発明の詳細な説明
概要
Pseudomonas宿主細胞中で、クリサンタスパーゼとしても知られているErwinia chrysanthemiからの可溶性組み換えL−アスパラギナーゼII型を製造する方法が、本願明細書中で開示される。全細胞タンパク質のパーセンテージとしてのクリサンタスパーゼ製造の高いレベル、例えば40%までのTCPクリサンタスパーゼ、例えば、検出可能な分解なく活性な四量体を形成することができるクリサンタスパーゼ単量体が本願明細書中で記載される。クリサンタスパーゼ製造の高い力価、例えば、クリサンタスパーゼ1リットルあたり20グラムまで、例えば、検出可能な分解なく活性な四量体を形成することができるクリサンタスパーゼ単量体が、本願発明の方法を用いて得られる。クリサンタスパーゼを製造するための宿主細胞は、Pseudomonas、例えばPseudomonas fluorescensを含むが、これらに限定されない。クリサンタスパーゼ発現構築物は、選択した宿主株に応じてコドン最適化されることができる。
本願発明の方法において有用な核酸構築物は、分泌リーダー-クリサンタスパーゼ融合タンパク質の発現を結果として生じる分泌シグナル(分泌リーダー)、例えばP.fluorescensにネイティブなペリプラズム分泌リーダーをコードする核酸配列に作動可能に連結されたクリサンタスパーゼ遺伝子をコード化することができる。いくつかの実施形態において、ペリプラズムの分泌リーダーは、1以上のFlgI、8484、DsbC、Ibp-S31A、または5193を含む。実施形態において、宿主細胞は、プロテアーゼの不活性化を結果として生じる1以上のプロテアーゼ-コーディング遺伝子中の突然変異を有する。プロテアーゼまたは任意の他の遺伝子産物の不活性化を結果として生じる突然変異は、遺伝子のコード配列または調節配列のいずれかにおける置換、挿入、または欠失突然変異を含むがそれらに限定されないタンパク質不活性化を引き起こすかまたはタンパク質発現を妨げるとして当該技術分野において既知の任意のタイプの突然変異であることができることが理解される。フォールディングモジュレーターの過剰発現は、フォールディングモジュレーター遺伝子のプラスミド発現または染色体組み込みなど、任意の方法を使用して達成できることが理解される。実施形態において、宿主細胞は、少なくとも1つのプロテアーゼ不活性化を有し、少なくとも1つのフォールディングモジュレーターを過剰発現する。
当業者にとって既知のように、アミノ酸配列は、遺伝子コードにおける重複のために、異なるヌクレオチド配列によりコードされることができる。ゆえに、本願発明は、同じアミノ酸配列を有するが異なるヌクレオチド配列によりコードされるペプチドまたはタンパク質の使用を含む。
実施形態において、分泌リーダーは、可溶性クリサンタスパーゼを宿主細胞のペリプラズムに輸送する。他の実施形態において、クリサンタスパーゼは細胞質中に保持される。実施形態において、クリサンタスパーゼ精製プロセスは、クリサンタスパーゼ可溶化およびその後のリフォールディングを必要としない。実施形態において、クリサンタスパーゼの少なくとも一部は封入体中で発現されない。実施形態において、組み換えクリサンタスパーゼは、精製のためのいかなるペプチドタグを含まずに発現され、精製時に追加の処理を必要としない。分泌リーダーがアスパラギナーゼタンパク質に融合される実施形態において、分泌リーダーは可溶的に発現されたクリサンタスパーゼから効率的に処理される。他の実施形態において、クリサンタスパーゼのペリプラズム製造のための発現プラスミドは、選択および維持のためにいかなる抗生物質耐性マーカー遺伝子も利用せず、ゆえに、バイオ医薬品の製造に必要なプラスミドDNAのその後の除去のための複雑なプロセスを排除する。他の実施形態において、発酵状態は大容量製造に拡張可能である。本願明細書中で提供される方法は、高いレベルの可溶性および/または活性なクリサンタスパーゼを生じる。
実施形態において、本願発明は、高い収量で可溶性形態の組み換えタンパク質の細胞質的製造のための方法を提供し、ここで、組み換えタンパク質は、そのネイティブ宿主中で低い収量でペリプラズムに製造される。そのネイティブ宿主であるErwinia chrysanthemiにおいて、クリサンタスパーゼはペリプラズム中で製造される。本願発明は、宿主細胞の細胞質に中の可溶性および/または活性なクリサンタスパーゼの高いレベルの製造を可能にする方法を提供する。実施形態において、本願明細書中で提供される方法は、Pseudomonadales、Pseudomonad、Pseudomonas、またはPseudomonas fluorescens宿主細胞の細胞質中の高いレベルの可溶性および/または活性なクリサンタスパーゼを生じる。
組み換えタンパク質の細胞質的製造は、精製を容易にすることができる。より大きなタンパク質(クリサンタスパーゼ四量体は35KDx4、つまり140KD複合体)について、細胞質からの総放出と比較して、ペリプラズムの放出を使用したペリプラズムの空間からの低いパーセント回収が予想される。さらに、ペリプラズムに発現したタンパク質中の分泌リーダーの不完全または不適切な処理は、全体的な低いプロセス収量を結果として生じる標的タンパク質からの分離されなければならない望ましくない産物関連不純物を結果として生じることができる。
アスパラギナーゼ
II型L−アスパラギナーゼを含むアスパラギナーゼは、L−アスパラギンのL−アスパラギン酸およびアンモニアへの加水分解を触媒する酵素である(L−アスパラギン+H2O=L−アスパラギン酸+NH3)。II型L−アスパラギナーゼは、ALLおよびいくつかの他の癌を処置するためのマルチ薬剤化学治療のレジメンの一部として使用される。正常細胞はアスパラギンを合成することができるが、特定の癌細胞はアスパラギン合成酵素の欠如のためにアスパラギンを合成することができない。したがって、アスパラギナーゼの患者への投与は、可溶性アスパラギンの加水分解および循環アスパラギンを結果として生じる。これは、正常細胞に対するより少ない効果効果を有する癌細胞の死につながることができる。アスパラギナーゼは、例えば、参照により本願明細書中で組み込まれる、「Drug Discovery and Design: Medical Aspects」、IOS Press, Matsoukas, J.、およびMavromoustakos, T., 編における、PritsaおよびKyriakidis, 2002、「L-Asparaginase: Structure, Properties, and Anti-Tumor Activity」中に記載される。
Erwinaze(登録商標)(生物製剤ライセンス申請125359)は、患者におけるすべての処置について米国で商業的に承認されたErwinia chrisanthemiL−アスパラギナーゼII型産物である。その活性な成分は、Erwinia chrysanthemi L−アスパラギナーゼII型である(参照により本明細書中で組み込まれるErwinaze(登録商標)パッケージインサートを参照)。
実施形態において、Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼII型(例えば、本願明細書中での配列番号1、または分泌リーダー配列を含む配列番号35-49のいずれかに記載されているアミノ酸配列)は、本願発明の方法を使用して製造される。いくつかの実施形態において、Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼII型は、配列番号1と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一のアミノ酸配列を有する。このアスパラギナーゼは、例えば、米国特許出願番号U.S.2016/0060613において記載される、参照により全体が組み込まれ、細菌ソースからの既知のL-アスパラギナーゼの共通の構造的特徴を含む、「ペグ化L-アスパラギナーゼ」である。US2016/0060613によれば、すべてが2つの隣接するN末端ドメインとC末端ドメインの間に4つの活性な部位を有するホモ四量体であり、すべてが三次および四次構造において高い類似性を有し、L-アスパラギナーゼの触媒部位の配列は、Erwinia chrysanthemi、Erwinia carotovora、およびE.coliL-アスパラギナーゼIIの間で高度に保存されている。実施形態において、タンパク質は、配列番号1の配列を有するErwiniachrysanthemiのL-アスパラギナーゼである。このL-アスパラギナーゼは、シグナルペプチドおよび/またはリーダー配列有りまたは無しのいずれかで、Erwinia chrysanthemi NCPPB 1066(Genbank Accession No. CAA32884、例えば、それぞれが本願明細書中でその全体が参照により組み込まれるMinton, et al., 1986、「Nucleotide sequence of the Erwinia chrysanthemi NCPPB 1066 L-asparaginase gene」、Gene 46(1), 25-35により記述される)として開示されている。
実施形態において、本願発明の方法を用いて製造されるクリサンタスパーゼは、Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼL−アスパラギナーゼII型酵素の変異体であり、ここで、変異体は、Erwinia chrysanthemi L−アスパラギナーゼII型酵素のL−アスパラギナーゼII型活性の約80%から約120%、またはそれを超える、約85%から約120%、約90%から約120%、約95%から約120%、約98%から約120%、約100%から約120%、約80%から約100%、約80%から約90%、約85%から約115%、約90%から約110%、約95%から約155%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約100%を有する。
実施形態において、Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼII型は、配列を有する核酸によりコードされ、ここでコドンは宿主細胞中での発現のために所望のように最適化される。いくつかの実施形態において、Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼII型は、配列番号2の配列を有する核酸によりコードされる。いくつかの実施形態において、Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼII型は、配列番号2と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配列を有する核酸によりコードされる。
実施形態において、本願発明の方法を使用して製造されるII型アスパラギナーゼは、野生型Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼ遺伝子と少なくとも約70%同一である核酸配列によりコードされる。 実施形態において、アスパラギナーゼは、野生型Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼと少なくとも約70%同一のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼは、野生型Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼ核酸配列と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一の核酸配列を有する。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼは、野生型Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼ核酸配列と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である核酸によりコードされたアミノ酸配列を有する。本願明細書中でパーセンテージとして表現される「同一性」または「相同性」は、2つの配列間の類似性の尺度を記載する。いくつかの実施形態において、2つの配列間の同一性の程度は、技術分野において既知のコンピュータープログラムおよび数学アルゴリズムを使用して確認される。パーセント配列同一性(相同性)を計算するかかるアルゴリズムは一般に、比較領域にわたる配列のギャップおよび不一致を説明する。例えば、BLAST(例えば、BLAST2.0)検索アルゴリズム(例えば、NCBIを通じて公的に入手可能な入手可能なAltschul et al., J. Mol. Biol. 215:403 (1990)を参照)は、以下のような例示的な検索パラメータを有する:Mismatch-2;ギャップオープン5;ギャップ拡張2。ポリペプチド配列比較について、典型的に、BLASTPアルゴリズムは、PAM100、PAM 250、BLOSUM 62、またはBLOSUM 50などのスコアリングマトリックスと組み合わせて使用される。FASTA(例えば、FASTA2およびFASTA3)およびSSEARCH配列比較プログラムは、同一性の程度を定量化するためにも使用される(Pearson et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988); Pearson, Methods Mol Biol. 132:185 (2000); およびSmith et al., J. Mol. Biol. 147:195 (1981))。
Erwinia chrysanthemiからの組み換えII型アスパラギナーゼであるクリサンタスパーゼも、Erwinase(登録商標)およびErwinaze(登録商標)として既知である。E.coliに由来する組み換えアスパラギナーゼは、Colaspase(登録商標)、Elspar(登録商標)、Kidrolase(登録商標)、Leunase(登録商標)、およびSpectrila(登録商標)なる名前で既知である。Pegaspargase(登録商標)は、E.coliアスパラギナーゼのペグ化バージョンの名前である。クリサンタスパーゼは、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫の患者に、静脈内、筋肉内、または皮下注射により投与される。
患者の使用が商業的に承認されたアスパラギナーゼII型産物は、各国の薬物承認機関から入手可能なアスパラギナーゼ産物の産物情報にアクセスすることにより同定できる。例えば、産物情報および承認記録は、例えばアメリカ食品医薬品局からのElspar(E.coliL-アスパラギンアミドヒドロラーゼ、EC-2型;BLA#101063)およびErwinaze(登録商標)(アスパラギナーゼErwinia chrysanthemi、BLA#125359)について米国において公的に入手可能であり、参照により本願明細書中で組み込まれる(10903 New Hampshire Avenue、Silver Spring、MD 20993、およびFDAウェブサイトでのオンライン)。欧州における産物情報は、欧州医薬品庁(30 Churchill Place、Canary Wharf、London E14 5EU、United Kingdom、およびEMAウェブサイトでのオンライン)から入手可能である(例えば、それぞれが本願明細書中で参照により組み込まれるOncaspar:ペグ化E.coliL-アスパラギナーゼに関する最初に2016年1月19日に公開されたEPAR産物情報;Spectrila:最初に2016年1月28日に公開されたEPAR産物情報;および国家承認医薬品のリスト、2016年4月27日、欧州医薬品庁を参照)。
いくつかの実施形態において、クリサンタスパーゼの修飾されたバージョンが生成される。一般に、アミノ酸配列に関して、「修飾」なる語は、置換、挿入、伸長、欠失、および誘導体化を単独または組み合わせて含む。特定の実施形態において、クリサンタスパーゼの修飾されたバージョンは、患者に投与されるときの増加した半減期などの増強される特性を有する。いくつかの実施形態において、半減増加された半減期を有するクリサンタスパーゼの修飾されたバージョンがペグ化される。いくつかの実施形態において、クリサンタスパーゼは、「非必須」アミノ酸残基の1以上の修飾を含んでもよい。この文脈において、「非必須」アミノ酸残基は、クリサンタスパーゼ(例えば、アナログクリサンタスパーゼ)の活性(例えば、酵素活性)を廃止または実質的に減少させることなく、新規アミノ酸配列において変更、例えば欠失、置換、または誘導体化できる残基である。いくつかの実施形態において、クリサンタスパーゼは、「必須」アミノ酸残基の1以上の修飾を含んでもよい。この文脈において、「必須」アミノ酸残基は、新規アミノ酸配列において変更、例えば欠失、置換、または誘導体化されると、参照クリサンタスパーゼの活性が実質的に減少または廃止される残基である。必須アミノ酸残基が変更されるかかる実施形態において、修飾されたクリサンタスパーゼは、提供される方法で目的のクリサンタスパーゼの活性を所有してもよい。置換、挿入、および欠失は、N末端またはC末端であっても、タンパク質の内部であってもよい。例として、タンパク質は、ペプチド分子全体に連続的な様式でまたは間隔をあけての両方で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超える置換を含んでもよい。単独でまたは置換と組み合わせて、ペプチドは、ペプチド分子全体に連続的な様式でまたは間隔をあけてのいずれかで1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超える挿入を含んでもよい。ペプチドは、単独でまたは置換および/または挿入と組み合わせて、また、ペプチド分子全体に連続的な様式でまたは間隔をあけてのいずれかで再び1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超える欠失を含んでもよい。ペプチドは、単独でまたは置換、挿入、および/または欠失と組み合わせて、また、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超えるアミノ酸付加を含んでもよい。
置換は、保存的アミノ酸置換を含む。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の側鎖または物理化学的特性(例えば、静電、水素結合、等配電子、疎水性の特徴)を有するアミノ酸残基で置き換えられるものである。アミノ酸は、天然または非天然であってもよい。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当該技術分野において既知である。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、メチオニン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン)、β分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。置換は、非保存的変化をも含んでもよい。
発現系
いくつかの場合において、本願明細書中の方法は、発現構築物からの組み換えクリサンタスパーゼをPseudomonas宿主細胞中で発現させることを含む。いくつかの場合において、発現構築物はプラスミドである。いくつかの実施形態において、クリサンタスパーゼ配列をコードするプラスミドは選択マーカーを含む、プラスミドを維持する宿主細胞は選択的な状態で成長する。いくつかの実施形態において、プラスミドは選択マーカーを含まない。いくつかの実施形態において、発現構築物は宿主細胞ゲノム中に組み込まれる。いくつかの実施形態において、発現構築物は、クリサンタスパーゼをペリプラズムに誘導する分泌シグナルに融合したクリサンタスパーゼをコードする。いくつかの実施形態において、分泌シグナルは宿主細胞中で開裂される。いくつかの実施形態において、発現構築物は分泌シグナルをコードせず、クリサンタスパーゼは細胞質に向けられる。
