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JP2022045950A - 異収縮混繊糸及びこれを用いてなる布帛 - Google Patents

異収縮混繊糸及びこれを用いてなる布帛 Download PDF

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JP2022045950A
JP2022045950A JP2020151727A JP2020151727A JP2022045950A JP 2022045950 A JP2022045950 A JP 2022045950A JP 2020151727 A JP2020151727 A JP 2020151727A JP 2020151727 A JP2020151727 A JP 2020151727A JP 2022045950 A JP2022045950 A JP 2022045950A
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貴大 矢野
Takahiro Yano
良夫 天木
Yoshio Amagi
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Kuraray Trading Co Ltd
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Kuraray Trading Co Ltd
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Abstract

【課題】嵩高性や反発性、防透け性に優れ、ストレッチ性を有する布帛を得ることができるポリエステル系異収縮混繊糸及びこれを用いてなる布帛を提供する。【解決手段】ポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aと、酸化チタン微粒子を1.0重量%以上15.0重量%以下含有するポリエステル弛緩熱処理糸条Bとが混繊交絡されてなる異収縮混繊糸であり、糸長差L12が20%以上40%以下である、異収縮混繊糸。【選択図】なし

Description

本発明は熱処理によって捲縮を発現するポリエステルコンジュゲート延伸糸条と自発伸長性を有するポリエステル弛緩熱処理糸条からなる異収縮混繊糸に関し、具体的には嵩高性や反発性、防透け性に優れ、かつストレッチ性を有する異収縮混繊糸及びこれを用いてなる布帛に関する。
一般衣料を始め、医療分野に用いられる白衣やスポーツ分野で用いられるウエアーなど各種用途では、防透け性を向上させた透けにくい材料が求められている。また、防透け性と同時に、着用時の快適性も求められる。着用時の快適性は材料の嵩高性や反発性、ストレッチ性を向上させることにより、高めることができる。
従来から嵩高性に優れた糸条として、自発伸長性繊維を用いた異収縮混繊糸が知られている。しかし、単に芯糸に高収縮糸、側糸に低収縮糸を用いただけでは、糸長差の発現が小さく、嵩高性の点では不十分であった。
そこで、ポリエステルフィラメントを用いた布帛に嵩高性を付与する方法として、低収縮成分に弛緩熱処理糸条を用いた異収縮混繊糸が種々提案されており、例えば、特許文献1(特開平11-107091号公報)では、異収縮混繊糸を使用することによって、弛緩熱処理糸条が染色加工工程での熱処理によって伸長するため、芯糸との間に高い糸長差が生まれ、嵩高性が付与されることが開示されている。
特開平11-107091号公報
しかしながら、特許文献1に記載の混繊糸は、防透け性の点では不十分であるという問題があった。また、熱処理弛緩糸条は反発感やストレッチ性には寄与しないため、これらの風合いを実現するためには芯糸である高収縮成分の糸条が制限されるという問題があった。
一方、防透け性に優れた糸条として、酸化チタン微粒子を含有したポリエステルフィラメント糸が知られており、例えば、芯部に酸化チタン微粒子を含有したポリエステル系芯鞘複合繊維からなる2種類以上の異なる断面形状のポリエステル混繊糸が開示されている(例えば、特開2008-81862号公報)。しかしながら上記のポリエステル混繊糸を使用した布帛は、嵩高性や防透け性は向上するものの、反発性やストレッチ性は不十分であった。
