また、導電性シートの耐熱性に優れる観点から、ポリイミドを用いることが好ましい。さらに、薄膜と基材の密着に有利である観点から、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリエチレンナフタレートを用いることが好ましい。
本実施形態に使用される薄膜の基材は、1種の材料からなるものであっても、2種以上の材料が積層されたものであってもよい。また、透明基材が、2種以上の材料が積層された多層体である場合、透明基材は、有機基材又は無機基材同士が積層されたものであっても、有機基材及び無機基材が積層されたものであってもよい。
基材の厚さは、形態自由度に優れる、及び/又は透明性に優れる観点から、好ましくは5.0~500μmであり、より好ましくは5.0~300μmであり、さらに好ましくは10~100μmである。
1.3.1.表面層
基材は、複数の層を有していてもよく、導電性シートとの接触部に表面層を有していてもよい。表面層を基材上に積層することで、プラズマ等の焼成手段でインク中の金属成分を焼結させる際に、プラズマ等によって金属細線パターン部で被覆されていない箇所の基材のエッチングを防ぐことができる。
基材は、複数の層を有していてもよく、導電性シートとの接触部に表面層を有していてもよい。表面層を基材上に積層することで、プラズマ等の焼成手段でインク中の金属成分を焼結させる際に、プラズマ等によって金属細線パターン部で被覆されていない箇所の基材のエッチングを防ぐことができる。
表面層に含まれる成分としては、特に限定されないが、例えば、ケイ素化合物(例えば、(ポリ)シラン類、(ポリ)シラザン類、(ポリ)シルチアン類、(ポリ)シロキサン類、ケイ素、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、塩化ケイ素、ケイ素酸塩、ゼオライト、シリサイド等)、アルミニウム化合物(例えば、酸化アルミニウム等)、マグネシウム化合物(例えばフッ化マグネシウム)等が挙げられる。なお、上記ポリシラン類、ポリシラザン類、ポリシルチアン類、ポリシロキサン類は、直鎖若しくは分岐状、環状、網目状の形態を有してもよい。これら成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このなかでも、ケイ素化合物、酸化アルミニウム、及びフッ化マグネシウムが好ましく、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、及びフッ化マグネシウムがより好ましい。このような成分を用いることにより、プラズマに対する耐久性がより向上し、また、導電性シートと基材との密着性がより向上する傾向にある。また、このような成分を用いることにより、導電性シートの透明性及び耐久性がより向上する傾向にあり、導電性シートを製造するためのコスト削減効果などに寄与する生産性がより優れる傾向にある。
表面層は、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)などの気相成膜法や、上記表面層に含まれる成分が分散媒に分散した組成物を塗布、乾燥する方法により成膜することができる。この組成物は、必要に応じて、分散剤、界面活性剤、結着剤等を含有してもよい。
なお、表面層を含む場合、ケイ素は、プラズマ反応を経て導電性シート中に取り込まれてもよい。金属細線中に含まれるケイ素原子Siは、ケイ素原子やケイ素化合物の形態で存在していてもよく、ケイ素原子やケイ素化合物と金属原子とが結合した形態(例えば、Si-M、Si-O-M等)で存在していてもよい。
1.3.2.厚さ
表面層の厚さは、好ましくは0.01~500μmであり、より好ましくは0.05~300μmであり、さらに好ましくは0.10~200μmである。表面層の厚みが0.01μm以上であることにより、導電性シートと基材の密着性がより向上する傾向にある。また、表面層の厚みが500μm以下であることにより、基材の可撓性が担保できる。
表面層の厚さは、好ましくは0.01~500μmであり、より好ましくは0.05~300μmであり、さらに好ましくは0.10~200μmである。表面層の厚みが0.01μm以上であることにより、導電性シートと基材の密着性がより向上する傾向にある。また、表面層の厚みが500μm以下であることにより、基材の可撓性が担保できる。
1.3.3.体積抵抗率
表面層は静電気による金属細線パターンの断線を防ぐための、帯電防止機能を持っていることが好ましい。帯電防止機能を有する観点から、表面層は導電性無機酸化物及び導電性有機化合物の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
表面層は静電気による金属細線パターンの断線を防ぐための、帯電防止機能を持っていることが好ましい。帯電防止機能を有する観点から、表面層は導電性無機酸化物及び導電性有機化合物の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
帯電防止機能の観点から表面層の体積抵抗率は、好ましくは100~100000Ωcmであり、好ましくは1000~10000Ωcmであり、好ましくは2000~8000Ωcmである。表面層の体積抵抗率が100000Ωcm以下であることにより、帯電防止機能がより向上する傾向にある。また、表面層の体積抵抗率が100Ωcm以上であることにより、金属細線パターン間の電気伝導性がより低下し、タッチパネル等の用途に好適に用いることができる。
体積抵抗率は、表面層内の導電性無機酸化物や導電性有機化合物等の含有量により調整することができる。例えば、プラズマ耐性の高い酸化ケイ素(体積抵抗率1014Ω・cm以上)と導電性有機化合物である有機シラン化合物を表面層に含む場合、有機シラン化合物の含有量を増やすことで体積抵抗率を低下することができる。一方で、酸化ケイ素の含有量を増やすことで体積抵抗率は増加するが高いプラズマ耐性を有するため薄膜にすることができ、光学的特性を損なうことがない。
