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JP2021504370A - 肝疾患を治療するためのfxr作動薬 - Google Patents

肝疾患を治療するためのfxr作動薬 Download PDF

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JP2021504370A JP2020528867A JP2020528867A JP2021504370A JP 2021504370 A JP2021504370 A JP 2021504370A JP 2020528867 A JP2020528867 A JP 2020528867A JP 2020528867 A JP2020528867 A JP 2020528867A JP 2021504370 A JP2021504370 A JP 2021504370A
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Abstract

本発明は、特に肝疾患を治療又は予防するため、特定用量のトロピフェキソールを用いてファルネソイドX受容体(FXR)の活性を調節するための方法を提供する。

Description

本発明は、ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される肝臓状態を、FXR作動薬、例えばトロピフェキソールを治療有効量で用いることにより治療又は予防するための新規なレジメン、並びにかかるレジメンを含む方法、使用、組成物に関する。
FXRアゴニズムは、胆汁うっ滞性障害(Nevens et al.,J.Hepatol.60(1 SUPPL.1):347A−348A(2014))、胆汁酸吸収不良下痢(Walters et al.,Aliment Pharmacol.Ther.41(1):54−64(2014))及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH;Neuschwander−Tetri et al 2015)を有する対象において臨床的有用性を示している。
OCAと略され、INT−747としても公知であるオベチコール酸(6α−エチル−ケノデオキシコール酸)は、天然胆汁酸ケノデオキシコール酸に対する類似体である、胆汁酸由来のFXR作動薬である。臨床試験では、OCAは、原発性胆汁肝硬変(PBC)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)対象の双方において有効性を示したが、OCA治療はそう痒の増強に関連することがある。OCAは、PBC対象又はNASH対象において、5mg〜50mgの間の用量で試験された。FLINT試験では、35%のOCA治療患者は、19%のプラセボ治療患者と比べて、線維症における改善を示したが、NASHの回復において、プラセボと比べての有意な変化は認められなかった。さらに、そう痒は、OCA治療患者(23%)において、プラセボ治療患者(6%)と比べてより一般的であった。
有効であり、より限定された副作用を伴う可能性がある、FXRによって媒介される肝臓状態に対する新たな処置及び治療法がいまだ求められている。
本発明は、ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態、特に肝疾患を治療する、予防する、又は寛解させる方法であって、式(I)
Figure 2021504370

(即ち、2−[3−({5−シクロプロピル−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1,2−オキサゾール−4−イル}メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル]−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸)のFXR作動薬、その立体異性体、鏡像異性体、薬学的に許容できる塩又はアミノ酸コンジュゲート、例えば、遊離形態での式(II)
Figure 2021504370

(即ち、2−[(1R,3r,5S)−3−({5−シクロプロピル−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1,2−オキサゾール−4−イル}メトキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル]−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸)のFXR作動薬(本明細書中で化合物Aと定義される、又はトロピフェキソール)、又はその薬学的に許容できる塩若しくはアミノ酸コンジュゲートを治療有効量でそれを必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。
本発明は、ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される肝疾患及び障害を治療又は予防するための、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲート、例えば、トロピフェキソールのグリシンコンジュゲート、タウリンコンジュゲート又はアシルグルクロニドコンジュゲートの新たな投与計画、並びにかかる新たな投与計画の使用及びかかる新たな投与計画を実施するのに適した医薬組成物をさらに提供する。かかる新たな投与計画は、ヒトにおけるファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される肝疾患及び障害を治療又は予防するための有効且つ十分な耐容性があるレジメンである。OCAと比べて、本明細書で開示される非胆汁酸FXR作動薬、例えばトロピフェキソールは、約300倍より強力であり、FGR5効果を伴わないことから、それを必要とする患者に投与されるとき、より高い特異性を有する。
式(I)の化合物(例えばトロピフェキソール)は、非胆汁酸由来のFXR作動薬である。それらは国際公開第2012/087519号パンフレットに記載されている。非胆汁酸由来のFXR作動薬は、FXR標的に対するより高い効力、より高い特異性と、胆汁酸代謝のプロセスを受けない吸収、分布、代謝及び排泄プロセスといった利点を有する。
本発明の様々な(列挙される)実施形態が本明細書に記載される。本開示のさらなる実施形態を提供するため、各実施形態中で具体化される特徴が他の具体的特徴と組み合わせてもよいことは理解されるであろう
実施形態1:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を治療又は予防するための治療レジメンであって、式(I)のFXR作動薬、その立体異性体、鏡像異性体、薬学的に許容できる塩又はそのアミノ酸コンジュゲート、例えばトロピフェキソールを、例えばその遊離形態又はアミノ酸コンジュゲートで、約140μg〜約250μg、約140μg〜約200μgの用量(例えば1日量)で投与することを含む、治療レジメン。かかる用量は、毎日又は1日2回の投与に対応するものであってもよい。
実施形態2:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を治療又は予防するための治療レジメンであって、トロピフェキソールを、例えばその遊離形態又はアミノ酸コンジュゲートで、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgの用量で投与することを含む、治療レジメン。かかる用量は、毎日投与(例えば1日量)に対応するものであってもよい。かかる用量は、毎日又は1日2回に対応するものであってもよい。
実施形態3:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態、例えば肝臓又は腸疾患を治療又は予防するための治療レジメンであって、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートを約140μgの用量で、例えば毎日又は1日2回、例えば毎日、投与することを含む、治療レジメン。
