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JP2021194844A - 中空体の製造方法 - Google Patents

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裕司 浦山
Yuji Urayama
康介 櫻井
Kosuke Sakurai
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】シワの発生を防止することができ、機械的強度が低下することなく、比較的に低い生産コストで製造することができる中空体の製造方法を提供する。【解決手段】中空体の製造方法であって、可とう性を有する直線状の中子22、23に、非連続繊維と樹脂とを含むSMCを巻き付けて賦形する工程(ステップS1)と、SMCが巻き付けられた中子22、23を、湾曲面42を有する下型31にセットする工程(ステップS2)と、下型31に、SMCが巻き付けられた中子22、23をセットした後、SMCを硬化させる工程(ステップS4)と、SMCが硬化した後、硬化したSMCから中子22、23を引き抜く工程(ステップS5)とを有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、シートモールディングコンパウンド(Sheet Molding Compound、以下SMCという。)を用いた中空体の製造方法に関する。
この種の中空体の製造方法として、熱膨張性を有する可とう性中子にプリプレグ基材を巻き付けて賦形した後、プリプレグ基材が巻き付けられた中子を熱膨張性弾性体シートが配置された金型内に設置し、金型を加熱してプリプレグ基材を硬化させ、可とう性中子を引き抜くようにしたものが開示されている(特許文献1参照)。
特開2010−234676号公報
このような製造方法で製造される中空体について、湾曲形状を有した中空体を製造することが望まれている。しかしながら、湾曲形状を有した中空体に用いる湾曲した中子にプリプレグ基材を巻き付けるためには、プリプレグ基材が連続繊維の一方向に整列した状態のシート形態であるため、材料余りが生じる部位にシワが発生してしまうという問題がある。一方、シワの発生を避けるためにプリプレグ基材をパッチ状に切断して湾曲した中子に賦形する場合には、図12に示すように、プリプレグ基材の連続繊維が分断され、中空体の機械的強度が低下してしまう可能性がある。また、切断したプリプレグ基材を中子に貼り付ける必要があり、工程が煩雑となり生産性が悪化してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、シワの発生を防止することができ、機械的強度が低下することなく、比較的に低い生産コストで製造することができる中空体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る中空体の製造方法は、可とう性を有する直線状の中子に、非連続繊維と樹脂とを含むSMCを巻き付けて賦形する工程と、前記SMCが巻き付けられた前記中子を、湾曲面を有する型にセットする工程と、前記型に前記SMCが巻き付けられた前記中子をセットした後、前記SMCを硬化させる工程と、前記SMCが硬化した後、硬化した前記SMCから前記中子を引き抜く工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る中空体の製造方法においては、賦形する工程において、可とう性を有する直線状の中子に、非連続繊維と樹脂とを含むSMCが巻き付けられる。湾曲した中子にSMCを巻き付けるのと比較して、シワの発生が防止されるとともに、SMCを分断することなく中子に巻き付けられるので、機械的強度の低下が抑制される。セットする工程において、SMCが巻き付けられた中子が、湾曲面を有する型にセットされる。硬化させる工程において、SMCが硬化し、引き抜く工程において、SMCから中子が引き抜かれる。中子が引き抜かれる際に、中子が撓むのでSMCから容易に中子が引き抜かれる。
