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JP2022026626A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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JP2022026626A
JP2022026626A JP2020130190A JP2020130190A JP2022026626A JP 2022026626 A JP2022026626 A JP 2022026626A JP 2020130190 A JP2020130190 A JP 2020130190A JP 2020130190 A JP2020130190 A JP 2020130190A JP 2022026626 A JP2022026626 A JP 2022026626A
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啓太 本山
Keita Motoyama
善朗 竹脇
Yoshiro Takewaki
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

【課題】導体パターンを備えた絶縁基板、ろう材、電極端子との間にそれぞれ間隙があった場合でも、導体パターン側の昇温不足による未接合リスクを低減する半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】導体パターン1cを備えた絶縁基板1dと、導体パターン1cに接合された半導体素子2と、半導体素子2に電流を流すためのリードフレーム3とを備える半導体装置100の製造方法である。まず、表面導体パターン1aの上にろう材4を配置し、ろう材4の上にリードフレーム3の一端に設けられた電極端子3bの一方主面3cが接するように配置する。その後、電極端子3bの一方主面3cと対面する他方主面3dにレーザ光を照射して、電極端子3bの他方主面3dから一方主面3cを溶融貫通しろう材4の層まで溶融させる。これにより、電極端子3bとろう材4を溶接し、表面導体パターン1aはろう付けして半導体装置100を製造する。【選択図】 図2

Description

本開示は、半導体装置およびその製造方法に関する。
従来の半導体装置では、導体パターンを備えた絶縁基板とリードフレームの一端に設けられた電極端子をレーザにより溶接する際にレーザ光による絶縁基板の損傷を防ぐ工夫がされている。例えば特許文献1では、導体パターンを備えた絶縁基板と電極端子との間にろう材を配置し、電極端子の表面層のみレーザ光の加熱により溶融し、その伝熱でろう材を溶融することにより導体パターンと電極端子とを固着している。これにより、絶縁基板のレーザ光による損傷を防ぐことができる。
特開2009-105266公報
特許文献1では電極端子の表面層のみレーザ光の加熱により溶融しているため、レーザ光によって直接エネルギーが投入される電極端子側は温度が上がりやすいのに対して、導体パターンを備えた絶縁基板側はろう付け可能な温度まで上がりにくい。そして、導体パターンを備えた絶縁基板と電極端子との間にろう材を配置する際に、導体パターンを備えた絶縁基板、ろう材、電極端子との間にそれぞれ間隙が生じる場合がある。間隙が生じると導体パターン側の昇温不足により導体パターンと電極端子との接合不足が生じる可能性があるため、検査が煩雑となっていた。
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであり、導体パターンを備えた絶縁基板、ろう材、電極端子との間にそれぞれ間隙があった場合でも、導体パターン側の昇温不足による未接合リスクを低減する半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
本開示に係る半導体装置の製造方法は、導体パターンを備えた絶縁基板と、導体パターンに接合された半導体素子と、半導体素子に電流を流すためのリードフレームとを備える半導体装置の製造方法であって、導体パターンの上にろう材を配置する工程と、ろう材の上に一方主面が接するようにリードフレームの一端に設けられた電極端子を配置する工程と、電極端子の一方主面と対面する他方主面にレーザ光を照射して、電極端子の他方主面から一方主面を溶融貫通しろう材の層まで溶融させ、電極端子とろう材を溶接し、導体パターンはろう付けされるレーザ加熱工程とを備えた製造方法である。
また、本開示に係る半導体装置は、導体パターンを備えた絶縁基板と、導体パターンに接合された半導体素子と、半導体素子に電流を流すためのリードフレームとを備える半導体装置であって、導体パターンを備えた絶縁基板と、導体パターンの上に配置されたろう材と、ろう材の上に一方主面が接するように配置されたリードフレームの一端に設けられた電極端子と、電極端子の一方主面と対面する他方主面から一方主面を貫通しろう材の層までに形成され、電極端子とろう材が混合する溶融凝固部と、ろう材と導体パターンが接する面に形成される拡散接合部とを備えたものである。
本開示によれば、レーザを用いた導体パターンを備えた絶縁基板とリードフレームの一端に設けられた電極端子との接合において、熱源を導体パターン側近傍まで供給することにより、導体パターンを備えた絶縁基板、ろう材、電極端子との間にそれぞれ間隙があった場合でも導体パターン側の昇温不足による未接合リスクを低減することができる。
実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を示す拡大断面図および拡大上面図である。 実施の形態2の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態3の半導体装置を示す断面図である。 実施の形態3の半導体装置を示す拡大断面図である。
実施の形態1.