実施形態4:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態、例えば肝臓又は腸疾患を治療又は予防するための治療レジメンであって、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートを約140μg又は約200μgの用量で、例えば毎日又は1日2回、例えば毎日、投与することを含む、治療レジメン。
実施形態5:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態、例えば肝臓又は腸疾患を治療又は予防するための治療レジメンであって、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートを約200μgの1日量で、例えば毎日又は1日2回、例えば毎日、投与することを含む、治療レジメン。
実施形態6:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態、例えば肝臓又は腸疾患を治療又は予防するための治療レジメンであって、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートを約250μgの1日量で、例えば毎日又は1日2回、例えば毎日、投与することを含む、治療レジメン。
実施形態7:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を治療又は予防するための薬剤の製造におけるトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートの使用において、トロピフェキソールは、約140μg〜約250μg、約140μg〜約200μgの用量(例えば1日量)で投与されるべきである。かかる用量は、毎日投与(1日量)又は1日2回投与、例えば毎日投与に対応するものであってもよい。
実施形態8:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を治療又は予防するための薬剤の製造におけるトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートの使用において、トロピフェキソールは、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgの用量で投与されるべきである。かかる用量は、毎日投与(例えば1日量)又は毎日若しくは1日2回投与、例えば毎日投与に対応するものであってもよい。
実施形態9:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を治療又は予防するための薬剤の製造におけるトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートの使用において、トロピフェキソールは、約140μg/日〜約250μg/日、約140μg/日〜約200μg/日の用量で投与されるべきである。
実施形態10:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を治療又は予防するための薬剤の製造におけるトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートの使用において、トロピフェキソールは、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgの用量で投与されるべきである。かかる用量は、毎日投与(例えば1日量)又は1日2回投与に対応するものであってもよい。
実施形態11:FXRによって媒介される状態の治療又は予防における使用を意図した、例えばその遊離形態又はアミノ酸コンジュゲートでのトロピフェキソールにおいて、トロピフェキソールは、約140μg〜約250μg、約140μg〜約200μgの用量(例えば1日量)で投与されるべきであり、またFXRによって媒介される前記状態は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性胆管損傷、胆石、肝硬変、アルコール誘発性肝硬変、嚢胞性線維症、胆管閉塞、胆石症、肝線維症である。
実施形態12:FXRによって媒介される状態の治療又は予防における使用を意図した、例えばその遊離形態又はアミノ酸コンジュゲートでのトロピフェキソールにおいて、トロピフェキソールは、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgの用量で投与されるべきである。かかる用量は、毎日投与(例えば1日量)に対応するものであってもよい。かかる用量は、1日2回投与に対応するものであってもよい。
実施形態13:実施形態1〜12のいずれか1つに記載のトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートの使用において、FXRによって媒介される状態は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性胆管損傷、胆石、肝硬変、アルコール誘発性肝硬変、嚢胞性線維症、胆管閉塞、胆石症、肝線維症である。
実施形態14:実施形態1〜12のいずれか1つに記載のトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートの使用において、FXRによって媒介される状態は、NAFLD又はNASHである。
実施形態15:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を、それを患っている対象において治療又は予防するための方法であって、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートを対象に投与することを含み;ここでロピフェキソールが、約140μg〜約250μg、約140μg〜約200μgの1日量で投与されるべきである、方法。
実施形態16:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を、それを患っている対象において治療又は予防するための方法であって、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートを対象に投与することを含み;ここでトロピフェキソールが、約140μg/日〜約250μg/日、約140μg/日〜約200μg/日の用量で投与されるべきである、方法。
実施形態17:ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を、それを患っている対象において治療又は予防するための方法であって、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートを対象に投与することを含み;ここでトロピフェキソールが、約140μg/日、約150μg/日、約160μg/日、約170μg/日、約180μg/日、約190μg/日、約200μg/日、約210μg/日、約220μg/日、約230μg/日、約240μg/日又は約250μg/日の用量で投与されるべきである、方法。
実施形態18:実施形態1〜16のいずれか1つに記載のファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を治療又は予防するための方法であって、該状態が、慢性肝疾患、例えば、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性胆管損傷、胆石、肝硬変、アルコール誘発性肝硬変、嚢胞性線維症、胆管閉塞、胆石症、又は肝線維症などである、方法。
実施形態19:慢性肝疾患を、それを患っている対象において治療又は予防するための方法であって、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートを、約140μg〜約250μg、約140μg〜約200μgの用量(例えば1日量)で対象に投与することを含む、方法。
