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JP2021190698A - 熱伝導シート及びその製造方法、並びに放熱構造体及び電子機器 - Google Patents

熱伝導シート及びその製造方法、並びに放熱構造体及び電子機器 Download PDF

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JP2021190698A JP2021080421A JP2021080421A JP2021190698A JP 2021190698 A JP2021190698 A JP 2021190698A JP 2021080421 A JP2021080421 A JP 2021080421A JP 2021080421 A JP2021080421 A JP 2021080421A JP 2021190698 A JP2021190698 A JP 2021190698A
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Abstract

【課題】実装時の取り扱いを踏まえた十分なタック性を有する熱伝導シート及びその製造方法、並びに放熱構造体及び電子機器の提供。
【解決手段】炭素繊維と、該炭素繊維以外の無機フィラーと、バインダ樹脂とを含有する樹脂組成物の硬化物からなる熱伝導シートであって、下記(1)及び(2)を充たす熱伝導シートである。
(1)2枚の剥離フィルムで挟んだ前記熱伝導シートを0.5MPaで30秒プレス処理し、剥離フィルムを剥がした直後に、直径5.1mmのプローブにより2mm/秒で前記熱伝導シートを50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の前記熱伝導シート表面のタック力が100gf以上となる。
(2)前記(1)のプレス処理を行い、剥離フィルムを剥がした直後の前記熱伝導シート表面のタック力A(gf)と、前記熱伝導シートをプレス処理した後、1時間大気に暴露した後に、直径5.1mmのプローブにより2mm/秒で前記熱伝導シートを50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の熱伝導シート表面のタック力B(gf)とが、次式、(B/A)×100≧80%、となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導シート及び熱伝導シートの製造方法、並びに放熱構造体及び電子機器に関する。
従来より、パーソナルコンピュータ等の各種電気機器やその他の機器に搭載されている半導体素子は、駆動により熱が発生し、この発生した熱が蓄積すると半導体素子の駆動や周辺機器へ悪影響が生じることから、各種冷却方法が用いられている。
半導体素子を有する機器の冷却方法としては、当該機器にファンを取り付け、機器筐体内の空気を冷却する方式や、その冷却すべき半導体素子に放熱フィンや放熱板等のヒートシンクを取り付ける方法などが知られている。上述の半導体素子にヒートシンクを取り付けて冷却を行う方法では、半導体素子の熱を効率よく放出させるために、半導体素子とヒートシンクとの間に熱伝導シートが設けられている。
このような熱伝導シートの一例として、シリコーン樹脂の硬化物をバインダ成分とし、発熱体及び放熱部材に対する密着性向上のために、未反応シリコーン樹脂をプレスによって熱伝導シートから漏出させることで表面を被覆して粘着性を付与し、密着性の向上を図っているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5752299号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術のように、ブリードによって生じたタック性(粘着性)では実装時に位置固定できる程度のタック性は有するものの、実装した部品を反転した時に熱伝導シートを固定できるレベルのタック性は得られないという課題がある。また、熱伝導シートが空気に触れることで時間とともにタック力が低下し、発熱体と放熱部材の間に熱伝導シートを配置する際に位置ずれが生じてしまうという問題があることを本発明者らは見出した。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、実装時の取り扱いを踏まえた十分なタック性を有する熱伝導シート及びその製造方法、並びに放熱構造体及び電子機器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 炭素繊維と、該炭素繊維以外の無機フィラーと、バインダ樹脂とを含有する樹脂組成物の硬化物からなる熱伝導シートであって、
下記(1)及び(2)を充たすことを特徴とする熱伝導シートである。
(1)剥離フィルムで挟んだ前記熱伝導シートを0.5MPaで30秒プレス処理し、前記剥離フィルムを剥がした直後に、直径5.1mmのプローブにより前記熱伝導シートを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の前記熱伝導シート表面のタック力が100gf以上となる。
(2)前記(1)のプレス処理を行い、剥離フィルムを剥がした直後の前記熱伝導シート表面のタック力A(gf)と、前記熱伝導シートをプレス処理した後、1時間大気に暴露した後に、直径5.1mmのプローブにより前記熱伝導シートを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の熱伝導シート表面のタック力B(gf)とが、次式、(B/A)×100≧80%、となる。
<2> 更に、(3)前記熱伝導シートをスライス処理した直後に、直径5.1mmのプローブにより前記熱伝導シートを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の前記熱伝導シート表面のタック力が20gf以下である、を充たす、前記<1>に記載の熱伝導シートである。
<3> 前記熱伝導シートのショアOO硬度が40以上70以下である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の熱伝導シートである。
<4> 炭素繊維以外の前記無機フィラーは、比表面積が1.4m/g以上の酸化アルミニウム、あるいは比表面積が1.4m/g以上の窒化アルミニウム、及び水酸化アルミニウムのいずれかを少なくとも含む、前記<1>から<3>のいずれかに記載の熱伝導シートである。
<5> 炭素繊維以外の前記無機フィラーが、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムのいずれかと、水酸化アルミニウムとを含む、前記<1>から<4>のいずれかに記載の熱伝導シートである。
<6> 前記酸化アルミニウム及び前記窒化アルミニウムのいずれかの比表面積が1.4m/g以上3.3m/g以下である、前記<4>から<5>のいずれかに記載の熱伝導シートである。
<7> 炭素繊維以外の前記無機フィラーの体積平均粒子径が0.4μm以上2μm以下である、前記<1>から<6>のいずれかに記載の熱伝導シートである。
<8> 炭素繊維以外の前記無機フィラーの体積平均粒子径が0.7μm以上2μm以下である、前記<7>に記載の熱伝導シートである。