まず、従来の導体パターンを備えた絶縁基板とリードフレームの一端に設けられた電極端子との接合方法とその課題について説明する。
従来は、はんだ接合が多く用いられていた。しかし、電極端子をはんだ付けで接合する場合、半導体素子を表面導体パターン上にはんだ付けした後で電極端子をはんだ付けする。その際、先にはんだ付けされた箇所が再溶融し、再凝固する際に接合位置がずれたり、はんだ層の厚みが変わってしまったりするといった懸念がある。そのため、表面導体パターンと電極端子との接合部には他の接合部よりも融点が低いはんだを使用しなければならない。
そこで、長期信頼性の向上を目的として超音波接合を用いるケースが増えている。超音波接合では、超音波を印加したツールを電極端子に押し付けて電極端子を塑性変形させ、接合界面に生じた新生面同士が凝着することで接合するものである。ただし、ツールによる加圧・変形で絶縁基板に割れが生じる可能性がある。また、超音波振動によって半導体素子と導体パターン間を接続するAlワイヤ配線が切断される場合がある。さらに、電極端子の塑性変形に伴ってツール端部から電極端子材料が横方向にはみ出す場合がある。これが針状の金属異物として周囲に飛び散ると、導電性の異物として付着し短絡の原因となったり、他の接合部で接合したい部材の間に介在して接合の強度を極端に低下させたりする等の不具合が発生する。この不具合を防止するために、検査工程が煩雑化するという課題がある。
別の方法として、レーザ溶接による接合方法がある。この方法は、レーザ光の照射方向に対して垂直な方向への熱影響範囲が狭いことから、周囲のはんだ層への熱影響を抑えられるという特徴がある。レーザ照射装置としては、近赤外レーザ光照射装置が普及している。例えば、波長1μm程度の近赤外レーザ光であるYAGレーザ、ファイバーレーザまたはディスクレーザが比較的安価である。しかし、1μm程度の波長の近赤外レーザ光は非溶融状態のCuに対してわずか数%程度しか吸収されず、溶融状態になると吸収率が数十%まで急激に上昇する。また、キーホールを形成するとさらに上昇するという特徴があるため、溶融深さの制御が困難である。絶縁基板として用いられるセラミック板は近赤外レーザ光の吸収率が50%以上と大きいため、キーホールがセラミック板まで到達すると絶縁基板が容易に昇華し穴が開いてしまう。樹脂絶縁基板も同様に、一般的なエポキシ樹脂の耐熱性は1000℃以下のため、表面導体パターンを貫通したキーホールが樹脂絶縁基板層に到達すると容易に穴が開いてしまう。これらの絶縁層は絶縁基板の表裏の絶縁をつかさどっており、絶縁性維持に必要な厚みを確保するよう設計されている。そのため、凹みを生じたり穴が開いたりしている状態では使用できないため、近赤外レーザ光が絶縁層を損傷したワークは不良として廃棄する必要がある。一方で、表面導体パターンが十分溶融しなかった場合も、母材同士の融合が生じないため接合不良となる。このような場合は、通電能力を担保できないため検査によってこれらを排除し、不良ワークを廃棄する必要がある。したがって、電極端子と表面導体パターンとの接合界面を直接レーザ溶接により接合する際、キーホールは電極端子を貫通させ、表面導体パターン層内にとどめる必要があった。