実施形態20:慢性肝疾患を、それを患っている対象において治療又は予防するための方法であって、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートを、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgの用量で対象に投与することを含む、方法。かかる用量は、毎日投与(例えば1日量)に対応するものであってもよい。かかる用量は、1日1回又は1日2回投与に対応するものであってもよい。
実施形態21:非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性胆管損傷、胆石、肝硬変、アルコール誘発性肝硬変、嚢胞性線維症、胆管閉塞、胆石症及び肝線維症から選択される肝疾患又は障害を治療又は予防するための、実施形態19又は20に記載の方法。
実施形態22:NASHを治療又は予防するための実施形態19又は20に記載の方法。
実施形態23:実施形態1〜22のいずれか1つに記載の、ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態、例えば慢性肝疾患を、それを患っている対象において治療又は予防するための使用、トロピフェキソール、又は方法において、トロピフェキソールは、3か月〜生涯、例えば6か月〜生涯、例えば1年〜生涯の期間、例えば3か月〜1年、例えば6か月〜生涯の期間、例えば、3か月、6か月若しくは1年の期間、又は生涯にわたり投与されるべきである。
実施形態24:非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性胆管損傷、胆石、肝硬変、アルコール誘発性肝硬変、嚢胞性線維症、胆管閉塞、胆石症及び肝線維症から選択される肝疾患又は障害を治療又は予防するための、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の使用、トロピフェキソール、又は方法。
実施形態25:非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療又は予防するための、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の使用、トロピフェキソール、又は方法において、NASHは軽度〜中等度であり、線維症レベルはF2〜F3である。
実施形態26:非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療又は予防するための、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の使用、トロピフェキソール、又は方法において、NASHは、トロピフェキソールによる治療開始前2年以内に得られた肝生検に基づいて確認され(生検で確認されたNASHとも称される)、且つNASHは、軽度〜中等度であり、線維症レベルはF2〜F3である。
実施形態27:非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療又は予防するための、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の使用、トロピフェキソール、又は方法において、NASHの存在は、
i)実施形態1〜23のいずれか1つに記載のFXR作動薬による治療前2年以内に得られた肝生検に基づくNASHの組織学的証拠に加えて、NASHに合致する診断、F1、F2若しくはF3の線維症レベル、他の慢性肝疾患が診断されていないこと、及びALT≧60IU/L(男性)若しくは≧40IU/L(女性)、の1つにより、又は
ii)
−ALT≧60IU/L(男性)若しくは≧40IU/L(女性)、及び
−(アジア系以外の自己同定された人種の患者において)BMI≧27kg/m2若しくは(自己同定されたアジア系人種の患者において)≧23kg/m2、及び
−2型糖尿病の、HbA1C≧6.5%若しくは2型糖尿病用の薬剤療法のいずれかを有することによる診断
の3つすべての存在に基づくNASHの表現型診断により、
実証されている。
実施形態28:最大で500μg/日の最大総用量の経口投与に適した、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgのトロピフェキソールを含む単位剤形医薬組成物。かかる単位剤形組成物は、液体、錠剤、カプセル剤から選択される形態であってもよい。さらにこれらの単位剤形組成物は、慢性肝疾患、例えば、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性胆管損傷、胆石、肝硬変、アルコール誘発性肝硬変、嚢胞性線維症、胆管閉塞、胆石症、肝線維症の治療における使用、例えば非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療における使用、例えば非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)表現型の治療における使用が意図される。
実施形態29:実施形態1〜27のいずれか1つに記載の使用、トロピフェキソール、又は方法において、実施形態28の医薬単位剤形は、空腹状態のヒトに投与される、例として、水以外の最初の飲料の少なくとも30分前、及び当日の最初の食事の少なくとも60分前の空腹状態での投与が挙げられる。
実施形態30:実施形態1〜27のいずれか1つに記載の使用、トロピフェキソール、又は方法において、実施形態28の医薬単位剤形は、肝機能障害を有するヒトに投与され、ここでトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートは、肝機能障害を有しないヒトに投与される用量と比べて低減された用量で投与される。かかる肝機能障害は、例えばChild−Pughシステム:軽度(Child−Pugh A)、中等度(Child−Pugh B)、重度(Child−Pugh C)により分類されてもよい。
発明の詳細な説明
定義
本明細書を解釈することを意図して、以下の定義が適用されることになり、適切である限り、単数で用いられる用語は複数も含むことになる、又はその逆もいえる。
本明細書で用いられるとき、数値xに関する用語「約」は、文脈上特に断りのない限り、+/−10%を意味する。
本明細書で用いられるとき、用語「FXR作動薬」は、FXRに直接的に結合し、その活性を上方制御する薬剤を指す。
本明細書で用いられるとき、用語「薬学的に許容できる」は、活性成分の生物学的活性の有効性に干渉しない非毒性材料を意味する。
本明細書で用いられるとき、用語「アミノ酸コンジュゲート」は、任意の好適なアミノ酸との式(I)の化合物のコンジュゲートを指す。好ましくは、式(I)の化合物のかかる好適なアミノ酸コンジュゲートは、胆汁又は腸管液中での増強された完全性のさらなる利点を有することになる。好適なアミノ酸として、限定はされないが、グリシン、タウリン及びアシルグルクロニドが挙げられる。したがって、本発明は、式(I)の化合物のグリシン、タウリン及びアシルグルクロニドコンジュゲート、例えば、トロピフェキソールのグリシン、タウリン及びアシルグルクロニドコンジュゲートを包含する。
本明細書で用いられるとき、用語「対象(subject)」又は「対象(subject)」は、ヒトを指す。
本明細書で用いられるとき、疾患又は障害と組み合わせた用語「治療する(treat)」、「治療する(treating)」又は「治療(treatment)」は、一実施形態では、疾患又は障害を寛解すること(即ち、疾患又はその臨床症状の少なくとも1つの発生を緩徐化又は停止又は低減すること)を指す。別の実施形態では、「治療する(treat)」、「治療する(treating)」又は「治療(treatment)」は、患者によって識別可能でない場合を含む、少なくとも1つの物理パラメータを軽減又は寛解することを指す。さらに別の実施形態では、「治療する(treat)」、「治療する(treating)」又は「治療(treatment)」は、身体的に(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理的に(例えば、身体的パラメータの安定化)、又は双方のいずれかで疾患又は障害を調節することを指す。例えば状態の症状に関連する用語「軽減する」又は「軽減」は、本明細書で用いられるとき、患者における状態の症状の頻度及び増幅の少なくとも1つを低減することを指す。一実施形態では、用語「治療のための方法(method for the treatment)」又は「治療するための方法(method for treating)」は、本明細書で用いられるとき、「治療するための方法(method to treat)」を指す。