Pseudomonas宿主株を含む宿主株において、本願発明の方法において有用な調節配列(例えば、プロモーター、分泌リーダー、およびリボソーム結合部位)を含む異種タンパク質を発現するための方法が、例えば、それぞれが参照によりその全体が本願明細書中で組み込まれる米国特許番号7,618,799、「Bacterial leader sequences for increased expression」、米国特許番号7,985,564、「Expression systems with Sec-system secretion」、ともに「Method for Rapidly Screening Microbial Hosts to Identify Certain Strains with Improved Yield and/or Quality in the Expression of Heterologous Proteins」なるタイトルの米国特許番号9,394,571および9,580,719、米国特許番号9,453,251、「Expression of Mammalian Proteins in Pseudomonas fluorescens」、米国特許番号8,603,824、「Process for Improved Protein Expression by Strain Engineering」、および米国特許番号8,530,171、「High Level Expression of Recombinant Toxin Proteins」において記載される。実施形態において、本願発明との関連で使用される分泌リーダーは、米国特許番号7,618,799、7,985,564、9,394,571、9,580,719、9,453,251、8,603,824および8,530,171のいずれかにおいて開示される分泌リーダーである。これらの特許は、異種タンパク質発現を増加させるために、フォールディングモジュレーターを過剰発現するように操作されているか、または異種プロテアーゼ突然変異が導入されている、本願明細書中の方法の実践において有用な細菌宿主株をも記載する。
プロモーター
本願明細書中の方法に従って使用されるプロモーターは、構成的プロモーターまたは制御されたプロモーターであることができる。有用な制御されたプロモーターの共通の例は、lacプロモーター(すなわち、lacZプロモーター)、特に米国特許番号4,551,433において記載されるtacおよびtrcプロモーターからDeBoer並びにPtac16、Ptac17、PtacII、PlacUV5およびT7lacプロモーターに由来するファミリーのものを含む。1つの実施形態において、プロモーターは宿主細胞生物に由来しない。特定の実施形態において、プロモーターはE.coli生物由来である。
誘導性プロモーター配列は、本願明細書中の方法に従ってクリサンタスパーゼの発現を制御するために使用される。実施形態において、本願明細書中の方法において有用な誘導性プロモーターは、lacプロモーター(すなわち、lacZプロモーター)、特に米国特許番号4,551,433において記載されるtacおよびtrcプロモーターからDeBoer並びにPtac16、Ptac17、PtacII、PlacUV5およびT7lacプロモーターまでに由来するファミリーのものを含む。1つの実施形態において、プロモーターは宿主細胞生物に由来しない。特定の実施形態において、プロモーターはE.coli生物に由来する。いくつかの実施形態において、lacプロモーターはプラスミドからのクリサンタスパーゼの発現を制御するために使用される。lacプロモーター誘導体またはファミリーメンバー、例えばtacプロモーターの場合、インデューサーはIPTG(「イソプロピルチオガラクトシド」とも呼ばれるイソプロピル-β-D-1-チオガラクトピラノシド)である。特定の実施形態において、Pseudomonas宿主細胞中でlacプロモーターからのクリサンタスパーゼの発現を誘導するために培養にIPTGが添加される。
本願明細書中の方法に従った発現系において有用な非lac型プロモーターの共通の例は、例えば、表1に列挙されたものを含む。
例えば、全て本願明細書中で参照により組み込まれるJ. Sanchez-Romero & V. De Lorenzo,1999, Manual of Industrial Microbiology and Biotechnology (A. Demain & J. Davies, eds.) pp. 460-74 (ASM Press, Washington, D.C.); H. Schweizer, 2001, Current Opinion in Biotechnology, 12:439-445; R. Slater & R. Williams, 2000, Molecular Biology and Biotechnology (J. Walker & R. Rapley, eds.) pp. 125-54 (The Royal Society of Chemistry, Cambridge, UK)、およびL.-M. Guzman, et al., 1995, J. Bacteriol. 177(14): 4121-4130を参照のこと。選択された細菌宿主細胞に対してネイティブなプロモーター、例えば、Pseudomonasアントラニル酸塩または安息香酸オペロンプロモーター(Pant、Pben)のヌクレオチド配列を有するプロモーターは、標的ポリペプチドをコードする導入遺伝子の発現をコントロールするために使用されてもよい。同じ配列内であっても異なる配列内であっても、また同じ生物に由来しても異なる生物に由来しても、1を超えるプロモーターが別のものに共有結合しているタンデムプロモーター、例えばPant-Pbenタンデムプロモーター(インタープロモーターハイブリッド)またはPlac-Placタンデムプロモーターを使用してもよい。
制御されたプロモーターは、プロモーターが一部である遺伝子の転写をコントロールするためにプロモーター調節タンパク質を利用する。制御されたプロモーターが本願明細書中で使用される場合、対応するプロモーター調節タンパク質も、本願明細書中の方法に従う発現系の一部であるだろう。プロモーター調節タンパク質の例は以下を含む:アクチベータータンパク質、例えば大腸菌カタボライトアクチベータータンパク質、MalTタンパク質;AraCファミリー転写アクチベーター;リプレッサータンパク質、例えばE.coliLacIタンパク質;および、二重機能調節タンパク質、例えば、E.coli NagCタンパク質。多くの制御された-プロモーター/プロモーター-調節タンパク質ペアは当該技術分野において既知である。1つの実施形態において、目的の標的タンパク質および異種タンパク質の発現構築物は、同じ調節要素のコントロール下にある。
プロモーター調節タンパク質は、エフェクター化合物、すなわち、調節タンパク質と可逆的または不可逆的に相互作用して、該タンパク質が放出またはプロモーターのコントロール下にある遺伝子の少なくとも1つのDNA転写調節領域に結合するのを可能にし、それにより該遺伝子の転写の開始においてトランストランスクリプターゼ酵素の作用を許可またはブロックする化合物と相互作用する。エフェクター化合物はインデューサーまたはコリプレッサーのいずれかに分類され、これらの化合物はネイティブエフェクター化合物および無償性インデューサー化合物を含む。多くの制御されたプロモーター/プロモーター-調節タンパク質/エフェクター化合物トリオは当該技術分野において既知である。いくつかの場合において、エフェクター化合物は細胞培養または発酵全体で使用されるが、制御されたプロモーターが使用される1つの実施形態において、宿主細胞バイオマスの所望の量または密度の成長後、適するエフェクター化合物は培養に添加され、目的のタンパク質またはポリペプチドをコードする所望の遺伝子の発現を直接的にまたは直接的に結果として生じる。
lacファミリープロモーターが利用される実施形態において、lacI遺伝子は時にシステム中に存在する。通常構成的に発現される遺伝子であるlacI遺伝子は、Lacファミリープロモーターのlacオペレーターに結合するLacリプレッサータンパク質であるLacIタンパク質をコードする。ゆえに、lacファミリープロモーターが利用されると、lacI遺伝子も時に発現系中に含まれて発現される。
Pseudomonasにおいて有用なプロモーターシステムは、文献、例えば上記でも参照される米国特許出願公開番号2008/0269070に記載される。
他の調節要素
実施形態において、可溶性組み換えクリクリススパーゼは、製造中に細胞の細胞質またはペリプラズムのいずれかに存在する。タンパク質、例えばクリサンタスパーゼの標的化に有用な分泌リーダーは、本願明細書中の他の場所で、および上記で参照される米国特許出願公開番号2008/0193974、米国特許出願公開番号2006/0008877および米国特許出願Ser.No.12/610,207に記載される。いくつかの実施形態において、クリサンタスパーゼをPseudomonadまたはPseudomonas細胞のペリプラズムに輸送する分泌リーダーに融合したクリサンタスパーゼをコードする発現構築物が提供される。いくつかの実施形態において、分泌リーダー分泌リーダーはクリサンタスパーゼタンパク質から開裂される。いくつかの実施形態において、分泌リーダーは、可溶性クリサンタスパーゼの製造を容易にする。
実施形態において、発現ベクターは、最適なリボソーム結合配列を含有する。目的のタンパク質の翻訳開始領域を変更することにより翻訳強度を調整することは、あまりにも速い翻訳速度により主に封入体として蓄積する異種細胞質の製造を改善するために使用できる。異種タンパク質の細菌細胞のペリプラズム空間への分泌は、翻訳速度がタンパク質分泌速度と同期するように、タンパク質翻訳レベルを最大化するのではなく最適化することにより増強されることもできる。
翻訳開始領域は、リボソーム結合部位(RBS)のすぐ上流から開始コドンのおよそ20ヌクレオチド下流まで延びる配列として定義されている(参照によりその全体が本願明細書中で組み込まれたMcCarthy et al. (1990) Trends in Genetics 6:78-85)。原核生物において、代替RBS配列は、Shineおよび Dalgarno (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 71:1342-1346, 1974)により記載されるカノニカル、またはコンセンサス、RBS配列(AGGAGG;配列番号50)を使用して翻訳レベルに関して減少する翻訳速度を提供することにより、異種タンパク質の翻訳レベルを最適化するために利用できる。「翻訳速度」または「翻訳効率」により、細胞内のタンパク質へのmRNA翻訳率が意図される。ほとんどの原核生物において、Shine-Dalgarno配列は、16SリボソームRNAのピリミジンに富む領域との相互作用を通じて、mRNA上のスタートコドンに対して30Sリボソーム成分の結合および配置を支援する。(本願明細書中でShine-Dalgarno配列とも呼ばれる)RBSは、転写の開始から下流および翻訳の開始から上流、典型的にスタートコドンの4から14ヌクレオチド上流、より典型的にスタートコドンの8から10ヌクレオチド上流のmRNA上に位置する。翻訳におけるRBS配列の役割のため、翻訳の効率およびRBS配列の効率(または強度)の間には直接的な関係がある。
いくつかの実施形態において、RBS配列の修飾は、異種タンパク質の翻訳速度の減少を結果として生じる。翻訳速度のこの減少は、製造されるタンパク質のグラムあたり、または宿主タンパク質のグラムあたりの適切に処理されるタンパク質またはポリペプチドのレベルの増加に対応してもよい。減少した翻訳速度は、組み換え1グラムあたり、または宿主細胞タンパク質1グラムあたりの、製造される回復可能なタンパク質またはポリペプチドの増加したレベルとも相関することができる。減少した翻訳速度は、増加した発現、増加した活性、増加した溶解性、または増加した転座(例えば、ペリプラズムの区画へまたは細胞外空間に分泌される)のいずれの組み合わせにも対応できる。この実施形態において、「増加した」なる語は、目的のタンパク質またはポリペプチドが同じ状態、または実質的に同じ状態下で発現される時の、製造される、適切に処理される、可溶性の、および/または回復可能なタンパク質またはポリペプチドのレベルに対し、ここでポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、カノニカルRBS配列を含む。同じように、「減少した」なる語は、目的のタンパク質またはポリペプチドの翻訳速度に対し、ここで、タンパク質またはポリペプチドをコードする遺伝子は、カノニカルRBS配列を含む。翻訳速度は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、少なくとも約75%またはそれを超えて、または少なくとも約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍またはそれを超えて減少できる。
いくつかの実施形態において、本願明細書中で記載されたRBS配列変異体は、高い、中程度、または低い翻訳効率を結果として生じるとして分類できる。1つの実施形態において、配列は、カノニカルRBS配列の翻訳活性と比較して、翻訳活性のレベルに従ってランク付けされる。高いRBS配列は、カノニカル配列の活性の約60%から約100%を有する。中程度のRBS配列は、カノニカル配列の活性の約40%から約60%を有する。低いRBS配列は、カノニカル配列の活性の約40%未満を有する。
RBS配列の例が表2に示される。レポーター遺伝子としてCOP-GFPを使用して翻訳強度について配列がスクリーニングされ、コンセンサスRBS蛍光のパーセンテージに従ってランク付けされた。各RBS変異体は、3つの一般的な蛍光ランクの1つに配置された:高い(「Hi」-100%コンセンサスRBS蛍光)、中程度(「Med」-46-51%ofコンセンサスRBS蛍光)、および低い(「Lo」-16-29%コンセンサスRBS蛍光)。
本願明細書中の方法の実践において有用な発現構築物は、タンパク質コード配列に加えて、それに作動可能に連結された以下の調節要素を含む:プロモーター、リボソーム結合部位(RBS)、転写ターミネーター、および翻訳開始および停止シグナル。有用なRBSは、例えば米国特許出願公開番号2008/0269070および米国特許出願.Ser.No.12/610,207に従って、発現系中で宿主細胞として有用ないずれかの種から得られる。多くの具体的で多様なコンセンサスRBS、例えば、D. Frishman et al., Gene 234(2):257-65 (8 Jul. 1999);およびB. E. Suzek et al., Bioinformatics 17(12):1123-30 (December 2001)に記載され、参照されるものは既知である。加えて、ネイティブまたは合成いずれかのRBS、例えばEP 0207459 (合成RBS);O. Ikehata et al., Eur. J. Biochem. 181(3):563-70 (1989)に記載されるものは使用してもよい。さらに、方法、パラメーター、および翻訳と転写要素、および本願明細書中の方法において有用な他の要素の例は、例えば、米国特許番号5,055,294 からGilroyおよび米国特許番号5,128,130からGilroy et al.;米国特許番号5,281,532から Rammler et al.;米国特許番号 4,695,455および 4,861,595からBarnes et al.;米国特許番号4,755,465からGray et al.;および米国特許番号5,169,760からWilcoxに記載される。
宿主株
Pseudomonadsを含む細菌宿主、および密接に関連する細菌生物は、本願明細書中の方法の実践における使用のために検討される。特定の実施形態において、Pseudomonad宿主細胞はPseudomonas fluorescensである。いくつかの場合において、宿主細胞はE.coli細胞である。
本願明細書中の方法の実践において有用な宿主細胞および構築物は、当該技術分野において既知の試薬および方法を用いて同定または作成され、文献、例えば、参照によりその全体が本願明細書中で組み込まれる米国特許出願公開番号2009/0325230、「タンパク質発現系」に記載される。この公開は、染色体lacI遺伝子インサートを含む栄養要求性のPseudomonas fluorescens宿主細胞中への核酸構築物の導入による組み換えポリペプチドの製造を記載する。核酸構築物は、宿主細胞中の核酸の発現を誘導することができるプロモーターに作動可能に連結された組み換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、また栄養要求性選択マーカーをコードするヌクレオチド配列も含む。栄養要求性選択マーカーは、栄養要求性宿主細胞に原栄養性を回復させるポリペプチドである。実施形態において、細胞はプロリン、ウラシル、またはそれらの組み合わせに対して栄養要求性である。実施形態において、宿主細胞はMB101(ATCC寄託PTA-7841)に由来する。両方が本願明細書中で参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開番号2009/0325230、「Protein Expression Systems」、およびSchneider, et al., 2005、「Auxotrophic markers pyrF and proC, in some cases, replace antibiotic markers on protein production plasmids in high-cell-density Pseudomonas fluorescens fermentation」、Biotechnol. Progress 21(2): 343-8は、株MB101中のpyrF遺伝子を欠失させることにより構築されたウラシルに対して栄養要求性の製造宿主株を記載する。pyrF遺伝子は、株MB214(ATCC寄託PTA-7840)からクローン化され、pyrF欠失を補完して原栄養性を回復するプラスミドを生成した。特定の実施形態において、P.fluorescens宿主細胞中の二重pyrF-proC二重栄養要求性選択マーカーシステムが使用される。記載されるpyrF欠失製造宿主株は、本願明細書中の方法の実践において有用であるとして本願明細書中で記載されるものを含む他の所望のゲノム変化を導入するための背景としてしばしば使用される。
実施形態において、本願発明の方法に有用な宿主細胞は、少なくとも1つのプロテアーゼの発現が欠損する、少なくとも1つのフォールディングモジュレーターを過剰発現する、またはその両方である。実施形態において、宿主細胞はプロテアーゼの発現が欠損せず、フォールディングモジュレーターを過剰発現せず、したがってプロテアーゼおよびフォールディングモジュレーター発現に関して野生型である。これらの実施形態のいずれにおいても、加えて、宿主細胞はネイティブL-アスパラギナーゼが欠損する。実施形態において、ネイティブL-アスパラギナーゼの欠損は、当該技術分野において既知の任意の適切な方法を使用して、ネイティブL-アスパラギナーゼ遺伝子を欠失または他の方法で不活性化することにより生成される。実施形態において、宿主細胞は、ネイティブI型L-アスパラギナーゼ、ネイティブII型L−アスパラギナーゼ、またはその両方が欠損する。実施形態において、宿主細胞は、プロテアーゼおよびフォールディングモジュレーター発現に関して野生型であり、ネイティブI型L-アスパラギナーゼおよびネイティブII型L−アスパラギナーゼが欠損する。例えば、本願発明の方法において有用な宿主細胞は、既知の方法を使用して、MB101から当業者により生成できる。実施形態において、宿主細胞は、MB101中のネイティブI型L-アスパラギナーゼ遺伝子、ネイティブII型L−アスパラギナーゼ遺伝子、またはその両方を欠失または他の方法で不活性化することにより生成される。
本願発明の方法において有用な製造宿主株は、当該技術分野において既知のおよび文献に記載の多くの適する方法のいずれかを使用して、例えば、pyrF遺伝子、および/またはネイティブI型L-アスパラギナーゼ遺伝子、および/またはネイティブII型L−アスパラギナーゼ遺伝子を不活性化することにより、公的に入手可能な宿主細胞、例えば、P.fluorescens MB101を使用して生成できることは、当業者には理解されるだろう。原栄養性回復プラスミドは、株、例えば株MB214からのpyrF遺伝子を保有するプラスミドに、当該技術分野において既知のおよび文献に記載される多くの適する方法のいずれかを使用して形質転換できることもまた理解される。加えて、かかる株において、当該技術分野で周知の方法を使用して、プロテアーゼは不活性化され、フォールディングモジュレーター過剰発現構築物は導入することができる。
