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JP2021183606A - ブリモニジンを含有する液体製剤 - Google Patents

ブリモニジンを含有する液体製剤 Download PDF

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JP2021183606A JP2021085556A JP2021085556A JP2021183606A JP 2021183606 A JP2021183606 A JP 2021183606A JP 2021085556 A JP2021085556 A JP 2021085556A JP 2021085556 A JP2021085556 A JP 2021085556A JP 2021183606 A JP2021183606 A JP 2021183606A
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salt
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sodium
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敬一 松久
Keiichi Matsuhisa
駿佐 中瀬
Shunsuke Nakase
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】ブリモニジン又はその塩を配合した眼科用液体製剤の提供を目的とする。【解決手段】コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩を添加された低濃度のブリモニジンを含む眼科用液体製剤は、結膜組織移行性が高いこと並びブリモニジンによる細胞毒性を低減することを見出し、低濃度ブリモニジンと、コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩とを含む眼科用液体製剤を提供する。【選択図】図2

Description

本発明はブリモニジン又はその塩を含有する液体製剤に関する。
ブリモニジン及びその塩は、α−2アドレナリン受容体アゴニストとして知られている。ヒトの眼は、多くのα−2アドレナリン受容体(以下、α−2受容体と略す場合がある)を有しており、α−2受容体のアゴニストは、眼房水産生抑制と共にぶどう膜強膜流出路を介した眼房水の流出を促進することによって、眼圧を低下させる作用を有する。この作用に基づき、α−2受容体アゴニストは、従来、緑内障や高眼圧症の治療に使用されている。また、α−2受容体のアゴニストは、α−2受容体集中細動脈、特に終末細動脈の内腔サイズの低減を引き起こす作用を有する。この作用により、血管収縮が生じ、目の赤みを低減し、そして白みを増加させ、眼の審美的外観を改善することができる(特許文献1:特許第5671459号公報;特許文献2:特許第5738890号公報)。
ブリモニジン及び/又はその塩と、チモロール及び/又はその塩を併用した製剤について、製剤安定性に着目した製剤化技術についても検討されている。例えば特許文献3(特開2019−104727号公報)には、ブリモニジン及び/又はその塩、水溶性高分子、及びクロルヘキシジングルコン酸塩を含有する水性液剤が開示されている。この文献において、水溶性高分子として、カルボキシメチルセルロース及び/又はその塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒアルロン酸が挙げられ、これらの成分が配合されることで粘度安定性が高く、劣化が抑制されることが開示されている。また、特許文献4(特開2019−178083号公報)には、ブリモニジン又はその塩と水溶性高分子とを含有するpH7.4未満の点眼用水溶液が開示されている。この文献において、水溶性高分子として多糖類、セルロース高分子、合成高分子が挙げられ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンを使用した場合に、不溶物の析出を抑制し、保存安定性が優れる旨が開示されている。
特許第5671459号公報 特許第5738890号公報 特開2019−104727号公報 特開2019−178083号公報
ブリモニジン又はその塩を目の充血を緩和又は抑制する眼科用液体製剤として製剤化するにあたり、より効能が優れた眼科用液体製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、低濃度のブリモニジンを含む眼科用液体製剤を提供することを目的として鋭意研究を行ったところ、コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩が配合されることで、低濃度ブリモニジンを含む液体製剤の細胞毒性が低減することを見出した。また、コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩を添加された低濃度のブリモニジンを含む眼科用液体製剤は、結膜組織移行性が高いことを見出した。
本発明の一実施形態として、下記に示す眼科用液体製剤を提供する。
