JP2022147718A - 着色分散液、それを用いるインク組成物、および、それらを用いた分散安定性向上方法及び疎水性繊維の捺染方法。 - Google Patents
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Abstract
Description
着色分散液、およびこれらが付着した記録メディア及び疎水性繊維の捺染方法に関する。
近年、インクジェットによる無製版印刷を行なう記録方法が提案され、布等を含めた繊維の捺染においてもインクジェット捺染が行われている。従来のスクリーン印刷等の捺染方法と比較して、インクジェット印刷による捺染は、無製版であること、省資源であること、省エネルギーであること、及び高精細表現が容易であること、等、様々な利点がある。ここでポリエステル繊維等の疎水性繊維布は、一般に水に不溶性の色材により染色される。従って、インクジェット記録方法により疎水性繊維を捺染するための水性インクとしては、一般に水不溶性色材を水中に分散し、分散安定性等の性能が良好な分散インクを用いる必要がある。ポリエステル繊維を代表とする疎水性繊維へのインクジェット捺染方式は、大きく分けると以下2つの方法に大別される。繊維へ直接インクを付与(プリント)した後、高温スチーミング等の熱処理によりインク中の染料を繊維に染着させるダイレクトプリント法と、中間記録媒体(専用の転写紙等)にインクを付与(プリント)した後、中間記録媒体のインク付与面と疎水性繊維を重ね合わせた後、熱により染料を中間記録媒体から繊維側へ転写させる昇華転写法である。
上記のうち昇華転写法は、のぼり旗等の捺染加工に主に用いられ、インク中には熱処理によるポリエステルへの転写適性に優れた易昇華型の染料が用いられる。加工工程としては、
(1)プリント工程:インクジェットプリンタにより染料インクを中間記録媒体に付与する工程、
(2)転写工程:熱処理により染料を中間記録媒体から繊維中に転写・染着させる工程、
の2工程が含まれ、市販の転写紙が広く使用できる為、繊維の前処理は必要とせず、また洗浄工程も省略されている。
(1)プリント工程:インクジェットプリンタにより染料インクを中間記録媒体に付与する工程、
(2)転写工程:熱処理により染料を中間記録媒体から繊維中に転写・染着させる工程、
の2工程が含まれ、市販の転写紙が広く使用できる為、繊維の前処理は必要とせず、また洗浄工程も省略されている。
昇華転写法に使用されているインクジェットインクは、主として水性インクが使用され、水不溶性である分散染料群及び油溶性染料群から選ばれる染料を、分散剤を用いて水中に微粒子分散安定化した染料分散液とし、これに、保湿剤(乾燥防止剤)として水溶性有機溶剤、表面張力調整剤として界面活性剤、その他添加剤(pH調整剤、防腐・防黴剤、消泡剤等)を用いて、粒度・粘度・表面張力・pH等の物理特性(物性)を最適化してインク化されている(特許文献1参照)。また、インクジェットプリントにおいて、プリントヘッドのノズルが配列されたプレートからインクを安定的に吐出できる事が重要であるが、水系インクにおいてはノズルプレート近傍でインク中の水分の蒸発によって引き起こされる吐出トラブルが起こり易い。上記吐出トラブルとしては、例えば、プレート上でインク組成物が付着乾燥した場合に、プリンタのクリーニング動作で速やかに除去する事ができずに、印刷中にインクの吐出不良(飛行曲がり等)を引き起こすことなどが挙げられる。インクジェットインクには、良好な射出性も求められ、染料がインク中で不安定であったり、分散が不十分であったりすると、インクジェットヘッドにおける射出性が不安定になるという問題がある。
前述のように、水不溶性である分散染料群及び油溶性染料群から選ばれる染料を水中に分散させたインクは、従来の分散剤を用いてもインク中の粒子が凝集し保存時の分散安定性が十分ではないという点に鑑みて、本発明者らは鋭意検討を重ねた。その結果、水性インクを調製する前の段階で得られる染料の染料分散液は、ある程度分散安定性があるにもかかわらず、その染料分散液に界面活性剤等の成分を添加して水性インクを調製したところ、水性インク中の粒子が凝集して粒径が増加し、分散安定性が低下することを見出した。そこで、本発明の目的とするところは、インクジェット捺染インク用染料分散液を調製した時にも、染料分散液中の粒子が凝集することを抑制し、保存時の分散安定性を良好にする着色分散液を提供することにある。
前述の課題に鑑みて、本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定の染料を組み合わせ用いることにより、前述の課題を解決可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、以下の1)~13)に関する。
1)
(A)下記式(1)で表される化合物、(B)下記式(2)で表される化合物、を含む着色分散液。
1)
(A)下記式(1)で表される化合物、(B)下記式(2)で表される化合物、を含む着色分散液。
(式(1)中、R1~R2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、からなる群から選択される基を表す。R3は水素原子、炭素数1~3のアルキル基、からなる群から選択される基を表す。R4~R5はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、からなる群から選択される基を表す。)
2)
上記(A)と(B)の総含有量を100とした場合、上記(B)の含有量が、0.05以上10以下である、1)に記載の着色分散液。
3)
上記(A)と(B)の総含有量を100とした場合、上記(B)の含有量が、0.5以上5以下である、1)に記載の着色分散液。
4)
上記式(1)で表される化合物が、C.I.ディスパースブラウン 27である、1)~3)のいずれか一項に記載の着色分散液。
5)
さらに分散剤、水、を含む、1)~4)のいずれか一項に記載の着色分散液。
6)
上記分散剤が、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩を含む、5)に記載の着色分散液。
7)
上記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩が、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物又はその塩である、6)に記載の着色分散液。
8)
上記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩が、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩である、6)に記載の着色分散液。
9)
さらに、フィトステロール化合物を含む、1)~8)のいずれか一項に記載の着色分散液。
10)
上記分散剤が、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤、からなる群から選択されるいずれかを少なくとも含む、5)に記載の着色分散液。
11)
1)~10)のいずれか一項に記載の着色分散液の液滴が付着した記録メディア。
12)
上記記録メディアが、疎水性繊維である11)に記載の記録メディア。
13)
1)~10)のいずれか一項に記載の着色分散液の液滴を中間記録媒体に付着させて記録画像を得た後、該中間記録媒体における、着色分散液の液滴の付着面に疎水性繊維を接触させ、熱処理することにより該記録画像を疎水性繊維に転写する、疎水性繊維の捺染方法。
上記(A)と(B)の総含有量を100とした場合、上記(B)の含有量が、0.05以上10以下である、1)に記載の着色分散液。
3)
上記(A)と(B)の総含有量を100とした場合、上記(B)の含有量が、0.5以上5以下である、1)に記載の着色分散液。
4)
上記式(1)で表される化合物が、C.I.ディスパースブラウン 27である、1)~3)のいずれか一項に記載の着色分散液。
5)
さらに分散剤、水、を含む、1)~4)のいずれか一項に記載の着色分散液。
6)
上記分散剤が、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩を含む、5)に記載の着色分散液。
7)
上記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩が、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物又はその塩である、6)に記載の着色分散液。
8)
