JP2022079000A - 複合材料及び全固体型リチウムイオン二次電池用負極材 - Google Patents
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Abstract
【課題】全固体型リチウムイオン二次電池の負極材料として用いた場合において高いクーロン効率と良好なサイクル特性が得られる複合材料、及び全固体型リチウムイオン二次電池用負極材。【解決手段】黒鉛粒子21の表面に炭素質層22を介して金属酸化物粒子23が付着した複合粒子Cを含む複合材料であって、該複合粒子は、黒鉛粒子及び炭素質層の少なくとも一方が露出している部分を表面に有する複合材料。【選択図】図2
Description
本発明は、複合材料及び全固体型リチウムイオン二次電池用負極材に関し、特に黒鉛と金属酸化物とを含む複合材料及び該複合材料を含む全固体型リチウムイオン二次電池用負極材に関する。
近年、ノートパソコン、携帯電話等の電子機器、及び自動車等の輸送機器の電源として、リチウムイオン二次電池が普及してきた。これらの機器は、小型化、軽量化、薄型化の要求が高まっている。これらの要求に応えるべく、小型で軽量かつ大容量の二次電池が求められている。
一般的なリチウムイオン二次電池では、正極材としてリチウムを含む化合物、負極材として黒鉛、コークス等の炭素材料が用いられる。さらに、正極と負極との間には、炭酸プロピレン、炭酸エチレンなどの浸透力を有する非プロトン性の溶媒に、電解質としてLiPF6、LiBF4等のリチウム塩を溶解した電解液、またはその電解液を含浸させたポリマーゲルからなる電解質層が備えられている。これらの構成は、電池ケース用包装材により包装され保護される。
全固体型リチウムイオン二次電池では、正極層と負極層との間に固体電解質層がある。すなわち、上記の一般的なリチウムイオン二次電池に対して、電解質を固体としたものである。固体電解質層として、LiS、P2S5等の硫化物が代表的に用いられている。負極では、黒鉛が負極活物質として代表的に用いられている。
しかし、固体電解質と黒鉛とは相性が悪く、特に固体電解質として硫化物が用いられる場合は、固体電解質と黒鉛を用いた負極との間の電気抵抗が特に高くなる。また、全固体型の電池では、負極中に固体電解質を添加することもあり、黒鉛と固体電解質とは、互いに分散させることが難しく、黒鉛粒子が均一分散しないことにより抵抗の増大を招いている。これに対して、黒鉛を金属酸化物の層でコーティングする構成が検討されている。
例えば、特許文献1では、炭素材料等の負極活物質表面に、カルボキシル基を有する高分子化合物及び金属酸化物粒子が付着してなるリチウムイオン二次電池用負極材料が開示されている。
特許文献2では、結晶性炭素系基材と、その表面に配置された金属酸化物ナノ粒子とを備える負極活物質が開示されている。負極活物質の製造方法としては、結晶性炭素系基材、金属酸化物、前駆体及び溶媒を混合し、得られた混合溶液を乾燥させ、熱処理することが記載されている。
しかし、特許文献1の負極材料は、金属酸化物粒子は、十分な力で負極活物質表面に付着しておらず、充放電を繰り返すと、多くの金属酸化物粒子が負極活物質から脱落する。そのため、この負極材料を用いて作製された二次電池はサイクル特性が十分でない。また、負極材料の導電性を確保するために、負極活物質表面を露出させる部分を設ける必要があり、高分子化合物が負極活物質を覆うことができる範囲は限られており、負極材料表面に偏りなく金属酸化物粒子を付着させることは難しい。
また、特許文献2の負極活物質についても、結晶性炭素基材と金属酸化物ナノ粒子との間の結合力は十分ではなく、充放電を繰り返すと、多くの金属酸化物ナノ粒子は基材から脱落すると考えられる。そのため、この負極活物質を用いて作製された二次電池はサイクル特性が十分でない。
そこで、本発明では、全固体型リチウムイオン二次電池の負極材料として用いた場合において高いクーロン効率と良好なサイクル特性が得られる複合材料、及び全固体型リチウムイオン二次電池用負極材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の構成は以下のとおりである。
〔1〕黒鉛粒子の表面に炭素質層を介して金属酸化物粒子が付着した複合粒子を含む複合材料であって、該複合粒子は、黒鉛粒子及び炭素質層の少なくとも一方が露出している部分を表面に有することを特徴とする複合材料。
〔2〕前記複合粒子は、炭素質層が露出している部分を有する〔1〕に記載の複合材料。
〔3〕前記炭素質層は、黒鉛粒子表面に沿って形成されたグラフェン構造を有する〔1〕または〔2〕に記載の複合材料。
〔4〕前記炭素質層の平均厚さは、0.1nm以上30nm以下である〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の複合材料。
〔5〕前記黒鉛粒子の、体積基準の累積粒度分布における50%粒子径は、2μm以上であって、前記金属酸化物粒子のBET比表面積から算出される平均一次粒子径は100nm以下である〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の複合材料。
〔6〕前記黒鉛粒子100質量部に対する前記金属酸化物粒子の含有量は0.1質量部以上10質量部以下である〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の複合材料。
〔7〕前記金属酸化物粒子は、1族から12族、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、及び鉛のうち少なくともいずれかの金属の酸化物を含む〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の複合材料。
〔8〕前記金属酸化物粒子は、酸化チタンを含む〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の複合材料。
〔9〕前記酸化チタンの全結晶相中のアナターゼ結晶相の含有率は70質量%以上である〔8〕に記載の複合材料。
〔10〕前記酸化チタンの全結晶相中のルチル結晶相の含有率は70質量%以上である〔8〕に記載の複合材料。
〔11〕〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の複合材料を含む全固体型リチウムイオン二次電池用負極材。
〔12〕〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の複合材料と、硫化物固体電解質とを含む全固体型リチウムイオン二次電池用負極。
〔13〕黒鉛粒子と、有機化合物と、金属酸化物粒子とを混合する混合工程、及び前記混合工程で得られた混合物を非酸化性ガス雰囲気下において600℃以上2000℃以下で熱処理する熱処理工程を含む複合材料の製造方法。
〔14〕有機化合物を含有する金属酸化物粒子と、黒鉛粒子と、を混合する混合工程、及び前記混合工程で得られた混合物を非酸化性ガス雰囲気下において600℃以上2000℃以下で熱処理する熱処理工程を含む複合材料の製造方法。
〔2〕前記複合粒子は、炭素質層が露出している部分を有する〔1〕に記載の複合材料。
〔3〕前記炭素質層は、黒鉛粒子表面に沿って形成されたグラフェン構造を有する〔1〕または〔2〕に記載の複合材料。
〔4〕前記炭素質層の平均厚さは、0.1nm以上30nm以下である〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の複合材料。
