以下、図面を参照しながら、保護回路および電気機器の実施形態について詳細に説明する。
図1の符号1は、本実施形態の電気機器としてのヒートポンプ式の温水生成装置である。温水生成装置1は、冷媒と室外の空気との間で熱交換を行う熱源ユニットである室外ユニット2(Outdoor Unit)と、機外から供給される水と冷媒との間で熱交換を行う水熱交換ユニット3(Hydro Unit)と、使用者による操作を受け付ける入力装置としてのリモートコントローラー4と、リモートコントローラー4の操作に基づいて室外ユニット2および水熱交換ユニット3を制御する水熱交換制御部5と、これに付随するヒータ駆動部6と、を備えている。
温水生成装置1は、室外ユニット2と水熱交換ユニット3との間で冷媒を循環させ、水熱交換ユニット3内の水熱交換器15で冷媒と水とを熱交換させて水を加熱して第1温度、例えば摂氏40度の湯を、ポンプ36を運転して機外へ供給する。第1目標温度の湯は、機外の暖房装置(図示省略)、例えば床暖房システムなどを流通して水熱交換ユニット3に返送される。すなわち、水は水熱交換ユニット3と暖房装置の放熱器などの外部の放熱装置との間を循環する。
また、温水生成装置1は、冷媒と水との熱交換と、後述するヒータ7による加熱とを併用して第2目標温度、例えば摂氏70度程度の高温の湯を機外へ供給することもできる。冷媒と水との熱交換のみを使用する場合は、使用する冷媒の種類にもよるが、R410A冷媒を使用する場合は、最高で摂氏55度程度の湯となる。第2目標温度の湯は、機外の貯湯装置などに貯められて使用される。貯湯装置に貯められた湯は、例えば洗面所、台所、および浴室に供給される。通常、室外ユニット2は、室外に設置され、水熱交換ユニット3は、室内に設置される。室外ユニット2と水熱交換ユニット3とは、冷媒管16の渡り管21,22および図示しない通信線で接続される。このように、温水生成装置1では、屋外に水配管45が敷設されないため、冬季の低温時に水配管内での水の凍結が生じない。
なお、室外ユニット2の設置されている屋外の気温が極端に低く、冷凍回路10(ヒートポンプ式冷凍サイクル)の運転だけでは第1目標温度の湯を機外に供給できない場合にもヒータ7による加熱をしても良い。
リモートコントローラー4は、少なくとも1つあって、例えば、水熱交換ユニット3に設けられているリモートコントローラー4と、室内の、例えば壁面に設置され、ユーザーにより操作される操作部(図示省略)と、を含んでいる。
温水生成装置1の冷凍回路10は、屋外の空気を熱源として低温部分から高温部分へ熱を移動させることで水を湯に加熱する。
冷凍回路10は、ヒートポンプ式冷凍サイクルを構成する圧縮機11と、蒸発器としての空気熱交換器12と、膨張弁13と、凝縮器としての水熱交換器15と、圧縮機11、空気熱交換器12、膨張弁13、および水熱交換器15を接続して冷媒を流通させる冷媒管16と、を備えている。冷凍回路10は、空気熱交換器12から水熱交換器15へ熱を移動させて水熱交換器15で水を湯に加熱する。
また、冷凍回路10は、冷媒の流通方向を切り替える四方弁17と、圧縮機11の吸込み側に設けられたアキュムレーター18と、を備えている。
水熱交換器15は、屋内の壁面などに据付可能な直方体形状の筐体からなる水熱交換ユニット3に収容される。これ以外の冷凍回路10の構成部品は、室外ユニット2に収容されている。
圧縮機11は、冷媒を圧縮し、昇圧して吐出する。圧縮機11は、公知のインバーター制御によって運転周波数を変更可能である。圧縮機11の回転数を上げることで、高温部分へ移動する熱量が増加し、回転数を下げることで、高温部分へ移動する熱量が低下する。
空気熱交換器12と水熱交換器15との間の冷媒管16に直列に接続された膨張弁13は、例えば電子膨張弁(Pulse Motor Valve:PMV)であり、その開度を調節できる。
冷媒管16は、圧縮機11、アキュムレーター18、四方弁17、空気熱交換器12、膨張弁13、および水熱交換器15を接続している。冷媒管16は、圧縮機11の吐出側と四方弁17とを繋ぐ第1冷媒管16aと、圧縮機11の吸込側と四方弁17とを繋ぐ第2冷媒管16bと、四方弁17と水熱交換器15とを繋ぐ第3冷媒管16cと、空気熱交換器12と水熱交換器15とを繋ぐ第4冷媒管16dと、空気熱交換器12と四方弁17とを繋ぐ第5冷媒管16eと、を含んでいる。