そこで、他のレーザを用いた接合法としてレーザろう付け法がある。レーザろう付け法は、電極端子に近赤外レーザ光を照射し、電極端子の表面付近のみ加熱して溶融させる。この熱によって電極端子や導体パターンを備えた絶縁基板よりも低い融点をもつろう材を加熱・溶融させ、固相の電極端子や表面導体パターンと液相のろう材との間で拡散を生じることで両部材が接合される。したがって、表面導体パターン側の母材を溶融させる必要がないため、レーザ溶接のように絶縁基板にダメージを与える恐れがない。しかし、表面導体パターン上にろう材と電極端子を配置し電極端子側から近赤外レーザ光を照射する場合、近赤外レーザ光によって直接エネルギーが投入される電極端子側は温度が上がりやすいのに対して、表面導体パターン側はろう付け可能な温度まで上がりにくい。そして、表面導体パターンと電極端子との間にろう材を配置すると、導体パターンを備えた絶縁基板、ろう材、電極端子との間にそれぞれ間隙が生じる場合があるため、表面導体パターン側の昇温不足により表面導体パターンと電極端子との接合不足が生じる可能性がある。また、表面導体パターン側をろう付け可能な温度に上げるためには、直接溶接よりも長時間の加熱が必要で生産性が悪いといった課題もある。
次に、実施の形態1における半導体装置100の製造方法について図1および図2を用いて説明する。図1は、導体パターン1cを備えた絶縁基板1dに半導体素子2を配置する工程から、リードフレーム3の一端に設けられた電極端子3bの下に接合前のろう材4を配置する工程までを示す断面図である。図2は、電極端子3bに近赤外レーザ光11を照射することによりろう材4を溶融させる工程を示す断面図と、半導体装置100を完成させる工程を示す断面図である。
まず、図1(a)に示すように導体パターン1cを備えた絶縁基板1dと放熱板5および半導体素子2とを接合する。導体パターン1cを備えた絶縁基板1dは、絶縁基板1dの表面に表面導体パターン1aを設け、絶縁基板1dの裏面に裏面導体パターン1bを設けたものを使用する。絶縁基板1dは熱伝導率が大きい窒化アルミ(AlN)、窒化ケイ素(Si)、アルミナ(Al)、エポキシ樹脂などである。表面導体パターン1aおよび裏面導体パターン1bは、銅(Cu)、銅(Cu)合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム(Al)合金などの導電率が大きい金属材料で形成されたものを使用する。絶縁基板1dの厚さは0.3~1.0mmであり、標準的な厚さは0.635mmである。表面導体パターン1a及び裏面導体パターン1bで用いられるCu箔の厚みは0.2~1.0mmである。表面導体パターン1aにはモータ等を駆動する電流が流れ、断面積が小さいと抵抗損失が増えることから、表面導体パターン1aはある程度の断面積を確保して設計される。例えば、表面導体パターン1aは通常10~50A/mmという電流密度で設計される。したがって数百Aを流す半導体装置100においては表面導体パターン1aの断面積は数十mm必要となる。
次に、放熱板5上にはんだシートなどの接合材6を配置し、接合材6の上に絶縁基板1dを裏面導体パターン1bが接合材6と接するように配置する。そして、表面導体パターン1aの上にはんだシートなどの接合材7を配置し、半導体素子2の電極が接合材7と接するように配置する。このように、放熱板5、接合材6、導体パターン1cを備えた絶縁基板1d、接合材7、半導体素子2を重ね合わせた後に、リフロー炉を用いて加熱する。接合材6および接合材7が十分に溶融したら、リフロー炉から取り出す。これにより、放熱板5と裏面導体パターン1bとが接合材6によりはんだ付けされ、表面導体パターン1aと半導体素子2とが接合材7によりはんだ付けされる。ここでは、リフロー炉で加熱する場合について説明したが、ホットプレートなど他の方法によって加熱してもよい。
次に、図1(b)に示すように、表面導体パターン1a上にろう材4を配置し、放熱板5に樹脂ケース8を接着する。そして、ろう材4の上にリードフレーム3の一端に設けられた電極端子3bの一方主面3cが接するように配置する。また、リードフレーム3の配線導体3aの一部を樹脂ケース8にねじ9によってねじ止めする。リードフレーム3の配線導体3aと樹脂ケース8の取り付け方法は、ねじ止め以外の固着方法であってもよい。さらに、配線導体3aを樹脂ケース8の樹脂内部に予め包埋したインサートケースを用いてもよい。