〔5〕前記黒鉛粒子の、体積基準の累積粒度分布における50%粒子径は、2μm以上であって、前記金属酸化物粒子のBET比表面積から算出される平均一次粒子径は100nm以下である〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の複合材料。
〔6〕前記黒鉛粒子100質量部に対する前記金属酸化物粒子の含有量は0.1質量部以上10質量部以下である〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の複合材料。
〔7〕前記金属酸化物粒子は、1族から12族、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、及び鉛のうち少なくともいずれかの金属の酸化物を含む〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の複合材料。
〔8〕前記金属酸化物粒子は、酸化チタンを含む〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の複合材料。
〔9〕前記酸化チタンの全結晶相中のアナターゼ結晶相の含有率は70質量%以上である〔8〕に記載の複合材料。
〔10〕前記酸化チタンの全結晶相中のルチル結晶相の含有率は70質量%以上である〔8〕に記載の複合材料。
〔11〕〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の複合材料を含む全固体型リチウムイオン二次電池用負極材。
〔12〕〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の複合材料と、硫化物固体電解質とを含む全固体型リチウムイオン二次電池用負極。
〔13〕黒鉛粒子と、有機化合物と、金属酸化物粒子とを混合する混合工程、及び前記混合工程で得られた混合物を非酸化性ガス雰囲気下において600℃以上2000℃以下で熱処理する熱処理工程を含む複合材料の製造方法。
〔14〕有機化合物を含有する金属酸化物粒子と、黒鉛粒子と、を混合する混合工程、及び前記混合工程で得られた混合物を非酸化性ガス雰囲気下において600℃以上2000℃以下で熱処理する熱処理工程を含む複合材料の製造方法。
本発明によれば、全固体型リチウムイオン二次電池の負極材料として用いた場合において高いクーロン効率と良好なサイクル特性が得られる複合材料、及び全固体型リチウムイオン二次電池用負極材を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
以下の説明において、「体積基準の累積粒度分布における50%粒子径」及び「D50」は、レーザー回折・散乱法によって求めた体積基準の累積粒径分布において50%となる粒子径である。
<1.全固体型リチウムイオン二次電池>
図1は、本実施形態にかかる全固体型リチウムイオン二次電池1の構成の一例を示した概略図である。全固体型リチウムイオン二次電池1は、正極層11と、固体電解質層12と、負極層13とを備える。
図1は、本実施形態にかかる全固体型リチウムイオン二次電池1の構成の一例を示した概略図である。全固体型リチウムイオン二次電池1は、正極層11と、固体電解質層12と、負極層13とを備える。
正極層11は、正極集電体111と正極合剤層112とを有する。正極集電体111は、外部回路との電荷の授受を行うための正極リード111aが接続されている。正極集電体111は、金属箔であることが好ましく、金属箔としては、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
正極合剤層112は、正極活物質を含み、固体電解質、導電助剤及びバインダー等を含んでもよい。正極活物質としてはLiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiVO2、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2等の岩塩型層状活物質、LiMn2O4等のスピネル型活物質、LiFePO4、LiMnPO4、LiNiPO4、LiCuPO4等のオリビン型活物質、Li2S等の硫化物活物質等を使用することができる。また、これらの活物質はLTO(Lithium Tin Oxide)等でコーティングされていてもよい。
正極合剤層112に含まれる固体電解質としては、後述する固体電解質層12で挙げられている材料を用いることができるが、固体電解質層12に含まれている材料と異なる材料を用いてもよい。正極合剤層112における固体電解質の含有量は、正極活物質100質量部に対して、50質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがより好ましく、80質量部以上であることがさらに好ましい。正極合剤層112における固体電解質の含有量は、正極活物質100質量部に対して、200質量部以下であることが好ましく、150質量部以下であることがより好ましく、125質量部以下であることがさらに好ましい。
導電助剤としては、粒子状炭素質導電助剤、繊維状炭素質導電助剤を用いることが好ましい。粒子状炭素質導電助剤は、デンカブラック(登録商標)(電気化学工業(株)製)、ケッチェンブラック(登録商標)(ライオン(株)製)、黒鉛微粉SFGシリーズ(Timcal社製)、グラフェン等の粒子状炭素を使用することができる。繊維状炭素質導電助剤は、気相法炭素繊維「VGCF(登録商標)」「VGCF(登録商標)‐H」(昭和電工(株)製)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等を使用することができる。サイクル特性に優れることから気相法炭素繊維「VGCF(登録商標)‐H」(昭和電工(株)製)が最も好ましい。
バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアセテート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、スチレン-ブタジエンラバー、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。
正極合剤層112において、正極活物質100質量部に対するバインダーの含有量は、1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上7質量部以下であることがより好ましい。
固体電解質層12は、正極層11と負極層13との間に介在し、正極層11と負極層13との間でリチウムイオンを移動させるための媒体となる。固体電解質層12は、硫化物固体電解質および酸化物固体電解質からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有することが好ましく、硫化物固体電解質を含有することがより好ましい。
硫化物固体電解質としては、硫化物ガラス、硫化物ガラスセラミックス、Thio-LISICON型硫化物などを挙げることができる。より具体的には、例えば、Li2S-P2S5、Li2S-P2S5-LiI、Li2S-P2S5-LiCl、Li2S-P2S5-LiBr、Li2S-P2S5-Li2O、Li2S-P2S5-Li2O-LiI、Li2S-SiS2、Li2S-SiS2-LiI、Li2S-SiS2-LiBr、Li2S-SiS2-LiCl、Li2S-SiS2-B2S3-LiI、Li2S-SiS2-P2S5-LiI、Li2S-B2S3、Li2S-P2S5-ZmSn(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか)、Li2S-GeS2、Li2S-SiS2-Li3PO4、Li2S-SiS2-LixMOy(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれか)、Li10GeP2S12、Li3.25Ge0.25P0.75S4、30Li2S・26B2S3・44LiI、63Li2S・36SiS2・1Li3PO4、57Li2S・38SiS2・5Li4SiO4、70Li2S・30P2S5、50LiS2・50GeS2、Li7P3S11、Li3.25P0.95S4、Li3PS4、Li2S・P2S3・P2S5等を挙げることができる。また、硫化物固体電解質材料は、非晶質であっても良く、結晶質であっても良く、ガラスセラミックスであっても良い。