<9> 前記バインダ樹脂がシリコーン樹脂である、前記<1>から<8>のいずれかに記載の熱伝導シートである。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の熱伝導シートを製造する方法であって、
バインダ樹脂と、炭素繊維と、該炭素繊維以外の無機フィラーと、を含む樹脂組成物を所定の形状に成型して硬化することにより、前記樹脂組成物の成型体を得る成型体作製工程と、
前記成型体をシート状に切断し、成型体シートを得る成型体シート作製工程と、
を含むことを特徴とする熱伝導シートの製造方法である。
<11> 発熱体と、前記<1>から<9>のいずれかに記載の熱伝導シートと、放熱部材とをこの順で備えることを特徴とする放熱構造体である。
<12> 前記<11>に記載の放熱構造体を有することを特徴とする電子機器である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、実装時の取り扱いを踏まえた十分なタック性を有する熱伝導シート及びその製造方法、並びに放熱構造体及び電子機器を提供することができる。
図1は、本発明の放熱構造体の一例を示す概略断面図である。
(熱伝導シート)
本発明の熱伝導シートは、炭素繊維と、該炭素繊維以外の無機フィラーと、バインダ樹脂とを含有する組成物の硬化物である。
本発明の熱伝導シートは、オイルブリード機構と、ブリードしたオイルをシート表面に保持する機構とを併せ持つことによって、熱伝導シート表面に十分なタック性が長時間維持されるので、発熱体や放熱体等の接着対象への固定が可能となり、反転工程等の過度な動作でも熱伝導シートの落下リスクを低減することが可能となる。
本発明において、前記熱伝導シートは、下記(1)及び(2)を充たし、好ましくは更に下記(3)を充たす。これにより、熱伝導シート表面に十分なタック性が付与され、発熱体や放熱体等の接着対象への固定が可能となり、実装した部品を反転しても落下するという問題がなく、実装時の取り扱いを踏まえた十分なタック性を有する熱伝導シートが実現できる。
(1)剥離フィルムで挟んだ前記熱伝導シートを0.5MPaで30秒プレス処理し、前記剥離フィルムを剥がした直後に、直径5.1mmのプローブにより前記熱伝導シートを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の前記熱伝導シート表面のタック力は100gf以上となり、200gf以上が好ましい。
(2)前記(1)のプレス処理を行い、剥離フィルムを剥がした直後の前記熱伝導シート表面のタック力A(gf)と、前記熱伝導シートをプレス処理した後、1時間大気に暴露した後に、直径5.1mmのプローブにより前記熱伝導シートを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の熱伝導シート表面のタック力B(gf)とが、次式、(B/A)×100≧80%、となり、次式、(B/A)×100≧100%、となることが好ましい(以下、大気暴露後のタック力の保持率と称することもある)。
(3)前記熱伝導シートをスライス処理した直後に、直径5.1mmのプローブにより前記熱伝導シートを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の前記熱伝導シート表面のタック力は20gf以下が好ましく、15gf以下がより好ましい。
ここで、上記(1)から(3)におけるタック力は、例えば、株式会社マルコム製タッキネステスターを用い、DEPTHモードで測定した値である。即ち、直径5.1mmのプローブにより前記熱伝導シートを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の熱伝導シート表面のタック力である。
上記(1)及び(2)における「剥離フィルムを剥がした直後」とは、剥離フィルムを剥がした時から3分以内を意味する。
上記剥離フィルムとしては、ワックス等により離型処理したものが好ましい。
上記(2)における「1時間大気に暴露」は、温度25℃の大気中に暴露を実施した。
上記(3)における「スライス処理した直後」とは、熱伝導シートをスライス処理した時から5分以内を意味する。
前記熱伝導シートのショアOO硬度は40以上70以下が好ましく、45以上60以下がより好ましい。
ショアOO硬度が40以上70以下であると、熱伝導シートが十分な柔軟性を有しており、電子部品及びヒートスプレッダの表面に対する追従性及び密着性が良好となる。
ショアOO硬度は、例えば、ASTM−D2240に準拠したショアOO硬度計を用いて測定することができる。
<炭素繊維>
炭素繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、PBO繊維を黒鉛化した炭素繊維、アーク放電法、レーザ蒸発法、CVD法(化学気相成長法)、CCVD法(触媒化学気相成長法)等で合成された炭素繊維などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱伝導性の点から、PBO繊維を黒鉛化した炭素繊維、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維が好ましく、ピッチ系炭素繊維が特に好ましい。
前記炭素繊維の平均繊維径(平均短軸長さ)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、4μm以上20μm以下が好ましく、5μm以上14μm以下がより好ましい。
前記炭素繊維の平均繊維長(平均長軸長さ)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm以上250μm以下が好ましく、75μm以上200μm以下がより好ましく、90μm以上170μm以下が特に好ましい。
前記炭素繊維自体の熱伝導率としては、熱伝導シートにした際の所望の熱伝導率に応じて適宜選定されるが、150W/m・K以上1000W/m・K以下が好ましい。
炭素繊維の熱伝導シート中の含有量は、少なすぎると熱伝導率が低くなり、多すぎると粘度が高くなる傾向があるので、15体積%以上30体積%以下が好ましい。
<炭素繊維以外の無機フィラー>
炭素繊維以外の無機フィラーは、比表面積が1.4m/g以上の酸化アルミニウム、あるいは比表面積が1.4m/g以上の窒化アルミニウム、及び水酸化アルミニウムのいずれかを少なくとも含むことが好ましく、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムのいずれかと、水酸化アルミニウムとを含むことがより好ましい。
従来技術では、モールドから熱伝導シートをスライス・プレス処理することでタック性が発現するものがあったが、シートが空気と触れることで時間とともにタック力が減少する課題があった。
本発明においては、好ましくは炭素繊維以外の無機フィラーとして比表面積が1.4m/g以上の酸化アルミニウム、あるいは比表面積が1.4m/g以上の窒化アルミニウム、及び水酸化アルミニウムのいずれかを少なくとも含むことにより、スライス処理時にはタック性を発現せず、プレス処理により熱伝導シートの表面が平滑になったときに初めて強いタック性を発現するのでハンドリング性が良好であり、その後も十分なタック性を保持することができる。
酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムのいずれかの比表面積は1.4m/g以上が好ましく、1.4m/g以上3.3m/g以下がより好ましい。比表面積が1.4m/g以上であると、プレス処理後に熱伝導シートの表面状態をより平滑にできるという利点がある。
