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JP2022095449A - 半導体熱処理部材 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022095449000001
【課題】炭素材料からなる基材の表面を炭化ケイ素(SiC)の薄膜で覆った半導体熱処理部材において、インラインクリーニング等に使用されるガスに対し十分な耐エッチング性を有するSiC被膜を得ることのできる半導体熱処理部材を提供する。
【解決手段】炭素材料からなる基材2の表面が炭化ケイ素(SiC)からなる薄膜3で被覆された半導体用熱処理部材1であって、前記薄膜は、3C-SiCと2H-SiCとで構成される結晶を含む複数の結晶構造及び面方位を備え、前記結晶構造及び面方位は、X線回折における少なくとも3C-SiC(111)、(200)、(220)、(311)、(222)と2H-SiC(100)、(101)、(103)とにピークを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体熱処理部材に関し、例えばエピタキシャル成膜装置においてウェーハを保持するサセプタに適用可能な半導体熱処理部材に関する。
シリコンウェーハ上に半導体回路を形成する前処理として、ウェーハ上にエピタキシャル膜を形成する工程がある。ウェーハ上にエピタキシャル膜を形成する場合、該ウェーハを保持するサセプタ(半導体熱処理部材)には、炭素基材に炭化ケイ素(SiC)や炭化タンタル(TaC)をCVDにより被覆したものが用いられている。
SiC被覆膜サセプタあるいはTaC被覆膜サセプタに求められる品質として、ウェーハ品質を保てること、規定のライフを全うできること等が挙げられる。また、高品質エピタキシャルウェーハの作製、ウェーハ歩留向上、コストダウンのため、サセプタの耐食性向上は、最先端客先の要望のひとつになっている。
ところで、シリコンウェーハにエピタキシャル膜を形成する処理を行うと、サセプタにポリシリコンが堆積することが知られている。サセプタに堆積したポリシリコンは、定期的に塩化水素(HCl)等の還元性ガスと高温処理により除去(クリーニング)される。これにより、サセプタに生じたポリシリコンの堆積による寸法変化やパーティクルの発生をリセットすることができる。
しかしながら、サセプタ表面にSiCが被膜されている場合、塩化水素等の還元性ガスと高温処理により堆積したポリシリコンを除去(クリーニング)すると、同時にSiC被膜も侵食される。また、特にSiC被膜表面にFe等の金属不純物が存在すると、SiC被膜の侵食は加速度的に進行することになる。侵食が炭素基材まで到達すると、炭素基材からパーティクルや不純物が放出及び拡散し、ウェーハ品質に影響を与え、ウェーハ歩留を低下させるという課題があった。
また、クリーンルームの清浄度を向上させても金属等の不純物を完全に無くすことは困難である。また、金属等の不純物が少ない環境で使用できても、塩化水素等の還元性ガスと高温によるSiC被膜の侵食は無くすことが困難である。よって、耐エッチング性に優れたSiC被膜が求められている。
上記問題の解決のため、特許文献1(特表2019-526525号公報)には、SiC被膜において式((200面のピーク強度+220面のピーク強度)/111面のピーク強度)より算出されるX線回折における回折強度比を1.5未満とする方法が開示されている。
また、特許文献2(特開2015-229793号公報)には、SiC被膜において、X線回折におけるSiC(222)面にピークを有し、かつX線回折におけるSiC(111)面のピーク強度に対するSiC(220)面のピーク強度が0.7以上とする方法が開示されている。
侵食はSiCの粒界に沿って進行するのが一般的であるが、特許文献1、2に開示された方法にあっては、単一構造および単一面のSiCよりも、複数の面方位が混在していることで、侵食方向がSiC膜表層から炭素基材に向かい直線状に進行し難くなることを利用している。
これら特許文献1、2に開示された方法によれば、CVD装置においてインラインクリーニング等に使用されるガスに対する耐エッチング性に優れたSiC被膜を得ることが期待できる。
特表2019-526525号公報 特開2015-229793号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された方法(SiC被膜)にあっては、複数の面方位を有してはいるが、3C-SiCのみの単一構造であり、SiCの粒界に沿って進展する侵食の速度を遅らせるために不十分であるという課題があった。
本願発明者は、鋭意研究の結果、SiCの粒界に沿って進展する侵食の速度をより遅らせるために、粒界に細かく存在する2H-SiCの存在が効果的であることを知見し、それを前提に本発明をするに至った。