上記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩が、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩である、6)に記載の着色分散液。
9)
さらに、フィトステロール化合物を含む、1)~8)のいずれか一項に記載の着色分散液。
10)
上記分散剤が、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤、からなる群から選択されるいずれかを少なくとも含む、5)に記載の着色分散液。
11)
1)~10)のいずれか一項に記載の着色分散液の液滴が付着した記録メディア。
12)
上記記録メディアが、疎水性繊維である11)に記載の記録メディア。
13)
1)~10)のいずれか一項に記載の着色分散液の液滴を中間記録媒体に付着させて記録画像を得た後、該中間記録媒体における、着色分散液の液滴の付着面に疎水性繊維を接触させ、熱処理することにより該記録画像を疎水性繊維に転写する、疎水性繊維の捺染方法。
本発明により、着色分散液中の粒子が凝集することを抑制し、保存時の分散安定性が良好な着色分散液が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。本明細書においては実施例等を含めて、特に断りの無い限り「部」及び「%」は、いずれも質量基準である。また、含有量は、含有質量を表す。また、本願明細書において、(A)と(B)の量関係を示す単位は%を表す。また、「C.I.」は、カラーインデックスの略記載である。
本発明に係る着色分散液は、(A)下記式(1)で表される化合物、(B)下記式(2)で表される化合物、を含む、着色分散液とすることにより、着色分散液中の粒子の分散状態を安定して維持することができるとともに、当該着色分散液を含むインクにおいても、着色分散液中の粒子の分散状態を安定して維持することができる。
上記着色分散液は、(A)上記式(1)で表される化合物、(B)上記式(2)で表される化合物、を含む。
上記着色分散液中、上記(A)と上記(B)の総含有量を100とした場合、(B)の含有量は、10以下であることが好ましく、0.05以上10以下であることがより好ましく、0.1以上7以下であることがさらに好ましく、0.5以上5以下であることが特に好ましい。(B)の含有量が10以下である場合、着色分散液の保存安定性がより優れる。
上記式(1)中、R1~R2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、からなる群から選択される基を表す。R3は水素原子、炭素数1~3のアルキル基、からなる群から選択される基を表す。R4~R5はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、からなる群から選択される基を表す。
上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記炭素数1~3のアルキル基としては、特に限定は無いが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、といった直鎖アルキル基、iso-プロピル基といった分鎖アルキル基が挙げられる。
上記式(1)におけるR1~R5の好ましい組み合わせとしては、例えば、R1とR2がいずれもハロゲン原子、R3が水素原子、R4とR5がいずれも水素原子である組み合わせ、R1とR2がハロゲン原子、R3が炭素数1~3のアルキル基、R4が水素原子、R5がハロゲン原子である組み合わせ、R1とR2がハロゲン原子、R3が炭素数1~3のアルキル基、R4とR5がいずれも水素原子であるである組み合わせ、等が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物として好ましいものとしては、例えば、C.I.ディスパースブラウン 26、C.I.ディスパースブラウン 27等が挙げられ、C.I.ディスパースブラウン 27であることが特に好ましい。
上記式(2)で表される化合物は、C.I.ディスパースオレンジ 118と呼称される場合がある。
上記着色分散液は、上記(A)、(B)以外に、任意で含みうる、その他の着色剤をさらに含んでいても良い。上記その他の着色剤としては、特に限定はないが、例えば、顔料、分散染料、油溶性染料、酸性染料、反応性染料、直接染料等が挙げられ、分散染料、油溶性染料であることが好ましい。
上記着色分散液中、上記(A)、(B)、及び、任意で含みうる上記その他の着色剤のうち、(A)の含有量が最も多いことが好ましい。
上記その他の着色剤として含みうる分散染料としては、例えば、C.I.ディスパースブラウン系染料、C.I.ディスパースオレンジ系染料、C.I.ディスパースブルー系染料、C.I.ディスパースイエロー系染料、が挙げられる。
上記着色分散液は、さらに分散剤、水を含むことが好ましい。
上記分散剤としては、特に限定はないが、例えば、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩を含むことが好ましい。
上記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩は、芳香族スルホン酸とホルマリンの縮合反応によって得られる陰イオン性の界面活性剤である。「その塩」としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等の塩が挙げられる。上記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩は、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩若しくはそれらの混合物(以下、特に断りのない限り「スルホン酸のホルマリン縮合物」と記載したときは、「その塩、もしくはそれらの混合物」も含む意味を有する)等が好ましい。例えば、クレオソート油スルホン酸、クレゾールスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、β-ナフトールスルホン酸、β-ナフタリンスルホン酸とβ-ナフトールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、クレゾールスルホン酸、2-ナフトール-6-スルホン酸、リグニンスルホン酸等のホルマリン縮合物が挙げられる。これらの中では、クレオソート油スルホン酸、ナフタレンスルホン酸、リグニンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸の各ホルマリン縮合物が好ましい。ナフタレンスルホン酸としては、α-ナフタレンスルホン酸、β-ナフタレンスルホン酸が挙げられるが、β-ナフタレンスルホン酸が特に好ましい。これらは様々な商品名の市販品として入手することができる。その一例として、β-ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物としてはデモールN、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物としてはデモールC;特殊芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物としてはデモールSN-B(いずれも花王製);等が挙げられる。クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物としては、ラベリンWシリーズ、メチルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物としては、ラベリンANシリーズ(いずれも第一工業製薬製)、等が挙げられる。これらの中ではデモールN、ラベリンANシリーズ、ラベリンWシリーズが好ましく、デモールN、ラベリンWがより好ましく、ラベリンWがさらに好ましい。リグニンスルホン酸としては、例えばバニレックスN、バニレックスRN、バニレックスG、パールレックスDP(いずれも日本製紙製)等が挙げられる。これらの中ではバニレックスRN、バニレックスN、バニレックスGが好ましい。
上記着色分散液が、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩以外の、その他の分散剤を含む場合、該その他の分散剤としては、上記(A)、(B)、及び、任意で含みうる上記その他の着色剤を分散できる物質であれば特に制限されない。該その他の分散剤の例としては、公知の分散剤、界面活性剤、及び樹脂分散剤等が挙げられる。また、分散剤と界面活性剤は単に呼称のみが異なり、具体的には同じ物質を指すこともある。分散剤の種類としては、アニオン分散剤、ノニオン分散剤、カチオン分散剤、両性分散剤等が挙げられる。これらの分散剤は、いずれも単独で使用することも、複数を併用することもできる。これらの中では、アニオン分散剤及びノニオン分散剤から選択される、少なくとも1種類の分散剤が好ましい。