前記比表面積は、例えば、BET法により測定することができる。
炭素繊維以外の無機フィラーとしては、その形状、体積平均粒子径などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状、楕円球状、塊状、粒状、扁平状、針状などが挙げられる。これらの中でも、球状、楕円形状が充填性の点から好ましく、球状が特に好ましい。
炭素繊維以外の無機フィラーの体積平均粒子径は0.4μm以上2μm以下が好ましく、0.7μm以上2μm以下がより好ましい。体積平均粒子径が0.4μm以上2μm以下であると、熱伝導シート内のフィラーが密になり、シートのタック保持能力を向上するという利点がある。
前記体積平均粒子径は、例えば、レーザ回折・散乱法による粒度分布測定装置などにより測定することができる。
炭素繊維以外の無機フィラーは表面処理が施されていてもよい。前記表面処理(例えば、カップリング処理)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコキシシラン化合物によって炭素繊維以外の無機フィラーを処理することが好ましい。
前記アルコキシシラン化合物の処理量は、炭素繊維以外の無機フィラーに対して、0.1体積%以上4.0体積%以下であることが好ましく、1.5体積%以上3.0体積%以下であることがより好ましい。
アルコキシシラン化合物は、ケイ素原子(Si)が持つ4個の結合のうち、1個〜3個がアルコキシ基と結合し、残余の結合が有機置換基と結合した構造を有する化合物である。アルコキシシラン化合物の有するアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロトキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキサトキシ基などが挙げられる。アルコキシシラン化合物は、熱伝導シート中に二量体として含有されていてもよい。
アルコキシシラン化合物の中でも、入手容易性の観点から、メトキシ基又はエトキシ基を有するアルコキシシラン化合物が好ましい。アルコキシシラン化合物の有するアルコキシ基の数は、無機物としての熱伝導性充填材との親和性を高めるという観点から、3であることが好ましい。アルコキシシラン化合物は、トリメトキシシラン化合物及びトリエトキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
アルコキシシラン化合物の有する有機置換基に含まれる官能基としては、例えば、アクリロイル基、アルキル基、カルボキシル基、ビニル基、メタクリル基、芳香族基、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、エポキシ基、ヒドロキシル基、メルカプト基などが挙げられる。ここで、上記マトリクスの前駆体として、白金触媒を含む付加反応型のオルガノポリシロキサンを用いる場合、オルガノポリシロキサンの硬化反応に影響を与え難いアルコキシシラン化合物を選択して用いることが好ましい。具体的には、白金触媒を含む付加反応型のオルガノポリシロキサンを用いる場合、アルコキシシラン化合物の有機置換基は、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ヒドロキシル基、又はメルカプト基を含まないことが好ましい。
アルコキシシラン化合物は、炭素繊維以外の無機フィラーの分散性を高めることによって、炭素繊維以外の無機フィラーを高充填し易くなることから、ケイ素原子に結合したアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン化合物、即ち、有機置換基としてアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含むことが好ましい。ケイ素原子に結合したアルキル基の炭素数は、4以上であることが好ましい。また、ケイ素原子に結合したアルキル基の炭素数は、アルコキシシラン化合物自体の粘度が比較的低く、樹脂組成物の粘度を低く抑える点から、16以下であることが好ましい。
アルコキシシラン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルコキシシラン化合物の具体例としては、アルキル基含有アルコキシシラン化合物、ビニル基含有アルコキシシラン化合物、アクリロイル基含有アルコキシシラン化合物、メタクリル基含有アルコキシシラン化合物、芳香族基含有アルコキシシラン化合物、アミノ基含有アルコキシシラン化合物、イソシアネート基含有アルコキシシラン化合物、イソシアヌレート基含有アルコキシシラン化合物、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物、メルカプト基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。
アルキル基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシランなどが挙げられる。アルキル基含有アルコキシシラン化合物の中でも、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、及びn−デシルトリメトキシシランから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ビニル基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。アクリロイル基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。メタクリル基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。芳香族基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどが挙げられる。アミノ基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。イソシアネート基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。イソシアヌレート基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。エポキシ基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。メルカプト基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
炭素繊維以外の無機フィラーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40体積%以上80体積%以下が好ましく、45体積%以上75体積%以下がより好ましい。前記含有量が、40体積%未満であると、熱伝導シートの熱抵抗が大きくなることがあり、80体積%を超えると、熱伝導シートの柔軟性が低下することがある。
<バインダ樹脂>