本発明によれば、シワの発生を防止することができ、機械的強度が低下することなく、比較的に低い生産コストで製造することができる中空体の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る中空体の図であり、図1(a)は、側面図を示し、図1(b)は、図1(a)のA−Aで切断した断面図を示す。 本発明の実施形態に係る中空体の製造方法の工程図。 本発明の実施形態に係る中空体の製造装置の図であり、図3(a)は、一部を切断した部分断面図であり、図3(b)は、図3(a)のB−Bで切断した断面図を示す。 本発明の実施形態に係る型および中子の図であり、図4(a)は、下型の断面図を示し、図4(b)は、上型の断面図を示し、図4(c)は、中子の側面図を示し、図4(d)は、図4(c)のC−Cで切断した断面図を示す。 本発明の実施形態に係る中空体の製造方法の各工程を説明する説明図であり、図5(a)は、準備された中子の側面図を示し、図5(b)は、中子にSMCが巻き付けられて賦形された状態を示し、図5(c)は、SMCが賦形された中子の側面を示し、図5(d)は、SMCが賦形された中子が下型にセットされた状態を示し、図5(e)は、上型および側面型および押さえ部材がセットされた状態を示す。 本発明の実施形態に係る中空体の製造方法の各工程を説明する説明図であり、図6(a)は、型にヒータがセットされた状態を示し、図6(b)は、ヒータ、上型および側面型および押さえ部材が下型から離隔した状態を示す。 本発明の実施形態の中空体の製造方法の各工程を説明する説明図であり、図7(a)は、型からSMCおよび中子が取り出された状態を示し、図7(b)は、SMCから中子が引き抜かれた状態を示す。 本発明の実施形態の変形例に係る中空体の製造方法の工程図。 本発明の実施形態の変形例に係る中空体の製造装置の図であり、図9(a)は、一部を切断した部分断面図であり、図9(b)は、図9(a)のD−Dで切断した断面図を示し、図9(c)は、型の断面図を示す。 本発明の実施形態の変形例に係る中空体の製造方法の各工程を説明する説明図であり、図10(a)は、準備された中子の側面図を示し、図10(b)は、中子にSMCが巻き付けられて賦形された状態を示し、図10(c)は、SMCが賦形された中子が型にセットされた状態を示し、図10(d)は、型にバッグフィルムおよび真空機構がセットされた状態を示す。 本発明の実施形態の変形例に係る中空体の製造方法の各工程を説明する説明図であり、図11(a)は、バッグフィルム内が真空引きされた状態を示し、図11(b)は、型からSMCおよび中子が取り出された状態を示し、図11(c)は、SMCから中子が引き抜かれた状態を示す。 従来のプリプレグ基材の材料展開図であり、平面および両側面を示す。
本発明に係る中空体の製造方法を適用した実施形態に係る中空体10の製造方法について図面を参照して説明する。まず、中空体10の製造方法により製造される中空体10について説明する。
(実施形態)
中空体10は、図1(a)、図1(b)に示すように、SMCを用いて成形され、湾曲形状を有した中空の成形品からなる。中空体10としては、例えば、自動車の内装部品などが挙げられる。SMCは、チョップド繊維などの非連続繊維と熱硬化性の樹脂とを含んだ混合材料、即ちコンパウンドをガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維に含浸させ、数ミリの厚みの薄板状にしたシート材料からなる。なお、中空体などの部品の機械的強度を補強するため、プリプレグなどの連続繊維シートを補強すべき部位に配置することが好ましい。
次いで、実施形態に係る中空体10の製造方法について、図面を参照して説明する。
中空体10の製造方法における各工程は、製造装置20によって行われ、図2に示すように、賦形の工程(ステップS1)と、セットの工程(ステップS2)と、成形の工程(ステップS3)と、硬化の工程(ステップS4)と、引抜の工程(ステップS5)とを含んで構成されており、各工程は、順に行われる。
まず、中空体10を製造する製造装置20の構成について図面を参照して説明する。
製造装置20は、図3(a)、図3(b)に示すように、型21と、中子22、23と、ヒータ24、25と、押さえ部材26、27とを有するプレス成形機により構成されている。
型21は、下型31と、上型32と、側面型33、34とにより構成されている。下型31は、図4(a)に示すように、平坦面41と、平坦面41の反対側に形成された凸状の湾曲面42と、湾曲面42と同じ側に湾曲面42に連続して形成された平坦面43、44と、端面45、46とを有している。
上型32は、図4(b)に示すように、平坦面51と、平坦面51の反対側に形成された凹状の湾曲面52と、湾曲面52と同じ側に湾曲面52に連続して形成された平坦面53、54と、端面55、56とを有している。
側面型33は、図3(b)に示すように、下型31の湾曲面42と上型32の湾曲面52との間で、SMCが賦形された中子22の一方側の側面に対向して配置されている。側面型34は、側面型33と同様に、下型31の湾曲面42と上型32の湾曲面52との間で、SMCが賦形された中子23の他方側の側面に対向して配置されている。したがって、SMCが賦形された中子22、23は、側面型33、34により、その両側面が保持されている。