[1] 0.01〜0.05w/v%のブリモニジン及び/又はその塩と、コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩を含有する眼科用液体製剤。
[2] コンドロイチン硫酸エステルの塩が、ナトリウム塩である、項目1に記載の眼科用液体製剤。
[3] コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩の含有量が0.05〜0.5w/v%である、項目1又は2に記載の眼科用液体製剤。
また、本発明の一実施形態として、下記に示す細胞毒性低減方法を提供する。
[4] 0.01〜0.05w/v%のブリモニジン及び/又はその塩を含有する眼科用液体製剤に、コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩を配合することを特徴とする、点眼投与におけるブリモニジン及び/又はその塩の細胞毒性低減方法。
また、本発明の一実施形態として、下記に示す細胞毒性低減剤を提供する。
[5] 0.01〜0.05w/v%のブリモニジン及び/又はその塩を含有する眼科用液体製剤に、コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩を配合することを特徴とする、点眼投与におけるブリモニジン及び/又はその塩の細胞毒性低減剤。
また、本発明の一実施形態として、下記に示す結膜移行性促進方法を提供する。
[6] 0.01〜0.05w/v%のブリモニジン及び/又はその塩を含有する眼科用液体製剤に、コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩を配合することを特徴とする、点眼投与におけるブリモニジン及び/又はその塩の結膜移行性促進方法。
また、本発明の一実施形態として、下記に示す結膜移行性促進剤を提供する。
[7] 0.01〜0.05w/v%のブリモニジン及び/又はその塩を含有する眼科用液体製剤に、コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩を配合することを特徴とする、点眼投与におけるブリモニジン及び/又はその塩の結膜移行性促進剤。
本発明によれば、低濃度のブリモニジン及びコンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩を含む眼科用液体製剤は、ブリモニジンの細胞毒性の低減及びブリモニジンの結膜組織移行性を向上のうちの少なくとも1の効果を発揮する。
図1は、ブリモニジン酒石酸塩及びコンドロイチン硫酸エステルナトリウムの培養細胞への影響を示すグラフである。縦軸はCell counting kitで発色後のウェルの吸光度を示し、吸光度が高いほど生細胞数が高いことを示す。ローコントロールは細胞を含まない群を指し、ハイコントロールは薬剤を添加した試験溶液に代わり細胞培養培地を用いた群を指す。ブリモニジン酒石酸塩を添加した群(BRN単独)では吸光度が低下するものの、コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを添加した群(CS単独)及びブリモニジン酒石酸塩とコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを添加した群(CS+BRN)では、ハイコントロールと同程度の吸光度を示した。 図2は、ブリモニジン酒石酸塩及びコンドロイチン硫酸エステルナトリウムの培養細胞への影響を示すグラフである。縦軸はCell counting kitで発色後のウェルの吸光度を示し、吸光度が高いほど生細胞数が高いことを示す。ローコントロールは細胞を含まない群を指し、ハイコントロールは薬剤を添加した試験溶液に代わり細胞培養培地を用いた群を指す。ブリモニジン酒石酸塩を添加した群(BRN0.025%単独)では吸光度が低下するものの、ブリモニジン酒石酸塩と0.1w/v%コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを添加した群(CS0.1%+BRN0.025%)、ブリモニジン酒石酸塩と0.3w/v%コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを添加した群(CS0.3%+BRN0.025%)、ブリモニジン酒石酸塩と0.5%コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを添加した群(CS0.5%+BRN0.025%)では、ハイコントロールと同程度の吸光度を示した。 図3は、ブリモニジン酒石酸塩及びコンドロイチン硫酸エステルナトリウムの培養細胞への影響を示すグラフである。縦軸はCell counting kitで発色後のウェルの吸光度を示し、吸光度が高いほど生細胞数が高いことを示す。ローコントロールは細胞を含まない群を指し、ハイコントロールは薬剤を添加した試験溶液に代わり細胞培養培地を用いた群を指す。0.5w/v%コンドロイチン硫酸エステルナトリウムのみを添加した群(CS0.5%単独)、0.025w/v%ブリモニジン酒石酸塩と0.5w/v%コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを添加した群(CS0.5%+BRN0.025%)、0.05w/v%ブリモニジン酒石酸塩と0.5w/v%コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを添加した群(CS0.5%+BRN0.05%)では、ハイコントロールと同程度の吸光度を示した。
