JP2022033569A - 植物病害防除剤及び植物病害防除方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】植物病害防除剤は、バチルス・エスピー(Bacillus sp.)TTCC2111株(NITE P-03227)及びバチルス・エスピー(Bacillus sp.)TTCC2122株(NITE P-03228)からなる群より選択される1種以上の枯草菌の菌体又は培養物を有効成分として含有する。植物病害防除方法は、前記植物病害防除剤を対象植物に施用することを含む。
【選択図】なし
Description
(1) バチルス・エスピー(Bacillus sp.)TTCC2111株(NITE P-03227)及びバチルス・エスピー(Bacillus sp.)TTCC2122株(NITE P-03228)からなる群より選択される1種以上の枯草菌の菌体又は培養物を有効成分として含有する、植物病害防除剤。
(2) 植物病害が、灰色かび病、緑かび病、青かび病及びうどんこ病からなる群より選択される、請求項1に記載の植物病害防除剤。
(3) 請求項1又は2に記載の植物病害防除剤を対象植物に施用することを含む、植物病害防除方法。
(4) バチルス・エスピー(Bacillus sp.)TTCC2111株(NITE P-03227)。
(5) バチルス・エスピー(Bacillus sp.)TTCC2122株(NITE P-03228)。
本発明の一実施形態に係る植物病害防除剤は、バチルス・エスピー(Bacillus sp.)TTCC2111株(NITE P-03227)(以下、単に「TTCC2111株」と称する場合がある)及びバチルス・エスピー(Bacillus sp.)TTCC2122株(NITE P-03228)以下、単に「TTCC2122株」と称する場合がある)からなる群より選択される1種以上の枯草菌の菌体又は培養物を有効成分として含有する。
本実施形態の植物病害防除剤は、植物に対する毒性や病原性がなく、植物病害に対して高い防除効果を有する。また、自然界に存在する細菌を有効成分とする微生物農薬であることから安全性が高く、化学農薬と比較して環境に対する影響が小さい。施用しても人畜への危険性や、環境汚染や農作物への残留等の問題もない。よって、消費者に安全で薬害のない農作物を提供することができる。また、化学農薬と比較して標的である病原菌の耐性菌出現率が非常に低い。
保護剤としては、例えば、スキムミルク、pH緩衝剤等が挙げられる。
液体状態としては、例えば、顆粒水和剤、水和剤、水溶剤、懸濁製剤、乳剤等が挙げられる。液体状態の場合における菌体を懸濁する溶剤としては、例えば、水(滅菌水、脱イオン水、超純水を含む)、生理食塩水、緩衝液(リン酸緩衝液、炭酸緩衝液を含む)、その細菌の培地等が挙げられる。
固体状態としては、例えば、粒剤、粉剤、ゲル剤等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る植物病害防除方法は、上述した植物病害防除剤を対象植物に施用すること(以下、「施用工程」と称する場合がある)を含む。
単子葉植物としては、例えば、イネ科(Poaceae)植物等が挙げられる。
双子葉植物としては、例えば、ヒルガオ科(Convolvulaceae)、バラ科(Rosaceae)植物、セリ科(Apiaceae)、ナス科(Solanaceae)植物、ユリ科(Liliaceae)、マメ科(Fabaceae)植物、ウリ科(Cucurbitaceae)植物、アブラナ科(Brassicaceae)植物等が挙げられる。
施用工程では、上述した植物病害防除剤を対象植物に施用する。
植物病害防除剤をそのまま直接施用してもよく、或いは、水等の溶剤に希釈して使用してもよい。植物病害防除剤の施用方法として具体的には、例えば、直接植物に散布する方法、土壌に散布する方法、植物の種子に直接塗布する方法、植物や土壌に添加する水や肥料に添加する方法等が挙げられる。植物病害防除剤の施用量及び施用回数は、対象病害、対象作物、施用方法、発生傾向、被害の程度、環境条件、使用する剤形等によって、適宜調整することができる。また、植物病害防除剤の施用時期についても、特に限定されず、病害発生前に防除作用を発揮させることを目的として施用してもよく、或いは、病害発生後に病原菌の増殖を抑制し、病害を治療することを目的として施用してもよい。
