JP2022039999A - クランクプーリ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記クランク軸に取り付けられる前記内輪と前記外輪とは、クラッチ機構部とダンパ機構部とを介在させて連結されており、
前記クラッチ機構部は、前記内輪に対して摩擦係合する摩擦板と、前記摩擦板を付勢する弾性部とを備え、前記摩擦板は、前記内輪から所定以上の回転トルクが加わった際に前記摩擦係合が解除され、前記内輪を摺動する摩擦係数を有し、
前記ダンパ機構部は、伸縮可能なばね部材であり、前記クラッチ機構部と前記外輪との間に介装されている。
(I)クランク軸の駆動状態において、所定未満の回転トルクがクランク軸に伝達される場合、すなわち、クランク軸からクランクプーリ装置への通常トルク入力時は、クラッチ機構部において、弾性部に付勢された摩擦板と内輪とが強く摩擦係合したロック状態に維持され、且つ、ダンパ機構部において、ばね部材が伸縮変形(渦巻ばねなら、拡径変形又は縮径変形)する際に自己弾性復元力が作用することによって、クランク軸の(通常の)回転速度変動が効果的に緩和される。これにより、外輪に巻き付けられるベルトの張力の(通常の)変動が効果的に抑制されつつ、内輪から外輪へ回転トルクが円滑に伝達される。
(II)クランク軸の駆動状態において、所定以上の回転トルクがクランク軸に伝達される場合、すなわち、クランク軸からクランクプーリ装置への過大トルク入力時は、クラッチ機構部において、弾性部に付勢された摩擦板と内輪とが強く摩擦係合したロック状態から、摩擦係合が解除されて、摩擦板が内輪を摺動(スリップ)する係合解除状態に移行することによって、通常の回転トルクよりも過大な回転トルクを、クランク軸に取り付けられた内輪から外輪に伝達されないようにする。すなわち、その間、内輪と外輪との間に係合作用がほとんど働かない状態で内輪と外輪とが顕著に相対回転する。その結果、内輪から外輪へ伝達されるトルクのうち、通常トルクよりも過大なトルクが伝達されない。そのため、エンジン始動等によりクランク軸へ過大なトルクが入力される際に生じる、外輪に巻き付けられたベルトの張力の過大な増加やベルトの張力の過大な変動を効果的に抑制できる。
そして、上記(I)の効果を発揮する際には、クラッチ機構部において、ロック状態が維持される(係合解除状態にはならない)ことから、摩擦による異音の問題は生じない(特許文献1では、通常トルク入力時でも、ピストンがカム面を摺動して異音が発生していた)。
以下、本発明の実施形態に係るクランクプーリ装置1について説明する。
補機駆動ベルトシステム201は、図1に示すように、エンジンのクランク軸211に取り付けられたクランクプーリ装置1と、オルタネータ(ALT)の軸218に接続されたオルタネータプーリ212と、エアコン・コンプレッサ(AC)に接続されたACプーリ213とを有する。また、クランクプーリ装置1とオルタネータプーリ212とのベルトスパン間に、オートテンショナ(A/T)214が設けられる。
エンジンの出力は、Vリブドベルトのような1本のベルト215を介して、クランクプーリ装置1から時計回りに、オルタネータプーリ212、ACプーリ213に対してそれぞれ伝達されて、オルタネータ、エアコン・コンプレッサの各補機が駆動される。
クランクプーリ装置1は、図2及び図3に示すように、エンジンのクランク軸211に取り付けられる内輪2と、内輪2に対して相対回転可能に同心配置される外輪5と、内輪2と外輪5との間に介在されて連結されている、クラッチ機構部3及び渦巻ばね4(ダンパ機構部)とを備えている。このクランクプーリ装置1では、エンジンのクランク軸211に取り付けられた内輪2と外輪5との間で回転トルクの伝達を行う。
内輪2は、図3~図5に示すように、エンジンのクランク軸211が一体回転可能に取り付けられる筒状のボス部21と、ボス部21の後端から径方向外方に延びたリング状の外延部22とを有している(断面L字状に形成されている:図3参照)。
外輪5は、円筒状のプーリ部材であり、図3~図6に示すように、内筒部51と、内筒部51の外側に配置された外筒部52と、内筒部51の前端と外筒部52の前端とを連結する円環板部53とを有する(断面コ字状に形成されている:図3参照)。また、外筒部52の外周には、ベルト215が巻き掛けられるベルト溝521が形成されている。