そこで、本発明は、嵩高性だけでなく、防透け性、反発性、ストレッチ性に優れたポリエステル系異収縮混繊糸およびこれを用いてなる布帛を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
[1]ポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aと、酸化チタン微粒子を1.0重量%以上15.0重量%以下含有するポリエステル弛緩熱処理糸条Bとが混繊交絡されてなる異収縮混繊糸であり、糸長差L12が20%以上40%以下である、異収縮混繊糸。
[2]前記ポリエステル弛緩熱処理糸条Bが、異型断面形状を有する、前記[1]に記載の異収縮混繊糸。
[3]前記ポリエステル弛緩熱処理糸条Bの自発伸長率が0.5%以上7.0%以下である、前記[1]または[2]に記載の異収縮混繊糸。
[4]前記[1]~[3]のいずれかに記載の異収縮混繊糸を少なくとも一部に用いてなる、布帛。
[5]JIS L 1923「繊維製品の防透け性評価方法」B法(計器法)により測定される防透け指数が93以上である、前記[4]に記載の布帛。
本発明によれば、嵩高性だけでなく、防透け性、反発性、ストレッチ性に優れたポリエステル系異収縮混繊糸およびこれを用いてなる布帛を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
(ポリエステルコンジュゲート延伸糸条A)
本発明の異収縮混繊糸は、熱処理によって捲縮を発現するという潜在捲縮性を有するポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aと、酸化チタン微粒子を含有するポリエステル弛緩熱処理糸条Bとが混繊交絡されてなるものだが、まず芯糸となるポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aについて説明する。
なお、ここで言う熱処理とは、10gの荷重を掛け90℃の熱水にて30分間処理を行った後、一昼夜乾燥を行うことである。その時、熱処理前の糸条長に対し、熱処理後の糸条長が、1%以上収縮したものを、潜在捲縮性を有するものといい、10%以上収縮することが好ましい。
本発明の異収縮混繊糸を構成するポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aは、第3成分を0.5モル%以上10モル%以下の割合で共重合してなるポリエステル(a)と、極限粘度0.45以上0.57以下のポリエステル(b)とからなる、サイドバイサイド型複合繊維の延伸糸条であることが好ましい。
ポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aを構成する各フィラメントが、前述したポリエステル(a)およびポリエステル(b)によりサイドバイサイド型に接合されて形成されていることにより、製編織して得られる布帛の反発性やハリ、コシを格段に向上させることができる。
ポリエステル(a)に共重合される第3成分として、イソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、脂環骨格を有するジオール等を挙げることができ、これらは1種のみならず2種以上が共重合されていてもよい。脂環骨格を有するジオールとしてはトリシクロデカンジメタノール(TCDDM)、トリシクロデカンジエタノール、パーヒドロジメタノナフタレンジメタノール、パーヒドロジメタノナフタレンジエタノール等を挙げることができる。第3成分の共重合割合は3モル%以上9モル%以下であることがより好ましい。また、ポリエステル(a)は、極限粘度が0.65以上0.85以下の範囲であることが好ましい。極限粘度が上記下限値未満ではポリエステル(b)との粘度バランスが崩れ捲縮性が悪化する場合がある。また、極限粘度が上記上限値を超えると、ポリエステル(b)との粘度バランスが崩れ製糸性が悪化する場合がある。製糸性および捲縮性の観点から、ポリエステル(a)の極限粘度は、より好ましくは0.67以上0.83以下、さらに好ましくは0.70以上0.80以下である。
ポリエステル(b)は、極限粘度が0.45以上0.57以下の範囲であることが好ましい。極限粘度が上記下限値未満では、ポリエステル(a)との粘度バランスが崩れ製糸性が悪化する場合がある。また、極限粘度が上記上限値を超えると、ポリエステル(a)との粘度バランスが崩れ捲縮性が悪化する場合がある。製糸性および捲縮性の観点から、ポリエステル(b)の極限粘度は、より好ましくは0.47以上0.55以下、さらに好ましくは0.49以上0.53以下である。
