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JP2022056526A - ステータ、およびモータ - Google Patents

ステータ、およびモータ Download PDF

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JP2022056526A
JP2022056526A JP2020164322A JP2020164322A JP2022056526A JP 2022056526 A JP2022056526 A JP 2022056526A JP 2020164322 A JP2020164322 A JP 2020164322A JP 2020164322 A JP2020164322 A JP 2020164322A JP 2022056526 A JP2022056526 A JP 2022056526A
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佳明 山下
Yoshiaki Yamashita
達郎 河本
Tatsuro Komoto
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Nidec Corp
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Nidec Corp
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Abstract

【課題】隣り合うコイル同士の絶縁の信頼性を高めるとともに、組み立て工程が簡素化できるステータを提供する。【解決手段】ステータ30は、中心軸線を中心とする環状のコアバック部31aと、コアバック部から径方向一方側に延び周方向に並ぶ複数のティース部31bと、多層に巻き回されたコイル線41からなりインシュレータ32を介してティース部に装着される複数のコイル40と、少なくとも一部のコイルの外周面を覆う絶縁性の被覆部50と、を有する。周方向に隣り合うティース部同士の間の少なくとも1つのスロットにおいて、周方向に対向する一対のコイルのうち、一方のコイルの周端面は被覆部に覆われ、他方のコイルの周端面はスロット側に露出する。【選択図】図2

Description

本発明は、ステータ、およびモータに関する。
駆動電圧の高いモータに用いられるステータにおいて、隣り合うコイル同士の絶縁を確保する必要がある。特許文献1には、隣り合うコイルの間に短冊状の相間絶縁シートを挿入するモータが開示されている。
特開2006-320136号公報
従来技術の絶縁方法では、絶縁シートを狭い隙間に挿入する必要があり、組み立て工程の作業性が悪く、また、後工程で絶縁シートが脱落する虞があった。
本発明は、上記事情に鑑みて、隣り合うコイル同士の絶縁の信頼性を高めるとともに、組み立て工程が簡素化できるステータ、およびモータを提供することを目的の一つとする。
本発明のステータの一つの態様は、中心軸線を中心とする環状のコアバック部と、前記コアバック部から径方向一方側に延び周方向に並ぶ複数のティース部と、多層に巻き回されたコイル線からなりインシュレータを介して前記ティース部に装着される複数のコイルと、少なくとも一部の前記コイルの外周面を覆う絶縁性の被覆部と、を有する。周方向に隣り合う前記ティース部同士の間の少なくとも1つのスロットにおいて、周方向に対向する一対の前記コイルのうち、一方の前記コイルの周端面は前記被覆部に覆われ、他方の前記コイルの周端面は前記スロット側に露出する。
本発明のモータの一つの態様は、上述のステータと、径方向において前記ステータに対向するロータと、前記ステータおよび前記ロータを収容するハウジングと、を有する。
本発明の一つの態様によれば、隣り合うコイル同士の絶縁の信頼性を高めるとともに、組み立て工程が簡素化できるステータ、およびモータを提供できる。
図1は、一実施形態のモータの断面模式図である。 図2は、一実施形態のステータの斜視図である。 図3は、一実施形態のステータの平面図である。 図4は、一実施形態のステータの断面図である。 図5は、一実施形態のステータの部分断面図である。 図6は、一実施形態の第1コイルを周方向一方側から見る模式図である。 図7は、変形例1のステータの部分断面図である。 図8は、変形例2のステータの部分断面図である。 図9は、変形例3のステータの部分断面図である。 図10は、一実施形態の圧縮機の概略図である。
以下、図面を基にモータ10およびステータ30の実施形態について説明する。
