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JP2022144616A - ラクトバチラス・ヘルベティカスの検出方法 - Google Patents

ラクトバチラス・ヘルベティカスの検出方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022144616000001
【課題】試料中のラクトバチラス・ヘルベティカス(Lactobacirus helveticus)を特異的に検出し、高精度で定量することができる技術を提供する。
【解決手段】試料中のラクトバチラス・ヘルベティカスを検出及び/又は定量する方法であって、試料中の前記菌のDNA又はRNAの特定配列における37位から62位までを含む領域を増幅することを含み、該特定配列の48位から53位までの塩基配列又はそれに相補的な塩基配列を含む標識DNAプローブを用いること、及び前記標識DNAプローブ中の核酸のうち少なくとも該特定配列の52位の塩基の位置に相当する核酸を構成する糖が架橋化されていることを特徴とする、方法。本方法は、前記試料が、ラクトバチラス・ガリナラム(Lactobacirus gallinarum)を含む可能性がある場合にも好ましく適用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料中に含まれるラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacirus helveticus)を検出する方法に関する。
乳酸菌は古くからその発酵が人類に利用されてきたが、近年、死菌体であっても人体に有用な生理活性を示すものがあることが見出されている。特に、ラクトバチルス・ヘルベティカス(以下、「L.ヘルベティカス」とも記す)は、抗不安・抗ストレス作用、血圧調節作用、疲労回復効果、抗腫瘍効果、免疫賦活効果、学習記憶力向上効果など、多くの生理機能を有することが着目され、機能性食品等に配合させる例がみられている。
細菌を機能性食品や医薬の有効成分として配合するに際し、その菌体量を定量的に測定することは重要であり需要がある。
従来、細菌を検出・定量するために様々な方法が開発され実用化されており、その主要な方法の1つにPCR法等の核酸増幅法がある。これまでに本発明者は、デジタルPCR法を用いて死細胞を定量する方法を提案している(特許文献1)。
L.ヘルベティカスを遺伝子検査により菌種を同定し、また定量する方法としては、Intergenic Spacer(IS)領域の配列特異性を利用して、インターカレ
ーター法によりPCRを行う方法が提案されている(非特許文献1~2)。
特開2018-68211号公報
J. Stsepetova et al., British Journal of Nutrition, 105, 1235-1244 (2011) B. Bottari et al., International Journal of Food Microbiology 160, 290-297 (2013)
しかしながら、L.ヘルベティカスはその近縁種であるラクトバチルス・ガリナラム(Lactobacirus gallinarum、以下、「L.ガリナラム」とも記す
)とそのIS領域の遺伝子配列がほぼ共通する。そのため、前述した方法ではL.ヘルベティカスをL.ガリナラムと区別して検出し、定量することは困難である。
かかる状況に鑑みて、本発明は試料中のラクトバチラス・ヘルベティカス(Lactobacirus helveticus)を特異的に検出し、高精度で定量することがで
きる技術を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、L.ヘルベティカスとL.ガリナラムのIS領域に互いに相違する塩基配列を見出し、かかる配列がL.ヘルベティカスを特異的に検出することを可能にするだろうとの着想を得た。しかしながら、かかる塩基配列は1~2塩基というごく小さい相違点であるため、通常のPCR法では両者を区別して検出することはできなかった。
そこでさらに検討を重ねたところ、特定の塩基配列の位置にLNA(Locked Nucleic Acid)を有するDNAプローブを用いて、特定領域の核酸増幅を行うと、