バインダ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性ポリマーなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−αオレフィン共重合体;ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリフェニレン−エーテル共重合体(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル等のポリメタクリル酸エステル類;ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン−イソプレンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱硬化性ポリマーとしては、例えば、架橋ゴム、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリイミドシリコーン、熱硬化型ポリフェニレンエーテル、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記架橋ゴムとしては、例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ポリイソブチレンゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、成形加工性、耐候性に優れると共に、電子部品に対する密着性及び追従性の点から、前記バインダ樹脂としては、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液状シリコーンゲルの主剤と、硬化剤とを含有することが好ましい。そのようなシリコーン樹脂としては、例えば、付加反応型シリコーン樹脂、過酸化物を加硫に用いる熱加硫型ミラブルタイプのシリコーン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、電子部品の発熱面とヒートシンク面との密着性が要求されるため、付加反応型シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記付加反応型シリコーン樹脂としては、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンを主剤、Si−H基を有するポリオルガノシロキサンを硬化剤とした、2液性の付加反応型シリコーン樹脂が好ましい。
前記液状シリコーンゲルの主剤と、硬化剤との組合せにおいて、前記主剤と前記硬化剤との配合割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記バインダ樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、樹脂組成物の全量に対して、25体積%以上56体積%以下が好ましく、25体積%以上40体積%以下がより好ましい。
<その他の成分>
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チキソトロピー性付与剤、分散剤、硬化促進剤、遅延剤、微粘着付与剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤などが挙げられる。
(熱伝導シートの製造方法)
本発明の熱伝導シートの製造方法は、成型体作製工程と、成型体シート作製工程とを含み、樹脂組成物調製工程及びプレス工程を含むことが好ましく、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記熱伝導シートの製造方法は、本発明の熱伝導シートを製造する方法である。
本発明の熱伝導シートの製造方法によると、熱伝導シート表面に強力なタックが付与されているので、別途接着剤を用いる必要がなく、製造工程の省力化、低コスト化を実現することができる。
<樹脂組成物調製工程>
樹脂組成物調製工程は、バインダ樹脂と、炭素繊維と、該炭素繊維以外の無機フィラーと、を混錬し樹脂組成物を得る工程である。
前記バインダ樹脂としては、上記熱伝導シートの説明において例示した前記バインダ樹脂が挙げられる。
前記炭素繊維としては、上記熱伝導シートの説明において例示した前記炭素繊維が挙げられる。
炭素繊維以外の前記無機フィラーとしては、上記熱伝導シートの説明において例示した炭素繊維以外の無機フィラーが挙げられる。
混錬方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<成型体作製工程>
前記樹脂組成物を所定の形状に成型して硬化することにより、前記樹脂組成物の成型体を得る工程である。
前記成型体作製工程において、前記樹脂組成物を所定の形状に成型する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、押出し成型法、金型成型法などが挙げられる。
前記押出し成型法、及び前記金型成型法としては、特に制限されず、公知の各種押出し成型法、及び金型成型法の中から、前記樹脂組成物の粘度や、得られる熱伝導シートに要求される特性等に応じて適宜採用することができる。
成型体(ブロック状の成型体)の大きさ及び形状は、求められる熱伝導シートの大きさに応じて決めることができる。例えば、断面の縦の大きさが0.5cm以上15cm以下で、横の大きさが0.5cm以上15cm以下の直方体が挙げられる。直方体の長さは必要に応じて決定することができる。
前記成型体作製工程における前記樹脂組成物の硬化は熱硬化であることが好ましい。前記熱硬化における硬化温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記バインダ樹脂が、液状シリコーンゲルの主剤と、硬化剤とを含有する場合、60℃以上120℃以下が好ましい。前記熱硬化における硬化時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5時間以上10時間以下が好ましい。
<成型体シート作製工程>
前記成型体シート作製工程は、前記成型体をシート状に切断し、成型体シートを得る工程であり、例えば、スライス装置により行うことができる。
前記スライス装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、超音波カッター、かんな(鉋)などが挙げられる。前記成型体の切断方向としては、成型方法が押出し成型法である場合には、押出し方向に配向しているものもあるために押出し方向に対して60度以上120度以下が好ましく、70度以上100度以下がより好ましく、90度(垂直)が特に好ましい。
前記成型体シートの平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1mm以上5.0mm以下が好ましく、0.2mm以上1.0mm以下がより好ましい。
<プレス工程>
前記プレス工程は、前記成型体シートをプレス処理する工程である。
前記プレス処理は、例えば、平盤と表面が平坦なプレスヘッドとからなる一対のプレス装置を使用して行うことができる。また、ピンチロールを使用して行ってもよい。
前記プレスの際の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低すぎるとプレスをしない場合と熱抵抗が変わらない傾向があり、高すぎるとシートが延伸する傾向があるので、0.1MPa以上100MPa以下が好ましく、0.5MPa以上95MPa以下がより好ましい。
前記プレスの時間としては、特に制限はなく、バインダ樹脂の成分、プレス圧力、シート面積、滲出成分の滲み出し量等に応じて、適宜選択することができる。