以下の説明においては、モータ10の中心軸線Jの軸方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸線Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸線Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
図1は、本実施形態のモータ10の断面模式図である。図2は、本実施形態のステータ30の斜視図である。図3は、ステータ30の平面図である。
図1に示すように、本実施形態のモータ10は、中心軸線Jを中心とするロータ20と、ロータ20の径方向外側に配置されるステータ30と、ハウジング11と、複数のベアリング15,16と、を備える。本実施形態のモータ10は、インナーロータ型のモータである。ロータ20は、中心軸線Jを中心として回転する。
ハウジング11は、ロータ20およびステータ30を収容する。ハウジング11は、筒部11aと、底壁部(底部)11cと、ベアリング保持壁部(底部)11dと、を有する。筒部11aは、中心軸線Jに沿って延びる円筒状である。ベアリング保持壁部11dは、筒部11aの軸方向一方側の開口を覆う。ベアリング保持壁部11dは、筒部11aの内周面に固定される。ベアリング保持壁部11dは、ベアリング15を保持する。底壁部11cは、筒部11aの軸方向他方側の開口を覆う。底壁部11cは、ベアリング16を保持する。
ハウジング11の内部には、冷媒が流れる。筒部11aには、冷媒流入口11pと冷媒排出口11qとが設けられる。冷媒流入口11pと冷媒排出口11qとは、軸方向に並んで配置される。冷媒流入口11pは、ステータ30に対し軸方向一方側に位置し、冷媒排出口11qは、ステータ30に対し軸方向他方側に位置する。冷媒は、ハウジング11内において、ステータ30のスロットSを通過してステータ30の軸方向一方側から他方側に向かって流れる。
ロータ20は、径方向においてステータ30に対向する。本実施形態のロータ20は、ステータ30の径方向内側に配置される。ロータ20は、シャフト21と、ロータコア22と、マグネット23と、を有する。シャフト21は、軸方向に延びる円柱状である。なお、シャフト21は、軸方向に延びる円筒状でもよい。シャフト21は、複数のベアリング15,16により、中心軸線J回りに回転可能に支持される。複数のベアリング15,16は、軸方向に互いに間隔をあけて配置され、ハウジング11に支持される。すなわち、シャフト21は、複数のベアリング15,16を介してハウジング11に支持される。
ロータコア22は、軸方向に延びる筒状である。ロータコア22は、シャフト21よりも外径が大きい。ロータコア22は、シャフト21よりも軸方向の長さが小さい。ロータコア22の内周面は、シャフト21の外周面と固定される。ロータコア22は、シャフト21と圧入および接着等により固定される。ロータコア22は、軸方向において、一対のベアリング15,16間に位置する。マグネット23は、ロータコア22の外周部に固定される。
ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間をあけて対向する。ステータ30は、ロータ20を径方向外側から周方向の全周にわたって囲う。ステータ30は、ステータコア31と、インシュレータ32と、コイル40と、被覆部50と、を有する。
ステータコア31は、ロータ20を径方向外側から囲う。ステータコア31は、例えば、軸方向に積層する複数の電磁鋼板により構成される。ステータコア31は、ハウジング11の内周面に固定される。ステータコア31とハウジング11との固定は、例えば焼き嵌めや圧入等により行われる。
ステータコア31は、コアバック部31aと、複数のティース部31bと、を有する。すなわち、ステータ30は、コアバック部31aと複数のティース部31bとを有する。コアバック部31aは、中心軸線Jを中心とする環状である。コアバック部31aの径方向外側面は、筒部11aの内周面と固定される。ティース部31bは、コアバック部31aから径方向一方側(本実施形態では径方向内側)に延びる。複数のティース部31bは、周方向に並ぶ。複数のティース部31bは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。各ティース部31bの径方向内側面は、ロータ20の径方向外側面と隙間をあけて対向する。
複数のインシュレータ32は、複数のティース部31bのそれぞれに装着される。インシュレータ32は、コイル40とティース部31bとの間を絶縁する絶縁部材である。インシュレータ32は、例えば、樹脂製である。