負極層13は、負極集電体131と負極合剤層132とを有する。負極集電体131は、外部回路との電荷の授受を行うための負極リード131aが接続されている。負極集電体131は、金属箔であることが好ましく、金属箔としては、銅箔またはアルミニウム箔を用いることが好ましい。
負極合剤層132は、負極活物質を含み、固体電解質、バインダー及び導電助剤等を含んでもよい。負極活物質としては、後述する複合材料が用いられる。
負極合剤層132に含まれる固体電解質としては、固体電解質層12で挙げられている材料を用いることができるが、固体電解質層12に含まれている材料と異なる材料を用いてもよい。負極合剤層132における固体電解質の含有量は、負極活物質100質量部に対して、50質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがより好ましく、80質量部以上であることがさらに好ましい。負極合剤層132における固体電解質の含有量は、負極活物質100質量部に対して、200質量部以下であることが好ましく、150質量部以下であることがより好ましく、125質量部以下であることがさらに好ましい。
負極合剤層132に含まれる導電助剤としては、正極合剤層112に含まれる導電助剤で挙げられている材料を用いることができるが、正極合剤層112に含まれる導電助剤と異なる材料を用いてもよい。負極合剤層132における導電助剤の含有量は、負極活物質100質量部に対して、3質量部以上であることが好ましく、4質量部以上であることがより好ましい。負極合剤層132における導電助剤の含有量は、負極活物質100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、8質量部以下であることがより好ましい。
バインダーは、例えば、正極合剤層112の説明で挙げた材料を用いてもよいが、これらに限られない。負極合剤層132において、負極活物質100質量部に対するバインダーの含有量は、1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上7質量部以下であることがより好ましい。
<2.複合材料>
図2は、本実施形態にかかる複合材料に含まれる複合粒子Cの構成を示した模式図である。複合粒子Cは、黒鉛粒子21の表面に炭素質層22を介して金属酸化物粒子23が付着している構造を有する。この構造によれば、固体電解質と親和性の高い金属酸化物粒子23により、複合粒子Cと固体電解質との間で十分な接合力が得られ、負極層13と固体電解質層12との間での接合力も向上する。このとき図3のように、金属酸化物粒子23は炭素質層22に一部が埋め込まれていてもよい。また、負極合剤層132として、複合材料と固体電解質との混合物を用いる場合、複合粒子Cと固体電解質を構成する粒子とは互いに良好に分散する。
図2は、本実施形態にかかる複合材料に含まれる複合粒子Cの構成を示した模式図である。複合粒子Cは、黒鉛粒子21の表面に炭素質層22を介して金属酸化物粒子23が付着している構造を有する。この構造によれば、固体電解質と親和性の高い金属酸化物粒子23により、複合粒子Cと固体電解質との間で十分な接合力が得られ、負極層13と固体電解質層12との間での接合力も向上する。このとき図3のように、金属酸化物粒子23は炭素質層22に一部が埋め込まれていてもよい。また、負極合剤層132として、複合材料と固体電解質との混合物を用いる場合、複合粒子Cと固体電解質を構成する粒子とは互いに良好に分散する。
複合粒子Cは、黒鉛粒子21及び炭素質層22のうち少なくとも一方が露出している部分を表面に有する。複合粒子Cは、炭素質層22が露出している部分を有することが好ましい。この構成によれば、黒鉛粒子21あるいは炭素質層22が、直接固体電解質あるいは隣接する複合粒子Cと接することができ、これらの間で、リチウムイオンの移動を容易にでき、また、良好な導電性を確保できる。そのため、二次電池として良好なレート特性及び高いクーロン効率が得られる。なお、図2では、このような構成の一例として、炭素質層22のみが露出している部分を有する構成が示されている。
黒鉛粒子21及び炭素質層22のうち少なくとも一方が露出している部分(金属酸化物粒子23が付着していない部分)を表面に有することは、透過型電子顕微鏡(TEM)によって確認することができる。
複合粒子C表面に占める、黒鉛粒子21が露出している部分及び炭素質層22が露出している部分の合計の面積割合R(面積%)は、以下の方法で求められる。(1)複合材料の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、複合粒子Cの中から1つの複合粒子C1をランダムに抽出する。(2)抽出された複合粒子C1において、外周に金属酸化物粒子23が付着している部分の長さの合計LA1(すなわち、金属酸化物粒子23が付着している部分が複合粒子C1の外周に複数ある場合、それらの部分の長さの合計)と、外周に金属酸化物粒子23が付着していない部分の長さの合計LB1(すなわち、金属酸化物粒子23が付着していない部分が複合粒子C1の外周に複数ある場合、それらの部分の長さの合計)とを測定する。なお、LA1+LB1は複合粒子C1の外周の長さである。
(3)(1)及び(2)を50回繰り返す。すなわち、TEMで観察される複合粒子Cの中からランダムに抽出される50個の複合粒子C1~C50について、金属酸化物粒子23が付着している部分の長さの合計LA1~LA50、及び金属酸化物粒子23が付着していない部分の長さの合計LB1~LB50を測定する。なお、ランダムに抽出される複合粒子C1~C50はいずれも互いに重複しない。(4)測定されたLA1~LA50のそれぞれの値を加算する、すなわち、LA1+LA2+LA3+・・・+LA48+LA49+LA50を算出し、この値をSAとする。測定されたLB1~LB50のそれぞれの値を加算する、すなわち、LB1+LB2+LB3+・・・+LB48+LB49+LB50を算出し、この値をSBとする。(5)100×SB/(SA+SB)を面積割合R(面積%)として算出する。
面積割合Rは、30面積%以上であることが好ましく、40面積%以上であることがより好ましく、50面積%以上であることがさらに好ましい。複合粒子C間、及び/または複合粒子Cと固体電解質粒子との間の導電性を確保するためである。
また、面積割合Rは、90面積%以下であることが好ましく、80面積%以下であることがより好ましく、70面積%以下であることがさらに好ましい。金属酸化物粒子23で被覆されている部分により、複合粒子Cと固体電解質粒子との間の親和性を向上させるためである。
面積割合Rは、例えば、黒鉛粒子21に対する金属酸化物粒子23のサイズ、含有量、及び金属酸化物粒子の形状等によって調節することができる。
〔2-1.黒鉛粒子21〕