前記プレス処理においては、滲出成分の滲み出しの効果をより促進させるために、ヒータを内蔵したプレスヘッドを用いて、加熱しながら行ってもよい。このような効果を高めるため、加熱温度はバインダ樹脂のガラス転移温度以上で行うことが好ましい。これにより、プレス時間を短縮することができる。
前記プレス処理においては、前記成型体シートをプレスすることにより、前記成型体シートより滲出成分を滲み出させ、前記滲出成分によってシート表面を被覆する。したがって、得られる熱伝導シートは、電子部品やヒートスプレッダの表面に対する追従性、密着性が向上し、熱抵抗を低減させることができる。
なお、成型体シートは、プレスされることにより厚み方向に圧縮され、炭素繊維及び炭素繊維以外の無機フィラー同士の接触の頻度を増大させることができる。これにより、熱伝導シートの熱抵抗を低減させることが可能となる。
前記プレス処理は、前記成型体シートを所定の厚みに圧縮するためのスペーサを用いて行われることが好ましい。即ち、熱伝導シートは、例えば、プレスヘッドと対峙する載置面にスペーサを配置して成型体シートがプレスされることにより、スペーサの高さに応じた所定のシート厚に形成することができる。
<その他の工程>
その他の工程としては、例えば、成型体シート放置工程などが挙げられる。
前記成型体シート放置工程としては、前記成型体シートを放置して、前記成型体シートの表面を、前記成型体シートから滲み出した滲出成分により覆うことができる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
成型体シートより滲み出たバインダ樹脂の滲出成分によって、成型体シートの表面を被覆する処理は、前記プレス工程に代え、前記成型体シート放置工程であってもよい。この場合も、プレス工程と同様に、得られる熱伝導シートは、電子部品やヒートスプレッダの表面に対する追従性、密着性が向上し、熱抵抗を低減させることができる。
前記放置の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記熱伝導シートの平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05mm以上5.00mm以下が好ましく、0.10mm以上3.00mm以下がより好ましい。
前記熱伝導シートは、使用される半導体素子周辺の電子回路の短絡防止の点から、1,000Vの印加電圧における体積抵抗率が、1.0×1010Ω・cm以上であることが好ましい。前記体積抵抗率は、例えば、JIS K−6911に準じて測定される。
前記体積抵抗率の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記体積抵抗率は、1.0×1018Ω・cm以下が挙げられる。
前記熱伝導シートは、電子部品及びヒートシンクに対する密着性の点から、荷重0.5kgf/cmにおける圧縮率が、3%以上であることが好ましく、5%以上がより好ましい。
前記熱伝導シートの圧縮率の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記熱伝導シートの圧縮率は、30%以下が好ましい。
(放熱構造体)
本発明の放熱構造体は、発熱体と、熱伝導シートと、放熱部材とから構成される。
放熱構造体としては、例えば、電子部品等の発熱体と、ヒートシンク、ヒートパイプ、ヒートスプレッダ等の放熱部材と、発熱体と放熱部材に挟持された熱伝導シートとからなる。
電子部品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などが挙げられる。
放熱構造体としては、電子部品(発熱体)の発する熱を放熱する構造体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒートスプレッダ、ヒートシンク、ベーパーチャンバー、ヒートパイプなどが挙げられる。
前記ヒートスプレッダは、前記電子部品の熱を他の部品に効率的に伝えるための部材である。前記ヒートスプレッダの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウムなどが挙げられる。前記ヒートスプレッダは、通常、平板形状である。
前記ヒートシンクは、前記電子部品の熱を空気中に放出するための部材である。前記ヒートシンクの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウムなどが挙げられる。前記ヒートシンクは、例えば、複数のフィンを有する。前記ヒートシンクは、例えば、ベース部と、前記ベース部の一方の面に対して非平行方向(例えば、直交する方向)に向かって延びるように設けられた複数のフィンを有する。
前記ヒートスプレッダ、及び前記ヒートシンクは、一般的に、内部に空間を持たない中実構造である。
前記ベーパーチャンバーは、中空構造体である。前記中空構造体の内部空間には、揮発性の液体が封入されている。前記ベーパーチャンバーとしては、例えば、前記ヒートスプレッダを中空構造にしたもの、前記ヒートシンクを中空構造にしたような板状の中空構造体などが挙げられる。
前記ヒートパイプは、円筒状、略円筒状、又は扁平筒状の中空構造体である。前記中空構造体の内部空間には、揮発性の液体が封入されている。
ここで、図1は、本発明の放熱構造体の一例としての半導体装置の概略図である。この図1は、半導体装置の一例の概略断面図である。本発明の熱伝導シート1は、半導体素子等の電子部品3の発する熱を放熱するものであり、図1に示すように、ヒートスプレッダ2の電子部品3と対峙する主面2aに固定され、電子部品3と、ヒートスプレッダ2との間に挟持されるものである。また、熱伝導シート1は、ヒートスプレッダ2とヒートシンク5との間に挟持される。そして、熱伝導シート1は、ヒートスプレッダ2とともに、電子部品3の熱を放熱する放熱部材を構成する。
ヒートスプレッダ2は、例えば、方形板状に形成され、電子部品3と対峙する主面2aと、主面2aの外周に沿って立設された側壁2bとを有する。ヒートスプレッダ2は、側壁2bに囲まれた主面2aに熱伝導シート1が設けられ、また主面2aと反対側の他面2cに熱伝導シート1を介してヒートシンク5が設けられる。ヒートスプレッダ2は、高い熱伝導率を有するほど、熱抵抗が減少し、効率よく半導体素子等の電子部品3の熱を吸熱することから、例えば、熱伝導性の良好な銅やアルミニウムを用いて形成することができる。
電子部品3は、例えば、BGA等の半導体素子であり、配線基板6へ実装される。またヒートスプレッダ2も、側壁2bの先端面が配線基板6に実装され、これにより側壁2bによって所定の距離を隔てて電子部品3を囲んでいる。
そして、ヒートスプレッダ2の主面2aに、熱伝導シート1が接着されることにより、電子部品3の発する熱を吸収し、ヒートシンク5より放熱する放熱部材が形成される。ヒートスプレッダ2と熱伝導シート1との接着は、熱伝導シート1自身の密着力により行うことができる。
(電子機器)
本発明の電子機器は、本発明の放熱構造体を有する。
電子機器の一例として、電子部品として半導体素子を用いた半導体装置などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−熱伝導シートの作製−