ろう材4は、例えばりん銅ろうが適当である。りん銅ろうは、純Cu同士のろう付けにおいてろう材4中のPがフラックス作用を示すため、フラックス不要でろう付けできるという利点がある。
リードフレーム3は、半導体素子2と半導体装置100の外部の電気回路とを電気的に接合し、モータ等を駆動する電流を流す機能を有する。リードフレーム3は配線導体3aと電極端子3bにより構成される。また、配線導体3aの一端を電極端子3bに加工してリードフレーム3を作製する。その際、通常はプレス加工によって成形されるため配線導体3aと電極端子3bは同様の板厚を有するが、接合法の制約により電極端子3b部分のみ薄肉化してもよい。また、電気抵抗が小さい方が望ましいため通常はCuまたはCu合金の圧延板を加工して成形される。近赤外レーザ光11を照射する電極端子3bの板厚は0.3mm以上が好ましい。素材としては例えば純Cu系のC1020がよく用いられるが、強度が必要な場合、C151などを用いてもよい。リードフレーム3の幅を20mmで半導体装置100内を引き回す場合、1~2mm程度の厚みが必要となる。
次に、近赤外レーザ光11を照射して導体パターン1cを備えた絶縁基板1dと電極端子3bの一方主面3cとを接合する。図2(a)に示すように、電極端子3bの一方主面3cと表面導体パターン1aとの間にろう材4を設けた状態で、近赤外レーザ光照射装置10から近赤外レーザ光11を照射する。近赤外レーザ光11は、電極端子3bの一方主面3cと対面している他方主面3dに照射する。近赤外レーザ光照射装置10は、例えば波長1μm程度の近赤外レーザ光11であるYAGレーザ、ファイバーレーザまたはディスクレーザが比較的安価であり1kW~10kW程度の出力のものが普及しているため利用するとよい。本実施の形態では、電極端子3bとろう材4をキーホール型のレーザ溶接により、ろう材4と表面導体パターン1aをレーザろう付けにより接合する。具体的には、近赤外レーザ光11を電極端子3bの他方主面3dに照射し局所的に加熱する。これにより、ビード幅に対して溶け込み深さが数倍~数十倍という高アスペクト比のキーホール型の溶融池12を形成させる。キーホールとは、近赤外レーザ光11のエネルギー密度がおよそ10W/cmよりも高い領域で、溶融池12表面で蒸発した材料の反跳力によって形成される穿孔である。形成されたキーホール内で近赤外レーザ光11が多重反射して次々に吸収されることにより、さらに深いキーホール型の溶融池12が得られる。例えば、波長1μm程度のシングルモードファイバーレーザ(出力1kW、スポット径約50μm)を近赤外レーザ光照射装置10に用いると、溶接速度300mm/secという速度で溶接した場合でも0.5mmtのCuを溶融貫通できることを実験で確かめている。そのため、導体パターン1cを備えた絶縁基板1dと電極端子3bとの間の接合のように接合長さが短い場合においては極めて高速に接合できる。
キーホール型の溶融池12の深さを電極端子3bの他方主面3dから一方主面3cを貫通しろう材4層まで形成するようにコントロールし、電極端子3bとろう材4を溶融する。この際、近赤外レーザ光11の加熱によりろう材4が溶融したろう材溶融部18が形成される。次に、固相の表面導体パターン1aと液相のろう材溶融部18の間で生じる拡散現象によって拡散接合部17が形成され両者がろう付けされる。この際、電極端子3bがろう付けされても良い。溶融池12の深さをろう材4層までとする理由は、溶融池12からの伝熱により表面導体パターン1aをろう付けするため、熱源を表面導体パターン1a側に近づけ表面導体パターン1aをろう付け可能な温度に短時間で上昇させるためである。また、溶融池12が表面導体パターン1aまで到達し絶縁基板1dが近赤外レーザ光11により損傷する恐れがあるため、可能な限りろう材4層へ浅く溶融池12が形成されるとよい。