インシュレータ32は、インシュレータ本体部32fと、内側壁部(壁部)32sと、外側壁部(壁部)32tと、を有する。
インシュレータ本体部32fは、径方向に延びる角筒状である。インシュレータ本体部32fには、径方向に貫通する貫通孔32hが設けられる。貫通孔32hには、ティース部31bが通される。したがって、インシュレータ本体部32fは、ティース部31bを囲む。
内側壁部32sは、インシュレータ本体部32fの径方向内側の端部から軸方向に拡がる。同様に、外側壁部32tは、インシュレータ本体部32fの径方向外側の端部から軸方向に拡がる。内側壁部32sおよび外側壁部32tは、径方向から視て、貫通孔32hを囲む矩形枠状である。内側壁部32sおよび外側壁部32tは、板面が径方向と直交する板状である。
図2に示すように、コイル40は、多層に巻き回されたコイル線41からなる。複数のコイル40は、インシュレータ32を介してティース部31bにそれぞれ装着される。コイル40は、内側壁部32sと外側壁部32tとの径方向の間に位置する。すなわち、内側壁部32sおよび外側壁部32tは、コイル40を径方向両側からガイドする。内側壁部32sおよび外側壁部32tは、コイル40がインシュレータ32から径方向に離脱することを抑制する。
複数のコイル40のうち一部のコイル40同士は、渡り線40cを介して互いに繋がっている。渡り線40cは、コイル40の軸方向一方側に位置する。またコイル線41は、コイル40同士の間で、周方向に沿って延びる。渡り線40cは、例えば熱収縮チューブによって被覆することで互いに絶縁されている。
図1に示すように、コイル40には、軸方向一方側に延びる引出部41aが設けられる。引出部41aは、コイル40を構成するコイル線41の末端に位置する。引出部41aは、ハウジング11のベアリング保持壁部11dに設けられる通過孔11hを通過する。引出部41aは、ハウジング11の外側に引き出されてバスバー又は回路基板を介して外部電源などに接続される。
図4は、本実施形態のステータ30の断面図である。
本実施形態のステータ30には、12個のコイル40が設けられる。また、周方向に隣り合うティース部31b同士の間には、スロットSが設けられる。1つのスロットSには、周方向に隣り合う2つのコイル40の一部がそれぞれ配置される。
12個のコイル40は、6個の第1コイル40Aと6個の第2コイル40Bとに分類される。第1コイル40Aと第2コイル40Bとは、周方向において交互に配置される。したがって、第1コイル40Aと第2コイル40Bとは、スロットSにおいて互いに隣接する。
第1コイル40Aと第2コイル40Bとは、ともにコイル線41を多層に巻くことで構成される。第1コイル40Aと第2コイル40Bとは、コイル線41の巻き方が互いに異なる。
第1コイル40Aは、軸方向から見て矩形状に構成される。第1コイル40Aにおいて、コイル線41は、ティース部31bの先端側から基端側に向かって一様な層数で巻かれる。すなわち、第1コイル40Aは、コイル線41の巻き数が径方向に沿って一様である。
第2コイル40Bは、軸方向から見て台形状に構成される。第2コイル40Bにおいて、コイル線41は、ティース部31bの先端側から基端側に向かって層数が大きくなるように巻かれる。すなわち、第2コイル40Bは、コイル線41の巻き数が径方向外側に向かうに従い増加する。
ここで、第1コイル40Aおよび第2コイル40Bについての「コイル線の巻き数」とは、径方向の特定の位置におけるコイル40の局所的な巻き数(すなわち、層数)であって、1つのコイル全体(径方向内側から径方向外側の全領域)の総巻き数を意味するものではない。
なお、第1コイル40Aのコイル線41の総巻き数と第2コイル40Bのコイル線41の総巻き数とは、互いに等しい。また、第1コイル40Aおよび第2コイル40Bを構成するコイル線41は、互いに同種のコイル線である。このため、第1コイル40Aの形成する磁界の磁束密度と、第2コイル40Bの形成する磁界の磁束密度は、略等しい。
コイル40には、巻き線工程において、コイル線41に若干の巻き乱れが生じ得る。したがって、第1コイル40Aは、全体的に見て概ね、径方向に沿う巻き数が一様であれば、厳密な意味で巻き数が一定でなくてもよい。本実施形態において、コイル線41の巻き乱れは、最大でコイル線41の2本分程度と考えられる。したがって、第1コイル40Aは、ティースの中心からコイル最外周までの距離のばらつきが、コイル線径の2倍以内であれば、径方向に沿う巻き数が一様とみなす。
同様に、第2コイル40Bは、コイル線41の巻き乱れを考慮して、全体的に見て概ね、巻き数が径方向外側に向かうに従い増加するものであればよい。第2コイル40Bは、径方向外側に向かって部分的に巻き数が減少する部分があったとしても、減少部分の外形の段差寸法がコイル線径の2倍以内であればよい。
図2に示すように、被覆部50は、第1コイル40Aの外周面を覆う。このため、第1コイル40Aは、周方向両端面および軸方向両端面が被覆部50に覆われる。一方で、第2コイル40Bの外周面には、被覆部が設けられない。このため、第2コイル40Bの周方向両端面は、スロットS側に露出する。
被覆部50は、絶縁性の材料から構成される。本実施形態の被覆部50は、絶縁性の熱収縮チューブである。被覆部50は、径方向に延びるチューブ状である。被覆部50は、収縮前に第1コイル40Aに被せ加熱することで第1コイル40Aの外周面に隙間なく密着する。第1コイル40Aは、収縮に伴い、第1コイル40Aの外周面に沿って波状に変形して第1コイル40Aの外周面を覆う。
被覆部50は、熱可塑性樹脂から構成されることが好ましい。本実施形態の被覆部50を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタラート(PET)を採用することが好ましい。ポリエチレンテレフタラートは、耐油性が高く、モータ10の内部を通過する冷媒としてオイルを採用する場合であっても劣化の進行が抑制される。また、冷媒を用いない場合などには、被覆部50を構成する材料として、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を採用することもできる。
図5は、図4の部分拡大図であって、1つのスロットSの近傍を示す図である。
スロットSには、第1コイル40Aの一部と第2コイル40Bの一部とが配置される。スロットSにおいて、第1コイル40Aの周端面は被覆部50に覆われ、第2コイル40Bの周端面はスロットS側に露出する。このため、スロットSにおいて、第1コイル40Aの周端面と第2コイル40Bの周端面との間には、絶縁性の被覆部50が配置される。被覆部50は、第1コイル40Aと第2コイル40Bとを互いに絶縁する。
なお、本明細書において周端面とは、周方向を向く端面を意味する。
本実施形態では、ステータ30の全てのスロットSにおいて、一方のコイル40(本実施形態では第1コイル40A)の周端面は被覆部50に覆われ、他方のコイル40(本実施形態では第2コイル40B)の周端面はスロットS側に露出する。このため、本実施形態によれば、全てのスロットSにおいて、コイル40同士の絶縁を確保できる。しかしながら、周方向に隣り合うティース部31b同士の間の少なくとも1つのスロットSにおいて、上述の関係を有していれば、そのスロットSにおいてコイル40同士の絶縁を確保できる。したがって、被覆部50は、少なくとも一部のコイル40の外周面を覆うものであればよい。
また、本実施形態では、全てのスロットSにおいて第1コイル40Aと第2コイル40Bとが隣接する。このため、全てのスロットSにおいて、コイル40同士の絶縁を確保できる。しかしながら、少なくとも1つのスロットSにおいて第1コイル40Aと第2コイル40Bとが隣接していれば、そのスロットSにおいてコイル40同士の絶縁を確保できる。
本実施形態によれば、スロットS内で周方向に対向する2つのコイル40のうち一方のコイル40の周端面にのみ被覆部50を設けることで、2つのコイル40の絶縁を確保できる。本実施形態によれば、被覆部50の使用数を減らすことができ、部品コストを削減するとともに、被覆部50を成形する工程を削減することができ、ステータ30の製造コストの削減を図ることができる。
本実施形態によれば、第1コイル40Aの周方向両端面が、被覆部50に覆われる。1つの被覆部50によって、第1コイル40Aとその周方向両側に配置されるコイル40(本実施形態では第2コイル40B)との絶縁を確保できる。このため、全てのコイル40に被覆部50を設ける場合と比較して、被覆部50を設けるコイル40の数を減らすことができる。このため、被覆部50を成形する工程を削減することができ、ステータ30の製造コストの削減を図ることができる。
本実施形態によれば、周方向両端面に被覆部50が設けられる第1コイル40Aと、被覆部50が設けられない第2コイル40Bとが、周方向に交互に配置される。このため、必要最低限の被覆部50の数量で、全てのスロットSで隣り合うコイル40同士の絶縁を確保できる。
本実施形態において、ステータ30のスロットSには、冷媒が通過する。本実施形態によれば、被覆部50がコイル40に密着している。このため、被覆部50がスロットS内の冷媒の流動を妨げることを抑制できる。さらに、本実施形態によれば、被覆部50がコイル40に一体的に密着するため、冷媒の流動によって被覆部50が離脱することを抑制できる。