本明細書で用いられるとき、用語「治療有効量」は、本発明の化合物、例えば式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩、例えばトロピフェキソールの、前述の効果を達成するのに十分である量を指す。したがって、FXRによって媒介される状態の治療又は予防のために用いられる、式(I)のFXR作動薬、その立体異性体、鏡像異性体、薬学的に許容できる塩又はそのアミノ酸コンジュゲート、例えばトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートの治療有効量は、FXRによって媒介される状態の治療又は予防にとって十分な量となる。
「治療レジメン」は、疾病の治療のパターン、例えば疾患又は障害の治療中に用いられる投与のパターンを意味する。
本明細書で用いられるとき、対象は、かかる対象がかかる治療から生物学的に、医学的に又は生活の質において利益を得るような場合、治療「を必要とする」。
本明細書で用いられるとき、用語「肝疾患又は障害」は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性胆管損傷、胆石、肝硬変、アルコール誘発性肝硬変、嚢胞性線維症、胆管閉塞、胆石症及び肝線維症の1つ、複数、又はすべてを包含する。
本明細書で用いられるとき、NASH表現型又は表現型NASHは、肝臓のALT/AST上昇及び脂肪浸潤とともに、メタボリックシンドロームのいくつかの特徴(肥満、2型糖尿病)の組み合わせを用いて説明することができる。
本明細書で用いられるとき、線維症は、文献中に記載されるスコアリングシステムを用いてステージ分類可能であり、例えば米国において最も一般的に用いられるものは、Knodell組織学的活性指標(0〜4)、Batts−Ludwigステージ(0〜4)及びScheuer(0〜4)(3〜5)であり、欧州ではMETAVIRスキーム(0〜4)である。ステージ0〜4のKnodell及びMETAVIRスコアの線維症では、ステージ4が肝硬変である一方で、0〜6のIshakスコアの線維症の場合、5が不完全又は早期肝硬変であり、6が確立された肝硬変である。
本明細書で用いられるとき、NASは、NAFLD活動性スコアであり、患者における治療応答及び疾患進行を判断するために用いられる半定量装置として説明することが可能である。本明細書で用いられるとき、「治療有効量」は、式(I)の化合物、その立体異性体、鏡像異性体、その薬学的に許容できる塩又はそのアミノ酸コンジュゲート、例えばトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲート、例えばトロピフェキソールの、障害又は反復性障害を治療する、予防する、治癒させる、遅延させる、その重症度を低減する、その少なくとも1つの症状を寛解させる、又は対象の寿命をかかる治療の不在下で期待される寿命よりも延ばすときの対象(ヒト対象など)への単回又は複数回用量投与時に有効である量を指す。
トロピフェキソールが、ANIT誘発性胆汁うっ滞ラットにおける血清生化学パラメータ、肝損傷、及び線維症を改善することを示す。 トロピフェキソールが、STAMモデルにおけるNASH様症状を寛解することを示し:NAFLD活動性スコア、肝臓トリグリセリド、並びにシリウスレッド陽性領域及び血漿コレステロールレベルが有意に低下した。 トロピフェキソールがNASHの食餌駆動性インスリン抵抗性モデルにおいて線維症を回復させることを示す。
本発明を実施するモード
肝線維症は、PBC及びNASHなどの進行性肝疾患の主要な特徴である。特に、線維症は、全体及び肝臓関連の罹患率及び死亡率に関連することから、NAFLD及びNASHにおける予後を危険にする。現在、肝線維症に対して認可された直接的な抗線維症療法がないことから、線維症の回復は、NASH疾患の状況下で主な要求が満たされないままである。これに関連して、本発明者は、3つの異なる慢性肝疾患モデルにおける用量依存的様式でのコラーゲン沈着の減少によって確認された通り、トロピフェキソールが肝線維症を有意に低減したことを見出している。さらに、トロピフェキソールのより高い(国際公開第2017145041号パンフレットに開示されたトロピフェキソール用量よりも高い)曝露レベルを評価する前臨床試験によると、(インビトロ及びインビボ双方で)より高いFXRの活性化が可能であることが示され、FXR活性化のレベル上昇により、より高い有効性がもたらされることが示唆される。NASHマウスモデルでは、用量増加により、NAFLD活動性スコアの低下が得られ、線維症が低減された。約140μg〜約250μgの用量(例えば、200μgで80ng時間/mL)のトロピフェキソールで治療される場合、肝細胞肥大は、NASH患者におけるレベルを十分に上回る曝露での動物モデル(例えば、イヌの雄及び雌各々における898及び507ng時間/mLの平均AUC 0〜24時間)に限り、有害であった。例えば、140μg及び200μg用量で、NASH患者の約80%及び95%が、AUC>40ng時間/mLを達成することがある。したがって、約140μg〜約250μgでの用量のトロピフェキソールは、慢性肝疾患、例えば非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療にとって有利であり;さらに、約140μg〜約250μgの用量でのトロピフェキソールは、患者に投与されるとき、安全且つ有効な治療をもたらす。
ベースラインからの組織学的改善によって評価されるとき、軽度〜中等度NASH及びF2/F3線維症を有する患者に投与されるときの約140μg〜約250μgの用量のトロピフェキソールは、約50%の患者が肝線維症の改善(少なくとも1ステージ)を有するとともにNAFLD活動性スコア(NAS)の悪化を伴わない、又は約30%の患者がNASHの回復を有する(NASが0又は1)とともに肝線維症の悪化を伴わないことを示す。
ベースラインからの組織学的改善によって評価されるとき、軽度〜中等度NASH及びF2/F3線維症を有する患者に投与されるときの約140μg〜約250μgの用量のトロピフェキソールは、約50%以上の患者における肝酵素の正常化を示す。
ベースラインからの組織学的改善によって評価されるとき、軽度〜中等度NASH及びF2/F3線維症を有する患者に投与されるときの約140μg〜約250μgの用量のトロピフェキソールは、肝脂肪の減少(例えば30%の相対的減少;例えば5%の絶対的減少)を示す。
ベースラインからの組織学的改善によって評価されるとき、軽度〜中等度NASH及びF2/F3線維症を有する患者に投与されるときの約140μg〜約250μgの用量のトロピフェキソールは、NASH PRO又は5−Dそう痒又はビジュアルアナログスケール(VAS)によって判断されるとき、有意なそう痒の転帰を示さない。5−Dは、経時的変化を検出できるように、慢性そう痒を有する患者において検証されているそう痒の信頼できる多次元的尺度である。
FXR作動薬、例えばトロピフェキソールは、肝疾患及び障害を治療、寛解、又は予防するため、インビトロ、生体外で用いられてもよい、又は医薬組成物中に組み込まれ、インビボで個体(例えばヒト対象)に投与されてもよい。医薬組成物は、その意図される投与経路に適合するように製剤化されることになる(例えば、経口組成物は、一般に不活性希釈剤又は食用担体を含む)。投与経路の他の非限定例として、非経口(例えば静脈内)、皮内、皮下、経口(例えば吸入)、経皮(局所)、経粘膜、及び直腸投与が挙げられる。意図される各経路に適合する医薬組成物は、当該技術分野で周知である。式(I)のFXR作動薬、例えばトロピフェキソールを含む例示的な医薬組成物が、国際公開第2012/087519号パンフレットに記載されている。