実施形態において、宿主細胞は、Pseudomonadales目である。宿主細胞がPseudomonadales目である場合、それはPseudomonas属を含むファミリーPseudomonadaceaeのメンバーであってもよい。ガンマプロテオバクテリア宿主は、Escherichia coli種のメンバーおよびPseudomonas fluorescens種のメンバーを含む。Pseudomonadales目、ファミリーPseudomonadaceae、またはPseudomonas属の宿主細胞は、当業者により同定可能であり、文献(例えば、Bergey's Manual of Systematics of Archaea and Bacteria(オンライン公開、2015))に記載される。
他のPseudomonas生物も有用であってもよい。Pseudomonadsおよび密接に関連する種は、Bergey’s Manual of Systematics of Archaea and Bacteria(オンライン公開、2015)に記載されるファミリーおよび/または属に属するプロテオバクテリアの群を含むグラム陰性プロテオバクテリア亜群1を含む。表3は、生物のこれらのファミリーおよび属を示す。
Pseudomonasおよび密接に関連する細菌は、一般に「Gram(-)プロテオバクテリア亜群1」または「グラム陰性好気性桿菌および球菌」(Bergey's Manual of Systematics of Archaea and Bacteria(オンライン公開、2015))として定義される群の一部である。Pseudomonas宿主株は、文献、例えば上記で引用される米国特許出願公開番号2006/0040352に記載される。
「グラム陰性プロテオバクテリア亜群1」はまた、分類において使用される基準に従ってこの見出しに分類されるであろうプロテオバクテリアを含む。見出しはまた、Acidovorax、Brevundimonas、Burkholderia、Hydrogenophaga、Oceanimonas、Ralstonia、および Stenotrophomonas属、Xanthomonas属に属する生物の再群化により生み出されるSphingomonas属(およびそれ由来のBLASTomonas属)、Bergey’s Manual of Systematics of Archaea and Bacteria (オンライン公開、2015)において定義されるAcetobacteに属する生物を再群化することにより生み出されたAcidomonas属などの以前にこのセクションに分類されていたが、もはや分類されていない群を含む。加えて宿主は、それぞれAlteromonas haloplankti、Alteromonas nigrifaciens、およびAlteromonas putrefaciensとして分類されるPseudomonas、Pseudomonas enalia (ATCC 14393)、Pseudomonas nigrifaciensi(ATCC 19375)、およびPseudomonas putrefaciens (ATCC 8071)属からの細胞を含む。同じように、例えばPseudomonas acidovorans(ATCC 15668)およびPseudomonas testosteroni(ATCC 11996)は、それぞれComamonas acidovoransおよびComamonas testosteroniとして再分類されており;Pseudomonas nigrifaciens(ATCC 19375)およびPseudomonas piscicida(ATCC 15057)は、それぞれPseudoalteromonas nigrifaciensおよびPseudoalteromonas piscicidaとして再分類されている。「グラム陰性プロテオバクテリア亜群1」はまた、ファミリー:Pseudomonadaceae、(今はしばしばPseudomonadaceaeの「Azotobacter群」なる異名により呼ばれる)Azotobacteraceae、Rhizobiacea、および(今はしばしば「Methylococcaceae」なる異名により呼ばれる)Methylomonadaceaeのいずれかに属するものとして分類されたプロテオバクテリアも含む。結果として、本願明細書中で他の方法で記載された属に加えて、「グラム陰性プロテオバクテリア亜属1」に含まれるプロテオバクテリア1属は、さらに以下を含む:1)Azorhizophilus属のアゾトバクター群細菌;2)細胞ビブリオ、Oligella、およびTeredinibacter属のPseudomonadaceaeファミリー細菌;3)Chelatobacter、Ensifer、(「Candidatus Liberibacter」とも呼ばれる)Liberibacter、およびSinorhizobium属のRhizobiaceaeファミリー細菌;4)Methylobacter、Methylocaldum、Methylomicrobium、Methylosarcina、およびMethylosphaera属のMethylococcaceaeファミリー細菌。
いくつかの場合において、宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリア亜群16」から選択される。「グラム陰性プロテオバクテリア亜群16」は、(括弧中に示される例示的な株のATCCまたは他の寄託番号を有する)以下のPseudomonas種のプロテオバクテリアの群として定義される:Pseudomonas abietaniphila (ATCC 700689); Pseudomonas aeruginosa (ATCC 10145); Pseudomonas alcaligenes (ATCC 14909); Pseudomonas anguilliseptica (ATCC 33660); Pseudomonas citronellolis (ATCC 13674); Pseudomonas flavescens (ATCC 51555); Pseudomonas mendocina (ATCC 25411); Pseudomonas nitroreducens (ATCC 33634); Pseudomonas oleovorans (ATCC 8062); Pseudomonas pseudoalcaligenes (ATCC 17440); Pseudomonas resinovorans (ATCC 14235); Pseudomonas straminea (ATCC 33636); Pseudomonas agarici (ATCC 25941); Pseudomonas alcaliphila; Pseudomonas alginovora; Pseudomonas andersonii; Pseudomonas asplenii (ATCC 23835); Pseudomonas azelaica (ATCC 27162); Pseudomonas beyerinckii (ATCC 19372); Pseudomonas borealis; Pseudomonas boreopolis (ATCC 33662); Pseudomonas brassicacearum; Pseudomonas butanovora (ATCC 43655); Pseudomonas cellulosa (ATCC 55703); Pseudomonas aurantiaca (ATCC 33663); Pseudomonas chlororaphis (ATCC 9446, ATCC 13985, ATCC 17418, ATCC 17461); Pseudomonas fragi (ATCC 4973); Pseudomonas lundensis (ATCC 49968); Pseudomonas taetrolens (ATCC 4683); Pseudomonas cissicola (ATCC 33616); Pseudomonas coronafaciens; Pseudomonas diterpeniphila; Pseudomonas elongata (ATCC 10144); Pseudomonasflectens (ATCC 12775); Pseudomonas azotoformans; Pseudomonas brenneri; Pseudomonas cedrella; Pseudomonas corrugata (ATCC 29736); Pseudomonas extremorientalis; Pseudomonas fluorescens (ATCC 35858); Pseudomonas gessardii; Pseudomonas libanensis; Pseudomonas mandelii (ATCC 700871); Pseudomonas marginalis (ATCC 10844); Pseudomonas migulae; Pseudomonas mucidolens (ATCC 4685); Pseudomonas orientalis; Pseudomonas rhodesiae; Pseudomonas synxantha (ATCC 9890); Pseudomonas tolaasii (ATCC 33618); Pseudomonas veronii (ATCC 700474); Pseudomonas frederiksbergensis; Pseudomonas geniculata (ATCC 19374); Pseudomonas gingeri; Pseudomonas graminis; Pseudomonas grimontii; Pseudomonas halodenitrificans; Pseudomonas halophila; Pseudomonas hibiscicola (ATCC 19867); Pseudomonas huttiensis (ATCC 14670); Pseudomonas hydrogenovora; Pseudomonas jessenii (ATCC 700870); Pseudomonas kilonensis; Pseudomonas lanceolata (ATCC 14669); Pseudomonas lini; Pseudomonas marginata (ATCC 25417); Pseudomonas mephitica (ATCC 33665); Pseudomonas denitrificans (ATCC 19244); Pseudomonas pertucinogena (ATCC 190); Pseudomonas pictorum (ATCC 23328); Pseudomonas psychrophila; Pseudomonas filva (ATCC 31418); Pseudomonas monteilii (ATCC 700476); Pseudomonas mosselii; Pseudomonas oryzihabitans (ATCC 43272); Pseudomonas plecoglossicida (ATCC 700383); Pseudomonas putida (ATCC 12633); Pseudomonas reactans; Pseudomonas spinosa (ATCC 14606); Pseudomonas balearica; Pseudomonas luteola (ATCC 43273);. Pseudomonas stutzeri (ATCC 17588); Pseudomonas amygdali (ATCC 33614); Pseudomonas avellanae (ATCC 700331); Pseudomonas caricapapayae (ATCC 33615); Pseudomonas cichorii (ATCC 10857); Pseudomonas ficuserectae (ATCC 35104); Pseudomonas fuscovaginae; Pseudomonas meliae (ATCC 33050); Pseudomonas syringae (ATCC 19310); Pseudomonas viridiflava (ATCC 13223); Pseudomonas thermocarboxydovorans (ATCC 35961); Pseudomonas thermotolerans; Pseudomonas thivervalensis; Pseudomonas vancouverensis (ATCC 700688); Pseudomonas wisconsinensis; および Pseudomonas xiamenensis。1つの実施形態において、クリサンタスパーゼの発現のための宿主細胞は、Pseudomonas fluorescensである。
いくつかの場合において、宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリア亜群17」から選択される。「グラム陰性プロテオバクテリア亜群17」は、例えば以下のPseudomonas種に属するものを含む「fluorescent Pseudomonads」として当該技術分野において既知のプロテオバクテリアの群として定義される: Pseudomonas azotoformans; Pseudomonas brenneri; Pseudomonas cedrella; Pseudomonas cedrina; Pseudomonas corrugata; Pseudomonas extremorientalis; Pseudomonas fluorescens; Pseudomonas gessardii; Pseudomonas libanensis; Pseudomonas mandelii; Pseudomonas marginalis; Pseudomonas migulae; Pseudomonas mucidolens; Pseudomonas orientalis; Pseudomonas rhodesiae; Pseudomonas synxantha; Pseudomonas tolaasii;およびPseudomonas veronii。
プロテアーゼ
1つの実施形態において、本願明細書中で提供される方法は、1以上のプロテアーゼ遺伝子中の1以上の突然変異(例えば、部分的または完全な欠失)を含むPseudomonas宿主細胞を使用して、組み換えクリサンタスパーゼタンパク質を製造することを含む。いくつかの実施形態において、プロテアーゼ遺伝子中の突然変異は、組み換えクリサンタスパーゼタンパク質の生成を促進する。
例示的な標的プロテアーゼ遺伝子は、以下のように分類されるそれらのプロテアーゼを含む:アミノペプチダーゼ;ジペプチダーゼ;ジペプチジルペプチダーゼおよびトリペプチジルペプチダーゼ;ペプチジルジペプチダーゼ;セリン型カルボキシペプチダーゼ;メタロカルボキシペプチダーゼ;システイン型カルボキシペプチダーゼ;オメガペプチダーゼ;セリンプロテイナーゼ;システインプロテイナーゼ;アスパラギン酸プロテイナーゼ;メタロプロテイナーゼ;または未知のメカニズムのプロテイナーゼ。
アミノペプチダーゼは、サイトゾルアミノペプチダーゼ(ロイシルアミノペプチダーゼ)、膜アラニルアミノペプチダーゼ、シスチニルアミノペプチダーゼ、トリペプチドアミノペプチダーゼ、プロリルアミノペプチダーゼ、アルギニルアミノペプチダーゼ、グルタミルアミノペプチダーゼ、x-プロアミノペプチダーゼ、細菌性ロイシルアミノペプチダーゼ、好熱性アミノペプチダーゼ、クロストリジウムアミノペプチダーゼ、サイトゾルアラニルアミノペプチダーゼ、リシルアミノペプチダーゼ、x-trpアミノペプチダーゼ、トリプトファニルアミノペプチダーゼ、メチオニルアミノペプチダーゼ、d-立体特異的アミノペプチダーゼ、アミノペプチダーゼeyを含む。ジペプチダーゼは、x-hisジペプチダーゼ、x-argジペプチダーゼ、x-methyl-hisジペプチダーゼ、cys-glyジペプチダーゼ、glu-gluジペプチダーゼ、プロ-xジペプチダーゼ、x-プロジペプチダーゼ、met-xジペプチダーゼ、非立体特異的ジペプチダーゼ、サイトゾル非特異的ジペプチダーゼ、膜ジペプチダーゼ、ベータ−ala-hisジペプチダーゼを含む。ジペプチジルペプチダーゼおよびトリペプチジルペプチダーゼは、ジペプチジルペプチダーゼi、ジペプチジルペプチダーゼii、ジペプチジルペプチダーゼiii、ジペプチジルペプチダーゼiv、ジペプチジルジペプチダーゼ、トリペプチジルペプチダーゼI、トリペプチジルペプチダーゼIIを含む。ペプチジルジペプチダーゼは、ペプチジルジペプチダーゼaおよびペプチジルジペプチダーゼbを含む。セリン型カルボキシペプチダーゼは、リソソームプロ-xカルボキシペプチダーゼ、セリン型D-ala-D-alaカルボキシペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼC、カルボキシペプチダーゼDを含む。メタロカルボキシペプチダーゼは、カルボキシペプチダーゼa、カルボキシペプチダーゼB、リジン(アルギニン)カルボキシペプチダーゼ、gly-Xカルボキシペプチダーゼ、アラニンカルボキシペプチダーゼ、ムラモイルペンタペプチドカルボキシペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼh、グルタミン酸カルボキシペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼM、ムラモイルテトラペプチドカルボキシペプチダーゼ、zinc d-ala-d-alaカルボキシペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼA2、膜プロ-xカルボキシペプチダーゼ、チューブリニル-tyrカルボキシペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼtを含む。オメガペプチダーゼは、アシルアミノアシル-ペプチダーゼ、ペプチジル-グリシンアミダーゼ、ピログルタミル-ペプチダーゼI、ベータ-アスパルチル-ペプチダーゼ、ピログルタミル-ペプチダーゼII、n-ホルミルメチオニル-ペプチダーゼ、プテロイルポリ-[ガンマ]-グルタミン酸カルボキシペプチダーゼ、ガンマ-glu-Xカルボキシペプチダーゼ、アシルムラモイル-alaペプチダーゼを含む。セリンプロテイナーゼは、キモトリプシン、キモトリプシンc、メトリジン、トリプシン、トロンビン、凝固因子Xa、プラスミン、エンテロペプチダーゼ、アクロシン、アルファ-溶菌プロテアーゼ、グルタミル,エンドペプチダーゼ、カテプシンG、凝固因子viia、凝固因子ixa、ククミシ、プロリルオリゴペプチダーゼ、凝固因子xia、ブラキウリン、血漿カリクレイン、組織カリクレイン、膵エラスターゼ、白血球エラスターゼ、凝固因子xiia、キマーゼ、補体成分c1r55、補体成分c1s55、古典的補体経路c3/c5変換酵素、補体因子I、補体因子D、代替補体経路c3/c5変換酵素、セレビシン、ヒポデルミンC、リシルエンドペプチダーゼ、エンドペプチダーゼ1a、ガンマ-レニ、ベノビンab、ロイシルエンドペプチダーゼ、トリプターゼ、スクテラリン、ケキシン、サブチリシン、オリジン、エンドペプチダーゼk、サーモマイコリン、テルミターゼ、エンドペプチダーゼSO、T-プラスミノーゲンアクチベーター、プロテインC、膵エンドペプチダーゼE、膵エラスターゼii、IGA特異的セリンエンドペプチダーゼ、U-プラスミノーゲン、アクチベーター、ベノビンA、フリン、ミエロブラスチン、セメノゲラーゼ、グランザイムAまたは細胞毒性Tリンパ球プロテイナーゼ1、グランザイムBまたは細胞毒性Tリンパ球プロテイナーゼ2、ストレプトグリシンA、トレプトグリシンB、グルタミルエンドペプチダーゼII、オリゴペプチダーゼB、リムルス凝固因子c、リムルス凝固因子、リムルス凝固酵素、オムプチン、リプレッサーlexa、細菌リーダーペプチダーゼI、トガビリン、フラビリンを含む。システインプロテイナーゼは、カテプシンB、パパイン、フィシン、キモパパイン、アスクレパイン、クロストリパイン、ストレプトパイン、アクチニド、カテプシン1、カテプシンH、カルパイン、カテプシンt、グリシル,エンドペプチダーゼ、癌プロコアグラント、カテプシンS、ピコルナイン3C、ピコルナイン2A、カリカイン、アナナイン、ステムブロメライン、フルートブロメライン、レグマイン、ヒストリセイン、インターロイキン1-ベータ変換酵素を含む。アスパラギン酸プロテイナーゼは、ペプシンA、ペプシンB、ガストリクシン、キモシン、カテプシンD、ネオペンテシン、レニン、レトロペプシン、プロ−オピオメラノコルチン変換酵素、アスペルギロペプシンI、アスペルギロペプシンII、ペニシロペプシン、リゾプスペプシン、エンドチアペプシン、ムコロペプシン、カンジダペプシン、サッカロペプシン、ロドトルラペプシン、フィサロペプシン、アクロシリンドロペプシン、ポリポロペプシン、ピクノポロペプシン、シタリドペプシンa、シタリドペプシンb、キサントモナペプシン、カテプシンe、バリアペプシン、細菌リーダーペプチダーゼI、シュードモナペプシン、プラスメプシンを含む。メタロプロテイナーゼは、アトロリジンa、微生物コラゲナーゼ、ロイコリシン、間質性コラゲナーゼ、ネプリライシン、エンベリシン、iga特異的メタロエンドペプチダーゼ、プロコラーゲンN-エンドペプチダーゼ、チメットオリゴペプチダーゼ、ニューロリシン、ストロメライシン1、メプリンA、プロコラーゲンC-エンドペプチダーゼ、ペプチジル-lysメタロエンドペプチダーゼ、アスタシン、ストロメライシン,2、マトリリシンゼラチナーゼ、エアロモノリシン、プソイドリシン、サーモリシン、バシロリシン、オーレオリシン、コッコリシン、ミコリシン、ベータ-溶解メタロエンドペプチダーゼ、ペプチジル-aspメタロエンドペプチダーゼ、好中球コラゲナーゼ、ゼラチナーゼB、リーシュマノリシン、サッカロリシン、オートリシン、ジュウテロリシン、セラリシン、アトロリシンB、アトロリシンC、アトロキサーゼ、アトロリシンE、アトロリシンF、アダマリシン、ホリリシン、ルベリシン、ボトロパシン、ボロリシン、オフィオリシン、トリメレリシンI、トリメトリシンII、ムクロリシン、ピトリリシン、インシュリシン、O-シアロ糖タンパク質エンドペプチダーゼ、ルセリシン、ミトコンドリア媒介ペプチダーゼ、ダクチリシン、ナルジリシン、マグノリシン、メプリンB、ミトコンドリア処理ペプチダーゼ、マクロファージエラスターゼ、コリオリシン、トキシリシンを含む。未知のメカニズムのプロテイナーゼは、サーモプシンおよび多触媒エンドペプチダーゼ複合体を含む。