なお、本発明における極限粘度とは、溶媒としてフェノール/テトラクロロエタン(体積比1/1)混合溶媒を用い、30℃でウベローデ型粘度計(林製作所製HRK-3型)を用いて測定されるものである。
本発明でいうポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等の常法によって製造されたものであり、本発明の効果を損なわない限り、触媒、艶消剤、酸化防止剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。
高粘度側のポリエステル(a)と低粘度側のポリエステル(b)の重量比率としては、該糸条Aおよび後述する糸条Bで構成される異収縮混繊糸を少なくとも一部に用いることにより得られる布帛の風合いの観点から(a):(b)=30:70~70:30の範囲が好ましく、35:65~65:35の範囲であることがより好ましい。
本発明におけるポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aは、上記のようなフィラメント群で構成されるが、各フィラメントの繊度(単糸繊度)は2~11dtexであることが好ましく、より好ましくは2.5~6.6dtexである。単糸繊度が上記下限値未満になると、前記のように得られる布帛の反発性やハリ、コシが不十分となる場合があり、上記上限値を超えると布帛が硬くなる場合がある。また、ポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aが延伸糸条でない場合は、布帛の形態が外力によって変形しやすくなる場合がある。
延伸糸条とは、一般には常法で紡糸、延伸された糸条をいうが、本発明ではこのような糸条ばかりでなく、延伸糸条並みの強伸度特性を有する糸条も含まれる。すなわち、本発明における延伸糸条とは潜在捲縮性を有し、強度1.5cN/dtex以上、伸度50%以下で、かつ、本発明の要件を満足するものであれば、どのような製法で得られたものでもよい。
なお、ポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aは、例えば、上述したポリエステル(a)とポリエステル(b)のような2種類のポリエステルをそれぞれ計量しながらサイドバイサイド型複合紡糸装置に供給し、常法にしたがって紡糸、延伸することにより製造することができる。
また、ストレッチ性の観点から、ポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aは沸水収縮率(Wsr)よりも捲縮率(K1値)が高いことが好ましく、より好ましくは沸水収縮率が20%未満、かつ捲縮率が20%以上、さらに好ましくは沸水収縮率が10%未満、かつ捲縮率が10%以上である。なお、沸水収縮率(Wsr)、捲縮率(K1値)は以下に記載された方法により測定されるものである。
[沸水収縮率(Wsr)]
1周1mの検尺機で繊維試料を10回巻き取り、無荷重状態で一昼夜放置した。その後試料に繊度の二倍の荷重を掛け、30秒後の測定値(La)を読み取った。試料を100℃の熱水にて30分間処理し、一昼夜乾燥させた後、繊度の二倍の荷重を掛け、30秒後の測定値(Lb)を読み取り、下記の式より沸水収縮率(Wsr)を求めた。
沸水収縮率(Wsr)[%]={(La-Lb)/La}×100
[捲縮率(K1)]
計45gとなるように1周80cmの検尺機を用いて繊維試料を採取し、10gの荷重を掛け90℃の熱水にて30分間処理を行った後、一昼夜乾燥を行った。10gの荷重を試料に掛け、測定台のフックに掛け、すぐに測定値(Lc)を読み取った後、更に990gの荷重を掛け、30秒後に測定値(Ld)を読み取った。下記の式により、捲縮率(K1)を求めた。
捲縮率(K1)[%]={(Ld-Lc)/Ld}×100
(ポリエステル弛緩熱処理糸条B)
次に、ポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aとともに本発明の異収縮混繊糸を構成するポリエステル弛緩熱処理糸条Bについて説明する。
ポリエステル弛緩熱処理糸条とは、沸水収縮率、又は100~190℃の乾熱中での乾熱収縮率が0%以下となる自発伸長性を有するポリエステルマルチフィラメント糸条をいう。したがって、このような自発伸長性を有するポリエステルマルチフィラメント糸条であれば特に制限されることなく、本発明に適用することができる。