中子22は、図4(c)、図4(d)に示すように、芯材61と、表層材62とを有し、芯材61と表層材62とが一体化された芯鞘構造により構成されている。芯材61は、可とう性を有する材料からなり、方形の断面を有し直線状に形成されている。芯材61は、線膨張係数が0.1×10−5(1/K)〜5.0×10−5(1/K)で、耐熱温度が少なくとも120℃、好ましくは、少なくとも150℃の特性を有している。
芯材61の線膨張係数を0.1×10−5(1/K)〜5.0×10−5(1/K)にすることで、成形中の高温状態により膨張し、脱型が容易になるという特質がある。また、耐熱温度を少なくとも120℃、好ましくは、少なくとも150℃にすることにより、成形中の高温状態に耐えることが可能となるという特質がある。また、可とう性を有する材料で形成することにより、SMCを中子に賦形した後にSMCを湾曲させることができ、且つSMCの硬化後の脱型が容易になるという特質がある。芯材61は、例えば、高い耐熱性および可とう性を有するシリコーンゴムからなる。
表層材62は、耐薬品性および熱収縮性を有する材料、例えばテフロン(登録商標)やフッ素樹脂で形成されており、芯材61の表面全体に被覆されている。表層材62は、芯材61の成形後に芯材61に被覆され、被覆後に加熱されることで表層材62が収縮し芯材61と一体化される。
中子22は、芯材61および表層材62からなる芯鞘構造で形成されることで、接触するSMCに対する耐溶剤性が求められる表層材部分と、耐溶剤性が求められない表層材部分以外のコア部分とを設けることができる。この芯鞘構造により、コア部分に汎用性のある材料を用いることができる。中子23は、中子22と同様に構成されている。2つの中子22、23は、成形する際に樹脂同士をくっつけて一体化されている。他の実施例として、2つの中子22、23を別々に作製し、接着剤を使用して互いに接着して一体化させることも可能である。
ヒータ24は、図3(a)、図3(b)に示すように、下型31の平坦面41に当接して配置されており、所定の温度で加熱する加熱機構で構成されている。ヒータ24は、下型31を加熱することにより間接的に中子22、23に賦形されたSMCを加熱し、SMCに含まれている熱硬化性の樹脂を硬化させる機能を有している。
ヒータ25は、上型32の平坦面51に当接して配置されており、ヒータ24と同様に、所定の温度で加熱する加熱機構で構成されている。ヒータ25は、ヒータ24と同様に、上型32を加熱することにより間接的に中子23、23に賦形されたSMCを加熱し、SMCに含まれている熱硬化性の樹脂を硬化させる機能を有している。
押さえ部材26は、下型31と上型32との間で、SMCが賦形された中子22、23の一方側の端部に配置されている。押さえ部材27は、押さえ部材26と同様に、下型31と上型32との間で、SMCが賦形された中子22、23の他方側の端部に配置されている。したがって、SMCが賦形された中子22、23は、押さえ部材26、27により、その両端部が押さえられている。
次いで、中空体10の製造方法における各工程について図面を参照して説明する。
賦形の工程(ステップS1)においては、まず、線膨張係数が0.1×10−5(1/K)〜5.0×10−5(1/K)、耐熱温度が約150℃の芯材61を可とう性を有する材料で作製する。作製した芯材61の表面をフッ素樹脂などの耐薬品性および熱収縮性を有する材料で被覆し、図4(c)、図4(d)および図5(a)に示す中子22、23を作製する。次いで、図5(b)、図5(c)に示すように、作製した中子22、23の表面にSMCを巻き付けてSMCを賦形する。
セットの工程(ステップS2)においては、まず、上型32およびヒータ25を上昇させ、下型31の上部にスペースを確保する。次いで、図5(d)に示すように、中子22、23に賦形されたSMCを、下型31の湾曲面42にセットし、中子22、23およびSMCを湾曲面42に沿って湾曲させる。
成形の工程(ステップS3)においては、上型32、側面型33、34および押さえ部材26、27が下降し、図5(e)に示すように、上型32が下型31に向かって加圧される。上型32の加圧により、上型32、下型31および側面型33、34(図3参照)内にセットされた中子22、23およびSMCがプレス成形される。
硬化の工程(ステップS4)においては、中子22、23およびSMCのプレス成形後に、図6(a)に示すように、下型31のヒータ24が加熱され下型31を介して間接的にSMCが加熱される。また、上型32のヒータ25が加熱され上型32を介して間接的にSMCが加熱される。ヒータ24、25の加熱により、SMCが硬化する。
