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JP2022116637A - 車両の制御装置 - Google Patents

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JP2022116637A
JP2022116637A JP2021012914A JP2021012914A JP2022116637A JP 2022116637 A JP2022116637 A JP 2022116637A JP 2021012914 A JP2021012914 A JP 2021012914A JP 2021012914 A JP2021012914 A JP 2021012914A JP 2022116637 A JP2022116637 A JP 2022116637A
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謙大 木村
Kenta Kimura
陽一郎 勇
Yoichiro Yu
大吾 荒木田
Daigo Arakida
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】固定段モードを設定している状態でクラッチ機構を制御する操作機構の操作量を検出するセンサがフェールした場合であっても、適切な走行モードに切り替えて走行できる車両の制御装置を提供する。【解決手段】クラッチ機構を係合状態とすることにより固定段モードを設定し、クラッチ機構を解放状態とすることによりエンジンと駆動輪とを相対回転可能にして走行できる他の走行モードを設定する車両の制御装置において、クラッチ機構を係合させまたは解放させる操作機構の操作量を検出するセンサがフェールしたか否かを判断し(ステップS1)、操作量センサがフェールしたことが判断された時点で固定段モードが設定されている場合には、クラッチ機構の構成部材である一方の回転部材の移動量を検出するセンサの検出値に基づいて他の走行モードに切り替えるように構成されている(ステップS4)。【選択図】図7

Description

この発明は、クラッチ機構の係合状態と解放状態とを切り替えることにより、複数の走行モードを設定することができる車両の制御装置に関するものである。
特許文献1および特許文献2には、エンジン、第1モータ、および駆動輪が差動回転可能に連結された動力分割機構と、その動力分割機構における所定の一対の回転要素を連結する第1クラッチ機構と、他の一対の回転要素を連結する第2クラッチ機構とを備え、第1クラッチ機構と第2クラッチ機構とのうちの一方を係合状態にすることにより、エンジン、第1モータ、および駆動輪が差動回転するHV走行モードを設定し、第1クラッチ機構と第2クラッチ機構とを係合状態にすることにより、エンジンと駆動輪との回転数比を固定した固定段モードを設定することができるように構成されたハイブリッド車両が記載されている。なお、出力部材には、第2モータが連結されている。
また、特許文献2には、各クラッチ機構のいずれか一方が動作できないフェールが生じた場合に、他方のクラッチ機構を制御することにより、上記HV走行モードを設定するように構成された制御装置が記載されている。すなわち、特許文献2に記載された制御装置は、一方のクラッチ機構が係合した状態でフェールした場合には、他方のクラッチ機構を解放し、それとは反対に、一方のクラッチ機構が解放した状態でフェールした場合には、他方のクラッチ機構を係合するように構成されている。
特許第6451524号公報 特開2019-089413号公報
特許文献1や特許文献2に記載されたハイブリッド車両は、各クラッチ機構を係合することによりエンジンと駆動輪との回転数比を固定する固定段モードを設定するように構成されている。したがって、固定段モードを設定した状態でいずれか一方のクラッチ機構がフェールした場合に、その固定段モードを設定したまま停車すると、エンジンも停止する。その場合、例えば、第2モータを駆動して発進させれば、車速の増加に伴ってエンジン回転数が増加することにより、エンジンの動力によって走行することができるものの、エンジンが始動するまでの間は、エンジンを連れ回すことにより、第2モータに要求される電力が増加する。言い換えると、バッテリなどの蓄電装置の充電残量が少ない場合には、車両を発進させることができなくなる可能性がある。
そのような場合に、特許文献2に記載された制御装置のように、フェールしていないクラッチ機構を制御して、いずれか一方のクラッチ機構を係合させた走行モードを設定することでエンジンと駆動輪との差動回転が可能になり、エンジンを始動し、エンジンの動力によって走行することができる。
しかしながら、クラッチ機構を係合させまたは解放させる操作機構の操作量に応じて走行モードを切り替えるように構成されている場合には、その操作機構の操作量を検出するセンサがフェールすると、走行モードを切り替えるための操作量を判断することができず、または操作機構を操作した後の走行モードを判断できないなどにより、適切な走行モードへの切り替えを行うことができなくなる可能性があり、他方、固定段モードのままで停車すると、上述したように車両を発進させることができなくなる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、固定段モードを設定している状態でクラッチ機構を制御する操作機構の操作量を検出するセンサがフェールした場合であっても、適切な走行モードに切り替えて走行できる車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、エンジンと、前記エンジンとトルク伝達可能に設けられた駆動輪と、所定の一対の回転部材を連結した係合状態と前記一対の回転部材の連結を解いた解放状態とを選択的に切り替えることができるクラッチ機構とを備え、前記クラッチ機構を係合状態とすることにより前記エンジンと前記駆動輪との回転数比が所定比に固定される固定段モードと、前記クラッチ機構を解放状態とすることにより前記エンジンと前記駆動輪とを相対回転可能にして走行できる他の走行モードとの少なくとも二つの走行モードを設定することができるように構成された車両の制御装置において、前記一対の回転部材のうちの一方の回転部材が連結されかつ駆動することにより前記一方の回転部材を前記一対の回転部材のうちの他方の回転部材側に移動させる操作機構と、前記操作機構の操作量を検出する操作量センサと、前記操作量センサの検出値に基づいて前記操作機構を駆動するアクチュエータと、前記一方の回転部材の移動量を検出するストロークセンサと、前記操作量センサにより検出された操作量に応じて前記走行モードを制御するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記操作量センサがフェールしたか否かを判断し、前記操作量センサがフェールしたことが判断された時点で前記固定段モードが設定されている場合には、前記ストロークセンサの検出値に基づいて前記他の走行モードに切り替えるように構成されていることを特徴とするものである。