L.ヘルベティカスを特異的に検出・定量できることに想到し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、試料中のラクトバチラス・ヘルベティカスを検出及び/又は定量する方法であって、試料中の前記菌のDNA又はRNAの配列番号1の37位から62位までを含む領域を増幅することを含み、配列番号1の48位から53位までの塩基配列又はそれに相補的な塩基配列を含む標識DNAプローブを用いること、及び前記標識DNAプローブ中の核酸のうち少なくとも配列番号1の52位の塩基の位置に相当する核酸を構成する糖が架橋化されていることを特徴とする、方法である。
本発明の好ましい態様では、前記プローブが、配列番号2の1位から16位までの塩基配列又はそれに相補的な塩基配列を少なくとも含む。
本発明の好ましい態様では、配列番号3に示す塩基配列を含むフォワードプライマーと、配列番号4に示す塩基配列を含むリバースプライマーとを用いてPCRを行うことにより前記領域の増幅を行う。
本発明によれば、試料中のL.ヘルベティカスを特異的に検出し、高精度で定量することができる。本発明の方法は、L.ガリナラムが存在下であってもL.ヘルベティカスの正確な定量を実現できる。
実施例1:被検試料中のL.ヘルベティカスの死菌体の濃度と、LNAプローブを用いたデジタルPCR法による測定値との関係を表す標準線。 比較例1:被検試料中のL.ヘルベティカスの死菌体の濃度と、TaqManプローブを用いたデジタルPCR法による測定値との関係を表す標準線。
次に、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。
本発明の方法は、試料中のL.ヘルベティカスのDNA又はRNAの、IS領域(配列番号1)の特定の塩基配列領域を増幅することを含む。増幅する領域の塩基配列は、配列番号1の37位から62位までを含み、好ましくは32位から67位を含み、より好ましくは13位から191位を含む。
この領域はL.ヘルベティカスに特異的にみられる遺伝子配列であるため、かかる領域の増幅により該菌を検出することができる。
本発明の方法では、配列番号1の48位から53位までの塩基配列又はそれに相補的な塩基配列を含む標識DNAプローブを用いる。前記塩基配列は、配列番号2の7~12位に相当する。
DNAプローブの長さは、前記塩基配列を含む限りにおいて特に限定されず、好ましくは15~35塩基、より好ましくは16~30塩基、さらに好ましくは17~25塩基である。また、プローブは、前記塩基配列の5’側及び/又は3’側に任意の塩基配列を有してもよいが、通常は5’側には配列番号1の47位から5’側の連続する配列を、3’側には配列番号1の54位から3’側の連続する配列を有する。
配列番号1の48位から53位までの塩基配列の領域は、L.ヘルベティカスのIS領域中の、L.ガリナルムと相違する塩基を含む領域である。L.ガリナルムはL.ヘルベティカスと遺伝子的にごく近縁にあり、IS領域もほぼ同じである。そのため、DNAプ
ローブがその相違する塩基を含むようにして、検出の特異性を高める必要がある。
本発明者は、L.ヘルベティカスとL.ガリナルムとでは、IS領域において少なくとも配列番号52位の塩基で相違することを見出した。
そのため、1塩基での相違でもプローブの感度を高めるべく、本発明に用いるDNAプローブは、その中の核酸のうち少なくとも配列番号1の52位の塩基の位置に相当する核酸を構成する糖は架橋化されているものを用いる。本発明に用いるDNAプローブは、好ましくは配列番号1の50位から52位、より好ましくは49位から53位、さらに好ましくは48位から53位の塩基の位置に相当する核酸を構成する糖が架橋化されているものを用いる。
また、DNAプローブは、配列番号2の1位から16位までの塩基配列又はそれに相補的な塩基配列を少なくとも含むことが好ましい。前記塩基配列は、配列番号1の42~57位に相当する。
ここで、架橋化は、拡散を構成する糖(リボース)の2’位と4’位の炭素原子間が架橋された態様(Locked Nucleic Acid(LNA)、又はBlidged
Nucleic Acid(BNA)とも呼ばれる)を指す。具体的な架橋の態様としては、2’4’-BNA(LNA)、3’-Amino-2’4’-BNA等の5員環架橋、2’4’-BNANC(Me)等の6員環架橋、2’4’-BNACOC等の7員環架橋等が挙げられる。
LNA修飾されたDNAプローブは、ターゲット部位と1塩基異なるだけでも相補的な塩基間の相互作用が弱まり、結合しにくくなる。一方で、ターゲット部位と相補的な配列の場合は二本鎖の安定性が上がりTm値が大きくなる。そのため、ターゲット部位の塩基配列とプローブとの相補性の有無で核酸増幅の差が大きくなり、検出の感度が上がる。