本発明は、上記事情の下になされたものであり、炭素材料からなる基材の表面を炭化ケイ素(SiC)の薄膜で覆った半導体熱処理部材において、インラインクリーニング等に使用されるガスに対し十分な耐エッチング性を有するSiC被膜を得ることのできる半導体熱処理部材を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためになされた本発明に係る半導体熱処理部材は、炭素材料からなる基材の表面が炭化ケイ素(SiC)からなる薄膜で被覆された半導体用熱処理部材であって、前記薄膜は、3C-SiCと2H-SiCとで構成される結晶を含む複数の結晶構造及び面方位を備え、前記結晶構造及び面方位は、X線回折における少なくとも3C-SiC(111)、(200)、(220)、(311)、(222)と2H-SiC(100)、(101)、(103)とにピークを有することに特徴を有する。
尚、前記薄膜の結晶構造において、X線回折における3C-SiC(111)面のピーク強度に対する2H-SiC(100)面のピーク強度の比が0.003~0.200であることが望ましい。
また、前記薄膜の結晶構造において、3C-SiC(111)面のピーク強度に対する2H-SiC(101)面のピーク強度の比が0.003~0.200であることが望ましい。
また、前記薄膜の結晶構造において、3C-SiC(111)面のピーク強度に対する2H-SiC(103)面のピーク強度の比が0.003~0.100であることが望ましい。
また、前記薄膜中のFe、Ni、Crの不純物濃度が各々0.05ppm以下であることが望ましい。
このように構成することにより、半導体熱処理部材において炭素基材の表面に形成されたSiC被膜は、複数構造(3C-SiC、2H-SiC)および複数面を有している。それにより、CVD装置におけるクリーニング時の還元性ガスによる侵食方向がSiC被膜表層から炭素基材に向かって直線状に進行し難くなるため、耐エッチング性をより向上することができる。したがって、ウェーハ歩留が向上し、コストダウンを実現することが可能となる。
本発明によれば、炭素材料からなる基材の表面を炭化ケイ素(SiC)の薄膜で覆った半導体熱処理部材において、インラインクリーニング等に使用されるガスに対し十分な耐エッチング性を有するSiC被膜を得ることのできる半導体熱処理部材を提供することができる。
図1は、本発明に係るサセプタの断面図である。 図2は、図1のサセプタの一部を拡大した断面図である。 図3は、図1のサセプタを製造する際に使用するCVD装置を模式的に示した断面図である。 図4(a)、(b)は、実施例1、2の結果を示すグラフである。 図5(a)は、実施例3の結果を示すグラフであり、図5(b)は、比較例1の結果を示すグラフである。
以下、本発明にかかる半導体熱処理部材の一実施形態について、図1乃至図3に基づいて説明する。図は模式的または概念的なものであり、各部位の厚みと幅との関係、部位間の大きさの比率等は、正確に図示されていない。
また、本実施の形態においては、本発明の半導体熱処理部材として、シリコンウェーハの表面にエピタキシャル膜の形成処理等を行うためにシリコンウェーハを保持するサセプタを適用した例について説明する。
図1に示すように、サセプタ1(半導体熱処理部材)は、円板状の炭素基材2を有している。炭素基材2は、例えば厚み1.0~20.0mmの範囲で設定された値に形成されている。この炭素基材2中の不純物濃度(Fe、Ni、Crの金属元素)は、0.05ppm以下に形成されている。
また、この炭素基材2は、その全面が炭化ケイ素(SiC)からなる所定厚さ(例えば60μm以上)の薄膜3で被覆されている。
即ち、この薄膜3は、サセプタ1のウェーハ載置面である一の主面F1を被覆する炭化ケイ素からなる薄膜3Fと、一の主面F1と対向する裏の面である他の主面F2を被覆する炭化ケイ素からなる薄膜3Bと、また炭素基材2の外周面を被覆する炭化ケイ素からなる薄膜3Sとから構成されている。
また、このサセプタ1は、その一の主面F1に半導体基板を載置する一つの凹形状のザグリ部4が形成された、いわゆる枚葉タイプのサセプタである。
前記ザグリ部4は平面視上円形に形成され、中央に円柱状の凹部4aが形成されている。また、このサセプタ1は、その中心部Oを通る回転軸Lとした円対称性を有している。このとき、ザグリ部4の最深部(中心部O)の深さをToとすると、平均深さTdは、To/2となる。
そして、前記サセプタ1の厚さTと前記平均深さTdとの比(T/Td)が、6≦T/Td≦30であることが好ましい。前記サセプタ1の厚さTと前記深さToとの比(T/To)が3≦T/To≦13であることが好ましい。
このように、サセプタ1の厚さTと前記平均深さTdとの比(T/Td)が、6≦T/Td≦30となるように、ザグリ部4が形成されるため、反り抑制の効果を得ることができる。