本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解される。従って、他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語及び科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で特定される数値範囲は、その下限値及び上限値を含むものとする。
(定義)
本明細書において、「ブリモニジン」は、IUPAC名:5−ブロモ−N−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)キノキサリン−6‐アミン(5−Bromo−N−(4,5−dihydro−1H−imidazol−2−yl)quinoxalin−6−amine)の化合物を指す。また、本明細書において、ブリモニジン及び/又はその塩の濃度は、特に明記しない限り、ブリモニジン酒石酸塩に換算された濃度である。
本明細書において、「低濃度のブリモニジン」とは、0.05w/v%以下の濃度のブリモニジンを指す。
本明細書において、「眼科用液体製剤」とは、水を基剤とする水性液体製剤である。
本明細書において、「細胞毒性」とは、ブリモニジンによる眼組織の細胞に対して細胞死をもたらすか、又は機能障害や増殖抑制をもたらす性質をいう。
本明細書において、「細胞毒性の低減」又は「細胞毒性低減」とは、細胞毒性による影響を抑制し、細胞が本来持つ機能を維持し続ける事をいう。
本明細書において、「細胞毒性低減方法」とは、ブリモニジンによる、眼組織への細胞毒性による影響を抑制し、細胞が本来持つ機能を維持し続けるために行われる方法を意味する。
本明細書において、「細胞毒性低減剤」とは、ブリモニジンによる、眼組織への細胞毒性による影響を抑制し、細胞が本来持つ機能を維持し続けるために配合される剤を意味する。
本明細書において、「結膜移行性」とは、点眼により投与された眼科用液体製剤中のブリモニジンが、作用部位である結膜への移行のしやすさを示す指標である。
本明細書において、「結膜移行性促進方法」とは、点眼により投与された眼科用液体製剤中のブリモニジンを作用部位である結膜へ移行する量を増大させるために行われる方法を意味する。
本明細書において、「結膜移行性促進剤」とは、点眼により投与された眼科用液体製剤中のブリモニジンを作用部位である結膜へ移行する量を増大させるために配合される剤を意味する。
(好ましい実施形態の説明)
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。また、以下の実施形態は単独でも使用されあるいはそれらを組み合わせて使用することができることが理解される。
本発明において、ブリモニジンの医薬として許容される塩は任意の塩が挙げられる。ブリモニジンの医薬として許容される塩として、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、サリチル酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、アスコルビン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、酒石酸塩および当業者に周知の他の無機カルボン酸塩が挙げられ、好ましくは酒石酸塩である。なお、本明細書において、ブリモニジン及び/又はその塩を「BRN」と表記することもある。
本発明において、低濃度のブリモニジンとは、0.05w/v%以下の濃度のブリモニジンを指す。一例として、濃度の上限は、副作用を予防する観点から0.04w/v%、又は0.03w/v%であってもよい。濃度の下限は、ブリモニジンが含有される限り限定されないが、0.01w/v%が用いられてもよく、一例として本剤の効果を鑑み、0.015w/v%、又は0.02w/v%が用いられてもよい。
本発明において、ブリモニジン又はその塩を含有する液体製剤に配合されるコンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩は、生体内にみられるグリコサミノグリカンの一種である。コンドロイチン硫酸エステルは、主にD−グルクロン酸(GlcA)とN−アセチル−D−ガラクトサミン(GalNAc)の2糖が反復し、GalNAcの4位及び/又は6位が硫酸基を有する構造を有するが、由来元の生物種に応じて構造が異なりうる。本発明のコンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩は、D−グルクロン酸(GlcA)とN−アセチル−D−ガラクトサミン(GalNAc)の2糖が反復し、GalNAcの4位及び/又は6位が硫酸基を有するものに限定されず、市販されているコンドロイチン硫酸エステルの全てを包含するものとする。コンドロイチン硫酸エステルは、任意の塩の形態で存在してもよく、一例としてナトリウム塩、カリウム塩として存在しうる。コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩は、その保水効果に基づき角膜表層保護を目的として点眼剤に配合されている。