投与頻度は、2回/日、1回/日、又は2日ごと、例えば1日1回であってもよい。いくつかの実施形態では、投与頻度は、2回/日である。投与頻度は、特に治療レジメンの段階に依存することになる。
いくつかの実施形態では、投与計画は、約140μg〜約250μgのトロピフェキソールが経口的に送達される、例えば約140μg〜約200μgが経口的に送達されるような投与を含む。かかる用量は、毎日投与(1日量)、又は1日2回投与又は2日ごとの投与、例えば毎日投与に対応するものであってもよい。
いくつかの実施形態では、投与計画は、約140μg〜約250μgの範囲内の用量が経口的に送達される、例えば約140μg〜約200μgの範囲内の用量が経口的に送達されるようなトロピフェキソールの投与を含む。かかる用量は、毎日投与(1日量)、又は1日2回投与又は2日ごとの投与、例えば毎日投与に対応するものであってもよい。
いくつかの実施形態では、投与計画は、用量として、約140μgが経口的に送達される、約150μgが経口的に送達される、約160μgが経口的に送達される、約170μgが経口的に送達される、約180μgが経口的に送達される、約190μgが経口的に送達される、約200μgが経口的に送達される、約210μgが経口的に送達される、約220μgが経口的に送達される、約230μgが経口的に送達される、約240μgが経口的に送達される、又は約250μgが経口的に送達されるようなトロピフェキソールの投与を含む。かかる用量は、経口投与に対応するものであってもよい。
いくつかの実施形態では、投与計画は、約140μg/日〜約250μg/日、約140μg/日〜約200μg/日の範囲内の用量でのトロピフェキソールの投与を含む。
いくつかの実施形態では、投与計画は、1日2回の約140μg、1日2回の約150μg、1日2回の約160μg、1日2回の約170μg、1日2回の約180μg、1日2回の約190μg、1日2回の約200μg、1日2回の約210μg、1日2回の約220μg、1日2回の約230μg、1日2回の約240μg、又は1日2回の約250μgといった用量でのトロピフェキソールの投与を含む。かかるレジメンは、経口的に送達されてもよい。
本明細書中、上で定義されるように、肝疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、トロピフェキソールを約140μg/日〜約250μg/日、約140μg/日〜約200μg/日の用量でそれを必要とする対象に投与することを含む、方法が本明細書で開示される。
本明細書中、上で定義されるように、肝疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、トロピフェキソールを約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgでそれを必要とする対象に投与することを含む、方法が本明細書で開示される。いくつかの実施形態では、かかる用量は、毎日、例えば経口的に投与される。いくつかの実施形態では、かかる用量は、経口的に、例えば毎日、投与される。
トロピフェキソールが約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgからなる群から選択される用量で投与されるべきであることが特徴づけられた、本明細書中、上で定義されるような、肝疾患又は障害の治療又は予防における使用を意図した、式(I)のFXR作動薬、立体異性体、鏡像異性体、それらの薬学的に許容できる塩又はそれらのアミノ酸コンジュゲート、例えばトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートが本明細書で開示される。かかる用量は、毎日、1日2回又は2日ごと、例えば毎日、投与されてもよい。かかる用量は、経口的に投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書中、上で定義されるような、肝疾患又は障害の治療又は予防における使用を意図した、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲート、例えばトロピフェキソールが開示され、ここでトロピフェキソールは、約140μg、約200μg又は約250μgからなる群から選択される1日量で投与されるべきである。
いくつかの実施形態では、本明細書中、上で定義されるような、肝疾患又は障害の治療又は予防における使用を意図した、式(I)のFXR作動薬、立体異性体、鏡像異性体、それらの薬学的に許容できる塩又はそれらのアミノ酸コンジュゲート、例えばトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートが開示され、ここで前記FXR作動薬は、1日2回、約140μg、約200μg又は約250μgからなる群から選択される用量で投与されるべきである。
いくつかの実施形態では、本明細書中、上で定義されるような、肝疾患又は障害の治療又は予防における使用を意図した、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートが開示され、ここでトロピフェキソールは、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgからなる群から選択される用量で2日ごとに投与されるべきである。
いくつかの実施形態では、本明細書中、上で定義されるような、肝疾患又は障害の治療又は予防における使用を意図した、式(I)のFXR作動薬、立体異性体、鏡像異性体、それらの薬学的に許容できる塩又はそれらのアミノ酸コンジュゲート、例えばトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートが開示され、ここでトロピフェキソールは、約140μg又は約200μgの1日量で投与されるべきである。
いくつかの実施形態では、トロピフェキソールが、約140μgの1日量、約200μgの1日量、約250μgの1日量で提供される。
いくつかの実施形態では、慢性肝疾患、例えば、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性胆管損傷、胆石、肝硬変、アルコール誘発性肝硬変、嚢胞性線維症、胆管閉塞、胆石症、肝線維症の治療における使用を意図して、例えば、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療における使用を意図して、又はNASH表現型の治療における使用を意図して、トロピフェキソールが、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgの1日量で提供される。
いくつかの実施形態では、最大で100μg/日の最大総用量の経口投与に適した、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgのトロピフェキソールを含む単位剤形医薬組成物が提供される。かかる剤形は、液体、錠剤、カプセル剤から選択される。剤形は、慢性肝疾患、例えば非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性胆管損傷、胆石、肝硬変、アルコール誘発性肝硬変、嚢胞性線維症、胆管閉塞、胆石症、肝線維症の治療における使用が意図される、例えば非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療における使用が意図される。
いくつかの実施形態では、慢性肝疾患、例えば非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の治療における使用を意図して、トロピフェキソールが、約10μgの1日量、約30μgの1日量、約60μgの1日量、又は約120μgの1日量で提供される。
いくつかの実施形態では、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療における使用を意図して、トロピフェキソールが、約140μgの1日量、約200μgの1日量又は約250μgの1日量で提供される。
いくつかの実施形態では、水以外の最初の飲料の少なくとも30分前、及び当日の最初の食事の少なくとも60分前、朝の空腹状態でのトロピフェキソールの1日1回投与が提供される。