また、この発明では、前記エンジンと前記駆動輪と第1モータとが差動回転可能に連結された差動機構と、前記差動機構のうちの所定の一対の回転要素を連結する第1クラッチ機構と、前記差動機構のうちの他の一対の回転要素を連結する第2クラッチ機構とを備え、前記第1クラッチ機構と前記第2クラッチ機構とを係合状態とすることにより、前記固定段モードを設定し、前記第1クラッチ機構と前記第2クラッチ機構とのいずれか一方を解放することにより、前記エンジンと前記駆動輪との回転数比を無段階に変更可能な無段変速モードを設定し、前記第1クラッチ機構と前記第2クラッチ機構とを解放状態とすることにより、前記エンジンと前記駆動輪とのトルクの伝達を切り離した切り離しモードを設定するように構成され、前記クラッチ機構は、前記第1クラッチ機構と前記第2クラッチ機構とを含み、前記他の走行モードは、前記無段変速モードと前記切り離しモードとを含んでよい。
また、この発明では、前記差動機構と前記駆動輪との間のトルク伝達経路に連結された第2モータを更に備え、前記第1クラッチ機構を係合しかつ前記第2クラッチ機構を解放することにより、前記エンジンから前記駆動輪に伝達されるトルクが相対的に大きいローモードを設定し、前記第1クラッチ機構を解放しかつ前記第2クラッチ機構を係合することにより、前記エンジンから前記駆動輪に伝達されるトルクが前記ローモードよりも小さいハイモードを設定するように構成され、前記コントローラは、前記操作量センサがフェールしたことが判断された場合に、前記ハイモードに切り替えるように構成されていてよい。
そして、この発明では、前記差動機構と前記駆動輪との間のトルク伝達経路に連結された第2モータを更に備え、前記コントローラは、前記操作量センサがフェールしたことが判断された場合に、前記切り離しモードに切り替えるように構成されていてよい。
この発明によれば、クラッチ機構を係合状態とすることによりエンジンと駆動輪との回転数比が所定比に固定される固定段モードが設定され、クラッチ機構を解放状態とすることによりエンジンと駆動輪とを相対回転可能にして走行できる他の走行モードが設定される。また、クラッチ機構を構成する一対の回転部材のうちの一方の回転部材を、他方の回転部材側に移動させる操作機構と、その操作機構の操作量を検出する操作量センサと、一方の回転部材の移動量を検出するストロークセンサとを備え、その操作量センサがフェールした時点で固定段モードが設定されている場合には、操作量センサにより検出された操作量に基づいて走行モードを制御することに代えて、ストロークセンサの検出値に基づいて走行モードを制御することにより他の走行モードに切り替える。そのため、操作機構の操作量を検出できない場合であっても、ストロークセンサの検出値に基づいて適切な走行モードに切り替えることができる。したがって、車両が停止したとしてもエンジンを駆動するなどによって走行することができる。
この発明の実施形態における車両の一例を説明するためのスケルトン図である。 各クラッチ機構を操作する装置の一例を説明するための模式図である。 HV-Hiモードでの動作状態を説明するための共線図である。 HV-Loモードでの動作状態を説明するための共線図である。 直結モードでの動作状態を説明するための共線図である。 切り離しモードでの動作状態を説明するための共線図である。 この発明の実施形態における車両の制御装置の制御例を説明するためのフローチャートである。 回転角センサがフェールした場合に、HV-Hiモードを設定する制御例を説明するためのフローチャートである。 回転角センサがフェールした場合に、切り離しモードを設定する制御例を説明するためのフローチャートである。
この発明の実施形態における車両Veの一例を図1を参照して説明する。図1に示す車両Veは、エンジン(ENG)1と、二つのモータ2,3とを有するハイブリッド駆動装置(以下、単に駆動装置と記す)4を備えている。この駆動装置4は、前輪(駆動輪)5R,5Lを駆動するように構成されている。エンジン1は、従来知られたガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどであって、供給される燃料と空気との混合気を燃焼することにより駆動トルクを出力し、また、その混合気の燃焼を停止すること、すなわち、燃料の供給を停止することにより、フリクショントルクやポンピングロスなどに応じた制動トルクを出力することができるように構成されている。
第1モータ2は発電機能のあるモータ(すなわちモータ・ジェネレータ:MG1)によって構成され、エンジン1の回転数を第1モータ2によって制御するとともに、第1モータ2で発電した電力により第2モータ3を駆動し、その第2モータ3が出力するトルクを走行のための駆動トルクに加えることができるように構成されている。第2モータ3は、第1モータ2と同様に発電機能のあるモータ(すなわちモータ・ジェネレータ:MG2)によって構成することができる。これらの第1モータ2および第2モータ3は、例えば、ロータに永久磁石を取り付けた、永久磁石式の同期モータなどの交流モータによって構成することができる。なお、各モータ2,3には、リチウムイオン電池などの二次電池によって構成されたバッテリや、キャパシタなどの蓄電装置Bから電力が供給され、また、各モータ2,3により発電された電力を蓄電装置Bに充電することができるように構成され、さらに、一方のモータ2(3)が発電した電力を、他方のモータ3(2)に通電することができるように構成されている。