1.4.保護層
本実施形態の導電性シートは粒子層10の上に、保護層(不図示)を有していてもよい。保護層は基材20とともに粒子層10を挟むように形成することができる。
本実施形態の導電性シートは粒子層10の上に、保護層(不図示)を有していてもよい。保護層は基材20とともに粒子層10を挟むように形成することができる。
保護層としては、特に限定されないが、例えば、透明性を有し、導電性シートや基材と良好な密着性が発現できるものであれば、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、熱硬化型エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂や、ウレタンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート、エポキシアクリレート、シリコーンアクリレート、UV硬化型エポキシ樹脂などのUV硬化性樹脂、市販のコーティング剤などを用いることができる。
2.導電性シートの製造方法
本実施形態の導電性シートの製造方法は、基材に、前駆体薄膜を形成する膜形成工程と、前駆体薄膜を、分圧50~1000Paの水素原子を含む気体に50~1000秒間暴露する暴露工程と、前駆体薄膜を、120秒以上2000秒以下、プラズマと反応させて、導電性シートを得るプラズマ反応工程と、を含み、必要に応じて、膜形成工程前に、基材上に表面層を形成する表面層形成工程を有していてもよい。
本実施形態の導電性シートの製造方法は、基材に、前駆体薄膜を形成する膜形成工程と、前駆体薄膜を、分圧50~1000Paの水素原子を含む気体に50~1000秒間暴露する暴露工程と、前駆体薄膜を、120秒以上2000秒以下、プラズマと反応させて、導電性シートを得るプラズマ反応工程と、を含み、必要に応じて、膜形成工程前に、基材上に表面層を形成する表面層形成工程を有していてもよい。
2.1.表面層形成工程
表面層形成工程は、基材上に上述した表面層を形成する工程である。表面層を形成することにより、例えば、プラスチックの基材を用いる場合、表面層によってプラズマ反応によるプラスチックの変性やエッチングを防ぐことができる。
表面層形成工程は、基材上に上述した表面層を形成する工程である。表面層を形成することにより、例えば、プラスチックの基材を用いる場合、表面層によってプラズマ反応によるプラスチックの変性やエッチングを防ぐことができる。
表面層形成方法の具体例としては、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)等の気相成膜法を用いて表面層を形成する成分を透明基材の表面に成膜させることにより表面層を形成する方法が挙げられる。表面層形成工程の別の具体例としては、表面層を形成する成分が分散媒に分散してなる組成物を透明基材の表面に塗布し、乾燥させることにより表面層を形成する方法が挙げられる。また、表面層形成組成物は、必要に応じて、分散剤、界面活性剤等を含んでもよい。
表面層形成工程において、表面層を形成する成分としては上述したケイ素化合物を用いることが好ましい。
2.2.膜形成工程
膜形成工程は、基材に、前駆体薄膜を形成する工程である。
膜形成工程は、基材に、前駆体薄膜を形成する工程である。
2.2.1.前駆体薄膜
前駆体薄膜は遷移金属を含むものであり、これに対して後述のプラズマ反応工程を施すことで本実施形態の導電性シートとなるものである。既に述べたように、このように前駆体薄膜に対してプラズマ処理を施すことにより得られる導電性シートは、微細パターンを形成する場合であっても密着性に優れる導電性シートとなる。
前駆体薄膜は遷移金属を含むものであり、これに対して後述のプラズマ反応工程を施すことで本実施形態の導電性シートとなるものである。既に述べたように、このように前駆体薄膜に対してプラズマ処理を施すことにより得られる導電性シートは、微細パターンを形成する場合であっても密着性に優れる導電性シートとなる。
このような前駆体薄膜は、真空装置などを用いた乾式法、インクなどを用いた湿式法など様々な手法を用いて成膜することができる。このうち、大規模製造に適するという観点から、インクを基材上に印刷して前駆体薄膜を成膜する方法が好ましい。
用いることのできる印刷方法としては、特に限定されないが、例えば、凸版印刷、グラビア印刷、バーコート印刷、スプレーコート、スピンコート、反転転写印刷などが挙げられる。このなかでも、比較的精密なパターンを印刷できる観点から、有版印刷方法による前駆体薄膜の成膜が好ましい。
有版印刷方法とは、例えば、転写媒体表面にインクをコーティングする工程と、インクをコーティングした転写媒体表面と、凸版の凸部表面とを接触して、凸版の凸部表面に転写媒体表面上のインクの一部を転移させる工程と、一部のインクが転移した後の転写媒体表面と基材の表面とを接触して、転写媒体表面に残ったインクを基材の表面に転写する工程が挙げられる。
例えば、このような印刷方法において、印刷条件やインクを調製することで、前駆体薄膜の厚さ、幅、ピッチ等の各種形状や、前駆体薄膜に含まれる各原子の濃度を制御できる。
2.2.2.インク
上記印刷方法に用いられるインクは、金属成分、溶剤を含み、必要に応じて、界面活性剤、分散剤、還元剤等を含んでもよい。
上記印刷方法に用いられるインクは、金属成分、溶剤を含み、必要に応じて、界面活性剤、分散剤、還元剤等を含んでもよい。
2.2.2.1.金属粒子
金属成分は、金属粒子としてインクに含まれていてもよいし、金属錯体としてインクに含まれていてもよい。このなかでも金属粒子としてインクに含まれることが好ましい。金属粒子としては、上述した遷移金属原子を含むものであれば、酸化銅等の金属酸化物やその他の金属化合物、コア部が銅でありシェル部が酸化銅であるようなコア/シェル粒子の態様であってもよい。このなかでも、取扱性の観点からは、酸化銅等の金属酸化物が好ましい。