「ウリ類」のうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)、つる枯病菌(Didymella bryoniae)、炭そ病菌(Colletotrichum lagenarium);
「トマト」の輪紋病菌(Alternaria solani)、葉かび病菌(Cladosporium fulvum)、うどんこ病菌(Oidium neolycopersici、Oidiopsis sp.、Leveillula taurica);
「ナス」の褐紋病菌(Phomopsis vexans)、うどんこ病菌(Erysiphe cichoracearum);
「イチゴ」のうどんこ病菌(Sphaerotheca humuli)、炭そ病菌(Glomerella cingulata);
「ピーマン」のうどんこ病菌(Oidiopsis sicula);
「エンドウ」のうどんこ病菌(Erysiphe pisi);
「種々の作物」の灰色かび病菌(Botrytis cinerea)等が挙げられ、これらに限定されない。
(緑かび病を防除する納豆菌の選抜)
1.納豆菌培養液の調製
納豆菌としては、タカノフーズ株式会社が保有する納豆菌720菌株を用いた。納豆菌培養液は、以下の方法を用いて調製した。まず、各菌株はTrypticase Soy Agar(TSA)平板培地を用いて37℃で16時間培養したものを白金耳でTrypticase Soy Broth(TSB)培地に懸濁し、28℃、105rpmで24時間振とう培養した。培養後、納豆菌を遠心分離(3000rcf、8分間、22℃)により集菌し、上清を除去した後に滅菌水に懸濁した。この作業を3回繰り返して培地成分を除去した後に、分光光度計を用いて培養液濃度をOD600=1となるように調整し、実験に供試した。
カンキツにおける緑かび病菌Penicillium digitatumは、茨城大学農学部で保存しているIUPd2株を用いた。分生子形成は、本菌をPotato Sucrose Agar(PSA)平板培地で3日間培養後、ブラックライトブルーランプを3日間照射し、その後3日間暗所に置くことで誘導した。培地上の分生子は滅菌水に懸濁した後に、滅菌ティッシュペーパーでろ過することで菌糸を除去した、分生子を遠心分離(1700rcf、5分間、22℃)により回収し、上澄みを除去した後に滅菌水に再懸濁した。この作業を3回繰り返すことで分生子を洗浄した。分生子懸濁液は血球計算盤を用いて濃度を1.0×105conidia/mLに調製し、実験に供試した。
PSA平板培地にP. digitatum分生子懸濁液を100μL滴下し、コンラージ棒で塗布した後、納豆菌培養液に浸漬したペーパーディスク(径5mm)を平板培地の中央に置床した。これを25℃の暗所で3日間培養後、ペーパーディスクの周囲に形成された阻止円の直径を測定した。試験は2反復行った。
なお、優れた抑制効果が確かめられたTTCC2122株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許微生物寄託センター(住所:日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に2020年5月28日付けで、受託番号NITE P-03228として寄託されているものである。
(灰色かび病を防除する納豆菌の選抜)
1.納豆菌培養液の調製
実施例1の「1.」と同様の方法を用いて、720種の納豆菌について納豆菌培養液を調製した。
灰色かび病菌Botrytis cinereaは、茨城大学農学部で保存しているTV335株を用いた。実施例1の「2.」と同様の方法を用いて、分生子懸濁液を調製した。
PSA平板培地にB. cinerea分生子懸濁液を100μL滴下し、コンラージ棒で塗布した後、納豆菌培養液に浸漬したペーパーディスク(径5mm)を平板培地の中央に置床した。これを25℃の暗所で3日間培養後、ペーパーディスクの周囲に形成された阻止円の直径を測定した。試験は2反復行った。