ここで、前記サセプタ1の厚さTと前記平均深さTdとの比(T/Td)が、6未満である場合には、厚さに対しザグリが深すぎることでウェーハの外周成膜が不良となる可能性があり好ましくない。また、前記サセプタ1の厚さTと前記平均深さTdとの比(T/Td)が30を超える場合には、サセプタが厚肉化し、炭素基材2の剛性の影響が無視できなくなり、薄膜での反り量制御が困難になるため、好ましくない。また、ウェーハ裏面側への熱伝導が悪化すると、ウェーハ表裏での温度差が生じやすくなる可能性があるため、好ましくない。
前記したように炭素基材2としては、半導体用サセプタとして適用できる炭素材料が用いられ、薄膜3としては炭化ケイ素が用いられる。薄膜3は、炭素基材2の全面に形成されるもので、炭素基材2からの発塵、不純物の外方拡散を防止、あるいは炭素基材2の全面を保護すると共に、炭素基材2の反りを抑制する役割を有する。
ここで、図2に示すサセプタ1の主面F1に形成された薄膜3Fの膜厚t1の平均に対する他の主面F2に形成された薄膜3Bの膜厚t2の平均の比率は、0.7~1.3の間に形成されている。
前記比率が0.7より小さいと、そのサセプタを用いたエピタキシャル成膜工程において、熱伝導性の差異が生じ、均一なエピタキシャル膜を得ることが困難になる。
また、前記比率が1.2より大きいと、薄膜3の膜厚ばらつきに起因する熱伝導性の差異に加えて、サセプタの反りが生じやすくなり、エピタキシャル膜が不均一となる。
また、サセプタ1の主面F1において、中心部Oと外縁部F1aとにおける膜厚差d1が、主面F1に形成された薄膜3Fの膜厚t1の平均の40%以下になるよう形成されている。
また、好ましくは、サセプタ1の主面F1において、外縁部F1aの最大膜厚と最小膜厚との膜厚差d2が、主面F1に形成された薄膜3Fの膜厚t1の平均の40%以下になるよう形成されている。
前記膜厚差d1或いはd2が膜厚t1の平均の40%以下であれば、主面F1における熱伝導の均一性が良好となり、そのサセプタを用いたエピタキシャル成膜工程において、均一なエピタキシャル膜を得ることができる。
一方、前記膜厚差が膜厚t1の平均の40%より大きくなると、斑が発生しやすく、主面F1における熱伝導が不均一となり、均一なエピタキシャル膜を得ることができなくなる。
また、炭素基材2の表面に被覆する薄膜3(CVD-SiC)中の不純物濃度(Fe、Ni、Crの金属元素)は、各々0.05ppm以下となされている。それによりウェーハへの不純物汚染を防ぐことができるため、高品質なウェーハを得ることができる。
薄膜3(CVD-SiC)中には、結晶多形(ポリタイプ)として3C-SiCと2H-SiCとが混在しており、それにより複数構造および複数面を有し、エッチングに対する耐久性が高くなるよう形成されている。
具体的には、前記薄膜3(CVD-SiC)において、3C-SiC及び2H-SiCで構成される結晶を含む計8つ以上の結晶構造及び面を含む。前記結晶構造は、X線回折における3C-SiC(111)、(311)、(200)、(220)、(222)及び2H-SiC(100)、(101)、(103)面にピークを有している。
より詳しくは、X線回折における3C-SiC(111)面のピーク強度に対する2H-SiC(100)面のピーク強度の比(回折強度比1と呼ぶ)が0.003~0.200である。
また、3C-SiC(111)面のピーク強度 に対する2H-SiC(101)面のピーク強度の比(回折強度比2と呼ぶ)が0.003~0.200である。
また、3C-SiC(111)面のピーク強度に対する2H-SiC(103)面のピーク強度の比(回折強度比3と呼ぶ)が0.003~0.100である。
より好ましくは、回折強度比1は、0.100~0.200であることが望ましい。
また、回折強度比2は、0.050~0.200であることが望ましい。
さらに、回折強度比3は、0.010~0.200であることが望ましい。
尚、エピタキシャル成膜処理後において、サセプタ1に堆積したポリシリコンは、定期的に塩化水素等の還元性ガスと高温により除去(クリーニング)される。この際、塩化水素等の還元性ガスと高温により、堆積したポリシリコンを除去(クリーニング)できるが、同時に薄膜3(SiC表面)も侵食される。
ここで、一般的な単一構造や単一面SiCで被覆したサセプタでは、侵食がSiCの粒界に沿って進行し、SiC被膜表層から炭素基材に向かい直線状に進行することで早期に炭素基材まで達する。これより、炭素基材からパーティクルや不純物が放出、拡散し、ウェーハ品質に影響を与え、ウェーハ歩留を低下させる。
しかしながら、サセプタ1において複数構造および複数面を有する薄膜3(SiC被膜)は、侵食方向がSiC被膜表層から炭素基材に向かって直線状により進行し難くなるため、耐エッチング性に優れる。よって、ウェーハ歩留が向上し、コストダウンを実現することが可能となる。