DNAプローブの標識は、特に限定されず、蛍光消光標識、化学発光物質、放射性物質、ビオチン、アルカリホスファターゼ、ジゴキシゲニン、ペルオキシダーゼなどが挙げられるが、蛍光消光標識が、検出・定量の手法が当該技術分野において確立されているため好ましい。
蛍光消光色素としては、特に限定されないが、フルオレセインまたはその誘導体(例えば、FAM、HEX、JOE、TET等)、ローダミンまたはその誘導体(例えば、テトラメチルローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、カルボキシローダミン、x-ローダミン、スルホローダミン101酸クロリド)、BODIPYまたはその誘導体(例えば、BODIPY-FL等)、IowaBlack(5IABkFQ、3IABkFQ)等が挙げられる。
また、標識は、通常、DNAプローブの3’末端及び/又は5’末端に修飾される。
また、標識化のためにリンカーやスペーサーなどが付加されてもよい。
本発明の方法の典型的な実施態様は、(1)試料を提供する工程、(2)試料中の前記菌のDNA又はRNAの配列番号1の37位から62位までを含む領域を増幅する工程、(3)(2)で得られうる増幅産物に配列番号1の48位から53位までの塩基配列又はそれに相補的な塩基配列を含む標識DNAプローブをハイブリダイズさせ、標識を検出することにより該増幅産物量を検出・定量する工程、を含む。
(1)の試料としては、に制限はなく、例えば、食品、生体試料、ワクチン製剤、飲料水、工業用水、環境用水、排水、土壌、又は拭き取り試料等が挙げられる。
特に、機能性食品等の有効成分に含有させたL.ヘルベティカスの定量への適用が期待されることから、飲食品を被検試料とすることが好ましい。飲食品としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果汁飲料、発酵飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調製用
粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;チョコレート、キャラメル、キャンディ、ケーキ、ビスケット、クッキー等の菓子;殺菌ミルク、加工乳、乳飲料、発酵乳、バター等の乳製品;経腸栄養食品等の高栄養流動食品、育児用ミルク、スポーツ飲料;特定保健用食品、健康補助食品等の機能性食品が挙げられる。
試料は、常法により調製すればよい。例えば、核酸増幅反応に供するに先立ち、DNA又はRNAを抽出する処理を行ってもよい。DNA又はRNAを抽出する方法に特に制限はなく常法により行うことができ、市販のDNA抽出キットを用いてもよい。
本発明により検出及び/又は定量されるラクトバチラス・ヘルベティカスは、生菌体及び死菌体を問わない。
本発明の好ましい態様では、試料が、他のラクトバチルス属細菌、例えばラクトバチラス・ガリナラム(Lactobacirus gallinarum)、ラクトバチルス
・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・
プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・
ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・サリバリウ
ス(Lactobacillus salivarius)を含んでいてもよい。
特に、本発明の方法は、L.ヘルベティカスをL.ガリナラムと区別して検出することができる。言い換えると、本発明の方法は、試料中のL.ガリナラムを検出せず、L.ヘルベティカスを検出する方法である。そのため、試料がラクトバチラス・ガリナラムを含む可能性がある場合に、本発明は好適である。例えば、試料中にL.ガリナラムが1010cells/g以上存在する場合、またはL.ガリナラムがL.ヘルベティカスの10倍以上存在する場合であっても、L.ヘルベティカスを特異的に検出できる。
なお、試料がL.ガリナラム等の他の細菌を「含む可能性がある」とは、測定前に含む疑いがあるだけで足り、測定した結果としてL.ガリナラムを含んでいないことが判明しても本発明の方法の範囲に含まれるものとする。