エンジン1には、動力分割機構(差動機構)6が連結されている。この動力分割機構6は、エンジン1と駆動輪5R,5Lと第1モータ2とを差動回転可能に連結するとともに、エンジン1が出力したトルクを第1モータ2側と出力側とに分割するものであって、そのようにトルクを分割する機能を主とする分割部7と、そのトルクの分割率を変更する機能を主とする変速部8とにより構成されている。
分割部7は、三つの回転要素によって差動作用を行う構成であればよく、遊星歯車機構を採用することができる。図1に示す例では、シングルピニオン型の遊星歯車機構(第1差動機構)によって構成されている。図1に示す分割部7は、サンギヤ9と、サンギヤ9に対して同心円上に配置された、内歯歯車であるリングギヤ10と、これらサンギヤ9とリングギヤ10との間に配置されてサンギヤ9とリングギヤ10とに噛み合っているピニオンギヤ11と、ピニオンギヤ11を自転および公転可能に保持するキャリヤ12とを有している。
エンジン1が出力したトルクが前記キャリヤ12に入力されるように構成されている。具体的には、エンジン1の出力軸13に、動力分割機構6の入力軸14が連結され、その入力軸14がキャリヤ12に連結されている。また、サンギヤ9に第1モータ2が連結されている。なお、キャリヤ12と入力軸14とを直接連結する構成に替えて、歯車機構などの伝動機構(図示せず)を介してキャリヤ12と入力軸14とを連結してもよい。また、その出力軸13と入力軸14との間にダンパ機構やトルクコンバータなどの機構(図示せず)を配置してもよい。さらに、第1モータ2とサンギヤ9とを直接連結する構成に替えて、歯車機構などの伝動機構(図示せず)を介して第1モータ2とサンギヤ9とを連結してもよい。
変速部8は、シングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されている。すなわち、変速部8は、上記の分割部7と同様に、サンギヤ15と、サンギヤ15に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ16と、これらサンギヤ15とリングギヤ16との間に配置されてこれらサンギヤ15およびリングギヤ16に噛み合っているピニオンギヤ17と、ピニオンギヤ17を自転および公転可能に保持しているキャリヤ18とを有している。したがって、変速部8は、サンギヤ15、リングギヤ16、およびキャリヤ18の三つの回転要素によって差動作用を行う差動機構(第2差動機構)となっている。この変速部8におけるサンギヤ15に分割部7におけるリングギヤ10が連結されている。また、変速部8におけるリングギヤ16に、出力ギヤ19が連結されている。
上記の分割部7と変速部8とが複合遊星歯車機構を構成するように第1クラッチ機構(第1係合機構)CL1が設けられている。第1クラッチ機構CL1は、変速部8におけるキャリヤ18を、分割部7におけるキャリヤ12および入力軸14に選択的に連結するためのものであって、摩擦式のクラッチ機構や噛み合い式のクラッチ機構によって構成することができる。この第1クラッチ機構CL1を係合させることにより分割部7におけるキャリヤ12と変速部8におけるキャリヤ18とが連結されてこれらが入力要素となり、また分割部7におけるサンギヤ9が反力要素となり、さらに変速部8におけるリングギヤ16が出力要素となった複合遊星歯車機構が形成される。
さらに、変速部8の全体を一体化させるための第2クラッチ機構(第2係合機構)CL2が設けられている。この第2クラッチ機構CL2は、変速部8におけるキャリヤ18とリングギヤ16もしくはサンギヤ15、あるいはサンギヤ15とリングギヤ16とを連結するなどの少なくともいずれか二つの回転要素を連結するためのものであって、第1クラッチ機構CL1と同様に、摩擦式のクラッチ機構や噛み合い式のクラッチ機構によって構成することができる。図1に示す例では、第2クラッチ機構CL2は、変速部8におけるキャリヤ18とリングギヤ16とを連結するように構成されている。この第2クラッチ機構CL2を係合させることにより変速部8を構成する各回転要素が一体となって回転する。したがって、分割部7におけるキャリヤ12が入力要素となり、また分割部7におけるサンギヤ9が反力要素となり、さらに変速部8におけるリングギヤ16が出力要素となる。
図2には、各クラッチ機構CL1,CL2を噛み合い式のクラッチ機構とした場合に採用できる操作機構20の一例を説明するための模式図を示してある。操作機構20は、各係合機構CL1,CL2を係合状態と解放状態とに切り替えるためのものであって、円筒状のシフトドラム21と、そのシフトドラム21を回転させるアクチュエータ22とを備えている。すなわち、図2に示す操作機構20は、アクチュエータ22の回転角度を制御することにより、二つのクラッチ機構CL1,CL2の係合状態と解放状態とを、後述する走行モードに応じた状態に制御することができるように構成されている。
シフトドラム21は、従来知られている円筒カムと同様に構成することができ、図2に示す例では、外周面にカム溝23,24が形成されている。具体的には、シフトドラム21の軸線方向における一方側に円周方向に沿った第1カム溝23が形成され、他方側に円周方向に沿った第2カム溝24が形成されている。これらのカム溝23,24は、シフトドラム21の軸線方向に蛇行して形成されている。
また、シフトドラム21には、減速機構25を介してアクチュエータ22の出力軸22aが連結されている。具体的には、アクチュエータ22の出力軸22aに、相対的に歯数の少ないドライブギヤ26が固定され、そのドライブギヤ26に噛み合いかつ相対的に歯数の多いドリブンギヤ27が、シフトドラム21の入力軸21aに固定されている。なお、減速機構25は、上記の歯車対26,27によって構成されたものに限らず、ベルトやチェーンなどによってトルクを増幅して伝達する構成であってもよい。または、減速機構25を設けずに、アクチュエータ22の出力軸22aをシフトドラム21に直接連結するように構成してもよい。
このアクチュエータ22は、補機類などに電力を供給する図示しない補機バッテリから電力が供給されることにより駆動する電磁アクチュエータであって、例えば、ステッピングモータやサーボモータなどの回転角度を適宜に制御できるモータにより構成することができる。すなわち、アクチュエータ22を制御することにより、シフトドラム21の回転角度を制御できるように構成されている。