コイル40は、インシュレータ32に巻き付けられた状態で、インシュレータ32とともにティース部31bに装着される。本実施形態において、複数のコイル40は、第2コイル40B、第1コイル40Aの順で、ティース部31bに装着される。ただし、スロットSの空間が十分に広い場合には、複数のコイル40は、第1コイル40A、第2コイル40Bの順で、ティース部31bに装着されてもよい。
以下に、コイル40をティース部31bに装着する手順について具体的に説明する。
まず、第1コイル40Aを装着するインシュレータ32と、第2コイル40Bを装着するインシュレータ32と、をそれぞれ6個ずつ用意する。次に、インシュレータ32にコイル線41を巻き付け、第1コイル40Aと第2コイル40Bとをそれぞれ形成する。
さらに、第1コイル40Aの外周面に被覆部50を設ける。本実施形態の被覆部50は、熱収縮チューブである。このため、まず収縮前の被覆部50を第1コイル40Aの外周面に被せ、被覆部50に熱を加えて収縮させる。
次いで、第2コイル40Bをインシュレータ32とともに、径方向内側からティース部31bに装着する。このとき、6個の第2コイル40Bは、12個のティース部31bのうち周方向に1個飛ばしの6個のティース部31bに装着される。
次いで、第1コイル40Aをインシュレータ32とともに、径方向内側から残りのティース部31bに装着する。これにより、第1コイル40Aと第2コイル40Bとが、周方向に交互に配置される。
本実施形態の被覆部50は、第1コイル40Aの外周面に密着して第1コイル40Aと一体化し第1コイル40Aとともに1つの構成部材として扱われる。このため、隣接するコイルの間に絶縁紙を配置する場合と比較して、被覆部50が第1コイル40Aから離脱することを抑制できる。結果的に、ステータ30の組み立て工程の簡素化を図ることができる。加えて、被覆部50が、第1コイル40Aを覆うことで第1コイル40Aが保護され、組み立て時にコイル線41のエナメル被覆などに傷が生じることを抑制できる。
本実施形態によれば、第1コイル40Aは、コイル線41の巻き数が径方向に沿って一様であるため、軸方向から見て矩形状である。このため、第1コイル40Aは、その外周面への被覆部50の装着が容易である。特に、本実施形態に示すように被覆部50が熱収縮チューブである場合、被覆部50で第1コイル40Aの周囲を囲んだ状態で均一に収縮させることで、第1コイル40Aの外周面を確実に被覆できる。さらに、第1コイル40Aは、軸方向から見て矩形状であるため、第2コイル40Bのように軸方向から見て台形状である場合と比較して、被覆部50が径方向内側から離脱し難い。このため、コイル40同士の絶縁の信頼性を高めることができる。
上述したように、第2コイル40Bは、コイル線41の巻き数が径方向外側に向かうに従い増加するため、軸方向から見て台形状である。第2コイル40Bと隣り合う第1コイル40Aは、軸方向から見て矩形状であるため、第2コイル40Bが収容される空間は、軸方向から見て台形状である。本実施形態によれば、第2コイル40Bを台形状としているため、コイル線41の占積率が高められる。
本実施形態において、第1コイル40Aの軸方向一方側および他方側の端面は、被覆部50に覆われる。このため、第1コイル40Aの軸方向一方側に位置する渡り線40cなど、第1コイル40Aの軸方向一方側又は他方側に配置される導電性の部材と、第1コイル40Aとの絶縁性を確保できる。
図1に示すように、コイル40は、軸方向において、ベアリング保持壁部11dと底壁部11cとの間に配置される。すなわち、第1コイル40Aは、ベアリング保持壁部11dおよび底壁部11cと軸方向に対向して配置される。被覆部50は、第1コイル40Aの軸方向一方側の端面とベアリング保持壁部11dとの間、および第1コイル40Aの軸方向他方側の端面と底壁部11cとの間に配置される。このため、被覆部50は、第1コイル40Aと底壁部11cおよびベアリング保持壁部11dとの間の絶縁性を高めることができる。
図1に示すように、ベアリング保持壁部11dには、ベアリング15から径方向に沿って放射状に延びる複数のリブ11kを有する。同様に、底壁部11cは、ベアリング16から径方向に沿って放射状に延びる複数のリブ11tを有する。図3に示すように、被覆部50が設けられる第1コイル40Aは、軸方向から見て、リブ11k、11tに重ねて配置される。ベアリング保持壁部11dおよび底壁部11cは、リブ11k、11tにおいて、コイル40に最も近づくため、コイル40との間で放電が生じやすい。本実施形態によれば、複数のコイル40のうち、軸方向から見てリブ11k、11tに重なって配置される第1コイル40Aに被覆部50が設けられる。このため、リブ11k、11tからコイル40への放電が抑制される。