特定のプロテアーゼは、プロテアーゼおよびシャペロン様活性の両方を有する。これらのプロテアーゼがタンパク質収量および/または質に悪影響を及ぼしている場合、それらのプロテアーゼ活性を特異的に欠失させることはしばしば有用であり、それらのシャペロン活性がタンパク質収量および/または質にプラスの影響を与えてもよい場合、それらは過剰発現される。これらのプロテアーゼは、Hsp100(Clp/Hsl)ファミリーメンバーRXF04587.1(clpA)、RXF08347.1、RXF04654.2(clpX)、RXF04663.1、RXF01957.2(hslU)、RXF01961.2(hslV);ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼファミリーメンバーRXF05345.2(ppiB);メタロペプチダーゼM20ファミリーメンバーRXF04892.1(アミノヒドロラーゼ);メタロペプチダーゼM24ファミリーメンバーRXF04693.1(メチオニンアミノペプチダーゼ)およびRXF03364.1(メチオニンアミノペプチダーゼ);およびセリンペプチダーゼS26シグナルペプチダーゼIファミリーメンバーRXF01181.1(シグナルペプチダーゼ)を含むが、これらに限定されない。
実施形態において、クリサンタスパーゼを発現するのに有用な宿主株は、本発明の方法において、(例えば、欠失、部分的欠失、またはノックアウトから結果として生じる)プロテアーゼ欠損または不活性化を有するおよび/または、例えばプラスミドまたは細菌染色体からのフォールディングモジュレーターを過剰発現するPseudomonas宿主株、例えば、P.fluorescensである。実施形態において、宿主株は、Lon、HslUV、DegP1、DegP2、Prc、AprA、DegP2 S219A、Prc1、およびAprAから選択された少なくとも1つのプロテアーゼが欠損する。実施形態において、宿主株は、LepB、Tig、およびDsbAC-Skpから選択されたフォールディングモジュレーターを過剰発現する(つまり、DsbA、DsbC、およびSkpの組み合わせ;Skpは本願明細書中で配列番号60として記載されるコード配列の例とともに配列番号59として記載されるOmpHRXF4702.1である)。DsbAC-Skpオーバーエクスプレッサー宿主において、フォールディングモジュレーターDsbA、DsbC、およびSkp(それぞれ米国特許番号.9,394,571の配列番号25および26および本願明細書中の配列番号60)は、オペロンから発現できる。実施形態において、宿主株は、Lon、HslUV、DegP1、DegP2、Prc、AprA、DegP2 S219A、Prc1、およびAprAから選択された少なくとも1つのプロテアーゼが欠損し、LepB、Tig、およびDsbAC-Skpから選択された少なくとも1つのフォールディングモジュレーターを過剰発現する。上記実施形態のいずれかにおいて、宿主株は栄養要求性マーカーpyrFおよびproCを発現し、プロテアーゼ欠損を有する、および/またはフォールディングモジュレーターを過剰発現する。実施形態において、宿主株は当該技術分野において既知の任意の他の適当な選択マーカーを発現する。上記実施形態のいずれかにおいて、アスパラギナーゼ、例えば、ネイティブI型および/またはII型アスパラギナーゼは、宿主株中で不活性化されている。実施形態において、宿主株は以下のPseudomonadales宿主細胞である:LonおよびHslU/Vが欠損する;Lon、DegP1、DegP2、Prc、およびAprAが欠損する;Lon、DegP1、DegP2 S219A、Prc1、およびAprAが欠損し、そしてDsbAC-Skpを過剰発現する;AspG1および/またはAspG2が欠損する;AspG1および/またはAspG2が欠損し、そしてTigを過剰発現する;AspG1および/またはAspG2が欠損し、そしてLepBを過剰発現する;AspG1および/またはAspG2が欠損し、そしてLonおよびHslU/Vが欠損する;AspG1および/またはAspG2が欠損し、そしてLon、DegP1、DegP2、Prc、およびAprAが欠損する宿主細胞;または、AspG1および/またはAspG2、Lon、DegP1、DegP2、Prc1、およびAprAが欠損し、そしてDsbAC-Skpを過剰発現する宿主細胞。
これらおよび他のプロテアーゼおよびフォールディングモジュレーターは、当該技術分野において既知であり、文献、例えば米国特許番号8,603,824に記載される。例えば、特許の表DはTig(tig、トリガーファクター、FKBPタイプppiase(ec 5.2.1.8)RXF04655、UniProtKB-P0A850(TIG_E.COLI))を記載する。「Method for Rapidly Screening Microbial Hosts to Identify Certain Strains with Improved Yield and/or Quality in the Expression of Heterologous Proteins」と題され、本願明細書中でその全体が参照により組み込まれるWO2008/134461および米国特許番号9,394,571は、Tig(RXF04655.2、そこで配列番号34)、LepB(RXF01181.1、そこで配列番号56)、DegP1(RXF01250、そこで配列番号57)、AprA(RXF04304.1、そこで配列番号86)、Prc1(RXF06586.1、そこで配列番号120)、DegP2、(RXF07210.1、そこで配列番号124)、Lon(RXF04653、そこで配列番号92);DsbA(RXF01002.1、そこで配列番号25)、およびDsbC(RXF03307.1、そこで配列番号26)を記載する。これらの配列および他のプロテアーゼおよびフォールディングモジュレーターのものも、米国特許番号9,580,719(そこで93−98列中の配列番号の表)に記載される。例えば、米国特許番号9,580,719は、HslU(RXF01957.2)およびHslV(RXF01961.2)をコードする配列を、それぞれ配列番号18および19として提供する。
コドン最適化
1つの実施形態において、本願明細書中の方法は、目的の株におけるコドンの使用のために最適化された構築物からの組み換えクリサンタスパーゼの発現を含む。実施形態において、株は、Pseudomonas宿主細胞、例えば、Pseudomonas fluorescensである。細菌宿主中での発現を改善するためにコドンを最適化する方法は、当該技術分野において既知であり、文献に記載される。例えば、Pseudomonas宿主株中での発現のためのコドンの最適化は、参照によりその全体が本願明細書中で組み込まれる米国特許出願公開番号2007/0292918、「Codon Optimization Method」に記載される。
異種発現系において、最適化工程は、宿主が外来タンパク質を製造する能力を改善してもよい。タンパク質発現は、転写、mRNA処理、および翻訳の安定性および開始に影響を与える因子を含む因子の宿主により支配される。ポリヌクレオチド最適化工程は、宿主が外来タンパク質を製造する能力を改善する工程、ならびに研究者が発現構築物を効率的に設計するのを支援する工程を含んでもよい。最適化戦略は、例えば、翻訳開始領域の修飾、mRNA構造要素の変更、および異なるコドンバイアスの使用を含んでもよい。細菌宿主における異種タンパク質の発現を改善するために核酸配列を最適化する方法は、当該技術分野において既知であり、文献に記載される。例えば、Pseudomonas宿主株中での発現のためのコドンの最適化は、例えば、参照によりその全体が本願明細書中で組み込まれる米国特許出願公開番号2007/0292918、「Codon Optimization Method」に記載される。
最適化は、異種遺伝子の多数の配列特徴のいずれにも対処する。特定の例として、まれなコドン誘導翻訳の一時停止は、しばしば、減少した異種タンパク質発現を結果として生じる。まれなコドン誘導翻訳の一時停止は、宿主生物においてはほとんど使用されず、入手可能なtRNAプールに欠損しているためタンパク質翻訳に負の効果を有してもよい目的のポリヌクレオチド内のコドンの存在を含む。宿主生物における最適な翻訳を改善する1つの方法は、合成ポリヌクレオチド配列から除去されるまれな宿主コドンを時に結果として生じるコドン最適化を実施することを含む。
代替の翻訳開始はまた、減少した非同一のタンパク質発現の減少を時に結果として生じる。代替の翻訳開始は、リボソーム結合部位(RBS)として機能することができるモチーフを誤って含有する合成ポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合において、これらの部位は、遺伝子内部部位から切断されたタンパク質の翻訳の開始を結果として生じる。精製中に除去することがしばしば困難な切断されたタンパク質の製造の可能性を減少させる1つの方法は、最適化されたポリヌクレオチド配列から推定内部RBS配列を排除することを含む。
反復誘発性のポリメラーゼのずれは、減少した異種タンパク質発現をしばしば結果として生じる。反復誘発性のポリメラーゼのずれは、フレームシフト突然変異を時に結果として生じるDNAポリメラーゼのずれまたは途絶を引き起こすことが示されているヌクレオチド配列の反復を含む。かかる反復はまた、RNAポリメラーゼのずれをしばしば引き起こす。高いG+C含量バイアスを有する生物において、GまたはCヌクレオチド反復から構成されるより高い程度の反復が時にある。したがって、RNAポリメラーゼのずれを誘発する可能性を減少させる1つの方法は、GまたはCヌクレオチドの拡張反復を変更することを含む。
二次構造への干渉はまた、減少した異種タンパク質発現を時に結果として生じる。二次構造は、RBS配列または開始コドンをしばしば隔離し、タンパク質発現の減少に相関される。ステムループ構造はまた、転写の休止および減衰にもしばしば関与する。最適化されたポリヌクレオチド配列は通常、RBSおよびヌクレオチド配列の遺伝子コード領域内の最小限の二次構造を含有し、改善された転写および翻訳を可能にする。
異種タンパク質発現に時に影響する別の特徴は、制限部位の存在である。宿主発現ベクターへの転写ユニットの後続のサブクローニングに干渉する制限部位を除去することにより、ポリヌクレオチド配列が最適化される。
例えば、最適化プロセスはしばしば、宿主により非相同に発現される所望のアミノ酸配列を同定することにより始まる。アミノ酸配列から候補ポリヌクレオチドまたはDNAが設計される。合成DNA配列の設計中、コドンの使用頻度は、宿主発現生物のコドンの使用と比較され、まれな宿主コドンは合成配列から除去される。加えて、合成候補DNA配列は、望ましくない酵素の制限部位を除去するおよび任意の所望のシグナル配列、リンカーまたは非翻訳領域を加えるかまたは除去するために、時に修飾される。合成DNA配列は、G/C反復およびステムループ構造など、翻訳プロセスに干渉してもよい二次構造の存在について、しばしば分析される。候補DNA配列を合成する前に、最適化された配列設計は、しばしばチェックされて、配列が所望のアミノ酸配列を正しくコードすることを確認する。最終的に、候補DNA配列は、当該技術分野において既知の技術などのDNA合成技術を使用して合成される。
本願明細書の別の実施形態において、P.fluorescensなどの宿主生物における一般的なコドンの使用は、異種ポリヌクレオチド配列の発現を最適化するためにしばしば利用される。宿主発現系における特定のアミノ酸にとって好ましいとはめったに考えられないコドンのパーセンテージおよび分布が評価される。5%および10%使用の値は、まれなコドンの決定のためのカットオフ値としてしばしば使用される。例えば、表4に列挙されるコドンは、P.fluorescensMB214ゲノム中で5%未満の計算された出現を有し、P.fluorescens宿主中で発現される最適化された遺伝子において一般に回避される。
本開示は、使用されているPseudomonas宿主細胞における発現のために最適化された任意の配列を含む、任意のクリサンタスパーゼコード配列の使用を検討する。使用のために検討された配列は、限定されないが、以下を除くように最適化を含む、所望の任意の程度でしばしば最適化される:Pseudomonas宿主細胞中で5%未満で出現するコドン、Pseudomonas宿主細胞中で10%未満で出現するコドン、まれなコドン誘導翻訳休止、推定上の内部RBS配列、GまたはCヌクレオチドの拡張反復、干渉二次構造、制限部位、またはそれらの組み合わせ。
さらに、本願明細書中で提供された方法の実践において有用な任意の分泌リーダーのアミノ酸配列は、任意の適する核酸配列によりコードされる。E.coli中での発現のためのコドン最適化は、例えば、Welch, et al., 2009, PLoS One、「Design Parameters to Control Synthetic Gene Expression in Escherichia coli」、 4(9): e7002, Ghane, et al., 2008, Krishna R. et al., (2008) Mol Biotechnology 「Optimization of the AT-content of Codons Immediately Downstream of the Initiation Codon and Evaluation of Culture Conditions for High-level Expression of Recombinant Human G-CSF in Escherichia coli」、38:221-232により記載される。
高いスループットスクリーン
いくつかの実施形態において、高いスループットスクリーンは、可溶性組み換えクリサンタスパーゼを発現するための最適な状態を決定するためにしばしば行われる。スクリーンにおいて変化する状態は、例えば、宿主細胞、宿主細胞の遺伝的背景(例えば、異なるプロテアーゼの欠失)、発現構築物中のプロモーターのタイプ、コードされたクリサンタスパーゼに融合した分泌リーダーのタイプ、成長の温度、誘導性プロモーターを使用した場合の誘導のOD、追加されたインデューサーの量(例えば、lacZプロモーターまたはその誘導体を使用した場合の誘導に使用されるIPTGの量)、タンパク質誘導の持続時間、培養物への誘導剤の添加に続く成長の温度、培養の攪拌速度、プラスミド維持のための選択の方法、容器内の培養の体積、および細胞溶解の方法を含む。
いくつかの実施形態において、宿主株のライブラリー(または「アレイ」)が提供され、ここで、ライブラリー中の各株(または「宿主細胞の集団」)は、宿主細胞内の1以上の標的遺伝子の発現を調節するために遺伝的に修飾されている。「最適な宿主株」または「最適な発現系」は、アレイ中の表現型上で別個の宿主細胞の他の集団と比較して目的の発現されたタンパク質の量、質、および/または場所に基づいて、しばし同定または選択される。ゆえに、最適な宿主株は、希望の仕様に従って目的のポリペプチドを製造する株である。所望の仕様は、製造されるポリペプチドに応じて変化するが、仕様は、タンパク質の質および/または量、タンパク質が(例えば封入体中に)隔離されているか分泌されているか、タンパク質のフォールディングなどを含む。例えば、最適な宿主株または最適な発現系は、可溶性異種タンパク質の量、回復可能な異種タンパク質の量、適切に処理される異種タンパク質の量、適切にフォールディングされた非同一のタンパク質の量、活性な非同一のタンパク質の量、および/または指標株、すなわち比較のために使用される株により製造されるものに対する特定の絶対レベルまたは特定のレベルの異種タンパク質の総量により特徴付けられる収量を製造する。
異種タンパク質の発現において改善された収量および/または質を有する株を同定するために微生物宿主をスクリーニングする方法は、例えば、米国特許出願公開番号20080269070に記載される。
細菌成長状態
本願明細書中の方法において有用な成長状態は、約4°Cから約42°Cの温度および約5.7から約8.8のpHをしばしば含む。lacZプロモーターまたはその誘導体を有する発現構築物を使用する場合、培養物に終濃度約0.01mMから約1.0mMでIPTGを加えることにより発現がしばしば誘導される。
培養物のpHは、pH緩衝液および当業者に既知な方法を使用して時に維持される。培養中のpHのコントロールは、アンモニア水を使用してしばしば達成される。実施形態において、培養物のpHは約5.7から約8.8である。特定の実施形態において、pHは約5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、または8.8である。他の実施形態において、pHは約5.7から5.9、5.8から6.0、5.9から6.1、6.0から6.2、6.1から6.3、6.2から6.5、6.4から6.7、6.5から6.8、6.6から6.9、6.7から7.0、6.8から7.1、6.9から7.2、7.0から7.3、7.1から7.4、7.2から7.5、7.3から7.6、7.4から7.7、7.5から7.8、7.6から7.9、7.7から8.0、7.8から8.1、7.9から8.2、8.0から8.3、8.1から8.4、8.2から8.5、8.3から8.6、8.4から8.7、または8.5から8.8である。さらに他の実施形態において、pHは約5.7から6.0、5.8から6.1、5.9から6.2、6.0から6.3、6.1から6.4、または6.2から6.5である。特定の実施形態において、pHは約5.7から約6.25である。いくつかの実施形態において、pHは約5.0から約8.0である。