金属成分は、金属粒子としてインクに含まれていてもよいし、金属錯体としてインクに含まれていてもよい。このなかでも金属粒子としてインクに含まれることが好ましい。金属粒子としては、上述した遷移金属原子を含むものであれば、酸化銅等の金属酸化物やその他の金属化合物、コア部が銅でありシェル部が酸化銅であるようなコア/シェル粒子の態様であってもよい。このなかでも、取扱性の観点からは、酸化銅等の金属酸化物が好ましい。
金属粒子の平均一次粒径は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは50nm以下であり、さらに好ましくは30nm以下である。また、金属粒子の平均一次粒径の下限は特に限定されないが、1nm以上が挙げられる。得られる金属細線の線幅Wをより細くすることができる観点から、金属粒子の平均一次粒径が100nm以下であることが好ましい。
金属粒子の平均二次粒径は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは50nm以下であり、さらに好ましくは30nm以下である。薄膜成膜時の塗布性に優れる観点から、各粒子が単分散しており、平均二次粒径は平均一次粒径に近いことが好ましい。
なお、本実施形態において「平均一次粒径」とは、金属粒子1つ1つ(所謂一次粒子)の粒径をいい、金属粒子が複数個集まって形成される凝集体(所謂二次粒子)の粒径である平均二次粒径とは区別される。
2.2.2.3.界面活性剤
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤などが挙げられる。このような界面活性剤を用いることにより、転写媒体(ブランケット)へのインクのコーティング性、コーティングされたインクの平滑性が向上し、より均一な塗膜が得られる傾向にある。なお、界面活性剤は、金属成分を分散可能であり、かつ焼成の際に残留しにくいよう構成されていることが好ましい。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤などが挙げられる。このような界面活性剤を用いることにより、転写媒体(ブランケット)へのインクのコーティング性、コーティングされたインクの平滑性が向上し、より均一な塗膜が得られる傾向にある。なお、界面活性剤は、金属成分を分散可能であり、かつ焼成の際に残留しにくいよう構成されていることが好ましい。
2.2.2.4.溶媒
インクの溶媒は、保存安定性に優れる点、及び光損失が少ない点から、有機溶媒であることが好ましい。上記観点から、有機溶媒は、アルコールであることが好ましい。上記観点から、有機溶媒の炭素数は1以上7以下であることが好ましく、より好ましくは2以上、またより好ましくは5以下、又は4以下であり、2が最も好ましい。溶媒としては、水、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシ-3-メチル-ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2-ペンタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、2,5-ヘキサンジオール、2,4-ヘプタンジオール、2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、トリエチレングリコール、トリ-1,2-プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、i-ペンタノール、2-メチルブタノール、2-ペンタノール、t-ペンタノール、3-メトキシブタノール、n-ヘキサノール、2-メチルペンタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、2-エチルブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、2-オクタノール、n-ノニルアルコール、2、6ジメチル-4-ヘプタノール、n-デカノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3、3、5-トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられ、保存安定性に優れる点、及び光損失が少ない点から、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、及びこれらの異性体であることがより好ましく、エタノール、プロパノール、ブタノール及びこれらの異性体であることがさらに好ましく、エタノールが最も好ましい。
インクの溶媒は、保存安定性に優れる点、及び光損失が少ない点から、有機溶媒であることが好ましい。上記観点から、有機溶媒は、アルコールであることが好ましい。上記観点から、有機溶媒の炭素数は1以上7以下であることが好ましく、より好ましくは2以上、またより好ましくは5以下、又は4以下であり、2が最も好ましい。溶媒としては、水、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシ-3-メチル-ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2-ペンタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、2,5-ヘキサンジオール、2,4-ヘプタンジオール、2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、トリエチレングリコール、トリ-1,2-プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、i-ペンタノール、2-メチルブタノール、2-ペンタノール、t-ペンタノール、3-メトキシブタノール、n-ヘキサノール、2-メチルペンタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、2-エチルブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、2-オクタノール、n-ノニルアルコール、2、6ジメチル-4-ヘプタノール、n-デカノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3、3、5-トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられ、保存安定性に優れる点、及び光損失が少ない点から、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、及びこれらの異性体であることがより好ましく、エタノール、プロパノール、ブタノール及びこれらの異性体であることがさらに好ましく、エタノールが最も好ましい。
2.2.2.5.分散剤
分散剤としては、特に制限されないが、例えば、金属成分に非共有結合又は相互作用をする分散剤、金属成分に共有結合をする分散剤が挙げられる。非共有結合又は相互作用をする官能基としてはリン酸基を有する分散剤が挙げられる。このような分散剤を用いることにより、金属成分の分散性がより向上する傾向にある。
分散剤としては、特に制限されないが、例えば、金属成分に非共有結合又は相互作用をする分散剤、金属成分に共有結合をする分散剤が挙げられる。非共有結合又は相互作用をする官能基としてはリン酸基を有する分散剤が挙げられる。このような分散剤を用いることにより、金属成分の分散性がより向上する傾向にある。
2.3.暴露工程
暴露工程は、前駆体薄膜を、分圧50~1000Paの水素原子を含む気体に50~1000秒間暴露する工程である。このような暴露工程を有することにより、水素原子を含む気体の分子が前駆体薄膜に所定量取り込まれる、及び/又は吸着する。その上で後述するプラズマ反応工程を行うことにより、接合部が形成されるものと考えられる。但し、接合部の形成メカニズムは上記に限定されない。
暴露工程は、前駆体薄膜を、分圧50~1000Paの水素原子を含む気体に50~1000秒間暴露する工程である。このような暴露工程を有することにより、水素原子を含む気体の分子が前駆体薄膜に所定量取り込まれる、及び/又は吸着する。その上で後述するプラズマ反応工程を行うことにより、接合部が形成されるものと考えられる。但し、接合部の形成メカニズムは上記に限定されない。
水素原子を含む気体としては、特に限定されないが、例えば、水素、水、アンモニア、メタンなどが挙げられる。この中でも、接合部30の形成に優れる観点から、水素又は水が好ましく、水素がより好ましい。水素原子を含む分子である気体は一種類又は複数種類の分子を用いてもよい。また、暴露工程の雰囲気においては、所定の分圧で水素原子を含む気体を用いれば特に制限されず、その他の気体が混合されていてもよい。その他の気体としては、特に限定されないが、例えば、ヘリウムなどの希ガスが挙げられる。また、酸素などの酸化性の気体の混合量は少ないことが好ましい。特に、酸素などの酸化性の気体の分圧は、水素原子を含む気体の分圧よりも、少ないことが好ましく、半分より少ないことがより好ましく、1/10より少ないことがさらに好ましい。ことがより好ましい。
暴露工程における上記気体の分圧は、50~1000Paであり、好ましくは50~750Paであり、より好ましくは50~500Paである。分圧が上記範囲内であることにより、前駆体薄膜への気体の吸着が好適に進行し、接合部がより形成されやすくなる傾向にある。
上記気体の暴露時間は、50~1000秒間であり、好ましくは100~750秒間であり、より好ましくは150~500秒間である。暴露時間が上記範囲内であることにより、前駆体薄膜への気体の吸着が好適に進行し、接合部がより形成されやすくなる傾向にある。
暴露工程における温度は、好ましくは0~300℃であり、好ましくは10~200℃であり、より好ましくは15~250℃である。暴露温度が上記範囲内であることにより、前駆体薄膜への気体の吸着が好適に進行し、接合部がより形成されやすくなる傾向にある。
2.4.プラズマ反応工程
プラズマ反応工程は、暴露工程後の前駆体薄膜を、120~2000秒、プラズマと反応させて、導電性シートを得る工程である。これにより前駆体薄膜が焼成され、インク中の金属粒子同士が焼結することで粒子層(導電性薄膜)が形成されることに加え、粒子層と基材を接合する接合部が形成される。そしてこれにより、導電性と基材との密着性に優れる導電性シートを得ることができる。なお、プラズマ反応中の雰囲気を水素原子を含む気体とすることで、導電性シートに含まれる酸素濃度も調整することができる。
プラズマ反応工程は、暴露工程後の前駆体薄膜を、120~2000秒、プラズマと反応させて、導電性シートを得る工程である。これにより前駆体薄膜が焼成され、インク中の金属粒子同士が焼結することで粒子層(導電性薄膜)が形成されることに加え、粒子層と基材を接合する接合部が形成される。そしてこれにより、導電性と基材との密着性に優れる導電性シートを得ることができる。なお、プラズマ反応中の雰囲気を水素原子を含む気体とすることで、導電性シートに含まれる酸素濃度も調整することができる。
プラズマは様々な方法により生じさせることができる。なかでも、マイクロ波プラズマや高周波プラズマが比較的制御が容易なため好ましく、特に装置内のプラズマ発生のための電極などによる汚染が少なくできる観点から、マイクロ波プラズマがより好ましい。
マイクロ波プラズマにおけるマイクロ波出力は、好ましくは0.5~10kWであり、より好ましくは0.5~5.0kWである。マイクロ波出力が0.5kW以上であることにより、得られる導電性シートと基材の密着性がより向上し、プラズマの反応時間を短縮することができる。また、マイクロ波出力が10kW以下であることにより、プラズマによって基材がエッチングされたり変性したりすることが抑制される傾向にある。