従来の自発伸長性を有する糸条には、沸水収縮率、乾熱収縮率共に0%以下のものや、沸水収縮率は0%より高く、100℃よりも高い温度での乾熱収縮率は0%以下といったもの等、種々のものがあり、本発明においてはいずれも採用することができるが、前記のように得られる布帛に嵩高性や防透け性を十分に発現させるためには、次のような弛緩熱処理糸条が好ましい。すなわち、まず、90~135℃の熱水処理により収縮せず、次にこの熱水処理した糸条を140~190℃の温度で乾熱処理したときに自発伸長する弛緩熱処理糸条が好ましい。これにより、本発明の異収縮混繊糸を用いた布帛を熱処理すれば、ポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aとポリエステル弛緩熱処理糸条Bとの糸長差L12が大きくなり、嵩高性や防透け性に優れたものとなる。
ポリエステル弛緩熱処理糸条Bの自発伸長率は0.5%以上7.0%以下であることが好ましい。より好ましくは1.0%以上3.0%以下である。自発伸長率が上記下限値未満では前記のように得られる布帛の嵩高性や防透け性が不十分になる場合があり、上記上限値を超えると、ふかつきが生じ、スナッグ性が低下し、消費性能が悪化する場合がある。なお、自発伸長率は後述する実施例に記載された方法により測定されるものである。
ポリエステル弛緩熱処理糸条Bの沸水収縮率や乾熱収縮率は特に限定されるものではないが、自発伸長性が高すぎると前記のように得られる布帛にふかつき感が生じるので、通常は沸水収縮率が0%~-3%、乾熱収縮率は-2%~-5%の範囲が好ましい。
なお、乾熱収縮率は、1周1mの検尺機で繊維試料を10回巻き取り、その後試料に繊度の二倍の荷重を掛け、30秒後の測定値(Le)を読み取った後、試料を乾燥機中に吊り下げ、190℃で10分間乾熱処理し、室温まで冷却後、繊度の二倍の荷重を掛け、30秒後の測定値(Lf)を読み取り、下記の式より求めた。
乾熱収縮率[%]={(Le-Lf)/Le}×100
また、糸長差L12は、嵩高性の観点から20%以上40%以下であることが重要であり、好ましくは25%以上35%以下である。
ここで糸長差L12は100℃での湿熱処理、及びその後に190℃での乾熱処理を行った後の、ポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aの糸長Lとポリエステル弛緩熱処理糸条Bの糸長Lとの差を示している。なお、糸長差L12は後述する実施例に記載された方法により測定されるものである。
また、ポリエステル弛緩熱処理糸条Bは、異形断面や中空断面、あるいは長さ方向に太細斑を有するフィラメント群からなるものであってもよく、構成ポリマーとしては、PET及び/又はPETを主体とする共重合ポリエステルが好ましい。なお、ポリエステル弛緩熱処理糸条Bは最終的には得られる布帛の表面にループ状に突出するので、その単糸繊度は好ましくは5.5dtex以下、さらには3.3dtex以下、特に1.6dtex以下が好ましい。
ポリエステル弛緩熱処理糸条Bの製法は特に限定されるものではなく、例えば、高速紡糸によって得られるポリエステル高配向未延伸糸を延伸するか又は延伸することなく高オーバーフィード率で弛緩熱処理することにより製造することができる。オーバーフィード率(過剰供給率)は、好ましくは20%以上30%以下である。
さらに、得られる布帛の防透け性の観点から、ポリエステル弛緩熱処理糸条Bは酸化チタン微粒子を1.0重量%以上15.0重量%以下含有することが重要である。酸化チタン微粒子の含有量は好ましくは1.5重量%以上3.0重量%以下である。
酸化チタン微粒子の平均粒子径は、得られる布帛の防透け性の観点から、0.2μm以上が好ましく、また、紡糸性の観点から、0.8μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.3μm以上0.6μm以下である。
防透け性は、JIS L 1923「繊維製品の防透け性評価方法」B法(計器法)により、乾燥状態の生地の防透け指数で測定したとき、防透け指数が93以上であることが好ましく、より好ましくは95以上である。