実施形態において、成長温度は約4°Cから約42°Cに維持される。特定の実施形態において、成長温度は約4°C、約5°C、約6°C、約7°C、約8°C、約9°C、約10°C、約11°C、約12°C、約13°C、約14°C、約15°C、約16°C、約17°C、約18°C、約19°C、約20°C、約21°C、約22°C、約23°C、約24°C、約25°C、約26°C、約27°C、約28°C、約29°C、約30°C、約31°C、約32°C、約33°C、約34°C、約35°C、約36°C、約37°C、約38°C、約39°C、約40°C、約41°C、または約42°Cである。他の実施形態において、成長温度は約25°Cから約27°C、約25°Cから約28°C、約25°Cから約29°C、約25°Cから約30°C、約25°Cから約31°C、約25°Cから約32°C、約25°Cから約33°C、約26°Cから約28°C、約26°Cから約29°C、約26°Cから約30°C、約26°Cから約31°C、約26°Cから約32°C、約27°Cから約29°C、約27°Cから約30°C、約27°Cから約31°C、約27°Cから約32°C、約26°Cから約33°C、約28°Cから約30°C、約28°Cから約31°C、約28°Cから約32°C、約29°Cから約31°C、約29°Cから約32°C、約29°Cから約33°C、約30°Cから約32°C、約30°Cから約33°C、約31°Cから約33°C、約31°Cから約32°C、約30°Cから約33°C、または約32°Cから約33°Cに維持される。実施形態において、成長温度は約22°Cから約33°Cに維持される。他の実施形態において、温度は培養中に変化する。特定の実施形態において、目的のポリペプチドまたはタンパク質をコードする構築物からの発現を誘導する薬剤が培養に加えられる前に温度が約30°Cから約32°Cに維持され、発現を誘導する薬剤の添加、例えばIPTGが培養に加えられる後に、温度が約25°Cから約27°Cに下げられる。1つの実施形態において、目的のポリペプチドまたはタンパク質をコードする構築物からの発現を誘導する薬剤を培養に加える前に温度が約30°Cに維持され、発現を誘導する薬剤の添加後、温度が約25°Cに下げられる。
誘導
本願明細書中で他に記載されるように、誘導性プロモーターは、組み換えクリサンタスパーゼ、例えば、lacプロモーターの発現をコントロールするために発現構築物中でしばしば使用される。lacプロモーター誘導体またはファミリーメンバー、例えばtacプロモーターの場合、エフェクター化合物は、PTG様無償性インデューサー(「イソプロピルチオガラクトシド」とも呼ばれるイソプロピル-β-D-1-チオガラクトピラノシド)などのインデューサーである。実施形態において、lacプロモーター誘導体が使用され、細胞密度が約25から約160のOD575により同定されるレベルに達したときに、IPTGの約0.01mMから約1.0mMの終濃度への添加により、クリサンタスパーゼ発現が誘導される。実施形態において、クリサンタスパーゼの培養誘導時のOD575は、約25、約50、約55、約60、約65、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180である。他の実施形態において、OD575は、約80から約100、約100から約120、約120から約140、約140から約160である。他の実施形態において、OD575は約80から約120、約100から約140、または約120から約160である。他の実施形態において、OD575は約80から約140、または約100から160である。細胞密度は他の方法でしばしば測定され、他の単位で、例えば単位体積あたりの細胞数で表される。例えば、Pseudomonas fluorescens培養物の約25から約160のOD25は、1mLあたりおよそ2.5x1010から約1.6x1011のコロニー形成単位または11から70g/L乾燥細胞重量、または約0.05g/gから約0.4g/g湿潤細胞重量と同等である。実施形態において、OD575の細胞密度の測定値は、1x109に等しい1のOD575の変換でCFUの測定値に変換される;0.002g/gに等しい1のOD575の変換で湿潤細胞重量の測定値に変換される;0.44g/Lに等しい1のOD575の変換で乾燥細胞重量の測定値に変換される。実施形態において、クリサンタスパーゼ発現は、細胞密度が約0.05g/gから約0.4g/gの湿潤重量に達したときに、IPTGの約0.01mMから約1.0mMの終濃度への添加により誘導される。実施形態において、湿潤細胞重量は、約0.05g/g、約0.1g/g、約0.15g/g、約0.2g/g、約0.25g/g、約0.30g/g、約0.35g/g、約0.40g/g、約0.05g/gから約0.1g/g、約0.05g/gから約0.15g/g、約0.05g/gから約0.20g/g、約0.05g/gから約0.25g/g、約0.05g/gから約0.30g/g、約0.05g/gから約0.35g/g、約0.1g/gから約0.40g/g、約0.15g/gから約0.40g/g、約0.20g/gから約0.40g/g、約0.25g/gから約0.40g/g、約0.30g/gから約0.40g/g、または約0.35g/gから約0.40g/gである。実施形態において、湿潤細胞重量は約0.1g/gから約0.5g/gである。実施形態において、培養誘導時の細胞密度は、細胞密度または測定の単位の決定のために使用される方法にかかわらず、OD575での吸光度により本願明細書中で特定された細胞密度と同等である。当業者は、任意の細胞培養に適する変換を行う方法を知っているであろう。
実施形態において、培養の最終IPTG濃度は、約0.01mM、約0.02mM、約0.03mM、約0.04mM、約0.05mM、約0.06mM、約0.07mM、約0.08mM、約0.09mM、約0.1mM、約0.2mM、約0.3mM、約0.4mM、約0.5mM、約0.6mM、約0.7mM、約0.8mM、約0.9mM、または約1mMである。他の実施形態において、培養物の最終IPTG濃度は、約0.08mMから約0.1mM、約.1mMから約0.2mM、約.2mMから約0.3mM、約.3mMから約0.4mM、約.2mMから約0.4mM、約0.08から約0.2mM、または約0.1から1mMである。実施形態において、IPTGは、約0.05mMから約2.5mMの培養培地中の濃度である。
非lac型プロモーターが使用される実施形態において、本願明細書中でおよび文献で記載されるように、他のインデューサーまたはエフェクターがしばしば使用される。1つの実施形態において、プロモーターは構成的プロモーターである。
誘導剤の添加後、培養物は、その間組み換えクリサンタスパーゼが発現される一定期間、例えば約24時間しばしば成長される。誘導剤の添加後、培養物は、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約36時間、または約48時間、しばしば成長される。培養物に誘導剤を添加した後、培養物は約1から48時間、約1から24時間、約10から24時間、約15から24時間、または約20から24時間成長される。細胞培養物はしばしば、遠心分離により濃縮され、培養ペレットは、その後の溶解手順に適する緩衝液または溶液に再懸濁される。
実施形態において、細胞は、高圧機械的細胞破壊のための装置(例えば、Microfluidics Microfluidizer、Constant Cell Disruptor、Niro-SoaviホモジナイザーまたはAPV-Gaulinホモジナイザーである商業的に入手可能なもの)を使用して破壊される。クリサンタスパーゼを発現する細胞は、例えば超音波処理を使用して、しばしば破壊される。細胞を溶解するための当該技術分野において既知の任意の適する方法は、可溶性画分を放出するためにしばしば使用される。例えば、実施形態において、細胞壁溶解酵素およびEDTAなどの化学および/または酵素細胞溶解試薬がしばしば使用される。冷凍または以前に保存された培養物の使用も、本願明細書中の方法において検討される。培養物は時に、溶解前にOD正規化される。例えば、細胞は、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20のOD600にしばしば正規化される。
遠心分離は、任意の適する装置および方法を使用して実施される。不溶性画分から不溶性画分を分離する目的での細胞培養またはライセートの遠心分離は、当技術分野において周知である。例えば、溶解された細胞は時に、20,800×gで20分間(4°Cで)遠心分離され、手動または自動液体処理を使用して上清が除去される。ペレット(不溶性)画分は、緩衝化溶液、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、pH7.4に再懸濁される。再懸濁はしばしば、例えば、オーバーヘッドミキサーに接続されたインペラー、磁気攪拌棒、ロッキングシェーカーなどの装置を使用して行われる。
「可溶性画分」、すなわちライセートの遠心分離後に得られる可溶性上清、および「不溶性画分」、すなわちライセートの遠心分離後に得られるペレットは、培養物の溶解および遠心分離の結果である。
発酵形式
1つの実施形態において、発酵は組み換えクリサンタスパーゼの製造方法において使用される。本開示による発現系は、任意の発酵形式において培養される。例えば、バッチ、フェッドバッチ、半連続、および連続発酵モードは、本願明細書中で採用されてもよい。
実施形態において、発酵培地は、富栄養培地、最少培地、およびミネラル塩培地から選択されてもよい。他の実施形態において、最少培地またはミネラル塩培地のいずれかが選択される。特定の実施形態において、ミネラル塩培地が選択される。
ミネラル塩培地は、ミネラル塩および、グルコース、スクロース、またはグリセロールなどの炭素源からなる。ミネラル塩培地の例は、例えば、M9培地、Pseudomonas培地(ATCC179)、およびDavisおよびMingioli培地(B D Davis&E S Mingioli (1950)J.Bact.60:17-28を参照)を含む。ミネラル塩培地を作るために使用されるミネラル塩は、例えば、リン酸カリウム、硫酸アンモニウムまたは塩化アンモニウム、硫酸マグネシウムまたは塩化マグネシウム、および塩化カルシウム、ホウ酸塩、および鉄、銅、マンガンおよび亜鉛の硫酸塩などの微量ミネラルから選択されるものを含む。典型的に、ミペプトン、トリプトン、アミノ酸、または酵母エキスなどの有機窒素源は、ミネラル塩培地中に含まれていない。代わりに、無機窒素源が使用され、これは、例えば、アンモニウム塩、アンモニア水、およびガス状アンモニアの中から選択されてもよい。ミネラル塩培地は典型的に、炭素源としてグルコースまたはグリセロールを含有する。ミネラル塩培地と比較して、最少培地は、ミネラル塩および炭素ソースをしばしば含有するが、例えば、アミノ酸、ビタミン、ペプトン、または他の成分を、最小限のレベルで添加されるものの、低いレベルで、しばしば補足される。培地は、当該技術分野、例えば、上記参照により参照され、組み込まれる米国特許出願公開番号2006/0040352に記載される方法を使用してしばしば調製される。本願明細書中の方法において有用な培養手順およびミネラル塩培地の詳細は、Riesenberg, D et al., 1991、「High cell density cultivation of Escherichia coli at controlled specific growth rate」、J. Biotechnol. 20 (1):17-27により記載される。
発酵は、任意の規模で実施してもよい。本開示による発現系は、任意の規模での組み換えタンパク質発現に有用である。ゆえに、例えば、マイクロリットル規模、ミリリットル規模、センチリットル規模、およびデシリットル規模の発酵体積を使用してもよく、1リットル規模およびより大きな発酵体積がしばしば使用される。
実施形態において、発酵体積は、約1リットル以上である。実施形態において、発酵体積は約0.5リットルから約100リットルである。実施形態において、発酵体積は約0.5リットル、約1リットル、約2リットル、約3リットル、約4リットル、約5リットル、約6リットル、約7リットル、約8リットル、約9リットル、または約10リットルである。実施形態において、発酵体積は約0.5リットルから約2リットル、約0.5リットルから約5リットル、約0.5リットルから約10リットル、約0.5リットルから約25リットル、約0.5リットルから約50リットル、約0.5リットルから約75リットル、約10リットルから約25リットル、約25リットルから約50リットル、または約50リットルから約100リットルである。他の実施形態において、発酵体積は、5リットル、10リットル、15リットル、20リットル、25リットル、50リットル、75リットル、100リットル、200リットル、500リットル、1,000リットル、2,000リットル、5,000リットル、10,000リットル、または50,000リットル以上である。
タンパク質分析
実施形態において、本願明細書中で提供される方法により製造される組み換えクリサンタスパーゼタンパク質が分析される。組み換えクリサンタスパーゼは時に、例えばバイオレイヤー干渉法、SDS-PAGE、ウェスタンブロット、ファーウェスタンブロット、ELISA、吸光度、またはマススぺクトロメトリー(例えばタンデムマススぺクトロメトリー)により分析される。
いくつかの実施形態において、生成される組み換えクリサンタスパーゼタンパク質の濃度および/または量は、例えば、Bradfordアッセイ、吸光度、クマシー(Coosmassie)染色、マススぺクトロメトリーなどにより決定される。
本明細書中で記載される不溶性画分および可溶性画分におけるタンパク質収量は、当業者に既知の方法、例えば、キャピラリーゲル電気泳動(CGE)、およびウェスタンブロット分析によりしばしば決定される。可溶性画分は、例えばバイオレイヤー干渉法を使用してしばしば評価される。
アスパラギナーゼ単量体は、例えば、細胞ライセート、細胞ソニケートにおいて、およびさらなる精製の際、活性な四量体を形成することができる。細菌発現系、例えば、E.coliまたはPseudomonas宿主株における組み換えアスパラギナーゼの発現に続き、組み換えタンパク質は、当該技術分野において既知の任意の適切な方法を使用して、例えば、宿主細胞タンパク質を除去するために精製できる。精製方法は、例えば、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、またはこれらの組み合わせおよび/または他の既知の方法を含む。アスパラギナーゼタンパク質精製は、文献、例えばそれぞれが参照によりその全体が本願明細書中で組み込まれる米国特許番号5,310,670、「Method for the purification of Erwinia L-asparaginase」および米国特許番号8,323,948、「Asparaginases and uses thereof」に記載される。発現実験に基づいて、P.fluorescens中で発現されたII型アスパラギナーゼは、ソニケートにおける活性な四量体のアスパラギナーゼ酵素として存在する。
実施形態において、未精製または精製されたアスパラギナーゼ試料の量の測定可能な特性(例えば、活性なおよび/またはインタクトなタンパク質を示す活性、サイズ、長さ、または他の特性)を、アスパラギナーゼ標準試料(例えば、商業的に得られたアスパラギナーゼ)の同じ量の測定可能な特性と比較される。試料中のアスパラギナーゼタンパク質の量は、タンパク質測定のための当該技術分野において既知の任意の適当なアッセイにより決定できると理解される。
タンパク質収量の有用な尺度は、例えば、培養体積あたりの組み換えタンパク質の量(例えば、タンパク質のグラムまたはミリグラム/培養のリットル)、溶解後に得られた不溶性ペレット中で測定される組み換えタンパク質のパーセントまたは画分(例えば、抽出上清中の組み換えタンパク質の量/不溶性画分中のタンパク質の量)、可溶性組み換えタンパク質のパーセントまたは画分、活性なタンパク質のパーセントまたは画分(例えば、活性なタンパク質の量/アッセイ中で使用されるタンパク質の量)、総細胞タンパク質(tcp)のパーセントまたは画分、タンパク質/細胞の量、およびパーセント乾燥バイオマスを含む。
実施形態において、本願明細書中の方法は、約20%から約90%の可溶性組み換えクリサンタスパーゼタンパク質、例えば単量体または四量体の収量を得るために使用される。特定の実施形態において、可溶性組み換えクリサンタスパーゼの収量は、約20%総細胞タンパク質、約25%総細胞タンパク質、約30%総細胞タンパク質、約31%総細胞タンパク質、約32%総細胞タンパク質、約33%総細胞タンパク質、約34%総細胞タンパク質、約35%総細胞タンパク質、約36%総細胞タンパク質、約37%総細胞タンパク質、約38%総細胞タンパク質、約39%総細胞タンパク質、約40%総細胞タンパク質、約41%総細胞タンパク質、約42%総細胞タンパク質、約43%総細胞タンパク質、約44%総細胞タンパク質、約45%総細胞タンパク質、約46%総細胞タンパク質、約47%総細胞タンパク質、約48%総細胞タンパク質、約49%総細胞タンパク質、約50%総細胞タンパク質、約51%総細胞タンパク質、約52%総細胞タンパク質、約53%総細胞タンパク質、約54%総細胞タンパク質、約55%総細胞タンパク質、約56%総細胞タンパク質、約57%総細胞タンパク質、約58%総細胞タンパク質、約59%総細胞タンパク質、約60%総細胞タンパク質、約65%総細胞タンパク質、約70%総細胞タンパク質、約75%総細胞タンパク質、約80%総細胞タンパク質、約85%総細胞タンパク質、または約90%総細胞タンパク質である。いくつかの実施形態において、可溶性組み換えクリサンタスパーゼの収量は、約20%から約25%総細胞タンパク質、約20%から約30%総細胞タンパク質、約20%から約35%総細胞タンパク質、約20%から約40%総細胞タンパク質、約20%から約45%総細胞タンパク質、約20%から約50%総細胞タンパク質、約20%から約55%総細胞タンパク質、約20%から約60%総細胞タンパク質、約20%から約65%総細胞タンパク質、約20%から約70%総細胞タンパク質、約20%から約75%総細胞タンパク質、約20%から約80%総細胞タンパク質、約20%から約85%総細胞タンパク質、約20%から約90%総細胞タンパク質、約25%から約90%総細胞タンパク質、約30%から約90%総細胞タンパク質、約35%から約90%総細胞タンパク質、約40%から約90%総細胞タンパク質、約45%から約90%総細胞タンパク質、約50%から約90%総細胞タンパク質、約55%から約90%総細胞タンパク質、約60%から約90%総細胞タンパク質、約65%から約90%総細胞タンパク質、約70%から約90%総細胞タンパク質、約75%から約90%総細胞タンパク質、約80%から約90%総細胞タンパク質、約85%から約90%総細胞タンパク質、約20%から約40%総細胞タンパク質、約25%から約40%総細胞タンパク質、約35%から約40%総細胞タンパク質、約20%から約35%総細胞タンパク質、約20%から約30%総細胞タンパク質、または約20%から約25%総細胞タンパク質である。いくつかの実施形態において、可溶性組み換えクリサンタスパーゼの収量は、約20%約40%総細胞タンパク質である。