プラズマ反応の処理時間は、120~2000秒であり、好ましくは120~1000秒であり、より好ましくは150~500秒である。処理時間が120秒以上であることにより、粒子層が形成されるとともに接合部が形成され、それによって導電性シートと基材の密着性がより向上する。また、処理時間が2000秒以下であることにより、導電性シートの生産性がより向上する傾向にある。
プラズマ反応の雰囲気は、水素原子を含む分子である気体や希ガスを含むことが好ましい。水素原子を含む分子である気体の気体としては、特に限定されないが、例えば、水素分子や水分子を含む気体が好ましく、水素分子を含む気体がさらに好ましい。このような水素原子を含む分子である気体を用いることにより、製造する導電性シートの導電性がより向上する傾向にある。なお、水素原子を含む分子である気体の分圧は、好ましくは0.1~1000Paであり、より好ましくは1.0~500Paであり、さらに好ましくは10~300Paである。水素原子を含む分子である気体は一種類又は複数種類の分子を用いてもよい。
希ガスとしては、特に限定されないが、例えば、ヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトンが挙げられる。このなかでも、これらのプラズマによるサンプルエッチングが少ない観点から、分子量の比較的小さい、ヘリウムまたはアルゴンが好ましく、ヘリウムが最も好ましい。このような希ガスを用いることにより、プラズマ反応をより制御しやすくなる。
水素原子を含む分子である気体と希ガスは混合して用いてもよく、これにさらにその他の気体を混合して用いてもよい。還元性を有し、かつその還元反応の制御が比較的容易にできる観点から、水素原子を含む分子である気体と希ガスを共に含むことが好ましい。具体的には、水素分子及び/又は水分子と、ヘリウムを共に含む気体であることが好ましい。
プラズマ反応の圧力は、加圧下、減圧下、大気圧下のいずれでもよい。このなかでもプラズマの平均自由行程を長くできる観点から、減圧下であることが好ましい。具体的には、圧力は、好ましくは0.1~1000Paであり、より好ましくは1.0~500Paであり、さらに好ましくは10~300Paである。圧力が0.1Pa以上であることにより、プラズマの平均自由行程がより長くなる傾向にある。また、圧力が1000Paであることにより、水素原子を含む分子である気体や希ガスをより多く用いることができる。
3.タッチパネル
本実施形態のタッチパネルは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、静電容量方式のタッチパネルにおいては、絶縁体の表裏面に2枚の導電性シートが存在し、2枚の導電性シートは、例えば金属細線のラインパターンが交差するように対向する。導電性シートは、取り出し電極に接続されており、取り出し電極は、金属細線と、金属細線への通電切り替えを行うためのコントローラー(CPU等)とを接続する。
本実施形態のタッチパネルは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、静電容量方式のタッチパネルにおいては、絶縁体の表裏面に2枚の導電性シートが存在し、2枚の導電性シートは、例えば金属細線のラインパターンが交差するように対向する。導電性シートは、取り出し電極に接続されており、取り出し電極は、金属細線と、金属細線への通電切り替えを行うためのコントローラー(CPU等)とを接続する。
なお、本実施形態のタッチパネルは、静電容量方式に限定されず、抵抗膜方式、投影型静電容量方式、及び表面型静電容量方式等としてもよい。
4.ディスプレイ
本実施形態のディスプレイは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイにおいては、有機EL膜を電極で挟んだ構造を有し、その電極の一つとして上記導電性シートを用いることができる。また、液晶ディスプレイにおいては、液晶層を電極で挟んだ構造を有し、その電極の一つとして上記導電性シートを用いることができる。
本実施形態のディスプレイは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイにおいては、有機EL膜を電極で挟んだ構造を有し、その電極の一つとして上記導電性シートを用いることができる。また、液晶ディスプレイにおいては、液晶層を電極で挟んだ構造を有し、その電極の一つとして上記導電性シートを用いることができる。
5.ヒーター
本実施形態のヒーターは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、電熱ヒーターにおいては、電気を供給することでジュール熱を発する電熱部と、電熱部に対して電力を供給する給電装置とを有し、その電熱部として導電性シートを用いることができる。導電性シートを透明に構成すれば、透明ヒーターとなり、また、導電性シートの抵抗が高くなるように設計することで、発熱量の高いヒーターとなる。
本実施形態のヒーターは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、電熱ヒーターにおいては、電気を供給することでジュール熱を発する電熱部と、電熱部に対して電力を供給する給電装置とを有し、その電熱部として導電性シートを用いることができる。導電性シートを透明に構成すれば、透明ヒーターとなり、また、導電性シートの抵抗が高くなるように設計することで、発熱量の高いヒーターとなる。
例えば、透明ヒーターは、その用途は特に限定されないが、例えば、自動車のヘッドランプ、テールランプ等に用いられるLED照明器具の防曇又凍結防止用ヒーター、街灯等に用いられる屋外用LED照明器具の防曇又凍結防止用ヒーターが挙げられる。
6.電磁波シールド
本実施形態の電磁波シールドは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、電磁波シールドにおいては、入射する電磁波を電磁波の反射や吸収するシールド材を有するが、そのシールド材として、上記導電性シートを用いることができる。