また、シフトドラム21の回転角度(操作量)を検出するための回転角センサ28が設けられている。したがって、回転角センサ28に基づいてシフトドラム21の位置(位相)を検出し、その検出値に基づいて、アクチュエータ22の回転角度を制御するように構成されている。なお、回転角センサ28は、従来知られている磁気式のセンサであってもよく、可変抵抗を用いたポテンショメータなどであってもよい。また、回転角センサ28は、シフトドラム21の入力軸21aに設けずに、例えば、アクチュエータ22の出力軸22aに設けていてもよく、シフトドラム21の回転角と相対関係が成立する位置に設けていればよい。この回転角センサ28が、この発明の実施形態における「操作量センサ」に相当する。
上記の第1カム溝23には、カムフォロワーとしての第1スリーブピン29が係合し、その第1スリーブピン29には、第1スリーブピン29と一体となって軸線方向に移動することができる第1可動部材30が連結されている。この第1可動部材30は、第1クラッチ機構CL1を押圧して係合させるための部材であって、図2に示す例では、入力軸14と一体となって回転するハブ31がスプリング32を介して第1可動部材30に連結されている。なお、第1可動部材30とハブ31とは、相対回転可能に設けられている。
このハブ31における上記スプリング32に押圧される受圧面とは反対側の端面には、ドグ歯33が形成されている。また、図2に示す例では、ハブ31におけるドグ歯33が形成された端面に対向してキャリヤ18が配置されており、そのハブ31に対向する面に、ドグ歯33に噛み合うドグ歯34が形成されている。したがって、シフトドラム21を回転させること、すなわち第1可動部材30に対して相対的に移動させることにより、各ドグ歯33,34を噛み合わせる係合位置に第1可動部材30を移動させ、また各ドグ歯33,34の噛み合いを解消した解放位置に第1可動部材30を移動させる。上記のように各ドグ歯33,34を噛み合わせることにより、入力軸14(またはハブ31)とキャリヤ18とが係合状態となって一体に回転する。このハブ31が、この発明の実施形態における「一方の回転部材」に相当し、キャリヤ18が、この発明の実施形態における「他方の回転部材」に相当する。なお、上記のスプリング32は、各ドグ歯33,34の位相が一致して歯先が接触した場合に圧縮されることにより、各ドグ歯33,34や第1スリーブピン29に過剰な荷重が作用することを抑制するために設けられている。
同様に、第2カム溝24には、カムフォロワーとしての第2スリーブピン35が係合し、その第2スリーブピン35には、第2スリーブピン35と一体となって軸線方向に移動することができる第2可動部材36が連結されている。この第2可動部材36は、第2クラッチ機構CL2を押圧して係合させるための部材であって、図2に示す例では、リングギヤ16と一体となって回転する回転部材37がスプリング38を介して第2可動部材36に連結されている。なお、第2可動部材36と回転部材37とは、相対回転可能に設けられている。
この回転部材37における上記スプリング38に押圧される受圧面とは反対側の端面には、ドグ歯39が形成されている。また、図2に示す例では、回転部材37におけるドグ歯39が形成された端面に対向してキャリヤ18が配置されており、その回転部材37に対向する面に、ドグ歯39に噛み合うドグ歯40が形成されている。したがって、シフトドラム21を回転させること、すなわち第2可動部材36に対して相対的に移動させることにより、各ドグ歯39,40を噛み合わせる係合位置に第2可動部材36を移動させ、また各ドグ歯39,40の噛み合いを解消した解放位置に第2可動部材36を移動させる。上記のように各ドグ歯39,40を噛み合わせることにより、リングギヤ16とキャリヤ18とが係合状態となって一体に回転する。この回転部材31が、この発明の実施形態における「一方の回転部材」に相当し、キャリヤ18が、この発明の実施形態における「他方の回転部材」に相当する。なお、上記のスプリング38は、各ドグ歯39,40の位相が一致して歯先が接触した場合に圧縮されることにより、各ドグ歯39,40や第2スリーブピン35に過剰な荷重が作用することを抑制するために設けられている。
なお、図2に示すようにハブ31の移動量を検出するための第1ストロークセンサ41と、回転部材37の移動量を検出するための第2ストロークセンサ42が設けられている。これらのセンサ41,42により検出される信号は、通常、シフトドラム21を回転させて設定される走行モードに切り替わったか否かを判断するために用いられる。
上述したように各クラッチ機構CL1,CL2は、アクチュエータ22を駆動すること、すなわちアクチュエータ22としてのモータに通電することにより係合状態と解放状態とが切り替わるように構成されている。言い換えると、各クラッチ機構CL1,CL2は、アクチュエータ22への通電を停止している場合には、その通電を停止した時点における係合状態または解放状態を維持するように構成されている。つまり、各クラッチ機構CL1,CL2は、いわゆるノーマルステイ型のクラッチ機構によって構成されている。
上述した第1クラッチ機構CL1と第2クラッチ機構CL2との少なくともいずれか一方を係合することにより、動力分割機構6を介してエンジン1と出力ギヤ19とがトルク伝達可能に連結される。その出力ギヤ19から前輪5R,5Lにギヤトレーン部(トルク伝達経路)を介してトルクが伝達される。図1に示す例では、上記のエンジン1や分割部7あるいは変速部8の回転中心軸線と平行にカウンタシャフト43が配置されている。前記出力ギヤ19に噛み合っているドリブンギヤ44がこのカウンタシャフト43に取り付けられている。また、カウンタシャフト43にはドライブギヤ45が取り付けられており、このドライブギヤ45が終減速機であるデファレンシャルギヤユニット46におけるリングギヤ47に噛み合っている。
さらに、前記ドリブンギヤ44には、第2モータ3におけるロータシャフト3aに取り付けられたドライブギヤ48が噛み合っている。したがって、前記出力ギヤ19から出力された動力もしくはトルクに、第2モータ3が出力した動力もしくはトルクを、上記のドリブンギヤ44の部分で加えるように構成されている。このようにして合成された動力もしくはトルクをデファレンシャルギヤユニット46から左右のドライブシャフト49に出力し、その動力やトルクが前輪5R,5Lに伝達されるように構成されている。なお、第2モータ3は、例えば、ドライブギヤ45にトルク伝達可能に連結し、そのドライブギヤ45のトルクを変更できるように構成してもよい。