本発明の異収縮混繊糸は、前記したポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aとポリエステル弛緩熱処理糸条Bを交絡したものであるが、交絡数としては工程通過性や布帛の品位の面から20~100個/mが好ましい。また、交絡させる方法としては、ポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aとポリエステル弛緩熱処理糸条Bを引き揃えた状態で市販のインターレースノズルおよび/またはタスランレースノズルにて供給し、高圧流体の作用により交絡させる一般的方法を採用することができる。交絡処理時のオーバーフィード率は-1%~8%、流体の供給圧力は0.5~8kg/cmの範囲で適宜調整すればよい。
次に、本発明の異収縮混繊糸を用いた布帛およびその作製方法について説明する。
本発明における布帛としては、織物、経編物、丸編物、横編物のいずれでもよく、布帛の組織、密度も特に制限はない。他素材と複合する場合の複合方法としては、交織、交編、複合糸使用、経編における緯糸挿入など、いずれでも構わない。
本発明の異収縮混繊糸を用いた布帛の製造方法についても特に制限はなく、公知の織物、編物の製造方法を適用することができる。例えば、得られた異収縮混繊糸に0~2500T/mで追撚したものを経糸、緯糸に用いて、経糸密度80~100本/2.54cm、緯糸密度65~90本/2.54cmの2/2サージを製織し、通常の染色仕上加工を行うことで、織物を作製することができる。
また、例えば得られた異収縮混繊糸を24ゲージ以上36ゲージ以下のシングル丸編機で天竺組織を製編し、通常の染色加工を行うことで、編物を作製することができる。
以下に、実施例等により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるもではない。なお、実施例中における各物性は以下の方法によって測定した。
[糸長差L12
先ず、ポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aを1周1mの検尺機で試料を10回巻き取り、無荷重状態で一昼夜放置した。その後、試料を100℃の熱水にて30分間処理し、一昼夜乾燥させた。その後、試料を無荷重状態で190℃の乾燥機内に吊るし、10分放置した後、繊度の二倍の荷重を掛け、30秒後の測定値(L)を読み取った。同様に、ポリエステル弛緩熱処理糸条Bを処理し、測定値(L)を読み取った。下記の式により、糸長差L12を求めた。
糸長差L12(%)={(L-L)/L}×100
[自発伸長率]
先ず、ポリエステル弛緩熱処理糸条Bを1周1mの検尺機で繊維試料を10回巻き取り、無荷重状態で一昼夜放置した。その後試料に繊度の二倍の荷重を掛け、30秒後の測定値(Lg)を読み取った。試料を100℃の熱水にて30分間処理し、一昼夜乾燥させた後、試料を乾燥機中に吊り下げ、190℃で10分間乾熱処理し、室温まで冷却後、繊度の二倍の荷重を掛け、30秒後の測定値(Lh)を読み取り、下記の式より求めた。
自発伸長率(%)={(Lh-Lg)/Lg}×100
[嵩高性]
10人のパネラーによる官能試験を行い、生地を指先で掴んだときに感じる生地の膨らみ感があるものを「嵩高性に優れている」とし、優れていると判断したパネラーの人数で以下の4段階で評価した。
◎:優れていると判断したのが9人以上
○:優れていると判断したのが7人以上8人以下
△:優れていると判断したのが5人以上6人以下
×:優れていると判断したのが4人以下
[反発性]
10人のパネラーによる官能試験を行い、生地を掌で軽く掴んだとときに感じる生地からの反発感のあるものを「反発性に優れている」とし、優れていると判断したパネラーの人数で以下の4段階で評価した。
◎:優れていると判断したのが9人以上
○:優れていると判断したのが7人以上8人以下
△:優れていると判断したのが5人以上6人以下
×:優れていると判断したのが4人以下
[防透け性]
JIS L 1923「繊維製品の防透け性評価方法」B法(計器法)により、乾燥状態の生地の防透け指数で評価した。試験片をバッキング(白及び黒)の上に置き、それぞれについてのJIS Z 8781-4に規定する明度(L*)を測定し、その比によって防透け指数を算出した。
[ストレッチ性]
JIS L 1096「織物及び編物の生地試験方法」における伸び率B法(定荷重法)により、14.7Nの荷重を加え、生地の横方向の伸長率を測定した。
(実施例1)