本実施形態の電磁波シールドは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、電磁波シールドにおいては、入射する電磁波を電磁波の反射や吸収するシールド材を有するが、そのシールド材として、上記導電性シートを用いることができる。
7.アンテナ
本実施形態のアンテナは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、RFタグにおいては、半導体素子とそれに接続されたアンテナを有することにより特定の周波数の送受信が可能となっており、そのアンテナとして導電性シートを用いることができる。導電性シートを透明に構成すれば、透明アンテナとなる。
本実施形態のアンテナは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、RFタグにおいては、半導体素子とそれに接続されたアンテナを有することにより特定の周波数の送受信が可能となっており、そのアンテナとして導電性シートを用いることができる。導電性シートを透明に構成すれば、透明アンテナとなる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(粒子層と接合部の形態評価)
粒子層の膜厚、及び粒子層について、金属粒子同士が焼結して形成された層であること、及び接合部の有無とその形状は、下記の断面STEM像より求めた。さらに粒子層のパターン形状、線幅、ピッチは、レーザー顕微鏡(OLYMPUS社製、OLS-4500)により評価した。
粒子層の膜厚、及び粒子層について、金属粒子同士が焼結して形成された層であること、及び接合部の有無とその形状は、下記の断面STEM像より求めた。さらに粒子層のパターン形状、線幅、ピッチは、レーザー顕微鏡(OLYMPUS社製、OLS-4500)により評価した。
(断面STEM像)
得られた導電性シートをカミソリで切り出し、蒸着したカーボン層により包埋し、焦点イオン線で厚さ約100nmの薄切片を形成した。得られた薄切片を測定サンプルとして、下記条件にて電子線を照射し、評価サンプルを準備することで、反射電子像および透過電子像を得た。
[装置条件]
STEM:日立ハイテクノロジーズ社製、走査型透過電子顕微鏡 HD―2300A
加速電圧 :200kV
測定倍率 :300,000倍、又は600,000倍
得られた導電性シートをカミソリで切り出し、蒸着したカーボン層により包埋し、焦点イオン線で厚さ約100nmの薄切片を形成した。得られた薄切片を測定サンプルとして、下記条件にて電子線を照射し、評価サンプルを準備することで、反射電子像および透過電子像を得た。
[装置条件]
STEM:日立ハイテクノロジーズ社製、走査型透過電子顕微鏡 HD―2300A
加速電圧 :200kV
測定倍率 :300,000倍、又は600,000倍
(金属細線の膜厚)
また上記サンプルを用いて、STEM-EDX分析により、金属細線の膜厚を評価した。
[装置条件]
STEM:日立ハイテクノロジーズ社製、走査型透過電子顕微鏡 HD―2300A
EDX :EDAX社製、エネルギー分散型X線分析装置 Octane T Plus(ソフトウェア:GENESIS)
加速電圧 :200kV
測定倍率 :100,000倍
マッピング元素:Cu、O、P、Si、C
また上記サンプルを用いて、STEM-EDX分析により、金属細線の膜厚を評価した。
[装置条件]
STEM:日立ハイテクノロジーズ社製、走査型透過電子顕微鏡 HD―2300A
EDX :EDAX社製、エネルギー分散型X線分析装置 Octane T Plus(ソフトウェア:GENESIS)
加速電圧 :200kV
測定倍率 :100,000倍
マッピング元素:Cu、O、P、Si、C
(シート抵抗評価)
シート抵抗は、NAPSON社製の渦電流を用いた非接触型抵抗計(NC-700)を用いて測定した。
シート抵抗は、NAPSON社製の渦電流を用いた非接触型抵抗計(NC-700)を用いて測定した。
(可視光透過率)
可視光透過率は、下記による方法により算出した。
(可視光透過率)=(細線パターンの開口率)×(基材の可視光透過率)
可視光透過率は、下記による方法により算出した。
(可視光透過率)=(細線パターンの開口率)×(基材の可視光透過率)
(密着性)
粒子層の基材への密着性は、以下のテープ剥離試験によって評価した。粒子層の上に、粘着性テープ(スリーエム社製610番)の粘着面を接触させ、このテープの上から2N(ニュートン)のローラーで2往復させることで、テープを固定した。この固定したテープを90°剥離試験機(島津製作所社製、EZ-S)にて、100mm/minの速度でテープをはがし、テープ剥離試験を実施した。このテープ剥離後の基材表面をレーザー顕微鏡(OLYMPUS社製、OLS-4500)で観察し、テープ剥離試験前の金属細線と比較し、テープ剥離試験による金属細線の剥離面積率を求めた。この剥離面積率が小さいほど薄膜が基材への密着性に優れることを意味する。
粒子層の基材への密着性は、以下のテープ剥離試験によって評価した。粒子層の上に、粘着性テープ(スリーエム社製610番)の粘着面を接触させ、このテープの上から2N(ニュートン)のローラーで2往復させることで、テープを固定した。この固定したテープを90°剥離試験機(島津製作所社製、EZ-S)にて、100mm/minの速度でテープをはがし、テープ剥離試験を実施した。このテープ剥離後の基材表面をレーザー顕微鏡(OLYMPUS社製、OLS-4500)で観察し、テープ剥離試験前の金属細線と比較し、テープ剥離試験による金属細線の剥離面積率を求めた。この剥離面積率が小さいほど薄膜が基材への密着性に優れることを意味する。
<実施例1>
(透明基材の調製)