上記アニオン分散剤としては、上記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩以外のものとして、高分子スルホン酸、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸のホルマリン縮合物又はこれらの塩等が挙げられる。
上記ノニオン分散剤としては、例えば、フィトステロール類のアルキレンオキサイド付加物、コレスタノール類のアルキレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、及び、これらの置換誘導体等が挙げられる。これらの中では、フィトステロール類のアルキレンオキサイド付加物、コレスタノール類のアルキレンオキサイド付加物が好ましい。フィトステロール類のアルキレンオキサイド付加物としては、フィトステロール類のC2-4アルキレンオキサイド付加物が好ましく、エチレンオキサイド付加物がより好ましい。本明細書において「フィトステロール類」と記載したときは、フィトステロール及び/又は水添フィトステロールの両者を含む意味である。例えばフィトステロール類のエチレンオキサイド付加物としては、フィトステロールのエチレンオキサイド付加物及び/又は水添フィトステロールのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。コレスタノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、コレスタノール類のC2-4アルキレンオキサイド付加物が好ましく、エチレンオキサイド付加物がより好ましい。本明細書において「コレスタノール類」と記載したときは、コレスタノール類及び/又は水添コレスタノール類の両者を含む意味である。例えばコレスタノール類のエチレンオキサイド付加物としてはコレスタノールのエチレンオキサイド付加物及び/又は水添コレスタノールのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。フィトステロール類又はコレスタノール類1モル当たりのアルキレンオキサイド(好ましくはC2-4アルキレンオキサイド、より好ましくはエチレンオキサイド)の付加量は、10~50モル程度で、HLBが13~20程度のものが好ましい。これらの具体例としては、例えば、NIKKOL BPS-20、NIKKOL BPS-30(フィトステロールのエチレンオキサイド付加物);NIKKOL BPSH-25(水素添加フィトステロールのエチレンオキサイド付加物);及び、NIKKOL DHC-30(コレスタノールのエチレンオキサイド付加物);等が挙げられる。上記着色分散液は、上記に例示したフィトステロール類の物質、すなわちフィトステロール化合物をさらに含むことが好ましい。
上記分散剤として、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系分散剤もしくは、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤を用いることも好ましい様態である。
上記、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンテトラスチリルフェニルエーテルなどのスチリルフェノール化合物、ポリオキシエチレンモノベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルなどのベンジルフェノール化合物、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテルなどのクミルフェノール化合物、ポリオキシエチレンナフチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンビフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフェノキシフェニルエーテル等が例示される。これらは、単独あるいは複数を組合せて使用できる。好ましくは、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテルである。ここで、ポリオキシエチレン基の繰り返し単位数bは、1~30の整数であり、好ましくは15~30の整数である。bが1以上の整数であると、水性溶媒や他の添加剤との相溶性に優れることとなり、30以下の整数であると、粘度が高くなりすぎないため好適である。これらはアリールフェノール化合物とも呼称される。
このようなアリールフェノール化合物としては、下記に記載されるものが例示される。スチリルフェノール化合物としては、例えば、第一工業製薬(株)製 ノイゲン EAシリーズ、東邦化学工業(株)製 TS-2000、TS-2600、SM-174N等の市販品を使用することができる。また、ベンジルフェノール化合物としては、例えば、花王(株)製 エマルゲン B-66等の市販品を使用でき、クミルフェノール化合物としては、例えば、日本乳化剤(株)製 ニューコール CMP系等の市販品を使用することができる。
上記ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系分散剤としては、例えば、パイオニンD-6112、パイオニンD-6115、パイオニンD-6120、パイオニンD-6131、パイオニンD-6512、タケサーフD-6413、DTD-51、パイオニンD-6112、パイオニンD-6320(いずれも竹本油脂製)、TS-1500、TS-2000、TS-2600、SM-174N(いずれも東邦化学製)、エマルゲンA60、エマルゲンA90、エマルゲンA500(花王)等が挙げられ、これらは単独あるいは複数を組合せて用いることが可能である。上記ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤としては、例えば、SM-57、SM-130、SM-210(いずれも東邦化学製)が挙げられ、これらは単独あるいは複数を組合せて用いることが可能である。
上記ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系分散剤としては、例えば、パイオニンD-6112、パイオニンD-6115、パイオニンD-6120、パイオニンD-6131、パイオニンD-6512、タケサーフD-6413、DTD-51、パイオニンD-6112、パイオニンD-6320(いずれも竹本油脂製)、TS-1500、TS-2000、TS-2600、SM-174N(いずれも東邦化学製)、エマルゲンA60、エマルゲンA90、エマルゲンA500(花王)等が挙げられ、これらは単独あるいは複数を組合せて用いることが可能である。上記ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤としては、例えば、SM-57、SM-130、SM-210(いずれも東邦化学製)が挙げられ、これらは単独あるいは複数を組合せて用いることが可能である。
上記分散剤として、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤を用いることが、再分散性の良い着色分散液が得られるため、より好ましい。
上記樹脂分散剤としては、例えば、スチレン-アクリル酸系共重合体、ポリウレタン系分散剤などがあり、スチレン-アクリル酸系共重合体としては例えば、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリルスチレン-αメチルスチレン-アクリル酸共重合体、メタクリル酸エステル-アクリル酸共重合体、等が挙げられる。樹脂分散剤の具体例としては、JoncrylRTM 52J、57J、60J、63J、70J、JDX-6180、HPD-196、HPD96J、PDX-6137A、6610、JDX-6500、JDX-6639、PDX-6102B、PDX-6124、67、678、680、682、683、690(BASF製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお本明細書において上付きのRTMは登録商標を意味する。
