JP2022090879A - 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムAと、該非油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムA 100質量部に対して、オレフィン系樹脂Bを10~270質量部、ゴム軟化剤Cを10~150質量部、有機過酸化物であるゴム架橋剤Dを0.2~10質量部、及び多官能性(メタ)アクリレート及び/又は多官能性マレイミド化合物である架橋助剤Eを0.25~4.5質量部を含む組成物の混練物であって、前記非油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムAが動的架橋されてなる、熱可塑性エラストマー組成物。
【選択図】なし
Description
〔1〕 非油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムAと、
該非油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムA 100質量部に対して、
オレフィン系樹脂Bを10~270質量部、
ゴム軟化剤Cを10~150質量部、
有機過酸化物であるゴム架橋剤Dを0.2~10質量部、及び
多官能性(メタ)アクリレート及び/又は多官能性マレイミド化合物である架橋助剤Eを0.25~4.5質量部
を含む組成物の混練物であって、前記非油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムAが動的架橋されてなる、熱可塑性エラストマー組成物、
〔2〕 多官能性(メタ)アクリレートがトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートであり、多官能性マレイミド化合物がN,N’-1,3-フェニレンビスマレイミドである、前記〔1〕記載の熱可塑性エラストマー組成物、
〔3〕 工程1:非油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムAとオレフィン系樹脂Bを溶融混練する工程
工程2:得られた混練物と、ゴム軟化剤Cを溶融混練する工程、及び
工程3:得られた混練物と、ゴム架橋剤Dを溶融混練する工程
を含み、工程1~3での溶融混練を押出機により行う、前記〔1〕又は〔2〕記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、並びに
〔4〕 架橋助剤Eを、工程1又は工程3で溶融混練に供する、前記〔3〕記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
に関する。
次いで、ゴム成分Aとオレフィン系樹脂Bの混練物をゴム軟化剤Cと混合し溶融混練した後に、ゴム架橋剤Dを加え、ゴム成分Aを動的架橋することで、架橋反応と共にゴム成分Aは流動性を失い、次第にオレフィン系樹脂成分Bとの相反転が進行する。最終形態(熱可塑性エラストマー組成物)においては、オレフィン系樹脂Bが海相、ゴム成分Aが島相となる。本発明では、反転前の海島構造が均一であることで、この反転した相構造も均一な海島構造となり、成形品のブツの発生が抑制されているものと推察される。
工程1:非油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムAとオレフィン系樹脂Bを溶融混練する工程
工程2:得られた混練物と、ゴム軟化剤Cを溶融混練する工程、及び
工程3:得られた混練物と、ゴム架橋剤Dを溶融混練する工程
を含み、工程1~3での溶融混練を押出機により行う方法が好ましい。架橋助剤Eは、工程1又は工程3で溶融混練に供することが好ましい。
〔共重合体の組成〕
核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)によって、プロトンNMR測定により求める。
JIS K6300-1に則り測定する。
〔メルトマスフローレイト(MFR)〕
JIS K7210に従って、21.18Nの荷重下、温度230℃で測定する。
〔動粘度〕
JIS K 2283に従って、40℃の温度で測定する。
〔1分間半減期温度〕
半減期とは、有機過酸化物が温度条件によって分解し、その活性酸素量が半分になるまでの時間を示す。この場合、1分間で半減期を迎える温度を示す。
有機過酸化物の温度は、以下のように測定する。
ベンゼン等のラジカルに対して不活性な溶剤に、有機過酸化物を溶解させ、窒素雰囲気下で各設定温度、及び時間で熱処理を行った後、ヨウ素滴定法により、残存する活性酸素濃度を定量する。
(1) 熱可塑性エラストマー組成物(ペレット)の作製
〔工程1及び工程2〕
表1に示す成分Aと成分B、及び酸化防止剤として「SONGNOX 11B」(Songwon社製、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とホスファイト系酸化防止剤の混合物)0.8質量部を、原料供給ホッパーから押出機に供給し、液注セグメントから、成分Cを供給して、以下の条件下で溶融混練した。押出機から吐出されたストランド状樹脂を、冷水中で冷却しつつカッターによって、直径3mm程度、厚さ3mm程度に切断し、ペレットを得た。
押出機:(株)テクノベル製、KZW32TW-60MG-NH、スクリュー直径32mmの同方向回転かみ合い型2軸押出機、L/D=90(L:押出機バレルの長さ、D:スクリュー直径)、原料供給ホッパーから押出機出口までの間で、ホッパーから2/3の距離の位置に液注ポンプを配置
シリンダー温度:ホッパー付近の温度条件を180℃、ホッパーから液注ポンプまでを200℃、液注ポンプから押出機出口までを230℃に設定
スクリュー回転数:350r/min
押出ダイ:直径3mmのストランドダイ
原料供給速度:15kg/h
得られたペレットに、表1に示す成分Dと成分Eをまぶし、押出機に供給し、押出機から吐出されたストランド状混練物を、冷水中で冷却しつつカッターによって、直径3mm程度、厚さ3mm程度に切断し、ペレットAを得た。
成分A1:EPDM657(SABIC社製)
非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)
エチレン含有量:82.2モル%、プロピレン:16.5モル%、2-エチリニデン-5-ノルボルネン含有量:1.3モル%
ムーニー粘度[ML1+4(125℃)]:60
成分A2:エスプレン EPDM6101(住友化学(株)製)