ポリエチレンテレフタレート(PET)を透明基材として用いて、その上に酸化ケイ素ナノ粒子と導電性の有機シラン化合物を含む表面層形成組成物を塗布し、乾燥して、帯電防止機能を有する厚み150nm、体積抵抗率5000Ωcmの酸化ケイ素を含有した表面層を形成することにより基材を得た。なお、この基材は、基材であるPET上に表面層が積層した形態である。
(透明基材の調製)
ポリエチレンテレフタレート(PET)を透明基材として用いて、その上に酸化ケイ素ナノ粒子と導電性の有機シラン化合物を含む表面層形成組成物を塗布し、乾燥して、帯電防止機能を有する厚み150nm、体積抵抗率5000Ωcmの酸化ケイ素を含有した表面層を形成することにより基材を得た。なお、この基材は、基材であるPET上に表面層が積層した形態である。
(インクの調製)
一次粒径21nmの酸化第一銅ナノ粒子20質量部と、分散剤(ビッグケミー社製、製品名:Disperbyk-145)4質量部と、界面活性剤(セイミケミカル社製、製品名:S-611)1質量部と、エタノール75質量部とを混合し、酸化第一銅ナノ粒子の含有割合が20質量%のインクを調製した。
一次粒径21nmの酸化第一銅ナノ粒子20質量部と、分散剤(ビッグケミー社製、製品名:Disperbyk-145)4質量部と、界面活性剤(セイミケミカル社製、製品名:S-611)1質量部と、エタノール75質量部とを混合し、酸化第一銅ナノ粒子の含有割合が20質量%のインクを調製した。
(膜形成工程)
先ず転写媒体表面にインクを塗布し、次いでインクが塗布された転写媒体表面と金属細線パターンの溝を有する版を接触して、版の凸部表面に転写媒体表面上の一部のインクを転移させた。その後、残ったインクがコーティングされた転写媒体表面と基材とを接触させ、基材の上に金属細線パターン状のインクを転写させた。この工程により、前駆体薄膜を製造した。この前駆体薄膜の膜厚は680nmであり、線幅は3μmであり、ピッチは60μmであった。表1にこれらの結果を記す。
先ず転写媒体表面にインクを塗布し、次いでインクが塗布された転写媒体表面と金属細線パターンの溝を有する版を接触して、版の凸部表面に転写媒体表面上の一部のインクを転移させた。その後、残ったインクがコーティングされた転写媒体表面と基材とを接触させ、基材の上に金属細線パターン状のインクを転写させた。この工程により、前駆体薄膜を製造した。この前駆体薄膜の膜厚は680nmであり、線幅は3μmであり、ピッチは60μmであった。表1にこれらの結果を記す。
(暴露工程)
上記のようにして形成した前駆体薄膜を、水素原子を含む気体に暴露した。具体的には、水素とヘリウムの混合気体であって、水素分圧が100Paとなるように調製した雰囲気に180秒間前駆体薄膜を曝した。
上記のようにして形成した前駆体薄膜を、水素原子を含む気体に暴露した。具体的には、水素とヘリウムの混合気体であって、水素分圧が100Paとなるように調製した雰囲気に180秒間前駆体薄膜を曝した。
(プラズマ反応工程)
暴露工程を経た前駆体薄膜にプラズマ反応を施した。具体的には、減圧下で水素3体積%、ヘリウム97体積%の気体を導入した雰囲気に、1.5kWの出力で発生させたマイクロ波によりプラズマを発生させ、このプラズマと前駆体薄膜を300秒反応させた。
暴露工程を経た前駆体薄膜にプラズマ反応を施した。具体的には、減圧下で水素3体積%、ヘリウム97体積%の気体を導入した雰囲気に、1.5kWの出力で発生させたマイクロ波によりプラズマを発生させ、このプラズマと前駆体薄膜を300秒反応させた。
実施例1の薄膜について、各評価を行った。これらの結果を表1に示す。また、実施例1において観察された接合部のうち4つについて、接触断面長L0、中間高さにおける断面長L1/2、接触角、曲率、ギャップGをまとめたものを表2に示す。
<実施例2>
前駆体薄膜の膜厚を360nmとし、プラズマ反応工程の反応時間を180秒としたこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。また、実施例2において観察された接合部のうち2つについて、接触断面長L0、中間高さにおける断面長L1/2、接触角、曲率、ギャップGをまとめたものを表2に示す。
前駆体薄膜の膜厚を360nmとし、プラズマ反応工程の反応時間を180秒としたこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。また、実施例2において観察された接合部のうち2つについて、接触断面長L0、中間高さにおける断面長L1/2、接触角、曲率、ギャップGをまとめたものを表2に示す。
<実施例3>
前駆体薄膜の膜厚を360nmとし、暴露工程の気体を水素から水分子とし、プラズマ反応工程の出力を0.9kW、反応時間を120秒としたこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。また、実施例3において観察された接合部のうち2つについて、接触断面長L0、中間高さにおける断面長L1/2、接触角、曲率、ギャップGをまとめたものを表2に示す。
前駆体薄膜の膜厚を360nmとし、暴露工程の気体を水素から水分子とし、プラズマ反応工程の出力を0.9kW、反応時間を120秒としたこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。また、実施例3において観察された接合部のうち2つについて、接触断面長L0、中間高さにおける断面長L1/2、接触角、曲率、ギャップGをまとめたものを表2に示す。
<比較例1>
暴露工程を行わず、プラズマ反応工程の反応時間を60秒としたこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
暴露工程を行わず、プラズマ反応工程の反応時間を60秒としたこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
また、実施例1~2の接合部分の反射電子像及び透過電子像を図5~6に示す。