上記着色分散液中の樹脂分散剤は、重量平均分子量が、1,000~20,000である場合が好ましく、2,000~19,000が更に好ましく、5,000~17,000が特に好ましい。上記スチレン-アクリル酸系共重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフ)法で測定する。また、分散剤として用いられるスチレン-(メタ)アクリル共重合体の酸価は50~250mgKOH/gである場合が好ましく、100~250mgKOH/gがさらに好ましく、150~250mgKOH/gである場合が特に好ましい。酸価が50~250mgKOH/gである場合、水に対する樹脂の溶解性が良好となり、特に、上記(A)、(B)あるいは任意で含んでいても良い上記その他の着色剤が、分散染料の場合、分散安定化に優れる傾向にある。また、水性媒体との親和性バランスが良好となり、印刷後の画像ににじみが発生しにくい傾向となる。なお、樹脂分散剤の酸価は、樹脂1gを中和するのに要するKOHのmg数を表し、JIS-K3054に従って測定する。さらに、分散剤として用いられるスチレン-(メタ)アクリル共重合体のガラス転位温度は45℃~135℃である場合が好ましく、55℃~120℃がさらに好ましく、60~110℃が特に好ましい。
上記着色分散液における、好ましい樹脂分散剤であるスチレン-(メタ)アクリル共重合体の具体例としては、Joncryl 67(重量平均分子量=12,500、酸価=213mgKOH/g)、678(重量平均分子量=8,500、酸価=215mgKOH/g)、682(重量平均分子量=1,700、酸価=230mgKOH/g)、683(重量平均分子量=4,900、酸価=215mgKOH/g)、690(重量平均分子量=16,500、酸価=240mgKOH/g)等が挙げられ、Joncryl 678であることがより好ましい。
上記樹脂分散剤は、単独あるいは複数を用いることが可能である。
上記着色分散液の調製に上記樹脂分散剤を用いる場合は、例えば以下の方法で行うことができる。スチレン-アクリル共重合体を水溶性有機溶剤に投入し、温度を90-120℃に昇温してスチレン-アクリル共重合体溶解液を作製し、そこへアルカリ性化合物及び水を投入して、温度を下げて乳化(エマルション又はマイクロエマルション)液とし、作製されたエマルション液と染料を混合・分散を行う。
上記着色分散液は、さらに添加剤を含むことが可能である。
上記添加剤としては、例えば、水溶性有機溶剤、防腐剤、界面活性剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、粘度調整剤、色素溶解剤、褪色防止剤、酸化防止剤、水等が挙げられる。
上記水溶性有機溶剤としては、例えば、グリコール系溶剤、多価アルコール類、ピロリドン類等を挙げることができる。グリコール系溶剤としては、グリセリン、ポリグリセリン(#310、#750、#800)、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン、ウンデカグリセリン、ドデカグリセリン、トリデカグリセリン、テトラデカグリセリン等の化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。多価アルコール類としては、例えばアルコール性水酸基を2~3個有するC2-6多価アルコール及び、ジ又はトリC2-3アルキレングリコール若しくは繰り返し単位が4以上で、分子量20,000程度以下のポリC2-3アルキレングリコール、好ましくは液状のポリアルキレングリコール等が挙げられる。それらの具体例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、チオジグリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール等の多価アルコール類、が挙げられる。ピロリドン類としては、例えば、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。上記のうち、グリセリン又はジグリセリンのいずれかを少なくとも含むことが好ましい。また、水に溶解して湿潤剤としての役割をする化合物等も、便宜上本発明では水溶性有機溶剤に含めるものとし、例えば尿素、エチレン尿素及び糖類等が挙げられる。保存安定性を考慮すると、着色剤が分散染料や油溶性染料である場合、それらの溶解度が小さい溶剤が好ましく、これらの中でも特にグリセリンと、グリセリン以外の溶剤(好ましくはグリセリン以外の多価アルコール)とを併用するのが好ましい。上記着色分散液の総質量中における、水溶性有機溶剤の総含有量は、5~50%であり、10~40%添加するのが好ましい。
上記防腐剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N-ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8-オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物の具体例としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物の具体例としては、例えば2-ピリジンチオール-1-オキサイドナトリウムが挙げられ、イソチアゾリン系化合物の具体例としては、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンマグネシウムクロライド、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンカルシウムクロライド、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤の具体例として、無水酢酸ソーダ、ソルビン酸ソーダ又は安息香酸ナトリウム、アーチケミカル製、商品名プロキセルRTMGXL(S)やプロキセルRTMXL-2(S)等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、両性、ノニオン系、シリコーン系、フッ素系等の公知の界面活性剤が挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N-アシルアミノ酸及びその塩、N-アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。その市販品の具体例としては、例えば、いずれも第一工業製薬製のハイテノールLA-10、LA-12、LA-16、ネオハイテノールECL-30S、ECL-45などが挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、2-ビニルピリジン誘導体、ポリ4-ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;日信化学製、商品名サーフィノール104、105、82、465、オルフィンSTG等;ポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA-ALDRICH製のTergitol 15-S-7等);等が挙げられる。
上記シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。市販品の具体例としては、例えば、いずれもビックケミー製の、BYK-347(ポリエーテル変性シロキサン);BYK-345、BYK-348(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸系化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等が挙げられる。市販品の具体例としては、例えば、Zonyl TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、Capstone FS-30、FS-31(DuPont製);PF-151N、PF-154N(オムノバ製)等が挙げられる。
上記pH調整剤としては、調製される上記着色分散液に悪影響を及ぼさずに、溶液のpHをおおよそ5.0~11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。その具体例としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;ケイ酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム等の無機塩基等が挙げられ、トリエタノールアミンが好ましい。
上記キレート試薬の具体例としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等があげられる。