なお、優れた抑制効果が確かめられたTTCC2111株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許微生物寄託センター(住所:日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に2020年5月28日付けで、受託番号NITE P-03227として寄託されているものである。
(貯蔵時のみかんにおける保存性向上確認試験)
実施例1の「1.」と同様の方法を用いて、TTCC2122株の培養液(菌体濃度:1×108cells/mL)を調製した。参考として茨城大学で保有していた納豆菌No.2株についても同様に培養液(菌体濃度:1×108cells/mL)を調製した。また、カンキツにおける緑かび病菌P. digitatum分生子懸濁液(1.0×105conidia/mL)についても、実施例1の「2.」と同様の方法を用いて、準備した。さらに、カンキツにおける青かび病菌P. italicum(茨城大学農学部で保存、IUPi1株)についても同様に、分生子懸濁液(1.0×105conidia/mL)を調製した。
(納豆菌培養液のエンドウうどんこ病に対する治療効果及び防除効果確認試験)
TTCC2111株及びTTCC2122株はTrypticase Soy Agar(TSA)平板培地を用いて37℃で16時間培養したものを白金耳でPotato Sucrose Broth(PSB)培地に懸濁した。これらを28℃、105rpmで24時間振とう培養し、TTCC2111株の培養液及びTTCC2122株の培養液(各菌体濃度:1×108cells/mL)を調製した。
以上のことから、TTCC2122株の培養液は、エンドウうどんこ病に対する治療効果を有することが示唆された。
以上のことから、TTCC2111株の培養液及びTTCC2122株の培養液は、エンドウうどんこ病に対する防除効果を有することが示唆された。
(納豆菌培養液のプリムラ花弁での灰色かび病に対する発病抑制効果確認試験)
実施例1の「1.」と同様の方法を用いて、TTCC2111株の培養液及びTTCC2122株の培養液(各菌体濃度:1×108cells/mL)を調製した。次いで、プリムラ花弁の表面に、調製したTTCC2111株の培養液及びTTCC2122株の培養液をそれぞれスプレーで噴霧した。各培養液の噴霧量は、プリムラ花弁1枚当たり0.3mL以上0.5mL以下程度であった。コントロールには、培養液の代わりに滅菌水を噴霧処理した。噴霧処理から16時間後に、灰色かび病菌の分生子懸濁液(1×105conidia/mL)を用いて噴霧接種した。接種から24時間後に形成されたプリムラ花弁1cm2当たりの病斑数(個)を算出した。結果を図4に示す。
(納豆菌培養液のキュウリうどんこ病に対する発病抑制効果確認試験)
実施例4と同様の方法を用いて、TTCC2111株の培養液及びTTCC2122株の培養液(各菌体濃度:1×108cells/mL)を調製した。次いで、2週齢のキュウリ苗の子葉に培養液をそのまま噴霧処理した。各培養液の噴霧量は、子葉全体が培養液で覆われるまで行った。コントロールには、培養液の代わりに滅菌水を噴霧処理した。噴霧処理から24時間後に、うどんこ病菌の胞子を絵筆で処理葉全体に乗せて、接種を行った。接種後のキュウリ苗は25℃で栽培した。接種から2週間後に各子葉に発生したコロニー数及び面積を調査し、以下に示す基準によって発病指数を判定した。コロニー面積はimageJソフトを用いて計測した。
0:発病なし
1:コロニーが1個以上2個以下認められる
2:コロニーが葉面積の1/4未満を占める
3:コロニーが葉面積の1/4以上1/2未満を占める
4:コロニーが葉面積の1/2以上を占める
(納豆菌培養液のキュウリうどんこ病に対する発病抑制効果確認試験2)
実施例4と同様の方法を用いて、TTCC2111株の培養液及びTTCC2122株の培養液(各菌体濃度:1×108cells/mL)を調製した。また、参考として、市販のバチルス属菌製剤の1000倍希釈液(推奨希釈率、推定菌体濃度:1×108cells/mL)も準備した。次いで、これらを用いて、実施例6と同様の方法で、キュウリうどんこ病に対する発病抑制効果確認試験を行った。各群の調査葉数(N)は10枚である。結果を図6に示す。