黒鉛粒子21は、人造黒鉛及び天然黒鉛のいずれでもよいが、人造黒鉛であることが好ましい。良好なサイクル特性が得られるためである。また、形状、ベーサル面とエッジ面との割合、結晶子サイズ、及び光学組織の構造等、電池の仕様に応じて適切にコントロールすることができるためである。黒鉛粒子21としてより好ましい例としては、SCMG(登録商標、昭和電工株式会社)が挙げられる。また、黒鉛粒子21は、黒鉛のみからなるものに限られず、黒鉛を非晶質炭素でコーティングしたもの等を用いてもよい。
黒鉛粒子21は、人造黒鉛及び天然黒鉛のいずれでもよいが、人造黒鉛であることが好ましい。良好なサイクル特性が得られるためである。また、形状、ベーサル面とエッジ面との割合、結晶子サイズ、及び光学組織の構造等、電池の仕様に応じて適切にコントロールすることができるためである。黒鉛粒子21としてより好ましい例としては、SCMG(登録商標、昭和電工株式会社)が挙げられる。また、黒鉛粒子21は、黒鉛のみからなるものに限られず、黒鉛を非晶質炭素でコーティングしたもの等を用いてもよい。
黒鉛粒子21の体積基準の累積粒度分布における50%粒子径D50は、2μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることがさらに好ましい。本実施形態にかかる複合材料をリチウムイオン二次電池の負極材料として用いた場合に良好なサイクル特性を確保するため、複合材料中の黒鉛粒子の分散性を向上させるため、及び微粒子を扱うことによる電池の製造コストの上昇を抑制するためである。
黒鉛粒子21のD50は、20μm以下であることが好ましく、12μm以下であることがより好ましく、7μm以下であることがさらに好ましい。表面積を大きくすることによって、複合材料を用いた負極における入出力特性を向上させるためである。
〔2-2.炭素質層22〕
炭素質層22は、黒鉛粒子21の表面を覆う層である。炭素質層22は黒鉛粒子表面全体を覆っていてもよく、一部を覆っていてもよい。炭素質層22の構造は特に限定されないが、アモルファスまたはグラフェン構造であることが好ましい。複合粒子C表面の導電性を向上させるためである。グラフェン構造とは、炭素原子がハニカム状に面として連続している構造である。
炭素質層22は、黒鉛粒子21の表面を覆う層である。炭素質層22は黒鉛粒子表面全体を覆っていてもよく、一部を覆っていてもよい。炭素質層22の構造は特に限定されないが、アモルファスまたはグラフェン構造であることが好ましい。複合粒子C表面の導電性を向上させるためである。グラフェン構造とは、炭素原子がハニカム状に面として連続している構造である。
炭素質層22は、黒鉛粒子21の表面に沿って形成されたグラフェン構造を有することがより好ましい。黒鉛粒子21の表面に沿って形成されたグラフェン構造とは、黒鉛粒子21の表面に沿って、ハニカム状の面が形成されている構造である。複合粒子C表面の導電性がより向上し、炭素質層22の化学的安定性及び機械的強度がより向上するためである。炭素質層22がグラフェン構造を有する場合、炭素質層22は1層のグラフェン層からなるものでもよく、複数のグラフェン層が重なったものでもよい。
炭素質層22の平均厚さtは以下の方法で求められる値である。(1)透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される複合粒子Cの中から1つの複合粒子C1をランダムに抽出する。(2)抽出された複合粒子C1において、炭素質層22が形成されている部分から1箇所ランダムで選び、選ばれた部分の炭素質層22の厚さt1を測定する。厚さt1は、以下のように求める。黒鉛粒子21表面に垂直な線と黒鉛粒子21表面との交点x1、及びこの垂直な線と炭素質層22の外周(炭素質層22が金属酸化物粒子23で覆われている場合、炭素質層22と金属酸化物粒子23との境界を炭素質層22の外周とする)との交点x2を求める。求められた交点x1とx2との間の距離が厚さt1となる。
(3)(1)及び(2)を50回繰り返す。すなわち、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される複合粒子Cの中からランダムに抽出される50個の複合粒子C1~C50において測定される炭素質層22の厚さt1~t50を測定する。なお、ランダムに抽出される複合粒子C1~C50はいずれも互いに重複しない。(4)得られた値t1~t50の平均値を炭素質層22の平均厚さtとする。
炭素質層22の平均厚さtは0.1nm以上であることが好ましく、1.0nm以上であることがより好ましく、2.0nm以上であることがさらに好ましい。金属酸化物粒子23を黒鉛粒子21に十分な量及び力で付着させるため、複合粒子Cの導電性を向上させるため、及び炭素質層22の化学的安定性と機械的強度とを確保するためである。
炭素質層22の平均厚さtは、30nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。複合粒子Cのサイズが必要以上に大きくなることを抑制することができるため、及び二次電池のサイクル特性を向上させるためである。
〔2-3.金属酸化物粒子23〕
金属酸化物粒子23の、平均一次粒子径(nm)は、BET比表面積SBET[m2/g]に基づき、6000/(SBET×ρ)(ρ:金属酸化物の密度[g/cm3])により求められる値である。金属酸化物粒子23の平均一次粒子径は、100nm以下であることが好ましく、55nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがさらに好ましく、7nm以下であることが特に好ましい。金属酸化物粒子23の比表面積が大きくなり、固体電解質との接触面積が増え、結果として、金属酸化物粒子23の含有量が少なくても、固体電解質との良好な親和性が得られるためである。なお、酸化チタンの密度は4.0g/cm3、酸化銅(II)の密度は6.3g/cm3、γ型結晶の酸化アルミニウムAl2O3の密度は4.0g/cm3である。
金属酸化物粒子23の、平均一次粒子径(nm)は、BET比表面積SBET[m2/g]に基づき、6000/(SBET×ρ)(ρ:金属酸化物の密度[g/cm3])により求められる値である。金属酸化物粒子23の平均一次粒子径は、100nm以下であることが好ましく、55nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがさらに好ましく、7nm以下であることが特に好ましい。金属酸化物粒子23の比表面積が大きくなり、固体電解質との接触面積が増え、結果として、金属酸化物粒子23の含有量が少なくても、固体電解質との良好な親和性が得られるためである。なお、酸化チタンの密度は4.0g/cm3、酸化銅(II)の密度は6.3g/cm3、γ型結晶の酸化アルミニウムAl2O3の密度は4.0g/cm3である。
金属酸化物粒子23の平均一次粒子径は、1nm以上であることが好ましく、2nm以上であることがより好ましい。複合粒子Cと、固体電解質との親和性を向上させつつ、黒鉛粒子21を露出させるためである。
金属酸化物粒子23は、特に限定されないが、1族から12族、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、及び鉛のうち少なくともいずれかの金属の酸化物を含むことが好ましく、3~12族の金属の酸化物のうち少なくともいずれかを含むことがより好ましく、酸化チタン(IV)を含むことがさらに好ましい。なお、以下、「酸化チタン」は、特に断りがなければ、酸化チタン(IV)、すなわちTiO2を指すものとする。