冷凍回路10で水を湯に加熱する場合には、四方弁17は、第1冷媒管16aから第3冷媒管16cへ冷媒を流通させ、かつ第5冷媒管16eから第2冷媒管16bへ冷媒を流通させる(図1において実線の矢印19で示す冷媒の流れ)。
水を湯に加熱する際、温水生成装置1は、圧縮された高温高圧の冷媒を圧縮機11から吐出し、四方弁17を介してこの冷媒を水熱交換器15へ送る。水熱交換器15は、水熱交換器15内を通る水と水熱交換器15内を通る冷媒との間で熱交換を行わせる。そうすると、水は加熱され、冷媒は冷却されて高圧の液体状態になる。つまり、水を湯に加熱する際、水熱交換器15は、放熱器として機能する。水熱交換器15を通過した冷媒は、膨張弁13を通過して減圧され低圧の気液二相冷媒になって空気熱交換器12に到達する。空気熱交換器12は、屋外の空気と空気熱交換器12内を通る冷媒との間で熱交換を行わせ、屋外の空気から吸熱する。このとき、空気熱交換器12は、冷媒を蒸発させて気体状態にする吸熱器として機能する。空気熱交換器12を通過した冷媒は、圧縮機11へ吸い込まれる。
なお、冷凍回路10は、水を加熱する運転中に四方弁17によって冷媒管16における冷媒の流れの向きを切替えて、除霜運転することができる。除霜運転を実施する際、温水生成装置1は、四方弁17を反転させて冷凍回路10に水を湯に加熱する冷媒の流れと逆向きの冷媒の流れを生じさせる(図1において破線の矢印20で示す冷媒の流れ)。除霜運転中は、空気熱交換器12は、凝縮器として機能して、表面に付着した霜を溶解し、水熱交換器15は、蒸発器として機能する。
また、温暖地域向けとして、冷凍回路10は、四方弁17を備えない水の加熱専用のものであっても良い。この場合、圧縮機11の吐出側は冷媒管16を通じて水熱交換器15に接続され、圧縮機11の吸込側は冷媒管16を通じて空気熱交換器12に接続される。
次いで、水熱交換ユニット3は、冷凍回路10の水熱交換器15と、膨張タンク31(Expansion vessel)と、加熱される前の水を水熱交換ユニット3外から水熱交換器15へ導く導水管32と、水熱交換器15で加熱された湯を膨張タンク31へ導く導湯管33と、水熱交換器15で加熱された湯を水熱交換ユニット3外へ湯を供給する給湯管35と、給湯管35に設けられて膨張タンク31から水熱交換ユニット3外へ送られる湯をさらに高温に加熱するヒータ7と、給湯管35に設けられて膨張タンク31から水熱交換ユニット3外へ湯を送るポンプ36と、を備えている。ヒータ7は給湯管35中に配置され、その周囲を流れる湯を加熱する。
なお、水熱交換ユニット3は、水熱交換ユニット3と水熱交換ユニット3外の装置との間で湯を循環させる用途で用いられる。水熱交換ユニット3外の装置は、例えば、湯を空気熱交換器内に循環させる暖房装置(図示省略)、または、循環する湯によってタンク内の水を加熱し、ここで加熱されたタンク内の湯を外部に供給する貯湯装置(図示省略)が一般的である。
また、水熱交換ユニット3は、冷媒管16の渡り管21,22を水熱交換ユニット3内の冷媒管16に接続する冷媒管接続継手25,26と、水熱交換ユニット3外の水配管45を導水管32に接続する導水管接続継手46と、水熱交換ユニット3外の湯配管47を給湯管35に接続する給湯管接続継手48と、を備えている。
湯配管47は、水熱交換ユニット3と被給湯箇所とを繋げる渡り管であり、水配管45は、水熱交換ユニット3と給水箇所とを繋げる渡り管であり、被給湯箇所と給水箇所とは外部の装置を経由して繋がっている。
導湯管33は、給湯管35のヒータ7の下流、かつポンプ36の上流と、膨張タンク31と、を接続している。導湯管33は、給湯管35における暖められて膨張した湯を膨張タンク31に導く。膨張タンク31は、暖められた湯の膨張(体積の増加)を吸収する機能を有している。
冷凍回路10を循環する冷媒によって水熱交換器15で加熱された湯は、駆動するポンプ36によって給湯管35に吸い込まれて、水熱交換ユニット3外の湯配管47を通じて被給湯箇所へ送られる。つまり、ポンプ36を駆動することで、水熱交換器15の内部に水を流すことができる。このポンプ36は、水熱交換制御部5で制御される。
本実施形態の水熱交換制御部5は、プロセッサ(CPU)、メモリおよびその周辺回路などのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。