さらに、図1に示す例では、第1モータ2から出力された駆動トルクを、前輪5R,5Lに伝達することができるように、出力軸13または入力軸14を固定可能に構成された、ワンウェイクラッチFを備えている。そのワンウェイクラッチFは、出力軸13や入力軸14が、エンジン1の駆動時に回転する方向とは逆方向に回転することを禁止するように構成されている。
したがって、第1モータ2が駆動トルクを出力してワンウェイクラッチFが係合状態となることにより、第1モータ2の駆動トルクに対する反力トルクをワンウェイクラッチFが受け持ち、その結果、第1モータ2からリングギヤ16に第1モータ2の駆動トルクが伝達される。すなわち、ワンウェイクラッチFにより出力軸13または入力軸14を固定することで、分割部7におけるキャリヤ12や、変速部8におけるキャリヤ18を反力要素として機能させ、分割部7におけるサンギヤ9を入力要素として機能させることができるように構成されている。
なお、ワンウェイクラッチFは、第1モータ2が駆動トルクを出力した場合に、反力トルクを発生させるためのものであり、したがって、ワンウェイクラッチFに代えて摩擦式のブレーキ機構を設け、そのブレーキ機構によって出力軸13または入力軸14の回転を規制するトルクを発生させてもよい。その場合、出力軸13または入力軸14を完全に固定する構成に限らず、相対回転を許容しつつ、要求される反力トルクを出力軸13または入力軸14に作用させるように構成してもよい。
上記のエンジン1、各モータ2,3、および各クラッチ機構CL1,CL2を制御するための電子制御装置(ECU)50が設けられている。このECU50は、この発明の実施形態における「コントローラ」に相当するものであり、従来知られているECUと同様にマイクロコンピュータを主体に構成されている。このECU50は、センサから入力される信号や予め記憶されている演算式などによって種々の出力信号を求め、その出力信号を各装置に出力する。
ECU50に入力されるデータは、車速、アクセル開度、第1モータ(MG1)2の回転数、第2モータ(MG2)3の回転数、エンジン1の出力軸13の回転数(エンジン回転数)、変速部8におけるリングギヤ16またはカウンタシャフト43の回転数である出力回転数、ハブ31のストローク量、回転部材37のストローク量、アクチュエータ22の温度、第1モータ2の温度、第2モータ3の温度、蓄電装置Bの充電残量(SOC)、蓄電装置Bの温度、駆動装置4内に設けられた部材の潤滑や冷却を行うためのATF(Automatic Transmission Fluid)の温度、シフトドラム21の回転角度などのデータである。
そして、ECU50に入力されたデータなどに基づいて第1モータ2、および第2モータ3の出力トルクを求めて、それらの求められたデータを指令信号として各モータ2,3を制御するインバータなどに出力する。同様に、ECU50に入力されたデータなどに基づいてエンジン1の出力トルクを求めて、その求められたデータを指令信号としてエンジン1のトルクを制御するスロットルバルブや燃料噴射装置などに出力する。さらに、ECU50に入力されたデータなどに基づいて第1クラッチ機構CL1、および第2クラッチ機構CL2を係合させるか解放させるかを判断して、その判断された係合状態または解放状態の指令信号をアクチュエータ22に出力する。
上記の駆動装置4は、エンジン1から駆動トルクを出力して走行するHV走行モードと、エンジン1から駆動トルクを出力することなく、第1モータ2や第2モータ3から駆動トルクを出力して走行するEV走行モードとを設定することが可能である。さらに、HV走行モードは、エンジン1から所定のトルクを出力した場合に、変速部8のリングギヤ16(または出力ギヤ19)に伝達されるトルクが相対的に大きいHV-Loモードと、そのトルクが相対的に小さいHV-Hiモードと、エンジン1のトルクを変化させずにそのまま変速部8のリングギヤ16に伝達する直結モード(固定段モード)とを設定することができる。
またさらに、EV走行モードは、第1モータ2および第2モータ3から駆動トルクを出力するデュアルモードと、第1モータ2から駆動トルクを出力せずに第2モータ3のみから駆動トルクを出力するシングルモード(切り離しモード)とを設定することが可能である。更にデュアルモードは、第1モータ2から出力されたトルクの増幅率が比較的大きいEV-Loモードと、第1モータ2から出力されたトルクの増幅率がEV-Loモードより小さいEV-Hiモードとを設定することが可能である。
それらの各走行モードは、エンジン1、各モータ2,3、および各クラッチ機構CL1,CL2を制御することにより設定される。これらの走行モードと、各走行モードにおける、第1クラッチ機構CL1、第2クラッチ機構CL2、ワンウェイクラッチFの係合および解放の状態、第1モータ2および第2モータ3の運転状態、エンジン1からの駆動トルクの出力の有無の一例を以下の表に示してある。表中における「●」のシンボルは係合している状態を示し、「-」のシンボルは解放している状態を示し、「G」のシンボルは主にジェネレータとして運転することを意味し、「M」のシンボルは主にモータとして運転することを意味し、空欄はモータおよびジェネレータとして機能していない、または第1モータ2や第2モータ3が駆動のために関与していない状態を意味し、「ON」はエンジン1から駆動トルクを出力している状態を示し、「OFF」はエンジン1から駆動トルクを出力していない状態を示している。なお、表1は、車両Veが駆動走行している時の一例である。
Figure 2022116637000002
図3ないし図6には、HV-Hiモード、HV-Loモード、直結モード、および切り離しモードを設定した場合における動力分割機構6の各回転要素の回転数、およびエンジン1、各モータ2,3のトルクの向きを説明するための共線図を示してある。共線図は、動力分割機構6における各回転要素を示す直線をギヤ比の間隔をあけて互いに平行に引き、これらの直線に直交する基線からの距離をそれぞれの回転要素の回転数として示す図であり、それぞれの回転要素を示す直線にトルクの向きを矢印で示すとともに、その大きさを矢印の長さで示している。