引抜の工程(ステップS5)においては、図6(b)に示すように、ヒータ25、上型32、側面型33、34および押さえ部材26、27が上昇し、下型31の上部に中子22、23およびSMCを取り出すスペースが確保される。次いで、図7(a)に示すように、中子22、23およびSMCが下型31から取り出される。即ち、中子22、23およびSMCが脱型される。次いで、図7(b)に示すように、脱型された中子22、23およびSMCから、中子22、23がそれぞれ引き抜かれる。
以上のように構成された実施形態に係る中空体10の製造方法の効果について説明する。
本実施形態に係る中空体10の製造方法は、賦形の工程(ステップS1)と、セットの工程(ステップS2)と、成形の工程(ステップS3)と、硬化の工程(ステップS4)と、引抜の工程(ステップS5)とを含んで構成されている。
本実施形態に係る中空体10の製造方法は、賦形の工程(ステップS1)において、SMCが直線状の中子22、23に巻き付けられて賦形されるので、湾曲した中子に巻き付ける際のシワの発生が無くなり、シワの発生を防止することができるという効果が得られる。また、中子22、23は、それぞれ芯材61および表層材62からなる芯鞘構造で形成されることで、接触するSMCに対する耐溶剤性が求められる表層材部分と、耐溶剤性が求められない表層材部分以外のコア部分とを設けることができる。この芯鞘構造により、コア部分に対費用効果の高い汎用性のある材料を用いることができ、成形費用を低減することができるという効果が得られる。また、表層材62に耐溶剤性のある材料を用いているので、中子22、23の耐久性が向上し、繰り返しの使用回数を増大させることができるという効果が得られる。
更に、従来の中空体の製造方法では、可とう性のある中子に、カバーが被覆され、カバーの表面へプリプレグ基材が巻き付けられていた。しかしながら、実施形態に係る中空体の製造方法では、中子にカバーを被覆することはなく、作業性が向上するという効果が得られる。
また、従来の中空体の製造方法では、プリプレグ基材と型との間に熱膨張性弾性体シートが配置されていたが、熱膨張性弾性体シートが成形された中空体に残存するというリスクがあった。しかしながら、実施形態に係る中空体の製造方法では、熱膨張性弾性体シートを用いていないので、成形費用が低減されるとともに、脱型した中空体に熱膨張性弾性体シートが残存するリスクが解消されるという効果が得られる。また、中子22、23に、線膨張係数が0.1×10−5(1/K)〜5.0×10−5(1/K)の芯材61を用いているので、SMCの成形中の高温状態による熱膨張を期待することができ、中子22、23の脱型が容易になるという効果が得られる。また、中子22、23の芯材61に耐熱温度が少なくとも120℃の材料を用いているので、成形中の高温状態に耐えることができるという効果が得られる。
中子が金属製であると、湾曲した中空体の場合、中子で中空体を湾曲した形状に成形した後で、中空体から金属の中子を引き抜くことはできない。中子を設けずに、中空体のみを湾曲させると、湾曲した中空体の形態を保持することが困難であり、成形された中空体の精度を確保することができない。これに対し、実施形態に係る中空体10の製造方法においては、中子22、23に可とう性のある材料を用いているので、SMCを賦形した後に湾曲させることができるとともに、引抜の工程(ステップS5)で、SMCから容易に中子22、23を引き抜くことができるという効果が得られる。
また、中子22、23は、直線状に形成されているので、従来の中空体の製造方法における機械的強度や生産性の問題が解消されるという効果が得られる。即ち、従来の中空体の製造方法においては、プリプレグ基材をパッチ状に切断して湾曲した中子に賦形するようにしていたので、図12に示すように、プリプレグ基材の連続繊維が分断され、中空体の機械的強度が低下してしまう可能性があるという問題があった。また、切断したプリプレグ基材を中子に貼り付ける必要があり、工程が煩雑となり生産性が悪化してしまうという問題があった。
しかしながら、本実施形態に係る中空体の製造方法では、中子22、23が直線状に形成されているので、SMCを分断することなく中子22、23に巻き付けて賦形することができ、従来の機械的強度および生産性の問題が解消されるという効果が得られる。SMCを賦形した後に、直線状の中子22、23を湾曲させて下型31にセットさせるようにすると、曲げRの異なる中空体に対しても、断面の形状が同じであれば、1種類の中子を使用することができ、型費用が削減されるという効果が得られる。また、湾曲部分の曲率が変化するような中空体や、S字形状の中空体にも使用することが可能となる。