また、水熱交換ユニット3には、水熱交換器15の入口側(TWI)の温度を検出する第1温度センサ8と、ヒータ7の出口側(THO)温度を検出する第2温度センサ9とが設けられている。第1温度センサ8と第2温度センサ9は、水熱交換制御部5に接続され、水熱交換制御部5において、それぞれの温度が読み取られる。
次に、温水生成装置1の電源系統について説明する。図2に示すように、室外ユニット2は、第1交流電源41から電力の供給を受ける。水熱交換制御部5は、室外ユニット2を介して第1交流電源41から電力の供給を受ける。この第1交流電源41は、電圧が230Vの商用単相交流電源である。
ヒータ駆動部6は、第2交流電源42から電力の供給を受ける。この第2交流電源42は、電圧が400Vの商用三相交流電源であり、中性線(ニュートラル線:N相)を備えた三相四線式の配電方式が用いられている。ヒータ7は、ヒータ駆動部6を介して第2交流電源42から電力の供給を受ける。ヒータ7は、運転(通電)中の消費電力が大きいことから、第1交流電源41よりも高電圧の第2交流電源42が使用される。ヒータ7は3本あり、図示では代表として1本のヒータ7を示している。3本のそれぞれのヒータ7は、一端が三相四線式でなる第2交流電源42の中性線(N相)に接続され、他端が第2交流電源42の電力線(R,S,T相)のいずれか1つに接続される。この結果、ヒータ7の運転中は、それぞれのヒータ7に単相交流230Vが供給されることになる。3本のヒータ7は、水熱交換制御部5からヒータ駆動部6に入力される信号によって同時に運転(通電)・停止が行われる。
このヒータ7は、落雷に起因して電源ラインに生じる不意な高電圧の印可から保護する必要がある。この高電圧は、コモンモードの高電圧であり、第2交流電源42を介してヒータ駆動部6からヒータ7に印加される。これを防止するために、ヒータ駆動部6でこのような高電圧の印加を阻止する保護回路52がヒータ駆動部6に設けられる。
水熱交換制御部5は、ヒータ7を制御するヒータ駆動信号をヒータ駆動部6に入力する。このヒータ駆動信号がヒータ駆動部6に入力されると、ヒータ7が通電される。この駆動信号がヒータ駆動部6に入力されていないときは、ヒータ7が停止、すなわち、ヒータ7は第2交流電源42から切断される。
図3に示すように、水熱交換制御部5は、室外ユニット2および水熱交換ユニット3を制御するマイクロコントロールユニット50(MCU)と、ヒータ駆動信号を出力するドライブ回路51と、を備える。
ヒータ駆動部6には、保護回路52の他に、リレー55,56を駆動するトランジスタ53および直流12Vを生成する電源部54などが設けられる。
リレー55,56は、ヒータ7とこのヒータ7に電力を供給する第2交流電源42とを接続する2本の電線61,62の中間部分の各々に挿入されている。電線61は、第2交流電源42の3本の電力線(R,S,T相)のいずれか1つに接続される。電線62は、第2交流電源42の中性線(N相)に接続される。ヒータ駆動部6とヒータ7は3組が設けられるが、図3では、代表としてR相に接続されたヒータ7を示している。他のヒータ7はそれぞれS相とN相間、T相とN相間に接続される。これにより第2交流電源42における各相の消費電力が均一化される。
ヒータ駆動信号は、ドライブ回路51から信号線63を介してヒータ駆動部6に入力される。ヒータ駆動信号が伝達される信号線63は、電源部54から電圧が供給されているトランジスタ53に入力され、そのONとOFFが制御される。トランジスタ53の出力側にはリレー55,56が並列に接続されている。リレー55,56の他端はアース(グランド)60に接続されている。
ヒータ駆動信号が入力されるとトランジスタ53がONし、リレー55,56の励磁コイルに通電がなされ、ON(閉状態)となる。一方、ヒータ駆動信号が入力されていないときはトランジスタ53がONし、リレー55,56の励磁コイルへの通電がなされず、リレー55,56はOFF(開状態)となる。つまり、本実施形態のリレー55,56は、所謂a接点(常開接点)のリレー55,56となっている。このように、ヒータ駆動信号の入力と非入力とに基づいてリレー55,56のONとOFFとが制御される。
リレー55,56がON状態になると、これらのリレー接点を介してヒータ7が第2交流電源42と接続され、駆動される。一方、ヒータ駆動信号がヒータ駆動部6に入力されていないときには、第2交流電源42とヒータ7との間がリレー55,56によって遮断、ヒータ7が停止する。つまり、リレー55,56は、ヒータ7の駆動と停止とを制御する両切りの通電切替スイッチとなっている。