上記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール又はジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等があげられる。
上記水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホン化したベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ-ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。
上記水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン又はポリイミン等があげられる。
上記粘度調整剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
上記色素溶解剤としては、例えば、尿素、ε-カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。
上記褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機系としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及びヘテロ環類等が挙げられる。金属錯体系としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の酸化防止剤を使用することができる。前記有機系の酸化防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類等が挙げられる。
上記水は、イオン交換水、蒸留水等の不純物が少ないものが好ましい。また、上記着色分散液に対してメンブランフィルター等を用いた精密濾過を行うことができる。上記着色分散液をインクジェット捺染インク用として使用するときは、ノズルの目詰まり等を防止する目的で、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過に使用するフィルターの孔径は通常1μm~0.1μm、好ましくは0.8μm~0.1μmである。
着色分散液の水の含有量は、用途に応じて適宜選択すればよいが、概ね水不溶性染料100重量部に対して200~8,500重量部である。
上記着色分散液において、上記添加剤として、水溶性有機溶剤、防腐剤、界面活性剤、pH調整剤からなる群から選択されるいずれか少なくとも1つを含むことが好ましい。
上記着色分散液は、さらに、樹脂エマルションを含んでいても良い。
上記樹脂エマルションとしては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニル樹脂(例:塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等)、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、又はアミノ材料(メラニン樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂、メラニンホルムアルデヒド樹脂等)から形成されたエマルションがある。また、それらエマルションは2種以上の樹脂から構成されていても良い。さらに2種以上の樹脂がコア/シェル構造を形成した形態の複合樹脂であっても良い。それら樹脂エマルションの中でも上記着色分散液に使用するには、ウレタン樹脂が好ましい。
上記ウレタン樹脂は、ラテックス(エマルション)の形で販売されていることも多く、その多くは固形分が30~60%での乳化液である。その具体例としては、例えば、パーマリンUA-150、200、310、368、3945、ユーコートUX-320(以上、三洋化成製)、ハイドランWLS-201、210、HW-312Bのラテックス(以上、DIC製)、スーパーフレックス150、170、470(以上、第一工業製薬製)、等が挙げられる。これらのうち、ポリカーボネート系ウレタン樹脂としては、例えば、パーマリンUA-310、3945、ユーコートUX-320、等が挙げられる。これらのうち、ポリエーテル系ウレタン樹脂としては、例えば、パーマリンUA-150、200、ユーコートUX-340、等が挙げられる。これらウレタン樹脂は単独で使用することも、併用することもできる。
上記ウレタン樹脂のエマルションは、SP値(溶解度パラメータ)が8~24である場合が好ましく、8~17がさらに好ましく、8~11が特に好ましい。なお、ウレタン樹脂エマルション中の樹脂が酸性基を有する場合であり、かつ、該酸性基を中和してエマルションを作製している場合、上記SP値は、中和前の樹脂のSP値を示す。
上記ウレタン樹脂エマルションが、カルボン酸、スルホン酸、水酸基等の酸性基を有する場合、それら酸性基は、アルカリ塩化されていても良い。アルカリ塩化は、例えば以下の方法で行うことが可能である。酸性基を有するウレタン樹脂エマルションを水に投入し撹拌して水溶液を調製し、該水溶液にアルカリ性化合物を加え、pHを6.0-12.0に調整した液を作製する方法などが挙げられる。
上記アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属の水酸化物やトリエチルアミン等が挙げられる。これらアルカリ性化合物は任意の1種類のみを使用しても良く、あるいは、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
上記着色分散液の好ましい形態として、水不溶性染料の濡れ性を向上させたり、その溶解度を調整したり、流動性を確保したりするため、水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。該水溶性有機溶剤は、後述するものを用いることができる。その含有量は、概ね水不溶性染料100重量部に対して0.4~500重量部が好ましい。
上記着色分散液の好ましい形態として、これらの各添加剤の含有量は、その機能を発揮する範囲で用いればよいが、概ね水不溶性染料100重量部に対して0.4~500重量部が好ましい。
上記着色分散液を調製する方法としては、例えば、上記各構成要素を混合する方法等が挙げられる。各構成要素を混合する順番は特に制限されない。
上記着色分散液は例えば次のようにして製造することができる。
前述した各成分を混合し、サンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、高圧乳化機等を用いて分散処理することで染料分散体を得ることができる。一例としてサンドミルを用いる場合について説明する。まず、各成分及び分散媒体としてのビーズをサンドミルに仕込む。ビーズとしては、0.01~1mmの粒子径のガラスビーズ、ジルコニアビーズ等を用いることができる。ビーズの使用量は、染料分散体1重量に対して2~6重量を添加するのが好ましい。その後、サンドミルを作動させ分散処理する。分散処理条件は、概ね1,000~2,000rpmで1~20時間が好ましい。そして、分散処理後にビーズを濾過等により除去することで、染料分散体が得られる。
前述した各成分を混合し、サンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、高圧乳化機等を用いて分散処理することで染料分散体を得ることができる。一例としてサンドミルを用いる場合について説明する。まず、各成分及び分散媒体としてのビーズをサンドミルに仕込む。ビーズとしては、0.01~1mmの粒子径のガラスビーズ、ジルコニアビーズ等を用いることができる。ビーズの使用量は、染料分散体1重量に対して2~6重量を添加するのが好ましい。その後、サンドミルを作動させ分散処理する。分散処理条件は、概ね1,000~2,000rpmで1~20時間が好ましい。そして、分散処理後にビーズを濾過等により除去することで、染料分散体が得られる。
上記着色分散液は、高速での吐出応答性の点から、25℃における粘度が、E型粘度計にて測定した場合の値が、通常3~20mPa・s程度であることが好ましい。また、表面張力は、プレート法にて測定した場合の値が、通常20~45mN/mの範囲が好ましい。これら各値は、使用するプリンタの吐出量、応答速度、染料分散液滴飛行特性などを考慮し、適切な値になるように調整することが好ましい。