金属酸化物粒子23が酸化チタンを含む場合、金属酸化物粒子23に含まれる酸化チタンの結晶型はアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型が挙げられるが、特に限定されない。金属酸化物粒子23の全結晶相におけるいずれかの結晶相の含有率は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。例えば、金属酸化物粒子23に含まれる酸化チタンが、アナターゼ結晶相を主成分とする場合、この酸化チタンの全結晶相中のアナターゼ結晶相の含有率は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。金属酸化物粒子23に含まれる酸化チタンが、ルチル結晶相を主成分とする場合、及びブルッカイト結晶相を主成分とする場合についても同様である。
複合材料における、黒鉛粒子21の含有量100質量部に対する金属酸化物粒子23の含有量は、0.1質量部以上であることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることがさらに好ましい。複合材料と固体電解質との親和性を向上させ、これらの間での電気抵抗を低減させるためである。
複合材料における、黒鉛粒子21の含有量100質量部に対する金属酸化物粒子23の含有量は、10質量部以下であることが好ましく、5.0質量部以下であることがより好ましく、3.0質量部以下であることがさらに好ましい。複合粒子C中の黒鉛粒子21または炭素質層22を露出させ、複後粒子C間あるいは複合粒子Cと固体電解質との間での導電性を向上させる、及びリチウムイオンの移動を容易にするためである。
<3.複合材料の製造方法>
以下、本発明の複合材料の製造方法の実施形態を例示するが、本発明の複合材料は以下の製造方法1または2によって得られるものに限られない。
以下、本発明の複合材料の製造方法の実施形態を例示するが、本発明の複合材料は以下の製造方法1または2によって得られるものに限られない。
〔3-1.製造方法1〕
本発明にかかる複合材料の製造方法の一例では、黒鉛粒子と、炭素質層22の前駆体となる有機化合物(以下、特に断りがなければ「有機化合物」とは炭素質層22の前駆体となる有機化合物を意味する)と、金属酸化物粒子とを混合する混合工程、及び混合工程で得られた混合物を熱処理する熱処理工程を含む。
本発明にかかる複合材料の製造方法の一例では、黒鉛粒子と、炭素質層22の前駆体となる有機化合物(以下、特に断りがなければ「有機化合物」とは炭素質層22の前駆体となる有機化合物を意味する)と、金属酸化物粒子とを混合する混合工程、及び混合工程で得られた混合物を熱処理する熱処理工程を含む。
有機化合物は、熱処理工程前は金属酸化物粒子を黒鉛粒子に付着させる役割を有し、熱処理工程後に炭素質層22を形成し、黒鉛粒子21と金属酸化物粒子23とをより強固に付着させる。有機化合物は、残炭率が高いものが好ましく、また、液媒体中で混合する場合は、液媒体への溶解性が高いものが好ましい。残炭率の高い有機化合物としては、例えば、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂等が挙げられる。また、水に溶解する有機化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、アクリル酸、サリチル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
黒鉛粒子100質量部に対する有機化合物の添加量は、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1.0質量部以上であることがさらに好ましい。有機化合物により黒鉛粒子を十分に被覆するためである。
黒鉛粒子100質量部に対する有機化合物の添加量は、25質量部以下であることが好ましく、18質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。生成する複合材料の、リチウムイオンの挿入及び脱離容量を大きくするためである。
金属酸化物粒子に含まれる金属元素として好ましいもの、及び平均一次粒子径の好ましい範囲は上記の通りである。この製造方法の原料として用いられる金属酸化物粒子の好ましい一例としては特開2017-114700号公報に記載の酸化チタンが挙げられる。この酸化チタンはBET比表面積(200m2/g以上)から算出される平均一次粒子径は7.5nm以下と十分に小さく、嵩密度は0.2~0.8g/mlとハンドリングに適した範囲である。
混合工程については特に限定されないが、一例として、有機化合物が溶解した液媒体中で黒鉛粒子と、金属酸化物粒子とを混合し、その後、液媒体を除去する方法が挙げられる。液媒体としては特に限定されないが、有機化合物を溶解できるものが好ましい。液媒体除去後の固形分は適宜解砕してもよい。
混合工程の別の一例としては、液媒体を用いずに黒鉛粒子と、有機化合物と、金属酸化物粒子とを混合する方法が挙げられる。この場合、黒鉛粒子及び金属酸化物の有機化合物は石油ピッチ等の粘性のある物質であることが好ましい。熱処理工程前の段階で、金属酸化物粒子を黒鉛粒子表面に粘着させることができるためである。
熱処理工程は、有機化合物を炭素化させて、炭素質層22を形成させる工程である。また、混合工程における有機化合物が固体である場合、有機化合物を軟化させて、黒鉛粒子に金属酸化物粒子を、軟化した有機化合物を介して付着させることもできる。非酸化性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、不活性ガス雰囲気下で行うことがより好ましい。熱処理する際に、黒鉛粒子及び有機化合物が雰囲気ガスにより酸化されることを抑制するためである。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
熱処理工程における熱処理温度は、600℃以上であることが好ましく、900℃以上であることがより好ましく、1000℃以上であることがさらに好ましい。有機化合物の炭素化を十分に進行させ、水素や酸素の残留を抑制し、電池特性を向上させるためである。また、黒鉛化を抑制し、充放電レート特性を良好に保つために、熱処理温度は2000℃以下であることが好ましく、1500℃以下であることがより好ましく、1200℃以下あることがさらに好ましい。
熱処理工程における、上記熱処理温度に至るまでの昇温速度は200℃/h以下とすることが好ましく、150℃/h以下とすることがより好ましく、100℃/h以下とすることがさらに好ましい。
熱処理時間は炭素化が十分に進行していれば特に制限はないが、10分以上が好ましく、30分以上であることがより好ましく、50分以上であることがさらに好ましい。ここで、熱処理時間とは、所定の温度、すなわち熱処理温度に対し、±20℃の状態を保っている時間を指し、装置の保温のためのフィードバック制御等による加熱の時間等も熱処理時間に含まれる。
熱処理工程後、必要に応じて複合材料を解砕してもよい。本発明にかかる複合材料中の複合粒子Cにおいて、金属酸化物粒子23は、炭素質層22を介して、黒鉛粒子21に強固に固定されているため、解砕によって黒鉛粒子21からの金属酸化物粒子23の脱落は十分に抑制される。
〔3-2.製造方法2〕
本発明にかかる複合材料の製造方法の別の一例は、有機化合物を含有する金属酸化物粒子と、黒鉛粒子と、を混合する混合工程、及び混合工程で得られた混合物を熱処理する熱処理工程を含む。
本発明にかかる複合材料の製造方法の別の一例は、有機化合物を含有する金属酸化物粒子と、黒鉛粒子と、を混合する混合工程、及び混合工程で得られた混合物を熱処理する熱処理工程を含む。
有機化合物を含有する金属酸化物粒子としては、金属化合物粒子表面の一部または全体が有機化合物で覆われた粒子が好ましい。このような粒子の製造方法の一例としては、有機化合物が溶解した溶液中に金属酸化物を分散させ、溶媒を除去することが挙げられる。有機化合物と金属酸化物粒子との混合物は、必要に応じて粉砕してもよい。また、上記粒子の製造方法の別の一例としては、液媒体を用いずに有機化合物と、金属酸化物粒子とを混合する方法も挙げられる。