実施形態において、本願明細書中の方法は、約20%から約90%総細胞タンパク質の、可溶性組み換えクリサンタスパーゼタンパク質、例えば単量体または四量体の収量を得るために使用される。特定の実施形態において、可溶性組み換えクリサンタスパーゼの収量は、約1グラム/リットル、約2グラム/リットル、約3グラム/リットル、約4グラム/リットル、約5グラム/リットル、約6グラム/リットル、約7グラム/リットル、約8グラム/リットル、約9グラム/リットル、約10グラム/リットル、約11グラム/リットル、約12グラム/リットル、約13グラム/リットル、約14グラム/リットル、約15グラム/リットル、約16グラム/リットル、約17グラム/リットル、約18グラム/リットル、約19グラム/リットル、約20グラム/リットル、約21グラム/リットル、約22グラム/リットル、約23グラム/リットル約24グラム/リットル、約25グラム/リットル、約26グラム/リットル、約27グラム/リットル、約28グラム/リットル、約30グラム/リットル、約35グラム/リットル、約40グラム/リットル、約45グラム/リットル約50グラム/リットル約1グラム/リットルから約5グラム/リットル、約1グラムから約10グラム/リットル、約10グラム/リットルから約12グラム/リットル、約10グラム/リットルから約13グラム/リットル、約10グラム/リットルから約14グラム/リットル、約10グラム/リットルから約15グラム/リットル、約10グラム/リットルから約16グラム/リットル、約10グラム/リットルから約17グラム/リットル、約10グラム/リットルから約18グラム/リットル、約10グラム/リットルから約19グラム/リットル、約10グラム/リットルから約20グラム/リットル、約10グラム/リットルから約21グラム/リットル、約10グラム/リットルから約22グラム/リットル、約10グラム/リットルから約23グラム/リットル、約10グラム/リットルから約24グラム/リットル、約10グラム/リットルから約25グラム/リットル、約10グラム/リットルから約30グラム/リットル、約10グラム/リットルから約40グラム/リットル、約10グラム/リットルから約50グラム/リットル、約10グラム/リットルから約12グラム/リットル、約12グラム/リットルから約14グラム/リットル、約14グラム/リットルから約16グラム/リットル、約16グラム/リットルから約18グラム/リットル、約18グラム/リットルから約20グラム/リットル、約20グラム/リットルから約22グラム/リットル、約22グラム/リットルから約24グラム/リットル、約23グラム/リットルから約25グラム/リットル、約10グラム/リットルから約25グラム/リットル、約11グラム/リットルから約25グラム/リットル、約12グラム/リットルから約25グラム/リットル、約13グラム/リットルから約25グラム/リットル、約14グラム/リットルから約25グラム/リットル、約15グラム/リットルから約25グラム/リットル、約16グラム/リットルから約25グラム/リットル、約17グラム/リットルから約25グラム/リットル、約18グラム/リットルから約25グラム/リットル、約19グラム/リットルから約25グラム/リットル、約20グラム/リットルから約25グラム/リットル、約21グラム/リットルから約25グラム/リットル、約22グラム/リットルから約25グラム/リットル、約23グラム/リットルから約25グラム/リットル、または約24グラム/リットルから約25グラム/リットルである。実施形態において、可溶性組み換えタンパク質収量は、約10gram/リットルから約13グラム/リットル、約12グラム/リットルから約14グラム/リットル、約13グラム/リットルから約15グラム/リットル、約14グラム/リットルから約16グラム/リットル、約15グラム/リットルから約17グラム/リットル、約16グラム/リットルから約18グラム/リットル、約17グラム/リットルから約19グラム/リットル、約18グラム/リットルから約20グラム/リットル、約20グラム/リットルから約22グラム/リットル、約22グラム/リットルから約24グラム/リットル、または約23グラム/リットルから約25グラム/リットルである。実施形態において、可溶性組み換えタンパク質収量は、約10グラム/リットルから約25グラム/リットル、約12グラム/リットルから約24グラム/リットル、約14グラム/リットルから約22グラム/リットル、約16グラム/リットルから約20グラム/リットル、または約18グラム/リットルから約20グラム/リットルである。実施形態において、抽出されたタンパク質収量は、約5グラム/リットルから約15グラム/リットル、約5グラム/リットルから約25グラム/リットル、約10グラム/リットルから約15グラム/リットル、約10グラム/リットルから約25グラム/リットル、約15グラム/リットルから約20グラム/リットル、約15グラム/リットルから約25グラム/リットル、または約18グラム/リットルから約25グラム/リットルである。特定の実施形態において、可溶性組み換えクリサンタスパーゼの収量は、約10グラム/リットルから約25グラム/リットルである。
実施形態において、可溶性画分中に検出される組み換えクリサンタスパーゼ、例えば単量体または四量体の量は、製造される総組み換えクリサンタスパーゼの量の約10%から約100%である。実施形態において、この量は、製造される総組み換えクリサンタスパーゼの量の約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約99%、または約100%である。実施形態において、この量は、製造される総組み換えクリサンタスパーゼの量の約10%から約20%、20%から約50%、約25%から約50%、約25%から約50%、約25%から約95%、約30%から約50%、約30%から約40%、約30%から約60%、約30%から約70%、約35%から約50%、約35%から約70%、約35%から約75%、約35%から約95%、約40%から約50%、約40%から約95%、約50%から約75%、約50%から約95%、約70%から約95%、または約80から約100%である。
いくつかの実施形態において、可溶性組み換えアスパラギナーゼの量は、培養物中の製造される総可溶性タンパク質のパーセンテージとして表される。所与の細胞密度での細胞培養の組み換えアスパラギナーゼタンパク質の重量/体積で表されるデータは、総細胞タンパク質のパーセント組み換えタンパク質として表されるデータに変換できる。例えば、所与の細胞密度での細胞培養の体積あたりの総細胞タンパク質の量を知って、体積タンパク質収量を%総細胞タンパク質に変換することは、当業者の能力の範囲内である。この数は、1)所与の細胞密度での培養の細胞重量/体積、および2)総タンパク質に含まれる細胞重量のパーセントがわかっている場合に決定できる。例えば、OD550が1.0の場合、E.coliの乾燥細胞重量は0.5グラム/リットルであると報告される(「Production of Heterologous Proteins from Recombinant DNA Escherichia coli in Bench Fermentors」、Lin, N.S.,およびSwartz, J.R., 1992, METHODS:A Companion to Methods in Enzymology 4:159-168)。細菌細胞は、多糖類、脂質、核酸、ならびにタンパク質で構成される。E.coli細胞は、タンパク質がE.coli細胞の重量で52.4%を占めると評価するDa Silva, N.A., et al., 1986, 「Theoretical Growth Yield Estimates for Recombinant Cells」、Biotechnology and Bioengineering,Vol. XXVIII:741-746、およびE.coli中のタンパク質含量を乾燥細胞重量で55%と報告するChief Frederick C. Neidhardt, Vol. 1, pp. 3-6における「Escherichia coli and Salmonella typhimurium Cellular and Molecular Biology」、1987,編を含むがこれらに限定されない参照により、約52.4%から55%タンパク質であると報告される。上記の測定値(つまり、乾燥細胞重量0.5グラム/リットル、および55%細胞重量のタンパク質)を使用して、E.coliについて1.0のA550での細胞培養の体積あたりの総細胞タンパク質の量は、275μg総細胞タンパク質/ml/A550として計算される。湿潤細胞重量に基づく細胞培養の体積あたりの総細胞タンパク質の計算は、例えば、E.coliについての1.0のA600が、1.7グラムの湿潤細胞重量/リットル、および0.39グラムの乾燥細胞重量/リットルを結果として生じるというGlazyrinaら(参照により本願明細書中で組み込まれるMicrobial Cell Factories 2010, 9:42)による決定を使用することができる。例えば、乾燥細胞重量比較のためにこの湿潤細胞重量、および上記の55%乾燥細胞重量としてのタンパク質を使用して、E.coliについて1.0のA600での細胞培養の体積あたりの総細胞タンパク質の量は、215μg総細胞タンパク質/ml/A600として計算できる。Pseudomonas fluorescensについて、所与の細胞密度での細胞培養の体積あたりの総細胞タンパク質の量は、E.coliで見出されたものに類似する。P.fluorescensは、E.coliと同様に、グラム陰性の桿菌である。Edwards, et al., 1972、「Continuous Culture of Pseudomonas fluorescens with Sodium Maleate as a Carbon Source」、Biotechnology and Bioengineering, Vol. XIV, 123-147ページにより報告されたP.fluorescensATCC11150の乾燥細胞重量は、0.5グラム/リットル/A500である。これは、Alinが1.0のE.coliについて、E.coliについて1.0のA550でLinらにより報告された重量と同じである。500nmおよび550nmで行われた光散乱測定は非常に類似すると予想される。P.fluorescensHK44についての総細胞タンパク質に含まれる細胞重量のパーセントは、例えば、Yarwood, et al., July 2002、「Noninvasive Quantitative Measurement of Bacterial Growth in Porous Media under Unsaturated-Flow Conditions」、Applied and Environmental Microbiology 68(7):3597-3605により55%として記載される。このパーセンテージは、上記の参照によるE.coliについて所与のものと類似または同じである。
実施形態において,製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼ、例えば単量体または四量体の量は、培養物中の製造される総可溶性タンパク質の約0.1%から約95%である.実施形態において,この量は、培養物中の製造される総可溶性タンパク質の約0.1%、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える。実施形態において、この量は、培養物中の製造される総可溶性タンパク質の約0.1%、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%である。実施形態において、この量は、培養物中の製造される総可溶性タンパク質の約5%から約95%、約10%から約85%、約20%から約75%、約30%から約65%、約40%から約55%、約1%から約95%、約5%から約30%、約1%から約10%、約10%から約20%、約20%から約30%、約30%から約40%、約40%から約50%、約50から約60%、約60%から約70%、または約80%から約90%である。
実施形態において、製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼ、例えば単量体または四量体の量は、乾燥細胞重量(DCW)の約0.1%から約50%である。実施形態において、この量は、DCWの約0.1%、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、または50%を超える。実施形態において、この量は、DCWの約0.1%、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、または50%である。実施形態において、この量は、培養物中で製造される総可溶性タンパク質の約5%から約50%、約10%から約40%、約20%から約30%、約1%から約20%、約5%から約25%、約1%から約10%、約10%から約20%、約20%から約30%、約30%から約40%、または約40%から約50%である。
実施形態において、これらのタンパク質測定のいずれかで記載される細胞質的に製造された可溶性組み換えクリサンタスパーゼの収量または量(例えば、培養体積あたりの組み換えタンパク質の量(例えば、タンパク質のグラムまたはミリグラム/培養のリットル)、溶解後に得られた不溶性ペレット中で測定された組み換えタンパク質のパーセントまたは画分(例えば、抽出物上清中の組み換えタンパク質の量/不溶性画分中のタンパク質の量)、可溶性組み換えタンパク質のパーセントまたは画分、活性なタンパク質のパーセントまたは画分(例えば、活性なタンパク質の量/アッセイにおいて使用されるタンパク質の量)、総細胞タンパク質(tcp)のパーセントまたは画分、タンパク質の量/細胞、およびパーセント乾燥バイオマス)は、類似または実質的に類似の状態下(状態は、例えば、宿主細胞、宿主細胞の遺伝的背景(例えば、異なるプロテアーゼの欠失)、発現構築物中のプロモーターのタイプ、成長の温度、誘導性プロモーターが使用される場合の誘導のOD、インデューサーの量(例えば、lacZプロモーターまたはその誘導体が使用される場合の誘導のために使用されるIPTGの量)、タンパク質誘導の持続時間、培養物への誘導剤の添加に続く成長の温度、培養の攪拌速度、プラスミド維持のための選択の方法、容器内の培養の体積、および細胞溶解の方法を含む)で得られたペリプラズムに製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼの量に対して同等または増加している。実施形態において、類似または実質的に類似の状態下で得られた細胞質的に製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼのペリプラズムに製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼに対する収量比は、約1:1(つまり1)から約5:1(つまり5)である。実施形態において、類似または実質的に類似の状態下で得られた細胞質的に製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼのペリプラズムに製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼに対する収量比は、少なくとも約1である。実施形態において、類似または実質的に類似の状態下で得られた細胞質的に製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼのペリプラズムに製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼに対する収量比は、最大で約5である。実施形態において、類似または実質的に類似の状態下で得られた細胞質的に製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼのペリプラズムに製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼに対する収量比は、約1から約1.25、約1から約1.5、約1から約1.75、約1から約2、約1から約2.5、約1から約3、約1から約3.5、約1から約4、約1から約4.5、約1から約5、約1.25から約1.5、約1.25から約1.75、約1.25から約2、約1.25から約2.5、約1.25から約3、約1.25から約3.5、約1.25から約4、約1.25から約4.5、約1.25から約5、約1.5から約1.75、約1.5から約2、約1.5から約2.5、約1.5から約3、約1.5から約3.5、約1.5から約4、約1.5から約4.5、約1.5から約5、約1.75から約2、約1.75から約2.5、約1.75から約3、約1.75から約3.5、約1.75から約4、約1.75から約4.5、約1.75から約5、約2から約2.5、約2から約3、約2から約3.5、約2から約4、約2から約4.5、約2から約5、約2.5から約3、約2.5から約3.5、約2.5から約4、約2.5から約4.5、約2.5から約5、約3から約3.5、約3から約4、約3から約4.5、約3から約5、約3.5から約4、約3.5から約4.5、約3.5から約5、約4から約4.5、約4から約5、または約4.5から約5である。実施形態において、類似または実質的に類似の状態下で得られた細胞質的に製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼのペリプラズムに製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼに対する収量比は、約1、約1.25、約1.5、約1.75、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、または約5である。
溶解性および活性
タンパク質の「溶解性」および「活性」は、関連する性質であるが、一般に異なる手段により決定される。タンパク質、特に疎水性タンパク質の溶解性は、疎水性アミノ酸残基がフォールディングされたタンパク質の外側に不適切に配置されていることを示す。例えば以下に記載されるような異なる方法を使用してしばしば評価されるタンパク質活性は、適切なタンパク質コンフォメーションの別の指標である。本明細書中で使用される「可溶性、活性な、または両方」は、当業者に既知の方法により、可溶性、活性な、または可溶性および活性両方であると決定されるタンパク質を指す。
活性アッセイ
クリサンタスパーゼ活性を評価するためのアッセイは、当該技術分野において既知であり、蛍光測定法、比色分析、化学発光法、分光光度法、および当業者に入手可能な他の酵素アッセイを含むが、これらに限定されない。これらのアッセイは、クリサンタスパーゼ調製物の活性または有効性を商業的なまたは他のクリサンタスパーゼ調製物と比較するために使用できる。
実施形態において、活性または有効性は、アッセイされた総量と比較して、抽出物上清中のパーセント活性なタンパク質により表される。これは、アッセイにより使用されるタンパク質の総量に対する、アッセイにより活性であると決定されるタンパク質の量に基づく。他の実施形態において、活性または有効性は、標準または対照タンパク質と比較したタンパク質の%活性または有効性レベルにより表される。これは、標準試料中の活性なタンパク質の量に対する、上清抽出試料中の活性なタンパク質の量に基づく(ここで各試料からの同じ量のタンパク質が、アッセイにおいて使用される)。
実施形態において、製造されるクリサンタスパーゼとの比較のために活性または有効性アッセイにおいて使用される標準または対照タンパク質は、Erwinaze(登録商標)中の活性な成分、または臨床使用のために承認され、当該技術分野において既知の任意のクリサンタスパーゼ産物中の活性な成分である。実施形態において、製造されるクリサンタスパーゼの測定された活性または有効性は、クリサンタスパーゼ活性または有効性を測定する同じ方法を使用して、標準または対照クリサンタスパーゼの同じ量中で測定された活性または有効性と比較される。
実施形態において、本願明細書中の方法は、活性または有効性アッセイを使用して、組み換えクリサンタスパーゼタンパク質の量の活性または有効性を測定することをさらに含む。実施形態において、組み換えクリサンタスパーゼタンパク質の約40%から約100%は、活性、可溶性、またはその両方であると決定される。実施形態において、組み換えクリサンタスパーゼタンパク質の約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%は、活性、可溶性、またはその両方であると決定される。実施形態において、組み換えクリサンタスパーゼタンパク質の約40%から約50%、約50%から約60%、約60%から約70%、約70%から約80%、約80%から約90%、約90%から約100%、約50%から約100%、約60%から約100%、約70%から約100%、約80%から約100%、約40%から約90%、約40%から約95%、約50%から約90%、約50%から約95%、約50%から約100%、約60%から約90%、約60%から約95%、約60%から約100%、約70%から約90%、約70%から約95%、約70%から約100%、または約70%から約100%は、活性、可溶性、またはその両方であると決定される。
他の実施形態において、組み換えクリサンタスパーゼの約75%から約100%は、活性、可溶性、またはその両方であると決定される。実施形態において、組み換えクリサンタスパーゼの約75%から約80%、約75%から約85%、約75%から約90%、約75%から約95%、約80%から約85%、約80%から約90%、約80%から約95%、約80%から約100%、約85%から約90%、約85%から約95%、約85%から約100%、約90%から約95%、約90%から約100%、または約95%から約100%は、活性、可溶性、またはその両方であると決定される。