上記着色分散液の液滴が付着した記録メディアも本願発明に含まれる。記録メディアとしては、例えば、疎水性繊維、ポリエステル樹脂でコーティングされた陶器、金属、樹脂成型物、等が挙げられ、疎水性繊維であることが好ましい。上記疎水性繊維の具体例としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維、ポリアミド繊維、及びこれらの繊維を2種類以上用いた混紡繊維等が挙げられる。また、これらとレーヨン等の再生繊維、木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡繊維も、本明細書においては疎水性繊維に含まれる。これらの疎水性繊維としては、インク受容層(滲み防止層)を有するものも知られており、そのような疎水性繊維も同様に含まれる。インク受容層の形成方法は公知技術であり、インク受容層を有する繊維も市販品として入手が可能である。インク受容層の材質や構造等は、特に限定されず、目的等に応じて適宜使用することができる。
上記着色分散液を用いた捺染方法も本願発明に含まれる。例えば、上記疎水性繊維の捺染方法としては、2つの種類に大別される。1つ目の方法は、ダイレクトプリント又はダイレクト捺染等と呼称される方法であり、前記染料分散液の液滴を、インクジェット方式のプリンタにより疎水性繊維に付着させることにより、文字及び絵柄等の画像情報を疎水性繊維に形成する工程Aと、前記工程Aにより付着させた染料分散液の液滴中の昇華性染料を熱により繊維に固着させる工程Bと、繊維中に残存する未固着の昇華性染料を洗浄する工程Cと、の3工程を少なくとも含む、疎水性繊維の捺染方法である。工程Bは、一般的には公知のスチーミング又はベーキングによって行われる。スチーミングとしては、例えば高温スチーマーで通常170~180℃、通常10分程度;また、高圧スチーマーで通常120~130℃、通常20分程度;それぞれ疎水性繊維を処理する方法により、昇華性染料を繊維に染着する(湿熱固着とも呼称される)方法が挙げられる。ベーキング(サーモゾル)としては、例えば通常190℃~210℃、通常60秒~120秒程度、疎水性繊維を処理する方法により、昇華性染料を繊維に染着する(乾熱固着とも呼称される)方法が挙げられる。工程Cは、得られた繊維を、温水、及び必要に応じて水により洗浄する工程である。洗浄に使用する温水や水は、界面活性剤を含んでもよい。洗浄後の繊維を、通常50~120℃で、5~30分乾燥することも好ましく行われる。2つ目の方法は、昇華転写プリント、昇華転写捺染等と呼称される方法であり、上記染料分散液または上記染料分散液セットの液滴を、インクジェット方式のプリンタにより中間記録媒体に付着させることにより、文字及び絵柄等の記録画像を得た後、該中間記録媒体における、染料分散液の液滴の付着面に疎水性繊維を接触させ、熱処理することにより、中間記録媒体に記録された文字、絵柄等の記録画像を疎水性繊維に転写する、疎水性繊維の捺染方法である。中間記録媒体としては、中間記録媒体に付着した染料分散液中の昇華性染料が、その表面で凝集せず、且つ疎水性繊維へ記録画像の転写を行うときに、染料の昇華を妨害しないものが好ましい。そのような中間記録媒体の一例としては、シリカ等の無機微粒子で染料分散液受容層が表面に形成されている紙が挙げられ、インクジェット用の専用紙等を用いることができる。中間記録媒体から疎水性繊維へ、記録画像を転写するときの熱処理としては、通常190~200℃程度での乾熱処理が挙げられる。
上記着色分散液を用いた捺染方法としては、着色分散液の液滴を中間記録媒体に付着させて記録画像を得た後、該中間記録媒体における、着色分散液の液滴の付着面に疎水性繊維を接触させ、熱処理することにより該記録画像を疎水性繊維に転写する、疎水性繊維の捺染方法が好ましい。
上記捺染方法は、にじみ等を防止する目的で、繊維の前処理工程をさらに含んでもよい。この前処理工程としては、1種類以上の糊材、アルカリ性物質、還元防止剤及びヒドロトロピー剤を少なくとも含む水溶液を、染料分散液を付着させる前の繊維に付与する工程が挙げられる。前処理を施す工程としては、糊剤、アルカリ性物質、還元防止剤及びヒドロトロピー剤を含む前処理剤の水溶液を前処理液として用い、繊維を前処理液に含浸させて付与するのが好ましい。上記糊剤としては、グアー、ローカストビーン等の天然ガム類、澱粉類、アルギン酸ソーダ、ふのり等の海藻類、ペクチン酸等の植物皮類、メチル繊維素、エチル繊維素、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体、カルボキシメチル澱粉等の加工澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル等の合成糊等があげられる。好ましくはアルギン酸ソーダがあげられる。
上記アルカリ性物質としては、例えば無機酸または有機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属の塩、並びに加熱した際にアルカリを遊離する化合物が挙げられ、無機又は有機の、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム化合物及びカリウム化合物等が挙げられる。具体例としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム等の無機化合物のアルカリ金属塩、蟻酸ナトリウム、トリクロル酢酸ナトリウム等の有機化合物のアルカリ金属塩;等が挙げられる。好ましくは、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。上記還元防止剤としては、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。上記ヒドロトロピー剤としては、尿素、ジメチル尿素等の尿素類等があり、好ましくは尿素が挙げられる。上記糊剤、アルカリ性物質、還元防止剤、及びヒドロトロピー剤は、いずれも単一の化合物を使用してもよいし、それぞれ複数の化合物を併用してもよい。前処理液の総質量中における各前処理剤の混合比率は、例えば、いずれも質量基準で、糊剤が0.5~5%、炭酸水素ナトリウムが0.5~5%、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムが0~5%、尿素が1~20%、残部が水である。前処理剤のセルロース系繊維への付与は、たとえばパディング法が挙げられる。パディングの絞り率は40~90%程度が好ましく、より好ましくは60~80%程度である。
上記着色分散液は、各種分野において使用することができるが、筆記用水性インク、水性印刷インク、情報記録インク、捺染等に好適であり、インクジェット捺染用インクとして用いることが特に好ましい。
上記着色分散液またはそれを用いたインクは、単独で用いても良いし、複数種を組み合わせて用いても良い。また、色調の異なる他の着色分散液またはそれを用いたインクとのインクセットとして用いることも可能である。例えば、上記着色分散液またはそれを用いたインクと、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色調を有する他の着色分散液またはそれを用いたインクからなる群から選択される少なくとも1種と組み合わせて用いることが挙げられる。これら、上記着色分散液またはそれを用いたインク複数種の組み合わせ、上記着色分散液またはそれを用いたインクと色調の異なる他の着色分散液またはそれを用いたインクとのインクセット、さらには、上記着色分散液またはそれを用いたインク複数種の組み合わせと色調の異なる他の着色分散液またはそれを用いたインクとのインクセット、のいずれも本願発明に含まれる。
本発明の着色分散液は、長期間保存後の固体析出、物性変化、色変化等もなく、保存安定性に優れる。また、インクジェットプリンタヘッドへの初期充填性が良好であり、連続印刷安定性も良好である。更に、印刷後の用紙上の画像の滲みが無く鮮明な画像を得ることが可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、実施例により限定されるものではない。実施例において特に断りがない限り、「部」は質量部を、「%」は質量% をそれぞれ意味する。なお、実施例中に記載の各インクは、上記着色分散液に含まれる。
[調製例1]
[ジョンクリル678 NaOH中和物の調製]
25%水酸化ナトリウム水溶液 6部、イオン交換水 54部、プロピレングリコール 20部へジョンクリル 678(BASF製)20部を投入し、90-120℃に昇温して5時間撹拌することにより、ジョンクリル678 NaOH中和物を得た。
[調製例2]
[ジョンクリルJDX-300C NaOH中和物の調製]
25%水酸化ナトリウム水溶液 6部、イオン交換水 54部、プロピレングリコール 20部へジョンクリルJDX-300C(BASF製)20部を投入し、90-120℃に昇温して5時間撹拌することにより、ジョンクリルJDX-300C NaOH中和物を得た。