外輪5の径方向に関しては、図3に示すように、外輪5は、滑り軸受63を介して内輪2(外周面)に相対回転可能に支持されている。この滑り軸受63は、予め(クランクプーリ装置1への組付け前に)、外輪5の内筒部51の内周面に相対回転不能に圧入されている。これにより、外輪5と内輪2との相対回転時には、滑り軸受63の内周面が内輪2(外周面)に対して摺動する。
渦巻ばね4は、図3及び図6に示すように、外輪5の内筒部51、外筒部52、及び円環板部53で囲まれた空間54内に収容され、外輪5(内筒部51)とクラッチ機構部3(第1ホルダー37)との間に介装している。この渦巻ばね4は、内輪2と外輪5との間で伝達される回転トルクの変動を吸収する役割を果たす。
クラッチ機構部3は、図3及び図5に示すように、皿ばね32(弾性部)で付勢された1対の摩擦板34・35が内輪2(外延部22)に対して摺動可能に摩擦係合するように(圧接された状態に)構成されている。具体的には、内輪2(外延部22)の前側には、第1ホルダー37、及び、摩擦板35が配置され、内輪2(外延部22)の後ろ側には、第2ホルダー31、皿ばね32、押え板33、及び、摩擦板34が配置される。このクラッチ機構部3は、内輪2と外輪5との間の過大な回転トルクの伝達を遮断する。
図1に示す補機駆動ベルトシステム201にクランクプーリ装置1を組み入れた場合のクランクプーリ装置1の動作について、エンジンのクランク軸211の常用回転域などクランク軸211へ入力されるトルクが通常の範囲内の場合と、エンジン始動等によりクランク軸211へ入力されるトルクが上記通常時よりも過大な場合とに分けて説明する。
クランク軸211へ入力されるトルクが通常の範囲内の場合、下記(i)、(ii)2つの場合がある。
内輪2の回転速度が外輪5の回転速度より速くなった場合、内輪2は、外輪5に対して回転方向(図4の矢印方向)と同じ方向に相対回転する。
クランクプーリ装置1に外力が付与されていない状態(静止時)を起点とすると、渦巻ばね4が拡径変形する。
そして、この渦巻ばね4が拡径変形すると、縮径方向の自己弾性復元力が次第に増加し、内輪2と外輪5との相対回転により生じた位相差を解消する方向の回動付勢力が内輪2と外輪5との間に付与される。
この時、クランク軸211へ入力されるトルクが通常の範囲内につき、クラッチ機構部3(クラッチ係合面)において、1対の摩擦板34・35と内輪2(外延部22)とが摺動(スリップ)しない程度の摩擦係合作用で、内輪2と外輪5とが周方向に弾性的に相対回転しながら内輪2から外輪5へ正(正回転方向)のトルクが伝達される。
これにより、従来(特許文献1)のクランクプーリ装置と同様に、ベルト215の張力変動を抑制することができる。
内輪2の回転速度が外輪5の回転速度より遅くなった場合、内輪2は、外輪5に対して回転方向(図4の矢印方向)と逆方向に相対回転する。
クランクプーリ装置1に外力が付与されていない状態(静止時)を起点とすると、渦巻ばね4が縮径変形する。
そして、この渦巻ばね4が縮径変形すると拡径方向の自己弾性復元力が次第に増加し、内輪2と外輪5との相対回転により生じた位相差を解消する方向の回動付勢力が内輪2と外輪5との間に付与される。
この時、クランク軸211へ入力されるトルクが通常の範囲内につき、クラッチ機構部3(クラッチ係合面)において、1対の摩擦板34・35と内輪2(外延部22)とが摺動(スリップ)しない程度の摩擦係合作用で、内輪2と外輪5とが周方向に弾性的に相対回転しながら内輪2から外輪5へ負のトルクが伝達される。
これにより、従来(特許文献1)のクランクプーリ装置と同様に、ベルト215の張力変動を抑制することができる。
クランク軸211へ入力されるトルクが上記通常時よりも過大な場合、内輪2の回転速度が外輪5の回転速度より顕著に速くなる(内輪2が急加速する)。
そうすると、渦巻ばね4が拡径変形し、縮径方向の自己弾性復元力が増加し、内輪2と外輪5との相対回転により生じた位相差を解消する方向の回動付勢力が内輪2と外輪5との間に付与される。
この時、クランク軸211へ入力されるトルクが上記通常トルクよりも過大なため、クラッチ機構部3(クラッチ係合面)において、1対の摩擦板34・35と内輪2(外延部22)とが摺動(スリップ)する。そして、この摺動後、再び1対の摩擦板34・35と内輪2(外延部22)とが強く摩擦係合したロック状態に転じ始めるまでの間、内輪2と外輪5との間に摩擦係合作用がほとんど働かない状態になり、内輪2と外輪5とが顕著に相対回転する(つまり、内輪2は急加速状態のまま空転し、外輪5は急加速しない)。