ろう材4のサイズおよび近赤外レーザ光照射装置10の照射条件により、上述した溶融池12の深さをろう材4層までにコントロールすることができる。例えば、ろう材4が薄い場合、溶融池12がろう材4層を貫通して導体パターン1cを備えた絶縁基板1dを損傷する可能性がある。そのためろう材4は0.1mm以上とすることが好ましい。一方で、ろう材4層が厚すぎると、表面導体パターン1a側がろう付け可能な温度まで十分に上がらず未接合リスクが高くなる。そのためろう材4は1.0mm以下にすることが好ましい。したがって、ろう材4の厚みを例えば0.1以上1.0mm以下とすることで、キーホール型の溶融池12がろう材4層に到達すると、近赤外レーザ光11のエネルギーはろう材4の溶融潜熱により消費される。これにより、導体パターン1cを備えた絶縁基板1d層への急速な溶融池12の進展を抑制しつつ、表面導体パターン1aをろう付け可能な温度まで上昇させることができる。また、電極端子3bとろう材4の厚みが合計2mm程度である場合、電極端子3bとろう材4を溶融貫通して導体パターン1cを備えた絶縁基板1dを溶融することは難しいため、絶縁基板1dが損傷しにくい。したがって、電極端子3bとろう材4の厚みを合わせて2mm程度となるように調整してもよい。さらに、ろう材4は電極端子3bの一方主面3cの面積より表面積を大きくすることで、ろう材4の位置ずれや供給の有無の検出が容易となる。電極端子3bの一方主面3cよりも小さい表面積のろう材4を使用する場合は、近赤外レーザ光11の照射領域をろう材4のサイズ以下に調整する。
近赤外レーザ光照射装置10の照射条件は、レーザ出力(エネルギー密度)、走査速度、走査形状等のパラメータを実験的に調整し溶融池12の深さをコントロールする。例えば、近赤外レーザ光11はレンズによって集光し、エネルギー効率を高めるため焦点を電極端子3b表面近傍にジャストフォーカスするとよい。逆に、溶融池12の深さを制限するためにデフォーカスやインフォーカス側に集光位置をずらしてもよい。また、ガルバノスキャナ(図示せず)等を用いて近赤外レーザ光11を電極端子3bの他方主面3dを走査してもよい。図3は、近赤外レーザ光11を走査させる工程を示す拡大断面図と、近赤外レーザ光11を走査させる工程における電極端子3bの他方主面3dの拡大上面図である。図3に示すように、近赤外レーザ光11を電極端子3bの他方主面3dを走査することにより、必要な溶融池12の面積を自在に得ることができる。また、走査速度を遅くしたり、同じ場所を複数回走査したりすることで溶融池12を深くすることができる。
溶融池12の深さがろう材4層に到達し、ろう材4が溶融して表面導体パターン1aとろう材の接合が完了したのち、図2(b)に示すように樹脂ケース8の開口部に熱硬化性樹脂からなる封止樹脂13を封入し、加熱処理を行って封止樹脂13を熱硬化させ、樹脂ケース8の開口部を封止する。熱硬化性の封止樹脂に変えて、シリコーンゲル等を用いて封止してもよい。以上のように、半導体装置100は製造される。
次に、本実施の形態の作用と効果について説明する。