いくつかの実施形態では、水以外の最初の飲料の少なくとも30分前、及び当日の最初の食事の少なくとも60分前、朝の空腹状態で、例えば、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgの量でのトロピフェキソールの1日1回投与が提供される。
いくつかの実施形態では、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の1日1回の治療における使用を意図して、トロピフェキソールが、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgの1日量で提供され、且つトロピフェキソールは、水以外の最初の飲料の少なくとも30分前、及び当日の最初の食事の少なくとも60分前、朝の空腹状態で投与されるべきである。
いくつかの実施形態では、上記実施形態のいずれかに従う使用、トロピフェキソール又は方法が提供され、上記実施形態の医薬単位剤形が、肝機能障害を有するヒトに投与され、ここでトロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲートは、肝機能障害を有しないヒトに投与される用量と比べて減少した用量で投与される。かかる肝機能障害は、例えば、Child−Pughシステム:軽度(Child−Pugh A)、中等度(Child−Pugh B)、重度(Child−Pugh C)によって分類されてもよい。肝障害の分類のための最も確立された手法は、現在、Child−Pughシステムである。肝障害対象における用量の減少が検討されている。
いくつかの実施形態では、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療における使用を意図して、トロピフェキソールが、約140μgの1日量、約200μgの1日量又は約250μgの1日量で提供され、ここで上記用量は、肝障害対象において、肝機能障害を有しないヒトに投与される用量と比べて約半分まで減少する。
肝障害対象において、本明細書中、上で定義されるように、肝疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、トロピフェキソールを、約70μg/日〜約120μg/日、約70μg/日〜約100μg/日の用量で、それを必要とするような対象に投与することを含む、方法が本明細書で開示される。
肝疾患又は障害を治療するためのキット
本明細書中、上で定義されるように、肝疾患又は障害を治療するための、トロピフェキソールを提供するのに有用なキットが本明細書に提供される。かかるキットは、トロピフェキソール若しくはそのアミノ酸コンジュゲート又はトロピフェキソールを含む医薬組成物を含んでもよい。加えて、かかるキットは、トロピフェキソール(例えば固体組成物)を投与するための手段及び使用説明書を含んでもよい。
したがって、a)トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲート、例えばトロピフェキソールを治療有効量で含む医薬組成物;b)本明細書中、上で定義される通り、肝疾患又は障害を有する対象にトロピフェキソールを投与するための手段;及びc)使用説明書を含むキットであって、ここで医薬組成物が、トロピフェキソールを約140μg〜約250μg、約140μg〜約200μgの範囲内の用量(例えば1日量)で含む、キットが本明細書に開示される。
a)トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲート、例えばトロピフェキソールを治療有効量で含む医薬組成物;b)本明細書中、上で定義される通り、肝疾患又は障害を有する対象にトロピフェキソールを投与するための手段;及びc)使用説明書を含むキットであって、ここで医薬組成物が、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgからなる群から選択されるトロピフェキソールの用量のFXR作動薬分子を含む、キットも開示される。
別の実施形態では、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲート、例えばトロピフェキソールは、経腸的に;またより詳細には経口的に投与される。
特に指定がない限り、本発明の方法における使用を意図した化合物は、トロピフェキソール又はそのアミノ酸コンジュゲート、プロドラッグ、及び固有に形成された部分(例えば、多形物、溶媒和化合物及び/又は水和物)を指す。本明細書に示されるいずれかの式はまた、化合物の非標識形態及び同位体標識形態を表すように意図される。
実施例1
動物実験
実験プロトコルは、地方の動物実験委員会(Animal Care and Use Committee)によって認可され、動物保護法(Animal Welfare Act)の規制及び米国規制(実験動物の管理と使用に関する指針(Guide for the Care and Use of Laboratory Animals))に準じた。成体雄Wistar Hanラット(Charles River Laboratories,Inc.)は10.6週齢であり、約300〜370gの体重に対して無作為化し、1日1回(qd)で14日間、経口懸濁液でのトロピフェキソール(0.003、0.01、0.03、0.1、0.3、1.0、及び3.0mg/kg)、OCA(0.24、1.2、6及び30mg/kg)、又は媒体を胃管栄養針を用いて投与した。標的遺伝子発現及び血清バイオマーカーの分析のため、14日目の最終投与後、トロピフェキソール治療ラットを1及び7時間目に屠殺し(n=3/時点)、且つOCA治療ラットを1、3、及び7時間目に屠殺した(n=3/時点)。
重度の胆汁うっ滞を誘発するため、体重が200〜220gの8週齢の雄スプラーグドーリー(SD)ラット(Charles River Laboratories,Inc.)に、0.1% α−ナフチル−イソチオシアネート(ANIT)を含有する加工したPicolab rodent diet 5053を与えた。3日目に始まり、トロピフェキソール(LJN452)又はOCAは各々、0.03、0.3、及び1mg/kg(ラット6匹/群)又は1、5、及び25mg/kg(ラット5匹/群)の用量での経口的胃管栄養を1日1回で5日間行った。ラットを最終投与後3〜5時間目に屠殺し、血液サンプルを心臓穿刺により収集し、胆汁うっ滞の血清バイオマーカー、即ち、アラニントランスアミナーゼ(ALT)、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、アルカリホスファターゼ(ALP)、総ビリルビン、総BA、及びγグルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)を分析した。
STAMモデルにおけるさらなる実験を実施し、2日齢雄C57Bl/6Jマウスにストレプトゾトシンを注射し、それらを4〜12週目にかけて高脂肪食(HFD)上に置いた(HFD−32;日本クレア株式会社、東京、日本)。9〜12週目にかけて、STAMマウスに、トロピフェキソール(LJN452)を0.03、0.1、若しくは0.3mg/kgで;OCAを25mg/kgで;又は対応する媒体を1日1回経口投与した。ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色切片を、予め定義した判定基準に従い、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)活動性スコア(NAS)について評価した。肝臓の全脂質抽出物を単離し、トリグリセリドE試験(Wako Pure Chemical Industries,Ltd.、日本)を用いてトリグリセリドを測定した。