図1に示すように、被覆部50は、インシュレータ32の内側壁部32sおよび外側壁部32tの軸方向一方側の先端より軸方向他方側に位置し、内側壁部32sおよび外側壁部32tの軸方向他方側の先端より軸方向一方側に位置する。このため、被覆部50によってステータ30が軸方向に大型化することを抑制できる。
図6は、第1コイル40Aを周方向一方側から見る模式図である。図6において、被覆部50を破線で示す。
上述したように、コイル40には、コイル40から軸方向一方側に延び出る引出部41aが設けられる。コイル40を構成するコイル線41は、引出部41aに繋がる最外層コイル端部41bを有する。すなわち、コイル線41は、最外層コイル端部41bと、最外層コイル端部41bからコイル40の軸方向一方側に直線状に延び出る引出部41aと、を有する。最外層コイル端部41bは、コイル40の最外層において径方向最外端に位置する。最外層コイル端部41bは、コイル40の巻き終わり部分に対応する。
被覆部50は、最外層コイル端部41bおよび引出部41aのうち少なくとも一方の少なくとも一部を被覆することが好ましい。引出部41aは、コイル40に対して軸方向一方側で、バスバー又は回路基板などの別部材に接続される。引出部41aは、長くなるに従い倒れやすくなり、別部材との接続作業が困難になる。被覆部50は、最外層コイル端部41b又は引出部41aを被覆することで、引出部41aをガイドして引出部41aの倒れを抑制する。これにより、引出部41aと別部材との接続工程の作業性を高めることができる。
<変形例>
図7~図9は、それぞれ上述の実施形態のモータ10に採用可能な変形例1~3のステータ130、230、330の部分断面模式図である。
各変形例のステータ130、230、330は、上述の実施形態と比較して、被覆部150、250、350の構成が異なる。各変形の被覆部150、250、350においても、上述の実施形態と同様に、第1コイル40Aと第2コイル40Bとを互いに絶縁することができるとともに、ステータ130、230、330の組み立ての作業性向上に寄与する。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図7に示す変形例1のステータ130は、第1コイル40Aの外周面を覆う被覆部150を有する。本変形例の被覆部150は、絶縁性のテープである。被覆部150は、帯状のシート材である。被覆部150の一方の面には、接着層が設けられる。被覆部150は、第1コイル40Aの外周面に接着層を対向させ外周面に巻き付けられることで外周面を覆う。
図8に示す変形例2のステータ230は、第1コイル40Aの外周面を覆う被覆部250を有する。本変形例の被覆部250は、モールド樹脂である。被覆部250は、インシュレータ32に第1コイル40Aを装着した状態で金型内に格納し、射出成型することで成形される。
図9に示す変形例3のステータ330は、第1コイル40Aの外周面を覆う被覆部350を有する。本変形例の被覆部350は、絶縁塗料である。絶縁塗料としては、粉体塗装、ワニスなどが例示できる。被覆部350は、インシュレータ32に第1コイル40Aを装着した状態で第1コイル40Aの外周面に、絶縁塗料を塗布し硬化させることで成形される。
<圧縮機>
図10は、本実施形態のモータ10が設けられた圧縮機(コンプレッサ)100の概略図である。本実施形態の圧縮機100は、モータ10と、モータ10の下側に位置する圧縮機構部101と、ケース109と、アキュムレータ108と、を備える。
圧縮機構部101は、偏心ロータ103と、偏心ロータ103を囲むシリンダ102と、を有する。偏心ロータ103は、モータ10のシャフト21に接続されてモータ10の駆動に伴い回転する。
ケース109は、モータ10と圧縮機構部101とを収容する。ケース109には、吸入管104および吐出管105が接続される。ケース109の内部の潤滑油溜め107には、潤滑油が供給され、圧縮機構部101の動作を円滑にする。
アキュムレータ108には、冷媒と潤滑油とが分離された状態で貯留される。アキュムレータ108において分離された冷媒は、吸入管104を介してケース109内部の圧縮機構部101に供給される。
圧縮機100は、モータ10の駆動に伴い圧縮機構部101の偏心ロータ103を回転させる。これにより、圧縮機100は、圧縮機構部101において、冷媒を吸入管104からシリンダ102内に吸入して圧縮する。圧縮された冷媒は、モータ10の周囲および内側を通って、ケース109の上部に設けられた吐出管105から吐出される。