導体パターン1cを備えた絶縁基板1dと電極端子3bとの間にろう材4を配置し、電極端子3bの他方主面3dに近赤外レーザ光11を照射して、電極端子3bの他方主面3dから一方主面3cを溶融貫通しろう材4層までの深さを有するキーホール型の溶融池12を形成する。キーホール型の溶融池12内部では近赤外レーザ光11が多重反射し、溶融池12壁面全体でエネルギーの吸収が生じており、母材中に線熱源を挿入したものと考えることができる。そのため、キーホール型の溶融池12をろう材4層まで到達させるということは、熱源を表面導体パターン1aの近傍まで近づけることになる。これにより、導体パターン1cを備えた絶縁基板1d、ろう材4、電極端子3bとの間にそれぞれ間隙があった場合でも、十分な熱を表面導体パターン1a側近傍まで供給することが可能となり表面導体パターン1a側の昇温不足による未接合リスクを低減することができる。
また、キーホール型の溶融池12が形成されると、溶融池12の深さをコントロールすることは難しく溶融池12により導体パターン1cを備えた絶縁基板1dが損傷する可能性が高い。しかし、ろう材4を表面導体パターン1aと電極端子3bとの間に挿入したことにより、溶融池12がろう材4層に達すると近赤外レーザ光11のエネルギーはろう材4の溶融潜熱によって消費されるため、導体パターン1cを備えた絶縁基板1d側への急速な溶融池12の進展を抑制することができる。これにより、導体パターン1cを備えた絶縁基板1dの近赤外レーザ光11による損傷を予防できる。
さらに、従来のレーザろう付け法は溶融池がリードフレームを溶融貫通しないようにレーザ光のエネルギーを制限する必要があった。そのため、レーザ光が直接当たらず溶融したろう材からの伝熱によって加熱される表面導体パターン側は母材の温度が上がりにくいためレーザ溶接よりも接合時間がかかる。それに対して、本実施の形態では電極端子3bを溶融貫通することを許容し十分な厚みのろう材4(例えば0.1mm以上1.0mm以下)を用いることで、一度に投入可能なエネルギーの総量を従来のレーザ溶接と同等に大きくすることができる。これにより、従来のレーザ溶接と同じスピードでキーホール型の溶融池12をろう材4層まで形成し熱源を表面導体パターン1aの近傍まで近づけることが可能であり、表面導体パターン1a側を短時間でろう付け温度以上に上げることができる。
したがって、ろう材4はレーザ溶接による導体パターン1cを備えた絶縁基板1dの損傷を防止する防護壁としての役割と、導体パターン1cを備えた絶縁基板1dと電極端子3bを接合する接合材としての役割を果たす。
なお、ろう材4にりん銅ろうを用いた例を説明したが、母材の材質や継手に要求される強度によっては、銀ろうやはんだ等を用いてもよい。
実施の形態2.
実施の形態2における半導体装置100の製造方法について図4を用いて説明する。図4は、電極端子3bに可視レーザ光15を照射することによりろう材4を溶融させる工程を示す断面図を示す断面図である。
本実施の形態は、例えば400~600nm付近の波長を有する可視レーザ光15を用いて、熱伝導型の溶融池12を形成することにより表面導体パターン1aと電極端子3bを接合する。したがって、実施の形態1は近赤外レーザ光11によるキーホール型の溶接であり、実施の形態2は可視レーザ光15による熱伝導型の溶接である点が相違する。それ以外の点については同様であるため、詳細な説明は省略する。
従来、400~600nm程度の波長を有する可視レーザ光照射装置はレーザマーキングや微細溶接用途の20W未満の低出力が主であった。しかし、近年ではkW級の高出力レーザも市販されるようになり、mmオーダーの板厚を有するCuの接合にも用いることが可能となった。そこで、本実施の形態では、例えば400~600nm程度の波長を有する可視レーザ光照射装置14を用いた製造方法について説明する。