[ジョンクリル678 NaOH中和物の調製]
25%水酸化ナトリウム水溶液 6部、イオン交換水 54部、プロピレングリコール 20部へジョンクリル 678(BASF製)20部を投入し、90-120℃に昇温して5時間撹拌することにより、ジョンクリル678 NaOH中和物を得た。
[調製例2]
[ジョンクリルJDX-300C NaOH中和物の調製]
25%水酸化ナトリウム水溶液 6部、イオン交換水 54部、プロピレングリコール 20部へジョンクリルJDX-300C(BASF製)20部を投入し、90-120℃に昇温して5時間撹拌することにより、ジョンクリルJDX-300C NaOH中和物を得た。
[実施例1~29] 着色分散液1~29の調製
下記表1~3に記載の各成分の混合物に0.2mm径ガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、約30時間分散処理を行った。得られた液をガラス繊維ろ紙GC-50(ADVANTEC製)で濾過し、各着色分散液を得た。
下記表1~3に記載の各成分の混合物に0.2mm径ガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、約30時間分散処理を行った。得られた液をガラス繊維ろ紙GC-50(ADVANTEC製)で濾過し、各着色分散液を得た。
[比較例1~6] 着色分散液30~35の調製
下記表4に記載の各成分の混合物に0.2mm径ガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、約30時間分散処理を行った。得られた液をガラス繊維ろ紙GC-50(ADVANTEC製)で濾過し、各着色分散液を得た。下記各表中の略号は、それぞれ以下を表す。
DBw27:C.I.ディスパースブラウン 27
DBw26:C.I.ディスパースブラウン 26
DO118:C.I.ディスパースオレンジ 118
DO25:C.I.ディスパースオレンジ 25
DBw9:C.I.ディスパースブラウン 9
DR60:C.I.ディスパースレッド 60
DY54:C.I.ディスパースイエロー 54
プロキセルGXL:防腐防黴剤(ロンザ製)
サーフィノール104PG50:サーフィノール104(アセチレングリコール界面活性剤 エアープロダクツジャパン製)をプロピレングリコールで50%濃度に希釈したもの。
ラベリンW-40:クレオソート油スルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物 (第一工業製薬製)
ニッコールBPS-30:フィトステロールのエチレンオキサイド付加物 (日光ケミカルズ製)
BYK-348:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK-348、ビックケミー製)
TEA-80:トリエタノールアミン(TEA-80、ジャパンケムテック製)
ラベリンFD-40:ナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物(第一工業製薬製)
ラベリンMN-40:メチルナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物(第一工業製薬製)
デモールSC-30:メタクレゾールスルホン酸ソーダホルマリン縮合物(花王製)
Morwet D425:アルキルナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製)
ジョンクリルJDX-300C:高分子樹脂分散剤(BASFジャパン株式会社)
ジョンクリル678:高分子樹脂分散剤(BASFジャパン株式会社)
Zetasperse3100:高分子樹脂分散剤(エボニック・ジャパン株式会社)
BYK-190:高分子樹脂分散剤(ビックケミー・ジャパン株式会社)
BYK-2015: 高分子樹脂分散剤(ビックケミー・ジャパン株式会社)
TEGODISPER755W: 高分子樹脂分散剤(エボニック・ジャパン株式会社)
Solsperse 46000:高分子樹脂分散剤(日本ルーブリゾール株式会社)
Solsperse J400:高分子樹脂分散剤(日本ルーブリゾール株式会社)
TS-1500:ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル(東邦化学工業製)
TS-2000:ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル(東邦化学工業製)
SM-57:ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート(東邦化学工業製)
SM-210:ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート(東邦化学工業製)
下記表4に記載の各成分の混合物に0.2mm径ガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、約30時間分散処理を行った。得られた液をガラス繊維ろ紙GC-50(ADVANTEC製)で濾過し、各着色分散液を得た。下記各表中の略号は、それぞれ以下を表す。
DBw27:C.I.ディスパースブラウン 27
DBw26:C.I.ディスパースブラウン 26
DO118:C.I.ディスパースオレンジ 118
DO25:C.I.ディスパースオレンジ 25
DBw9:C.I.ディスパースブラウン 9
DR60:C.I.ディスパースレッド 60
DY54:C.I.ディスパースイエロー 54
プロキセルGXL:防腐防黴剤(ロンザ製)
サーフィノール104PG50:サーフィノール104(アセチレングリコール界面活性剤 エアープロダクツジャパン製)をプロピレングリコールで50%濃度に希釈したもの。
ラベリンW-40:クレオソート油スルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物 (第一工業製薬製)
ニッコールBPS-30:フィトステロールのエチレンオキサイド付加物 (日光ケミカルズ製)
BYK-348:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK-348、ビックケミー製)
TEA-80:トリエタノールアミン(TEA-80、ジャパンケムテック製)
ラベリンFD-40:ナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物(第一工業製薬製)
ラベリンMN-40:メチルナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物(第一工業製薬製)
デモールSC-30:メタクレゾールスルホン酸ソーダホルマリン縮合物(花王製)
Morwet D425:アルキルナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製)
ジョンクリルJDX-300C:高分子樹脂分散剤(BASFジャパン株式会社)
ジョンクリル678:高分子樹脂分散剤(BASFジャパン株式会社)
Zetasperse3100:高分子樹脂分散剤(エボニック・ジャパン株式会社)
BYK-190:高分子樹脂分散剤(ビックケミー・ジャパン株式会社)
BYK-2015: 高分子樹脂分散剤(ビックケミー・ジャパン株式会社)
TEGODISPER755W: 高分子樹脂分散剤(エボニック・ジャパン株式会社)
Solsperse 46000:高分子樹脂分散剤(日本ルーブリゾール株式会社)
Solsperse J400:高分子樹脂分散剤(日本ルーブリゾール株式会社)
TS-1500:ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル(東邦化学工業製)
TS-2000:ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル(東邦化学工業製)
SM-57:ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート(東邦化学工業製)
SM-210:ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート(東邦化学工業製)
[実施例30~58] インク1~29の調製
上記実施例1~29で得た着色分散液1~29と、下記表5~7に記載の各成分とを混合し、30分間攪拌後、ガラス繊維ろ紙GC-50(ADVANTEC製)で濾過することにより、インク1~29をそれぞれ調製した。