以上に、本発明の実施形態およびその変形例を説明したが、実施形態および変形例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
例えば、上述の実施形態では、インナーロータ型のモータについて説明したが、アウターロータ型のモータにおいて上述の構成を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、ステータコア31は、一体コアであるが、図4に示すように、周方向に沿って複数のコアピース139が連結される分割コアであってもよい。
また、上述の実施形態では、圧縮機に搭載されるモータについて説明したが、ウォータポンプやオイルポンプに搭載されるモータにおいて同様の構成を採用してもよい。
10…モータ、11…ハウジング、11a…筒部、11c…底壁部(底部)、11d…ベアリング保持壁部(底部)、20…ロータ、30,130,230,330…ステータ、31a…コアバック部、31b…ティース部、32…インシュレータ、32s…内側壁部(壁部)、32t…外側壁部(壁部)、40…コイル、40A…第1コイル、40B…第2コイル、41…コイル線、41a…引出部、41b…最外層コイル端部、50,150,250,350…被覆部、J…中心軸線、S…スロット

Claims (11)

  1. 中心軸線を中心とする環状のコアバック部と、
    前記コアバック部から径方向一方側に延び周方向に並ぶ複数のティース部と、
    多層に巻き回されたコイル線からなりインシュレータを介して前記ティース部に装着される複数のコイルと、
    少なくとも一部の前記コイルの外周面を覆う絶縁性の被覆部と、を有し、
    周方向に隣り合う前記ティース部同士の間の少なくとも1つのスロットにおいて、周方向に対向する一対の前記コイルのうち、一方の前記コイルの周端面は前記被覆部に覆われ、他方の前記コイルの周端面は前記スロット側に露出する、
    ステータ。
  2. 複数の前記コイルは、
    周方向両端面が前記被覆部に覆われる第1コイルと、
    周方向両端面が前記スロット側に露出する第2コイルと、を有し、
    少なくとも1つの前記スロットにおいて前記第1コイルと前記第2コイルとが隣接する、
    請求項1に記載のステータ。
  3. 前記第1コイルと前記第2コイルとは、周方向に交互に配置される、
    請求項2に記載のステータ。
  4. 前記第1コイルは、前記コイル線の巻き数が径方向に沿って一様であり、
    前記第2コイルは、前記コイル線の巻き数が径方向外側に向かうに従い増加する、
    請求項3に記載のステータ。
  5. 前記第1コイルの軸方向一方側を向く端面は、前記被覆部に覆われる、
    請求項2~4の何れか一項に記載のステータ。
  6. 中心軸線に沿って延びる筒部および前記筒部の軸方向一方側の開口を覆う底部を有するハウジングに収容され、
    前記第1コイルは、前記底部と軸方向に対向して配置される、
    請求項5に記載のステータ。
  7. 前記インシュレータは、前記コイルを径方向からガイドする壁部を有し、
    前記被覆部は、前記壁部の軸方向一方側の先端より軸方向他方側に位置する、
    請求項1~6の何れか一項に記載のステータ。
  8. 前記コイル線は、
    前記コイルの最外層において径方向最外端に位置する最外層コイル端部と、
    前記最外層コイル端部から前記コイルの軸方向一方側に直線状に延び出る引出部と、を有し、
    前記被覆部は、前記最外層コイル端部および前記引出部のうち少なくとも一方の少なくとも一部を被覆する、
    請求項1~7の何れか一項に記載のステータ。
  9. 前記被覆部は、熱収縮チューブ、テープ、モールド樹脂、および絶縁塗料の何れか一つである、
    請求項1~8の何れか一項に記載のステータ。
  10. 請求項1~9の何れか一項に記載のステータと、
    径方向において前記ステータに対向するロータと、
    前記ステータおよび前記ロータを収容するハウジングと、を有する、
    モータ。
  11. 前記ハウジング内には、前記ステータの軸方向一方側から他方側に向かって冷媒が流れ、
    前記冷媒は、前記スロットを通過する、
    請求項10に記載のモータ。
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WO2024209988A1 (ja) * 2023-04-06 2024-10-10 サンデン株式会社 電動圧縮機用モータ、及び、その製造方法、及び、それを備えた電動圧縮機

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