その結果、内輪2から外輪5へ伝達されるトルクのうち、通常トルクよりも過大なトルクが伝達されない。
(I)クランク軸211の駆動状態において、所定未満の回転トルクがクランク軸211に伝達される場合(クランク軸の常用回転域などクランク軸へ入力されるトルクが通常の範囲内の場合)、クラッチ機構部3において、皿ばね32に付勢された摩擦板34・35と内輪2(外延部22)とが強く摩擦係合したロック状態に維持され、且つ、渦巻ばね4が伸縮変形(拡径変形又は縮径変形)する際に自己弾性復元力が作用することによって、クランク軸211の(通常の)回転速度変動が効果的に緩和される。これにより、外輪5に巻き付けられるベルト215の張力の(通常の)変動が効果的に抑制されつつ、内輪2から外輪5へ回転トルクが円滑に伝達される。
上述の実施形態では、図4、図6に示すように、ダンパ機構部を形成する渦巻ばね4の巻き方向を前側(クランクプーリ装置1の正面側)からみて右巻き(内端部41から外端部42に向かう際、時計回り)としていたが、渦巻ばね4の巻き方向を前側(クランクプーリ装置1の正面側)からみて左巻き(内端部41から外端部42に向かう際、反時計回り)としてもよい。
実施例1は、上記実施形態に記載したクランクプーリ装置1である。詳細な構成については、上記実施形態において記載している。
比較例1は、下記以外の構成は、実施例1のクランクプーリ装置と同じである。
実施例1と異なる点は、クラッチ機構部3における、1対の摩擦板34・35に対する皿ばね32の付勢力(皿ばね32の前後方向に拡大する自己弾性復元力)であり、比較例1のクランクプーリ装置の皿ばね32は、実施例1の皿ばね32の付勢力100(指数)に対し、付勢力を200(指数)にしたことである。
比較例2は、金属部材同士が圧接状態で摺動するように機構部(ダンパ機構部およびクラッチ機構部)が構成された、従来のクランクプーリ装置である、特許文献1の第1実施形態(図7、特許文献1の図2)において、カム機構部に潤滑剤を封入しなかったものである。
参考例1は、比較例2の従来のクランクプーリ装置(特許文献1の第1実施形態(図7、特許文献1の図2))において、予め、カム機構部に潤滑剤を封入しておいたものである。
上記各供試体(実施例1、比較例1、比較例2、及び、参考例1)のクランクプーリ装置を、図8のエンジンベンチ試験機200に取り付けて、エンジン始動試験を行った。このエンジン始動試験で、エンジン始動時の下記評価項目について、時系列に検出、記録し、実施例1と他例との評価結果を比較して、本発明の効果の検証を行った。なお、クランクプーリ径は、全て140mmである。
・第1評価項目は、ベルト張力(張り側)である。
・第2評価項目は、エンジン始動動作中の問題発生有無である。
図8に示すエンジンベンチ試験機200は、図1の補機駆動ベルトシステム201を含む試験装置であって、エンジン210のクランク軸211に取り付けられたクランクプーリ装置1(実施例1、比較例1、比較例2、及び、参考例1)と、オルタネータ(ALT)の軸218に接続されたオルタネータプーリ212と、エアコン・コンプレッサ(AC)に接続されたACプーリ213とを有する。また、クランクプーリ装置1とオルタネータプーリ212とのベルトスパン間に、オートテンショナ(A/T)214が設けられる。
エンジンの出力は、1本のベルト(Vリブドベルト)215を介して、クランクプーリ装置1から時計回りに、オルタネータプーリ212、ACプーリ213に対してそれぞれ伝達されて、各補機(オルタネータ、エアコン・コンプレッサ)は駆動される。
図8において、ベルト張力の検出は、張り側B部ベルトスパン間(図1参照)のベルト背面に押し当てたアイドラプーリ(不図示)の軸に取り付けたひずみ計(不図示)により、軸ひずみを検出し、これを電気信号に変換する。
上記ひずみ計で検出された軸ひずみの電気信号は、PC(不図示)の演算制御部に送られ、当該演算制御部により、ベルト張力(データ)に演算される。最終的に、PCの演算制御部により、クランクプーリ装置(外輪)のベルト張力データは、デジタル表示可能な液晶画面などからなる表示部に数字表示されるとともに、デジタル出力され記録される。なお、PCは、操作盤(タッチパネル)、演算制御部、及び、表示部を備えたパーソナルコンピュータである。
また、人間(熟練した試験員)の聴感による官能試験(クランクプーリ装置より30cm離れた位置で、耳で聞いて判定)等により、エンジン始動動作中の異音等問題の有無を評価した。