(2)の核酸増幅としては、PCR法、デジタルPCR法、LAMP法、LCR法、TMA法、SDA法、RT-PCR法、RT-LAMP法、NASBA法、TRC法、TMA法等が挙げられる。これらの技術は既に当該技術分野において確立されており、目的に合わせて方法を選択することができる。本発明の方法に用いる核酸増幅法はPCR法、とりわけデジタルPCR法が好ましいが、これに限定されない。
核酸増幅に用いるDNAポリメラーゼとしては、Taq、Tth、Bst、KOD、Pfu、Pwo、Tbr、Tfi、Tfl、Tma、Tne、Vent、DEEPVENTやその変異体が挙げられ、任意のものを使用できる。
(2)の核酸増幅及び(3)のDNAプローブのハイブリダイズにおいては、温度、時間、サイクル数、pH、陽イオン濃度などの条件は、当該技術分野の常識に従って適宜調整すればよい。
(2)の核酸増幅においては、通常前述した標識DNAプローブの他に核酸増幅に必要な成分を含む試薬を用いる。かかる成分としては、行う核酸増幅反応により異なり、それぞれ公知の方法を用いることができる。例えば、PCR反応を用いる場合、標識DNAプローブ、DNAポリメラーゼ、プライマーセット、デオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTPs)、マグネシウム塩を少なくとも含むことが好ましい。目的の実験に応じて各成分の濃度は適宜調整すればよい。
これらの必要な成分を混合してあるいは個別に含む試薬を、L.ヘルベティカスを検出
するためのキットとしてもよい。
プライマーセットは、配列番号1の37位から62位までを含む領域を増幅することができるものであれば特に限定されず、任意に設計すればよい。例えば、フォワードプライマーとして配列番号3に示す塩基配列を含むDNA断片と、リバースプライマーとして配列番号4に示す塩基配列を含むDNA断片を用いることができる。
(3)の検出・定量の態様としては、特に限定されないが、例えばプローブの標識に蛍光標識を用いた場合は、プローブに由来する蛍光シグナルをケミルミフォトメータなどの装置によって検出することにより核酸増幅の有無を判別することができる。そして、蛍光強度を測定することにより、核酸増幅産物を定量し、常法により細菌数に換算することができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[1]試料の調製
(1)L.ヘルベティカス死菌懸濁液の調製
L.ヘルベティカスMCC-1848 NITE BP-01671株の凍結乾燥菌体を0.5%ラ
クトース含有MRSブロスにて嫌気培養した。培養液1mLを15mL試験菅に分注し、オートクレーブ処理(87℃、1min)を行い、死菌体を調製した。その後、45℃まで自然冷却し、さらに水冷で25℃まで冷却した。その後、冷却遠心処理(6000×g、10min、4℃)し、上清を除去後、死菌体ペレットを0.8 mLの0.1%Tw
een80-PBSに懸濁した。該死菌体を鏡検法にてカウントし、3.1×10cells/mLのL.ヘルベティカス死菌死菌体懸濁液を得た。
(2)L.ガリナラム死菌懸濁液の調製
(1)と同様にして、L.ガリナラムATCC33199株の凍結乾燥菌体を用いて、1.3×10cells/mLのL.ガリナラム死菌体懸濁液を得た。
(3)標準試料の調製
L.ヘルベティカスフリーかつL.ガリナラムフリーの殺菌処理済の脱脂粉乳3gを50mL滅菌チューブに採取し、27.0mLの0.1%Tween80-PBSを加えて10倍希釈した。その1mLを15mL滅菌チューブに分取し、9mLの0.1%Tween80-PBSを加えることでさらに10倍希釈し、最終的に100倍希釈液を調製し、これをスタンダード用検体マトリックスとした。
次に、(1)で調製したL.ヘルベティカス死菌体懸濁液を、前記スタンダード用検体マトリックスで希釈して、1.08×10cells/mL希釈懸濁液を得た。これをスタンダード用検体マトリックスで100倍希釈し1.08×10cells/mLの標準試料(1濃度)を調製した。同様に希釈を行い、L.ヘルベティカス死菌体の標準試料(5点濃度;0、5.38×10、1.08×10、2.15×10、4.3×10cells/mL)を調製した。
(4)L.ガリナラム死菌体含有試料の調製
(2)で調製したL.ガリナラム死菌体懸濁液を、(3)で調製したスタンダード用検体マトリックスにて15倍希釈し8.6×10cells/mLのL.ガリナラム含有脱脂粉乳100倍希釈液を調製した。
2.実験方法