図3に示すようにHV-Hiモードでは、エンジン1から駆動トルクを出力し、第2クラッチ機構CL2を係合するとともに、第1モータ2から反力トルクを出力する。また、図4に示すようにHV-Loモードでは、エンジン1から駆動トルクを出力し、第1クラッチ機構CL1を係合するとともに、第1モータ2から反力トルクを出力する。
エンジン1からリングギヤ16に伝達されるトルクの大きさは、HV-Hiモードを設定した場合とHV-Loモードを設定した場合とで異なる。具体的には、エンジン1の出力トルクをTeとすると、HV-Loモードを設定した場合に、リングギヤ16に伝達されるトルクの大きさは、(1/(1ーρ1・ρ2))Teとなり、HV-Hiモードを設定した場合に、リングギヤ16に伝達されるトルクの大きさは、(1/(1+ρ1))Teとなる。ここで、「ρ1」は分割部7のギヤ比(リングギヤ10の歯数とサンギヤ9の歯数との比率)であり、「ρ2」は変速部8のギヤ比(リングギヤ16の歯数とサンギヤ15の歯数との比率)である。なお、ρ1およびρ2は、「1」よりも小さい値である。
すなわち、HV-Loモードを設定した場合の方が、HV-Hiモードを設定した場合よりも、エンジン1の駆動トルクに対するリングギヤ16(または前輪5R,5L)に伝達されるトルクの比であるトルクの分割率(増幅率)が大きい。
そして、上記の反力トルクよりも大きなトルクを第1モータ2から出力すると、その余剰分のトルクがエンジン回転数を低下させるように作用し、それとは反対に上記の反力トルクよりも小さなトルクを第1モータ2から出力すると、エンジントルクの一部が、エンジン回転数を増大させるように作用する。すなわち、第1モータ2のトルクを制御することによりエンジン回転数を連続的に、または無段階に制御することができる。言い換えると、エンジン回転数が目標回転数となるように第1モータ2のトルクが制御される。なお、エンジン回転数は、例えば、エンジン1の燃費が良好となる回転数に制御され、あるいは第1モータ2の駆動効率などを考慮した駆動装置4全体としての効率(消費エネルギー量を前輪5R,5Lのエネルギー量で除算した値)が最も良好となる回転数に制御される。
上記のように第1モータ2から反力トルクを出力することにより、第1モータ2が発電機として機能する場合には、エンジン1の動力の一部が第1モータ2により電気エネルギーに変換される。そして、エンジン1の動力から第1モータ2により電気エネルギーに変換された動力分を除いた動力が変速部8におけるリングギヤ16に伝達される。なお、第1モータ2により変換された電力は、第2モータ3を駆動するために第2モータ3に供給してもよく、蓄電装置Bの充電残量を増加させるために蓄電装置Bに供給してもよい。
直結モードでは、各クラッチ機構CL1,CL2が係合されることにより、図5に示すように動力分割機構6における各回転要素が同一回転数で回転する。言い換えると、エンジン1と第1モータ2と出力部材(出力ギヤ19)とが差動回転することを制限する。したがって、エンジン1の動力の全てが動力分割機構6から出力される。そのため、エンジン1の動力の一部が、第1モータ2や第2モータ3により電気エネルギーに変換されることがなく、電気エネルギーに変換する際に生じるジュール損などを要因とした損失を抑制でき、動力の伝達効率を向上させることができる。
切り離しモードでは、各クラッチ機構CL1,CL2が解放されることにより、動力分割機構6を介したエンジン1と前輪5R,5Lとのトルクの伝達が遮断される。したがって、切り離しモードでは、図6に示すようにエンジン1および第1モータ2が停止させられる。すなわち、分割部7を構成する各回転要素、および変速部8におけるサンギヤ15が停止するとともに、リングギヤ16が車速に応じた回転数で回転し、キャリヤ18が、変速部8のギヤ比とリングギヤ16の回転数とに応じた回転数で回転する。なお、切り離しモードでは、例えば、エンジン1を暖機するためなど、種々の条件に応じてエンジン1を駆動していてもよい。そのようにエンジン1を駆動している場合であっても、各クラッチ機構CL1,CL2を解放することにより、エンジントルクは、駆動輪5R,5Lに伝達されない。
上述したように各走行モードは、各クラッチ機構CL1,CL2をそれぞれ制御することにより変更される。具体的には、切り離しモードが設定されている状態では、第1クラッチ機構CL1を係合し、第1モータ2から駆動トルクを出力することにより、EV-Loモードに切り替えられ、または、第1クラッチ機構CL1を係合した後に、第1モータ2によってエンジン1をクランキングし、更にその後に、エンジン1を始動することによりHV-Loモードに切り替えられる。同様に、切り離しモードが設定されている状態では、第2クラッチ機構CL2を係合し、第1モータ2から駆動トルクを出力することにより、EV-Hiモードに切り替えられ、または、第2クラッチ機構CL2を係合した後に、第1モータ2によってエンジン1をクランキングし、更にその後に、エンジン1を始動することによりHV-Hiモードに切り替えられる。さらに、HV-LoモードやHV-Hiモードが設定されている状態では、第1モータ2の回転数を制御することにより、解放されているクラッチ機構CL1(CL2)における一対の回転部材(例えば、ハブ31とキャリヤ18、あるいは回転部材37とキャリヤ18)の回転数差を所定差以下に制御し、その状態で、解放されているクラッチ機構CL1(CL2)を係合することにより、直結モードに切り替えられる。
したがって、図2に示す操作機構20は、アクチュエータ22を所定の回転方向に所定角度ずつ回動させることにより、第1クラッチ機構CL1が解放状態から係合状態に切り替わり、ついで、第2クラッチ機構CL2が解放状態から係合状態に切り替わり、その後に、第1クラッチ機構CL1が係合状態から解放状態に切り替わり、更にその後に、第2クラッチ機構CL2が係合状態から解放状態に切り替わるように、各カム溝23,24が形成されている。なお、アクチュエータ22を上記とは反対方向に回動させることにより、上記とは逆の順に、各クラッチ機構CL1,CL2の係合状態と解放状態とを切り替えることもできる。