実施形態に係る中空体10を製造する製造装置20は、プレス成形機により構成された場合について説明した。しかしながら、本発明に係る中空体の製造方法においては、プレス成形機以外の製造装置を用いてもよい。以下、プレス成形機以外の製造装置を用いた変形例に係る中空体10の製造方法について図面を参照して説明する。なお、変形例に係る中空体10の製造方法における構成要素の符号が実施形態に係る中空体10の製造方法における構成要素の符号と同じ場合には詳細な説明を省略する。
(変形例)
変形例に係る中空体10の製造方法における各工程は、製造装置70によって行われ、図8に示すように、賦形の工程(ステップS11)と、セットの工程(ステップS12)と、配置の工程(ステップS13)と、真空引きの工程(ステップS14)と、硬化の工程(ステップS15)と、引抜の工程(ステップS16)とを含んで構成されており、各工程は、順に行われる。なお、賦形の工程(ステップS11)は実施形態に係る中空体10の製造方法における賦形の工程(ステップS1)と同様に行われる。
まず、中空体10を製造する製造装置70の構成について図面を参照して説明する。
製造装置70は、図9(a)、図9(b)に示すように、型71、中子22、23と、バッグフィルム72と、真空機構73とにより構成されている。
型71は、平坦部81と、平坦部81と一体的に形成された成形部82とを有している。成形部82には、平坦部81の反対側に突出する湾曲面82aと、平坦面82bとが形成されている。湾曲面82aはSMCおよび中子22、23がセットされるように構成されている。
バッグフィルム72は、柔軟性のあるプラスチックフィルムなどの公知のフィルムで構成されている。バッグフィルム72は、型71および型71にセットされたSMCおよび中子22、23の全体を覆うようにしてセットされる。バッグフィルム72がされた状態で、バッグフィルム72内の空間が真空機構73により真空状態になり、いわゆる真空バッグが形成される。真空バッグが形成されると、バッグフィルム72は、SMCおよび中子22、23の外形に追従して密着し、SMCおよび中子22、23を型71に向かって押圧する。
真空機構73は、図9(a)に示すように、バッグフィルム72内の空間に開口する吸引部73aと吸引部73aに接続された図示しない真空タンクおよび真空ポンプとにより構成されている。真空機構73は、真空ポンプの駆動により吸引部73aを介してバッグフィルム72内の圧力を減圧することにより、真空引きが行われるように構成されている。
吸引部73aは、図9(c)に示す型71の平坦面82bの近傍に位置し、バッグフィルム72を貫通してバッグフィルム72内に配置されている。吸引部73aがバッグフィルム72を貫通する貫通部分は図示しないパッキンなどのシール部材でシールされており、気密が確保されている。
次いで、実施形態の変形例に係る中空体10の製造方法について、図面を参照して説明する。
賦形の工程(ステップS11)は、図10(a)、図10(b)に示すように、実施形態に係る中空体10の製造方法における賦形の工程(ステップS1)と同様に行われる。
セットの工程(ステップS12)においては、図10(c)に示すように、中子22、23に賦形されたSMCを、型71の成形部82に形成された湾曲面82aにセットし、中子22、23およびSMCを湾曲面82aに沿って湾曲させる。
配置の工程(ステップS13)においては、図10(d)に示すように、バッグフィルム72が、SMCが賦形された中子22、23、型71および真空機構73の吸引部73aの全体を覆うようにして配置される。バッグフィルム72と真空機構73の吸引部73aとの間は、図示しないシール部材でシールされ気密が確保される。
真空引きの工程(ステップS14)においては、真空機構73が動作し、吸引部73aから空気が吸引されバッグフィルム72内の圧力(MPa)が減圧される。即ち、真空機構73による真空引きが行われる。真空引きにより、図11(a)に示すように、SMCおよび中子22、23は、バッグフィルム72により型71に向かって押圧され、バッグフィルム72、SMCおよび中子22、23および型71の成形部82が互いに密着する。
硬化の工程(ステップS15)においては、真空引きの工程(ステップS14)により、バッグフィルム72、SMCおよび中子22、23および型71の成形部82が互いに密着した状態で、成形専用の機器内、いわゆるオートクレーブ内に載置される。オートクレーブ成形においては、蒸気以外の圧力(MPa)、即ち第二種圧力(MPa)が加えられ、加熱されてSMCに化学反応が起き、SMCが硬化し成形される。