雰囲気温度25℃、ベルトの初期張力400Nにて、エンジンの始動(クランキング)試験を行った。雰囲気温度は、実車によるエンジン始動時を想定した温度である。
電子制御装置(不図示)からエンジン始動信号がスタータモータ(不図示)に送られ、スタータモータが起動し、クランキングが始まる。このとき(各気筒における燃焼爆発前)の、クランク軸の回転速度は200rpm程度である。 電子制御装置から燃料噴射信号および点火信号が燃料噴射装置(不図示)および着火装置(不図示)に送られ、各気筒における燃焼爆発が順々に開始される。
各気筒における燃焼爆発時期に同期して、クランク軸211の回転速度が上昇してゆく。クランク軸211の回転トルク(動力)がクランクプーリ装置(外輪)に伝達されて、更に、ベルト215を介して、オルタネータプーリ212、及び、ACプーリ213に対してそれぞれ伝達される。
エンジンが始動されると、スタータモータによるクランキング動作が停止する。
評価結果を、表1に基づいて説明する。
・クランキング終了時(約1秒後)のベルト張力は、各供試体のいずれも500N程度であった。
具体的な、気筒内爆発時のベルト張力の値より、特に、2発目の気筒内爆発時のベルト張力およびベルト張力変動の大きさに関する、実施例1と比較例1との差異量は、800Nである。これは、実施例1の比較例1に対するベルト張力およびベルト張力変動の抑制効果に相当する。その抑制効果は約32%に達する。
なお、実施例1、比較例2、及び、参考例1については、気筒内爆発時のベルト張力の値は同水準であった。
比較例2については、エンジン始動動作中(潤滑剤のカム機構部への封入無しに、カム機構部の動作が繰り返された際)に、異音(キーキー音)の発生が認められた。
1)クランクプーリ(外輪)の回転速度およびベルト張力(張り側B部のベルト張力)は、クランキング中(約1秒間)の各気筒における燃焼爆発中、特に、1発目の気筒内爆発時と2発目の気筒内爆発時において、最も過大に増加し、かつ最も過大に変動することがわかった。
実施例1において、エンジン始動時には、異音等の問題を生じさせることなく、内輪から外輪へ伝達されるトルクのうち、通常トルクよりも過大なトルクは伝達されない結果となった。これは、機構部(ダンパ機構部及びクラッチ機構部)に金属部材同士が圧接状態で摺動するように構成された部分が存在しないこと、ならびに、通常トルクの入力時よりも過大なトルクがクランク軸に入力された際に、内輪と外輪との間に摩擦係合作用がほとんど働かない状態で内輪を急加速状態のまま空転させて、外輪を急加速させないこと、が可能であったためと考えられる。
結果として、予め潤滑剤を封入せずとも、装置の作動時に、異音等の問題を生じさせることなく、補機駆動ベルトシステムで特に問題となる、エンジン始動によりクランクシャフトへ過大なトルクが入力される際に生じるベルト張力の過大な増加やベルト張力の過大な変動を効果的に抑制できることが伺えた。
2 内輪
3 クラッチ機構部
31 第2ホルダー
32 皿ばね
33 押え板
34 摩擦板
35 摩擦板
37 第1ホルダー
38 リベット
4 渦巻ばね
5 外輪
Claims (3)
- エンジンのクランク軸上に相対回転可能に同心配置された内輪と外輪との間で回転トルクの伝達を行うクランクプーリ装置であって、
前記クランク軸に取り付けられる前記内輪と前記外輪とは、クラッチ機構部とダンパ機構部とを介在させて連結されており、
前記クラッチ機構部は、前記内輪に対して摩擦係合する摩擦板と、前記摩擦板を付勢する弾性部とを備え、前記摩擦板は、前記内輪から所定以上の回転トルクが加わった際に前記摩擦係合が解除され、前記内輪を摺動する摩擦係数を有し、
前記ダンパ機構部は、伸縮可能なばね部材であり、前記クラッチ機構部と前記外輪との間に介装されている、ことを特徴とするクランクプーリ装置。 - 前記摩擦板は、非金属性の摩擦材であることを特徴とする、請求項1に記載のクランクプーリ装置。
- 前記クラッチ機構部において、前記内輪と前記摩擦板とが摩擦係合又は摺動する、係合面は、前記内輪、前記外輪、前記クラッチ機構部、及び、前記ダンパ機構部とを連結させるために必要な隙間を除いて、密閉されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のクランクプーリ装置。
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