また、TTCC2111株の培養液及びTTCC2122株の培養液を噴霧処理した葉、並びに、滅菌水を噴霧処理した葉(コントロール群)をFAA固定液で固定した後、キュウリうどんこ病菌の菌体をメチルブルーで染色した。これら葉におけるキュウリうどんこ病菌の発芽管を光学顕微鏡で観察したところ、TTCC2111株の培養液及びTTCC2122株の培養液の噴霧処理群では、分生子の発芽が抑制されていることが確認された(図示せず)。
以上のことから、TTCC2111株の培養液及びTTCC2122株の培養液は、キュウリうどんこ病に対する発病抑制効果を有することが示唆された。
(納豆菌培養液及び培養上清のキュウリうどんこ病に対する発病抑制効果確認試験)
実施例4と同様の方法を用いて、得られた培養液をTTCC2122株の培養液(菌体含有、菌体濃度:1×108cells/mL)として、培養上清をTTCC2122株の培養上清(菌体不含)として用いた。また、参考として、市販のバチルス属菌製剤の1000倍希釈液(推奨希釈率、推定菌体濃度:1×108cells/mL)も準備した。次いで、2週齢のキュウリ苗の第一本葉に培養液(菌体含有)又は培養上清(菌体不含)をそのまま噴霧処理した。各処理液の噴霧量は、葉全体が培養液で覆われるまで行った。コントロールには、培養液の代わりに滅菌水を噴霧処理した。噴霧処理から24時間後及び1週間後に、うどんこ病菌の胞子を絵筆で処理葉全体に乗せて、接種を行った。接種後のキュウリ苗は25℃で栽培した。接種から2週間後に各子葉に発生したコロニー数及び面積を調査し、実施例6と同様の方法を用いて、発病度を算出した。各群の調査葉数(N)は10枚である。結果を図7に示す。
(納豆菌培養液のキュウリうどんこ病に対する発病抑制効果確認試験3)
実施例4と同様の方法を用いて、TTCC2122株の培養液(菌体濃度:1×108cells/mL)を調製した。調製した培養液に滅菌水を加えて、5倍、10倍及び20倍希釈液を調製した。これらを用いて、実施例6と同様の方法で、キュウリうどんこ病に対する発病抑制効果確認試験を行った。また、防除価を次の式を用いて算出した。結果を表1に示す。
(納豆菌培養液のキュウリ及びベゴニアでの灰色かび病に対する発病抑制効果確認試験)
実施例4と同様の方法を用いて、TTCC2122株の培養液(菌体濃度:1×108cells/mL)を調製した。調製した培養液に滅菌水を加えて、5倍、10倍及び20倍希釈液を調製した。また、参考として、市販のバチルス属菌製剤の1000倍希釈液(推奨希釈率、推定菌体濃度:1×108cells/mL)も準備した。次いで、これらを3週齢のキュウリ第一本葉及びベゴニアの切り葉にスプレーを用いて噴霧処理した。各液の噴霧量は、液が葉から滴るまで行った。コントロールには、培養液及び希釈液の代わりに滅菌水を噴霧処理した。噴霧処理後、25℃の人工気象器内で維持し、キュウリは噴霧処理から24時間後に処理葉を切り取った。これら処理葉にPSA平板培地で2日間培養したB. cinereaの菌叢プラグ(径5mm)を処理葉1枚あたり2箇所に接種した。接種葉は、イオン交換水で湿らせたペーパータオルを敷いたプラスチックボックスに入れて22℃で維持し、接種から2日後に病斑直径を測定した。試験には各処理群について3葉を用い、同様の試験を3反復行った。結果を図8(キュウリでの病斑直径)及び図9(ベゴニアでの病斑直径)に示す。
(納豆菌培養液のイチゴうどんこ病に対する発病抑制効果確認試験)
実施例4と同様の方法を用いて、TTCC2122株の培養液(菌体濃度:1×108cells/mL)を調製した。調製した培養液に滅菌水を加えて、5倍及び10倍希釈液を調製した。これらをイチゴ(品種:ローズベリーレッド)の小葉裏面にスプレーを用いて噴霧処理した。小葉はイチゴ苗の展葉後間もない(1週間から2週間程度)複葉から切り取って実験に供試した。各液の噴霧量は、小葉裏面を処理液が覆うまで行った。コントロールには、培養液及び希釈液の代わりに滅菌水を噴霧処理した。噴霧処理から24時間後に、イチゴうどんこ病罹病葉の病斑から分生胞子を絵筆で払い落とし、処理葉全体に接種を行った。接種後のイチゴ葉は湿らせた濾紙を敷いたプラスチックトレイ内に並べて密閉し、20℃、蛍光灯照明下(1日当たり12時間の照明)に維持した。接種から2週間後に葉に発生したコロニー数及び面積を実体顕微鏡下で調査し、実施例6と同様の方法で、発病度を算出し、実施例9と同様の方法で、防除価を算出した。結果を表2に示す。