引抜の工程(ステップS16)においては、実施形態に係る中空体10の製造方法における引抜の工程(ステップS5)と同様、図11(b)に示すように、中子22、23およびSMCが型71から取り出される。即ち、中子22、23およびSMCが脱型される。次いで、図11(c)に示すように、脱型された中子22、23およびSMCから、中子22、23がそれぞれ引き抜かれて、中空体10の成形が完了する。
以上のように構成された実施形態の変形例に係る中空体10の製造方法の効果について説明する。
変形例に係る中空体10の製造方法は、賦形の工程(ステップS11)と、セットの工程(ステップS12)と、配置の工程(ステップS13)と、真空引きの工程(ステップS14)と、硬化の工程(ステップS15)と、引抜の工程(ステップS16)とを含んで構成されている。
この構成により、変形例に係る中空体10の製造方法は、実施形態に係る中空体10の製造方法と同様の効果が得られる。即ち、賦形の工程(ステップS11)において、SMCが直線状の中子22、23に巻き付けられて賦形されるので、湾曲した中子に巻き付ける際のシワの発生が無くなり、シワの発生を防止することができるという効果が得られる。また、中子22、23は、それぞれ芯材61および表層材62からなる芯鞘構造で形成されることで、接触するSMCに対する耐溶剤性が求められる表層材部分と、耐溶剤性が求められない表層材部分以外のコア部分とを設けることができる。この芯鞘構造により、コア部分に対費用効果の高い汎用性のある材料を用いることができ、成形費用を低減することができるという効果が得られる。また、表層材62に耐溶剤性のある材料を用いているので、中子22、23の耐久性が向上し、繰り返しの使用回数を増大させることができるという効果が得られる。更に、従来の中空体の製造方法に比較して、作業性が向上するという効果が得られる。
また、実施形態に係る中空体の製造方法では、熱膨張性弾性体シートを用いていないので、成形費用が低減されるとともに、脱型した中空体に熱膨張性弾性体シートが残存するリスクが解消されるという効果が得られる。また、中子22、23に、線膨張係数が0.1×10−5(1/K)〜5.0×10−5(1/K)の芯材61を用いているので、SMCの成形中の高温状態による熱膨張を期待することができ、中子22、23の脱型が容易になるという効果が得られる。また、中子22、23の芯材61に耐熱温度が少なくとも120℃の材料を用いているので、成形中の高温状態に耐えることができるという効果が得られる。
また、実施形態に係る中空体10の製造方法においては、中子22、23に可とう性のある材料を用いているので、SMCを賦形した後に湾曲させることができるとともに、引抜の工程(ステップS16)で、SMCから容易に中子22、23を引き抜くことができるという効果が得られる。
また、中子22、23は、直線状に形成されているので、従来の中空体の製造方法における機械的強度や生産性の問題が解消されるという効果が得られる。また、実施形態に係る中空体の製造方法では、中子22、23が直線状に形成されているので、SMCを分断することなく中子22、23に巻き付けて賦形することができ、従来の機械的強度および生産性の問題が解消されるという効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
10・・・中空体、20、70・・・製造装置、21・・・型、22、23・・・中子、24、25・・・ヒータ、26、27・・・押さえ部材、31・・・下型、32・・・上型、33、34・・・側面型、41、43、44、51、53、54、82b・・・平坦面、42、52、82a・・・湾曲面、45、46、55、56・・・側面、61・・・芯材、62・・・表層材、71・・・型、72・・・バッグフィルム、73・・・真空機構、73a・・・吸引部、81・・・平坦部、82・・・成形部

Claims (1)

  1. 中空体の製造方法であって、
    可とう性を有する直線状の中子に、非連続繊維と樹脂とを含むシートモールディングコンパウンドを巻き付けて賦形する工程と、
    前記シートモールディングコンパウンドが巻き付けられた前記中子を、湾曲面を有する型にセットする工程と、
    前記型に前記シートモールディングコンパウンドが巻き付けられた前記中子をセットした後、前記シートモールディングコンパウンドを硬化させる工程と、
    前記シートモールディングコンパウンドが硬化した後、硬化した前記シートモールディングコンパウンドから前記中子を引き抜く工程と、
    を有することを特徴とする中空体の製造方法。
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