熱処理工程の、雰囲気ガス、熱処理温度、昇温時間、及び熱処理時間等の条件については、製造方法1と同様である。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明するが、これらは本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<1.複合材料の製造>
表1、表2に示す条件で、以下の説明の通り、各実施例の複合材料を作製した。
表1、表2に示す条件で、以下の説明の通り、各実施例の複合材料を作製した。
表3に得られた複合材料の物性を示す。
〔1-1.原料〕
表1に示されている原料となる材料の詳細は以下の通りである。
表1に示されている原料となる材料の詳細は以下の通りである。
(黒鉛粒子)
[SCMG]昭和電工株式会社製の人造黒鉛、SCMG(登録商標)を用いる。この人造黒鉛はD50が6.0μm、BET比表面積が5.9m2/gである。
[SCMG-2]昭和電工株式会社製の人造黒鉛、SCMG(登録商標)-2を用いる。この人造黒鉛はD50が11.8μm、BET比表面積が2.6m2/gである。
[天然黒鉛]中国産鱗片状天然黒鉛を用いる。この天然黒鉛はD50が26.8μm、BET比表面積が9.1m2/gである。
[SCMG]昭和電工株式会社製の人造黒鉛、SCMG(登録商標)を用いる。この人造黒鉛はD50が6.0μm、BET比表面積が5.9m2/gである。
[SCMG-2]昭和電工株式会社製の人造黒鉛、SCMG(登録商標)-2を用いる。この人造黒鉛はD50が11.8μm、BET比表面積が2.6m2/gである。
[天然黒鉛]中国産鱗片状天然黒鉛を用いる。この天然黒鉛はD50が26.8μm、BET比表面積が9.1m2/gである。
(有機化合物)
石油ピッチ、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、サリチル酸、及びテレフタル酸のうちいずれかを用いる。
石油ピッチ、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、サリチル酸、及びテレフタル酸のうちいずれかを用いる。
(金属酸化物粒子)
金属酸化物粒子は以下のものを用いる。
[酸化チタンA]特開2017-114700号公報の実施例1の製法で得られたもの。全結晶相中のアナターゼ結晶相の含有率100質量%、BET比表面積から求めた平均一次粒子径3.83nm(BET比表面積392m2/g)。
[酸化チタンB]イオリテック(IoLiTec)社製、アナターゼ型、純度99.5質量%、平均一次粒子径20nm。
[酸化チタンC]イオリテック(IoLiTec)社製、ルチル型、純度99.5質量%、平均一次粒子径20nm。
[酸化アルミニウム]:イオリテック(IoLiTec)社製、Al2O3、γ型、平均一次粒子径5nm。
[酸化銅(II)]:イオリテック(IoLiTec)社製、平均一次粒子径50nm。
金属酸化物粒子は以下のものを用いる。
[酸化チタンA]特開2017-114700号公報の実施例1の製法で得られたもの。全結晶相中のアナターゼ結晶相の含有率100質量%、BET比表面積から求めた平均一次粒子径3.83nm(BET比表面積392m2/g)。
[酸化チタンB]イオリテック(IoLiTec)社製、アナターゼ型、純度99.5質量%、平均一次粒子径20nm。
[酸化チタンC]イオリテック(IoLiTec)社製、ルチル型、純度99.5質量%、平均一次粒子径20nm。
[酸化アルミニウム]:イオリテック(IoLiTec)社製、Al2O3、γ型、平均一次粒子径5nm。
[酸化銅(II)]:イオリテック(IoLiTec)社製、平均一次粒子径50nm。
〔1-2.混合工程〕
表1に示す種類及び分量の原料を用いて、以下の工程A~Dにより黒鉛粒子と有機化合物と金属酸化物粒子とを含む混合物を得る。
表1に示す種類及び分量の原料を用いて、以下の工程A~Dにより黒鉛粒子と有機化合物と金属酸化物粒子とを含む混合物を得る。
(工程A)
黒鉛粒子と有機化合物と金属酸化物粒子とを、25℃で混合する。混合は、例えば、V型混合機(VM-10、株式会社ダルトン製)を用いて10分間行い、混合物を得る。
(工程B)
有機化合物の水溶液に、黒鉛粒子と、金属酸化物粒子とを加え、黒鉛粒子及び金属酸化物粒子を水溶液中に分散させる。その後、分散液を真空乾燥機に入れ、120℃で、水分がなくなるまで乾燥させて混合物を得る。なお、石油ピッチは水溶性ではないため、この工程において有機化合物として石油ピッチを用いる実施例はない。
(工程C)
有機化合物と金属酸化物粒子とを、25℃で混合する。混合は、例えば、V型混合機(VM-10、株式会社ダルトン製)を用いて10分間行う。得られた有機化合物と金属酸化物粒子との混合物を、黒鉛粒子と25℃で混合する。混合は、例えば、V型混合機(VM-10、株式会社ダルトン製)を用いて10分間行う。
(工程D)
有機化合物の水溶液に、金属酸化物粒子を加え、金属酸化物粒子を水溶液中に分散させる。その後、分散液を真空乾燥機に入れ、120℃で、水分がなくなるまで乾燥させて有機化合物と金属酸化物との混合物を得る。得られた有機化合物と金属酸化物粒子との混合物を、黒鉛粒子と25℃で混合する。混合は、例えば、V型混合機(VM-10、株式会社ダルトン製)を用いて10分間行う。なお、石油ピッチは水溶性ではないため、この工程において有機化合物として石油ピッチを用いる実施例はない。
黒鉛粒子と有機化合物と金属酸化物粒子とを、25℃で混合する。混合は、例えば、V型混合機(VM-10、株式会社ダルトン製)を用いて10分間行い、混合物を得る。
(工程B)
有機化合物の水溶液に、黒鉛粒子と、金属酸化物粒子とを加え、黒鉛粒子及び金属酸化物粒子を水溶液中に分散させる。その後、分散液を真空乾燥機に入れ、120℃で、水分がなくなるまで乾燥させて混合物を得る。なお、石油ピッチは水溶性ではないため、この工程において有機化合物として石油ピッチを用いる実施例はない。
(工程C)
有機化合物と金属酸化物粒子とを、25℃で混合する。混合は、例えば、V型混合機(VM-10、株式会社ダルトン製)を用いて10分間行う。得られた有機化合物と金属酸化物粒子との混合物を、黒鉛粒子と25℃で混合する。混合は、例えば、V型混合機(VM-10、株式会社ダルトン製)を用いて10分間行う。
(工程D)
有機化合物の水溶液に、金属酸化物粒子を加え、金属酸化物粒子を水溶液中に分散させる。その後、分散液を真空乾燥機に入れ、120℃で、水分がなくなるまで乾燥させて有機化合物と金属酸化物との混合物を得る。得られた有機化合物と金属酸化物粒子との混合物を、黒鉛粒子と25℃で混合する。混合は、例えば、V型混合機(VM-10、株式会社ダルトン製)を用いて10分間行う。なお、石油ピッチは水溶性ではないため、この工程において有機化合物として石油ピッチを用いる実施例はない。
〔1-3.熱処理工程〕
工程AまたはBにより得られた混合物を電気式管状炉内に入れ、窒素ガス雰囲気下、表1に示される速度で昇温し、表1に示される熱処理温度で1時間保持する。その後、炉内を25℃まで冷却し、生成した複合材料を回収する。
工程AまたはBにより得られた混合物を電気式管状炉内に入れ、窒素ガス雰囲気下、表1に示される速度で昇温し、表1に示される熱処理温度で1時間保持する。その後、炉内を25℃まで冷却し、生成した複合材料を回収する。
<2.複合材料の評価>
〔2-1.透過型電子顕微鏡(TEM)による観察〕