実施の形態1において、図2で例として挙げた波長1μm程度の近赤外レーザ光11は、Cuの溶融前後で吸収率が急激に変化する。そのため、エネルギー密度を高めてキーホール型の溶融池12を形成しレーザ吸収率を安定させる必要があった。一方、400~600nm程度の波長を有する可視レーザ光15は、非溶融状態のCuに対しても40~60%程度の吸収率を有しており溶融前後で吸収率の変化が小さい。したがって、キーホールを形成しない熱伝導型の溶融池12を形成することができる。
本実施の形態による製造方法は、導体パターン1cを備えた絶縁基板1dと電極端子3bとの間にろう材4を配置する。その後、電極端子3bの他方主面3dに可視レーザ光15を照射して、電極端子3bの他方主面3dから一方主面3cを溶融貫通しろう材4層までの深さを有する熱伝導型の溶融池12を形成する。熱伝導型の溶融池12をろう材4層まで到達させることにより、可視レーザ光15の熱源を表面導体パターン1aの近傍まで近づけることになる。これにより、導体パターン1cを備えた絶縁基板1d、ろう材4、電極端子3bとの間にそれぞれ間隙があった場合でも、十分な熱を表面導体パターン1a側近傍まで供給することが可能となり表面導体パターン1a側の昇温不足による未接合リスクを低減することができる。
なお、ろう材4を導体パターン1cを備えた絶縁基板1dと電極端子3bとの間に挿入したことにより、溶融池12がろう材4層に達すると可視レーザ光15のエネルギーはろう材4の溶融潜熱によって消費されるため、絶縁基板1d側への溶融池12の進展を抑制することができる。これにより、絶縁基板1dの可視レーザ光15による損傷を予防できる。
また、熱伝導型の溶融池12はキーホール型の溶融池12と比較して溶融池12の深さ方向への進展速度が遅い。そのため、可視レーザ光照射装置14の投入エネルギーを制御することにより溶融池12の深さ制御が容易になる。これにより、ろう材4のサイズおよび可視レーザ光15の照射条件の設定マージンを大きくすることができる。また、反射率のばらつき等のレーザ溶接にまつわる揺らぎがあっても安定して導体パターン1cを備えた絶縁基板1dと電極端子3bを接合できる。
また、従来のレーザろう付け法は溶融池がリードフレームを溶融貫通しないようにレーザ光のエネルギーを制限する必要があったが、本実施の形態では電極端子3bを溶融貫通することを許容しているため、一度に投入可能なエネルギーの総量を大きくすることができる。これにより、溶融池12をろう材4層まで形成し熱源を表面導体パターン1aの近傍まで近づけることで、従来のレーザろう付け法より短時間で表面導体パターン1a側をろう付け温度以上に上げることができる。また、実施の形態1のキーホール型の溶融池12に比べ熱伝導型の溶融池12は深さ方向の進展速度が遅いため溶接速度も遅くなる。しかし、キーホール型の溶融池12を形成するためには近赤外レーザ光11の集光径をおよそ100μm以下まで絞る必要がある。そのため、数mmのエリアを接合するためには近赤外レーザ光11を走査して接合面積を広くする必要がある。それに対し、400~600nm付近の波長を有する可視レーザ光15を用いると、可視レーザ光15の照射スポット径を数百μm~数mmまで広げることができ大面積を一度に接合できる。
また、本実施の形態の熱伝導型の溶接は実施の形態1のキーホール型の溶接と比べて、溶融池12の幅が広く、溶融池12内の溶融金属の対流が遅いため溶融池12表面に生じる表面張力が大きい。そのため、スパッタが発生しづらく、半導体装置100内に飛散したスパッタが落下する可能性が低い。これにより、本来接続されるべきでない表面導体パターン1a間の導通パス形成、半導体素子2やAlワイヤ配線等の損傷、歩留まりの悪化を防ぐことができる。さらに、スパッタの付着を防止するカバーを取り付けるコストなどを軽減できる。
実施の形態3.