実施例1では、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂34.7体積%に、カップリング剤を0.3体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの水酸化アルミニウム粒子(熱伝導性粒子、日本軽金属株式会社製)44体積%と、ピッチ系炭素繊維(熱伝導性繊維、平均繊維長120μm、平均繊維径9μm、日本グラファイトファイバー株式会社製)21体積%とを分散させて、シリコーン樹脂組成物(熱伝導性樹脂組成物)を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、シリコーンA液を20.7体積%、シリコーンB液を14体積%の比率で混合したものである。
次に、得られたシリコーン樹脂組成物を、内壁に剥離処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼った直方体状の金型(50mm×50mm)の中に押し出してシリコーン成型体を成型した。
得られたシリコーン成型体をオーブンにて、100℃で6時間硬化してシリコーン硬化物とした。得られたシリコーン硬化物を超音波カッターで切断し、厚み0.43mmの成型体シートを得た。超音波カッターのスライス速度は、毎秒50mmとした。また、超音波カッターに付与する超音波振動は、発振周波数を20.5kHzとし、振幅を60μmとした。
得られた成型体シートを剥離処理PETフィルムで挟んだ後、厚さ0.4mmのスペーサを入れてプレス処理することにより、厚さ0.40mmの熱伝導シートを得た。プレス条件は、87℃、0.5MPaの条件で、30秒とした。
(実施例2)
−熱伝導シートの作製−
実施例2では、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂34.7体積%に、カップリング剤を0.3体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの水酸化アルミニウム粒子(熱伝導性粒子、日本軽金属株式会社製)44体積%と、ピッチ系炭素繊維(熱伝導性繊維、平均繊維長120μm、平均繊維径9μm、日本グラファイトファイバー株式会社製)21体積%とを分散させて、シリコーン樹脂組成物(熱伝導性樹脂組成物)を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、シリコーンA液を20.7体積%、シリコーンB液を14体積%の比率で混合したものである。
次に、得られたシリコーン樹脂組成物を、内壁に剥離処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼った直方体状の金型(50mm×50mm)の中に押し出してシリコーン成型体を成型した。
得られたシリコーン成型体をオーブンにて、100℃で6時間硬化してシリコーン硬化物とした。得られたシリコーン硬化物を超音波カッターで切断し、厚み0.43mmの成型体シートを得た。超音波カッターのスライス速度は、毎秒50mmとした。また、超音波カッターに付与する超音波振動は、発振周波数を20.5kHzとし、振幅を60μmとした。
得られた成型体シートを剥離処理PETフィルムで挟んだ後、厚さ0.4mmのスペーサを入れてプレス処理することにより、厚さ0.40mmの熱伝導シートを得た。プレス条件は、25℃、0.5MPaの条件で、30秒とした。
(実施例3)
−熱伝導シートの作製−
実施例3では、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂34.7体積%に、カップリング剤を0.3体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの水酸化アルミニウム粒子(熱伝導性粒子、日本軽金属株式会社製)44体積%と、ピッチ系炭素繊維(熱伝導性繊維、平均繊維長120μm、平均繊維径9μm、日本グラファイトファイバー株式会社製)21体積%とを分散させて、シリコーン樹脂組成物(熱伝導性樹脂組成物)を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、シリコーンA液を20.7体積%、シリコーンB液を14体積%の比率で混合したものである。
次に、得られたシリコーン樹脂組成物を、内壁に剥離処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼った直方体状の金型(50mm×50mm)の中に押し出してシリコーン成型体を成型した。
得られたシリコーン成型体をオーブンにて、100℃で6時間硬化してシリコーン硬化物とした。得られたシリコーン硬化物を超音波カッターで切断し、厚み0.43mmの成型体シートを得た。超音波カッターのスライス速度は、毎秒50mmとした。また、超音波カッターに付与する超音波振動は、発振周波数を20.5kHzとし、振幅を60μmとした。
得られた成型体シートを剥離処理PETフィルムで挟んだ後、厚さ0.4mmのスペーサを入れてプレス処理することにより、厚さ0.40mmの熱伝導シートを得た。プレス条件は、100℃、0.5MPaの条件で、30秒とした。
(実施例4)
−熱伝導シートの作製−
実施例1において、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂33.1体積%に、カップリング剤を0.7体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの酸化アルミニウム粒子(比表面積3.3m/g、熱伝導性粒子:日本軽金属株式会社製)36体積%と、カップリング剤を0.2体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの水酸化アルミニウム粒子(熱伝導性粒子、日本軽金属株式会社製)10体積%と、ピッチ系炭素繊維(熱伝導性繊維、平均繊維長120μm、平均繊維径9μm、日本グラファイトファイバー株式会社製)20体積%とを分散させて、調製したシリコーン樹脂組成物(熱伝導性樹脂組成物)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱伝導シートを得た。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、シリコーンA液を19.1体積%、シリコーンB液を14体積%の比率で混合したものである。酸化アルミニウム粒子の比表面積はBET法で測定した値である。
(実施例5)
−熱伝導シートの作製−
実施例1において、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂34.7体積%に、カップリング剤を0.2体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの酸化アルミニウム粒子(比表面積3.3m/g、熱伝導性粒子、日本軽金属株式会社製)34体積%と、カップリング剤を0.1体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの水酸化アルミニウム粒子(熱伝導性粒子、日本軽金属株式会社製)10体積%と、ピッチ系炭素繊維(熱伝導性繊維、平均繊維長120μm、平均繊維径9μm、日本グラファイトファイバー株式会社製)21体積%とを分散させて、調製したシリコーン樹脂組成物(熱伝導性樹脂組成物)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱伝導シートを得た。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、シリコーンA液を20.7体積%、シリコーンB液を14体積%の比率で混合したものである。酸化アルミニウム粒子の比表面積はBET法で測定した値である。