実施形態において、本願明細書中で記載される組み換えII型アスパラギナーゼを製造または発現する方法は、製造される組み換えII型アスパラギナーゼの活性または有効性を測定すること、および製造される組み換えII型アスパラギナーゼの測定される活性または有効性を同じアッセイを使用して同じ量の対照II型アスパラギナーゼ中で測定された活性または有効性と比較することをさらに含み、ここで製造される組み換えII型アスパラギナーゼの測定された活性または有効性は、対照II型アスパラギナーゼの活性または有効性と比較可能である。実施形態において、比較可能な活性または有効性は100%として定義される(1.0とも表せる)、つまり、製造される組み換えII型アスパラギナーゼおよび対照II型アスパラギナーゼの活性または有効性が等しい。実施形態において、対照II型アスパラギナーゼと比較される製造される組み換えII型アスパラギナーゼの活性または有効性は、約80%から約120%である。実施形態において、活性または有効性は約85%から約115%である。実施形態において、活性または有効性は約90%から約110%である。実施形態において、活性または有効性は約70%から約130%である。実施形態において、活性または有効性は約65%から約135%である。実施形態において,対照II型アスパラギナーゼと比較される製造される組み換えII型アスパラギナーゼの活性または有効性は、約または少なくとも約65%、約または少なくとも約66%、約または少なくとも約67%、約または少なくとも約68%、約または少なくとも約69%、約または少なくとも約70%、約または少なくとも約71%、約または少なくとも約72%、約または少なくとも約73%、約または少なくとも約74%、約または少なくとも約75%、約または少なくとも約75%、約または少なくとも約76%、約または少なくとも約77%、約または少なくとも約78%、約または少なくとも約79%、約または少なくとも約80%、約または少なくとも約81%、約または少なくとも約82%、約または少なくとも約83%、約または少なくとも約84%、約または少なくとも約85%、約または少なくとも約86%、約または少なくとも約87%、約または少なくとも約88%、約または少なくとも約89%、約または少なくとも約90%、約または少なくとも約91%、約または少なくとも約92%、約または少なくとも約93%、約または少なくとも約94%、約または少なくとも約95%、約または少なくとも約96%、約または少なくとも約97%、約または少なくとも約98%、約または少なくとも約99%、約または少なくとも約100%、約または少なくとも約101%、約または少なくとも約102%、約または少なくとも約103%、約または少なくとも約104%、約または少なくとも約105%、約または少なくとも約106%、約または少なくとも約107%、約または少なくとも約108%、約または少なくとも約109%、約または少なくとも約110%、約または少なくとも約111%、約または少なくとも約112%、約または少なくとも約113%、約または少なくとも約114%、約または少なくとも約115%、約または少なくとも約116%、約または少なくとも約117%、約または少なくとも約118%、約または少なくとも約119%、約または少なくとも約120%、約または少なくとも約121%、約または少なくとも約122%、約または少なくとも約123%、約または少なくとも約124%、約または少なくとも約125%、約または少なくとも約126%、約または少なくとも約127%、約または少なくとも約128%、約または少なくとも約129%、約または少なくとも約130%、約または少なくとも約131%、約または少なくとも約132%、約または少なくとも約133%、約または少なくとも約134%、または約または少なくとも約135%である。実施形態において、対照II型アスパラギナーゼと比較される製造される組み換えII型アスパラギナーゼの活性または有効性は、約68%から約132%、約70%から約130%、約72%から約128%、約75%から約125%、約80%から約120%、約85%から約115%、約65%から約110%、約68%から約110%、約70%から約110%、約72%から約110%、約78%から約110%、約80%から約110%、約90%から約110%、約95%から約105%、約85%から約110%、約90%から約110%、約95%から約110%、約96%から約110%、約97%から約110%、約98%から約110%、約99%から約110%、約100%から約110%、約65%から約105%、約68%から約105%、約70%から約105%、約72%から約105%、約80%から約105%、約85%から約105%、約90%から約105%、約95%から約105%、約96%から約105%、約97%から約105%、約98%から約105%、約99%から約105%、約100%から約105%、約65%から約100%、約68%から約100%、約70%から約100%、約72%から約100%、約75%から約100%、約78%から約100%、約80%から約100%、約81%から約100%、約82%から約100%、約83%から約100%、約84%から約100%、約85%から約100%、約86%から約100%、約87%から約100%、約88%から約100%、約89%から約100%、約90%から約100%、約91%から約100%、約92%から約100%、約93%から約100%、約94%から約100%、約95%から約100%、約96%から約100%、約97%から約100%、約98%から約100%、約99%から約100%、約95%から約99%、約96%から約99%、約97%から約99%、約70%から約135%、約75%から約135%、約80%から約135%、約85%から約135%、約90%から約135%、約75%から約130%、約80%から約130%、約85%から約130%、約90%から約130%、約80%から約125%、約85%から約125%、約90%から約125%、約85%から約120%、約90%から約120%、または約95%から約120%である。
実施例
以下の実施例は、本開示の種々の実施形態を説明する目的のために与えられ、いかなる形でも本開示を限定することは意図されない。本実施例は、本願明細書中に記載され方法とともに、現在代表的な実施形態であり、例示的であり、範囲を制限することは意図されない。そこでの変化および特許請求の範囲により定義される開示の精神の範囲内に包含される他の使用は、当業者に発生するだろう。
実施例1:プロジェクト概要
プロジェクトを、発現株を構築することにより開始した。クリサンタスパーゼタンパク質をコードする遺伝子を、P.fluorescens中での発現のために最適化し、40の発現ベクターのそれぞれに合成してライゲートし、1の細胞質および39のペリプラズムクリサンタスパーゼタンパク質発現戦略を促進した。プラスミドを、結果として240の固有の発現株を生じる24のP.fluorescens宿主株(プロテアーゼ欠失(PD)株、フォールディングモジュレーター過剰発現(FMO)株、プロテアーゼ欠失プラスフォールディングモジュレーター過剰発現(PD/FMO)株、および野生型(WT)株からなる)に形質転換した。
各株を、ハイスループット(HTP)成長および発現プロトコルに従って、96ウェル形式で二重成長および誘導した。96ウェル規模での240の発現株の最初のスクリーニングは、可溶性クリサンタスパーゼタンパク質単量体の高い発現が達成されることを実証した。96ウェルスクリーニングにおいて特定された上位15の株からの試料のSDS-CGE分析に基づき、E.coliL-アスパラギナーゼ(Sigma)標準曲線と比較した場合、可溶性クリサンタスパーゼ単量体の推定される力価は、およそ0.7から1.9g/Lの範囲だった。選択される発現株からの振とうフラスコ成長試料をさらに分析して、(商業的に入手可能な活性アッセイキットを使用して)活性ならびに(LC-MSにより)インタクトな質量を確認した。SDS-CGE分析により決定される単量体クリサンタスパーゼタンパク質の高い力価および検出可能でない分解に基づいて、2L規模での発酵評価のために、発現株STR55978を選択した。
2Lの発酵規模で、選択されたSTR55978発現株を、8の異なる誘導状態下で培養した。誘導変数は、誘導での湿潤細胞重量、IPTG濃度、pHおよび温度を含んだ。キャプチャークロマトグラフィーを、選択した発酵ペーストからのライセート試料で実施し、次いで生成されたキャプチャー溶出液を、複数の方法を使用して分析し、タンパク質同一性、活性および純度を評価した。
実施例2:材料および方法
最適な発現のための合成クリサンタスパーゼ遺伝子の設計
クリサンタスパーゼペプチド配列(図2、配列番号2)をコードするDNAを、P.fluorescensのための適するコドン使用を反映するように設計した。固有の制限酵素部位(SapIまたはLguI)を含有するDNA領域を、発現ベクター中に存在する分泌リーダーコード配列を有するフレーム中での直接融合のために設計されるクリサンタスパーゼコード配列の上流に加えた。3のストップコドンおよび固有の制限酵素部位(SapI)を含有するDNA領域を、コード配列の下流に加えた。pJ201:226734と呼ばれる合成遺伝子は、DNA2.0 Inc.により製造された。
クリサンタスパーゼタンパク質発現プラスミドの構築
HTPティア1発現戦略(またはプラスミド)スクリーンに使用される発現プラスミドの構築に、標準的なクローニング方法を使用した。最適化されたクリサンタスパーゼタンパク質コード配列を含有するプラスミドpJ201-226734を、DNA2.0から得た。pJ201-226734プラスミドを、制限酵素SapIで消化し、最適化されたクリサンタスパーゼ遺伝子を含有する993bp断片を40の総発現ベクター中にサブクローニングして、1つの細胞質および39のペリプラズム発現戦略を促進した。ペリプラズム発現パラメーターは、37の異なるペリプラズムリーダーおよび2のリボソーム結合部位(RBS)親和性を含んだ。インサートおよびベクターを、T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs、M0202S)で一晩ライゲートし、96ウェル形式でコンピテントP.fluorescens宿主株中に電気穿孔した。結果として生じるプラスミドを、表5に記載されるようにp743-001からp743-040と名付けた。2の追加のプラスミド、p743-041およびp743-042が、宿主株スクリーニングに含まれた。p743-042プラスミドを、p743-001プラスミドと同様に、細胞質クリサンタスパーゼタンパク質の発現のために設計した。しかしながら、p743-042プラスミドを、PCRベースの方法を使用して後で構築し、プラスミドp743-001のクリサンタスパーゼコード配列中のイニシエーターメチオニンコドンにすぐに続いて存在する余分なアラニンコドンを除去した。
96ウェル形式における成長および発現
発現プラスミドスクリーニング(HTPティア1)について、クリサンタスパーゼ発現プラスミド(表5)のそれぞれのライゲーション混合物を、P.fluorescens宿主株DC454(PyrF欠損、野生型プロテアーゼ(WT))およびDC441(pyrF、Lon、およびHslUV欠損(PD))細胞に形質転換した。コンピテント細胞の25マイクロリットルを解凍し、96マルチウェルNucleovette(登録商標)プレート(LonzaVHNP-1001)に移し、各ウェルにライゲーション混合物を加えた。NucleofectorTM96ウェルShuttleTMシステム(Lonza AG)を使用して、細胞を電気穿孔した。次いで、細胞を、400μlのM9塩1%グルコース培地および微量元素(Teknova)を有する96ウェルディープウェルプレートに移した。96ウェルプレート(シードプレート)を、30°Cで48時間振とうしながらインキュベートした。10マイクロリットルのシード培養を、96ウェルディープウェルプレート中に二重で移し、各ウェルは、500μlのHTP培地(Teknova)を含有し、微量元素および5%グリセロールを補足され、以前のように24時間インキュベートされた。イソプロピル-β-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)を24時間の時点で各ウェルに0.3mMの終濃度で添加して、標的タンパク質の発現を誘導した。マンニトール(Sigma、M1902)を、各ウェルに1%の終濃度で添加して、フォールディングモジュレーター過剰発現株中でフォールディングモジュレーターの発現を誘導した。細胞密度を、誘導後24時間で、600nm(OD600)での光学密度により測定し、成長をモニターした。誘導後24時間で、細胞を採取し、400μlの最終体積に1XPBS中で1:3に希釈し、次いで凍結した。
宿主株スクリーニング(HTPティア2)について、発現プラスミド(表6)を選択した10のHTPティア1からのDNAを、野生型(親)DC454(WT)株、プロテアーゼ欠失(PD)株、フォールディングモジュレーター過剰発現(FMO)株およびプロテアーゼ欠失プラスフォールディングモジュレーターオーバーエクスプレッサー(PD/FMO)株を含む24のP.fluorescens宿主株(表7)に形質転換した。フォールディングモジュレーターは存在する場合、第2のプラスミド上でコードされ、発現はP.fluorescens-ネイティブマンニトール誘導性プロモーターによって駆動された。240の宿主株スクリーン形質転換を、次のように実施した:P.fluorescens宿主株コンピテント細胞の25マイクロリットルを解凍し、96マルチウェルNucleovette(登録商標)プレート中に移し、10μlプラスミドDNA(10ng)を各ウェルに添加した。上記のプラスミド発現スクリーニングについて記載されるように、細胞を電気穿孔し、培養し、HTP形式で誘導し、そして採取した。
P.fluorescensアスパラギナーゼ欠損宿主株の構築/遺伝子ノックアウトプラスミドの構築
クリサンタスパーゼタンパク質アミノ酸配列(図2)をインプットとして使用したP.fluorescensMB214ゲノム配列のBLAST検索は、以下の有意なアラインメントを示す2のタンパク質コード遺伝子(ペグ)のアウトプットを結果として生じた:ペグ.3886(L-アスパラギナーゼEC3.5.1.1 II型、配列番号62); E値5e-85およびペグ.5048(L-アスパラギナーゼEC 3.5.1.1、配列番号61); E値3e-05。各ネイティブL-アスパラギナーゼ遺伝子についてのクローン化された欠失構築物を、欠失について標的化された遺伝子のスタートおよびストップコドンのみを残す各遺伝子についての上流および下流隣接領域の融合を含有するDNA配列断片を合成することによって開始した。Genewiz Inc. (South Plainfield, NJ)は、それぞれ欠失プラスミドpFNX3970およびpFNX3969を製造するために、ベクターpDOW1261-24のSrI部位中にその後平滑末端ライゲートされる配列断片delPEG3886(1,107bp)およびdelPEG5048(801bp)の合成を完了した。
ネイティブL-アスパラギナーゼ-欠損宿主株の構築
以下の方法を使用して、選択された宿主株中で、各遺伝子の染色体欠失を順次実施した:欠失プラスミドを、ウラシル(ピリミジン)生合成に関与するpyrF遺伝子中に染色体欠失を含有するP.fluorescens宿主株中に電気穿孔した。欠失プラスミドは、PyrFコード配列を含有するが、P.fluorescens細胞中では複製できない。電気穿孔した細胞を、1%グルコースおよび250ug/mLプロリン(宿主株がプロリン栄養要求性の場合)を補足したM9塩寒天プレート上に播種した。結果として生じるクローンは、欠失プラスミド全体をゲノム内の2つの相同な領域の1つにある染色体中に組み換えさせる組み込み事象により、ウラシルを合成することができる。組み込まれたプラスミドおよび染色体の間で第2の相同な組み換えを実行し、それにより欠失を残す細胞を選択するために、プラスミド統合株を、250ug/mLウラシルおよび250ug/mLプロリン(宿主株がプロリン栄養要求性の場合)を補足した3mLLB培地中で定常期まで成長させた。次いで、細胞を、500ug/mLの5-フルオロオロチン酸(5-FOA)(Zymo Research)をも含有するLBウラシル(250ug/mL)プラス250ug/mLプロリン(宿主株がプロリン栄養要求株の場合)寒天培地上に播種した。組み換えによって組み込まれたプラスミドを失う細胞はまた、pyrF遺伝子も失い、したがって細胞成長を妨げる毒性化合物に他の方法で変換される5-FOAに耐性があると予想される。次いで、5-FOA(500ug/mL)の存在下で良好な成長を示す単一コロニーを採取し、250μg/mLウラシルおよび250μg/mLプロリン(宿主株がプロリン栄養要求性の場合)を補足した1%グルコースを含有する3mL液体M9最少培地中で成長させ、グリセロールストックとしておよび診断用PCRおよびシーケンシング反応のためのテンプレートとしての保存のための培養を生成した。
ネイティブL-アスパラギナーゼ遺伝子の染色体欠失の確認
診断用PCR反応を使用して、ノックアウトプラスミドにクローン化された合成された遺伝子欠失配列の外側の染色体領域にアニールしているプライマーを利用して、所望のネイティブL-アスパラギナーゼ遺伝子染色体欠失をスクリーンした。生成されたPCR産物のDNAシーケンシングを使用して、所望のネイティブL-アスパラギナーゼ遺伝子欠失が、不所望の突然変異またはDNA再構成なく予想されるように発生したことを決定した。
振とうフラスコ中のクリサンタスパーゼ発現株の成長および発現
3のクリサンタスパーゼ発現株および2のヌル株(P.fluorescens野生型株DC454ヌルおよびP.fluorescensネイティブL−アスパラギナーゼ1および2型欠損株PF1433ヌル)を、振とうフラスコ発現スケールアップ実験のために選択した。ヌル株は、タンパク質クリサンタスパーゼコード配列を欠いている発現ベクターを保有した。PF1433(PyrF、AspG1、およびAspG2欠損)を、宿主株DC454(PyrF欠損)中のaspG2およびaspG1遺伝子の順次欠失により構築した。
各発現株を、M9塩1%グルコース(Teknova)の2mL中に接種した。培養物を、振とうしながら30°Cで24時間インキュベートした。各発現株について一晩成長させた培養の2%接種材料を、Trace Element(Teknova)を補足した2x200mL HTP-YE培地中で継代培養した。フラスコを振とうしながら30°Cで24時間インキュベートした。誘導前、20μLを980μLの水で希釈することにより、フラスコのOD600を記録した。イソプロピル-β-D-1チオガラクトピラノシド(IPTG)を各フラスコに0.3mMの終濃度で添加して、クリサンタスパーゼタンパク質の発現を誘導した。フラスコを振とうしながら30°Cで24時間インキュベートした。各株について、2の培養フラスコを組み合わせて採取し、フラスコのOD600を記録した。誘導後、400μLを1XPBSで1:3に希釈し、次いで還元SDS-CGEおよび追加の分析のために凍結した。各株について、〜400mLの培養を遠心分離した(15,900xgで4°Cで30分間)。湿潤重量を記録した後、ペレットを-80°Cで凍結した。
2L規模発酵およびサンプリング
2L規模の発酵(およそ1Lの最終発酵体積)のための接種材料を、酵母抽出物およびグリセロールを補足した化学的に定義された培地の600mLを含有する振とうフラスコを選択された株の凍結培養ストックで接種することにより生成した。30°Cで振とうしながら16から24時間インキュベートした後、次いで、振とうフラスコ培養の各等しい部分を、高いバイオマスを支持するように設計された化学的に定義された培地を含有する8ユニットのマルチプレックス発酵システムのそれぞれに移した。2L発酵槽において、培養物を、グリセロールフェッドバッチモードで、pH、温度、および溶存酸素についてコントロールされた状態で操作した。ファッドバッチ高細胞密度発酵プロセスは、培養が標的バイオマス(湿潤細胞重量)に達するとIPTGの添加によって開始される、誘導期がその後に続く成長期で構成された。誘導期中の状態は、実験設計に従って変化した。発酵の誘導期はおよそ24時間進行させた。分析試料を、発酵槽から回収し、細胞密度(575nmでの光学密度)を決定し、次いで、その後の分析のために凍結され、標的遺伝子の発現レベルを決定した。誘導後24時間の最終時点で、各容器の全発酵ブロスを、15,900xgで60から90分間、遠心分離により採取した。細胞ペーストおよび上澄みを分離し、ペーストを保持して-80°Cで凍結した。