複合材料をエタノールに分散させ、マイクログリッドメッシュで回収し、以下の条件で測定を行う。
透過型電子顕微鏡装置:日立製H-9500
加速電圧:300kV
観察倍率:30,000倍
〔2-1.透過型電子顕微鏡(TEM)による観察〕
複合材料をエタノールに分散させ、マイクログリッドメッシュで回収し、以下の条件で測定を行う。
透過型電子顕微鏡装置:日立製H-9500
加速電圧:300kV
観察倍率:30,000倍
透過型電子顕微鏡(TEM)により複合材料の粒子を観察し、金属酸化物粒子が、炭素質層を介して、黒鉛粒子に付着していることを確認する。また、複合粒子は、黒鉛粒子または炭素質層が露出している部分を有することを確認する。
また、得られたTEM観察像より、上述した方法に従って、複合粒子Cの表面に占める黒鉛粒子21及び炭素質層23のうち少なくとも一方が露出している部分の面積割合R(面積%)、及び炭素質層22の平均厚さt(nm)を求める。
〔2-2.50%粒子径(D50)〕
レーザー回折式粒度分布測定装置としてマルバーン製マスターサイザー2000(Mastersizer;登録商標)を用い、5mgのサンプルを容器に入れ、界面活性剤が0.04質量%含まれた水を10g加えて5分間超音波処理を行った後に測定を行い、体積基準累積粒度分布における50%粒子径(D50)を得た。
レーザー回折式粒度分布測定装置としてマルバーン製マスターサイザー2000(Mastersizer;登録商標)を用い、5mgのサンプルを容器に入れ、界面活性剤が0.04質量%含まれた水を10g加えて5分間超音波処理を行った後に測定を行い、体積基準累積粒度分布における50%粒子径(D50)を得た。
〔2-3.BET比表面積〕
BET比表面積測定装置としてカンタクローム(Quantachrome)社製NOVA2200eを用い、サンプルセル(9mm×135mm)に3gのサンプルを入れ、300℃、真空条件下で1時間乾燥後、測定を行った。BET比表面積測定用のガスはN2を用いた。
BET比表面積測定装置としてカンタクローム(Quantachrome)社製NOVA2200eを用い、サンプルセル(9mm×135mm)に3gのサンプルを入れ、300℃、真空条件下で1時間乾燥後、測定を行った。BET比表面積測定用のガスはN2を用いた。
<3.電池の作製>
以下、実施例及び比較例で得られた複合材料を用いた電池の作製方法について説明する。ここで作製する電池の各構成について、図1に示された参照符号が付された構成に対応するものは、その対応する構成の参照符号を付して説明する。
以下、実施例及び比較例で得られた複合材料を用いた電池の作製方法について説明する。ここで作製する電池の各構成について、図1に示された参照符号が付された構成に対応するものは、その対応する構成の参照符号を付して説明する。
〔3-1.固体電解質層12の準備〕
アルゴンガス雰囲気下で出発原料のLi2S(日本化学(株)製)とP2S5(シグマ アルドリッチジャパン合同会社製)を75:25のモル比率で秤量して混ぜ合わせ、遊星型ボールミル(P-5型、フリッチュ・ジャパン(株)製)及びジルコニアボール(10mmφ7個、3mmφ10個)を用いて20時間メカニカルミリング(回転数400rpm)することにより、D50が0.3μmのLi3PS4の非晶質固体電解質を得る。
アルゴンガス雰囲気下で出発原料のLi2S(日本化学(株)製)とP2S5(シグマ アルドリッチジャパン合同会社製)を75:25のモル比率で秤量して混ぜ合わせ、遊星型ボールミル(P-5型、フリッチュ・ジャパン(株)製)及びジルコニアボール(10mmφ7個、3mmφ10個)を用いて20時間メカニカルミリング(回転数400rpm)することにより、D50が0.3μmのLi3PS4の非晶質固体電解質を得る。
得られた非晶質固体電解質を、内径10mmφのポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて、一軸プレス成形機によりプレス成形を行うことで、厚さ960μmのシートとして固体電解質層12を準備する。
〔3-2.負極合剤層132の準備〕
実施例で作製した複合材料48.5質量%と、固体電解質(Li3PS4、D50:8μm)48.5質量%と、VGCF-H(昭和電工(株)製、登録商標)3質量%とを混合する。この混合物を、遊星型ボールミルを用いて100rpmで1時間ミリング処理することにより均一化する。均一化された混合物を、内径10mmφポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて一軸プレス成形機により400MPaでプレス成形して、厚さ65μmのシートとして負極合剤層132を準備する。
実施例で作製した複合材料48.5質量%と、固体電解質(Li3PS4、D50:8μm)48.5質量%と、VGCF-H(昭和電工(株)製、登録商標)3質量%とを混合する。この混合物を、遊星型ボールミルを用いて100rpmで1時間ミリング処理することにより均一化する。均一化された混合物を、内径10mmφポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて一軸プレス成形機により400MPaでプレス成形して、厚さ65μmのシートとして負極合剤層132を準備する。
〔3-3.正極合剤層112の準備〕
正極活物質LiCoO2(日本化学工業(株)製、D50:10μm)55質量%と、固体電解質(Li3PS4、D50:8μm)40質量%と、VGCF-H(昭和電工(株)製、登録商標)5質量%とを混合する。この混合物を、遊星型ボールミルを用いて100rpmで1時間ミリング処理することにより均一化する。均一化された混合物を、内径10mmφポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて一軸プレス成形機により400MPaでプレス成形して、厚さ65μmのシートとして正極合剤層112を準備する。
正極活物質LiCoO2(日本化学工業(株)製、D50:10μm)55質量%と、固体電解質(Li3PS4、D50:8μm)40質量%と、VGCF-H(昭和電工(株)製、登録商標)5質量%とを混合する。この混合物を、遊星型ボールミルを用いて100rpmで1時間ミリング処理することにより均一化する。均一化された混合物を、内径10mmφポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて一軸プレス成形機により400MPaでプレス成形して、厚さ65μmのシートとして正極合剤層112を準備する。
〔3-4.全固体型リチウムイオン二次電池1の組み立て〕
内径10mmφポリエチレン製ダイの中に、負極合剤層132、固体電解質層12、正極合材層112の順に積層し、負極合剤層132側及び正極合材層112側の両側からSUS製のパンチで100MPaの圧力で挟み、負極合剤層132、固体電解質層12、及び正極合材層112を接合して積層体を得る。ここで得られた積層体を積層体Aとする。
内径10mmφポリエチレン製ダイの中に、負極合剤層132、固体電解質層12、正極合材層112の順に積層し、負極合剤層132側及び正極合材層112側の両側からSUS製のパンチで100MPaの圧力で挟み、負極合剤層132、固体電解質層12、及び正極合材層112を接合して積層体を得る。ここで得られた積層体を積層体Aとする。
得られた積層体Aを一旦ダイから取り出し、上記ダイの中に、下から負極リード131a、銅箔(負極集電体131)、負極合剤層132を下側に向けた積層体A、アルミニウム箔(正極集電体111)、正極リード111aの順に重ねて、負極リード131a側及び正極リード111a側の両側からSUS製のパンチで80MPaの圧力で挟み、負極リード131a、銅箔、積層体A、アルミニウム箔、及び正極リード111aを接合して全固体型リチウムイオン二次電池1を得る。