第3成分としてTCDDMを6モル%共重合してなるポリエチレンテレフタレート(a)[極限粘度=0.74]と、ポリエステル(b)[極限粘度=0.51]を用いて、サイドバイサイド型にて重量比率(a):(b)=50:50で複合紡糸し、110dtex/12フィラメントのポリエステルコンジュゲート糸条を得た。
一方、常法により得られたポリエチレンテレフタレート[極限粘度=0.65]に酸化チタンを2.5重量%含有したポリエステルを十字断面を有する紡糸金口を用いて、2850m/分で紡糸原糸を得た。ついで、185℃、過剰供給率25%の条件で弛緩熱処理を施した98dtex/48フィラメントのポリエステル弛緩熱処理糸条Bを得た。
次に、上記のポリエステルコンジュゲート糸条をホットピンを通過させながら1.7倍延伸したポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aと、前述したポリエステル弛緩熱処理糸条Bを引き揃えて、350m/分の速度で、185℃熱セットをし、交絡処理を施し、165dtex/60フィラメントの異収縮混繊糸を得た。
得られた異収縮混繊糸に1000T/mで追撚したものを緯糸に、十字断面ポリエステルフィラメント84dtex/48フィラメントの双糸に200T/mで追撚したものを経糸に用いて、経糸密度88本/2.54cm、緯糸密度77本/2.54cmの2/2綾織物を製織し、通常の染色仕上加工を行った。得られた織物について、嵩高性、反発性、防透け性、ストレッチ性をそれぞれ評価した結果を表1に示す。
(実施例2)
常法により得られたポリエチレンテレフタレート[極限粘度=0.65]に酸化チタンを2.5重量%含有したポリエステルを丸断面を有する紡糸金口を用いて、2850m/分で紡糸原糸を得、ついで、185℃、過剰供給率25%の条件で弛緩熱処理を施した98dtex/48フィラメントのポリエステル弛緩熱処理糸条Bを得た以外は実施例1と同様に、異収縮混繊糸を得た。
その後、実施例1と同様に、織物を作製し、得られた織物について、嵩高性、反発性、防透け性、ストレッチ性をそれぞれ評価した結果を表1に示す。
(実施例3)
常法により得られたポリエチレンテレフタレート[極限粘度=0.65]に酸化チタンを2.5重量%含有したポリエステルを三角断面を有する紡糸金口を用いて、2850m/分で紡糸原糸を得、ついで、185℃、過剰供給率25%の条件で弛緩熱処理を施した98dtex/48フィラメントのポリエステル弛緩熱処理糸条Bを得た以外は実施例1と同様に、異収縮混繊糸を得た。
その後、実施例1と同様に、織物を作製し、得られた織物について、嵩高性、反発性、防透け性、ストレッチ性をそれぞれ評価した結果を表1に示す。
(実施例4)
常法により得られたポリエチレンテレフタレート[極限粘度=0.65]に酸化チタンを1.0重量%含有したポリエステルを十字断面を有する紡糸金口を用いて、2850m/分で紡糸原糸を得、ついで、185℃、過剰供給率25%の条件で弛緩熱処理を施した98dtex/48フィラメントのポリエステル弛緩熱処理糸条Bを得た以外は実施例1と同様に、異収縮混繊糸を得た。その後、実施例1と同様に、織物を作製し、得られた織物について、嵩高性、反発性、防透け性、ストレッチ性をそれぞれ評価した結果を表1に示す。
(実施例5)
常法により得られたポリエチレンテレフタレート[極限粘度=0.65]に酸化チタンを10.0重量%含有したポリエステルを十字断面を有する紡糸金口を用いて、2850m/分で紡糸原糸を得、ついで、185℃、過剰供給率25%の条件で弛緩熱処理を施した98dtex/48フィラメントのポリエステル弛緩熱処理糸条Bを得た以外は実施例1と同様に、異収縮混繊糸を得た。その後、実施例1と同様に、織物を作製し、得られた織物について、嵩高性、反発性、防透け性、ストレッチ性をそれぞれ評価した結果を表1に示す。
(実施例6)
常法により得られたポリエチレンテレフタレート[極限粘度=0.65]に酸化チタンを2.5重量%含有したポリエステルを十字断面を有する紡糸金口を用いて、2850m/分で紡糸原糸を得、ついで、185℃、過剰供給率20%の条件で弛緩熱処理を施した98dtex/48フィラメントのポリエステル弛緩熱処理糸条Bを得た以外は実施例1と同様に、異収縮混繊糸を得た。その後、実施例1と同様に、織物を作製し、得られた織物について、嵩高性、反発性、防透け性、ストレッチ性をそれぞれ評価した結果を表1に示す。
(実施例7)