食餌誘発性NASHに対する別々のモデルを、Trevaskisらによる説明のように開発した。約6週齢の雄C57Bl6マウスを、高脂肪(40%kcal;Primex)、高フルクトース(22重量%)、及び高コレステロール(2重量%)食(Research Diets Inc.,New Brunswick,NJ、カタログ番号D09100301)上で26週間維持し、NASHを誘発した。対照動物は、フルクトース又はコレステロールを有しない低脂肪食(10%kcal)(Research Diets、カタログ番号D09100304)を受けた。26週目から、動物に、トロピフェキソール(LJN452)を0.03、0.3、若しくは1.0mg/kg又はOCAを25mg/kg、1日1回で4週間経口投与した。コラーゲンI型α1(Col1a1)及びメタロプロテイナーゼ1の組織阻害剤(Timp1)の遺伝子の発現をリアルタイム定量PCRにより分析した。
病理組織学
肝臓切片を4%パラホルムアルデヒドに48時間固定し、病理組織学的解析用に輸送した。肝損傷及びコラーゲン沈着を各々、H&E染色及びピクロシリウスレッド染色により評価した。食餌駆動性NASHモデルにおいて、肝臓切片をMassonトリクローム染色(Sigma−Aldrich,St Louis,MO,USA)で、イオン化カルシウム結合アダプター分子1(IBA1;Wako、カタログ番号019−19741)について染色した。画像の定量化を、Aperioソフトウェア(Aperio,Inc.,Vista,CA)を用いる陽性画素数アルゴリズムを用いて実施した。
結果
血清バイオマーカーのAST、ALT、総胆汁酸、総ビリルビン、及びGGTが、媒体処置胆汁うっ滞(ANIT処置)動物において、媒体処置非胆汁うっ滞(対照)動物と比べて著しく上昇した(図1A)。わずか0.3mg/kgの用量でのトロピフェキソール治療により、AST、ALT、総BA、総ビリルビン、及びGGTレベルにおける著しい低下がもたらされた。さらに、1.0mg/kgの用量で、大部分の胆汁うっ滞マーカーのレベルが、媒体処置ANIT対照と比べて有意に低下しただけでなく、媒体処置非胆汁うっ滞対照動物に対応するレベルまで正常化し、胆汁うっ滞の完全回復が示された。トロピフェキソールで治療した胆汁うっ滞ラットからの肝組織学によると、媒体処置胆汁うっ滞ラットからの肝臓に対して、胆管上皮の壊死、胆管過形成、及び門脈領域内での炎症細胞浸潤物の存在における用量依存性の改善が示された(図1B)。加えて、慢性的なANIT処置によるコラーゲン沈着及び肝線維症の誘発(図1C、上左パネル)は、用量依存的様式でのトロピフェキソールにより非常に低減される(図1C、右パネル)。コラーゲン沈着の定量により、媒体処置ANIT肝臓において線維症が増加し、用量依存的様式でのLJN452処置で有意に減少することが確認された(図1D)。
胆汁うっ滞バイオマーカーに対するOCAの効果を試験するため、OCAの様々な用量(1、5、及び25mg/kg)での並行試験を、ANITモデルを用いて実施した。血清生化学パラメータに対してOCAとの混合効果が認められた。トロピフェキソールと異なり、OCAは、25mg/kgの用量で総BA及びビリルビンに限り有意な低下を示し、トロピフェキソールが胆汁うっ滞の疾患マーカーの低下に対してOCAよりも有効であることが示された。
LJN452での処置は、NASスコアの3つの全成分(脂肪肝、小葉炎症、及び肝細胞の風船様腫大;図2A)における減少に起因し、0.1及び0.3mg/kgの用量でのNASにおける有意な低下を示した。脂肪肝の改善が、病理組織学及び肝トリグリセリドの減少により実証された(図2A〜2B)。重要なことに、これらの変化がベースライン群と比べて認められ、NASHのベースラインからの退縮が示された(図2A〜2C)。高濃度のOCA(25mg/kg)は、肝トリグリセリドにおける有意な減少をもたらさなかったが、NASにおいて減少傾向があり(P>0.05)、トロピフェキソールがNASH表現型をOCAよりも有効に回復させることが示された。肝臓切片内部のシリウスレッド陽性領域の百分率は、STAMマウスにおいて正常なマウスと比べてより高く、線維症の存在が示された。トロピフェキソール処置マウスは、STAMに認められる特徴的な細胞周囲線維症の統計学的に有意な用量依存的減少を示した。加えて、トロピフェキソール処置マウスの線維症領域は、ベースライン群と比べて減少し(図2A、2C)、トロピフェキソールによるNASHの線維症表現型の完全回復が示された。
NASHを有する多数の個体が肥満及び糖尿病であることから、肥満のインスリン抵抗性NASHモデルにおけるトロピフェキソールの効果が評価されている。NASHは、マウスにおいて、高トランス脂肪、高フルクトース、及び高コレステロール食餌(AMLN食餌)を26週間摂食させ、その後さらに4週間、化合物処置を行うことにより確立した。STAMモデルからの結果に一致して、トロピフェキソールは、NASHのこの食餌駆動性モデルにおける治療様式において、肝臓炎、脂肪肝、及び線維症を回復させた。肝損傷ALT及びASTのマーカーは、NASHマウスにおいて、低脂肪食(10%脂肪)を与えた対照動物と比べて上昇した。トロピフェキソール処置NASHマウスは、媒体処置対照と比べて、ALT及びASTの用量依存的低下を示した(図3A)。重要なことには、中用量レベルのトロピフェキソールは、ALT及びASTレベルを対照動物の場合まで正常化した一方で、高用量は、ALT/ASTをさらに大幅な範囲に低下させた(図3A)。OCAは、ALT及びASTレベルに対して統計学的に有意な効果を示さなかった。さらに、肝組織学分析によると、媒体処置NASHマウスにおいて見出された脂肪肝、風船様、及び炎症は、0.3及び0.9mg/kg用量群でのトロピフェキソールにより完全に回復することが示された(図3B)。トロピフェキソールによる脂肪肝の用量依存的低減は、肝トリグリセリドの定量化によりさらに確認された(図3D)。対照的に、高用量のOCA(25mg/kg)は、脂肪肝及び炎症を低減することに対して軽微な効果を有するにすぎない。
脂肪肝に加えて、媒体処置NASH群は、マクロファージ及びクッパー細胞(IBA細胞;図3C)の染色によって示される通り、有意な肝炎症を呈した。これらの群では、マクロファージは、ヒト及び齧歯類NASH肝臓において以前に述べられた特徴的な冠様構造を形成する。興味深いことに、肝臓の冠様構造は、中用量及び高用量のトロピフェキソール処置NASHマウスの肝臓において完全に除去されたが、OCA処置マウスにおいては完全に除去されなかった(図3C)。IBA陽性染色の定量化により、0.3及び0.9mg/kgのトロピフェキソール用量群の場合に対照食餌群と同レベルまで正常化され、トロピフェキソールによる炎症の低減がさらに確認された(図3D)。
先行試験に一致して、AMLN食餌は、NASHのこのモデルにおいて肝線維症を誘発した(図3B、3D)。トリクローム染色によると、トロピフェキソールが肝臓におけるコラーゲン沈着を、低脂肪食処置対照マウスの場合よりも低いレベルまでも、強力に抑止することが示された(図3B、3D)。組織学的知見に一致して、トロピフェキソールは、線維形成マーカーCol1a1及びTIMP1のmRNAレベルを劇的に低下させた。STAM及びAMLNインビボ試験の双方が、一緒になって、トロピフェキソールが、肝臓の脂肪肝の低減並びに炎症及び線維症の回復を通じてNASHを改善することを示す。
実施例2
ラットにおいて最大26週間とイヌにおいて最大39週間実施した経口胃管栄養毒性試験において、トロピフェキソールの安全性特性をさらに評価した。
NASHマウスモデルから得られたデータは、マウスにおける0.3mg/kgの用量により、NASH患者における毎日200μgでの予測曝露の約80ng・時間/mlよりも高い129ng時間/mLの曝露がもたらされることを示している。
より長期の動物毒性試験では、90μgの用量でのNASH患者における曝露が、ラットNOAELに対して1倍未満の安全性マージン(70ng・時間/mlの以前のキャップに対してやや1倍超の安全性マージン)を維持するが、イヌNOAELに対して2倍超の安全性マージンを維持することが確認されている。
実施例3
薬力学マーカーFGF19がトロピフェキソール用量の最大3000μgまでの増加とともに上昇し続けることが示されている。用量が10μg、30μg、60μg及び90μgのトロピフェキソールで治療したNASH患者における、ALT、AST、FGF19及びGGTについての8週目のバイオマーカーデータを用いた探索的曝露−応答分析によると、AUC>40ng時間/mLの曝露が最大のバイオマーカー応答、ひいてはより優れた治療効果をもたらすことが示されている。140μg及び200μgの用量で、NASH患者の約80%及び95%がAUC>40ng時間/mLに達する。