水熱交換制御部5は、温水生成装置1の運転状態によって、低外気温時などの任意のタイミングでヒータ7に通電を行うように、リレー55,56のONとOFFを制御する。
本実施形態の保護回路52は、前述の2つのリレー55,56と、2つのバリスタ57,58と、1つのサージアブソーバ59とを備える。サージアブソーバ59と2つのバリスタ57,58は、第2交流電源42に対し、リレー55,56よりも下流側に設けられている。一方のバリスタ57は、ヒータ7への通電経路である2つの電線61,62の間を短絡する位置に接続される。
他方のバリスタ58は、その一端がリレー55とヒータ7との間にある一方の電線61に接続され、他端がサージアブソーバ59の一端に接続される。このサージアブソーバ59の他端は、アース60に接続される。すなわち、バリスタ58とサージアブソーバ59とで直列回路が構成され、電線61は、バリスタ58とサージアブソーバ59とを介してアース60に接続される。
リレー55,56がON状態であるときに、落雷に起因する不意な高電圧が印可された場合には、この高電圧がバリスタ57,58とサージアブソーバ59とを介してアース60に流れる。そのため、ヒータ7に高電圧が直接印加なれることがなく、ヒータ7が故障せずに済むようになる。
また、リレー55,56がOFF状態であるときには、落雷に起因する高電圧が、リレー55,56よりも下流側に印加されることがなく、ヒータ7とともにバリスタ57,58およびサージアブソーバ59へ不意な高電圧が印加されることはない。
サージアブソーバ59は、繰り返し動作するたびに劣化する部品である。例えば、これらの部品は、繰り返し動作するたびに、対応できる電圧の閾値が変化する。また、設計上の動作回数が予め定められている。所定の動作回数を超えると、破壊に至る可能性がある。
また、サージアブソーバ59は、故障すると短絡状態となる。この状態で、リレー55,56がONし、さらに第2交流電源42に高電圧が印加されると、ヒータ7が短絡故障する可能性がある。この場合、ヒータ7が給湯管35内の湯中に配置されていることから、水を介して接触している機器のすべての部分に電源電圧が印加され、さらなる不具合が発生する可能性がある。
本実施形態では、ヒータ7が停止しているときには、リレー55,56がOFF状態であるため、上流側から不意に高電圧が印可されても、サージアブソーバ59に高電圧が流れることがない。そのため、サージアブソーバ59が劣化する頻度を低減させてその使用寿命を延ばすことができる。
実際に気温が高い夏季には、冷凍回路10の加熱能力が高いため、ヒータ7が運転される機会は少なく、リレー55,56がOFF状態を継続する。丁度、夏季は、雷の発生回数が多く、不意な高電圧が印可される可能性が高い。しかし、本実施形態では、リレー55,56によって、保護回路52が第2交流電源42から遮断されるため、バリスタ57,58とサージアブソーバ59に不意な高電圧が印加される機会を大幅に減少させることができる。
また、気温が低い冬季には、ヒータ7が駆動される頻度が多いが、夏季と比較して雷の発生回数が少ないため、不意な高電圧が印可される可能性が低い。そのため、リレー55,56により通電されていても、サージアブソーバ59が動作する事態が生じることは少なくなる。このように、サージアブソーバ59は、ヒータ7を保護するための保護回路52としての機能を維持しつつ、年間を通じた動作回数が抑制される。
次に、水熱交換制御部5が実行する水熱交換ユニット3の制御処理について図4のフローチャートを用いて説明する。なお、前述の図面を適宜参照する。以下のステップは、水熱交換ユニット3の制御処理に含まれる少なくとも一部の処理であり、他のステップが水熱交換ユニット3の制御処理に含まれても良い。なお、フローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS11」と記載する箇所を「S11」と略記する。
温水生成装置1が起動すると、まず、S11において、水熱交換制御部5は、ポンプ36の駆動を開始する。
次のS12において、水熱交換制御部5は、ポンプ36の駆動開始から3分が経過するまで待機する。
次のS13において、水熱交換制御部5は、第1温度センサ8により検出された水熱交換器15の入口側(TWI)の温度が、第1目標温度未満であるか否かを判定する。ここで、TWIの温度が第1目標温度未満である場合(S13でYESの場合)は、S14に進む。一方、TWIの温度が第1目標温度未満でない場合(S13でNOの場合)は、TWIの温度が第1目標温度未満となるまでS13を繰り返す。