上述したように各クラッチ機構CL1,CL2の係合状態と解放状態とはアクチュエータ22の回転角を制御することにより切り替えられ、そのアクチュエータ22の回転角は、回転角センサ28により判断される。つまり、アクチュエータ22は、回転角センサ28により検出された信号に基づいて制御される。したがって、回転角センサ28がフェールした場合には、アクチュエータ22を適切に制御できず、走行モードの切り替えを行うことができない可能性がある。
特に、直結モードは、エンジン回転数が車速に応じて定まるため、車両Veが停車するとエンジン1も停止する。その状態から再発進するときには、第2モータ3から駆動トルクを出力するものの、車速の増加に伴ってエンジン1を連れ回すことになり、例えば、SOCが低下している場合には、駆動トルクとエンジン1を連れ回すことによる慣性トルクおよび引き摺りトルクを出力できない可能性がある。したがって、直結モードを設定している状態で回転角センサ28がフェールした場合には、直結モードを維持すると車両Veを再発進できなくなる可能性がある。
そのため、この発明の実施形態における車両の制御装置は、直結モードを設定している状態で回転角センサ28がフェールした場合に、エンジン1と駆動輪5R,5Lとが相対回転することができる他の走行モード、すなわち、HV-LoモードやHV-Hiモード、あるいは切り離しモードなどに切り替えるように構成されている。その制御の一例を説明するためのフローチャートを図7に示してある。図7に示す制御例では、まず、回転角センサ28がフェール(故障)したか否かを判断する(ステップS1)。このステップS1は、例えば、回転角センサ28からECU50に入力される信号に応じた走行モードと、各ストロークセンサ41,42からECU50に入力される信号に応じた走行モードとが異なっているか否かに基づいて判断することができる。
回転角センサ28がフェールしていないことによりステップS1で否定的に判断された場合は、そのままリターンする。それとは反対に、回転角センサ28がフェールしていることによりステップS1で肯定的に判断された場合は、現時点で設定されている走行モードが直結モード(固定段)であるか否かを判断する(ステップS2)。このステップS2は、駆動装置4で設定されている現実の走行モードが直結モードであるか否かを判断するためのステップであり、したがって、各ストロークセンサ41,42により検出される信号に基づいて判断される。すなわち、第1クラッチ機構CL1および第2クラッチ機構CL2が係合状態であるか否かを判断する。なお、ステップS2は、例えば、エンジン回転数を変更するようにエンジントルクや第1モータ2のトルクを制御し、その後のエンジン回転数が、直結モードであるとした場合のエンジン回転数と異なるか否かなどに基づいて判断してもよい。
現時点で設定されている走行モードが直結モードでないことによりステップS2で否定的に判断された場合は、アクチュエータ22を停止して(ステップS3)、リターンする。それとは反対に、現時点で設定されている走行モードが直結モードであることによりステップS2で肯定的に判断された場合は、アクチュエータ22を回転させる(ステップS4)。この制御例では、回転角センサ28がフェールした場合には、直結モード以外のいずれかの走行モードに切り替えることができればよく、したがって、ステップS4では、アクチュエータ22の回転方向は特に限定されない。
ついで、第1クラッチ機構CL1または第2クラッチ機構CL2が解放したか否かを判断する(ステップS5)。このステップS5は、各ストロークセンサ41,42からECU50に入力される信号に基づいて判断することができる。なお、ステップS5では、第1クラッチ機構CL1と第2クラッチ機構CL2とが解放された場合であっても肯定的に判断される。
第1クラッチ機構CL1および第2クラッチ機構CL2が係合していることによりステップS5で否定的に判断された場合は、ステップS4にリターンする。すなわち、第1クラッチ機構CL1または第2クラッチ機構CL2が解放されることが第1ストロークセンサ41または第2ストロークセンサ42で検出されるまで、ステップS4およびステップS5を繰り返し実行する。言い換えると、回転角センサ28がフェールしていない場合には、その回転角センサ28からECU50に入力される信号に基づいてアクチュエータ22を制御しているものの、回転角センサ28がフェールした場合には、各ストロークセンサ41,42からECU50に入力される信号に基づいてアクチュエータ22を制御する。
それとは反対に、第1クラッチ機構CL1または第2クラッチ機構CL2が解放したことによりステップS5で肯定的に判断された場合は、ステップS3に移行する。すなわち、アクチュエータ22を停止して、リターンする。
上述したように直結モードを設定している状態で回転角センサ28がフェールした場合に、エンジン1と駆動輪5R,5Lとが相対回転する他の走行モードに切り替えることにより、車両Veが停車した場合であっても、例えば、HV-HiモードやHV-Loモードが設定されている場合であれば、第1モータ2によってエンジン1をクランキングして走行することができ、あるいは切り離しモードであれば、第2モータ3の動力によって走行できるとともに、エンジン1や第1モータ2を連れ回すことを抑制できる。すなわち、適切な走行モードに切り替え、かつ継続して走行することができる。
この発明の実施形態における制御装置は、回転角センサ28がフェールした場合に、直結モードから他のいずれかの走行モードに切り替えることができればよく、その移行する走行モードは特に限定されない。一方、車両Veが後進走行する場合には、HV-LoモードやHV-Hiモードは、エンジン1のトルクが車両Veを前進させる方向に作用することにより、後進するための電力消費量が多くなる。そのエンジン1から駆動輪5R,5Lに伝達されるトルクは、上述したようにHV-Loモードの方が、HV-Hiモードよりも大きくなる。そのため、回転角センサ28がフェールした場合には、HV-LoモードよりもHV-Hiモードを選択することが好ましい。
図8は、その制御例を説明するためのフローチャートを示してある。なお、図7と同一のステップについては同一のステップ番号を付してその説明を省略する。図8に示すように、現時点で設定されている走行モードが直結モードであることによりステップS2で肯定的に判断された場合は、第1クラッチ機構CL1が解放される方向にアクチュエータ22を回転させる(ステップS14)。すなわち、上述した制御例におけるステップS4とは異なり、アクチュエータ22の回転方向を定め、または設定する走行モードを定めている。