油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム(油展量:41質量%)
エチレン含有量:80.3モル%、プロピレン:18.0モル%、2-エチリニデン-5-ノルボルネン含有量:1.7モル%
ムーニー粘度[ML1+4(125℃)]:52
POLYMAXX 1100RC(IRPC Public Company社製)
ホモポリプロピレン、アイソタクチック構造
メルトマスフローレイト(230℃、21.18N荷重):20g/10min
ダイアナプロセスオイルPW-90(出光興産(株)製)
パラフィンオイル
40℃における動粘度:90mm2/s
パーヘキサ25B(日油(株)製)
2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン
1分間半減期温度:179.8℃
成分E1:サンエステルTMP(三新化学工業(株)製)
トリメチロールプロパントリメタクリレート
成分E2:BMI-3000H(大和化成工業(株)製)
N,N’-1,3-フェニレンビスマレイミド
成分E3:TAIC(三菱ケミカル(株)製)
トリアリルイソシアヌレート
成分E4:バルノックGM-P(大内新興化学工業(株)製)
p-キノンジオキシム
(2-1) ペレットを、下記の条件で射出成形し、幅125mm×長さ125mm×厚さ2mmのシートAを作製した。
射出成形機:100MSIII-10E(商品名、三菱重工業(株)製)
射出成形温度:200℃
射出圧力:30%
射出時間:10sec
金型温度:40℃
シートAを3枚重ね(合計6mm)としたものについて、JIS K 6253に準拠し、タイプAデュロメータを用いた。測定時間1秒のA硬さ(試験開始から1秒後の値)を測定した。測定は温度23℃、湿度50%の室内で1日状態調節の後、実施した。
ペレットAを用い、JIS K7210-1に準拠し、230℃、49N荷重の試験条件で測定した。
シートAから、型抜機を用いてJIS K6251に記載の3号試験片(長さ20mm)を作製し、(株)島津製作所製の引張試験機(オートグラフ AG-50kND型)を用いて、23℃の温度環境下、200mm/minの速度で試験片を引っ張った。試験片破断時の応力(MPa)と伸び率(破断時の試験片の長さ(mm)/20(mm)×100、%)をそれぞれ引張強度と引張伸びとして記録した。
シートAから、直径29mmの円形打ち抜き刃を用いて直径29mm×厚さ2mmの円形サンプルを作製した。この円形サンプルを6枚重ね、圧縮により厚さ12.5mmに調整した試験片を用いて、JIS K 6262に準拠した方法により、23℃、70℃、100℃のそれぞれの温度、24時間環境下での圧縮永久歪み率(CS)を測定した。
ペレットA 1000gと黒顔料マスターバッチペレット3gをブレンドし、黒色の射出成形シート(幅125mm×長さ125mm×厚さ2mm)を作製した。このシートから幅40mm×長さ40mmのサイズのサンプルを切り出し、200℃に加熱されたプレス機を用いて5MPa、2分間プレスして、薄肉(0.1mm程度)のプレスシートを作製した。
これに対し、油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムを配合した比較例1では、ブツが多数発生している。また、架橋助剤として、多官能性(メタ)アクリレート及び多官能性マレイミド化合物以外の架橋助剤を配合した比較例2、3においても、同様にブツの発生が顕著である。
Claims (4)
- 非油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムAと、
該非油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムA 100質量部に対して、
オレフィン系樹脂Bを10~270質量部、
ゴム軟化剤Cを10~150質量部、
有機過酸化物であるゴム架橋剤Dを0.2~10質量部、及び
多官能性(メタ)アクリレート及び/又は多官能性マレイミド化合物である架橋助剤Eを0.25~4.5質量部
を含む組成物の混練物であって、前記非油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムAが動的架橋されてなる、熱可塑性エラストマー組成物。 - 多官能性(メタ)アクリレートがトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートであり、多官能性マレイミド化合物がN,N’-1,3-フェニレンビスマレイミドである、請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 工程1:非油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムAとオレフィン系樹脂Bを溶融混練する工程
工程2:得られた混練物と、ゴム軟化剤Cを溶融混練する工程、及び
工程3:得られた混練物と、ゴム架橋剤Dを溶融混練する工程
を含み、工程1~3での溶融混練を押出機により行う、請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。 - 架橋助剤Eを、工程1又は工程3で溶融混練に供する、請求項3記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
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JP2020203450A JP2022090879A (ja) | 2020-12-08 | 2020-12-08 | 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US12073790B2 (en) | 2019-07-31 | 2024-08-27 | Chengdu Boe Optoelectronics Technology Co., Ltd. | Display substrate and display device |
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2020
- 2020-12-08 JP JP2020203450A patent/JP2022090879A/ja active Pending
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