上記実施例1~29で得た着色分散液1~29と、下記表5~7に記載の各成分とを混合し、30分間攪拌後、ガラス繊維ろ紙GC-50(ADVANTEC製)で濾過することにより、インク1~29をそれぞれ調製した。
[比較例7~12] インク30~35の調製
上記比較例1~6で得た着色分散液30~35と、下記表8に記載の各成分とを混合し、30分間攪拌後、ガラス繊維ろ紙GC-50(ADVANTEC製)で濾過することにより、インク30~35をそれぞれ調製した。
上記比較例1~6で得た着色分散液30~35と、下記表8に記載の各成分とを混合し、30分間攪拌後、ガラス繊維ろ紙GC-50(ADVANTEC製)で濾過することにより、インク30~35をそれぞれ調製した。
表1~8のようにして調製した着色分散液1~35、インク1~35を用いて、以下の各評価試験を行った。結果を表1~8に示した。
[粒度変化試験]
60℃で5日間保存した各着色組成物、あるいはインク中の着色剤のメディアン径(D50、数平均粒子径)をMICRO TRAC UPA EX150(マイクロトラックベル製)を用いて測定した。以下の基準で評価した。A又はBの場合は保存安定性良好、C又はDの場合は保存安定性不良と評価した。
[評価基準]
A:D50が140nm未満
B:D50が140nm以上150nm未満
C:D50が150nm以上160nm未満
D:D50が160nm以上170nm未満
E:D50が170nm以上
60℃で5日間保存した各着色組成物、あるいはインク中の着色剤のメディアン径(D50、数平均粒子径)をMICRO TRAC UPA EX150(マイクロトラックベル製)を用いて測定した。以下の基準で評価した。A又はBの場合は保存安定性良好、C又はDの場合は保存安定性不良と評価した。
[評価基準]
A:D50が140nm未満
B:D50が140nm以上150nm未満
C:D50が150nm以上160nm未満
D:D50が160nm以上170nm未満
E:D50が170nm以上
[沈降性試験]
また、インク作製時に測定した460nm付近のλmaxの吸光度と60℃で5日間保存したインク上澄みを分取して、460nm付近のλmaxの吸光度の差を算出。その値をインク作製時に測定した460nm付近のλmaxの吸光度で割った値を沈降率とし、以下基準で評価を行った。A又はBの場合は保存安定性良好、Cの場合は保存安定性不良と評価した。
吸光度は、インクを、イオン交換水を用いて2000倍に希釈して紫外可視分光光度計(島津製作所製、UV-2550)を用いて測定した。
[評価基準]
A:沈降率が5%未満
B:沈降率が5%以上15%未満
C:沈降率が15%以上
また、インク作製時に測定した460nm付近のλmaxの吸光度と60℃で5日間保存したインク上澄みを分取して、460nm付近のλmaxの吸光度の差を算出。その値をインク作製時に測定した460nm付近のλmaxの吸光度で割った値を沈降率とし、以下基準で評価を行った。A又はBの場合は保存安定性良好、Cの場合は保存安定性不良と評価した。
吸光度は、インクを、イオン交換水を用いて2000倍に希釈して紫外可視分光光度計(島津製作所製、UV-2550)を用いて測定した。
[評価基準]
A:沈降率が5%未満
B:沈降率が5%以上15%未満
C:沈降率が15%以上
[再分散性試験]
上記各実施例の着色分散液及びインクをそれぞれガラスシャーレの上に25μLの滴下のせ、60℃の恒温恒湿機で1時間乾燥させた。
乾燥後の着色分散液及びインクに、それぞれ室温で10mLのイオン交換水を滴下し、再分散するか否かを目視にて観察し、下記4段階の基準で評価した。再分散するインクほど、乾燥後の目詰まりを解消し易いため優れている。A、B又はCの場合は再分散性良好、Dの場合は再分散性不良と評価した。
[評価基準]
A:残渣無く、全てが再分散した。
B:残渣が少し残るが、ほとんどが再分散している。
C:残渣は多く残るが、多少再分散している。
D:まったく再分散しない。
上記各実施例の着色分散液及びインクをそれぞれガラスシャーレの上に25μLの滴下のせ、60℃の恒温恒湿機で1時間乾燥させた。
乾燥後の着色分散液及びインクに、それぞれ室温で10mLのイオン交換水を滴下し、再分散するか否かを目視にて観察し、下記4段階の基準で評価した。再分散するインクほど、乾燥後の目詰まりを解消し易いため優れている。A、B又はCの場合は再分散性良好、Dの場合は再分散性不良と評価した。
[評価基準]
A:残渣無く、全てが再分散した。
B:残渣が少し残るが、ほとんどが再分散している。
C:残渣は多く残るが、多少再分散している。
D:まったく再分散しない。
上記表1~8の結果から明らかなように、実施例1~29の着色分散液、およびそれを使用して調製した実施例30~58のインクは、いずれも高温保管において粒子径が大きく増粒しておらず、沈降性も良好で、粗大粒子も少なく、保存安定性が非常に優れる水準であった。一方、比較例1~6の着色分散液、およびそれを使用して調製した比較例7~12のインクはいずれも粒子径の増加が見られ、沈降しており、粗大粒子も増えており、保存安定性が悪い水準であった。以上より、本発明の着色分散液及びそれを用いたインクは保存安定性等に優れていることがわかった。また、実施例の着色分散液、インクの再分散性試験結果は良好であった。
また、実施例24~29で調製した各着色分散液、及びこれら着色分散液を用いて調製した実施例53~58の各インクの評価結果から、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤を含む実施例では再分散性に優れていることが分かった。
本発明のインク用分散液組成物及び水性インク組成物は、保存安定性が高く、特にインクジェット用水性インクにとして非常に有用である。
Claims (13)
- 上記(A)と(B)の総含有量を100とした場合、上記(B)の含有量が、0.05以上10以下である、請求項1に記載の着色分散液。
- 上記(A)と(B)の総含有量を100とした場合、上記(B)の含有量が、0.5以上5以下である、請求項1に記載の着色分散液。
- 上記式(1)で表される化合物が、C.I.ディスパースブラウン 27である、請求項1~3のいずれか一項に記載の着色分散液。
- さらに分散剤、水、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の着色分散液。
- 上記分散剤が、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩を含む、請求項5に記載の着色分散液。
- 上記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩が、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物又はその塩である、請求項6に記載の着色分散液。
- 上記芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩が、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩である、請求項6に記載の着色分散液。
- さらに、フィトステロール化合物を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の着色分散液。
- 上記分散剤が、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤、からなる群から選択されるいずれかを少なくとも含む、請求項5に記載の着色分散液。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の着色分散液の液滴が付着した記録メディア。
- 上記記録メディアが、疎水性繊維である請求項11に記載の記録メディア。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の着色分散液の液滴を中間記録媒体に付着させて記録画像を得た後、該中間記録媒体における、着色分散液の液滴の付着面に疎水性繊維を接触させ、熱処理することにより該記録画像を疎水性繊維に転写する、疎水性繊維の捺染方法。
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-
2021
- 2021-03-23 JP JP2021049095A patent/JP7507714B2/ja active Active
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