常法により得られたポリエチレンテレフタレート[極限粘度=0.65]に酸化チタンを2.5重量%含有したポリエステルを十字断面を有する紡糸金口を用いて、2850m/分で紡糸原糸を得、ついで、185℃、過剰供給率30%の条件で弛緩熱処理を施した98dtex/48フィラメントのポリエステル弛緩熱処理糸条Bを得た以外は実施例1と同様に、異収縮混繊糸を得た。その後、実施例1と同様に、織物を作製し、得られた織物について、嵩高性、反発性、防透け性、ストレッチ性をそれぞれ評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
常法により得られたポリエチレンテレフタレート[極限粘度=0.65]に酸化チタンを0.1重量%含有したポリエステルを十字断面を有する紡糸金口を用いて、2850m/分で紡糸原糸を得、ついで、185℃、過剰供給率25%の条件で弛緩熱処理を施した98dtex/48フィラメントのポリエステル弛緩熱処理糸条Bを得た以外は実施例1と同様に、異収縮混繊糸を得た。その後、実施例1と同様に、織物を作製し、得られた織物について、嵩高性、反発性、防透け性、ストレッチ性をそれぞれ評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
常法により得られたポリエチレンテレフタレート[極限粘度=0.65]に酸化チタンを2.5重量%含有したポリエステルを十字断面を有する紡糸金口を用いて、2850m/分で紡糸原糸を得、ついで、185℃、過剰供給率12%の条件で弛緩熱処理を施した98dtex/48フィラメントのポリエステル弛緩熱処理糸条Bを得た以外は実施例1と同様に、異収縮混繊糸を得た。その後、実施例1と同様に、織物を作製し、得られた織物について、嵩高性、反発性、防透け性、ストレッチ性をそれぞれ評価した結果を表1に示す。
(比較例3)
常法により得られたポリエチレンテレフタレート[極限粘度=0.65]に酸化チタンを2.5重量%含有したポリエステルを十字断面を有する紡糸金口を用いて、2850m/分で紡糸原糸を得、ついで、185℃、過剰供給率35%の条件で弛緩熱処理を施した98dtex/48フィラメントのポリエステル弛緩熱処理糸条Bを得た以外は実施例1と同様に、異収縮混繊糸を得た。その後、実施例1と同様に、織物を作製し、得られた織物について、嵩高性、反発性、防透け性、ストレッチ性をそれぞれ評価した結果を表1に示す。
(比較例4)
ポリエチレンテレフタレート[極限粘度=0.65](c)を紡糸し、110dtex/12フィラメントのポリエステル糸条を得た。
一方、常法により得られたポリエチレンテレフタレート[極限粘度=0.65]に酸化チタンを2.5重量%含有したポリエステルを十字断面を有する紡糸金口を用いて、2850m/分で紡糸原糸を得た。ついで、185℃、過剰供給率25%の条件で弛緩熱処理を施した98dtex/48フィラメントのポリエステル弛緩熱処理糸条Bを得た。
次に、前記したポリエステル糸条をホットピンを通過させながら1.7倍延伸したポリエステル延伸糸条Cと、前述したポリエステル弛緩熱処理糸条Bを引き揃えて、350m/分の速度で、185℃熱セットをし、交絡処理を施し、165dtex/60フィラメントの異収縮混繊糸を得た。
その後、実施例1と同様に、織物を作製し、得られた織物について、嵩高性、反発性、防透け性、ストレッチ性をそれぞれ評価した結果を表1に示す。
Figure 2022045950000001

本発明の異収縮混繊糸は、一般衣料を始め医療分野白衣や食品分野白衣、スポーツ分野ウエアーなどに好適に利用できる。

Claims (5)

  1. ポリエステルコンジュゲート延伸糸条Aと、酸化チタン微粒子を1.0重量%以上15.0重量%以下含有するポリエステル弛緩熱処理糸条Bとが混繊交絡されてなる異収縮混繊糸であり、糸長差L12が20%以上40%以下である、異収縮混繊糸。
  2. 前記ポリエステル弛緩熱処理糸条Bが、異型断面形状を有する、請求項1に記載の異収縮混繊糸。
  3. 前記ポリエステル弛緩熱処理糸条Bの自発伸長率が0.5%以上7.0%以下である、請求項1または請求項2に記載の異収縮混繊糸。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の異収縮混繊糸を少なくとも一部に用いてなる、布帛。
  5. JIS L 1923「繊維製品の防透け性評価方法」B法(計器法)により測定される防透け指数が93以上である、請求項4に記載の布帛。
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