(納豆菌培養液のピーマンうどんこ病に対する発病抑制効果確認試験)
実施例4と同様の方法を用いて、TTCC2122株の培養液(菌体濃度:1×108cells/mL)を調製した。調製した培養液に滅菌水を加えて、5倍及び10倍希釈液を調製した。これらをピーマンうどんこ病菌に感受性であるシシトウ葉の裏面にスプレーを用いて噴霧処理した。シシトウの葉は播種後8週齢の苗から切り取って実験に供試した。各液の噴霧量は、葉面を処理液が覆うまで行った。コントロールには、培養液及び希釈液の代わりに滅菌水を噴霧処理した。噴霧処理から24時間後に、ピーマンうどんこ病罹病葉の病斑から分生胞子を絵筆でかき取り、処理葉全体になすりつけて接種を行った。接種後のシシトウ葉は湿らせた濾紙を敷いたプラスチックトレイ内に並べて密閉し、21℃、蛍光灯照明下(1日当たり12時間の照明)に維持した。接種から3週間後に葉に発生したコロニー数及び面積を実体顕微鏡下で調査し、実施例6と同様の方法で、発病度を算出し、実施例9と同様の方法で、防除価を算出した。結果を表3に示す。
(納豆菌培養液のトマトうどんこ病に対する発病抑制効果確認試験)
実施例4と同様の方法を用いて、TTCC2122株の培養液(菌体濃度:1×108cells/mL)を調製した。調製した培養液に滅菌水を加えて、5倍及び10倍希釈液を調製した。これらを3週齢のトマト(品種:ポンテローザ)の本葉にスプレーを用いて噴霧処理した。各液の噴霧量は、葉面を処理液が覆うまで行った。コントロールには、培養液及び希釈液の代わりに滅菌水を噴霧処理した。噴霧処理から24時間後に、トマトうどんこ病罹病葉の病斑から分生胞子を絵筆でかき取り、処理葉全体になすりつけて接種を行った。接種後のトマト苗は25℃で栽培した。接種から10日後に葉に発生したコロニー数及び面積を実体顕微鏡下で調査し、実施例6と同様の方法で、発病度を算出し、実施例9と同様の方法で、防除価を算出した。結果を表4に示す。
(納豆菌培養液のナスうどんこ病に対する発病抑制効果確認試験)
実施例4と同様の方法を用いて、TTCC2122株の培養液(菌体濃度:1×108cells/mL)を調製した。調製した培養液に滅菌水を加えて、5倍及び10倍希釈液を調製した。これらを3週齢のナス(品種:千両二号)の本葉にスプレーを用いて噴霧処理した。各液の噴霧量は、葉面を処理液が覆うまで行った。コントロールには、培養液及び希釈液の代わりに滅菌水を噴霧処理した。噴霧処理から24時間後にナスうどんこ病罹病葉の病斑から分生胞子を絵筆でかき取り、処理葉全体になすりつけて接種を行った。接種後のナス苗は25℃で栽培した。接種から10日後に葉に発生したコロニー数及び面積を調査し、実施例6と同様の方法で、発病度を算出し、実施例9と同様の方法で、防除価を算出した。結果を表5に示す。
Claims (5)
- バチルス・エスピー(Bacillus sp.)TTCC2111株(NITE P-03227)及びバチルス・エスピー(Bacillus sp.)TTCC2122株(NITE P-03228)からなる群より選択される1種以上の枯草菌の菌体又は培養物を有効成分として含有する、植物病害防除剤。
- 植物病害が、灰色かび病、緑かび病、青かび病及びうどんこ病からなる群より選択される、請求項1に記載の植物病害防除剤。
- 請求項1又は2に記載の植物病害防除剤を対象植物に施用することを含む、植物病害防除方法。
- バチルス・エスピー(Bacillus sp.)TTCC2111株(NITE P-03227)。
- バチルス・エスピー(Bacillus sp.)TTCC2122株(NITE P-03228)。
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