10…粒子層、10’…金属細線、11…空孔、12…粒子、20…基材、30…接合部、31,33…接触面、32…側面、40…金属細線パターン、50…開口、100…導電性シート
Claims (32)
- 基材と、
該基材上に積層された、遷移金属を含む粒子が結合した粒子層と、
接合部と、を含み、
該接合部が、前記粒子層における前記基材に対して突出した粒子の先端と、前記基材とを結合する、
導電性シート。 - 前記接合部が、透過電子顕微鏡による前記導電性シートの断面についての透過電子像において、前記粒子層と前記基材よりもコントラストの薄い部分として確認されるものである、
請求項1に記載の導電性シート。 - 前記基材と前記接合部との接触断面長L0が、1.0nm以上500nm以下である、
請求項1又は2に記載の導電性シート。 - 前記接合部と前記基材との接触角θが、90°以下である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記接合部の中間高さにおける断面長L1/2が、前記基材と前記接合部との接触断面長L0よりも小さい、
請求項1~4のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記接合部の中間高さにおける断面長L1/2と前記接合部との接触断面長L0の比(L1/2/L0)が0.1以上1.0以下である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記突出した粒子における、前記接合部と接触する部分の曲率が、1.0μm-1以上1000μm-1以下である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記接合部の前記基材の被覆率が、1.0%以上50%以下である、
請求項1~7のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記接合部により接合される前記突出した粒子と前記基材とのギャップが、1nm以上100nm以下である、
請求項1~8のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記基材が複数の層を有する、
請求項1~9のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記基材が、ケイ素化合物を含む表面層を有する、
請求項1~10のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記基材が、プラスチックである、
請求項1~11のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記プラスチックが、ポリエチレンテレフタレートである、
請求項12に記載の導電性シート。 - 前記遷移金属が、IUPACの周期表における第11族元素の金属を含む、
請求項1~13のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記遷移金属が、銅を含む、
請求項14に記載の導電性シート。 - 前記粒子層を構成する前記粒子の平均粒径が、1.0nm以上500nm以下である、
請求項1~15のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記粒子層の膜厚が、30nm以上1000μm以下である、
請求項1~16のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記粒子層が、開口を有する連続したパターンを構成する、
請求項1~17のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 前記パターンが、複数の細線が交差して構成されるパターンである、
請求項18に記載の導電性シート。 - 前記細線の線幅が、100nm以上1000μm以下である、
請求項19に記載の導電性シート。 - 前記細線のピッチが、1.0μm以上1000μm以下である、
請求項19又は20に記載の導電性シート。 - 可視光透過率が、70%以上99%以下である、
請求項1~21のいずれか一項に記載の導電性シート。 - シート抵抗が、0.001Ωcm-2以上20Ωcm-2以下である、
請求項1~22のいずれか一項に記載の導電性シート。 - 請求項1~23のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
タッチパネル。 - 請求項1~23のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
ディスプレイ。 - 請求項1~23のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
ヒーター。 - 請求項1~23のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
電磁波シールド。 - 請求項1~23のいずれか一項に記載の導電性シートを備える、
アンテナ。 - 基材に前駆体薄膜を形成する膜形成工程と、
前記前駆体薄膜を、分圧50~1000Paの水素原子を含む気体に50~1000秒間暴露する暴露工程と、
前記気体に暴露した前記前駆体薄膜を、120秒以上2000秒以下、プラズマと反応させて、導電性シートを得るプラズマ反応工程と、を含む、
導電性シートの製造方法。 - 前記プラズマ反応工程の雰囲気が、水素原子を含む分子である気体を含む、
請求項29に記載の導電性シートの製造方法。 - 前記プラズマ反応工程の雰囲気が、希ガスを含む、
請求項29又は30に記載の導電性シートの製造方法。 - 前記プラズマ反応工程において、マイクロ波プラズマを用いる、
請求項29~31のいずれか一項に記載の導電性シートの製造方法。
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