(5)L.ヘルベティカス及びL.ガリナラムのDNA抽出
(3)で調製したL.ヘルベティカス死菌体の標準試料と、(4)で調製したL.ガリナラム含有試料をそれぞれ0.2mLマイクロチューブに採取し、冷却遠心処理(8000×g、5min、4℃)し、上清を除去した。ペレットに市販ジルコニアーズビーズ(φ=0.5mmを450mg、φ=3.0mmを450mg)を入れ、ボルテックスの最
大回転数にて延べ2min撹拌し、各菌体の細胞壁を破砕処理した。その後、ゲノムDNA抽出キットQuickGene SP kit DNA tissue Cat. No. S
P-DT(KURABO製)を用いマニュアルに従い、各菌体のDNA精製溶液を0.2mLずつ得た。
[2]L.ヘルベティカスの検出及び定量
(1)実施例1:L.ヘルベティカスの検出及び定量
以下の手順でデジタルPCRを行い、L.ヘルベティカスのIS領域の特異塩基配列を増幅した。
[1](5)で得たL.ヘルベティカスのDNA精製溶液をTEバッファーにて6倍希釈した。その2μLを、表1に示すPCRマスターミックス18μLに添加・混合した(10倍希釈)。該混合液13.6μLをデジタルPCRサーマルサイクラー(Applied Biosystems製、Model: ProFlex Dual Flat)用デジタルPCRチップに充填した。
Figure 2022144616000002
その後、各デジタルPCRチップをデジタルPCRサーマルサイクラー(Applied Biosystems製、Model: ProFlex Dual Flat)にセットし、表2に示すサーマルサイクルを実施した。
Figure 2022144616000003
デジタルPCR後に、専用のチップリーダーを用いて緑色蛍光を発するウェル数及びその蛍光強度を計測し、各チップについて増幅産物の測定を行った。その増幅産物の測定結果に基づき、ポアソン分布に従ってデジタルPCRに供した各試料に含まれるL.ヘルベティカスのIS領域の特異塩基配列のコピー数を専用のクラウド型解析ソフトを用いて算出した。
(2)実施例2:特異性の確認
L.ヘルベティカスのDNA精製溶液に代えて[1](5)で得たL.ガリナラムのDNA精製溶液を用いた他は、(1)と同様にデジタルPCRを行った。
(3)結果
(1)でL.ヘルベティカス死菌体の標準試料から抽出したDNAを鋳型としてデジタルPCRを行ったときの、実施例1の標準曲線を図1にそれぞれ示す。標準試料中のL.ヘルベティカス死菌体濃度に正比例してPCR増幅産物が検出されたことから、本発明の方法により該菌を定量的に検出できることが分かる。
さらに、(2)でL.ガリナラム死菌体含有試料から抽出したDNAを鋳型としてデジタルPCRを行ったときの増幅産物量を(1)で得た標準曲線に照らして算出した菌体量の測定値を表3に示す。実施例2ではL.ガリナラムは検出されなかった。
一方、比較例1のTaqManプローブを用いた方法でも死菌体濃度に正比例してPC
R増幅産物が検出されたが(図2)、比較例2でL.ガリナラムが検出・定量されたことから、該プローブではL.ヘルベティカスの特異的な検出はできないことが分かる。
これらのことから、本発明の方法によりL.ヘルベティカスをL.ガリナラムと高精度に区別して定量的に検出できることが分かる。
Figure 2022144616000004

Claims (3)

  1. 試料中のラクトバチラス・ヘルベティカス(Lactobacirus helvet
    icus)を検出及び/又は定量する方法であって、
    試料中の前記菌のDNA又はRNAの配列番号1の37位から62位までを含む領域を増幅することを含み、
    配列番号1の48位から53位までの塩基配列又はそれに相補的な塩基配列を含む標識DNAプローブを用いること、及び
    前記標識DNAプローブ中の核酸のうち少なくとも配列番号1の52位の塩基の位置に相当する核酸を構成する糖が架橋化されていることを特徴とする、方法。
  2. 前記プローブが、配列番号2の1位から16位までの塩基配列又はそれに相補的な塩基配列を少なくとも含む、請求項1に記載の方法。
  3. 配列番号3に示す塩基配列を含むフォワードプライマーと、配列番号4に示す塩基配列を含むリバースプライマーとを用いてPCRを行うことにより前記領域の増幅を行う、請求項1又は2に記載の方法。
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