次のS14において、水熱交換制御部5は、水熱交換器15および室外ユニット2の駆動を開始する。つまり、冷凍回路10(ヒートポンプ)の駆動を開始する。
次のS15において、水熱交換制御部5は、冷凍回路10の運転開始から10分が経過するまで待機する。
次のS16において、水熱交換制御部5は、第2温度センサ9により検出されたヒータ7の出口側(THO)温度が、第2目標温度未満であるか否かを判定する。ここで、THO温度が第2目標温度未満である場合(S16でYESの場合)は、S17に進む。一方、THO温度が第2目標温度未満でない場合(S16でNOの場合)は、S18に進む。
S16でYESの場合に進むステップS17において、水熱交換制御部5は、ヒータ駆動信号をヒータ駆動部6に入力し、ヒータ7をONさせる。つまり、リレー55,56をON状態に切り替える。そして、前述のS15に戻る。
S16でNOの場合に進むS18において、水熱交換制御部5は、ヒータ駆動信号の出力を停止し、ヒータ7を停止させる。つまり、リレー55,56をOFF状態に切り替える。そして、前述のS15に戻る。
なお、前述の実施形態では、電気機器として温水生成装置1を例示しているが、ヒータ7とこれを保護する保護回路を備える電気機器であれば、その他の態様であっても良い。例えば、暖房装置または空調装置に本実施形態を適用しても良い。
前述の実施形態では、保護回路52が備える2つのバリスタ57,58がリレー55,56よりも下流側に配置されているが、その他の態様であっても良い。例えば、図5の変形例に示すように、一方のバリスタ57をリレー55,56よりも上流側に配置しても良い。この変形例では、リレー55,56がOFF状態であっても、不意な高電圧の印可時にバリスタ57が動作する。しかし、一般的なバリスタ57は、サージアブソーバ59よりも使用寿命が長いため、温水生成装置1の全体の使用寿命に悪影響が生じることがない。また、上流側にバリスタ57が配置されていることで、リレー55,56がOFF状態であっても、不意な高電圧の印可時にコモンモードの電流経路が形成されない。そのため、保護回路52以外の主回路を不意な高電圧から保護することができる。
以上説明した実施形態によれば、保護回路52は、リレー55,56よりも下流側に設けられたサージアブソーバ59を備えることにより、サージアブソーバ59が劣化する頻度を低減させてその使用寿命を延ばし、ヒータ7が用いられている電気機器の故障を回避することができる。
また、保護回路52は、リレー55,56よりも下流側に設けられた少なくとも1つのバリスタ58を備える。このようにすれば、バリスタ58の劣化の頻度を低減させてその使用寿命を延ばすことができる。
また、リレー55,56は、ヒータ7の駆動と停止とを制御する通電切替スイッチを兼ねている。このようにすれば、バリスタ57,58とサージアブソーバ59に対して遮断のための専用のリレーを設ける必要がないため、保護回路52の部品点数を低減させることができる。バリスタ57,58とサージアブソーバ59を遮断するための制御を別途に行う必要がなく、制御が簡素化される。
また、電気機器としての温水生成装置1は、保護回路52を備えるヒータ駆動部6と、ヒータ駆動部6から電力が供給されるヒータ7と、を備える。このようにすれば、高電圧が印可されたときの故障で大きな被害が生じる可能性があるヒータ7を保護することができる。
また、水熱交換ユニット3は、水熱交換器15と、この水熱交換器15で加熱された水をさらに加熱するヒータ7と、ヒータ駆動部6と、を備える。このようにすれば、ヒータ7を備える電気機器としての温水生成装置1のバリスタ57,58とサージアブソーバ59の使用寿命を延ばすことができる。
また、ヒータ駆動信号の入力と非入力とに基づいてリレー55,56のONとOFFとが制御される。このようにすれば、ヒータ7の制御とリレー55,56の制御とを連動させることができる。そのため、ヒータ7が使われない夏季には、ヒータ7とともに、サージアブソーバ59が上流側から遮断され、これらの部品を保護することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態またはその変形は、発明の範囲と要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。