ついで、第1クラッチ機構CL1が解放したか否かを判断する(ステップS15)。このステップS15は、上述したステップS5と同様に、各ストロークセンサ41,42からECU50に入力される信号に基づいて判断することができる。
そして、第1クラッチ機構CL1が解放されていないことによりステップS15で否定的に判断された場合は、ステップS14にリターンし、それとは反対に、第1クラッチ機構CL1が解放されたことによりステップS15で肯定的に判断された場合は、ステップS3に移行する。
またさらに、図1に示すように入力軸14の回転を停止させる機構がワンウェイクラッチにより構成されている場合には、第1モータ2のトルクを後進走行するように伝達することができない。そのような場合には、後進走行時には、第1クラッチ機構CL1や第2クラッチ機構CL2を係合していると、第1モータ2が連れ回され、第1モータ2の慣性トルクと引き摺りトルクとに応じたトルクを、第2モータ3から出力するトルクに加算する必要がある。そのため、回転角センサ28がフェールした場合には、切り離しモードを選択してもよい。
図9は、その制御例を説明するためのフローチャートを示してある。なお、図7および図8と同一のステップについては同一のステップ番号を付してその説明を省略する。図9に示すように、現時点で設定されている走行モードが直結モードであることによりステップS2で肯定的に判断された場合は、アクチュエータ22を回転させる(ステップS24)。このステップS24におけるアクチュエータ22の回転方向は、いずれの方向であってもよいが、上記ステップS14よりも大きな回転量となるようにアクチュエータ22が制御される。
ついで、第1クラッチ機構CL1および第2クラッチ機構CL2が解放したか否かを判断する(ステップS25)。このステップS25は、上述したステップS5およびステップS15と同様に、各ストロークセンサ41,42からECU50に入力される信号に基づいて判断することができる。
そして、第1クラッチ機構CL1または第2クラッチ機構CL2が解放されていないことによりステップS25で否定的に判断された場合は、ステップS24にリターンし、それとは反対に、第1クラッチ機構CL1および第2クラッチ機構CL2が解放されたことによりステップS25で肯定的に判断された場合は、ステップS3に移行する。
なお、この発明の実施形態における車両は、図1に示す構成に限らず、少なくとも一つのクラッチ機構を備え、そのクラッチ機構の係合状態と解放状態とを切り替えることにより、エンジンと駆動輪との回転数比を所定比に固定した走行モードと、エンジンと駆動輪とを相対回転可能にして走行できる他の走行モードとを切り替えることができる車両であればよい。したがって、例えば、図1におけるリングギヤ10とキャリヤ18とを連結し、第1クラッチ機構CL1によりサンギヤ15とキャリヤ12とをトルク伝達可能に連結し、第2クラッチ機構CL2によりサンギヤ15とキャリヤ18とリングギヤ16とのいずれか二つの回転部材を連結するように構成した動力分割機構を備えた車両であってもよい。その場合には、第1クラッチ機構CL1を係合することによりHV-Hiモードが設定され、第2クラッチ機構CL2を係合することによりHV-Loモードが設定される。
さらに、例えば、エンジンが連結された入力要素と、第1モータが連結された反力要素と、駆動輪が連結された出力要素との三つの回転要素を備えた差動機構と、それらのいずれか一対の回転要素を連結するクラッチ機構とを備えた車両であってもよい。その場合には、クラッチ機構を係合することによりエンジンと差動機構の出力軸との回転数比が所定比に固定されたモードが設定され、そのクラッチ機構を解放することによりエンジンと駆動輪との回転数比を無段階に変更できるモードを設定することができ、クラッチ機構を制御する操作機構がフェールした場合に、クラッチ機構を構成する一方の回転部材の移動量に基づいてクラッチ機構を解放させるように構成すればよい。
またさらに、上述した例では、シフトドラム21によって各クラッチ機構CL1,CL2を駆動するように構成されているが、この発明の実施形態における「操作機構」は、シフトドラムに限らず、クラッチ機構CL1(CL2)を駆動するための他の機構であってもよい。
1 エンジン
2,3 モータ
5R,5L 前輪(駆動輪)
20 操作機構
21 シフトドラム
22 アクチュエータ
28 回転角センサ
30,36 可動部材
31 ハブ
37 回転部材
41,42 ストロークセンサ
50 電子制御装置(ECU)
CL1,CL2 クラッチ機構
Ve 車両

Claims (1)

  1. エンジンと、前記エンジンとトルク伝達可能に設けられた駆動輪と、所定の一対の回転部材を連結した係合状態と前記一対の回転部材の連結を解いた解放状態とを選択的に切り替えることができるクラッチ機構とを備え、
    前記クラッチ機構を係合状態とすることにより前記エンジンと前記駆動輪との回転数比が所定比に固定される固定段モードと、前記クラッチ機構を解放状態とすることにより前記エンジンと前記駆動輪とを相対回転可能にして走行できる他の走行モードとの少なくとも二つの走行モードを設定することができるように構成された車両の制御装置において、
    前記一対の回転部材のうちの一方の回転部材が連結されかつ駆動することにより前記一方の回転部材を前記一対の回転部材のうちの他方の回転部材側に移動させる操作機構と、
    前記操作機構の操作量を検出する操作量センサと、
    前記操作量センサの検出値に基づいて前記操作機構を駆動するアクチュエータと、
    前記一方の回転部材の移動量を検出するストロークセンサと、
    前記操作量センサにより検出された操作量に応じて前記走行モードを制御するコントローラとを備え、
    前記コントローラは、
    前記操作量センサがフェールしたか否かを判断し、
    前記操作量センサがフェールしたことが判断された時点で前記固定段モードが設定されている場合には、前記ストロークセンサの検出値に基づいて前記他の走行モードに切り替えるように構成されている
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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