前記のようなサセプタ1は、例えば図3に示すようなCVD装置5を用いることにより製造することができる。
図3に示すCVD装置5は、処理空間を形成するチャンバ10と、キャリアガス(水素ガス)をチャンバ10内に供給するため、チャンバ10側面に設けられたガス流入口11と、流入口11に対向する反対側のチャンバ10側面に設けられたガス流出口12とを有する。また、チャンバ10内においてサセプタ1の炭素基材2の下面側を支持するための支持部20を備えている。また、チャンバ10の上下には、ヒータ部15が設けられ、炉内を所定温度まで昇温可能に構成されている。
このCVD装置5を用いてサセプタ1を製造する場合、予め円形のザグリ部が形成された炭素材料からなる炭素基材2を、チャンバ10内の支持部20上に配置する。前記炭素基材2としては、直径50~400mmの4、5、6、8、12インチのSiウェーハ用、或いはSiCウェーハ用のものであり、内部の不純物濃度(Fe、Ni、Crの金属元素)が各々0.05ppm以下に形成されたものである。
キャリアガス(希釈ガス)としてHを用い、原料ガス(SiCl、C)を用いて、漸次導入後、60~120分で1200~1300℃まで昇温させ、1200~1300℃でキープコーディングを行うことで、3C-SiCと2H-SiCが混在し、かつ、結晶性に優れたCVD-SiCおよびCVD-SiC膜を被膜したサセプタ1が得られる。
より具体的には、前記キープコーティング時の圧力を調整することで、回折強度比1、回折強度比2および回折強度比3を調整することができる。
例えば、キープコーティング時の圧力を2500~4000Paにすることで、回折強度比1を0.100~0.200、回折強度比2を0.050~0.200、回折強度比3を0.010~0.200とすることができる。
一方、キープコーティング時の圧力を4000~5500Paにすることで、回折強度比1を0.003~0.150、回折強度比2を0.003~0.100、回折強度比3を0.003~0.050とすることができる。
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、サセプタ1において炭素基材の表面に形成された薄膜3(SiC被膜)は、複数構造(3C-SiC、2H-SiC)および複数面を有している。それにより、CVD装置におけるクリーニング時の還元性ガスによる侵食方向がSiC被膜表層から炭素基材に向かって直線状に進行し難くなるため、耐エッチング性をより向上することができる。したがって、ウェーハ歩留が向上し、コストダウンを実現することが可能となる。
尚、前記実施の形態においては、本発明に係る半導体用熱処理部材としてサセプタを例に説明したが、本発明にあっては、その形態に限定されるものではなく、炭素基材の表面にSiC被膜をした半導体用熱処理部材に広く適用することができる。
本発明に係る半導体用熱処理部材及びその製造方法について、実施例に基づきさらに説明する。
[実験1]
実験1では、複数構造および複数面を有するCVD-SiC被覆膜サセプタ(実施例1、2)と、単一構造および複数面を有するCVD-SiC被覆膜サセプタ(比較例1)とで、クリーニング処理後のSiCの侵食度合いを比較した。
(実施例1)
実施例1で使用したSiC被膜の構造及び面方位におけるX線回折のピーク強度を図4(a)のグラフに示し、表1にピーク強度比(回折強度比1、2、3)を示す。
図4(a)のグラフの横軸は、反射角度(2θ)、縦軸はピーク強度である。
図4(a)に示すように、実施例1では反射ピークが2H-SiC(100)、(101)、(103)、3C-SiC(111)、(200)、(220)、(311)、(222)において確認された。
Figure 2022095449000002
実施例1では、ポリシリコンのクリーニングは、1~10000Paの減圧環境にて800~1400℃に加熱した炉内に塩化水素を1~500L/minで導入し、1~120min実施した。
実施例1の結果、最大42回のクリーニングに耐えることができた。
(実施例2)
実施例2で使用したSiC被膜の構造及び面方位におけるX線回折のピーク強度を図4(b)のグラフに示し、表2にピーク強度比(回折強度比1、2、3)を示す。
図4(b)のグラフの横軸は、反射角度(2θ)、縦軸はピーク強度である。
図4(b)に示すように、実施例2では反射ピークが2H-SiC(100)、(101)、(103)、3C-SiC(111)、(200)、(220)、(311)、(222)において確認された。
Figure 2022095449000003
実施例2では、実施例1とピーク比(回折強度比1、2、3)が異なるのみで、その他の実験条件は同じとした。
実施例2の結果、実施例1と同様に最大51回のクリーニングに耐えることができた。