(実施例6)
−熱伝導シートの作製−
実施例1において、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂32.1体積%に、カップリング剤を0.7体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径2μmの酸化アルミニウム粒子(比表面積1.4m/g、熱伝導性粒子、日本軽金属株式会社製)38体積%と、カップリング剤を0.2体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの水酸化アルミニウム粒子(熱伝導性粒子、日本軽金属株式会社製)10体積%と、ピッチ系炭素繊維(熱伝導性繊維、平均繊維長120μm、平均繊維径9μm、日本グラファイトファイバー株式会社製)19体積%とを分散させて、調製したシリコーン樹脂組成物(熱伝導性樹脂組成物)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例6の熱伝導シートを得た。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、シリコーンA液を19.1体積%、シリコーンB液を13体積%の比率で混合したものである。酸化アルミニウム粒子の比表面積はBET法で測定した値である。
(実施例7)
−熱伝導シートの作製−
実施例1において、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂34.7体積%に、カップリング剤を0.3体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの酸化アルミニウム粒子(比表面積3.3m/g、熱伝導性粒子、日本軽金属株式会社製)44体積%と、ピッチ系炭素繊維(熱伝導性繊維、平均繊維長120μm、平均繊維径9μm、日本グラファイトファイバー株式会社製)21体積%とを分散させて、調製したシリコーン樹脂組成物(熱伝導性樹脂組成物)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例7の熱伝導シートを得た。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、シリコーンA液を20.7体積%、シリコーンB液を14体積%の比率で混合したものである。酸化アルミニウム粒子の比表面積はBET法で測定した値である。
(実施例8)
−熱伝導シートの作製−
実施例1において、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂32.1体積%に、カップリング剤を0.7体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径0.7μmの窒化アルミニウム粒子(比表面積2.6m/g、熱伝導性粒子、トクヤマ株式会社製)38体積%と、カップリング剤を0.2体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの水酸化アルミニウム粒子(熱伝導性粒子、日本軽金属株式会社製)10体積%と、ピッチ系炭素繊維(熱伝導性繊維、平均繊維長120μm、平均繊維径9μm、日本グラファイトファイバー株式会社製)19体積%とを分散させて、調製したシリコーン樹脂組成物(熱伝導性樹脂組成物)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例8の熱伝導シートを得た。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、シリコーンA液を19.1体積%、シリコーンB液を13体積%の比率で混合したものである。窒化アルミニウム粒子の比表面積はBET法で測定した値である。
(実施例9)
−熱伝導シートの作製−
実施例1において、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂34.7体積%に、カップリング剤を0.3体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径0.7μmの窒化アルミニウム粒子(比表面積2.6m/g、熱伝導性粒子、トクヤマ株式会社製)44体積%と、ピッチ系炭素繊維(熱伝導性繊維、平均繊維長120μm、平均繊維径9μm、日本グラファイトファイバー株式会社製)21体積%とを分散させて、調製したシリコーン樹脂組成物(熱伝導性樹脂組成物)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例9の熱伝導シートを得た。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、シリコーンA液を20.7体積%、シリコーンB液を14体積%の比率で混合したものである。窒化アルミニウム粒子の比表面積はBET法で測定した値である。
(実施例10)
−熱伝導シートの作製−
実施例1において、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂32.1体積%に、カップリング剤を0.7体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの酸化アルミニウム粒子(比表面積3.3m/g、熱伝導性粒子、日本軽金属株式会社製)38体積%と、カップリング剤を0.2体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの水酸化アルミニウム粒子(熱伝導性粒子、日本軽金属株式会社製)10体積%、ピッチ系炭素繊維(熱伝導性繊維、平均繊維長120μm、平均繊維径9μm、日本グラファイトファイバー株式会社製)19体積%とを分散させて、調製したシリコーン樹脂組成物(熱伝導性樹脂組成物)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例10の熱伝導シートを得た。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、シリコーンA液を18.1体積%、シリコーンB液を14体積%の比率で混合したものである。酸化アルミニウム粒子の比表面積はBET法で測定した値である。
(比較例1)
−熱伝導シートの作製−
実施例1において、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂34.7体積%に、カップリング剤を0.3体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径3μmの酸化アルミニウム粒子(比表面積1m/g、熱伝導性粒子:電気化学工業株式会社製)42体積%と、ピッチ系炭素繊維(熱伝導性繊維、平均繊維長120μm、平均繊維径9μm、日本グラファイトファイバー株式会社製)23体積%とを分散させて、シリコーン樹脂組成物(熱伝導性樹脂組成物)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱伝導シートを得た。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、シリコーンA液を20.7体積%、シリコーンB液を14体積%の比率で混合したものである。酸化アルミニウム粒子の比表面積はBET法で測定した値である。