試料調製物
遠心分離がその後に続く超音波処理により、可溶性画分を調製した。培養ブロス試料(400μL)を、以下の設定下で24プローブチップホーンを有するCell Lysis Automated Sonication System(CLASS、Scinomix)で超音波処理した:パルスあたり10秒でウェルあたり20パルス、および各パルス間10秒で60%パワー(Sonics Ultra-Cell)。ライセートを5,500xgで15分間(4°C)遠心分離し、上清を回収した(可溶性画分)。
SDS-CGE分析
タンパク質試料を、HTプロテインエクスプレスチップおよび対応する試薬(それぞれ部品番号760528およびCLS760675、PerkinElmer)を有するLabChip GXII機器(PerkinElmer)を使用して、マイクロチップSDSキャピラリーゲル電気泳動によって分析した。試料を、製造者のプロトコル(Protein User Guide Document No. 450589, Rev. 3)に従って調製した。簡単に言えば、96ウェルポリプロピレンコニカルウェルPCRプレートにおいて、4μLの試料を14μLのサンプルバッファー、70mMDTT還元剤と混合し、95°Cで5分間加熱し、そして70μLDI水を添加して希釈した。ヌル-株ライセートを、テスト試料と並行して泳動した。LabChip GX v.4.0.1425.0を使用して、データを分析し、ゲル様画像を生成した。
SDS−PAGE分析
SDS−PAGE分析を使用して、アスパラギナーゼの同一性および純度を決定した。70℃で10分間加熱する前に、テスト試料を、PBSおよびローディングバッファープラス25mM DTTで希釈した。試料を2または4μg/ウェルで12%Bis-Trisゲルにロードした。染料の前線がゲルの長さを下って移動するまで(およそ1時間)、試料を200Vの定電圧下、1xMOPSランニングバッファーで分離した。電気泳動後、1または2μg/ウェルを有するゲルをOriole蛍光ゲル染色(Bio-Rad)で1時間染色し、4μg/ウェルロードを有するゲルをGelCodeBlue(ThermoFisher)で一晩染色した。染色後、蛍光染色したゲルを水中に移し、次いでGelDocEZシステム(Bio-Rad)を使用して画像化した。青色に染色されたゲルを、脱染のためにおよそ1.5から2時間水中に移し、次いでGelDoc EZを使用して画像化した。
ウェスタンブロット
ウェスタンブロットを使用して、アスパラギナーゼの同一性を決定した。70°Cで10分間加熱する前に、テスト試料をPBSおよび還元剤DTTを有するローディングバッファーで希釈した。次いで、試料を1μg/ウェルでロードし、SDS-PAGE実行状態と同じように、12%Bis-Trisゲル上で分離した。電気泳動に続き、25V、125mAで90分間、タンパク質をニトロセルロース膜に移した。Blocker Casein(Thermo)を使用して2から8°Cで一晩ブロックし、その後PBST(Sigma)で3回洗浄した。次いで、膜を室温で50rpmで1時間、PBST9部およびBlockerCasein1部で1:5000に希釈したウサギ抗クリサンタスパーゼポリクローナル抗体とインキュベートした。3回のPBST洗浄に続き、HorseradichPeroxidase(HRP)に結合したヤギ抗ウサギIgGを、9:1のPBST:カゼイン溶液で1:5000に希釈し、室温で50rpmで1時間インキュベートした。3回のさらなる洗浄に続き、DAB基質(Thermofisher)の添加により抗原抗体複合体を明らかにした。バンドがはっきりと見えた後、膜を水中に移すことにより反応を停止し、GelDocEZイメージングシステム(Bio-Rad)を使用して膜を画像化した。
SE−HPLC
試料のためのSE−HPLCを、DAD UV検出器を備えたAgilent Technologies 1100 HPLCシステム上で実施した。移動相は、50mMリン酸ナトリウム、200mMNaClpH7.0であった。ストック薬物製品の1xPBSでの1mg/mLへの希釈は、50μgの各試料を、Phenomenex BioSep SEC s4000HPLCガードカートリッジを有するPhenomenexSEC-s4000(7.8mmIDx300mm、5μm)HPLC分析カラム上にロードするのを可能にした。UV吸光度を、流速1.0mL/minで215nmでモニターした。カラムおよび試料の温度を、18分の総ラン時間ではコントロールしなかった。OpenLabソフトウェアを使用して、面積%の純度を計算した。ピーク組み込みを、標準接線スキムモードおよびすべてのスキム組み込み事象についてのゼロ値で実施した。ベースライン補正を、ピークの谷に対する比500でNo Penetrationに設定した。最初の組み込み事象は、勾配感度1、ピーク幅0.25、面積排除1、高さ排除10、およびDROPに設定された肩組み込みを含む。組み込みを、0から7分、および11.15分からラン終了まで禁止した。ベースラインも9分でBaseline Holdに設定した。
標的タンパク質のインタクトな質量分析
可溶性ライセート試料を、マススぺクトロメトリー(LC-MS)に連結された液体クロマトグラフィーによるインタクトな質量分析の前に、PBS中に濾過/脱塩した。1または2のカラム工程により精製された試料を、きれいにランした。
エレクトロスプレーインターフェースを有するQ-Tofマイクロ質量分析計(Waters Xevo)に連結された相互接続オートサンプラー、カラムヒーター、UV検出器、およびHPLC(Waters Acquity)を使用して、試料をLC-MS分析に供した。ガードカラム(Zorbax5μm、300SB-CN、4.6x12.5mm、Agilent)が取り付けられたCNカラム(Zorbax5μm、300SB-CN、Agilent)を50°Cの分離のために使用した。使用したHPLC緩衝液は、緩衝液A(0.1%ギ酸)および緩衝液B(100%アセトニトリル0.1%ギ酸)であった。一般的なグラジエントを使用した。5%Bおよび95%緩衝液Aでロードした後、タンパク質試料を、0.2mL/minで以下の逆相グラジエントに供した:カラムを45分間で5-60%B、その後の60%から95%Bへの2分グラジエント、その後の3分間で95%B、および5分間で5%Bで終わる(60分総方法時間)グラジエントに供した。
MSの前に、UV吸光度を180〜500nmから回収した。MSソースをポジティブで使用した。MSスキャンを、秒あたり2スキャンで600-2600m/zの範囲を使用して実行した。MSおよびUVデータを、MassLynxソフトウェア(Waters)を使用して分析した。MS総イオン電流(TIC)のUVクロマトグラムクロマトグラムを生成した。ターゲットピークのMSスペクトルを合計した。これらのスペクトルを、MaxEnt1(Waters)スキャニングを使用して、チャネルあたり1Daの分解能で30,000〜40,000の分子量範囲について、デコンボリューションした。
実施例3:96ウェル形式におけるクリサンタスパーゼティア1発現プラスミドスクリーニング
発現プラスミドスクリーニングのために、実施例2(図2)に記載されるように、P.fluorescensにおける発現のために最適化されたクリサンタスパーゼタンパク質コード配列を設計して合成した。プラスミドを、37の異なるP.fluorescens分泌リーダーおよび2つのリボソーム結合部位(RBS)親和性(表5)に融合した最適化されたクリサンタスパーゼ遺伝子を保有して構築した。クリサンタスパーゼタンパク質を細胞細胞質内に局所化するために、追加のプラスミドを構築して、ペリプラズムリーダーなしでクリサンタスパーゼタンパク質を発現させた。代表的なプラスミドマップ(p743-042)を図3に示す。標的の発現をPtacプロモーターから駆動し、翻訳は高活性リボソーム結合部位(RBS)から開始した。結果として生じる40のプラスミドを、2のP.fluorescens宿主株DC454(WT)およびDC441(PD)に形質転換し、ティア1(発現戦略)スクリーニングのための80の発現株を製造した。発現戦略のランキングは、クリサンタスパーゼ単量体のSDS-CGE推定力価に基づいた。
実施例2に記載されるように、80の形質転換(40の発現戦略×2の宿主株)から結果として生じる培養物を、96ウェルプレート中で成長させた。誘導から24時間後に採取された全ブロス培養からのソニケート画分試料を、SDS-CGEにより分析した。E.coliL-Asp(Sigma Product)と共移動したクリサンタスパーゼ単量体(35kDa)の予想される分子重量と一致する誘導されたタンパク質の発現を定量化した。誘導されたバンドをE.coli L-Asp標準曲線と比較することにより、還元された試料のSDS-CGE定量を完了した。DC454およびDC441両方の宿主株からの20の最も高い収量試料を、推定される可溶性クリサンタスパーゼ単量体力価に基づいてランク付けした(表8)。図1は、96ウェル培養可溶性ソニケート試料の分析から生成されたSDS-CGEゲル様の図を示す。表8は、還元された可溶性ソニケート(単一rep)のSDS-CGE分析により推定され、そしてDC454(左の表)およびDC441(右の表)宿主株中で発現されたプラスミドについてLabchip(登録商標)内部ラダーにより定量化される誘導後24時間(I24)力価を示す。また、各p743発現プラスミドから製造される分泌リーダー融合も示される。
DC454およびDC441の両方の宿主株に由来する上位10の最も高い収量発現株において観察される6つのプラスミドおよび組み込まれた分泌リーダー(p743-013(FlgIリーダー)、p743-038(8484)、p743-020(LolA)、p743-018(DsbC)、p743-009(Ibp-S31A)およびp743-034(5193))は、表8で**でマークされる。加えて、p743-001発現プラスミドは、クリサンタスパーゼタンパク質の細胞質発現のために設計され、両方の宿主について上位2の最も高い可溶性収量にランク付けされる。組み合わされる両方の宿主株から、上位10の最も高い可溶性力価は525から1,523μg/mLの範囲だった。不溶性収量は、p743-013プラスミドを使用して230μg/mLを達成する最も高い不溶性収量で観察されたすべての発現について低かった。SDS-CGEバンドパターン(図1)の観察は、p743-016およびp743-017プラスミドが突出した低い分子重量切断産物を製造することが観察された一方で、最も完全な分泌リーダー処理(ペリプラズムへのエクスポート時の除去)が、p743-013、p743-033(リーダーO)、p743-038、p743-009およびp743-018発現プラスミドを使用して発生したことを示す。表6に示す10の発現プラスミドを、SDS-CGE推定高可溶性力価に基づいて、96ウェルHTP規模でのその後の宿主株スクリーニングのために選択した。次いで、10の選択された発現戦略を、クリサンタスパーゼタンパク質力価および質にさらに影響を与える可能性がある24の固有の宿主株と組み合わせた。
実施例4:96ウェル形式におけるクリサンタスパーゼティア2宿主株スクリーニング
ティア1発現戦略スクリーニングにおいて同定された10の選択されたクリサンタスパーゼ発現戦略、またはプラスミドを、11のプロテアーゼ欠失PD)株、8のプロテアーゼ欠失プラスフォールディングモジュレーターオーバーエクスプレッサー(PD/FMO)株、4のFMO株および1の野生型株を含む240のP.fluorescens宿主株(表7)にそれぞれ形質転換した。フォールディングモジュレーターは存在する場合、第2のプラスミド上にコードされ、発現をP.fluorescens-ネイティブマンニトール誘導性プロモーターによって駆動した。24の宿主株の回収を選択して、タンパク質分解性を低減した、および/またはタンパク質の溶解性を促進した。発現戦略スクリーニングにおいて2の宿主株として使用されたDC454(WT)およびDC441(PD)株も、24の宿主株スクリーンに含まれた。
実施例2に記載されるように、10の選択されたクリサンタスパーゼ発現プラスミドのそれぞれを保有する24の宿主株(総計240の発現株)を、96ウェル形式(HTP)で二重成長させた。誘導から24時間後に採取された試料をSDS-CGEで分析し、可溶性および不溶性のクリサンタスパーゼタンパク質発現を検出および定量化した。SDS-CGEによる還元された可溶性および不溶性画分のスクリーニングを、すべての240の株から単一の複製物上で実行した。SDS-CGEは、E.coliL-Asp標準(Sigma)と共移動する誘導バンドを検出し、相対力価をE.coli L-Asp標準曲線から挿入した。表9は、1,453から2,362μg/mLの範囲の最も高い推定されるクリサンタスパーゼ細胞全体(可溶性および不溶性)単量体力価を示す15の試料を列挙する。
単一のHTP成長複製物のSDS−CGEスクリーニングからの結果を表9に示す。各行は、クリサンタスパーゼ発現株ID、使用される宿主株、宿主株表現型(PD=プロテアーゼ欠失;FMO=フォールディングモジュレーターオーバーエクスプレッサー)および使用される発現プラスミドを同定する。報告された力価は、E.coli L-Asp(Sigma)標準曲線との比較に基づいており、全細胞(可溶性プラス不溶性)クリサンタスパーゼタンパク質推定力価に基づいて並べ替えられる。
株STR55978は、ネイティブL-アスパラギナーゼ1および2型(PF1433宿主株)の染色体欠失を含有する野生型P.fluorescens宿主株の背景において細胞質クリサンタスパーゼ発現プラスミドp743-042を保有する。株STR55901、STR55891、STR55896およびSTR55906を、p743-013またはp743-038いずれかの発現プラスミドを保有するPF1285(PD)またはPF1332(PD)いずれかの宿主株から構築した。観察された高い可溶性および総クリサンタスパーゼ力価に基づいて、これらの4の株をネイティブL-アスパラギナーゼ欠損バージョンとして再構築した。L-アスパラギナーゼ欠損宿主株PF1433中のプラスミドp743-042中で野生型クリサンタスパーゼを発現するSTR55978クリサンタスパーゼ発現株を、2L発酵規模でのスクリーニング誘導状態のために選択した。
実施例5:クリサンタスパーゼ振とうフラスコ発現
振とうフラスコ発現(200mL)を、選択した発現プラスミドp743-042、p743-033およびp743-038をアスパラギナーゼ欠損宿主株PF1433に形質転換した後に実施し、それぞれ発現株STR55978、STR55979およびSTR55980を生成した。観察可能な成長ペナルティーを製造した内因性アスパラギナーゼ遺伝子をP.fluorescens染色体から欠失させるかどうかを評価するために、振とうフラスコ発現作業を、アスパラギナーゼ欠損クリサンタスパーゼ発現宿主株の構築(実施例4を参照)と並行して完了した。さらに、振とうフラスコ試料から生成されたライセートを、最初の活性分析およびLC-MS分析によるインタクトな質量の確認のために使用した。表10は、振とうフラスコ発現分析からの製造された還元された可溶性および不溶性ソニケートのSDS-CGE分析からの結果を示す。
表10は、200mL作業体積振とうフラスコ規模で分析されたPF1433宿主株(ネイティブアスパラギナーゼ欠損、野生型株)を使用して構築された3つのクリサンタスパーゼ発現株の可溶性および不溶性ソニケート画分(10の異なる繰り返し)のSDS-CGE分析により決定された平均推定力価を示す。SDS-CGE力価を、E.coliL-Asp(Sigma)標準曲線との比較に基づいて推定した。各株の可溶性および不溶性両方のソニケート分析から得られたSDS-CGEゲル様画像を図4に示す。
分析には、2のヌル株:STR55982およびDC432からの振とうフラスコ成長が含まれる。DC432株は、野生型P.fluorescens宿主株中に、クリサンタスパーゼコード領域を含有しないプラスミドpDOW1169を保有する。STR55982は、両方のネイティブアスパラギナーゼコード配列の染色体欠失を含有する宿主株PF1433中にプラスミドpDOW1169を保有する。3つすべてのクリサンタスパーゼ発現株は、最大14g/Lの最も高い可溶性力価を達成する株STR55978を有する主として可溶性なクリサンタスパーゼタンパク質発現を製造した。さらに、誘導後24時間でそれぞれ21.7および23.7のOD600を与えたSTR55982およびDC432ヌル株と比較した場合、誘導後24時間で近似細胞密度(OD600=23.0、27.0および27.8)を達成した3つすべてのクリサンタスパーゼ発現株として、成長ペナルティーは観察されなかった。
5の振とうフラスコ発現株のそれぞれから生成された可溶性ソニケート試料を、製造者の指示に従って、Sigmaから購入した商業的なキット(アスパラギナーゼ活性アッセイキット)を使用して、アスパラギナーゼ活性について分析した。このキットは、生成されたアスパラギン酸に比例して比色する最終産物を製造する結合酵素反応を使用して、活性を測定する。Sigmaから得られたE.coliアスパラギナーゼII型を、陽性対照としてSTR55982ヌルライセートにスパイクした(最後の行表11)。
両方のヌル試料が1:25,000希釈係数で測定可能な活性を示さなかった一方、1:25,000希釈された株STR55978、STR55979、およびSTR55980からの可溶性ソニケート試料は、Sigmaからの250μg/mLE.coliL-アスパラギナーゼをスパイクされた同じように希釈されたSTR55982ヌル株試料と比較可能な活性を示した。商業的に入手可能なキットを使用したこれらの活性結果は、P.fluorescens中で発現されたクリサンタスパーゼタンパク質が、生成されたソニケート内で活性な四量体アスパラギナーゼ酵素を容易に形成できることを示す。
表12は、振とうフラスコ中での株STR55978、STR55979およびSTR55980により製造される可溶性ソニケートからのクリサンタスパーゼタンパク質の分析からのLC−MSインタクト質量結果を示す。各株からのクリサンタスパーゼタンパク質の観察された分子量(35,053Da)は、理論的な分子重量(35054.2Da)と一致しており、これは3つの株すべてが予想されるアミノ酸配列およびもしあれば分泌リーダーの完全な処理または除去を生成していることを示す。Sigma E.coli L-Aspを対照として分析した。図7は、STR55978についてのマススぺクトロメトリーの読み取り値を示す。
実施例6:2L発酵評価
内因性アスパラギナーゼ欠損株である細胞質発現株STR55978を、実験の設計(DOE)形式で8の異なる発酵誘導状態の下で評価した。変化した状態は、誘導でのWCW(g/g)、IPTG濃度、pHおよび温度を含んだ。この画分的要因DOEにおいて標的とされる誘導設定値は、0.2〜0.4g/gの湿潤細胞重量の細胞密度、0.08〜0.2mMIPTG、6.5〜7.2の誘導後pH、および25〜32℃の誘導後培養温度を含んだ。各状態についての湿潤細胞重量によって測定された成長を図5に示す。可溶性クリサンタスパーゼの力価は、10〜24g/Lまたは20〜40%総細胞タンパク質の範囲であった(表13)。還元された可溶性SDS-CGEにより測定された組み換えクリサンタスパーゼ発現を図6に示す。
本開示の好ましい実施形態が本願明細書中で示され記載される一方、かかる実施形態は、例としてのみ提供される。開示から逸脱することなく、多数のバリエーション、変化、および置換が当業者に発生するだろう。本願明細書中で記載される開示の実施形態に対する種々の代替物は本願明細書中の方法の実践において採用されてもよいことが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲が発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造およびそれらの同等物がカそれによりバーされることが意図される。