<4.電池の評価>
以下の電池評価はすべて25℃の大気中で行われる。
〔4-1.クーロン効率の測定〕
上記の通り作製された全固体型リチウムイオン二次電池1に対し、レストポテンシャルから4.2Vになるまで1.25mA(0.05C)で定電流充電を行う。続いて4.2Vの一定電圧で40時間の定電圧充電を行う。定電圧充電による充電容量(mAh)を初回充電容量Qc1とする。
以下の電池評価はすべて25℃の大気中で行われる。
〔4-1.クーロン効率の測定〕
上記の通り作製された全固体型リチウムイオン二次電池1に対し、レストポテンシャルから4.2Vになるまで1.25mA(0.05C)で定電流充電を行う。続いて4.2Vの一定電圧で40時間の定電圧充電を行う。定電圧充電による充電容量(mAh)を初回充電容量Qc1とする。
次に、1.25mA(0.05C)で2.75Vになるまで定電流放電を行う。定電流放電による放電容量(mAh)を初回放電容量Qd1とする。初回放電容量Qd1(mAh)を負極層中の複合材料の質量で割った値を初回放電容量密度(mAh/g)とする。
また、初回充電容量Qc1に対する初回放電容量Qd1の割合を百分率で表した数値、100×Qd1/Qc1をクーロン効率(%)とする。
〔4-2.レート特性の評価〕
上記と同様の手順で充電した後、2.5mA(0.1C)で2.75Vになるまで定電流放電して測定される放電容量Q2.5d[mAh]を測定する。上記と同様の手順で充電した後、75mA(3.0C)で2.75Vになるまで定電流放電して測定される放電容量Q75d[mAh]を測定する。100×Q75d/Q2.5dをレート特性(%)とする。
上記と同様の手順で充電した後、2.5mA(0.1C)で2.75Vになるまで定電流放電して測定される放電容量Q2.5d[mAh]を測定する。上記と同様の手順で充電した後、75mA(3.0C)で2.75Vになるまで定電流放電して測定される放電容量Q75d[mAh]を測定する。100×Q75d/Q2.5dをレート特性(%)とする。
〔4-3.サイクル特性の評価〕
充電は4.2Vになるまで5.0mA(0.2C)の定電流充電を行い、続いて4.2Vの一定電圧で、電流値が1.25mA(0.05C)に減少するまで定電圧充電を行う。放電は25mA(1.0C)の定電流放電で、電圧が2.75Vになるまで行う。
充電は4.2Vになるまで5.0mA(0.2C)の定電流充電を行い、続いて4.2Vの一定電圧で、電流値が1.25mA(0.05C)に減少するまで定電圧充電を行う。放電は25mA(1.0C)の定電流放電で、電圧が2.75Vになるまで行う。
これらの充放電を500回行い、500回目の放電容量Qd500として、100×Qd500/Qd1をサイクル維持率(%)とする。
1:全固体型リチウムイオン二次電池
11:正極層
111:正極集電体
111a:正極リード
112:正極合剤層
12:固体電解質層
13:負極層
131:負極集電体
131a:負極リード
132:負極合剤層
C:複合粒子
21:黒鉛粒子
22:炭素質層
23:金属酸化物粒子
11:正極層
111:正極集電体
111a:正極リード
112:正極合剤層
12:固体電解質層
13:負極層
131:負極集電体
131a:負極リード
132:負極合剤層
C:複合粒子
21:黒鉛粒子
22:炭素質層
23:金属酸化物粒子
Claims (14)
- 黒鉛粒子の表面に炭素質層を介して金属酸化物粒子が付着した複合粒子を含む複合材料であって、該複合粒子は、黒鉛粒子及び炭素質層の少なくとも一方が露出している部分を表面に有することを特徴とする複合材料。
- 前記複合粒子は、炭素質層が露出している部分を有する請求項1に記載の複合材料。
- 前記炭素質層は、黒鉛粒子表面に沿って形成されたグラフェン構造を有する請求項1または2に記載の複合材料。
- 前記炭素質層の平均厚さは、0.1nm以上30nm以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の複合材料。
- 前記黒鉛粒子の、体積基準の累積粒度分布における50%粒子径は、2μm以上であって、前記金属酸化物粒子のBET比表面積から算出される平均一次粒子径は100nm以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の複合材料。
- 前記黒鉛粒子100質量部に対する前記金属酸化物粒子の含有量は0.1質量部以上10質量部以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の複合材料。
- 前記金属酸化物粒子は、1族から12族、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、及び鉛のうち少なくともいずれかの金属の酸化物を含む請求項1~6のいずれか1項に記載の複合材料。
- 前記金属酸化物粒子は、酸化チタンを含む請求項1~7のいずれか1項に記載の複合材料。
- 前記酸化チタンの全結晶相中のアナターゼ結晶相の含有率は70質量%以上である請求項8に記載の複合材料。
- 前記酸化チタンの全結晶相中のルチル結晶相の含有率は70質量%以上である請求項8に記載の複合材料。
- 請求項1~10のいずれか1項に記載の複合材料を含む全固体型リチウムイオン二次電池用負極材。
- 請求項1~10のいずれか1項に記載の複合材料と、硫化物固体電解質とを含む全固体型リチウムイオン二次電池用負極。
- 黒鉛粒子と、有機化合物と、金属酸化物粒子とを混合する混合工程、及び
前記混合工程で得られた混合物を非酸化性ガス雰囲気下において600℃以上2000℃以下で熱処理する熱処理工程を含む複合材料の製造方法。 - 有機化合物を含有する金属酸化物粒子と、黒鉛粒子と、を混合する混合工程、及び
前記混合工程で得られた混合物を非酸化性ガス雰囲気下において600℃以上2000℃以下で熱処理する熱処理工程を含む複合材料の製造方法。
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TW109110185A TW202103358A (zh) | 2019-03-27 | 2020-03-26 | 複合粒子及鋰離子二次電池用負極材料 |
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JP2019060017 | 2019-03-27 | ||
JP2019060017 | 2019-03-27 |
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Family Applications (1)
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JP2019156905A Pending JP2022079000A (ja) | 2019-03-27 | 2019-08-29 | 複合材料及び全固体型リチウムイオン二次電池用負極材 |
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Country | Link |
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2019
- 2019-08-29 JP JP2019156905A patent/JP2022079000A/ja active Pending
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