特に、この実施例2では、回折強度比1が0.100~0.200、回折強度比2が0.050~0.200、回折強度比3が0.010~0.200の範囲にあり、実施例1より高耐性であった。
(実施例3)
実施例3で使用したSiC被膜の構造及び面方位におけるX線回折のピーク強度を図5(a)のグラフに示し、表3にピーク強度比(回折強度比1、2、3)を示す。
図5(a)のグラフの横軸は、反射角度(2θ)、縦軸はピーク強度である。
図5(a)に示すように、実施例3では反射ピークが2H-SiC(100)、(101)、(103)、3C-SiC(111)、(200)、(220)、(311)、(222)において確認された。
Figure 2022095449000004
実施例3では、実施例1および2とピーク比(回折強度比1、2、3)が異なるのみで、その他の実験条件は同じとした。
実施例3の結果、実施例1および2と同様に最大55回のクリーニングに耐えることができた。
特に、この実施例3では、回折強度比1が0.100~0.200、回折強度比2が0.050~0.200、回折強度比3が0.010~0.200の範囲にあり、実施例1より高耐性であった。
これは、各2H-SiC微細粒子結晶はSiC結晶の粒界に存在すると考えられており、複数構造+複数面がある一定の量(比率)以上あることで、SiC結晶の粒界に沿ってSiC膜表面から基材に対してほぼ垂直方向に進んでいる侵食を、ランダムな方向に方向転換させることができるためである。しかしながら、細かい結晶の集合体は、表面積が大きくなるので塩化水素等のガス侵食には劣勢となる。よって、各2H-SiC微細粒子結晶の量(比率)には適した上限領域があると考えられる。
(比較例1)
比較例1は、単一構造(3C-SiC)+複数面のSiC被膜を用いた。比較例1で使用したSiC被膜の構造及び面方位におけるX線回折のピーク強度を図5(b)のグラフに示し、表4にピーク強度比(回折強度比1、2、3)を示す。
図5(b)のグラフの横軸は、反射角度(2θ)、縦軸はピーク強度である。
図5(b)に示すように、比較例1では反射ピークが3C-SiC(111)、(200)、(220)、(311)、(222)において確認された。
Figure 2022095449000005
比較例1でのクリーニング条件(実験条件)は実施例1、2、3と同じとした。
比較例1の結果、34回で侵食が炭素基材まで到達することで発生するパーティクルが発生した。
本実施例の結果、SiC被膜が複数構造(3C-SiC、2H-SiC)および複数面を有することにより、クリーニング時の還元性ガスに対する耐エッチング性をより向上することができると確認した。
1 サセプタ
2 基材
3 薄膜(SiC被膜)
4 ザグリ部
5 CVD装置
10 チャンバ(炉)

Claims (5)

  1. 炭素材料からなる基材の表面が炭化ケイ素(SiC)からなる薄膜で被覆された半導体用熱処理部材であって、
    前記薄膜は、3C-SiCと2H-SiCとで構成される結晶を含む複数の結晶構造及び面方位を備え、
    前記結晶構造及び面方位は、X線回折における少なくとも3C-SiC(111)、(200)、(220)、(311)、(222)と2H-SiC(100)、(101)、(103)とにピークを有することを特徴とする半導体用熱処理部材。
  2. 前記薄膜の結晶構造において、X線回折における3C-SiC(111)面のピーク強度に対する2H-SiC(100)面のピーク強度の比が0.003~0.200であることを特徴とする請求項1に記載された半導体用熱処理部材。
  3. 前記薄膜の結晶構造において、3C-SiC(111)面のピーク強度に対する2H-SiC(101)面のピーク強度の比が0.003~0.200であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された半導体用熱処理部材。
  4. 前記薄膜の結晶構造において、3C-SiC(111)面のピーク強度に対する2H-SiC(103)面のピーク強度の比が0.003~0.100であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された半導体熱処理部材。
  5. 前記薄膜中のFe、Ni、Crの不純物濃度が各々0.05ppm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された半導体熱処理部材。
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JP2000064048A (ja) * 1998-08-25 2000-02-29 Toshiba Ceramics Co Ltd 化学蒸着法SiC膜の製造方法

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