実施の形態1または実施の形態2の製造方法により製造された半導体装置100について図5および図6を用いて説明をする。半導体装置100を構成する部材は、実施の形態1または実施の形態2に記載したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
図5は、本実施の形態における半導体装置100を示す断面図である。半導体装置100は、導体パターン1cを備えた絶縁基板1dと、表面導体パターン1aの上に配置されたろう材4と、ろう材4の上に一方主面3cが接するように配置された電極端子3bとを備えている。
図6は、導体パターン1cを備えた絶縁基板1dと電極端子3bの接合部分の構成を示す拡大断面図であり、半導体装置100の内部の構造を分かりやすくするために封止樹脂13を省略している。半導体装置100は、溶融凝固部16と拡散接合部17とを備える。溶融凝固部16は、実施の形態1または実施の形態2に記載した製造方法におけるキーホール型または熱伝導型の溶融池12が凝固することにより形成される。そのため、電極端子3bの他方主面3dから一方主面3cを貫通しろう材4層までに形成され、溶融凝固部16は電極端子3bとろう材4の成分が混合している。拡散接合部17は、ろう材溶融部18と表面導体パターン1aが接する面に、ろう材溶融部18のぬれ現象により形成される。また、溶融池12を形成する工程において、溶融池12が電極端子3bの他方主面3dから一方主面3cを溶融貫通しろう材4層まで到達する際に、溶融池12内の対流によって電極端子3bとろう材4の成分が混合する。そのため溶融凝固部16ではろう材4の成分が電極端子3bの他方主面3d表面に現れる。そのため、目視の外観検査で溶融凝固部16が電極端子3bとろう材4が混合することにより変色しているかを確認することが可能である。したがって、ろう材4が溶融されたか目視で判断することができ検査の手間を大幅に省略することができる。より正確に表面導体パターン1aと電極端子3bの接合具合を検査したい場合は、元素分析等の手法によりろう材4の成分であるAgやPが溶融凝固部16から検出されるか確認するとよい。
このように、半導体装置100では、電極端子3bの他方主面3dから一方主面3cを貫通しろう材4層までに形成され、電極端子3bとろう材4が混合する溶融凝固部16と、ろう材4と表面導体パターン1aが接する面に、ろう材4のぬれ現象により形成される拡散接合部17とを備えることにより、導体パターン1cを備えた絶縁基板1d、ろう材4、電極端子3bとの間にそれぞれ間隙があった場合でも、十分な熱を表面導体パターン1a側近傍まで供給することが可能となり表面導体パターン1a側の昇温不足による未接合リスクを低減することができる。
1a 表面導体パターン、1b 裏面導体パターン、1c 導体パターン、1d 絶縁基板、 2 半導体素子、3 リードフレーム、3a 配線導体、3b 電極端子、3c 一方主面、3d 他方主面、4 ろう材、5 放熱板、6 接合材、7 接合材、8 樹脂ケース、9 ねじ、10 近赤外レーザ光照射装置、11 近赤外レーザ光、12 溶融池、13 封止樹脂、14 可視レーザ光照射装置、15 可視レーザ光、16 溶融凝固部、17 拡散接合部、18 ろう材溶融部、100 半導体装置

Claims (5)

  1. 導体パターンを備えた絶縁基板と、前記導体パターンに接合された半導体素子と、前記半導体素子に電流を流すためのリードフレームとを備える半導体装置の製造方法であって、
    前記導体パターンの上にろう材を配置する工程と、
    前記ろう材の上に一方主面が接するように前記リードフレームの一端に設けられた電極端子を配置する工程と、
    前記電極端子の前記一方主面と対面する他方主面にレーザ光を照射して、前記電極端子の前記他方主面から前記一方主面を溶融貫通し前記ろう材の層まで溶融させ、前記電極端子と前記ろう材を溶接し、前記導体パターンはろう付けされるレーザ加熱工程と、
    を備える半導体装置の製造方法。
  2. 前記レーザ光は近赤外レーザ光である
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記レーザ光は可視レーザ光である
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記ろう材の厚みは0.1以上1.0以下mmである
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 導体パターンを備えた絶縁基板と、前記導体パターンに接合された半導体素子と、前記半導体素子に電流を流すためのリードフレームとを備える半導体装置であって、
    前記導体パターンの上に配置されたろう材と、
    前記ろう材の上に一方主面が接するように配置された前記リードフレームの一端に設けられた電極端子と、
    前記電極端子の前記一方主面と対面する他方主面から前記一方主面を貫通し前記ろう材の層までに形成され、前記電極端子と前記ろう材が混合する溶融凝固部と、
    前記ろう材と前記導体パターンが接する面に形成される拡散接合部と、
    を備える半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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