(比較例2)
−熱伝導シートの作製−
実施例1において、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂34.7体積%に、カップリング剤を0.3体積%の処理量でカップリング処理した体積平均粒子径1μmの酸化アルミニウム粒子(比表面積1.1m/g、熱伝導性粒子:電気化学工業株式会社製)44体積%と、ピッチ系炭素繊維(熱伝導性繊維、平均繊維長120μm、平均繊維径9μm、日本グラファイトファイバー株式会社製)21体積%とを分散させて、調製したシリコーン樹脂組成物(熱伝導性樹脂組成物)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱伝導シートを得た。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、シリコーンA液を20.7体積%、シリコーンB液を14体積%の比率で混合したものである。酸化アルミニウム粒子の比表面積はBET法で測定した値である。
<熱抵抗の測定>
直径20mmに外形加工した熱伝導シートの熱抵抗(℃・cm/W)を、ASTM−D5470に準拠した方法により、1kgf/cmの荷重で測定した。
<ショアOO硬度の測定>
各熱伝導シートについて、ASTM−D2240に準拠したショアOO硬度計を用いて、ショアOO硬度を測定した。
<タック力の測定>
(1)剥離フィルムで挟んだ前記熱伝導シートを0.5MPaで30秒プレス処理し、前記剥離フィルムを剥がした直後(3分以内)に、直径5.1mmのプローブにより2mm/秒で前記熱伝導シートを50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の前記熱伝導シート表面のタック力を求めた。
(2)前記(1)のプレス処理を行い、剥離フィルムを剥がした直後の前記熱伝導シート表面のタック力A(gf)と、前記熱伝導シートをプレス処理した後、温度25℃の大気に1時間暴露した後に、直径5.1mmのプローブにより2mm/秒で前記熱伝導シートを50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の熱伝導シート表面のタック力B(gf)とから、次式、(B/A)×100を求めた(大気暴露後のタック力の保持率)。
(3)前記熱伝導シートをスライス処理した直後(5分以内)に、直径5.1mmのプローブにより2mm/秒で前記熱伝導シートを50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の前記熱伝導シート表面のタック力を求めた。
ここで、上記(1)から(3)におけるタック力は、株式会社マルコム製タッキネステスターを用い、DEPTHモードで測定した値である。即ち、直径5.1mmのプローブにより2mm/秒で前記熱伝導シートを50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の熱伝導シート表面のタック力である。
<実装時の取り扱いを踏まえたタック性の評価>
各熱伝導シートをアルミニウム(Al)板に載せて、圧力をかけないまま反転した時にAl板から熱伝導シートが落下するまでの保持時間を測定し、下記の基準で評価した。
[評価基準]
〇:300秒以上保持
×:300秒未満で落下
Figure 2021190698
Figure 2021190698
1 熱伝導シート
2 放熱部材(ヒートスプレッダ)
2a 主面
3 発熱体(電子部品)
3a 上面
5 放熱部材(ヒートシンク)
6 配線基板

Claims (12)

  1. 炭素繊維と、該炭素繊維以外の無機フィラーと、バインダ樹脂とを含有する樹脂組成物の硬化物からなる熱伝導シートであって、
    下記(1)及び(2)を充たすことを特徴とする熱伝導シート。
    (1)剥離フィルムで挟んだ前記熱伝導シートを0.5MPaで30秒プレス処理し、前記剥離フィルムを剥がした直後に、直径5.1mmのプローブにより前記熱伝導シートを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の前記熱伝導シート表面のタック力が100gf以上となる。
    (2)前記(1)のプレス処理を行い、剥離フィルムを剥がした直後の前記熱伝導シート表面のタック力A(gf)と、前記熱伝導シートをプレス処理した後、1時間大気に暴露した後に、直径5.1mmのプローブにより前記熱伝導シートを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の熱伝導シート表面のタック力B(gf)とが、次式、(B/A)×100≧80%、となる。
  2. 更に、(3)前記熱伝導シートをスライス処理した直後に、直径5.1mmのプローブにより前記熱伝導シートを2mm/秒で50μm押し込み、10mm/秒で引き剥がした際の前記熱伝導シート表面のタック力が20gf以下である、を充たす、請求項1に記載の熱伝導シート。
  3. 前記熱伝導シートのショアOO硬度が40以上70以下である、請求項1から2のいずれかに記載の熱伝導シート。
  4. 炭素繊維以外の前記無機フィラーは、比表面積が1.4m/g以上の酸化アルミニウム、あるいは比表面積が1.4m/g以上の窒化アルミニウム、及び水酸化アルミニウムのいずれかを少なくとも含む、請求項1から3のいずれかに記載の熱伝導シート。
  5. 炭素繊維以外の前記無機フィラーが、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムのいずれかと、水酸化アルミニウムとを含む、請求項1から4のいずれかに記載の熱伝導シート。
  6. 前記酸化アルミニウム及び前記窒化アルミニウムのいずれかの比表面積が1.4m/g以上3.3m/g以下である、請求項4から5のいずれかに記載の熱伝導シート。
  7. 炭素繊維以外の前記無機フィラーの体積平均粒子径が0.4μm以上2μm以下である、請求項1から6のいずれかに記載の熱伝導シート。
  8. 炭素繊維以外の前記無機フィラーの体積平均粒子径が0.7μm以上2μm以下である、請求項7に記載の熱伝導シート。
  9. 前記バインダ樹脂がシリコーン樹脂である、請求項1から8のいずれかに記載の熱伝導シート。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の熱伝導シートを製造する方法であって、
    バインダ樹脂と、炭素繊維と、該炭素繊維以外の無機フィラーと、を含む樹脂組成物を所定の形状に成型して硬化することにより、前記樹脂組成物の成型体を得る成型体作製工程と、
    前記成型体をシート状に切断し、成型体シートを得る成型体シート作製工程と、
    を含むことを特徴とする熱伝導シートの製造方法。
  11. 発熱体と、請求項1から9のいずれかに記載の熱伝導シートと、放熱部材とをこの順で備えることを特徴とする放熱構造体。
  12. 請求項11に記載の放熱構造体を有することを特徴とする電子機器。
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