試験プロトコル
無作為化前2年以内の肝生検及びALT上昇に基づくNASHの組織学的証拠、又はALT上昇、2型糖尿病若しくはHbA1c上昇及びBMI増加に基づくNASHの表現型診断のいずれか(いずれの場合も、MRIの中央読影で肝脂肪>10%を伴う)を有する成人男性及び女性患者。
NASHの診断:中央読影者による評価にとって十分な肝生検サンプルにより、スクリーニング期間中又は無作為化前6か月以内に得られた肝生検に基づくNASHの組織学的証拠を確認するとともに、NASHに合致する診断、線維症レベルF2又はF3、及び他の慢性肝疾患が診断されていないこと、並びにALT≧43IU/L(男性)又は≧28IU/L(女性)。
患者は、ベースライン訪問時に以下の3つの治療群の1つに、盲検様式で1:1:1の比で割り当てる。盲検を維持するため、プラセボカプセル剤を投与する。
アーム1:140μgのトロピフェキソールで48週間の1日1回(朝、空腹時)治療
アーム2:200μgのトロピフェキソールで48週間の1日1回(朝、空腹時)治療
アーム3:マッチングプラセボで48週間の1日1回(朝、空腹時)治療。
有効性評価:有効性変数の分析は、記述統計学及び反復測定ANCOVAに基づき、図形表示によって支持する。有効性変数は:肝脂肪画分に対するMRI、肝機能試験、肝組織学、凝固試験、肝線維症のマーカー、NAFLD線維症スコア、空腹時脂質、空腹時インスリン及びグルコース、可溶性バイオマーカーである。
実施例4
肝障害対象におけるPK増加の潜在的規模をOCAの肝障害試験結果と比べて予測するため、薬物動態モデル(PBPKモデル及びsimCYPモデル)を確立した。重度の障害患者において、PBPKモデルではAUCにおける1.56倍の増加が予測され、simCYPモデルではAUCにおける2.06倍の増加が予測された。したがって、肝障害対象における用量の低減が検討される。
肝障害のカテゴリー化にとって最も確立された手法は、Child−Pughシステムである。この試験は、肝障害の全部で3クラスを有する対象に注目する。
単回用量200μgのトロピフェキソールを、肝障害対象及びそれらにマッチした対応する健常者に投与する。肝障害対象の3つの全クラス及び健常対象を登録するが、クラスA及びB対象の半数に安全に投与されてからクラスC対象を登録する。試験を完了するために1群あたり少なくとも6名の評価可能対象を保証するため、十分な数として18〜70歳の男性及び女性対象を最大48名登録する。
Figure 2021504370
1 グレード0:正常な意識、性格、神経学的検査、及び脳波。
グレード1:不穏、睡眠障害、過敏/興奮、振戦、手書きの障害、5サイクル/秒の波。
グレード2:嗜眠、時間の混乱、不適合、羽ばたき振戦、運動失調、遅い三相波。
グレード3:傾眠、昏迷、場所の混乱、活動亢進反射、硬直、より遅い波。
グレード4:覚醒できない昏睡、パーソナリティ/行動障害、除脳、遅い2〜3サイクル/秒のδ活性。
2 腹水症は、判定基準:不在:腹水症の不在がマニュアル調査により検出可能であること、軽度:触診で疑わしい腹水症、中等度:腹水症が触診により検出可能であること、重度:穿刺の必要性、に従って類別され、薬学的治療に応答しない。
実施例5
FLIGHT−FXR(NCT02855164)は、NASH患者における安全性、耐容性及び有効性を評価するための3つの連続パートの適応設計を伴う第2相無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。パートA及びBにおける治療持続時間は12週であった。集団は、歴史的生検又は表現型のいずれかに対して、肝脂肪、アラニントランスアミナーゼ(ALT)上昇及びNASHを有する患者198名(47%が男性)を含んだ。パートA及びBに共通する、治療群からのプールされた結果(プラセボ:46;TXR60μg:37;TXR 90μg:85)は、BMIサブグループの標的結合(線維芽細胞増殖因子−19[FGF19]及び7−ヒドロキシ−4−コレステン−3−オン[C4])について予め指定されたベースライン、ALT、γ−グルタミルトランスアミナーゼ(GGT)、肝脂肪(磁気共鳴画像法−プロトン密度脂肪画分[MRI−PDFF])及び安全性におけるベースラインからの変化において双方を評価した(下表を参照)。試験中、スタチンの開始はできなかった。
BMIサブグループにおける結果を、FGF19(6週目、投与前から投与後4時間の変化)を除き、ベースラインから12週目にかけての百分率(%)変化の幾何平均として表中に示す。仮説試験を実施しなかったことから、P値は示さない。ALT、GGT及びPDFFに対するTXRの効果は、BMIがより低いサブグループにおいてより明白であった。TXRは、十分な耐容性があり、(そう痒及び脂質を含む)臨床的関連性の安全性シグナルを伴わない。
両BMIサブグループにおいて、TXRの結果は、標的結合、抗炎症及び抗脂肪効果の証拠とともに、好ましい安全性及び耐容性を提示する。体重を基準としてより低い用量を投与したサブグループにおけるより低い応答の一貫した傾向により、生検に基づくパートCにおいてより高いTXR用量(140及び200μg/日)で試験することが支持され、それは安全性を脅かすことなく改善された有効性をもたらすことがある。
Figure 2021504370
本明細書に記載の実施例及び実施形態があくまで例示目的であり、且つ当業者にそれを考慮した様々な修飾又は変更が示唆されることになり、本願の精神及び範囲、並びに貼付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるべきであることは理解される。本明細書中に引用されるすべての出版物、特許、及び特許出願は、あらゆる目的でここで参照により援用される。

Claims (10)

  1. ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態、例えば肝疾患又は障害を治療又は予防するための薬剤の製造における、約140μg〜約250μgの範囲内の用量で投与されるべきである、トロピフェキソールの使用。
  2. 前記疾患が、慢性肝疾患、例えば、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性胆管損傷、胆石、肝硬変、アルコール誘発性肝硬変、嚢胞性線維症、胆管閉塞、胆石症、肝線維症である、請求項1に記載の使用。
  3. 前記用量が、1日量である、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 前記用量が、1日2回用量である、請求項1又は2に記載の使用。
  5. 前記用量が、2日ごとに投与されるべきである、請求項1又は2に記載の使用。
  6. トロピフェキソールが、その遊離形態又はアミノ酸コンジュゲートである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 約140μg、約1500μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg約210μg、約220μg、約230μg、約240μg又は約250μgの、最大で約500μg/日の最大総用量の経口投与に適したトロピフェキソールを含む、単位剤形医薬組成物。
  8. 液体、錠剤、カプセル剤から選択される形態における、請求項7に記載の単位剤形医薬組成物。
  9. 慢性肝疾患、例えば、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性胆管損傷、胆石、肝硬変、アルコール誘発性肝硬変、嚢胞性線維症、胆管閉塞、胆石症、肝線維症の治療における使用を意図した、請求項7又は8に記載の単位剤形医薬組成物。
  10. 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療における使用を意図した、請求項9に記載の単位剤形医薬組成物。
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