本発明では、ブリモニジン又はその塩による細胞毒性の低減作用を発揮する。またこの作用は、細胞保護作用ともいうことができる。また本発明ではコンドロイチン硫酸エステル又はその塩を配合することで、ブリモニジンの結膜移行性が亢進する。コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩は、0.005w/v%〜5w/v%、より好ましくは0.05〜0.5w/v%で配合されうる。細胞毒性を低減させる観点から、濃度の下限は一例として0.01w/v%、又は0.05w/v%、又は0.1w/v%が用いられてもよい。点眼剤に配合される観点から、濃度の上限は一例として3w/v%、1w/v%又は0.5w/v%が用いられてもよい。なお、本明細書において、コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩を「CS」と表記することもある。実施形態の一例として、ブリモニジン又はその塩及びコンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩を含む本発明の液体製剤は、クロルヘキシジングルコン酸又はその塩を含まないことを特徴としてもよい。
結膜は、白目である強膜上を覆い、かつ瞼の内側を覆う膜であり、結膜上皮細胞から主に構成される。結膜の上皮層には血管、繊維組織、リンパ管が含まれる。白目と黒目の境界で角膜と接しており、角膜と結膜は外界にさらされる目の最外層を構成する。結膜は外界にさらされていることから、細菌やウイルスなどに侵されやすく、炎症が生じやすい。また炎症が起こっていない場合であっても、寝不足や目の酷使により、目に酸素や栄養を供給するために血流量が増えて充血する。本発明においてブリモニジンが、目の赤みの低減又は白化という作用を発揮するためには、点眼投与された製剤の有効成分が、結膜内の毛細血管に到達して作用することが必要となる。
結膜移行性とは、点眼により投与された眼科用液体製剤の有効成分(本発明ではブリモニジン又はその塩)が、作用部位である結膜への移行のしやすさを示す指標である。角膜上皮細胞及び結膜上皮細胞はそれぞれ細胞間でタイトジャンクションを形成して細胞膜に起因する疎水性の膜を構成する。これにより、角膜及び結膜を介した水溶性薬物の透過が制限される。点眼された薬剤の角膜や結膜を介した眼内移行性は、点眼後の房水内薬物濃度や結膜組織内の薬物濃度を測定することで決定されるが、ヒトでの測定は難しく、動物実験を介した予測モデルでの解析が行われている。眼内移行性を測定する簡易な手法として、オクタノール/水分配係数に基づく手法が知られている。オクタノール/水分配係数は、眼内移行性のみならず、結膜移行性の評価にも使用することができる。
本発明において眼科用液体製剤は、主に水を基剤とする水性液体製剤であるが、点眼剤に使用しうる任意の液体基剤をさらに含んでいてもよい。本発明の眼科用液体製剤は、点眼剤として許容されるpH、浸透圧を有するように調製される。眼科用液体製剤のpHは、pH調整剤を使用して5.0〜9.0に調整することができ、一例として5.5〜8.5である。一例として6.0〜8.0にも調整することもできる。眼科用液体製剤の浸透圧比の一例として、好ましくは0.5〜2.5、より好ましくは0.7〜1.5になるように眼科用液体製剤に添加する成分量を調節される。
本発明の眼科用液体製剤は、好ましくは点眼剤である。本発明の眼科用液体製剤は、目の充血を緩和又は抑制する液体製剤であってもよい。目の充血を緩和又は抑制するとは、白目部分の白みを増加させることを言い、目のホワイトニングともいうことができる。
本発明の眼科用液体製剤は、点眼剤に使用しうる任意の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。本発明の有効成分であるブリモニジン酒石酸塩とは別に、任意の有効成分及び添加物等の成分を含んでもよい。このような成分としては、充血除去剤、ピント調節機能改善剤、消炎・収れん剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン類、栄養成分、サルファ剤、防腐剤、pH調整剤、等張化剤、増粘剤、抗酸化剤、溶解補助剤、安定化剤、界面活性剤、香料または清涼化剤等が挙げられるが、これらに限定されることを意図するものではない。これらの有効成分及び添加剤は、それぞれ各カテゴリーの中から1種類のみを用いてもよいし、複数の種類を組み合わせて使用することができる。
充血除去剤としては、例えば、エピネフリン、エフェドリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、フェニレフリン、メチルエフェドリン、又はそれらの塩等が使用されうる。
ピント調節機能改善剤としては、メチル硫酸ネオスチグミンが使用されうる。
消炎・収れん剤としては、例えば、ε−アミノカプロン酸、アラントイン、ベルベリン又はその塩、アズレンスルホン酸又はその塩、グリチルリチン酸又はその塩、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化リゾチーム等が使用されうる。
抗ヒスタミン剤としては、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンが使用されうる。
栄養成分としては、アミノ酸類又はその塩が使用されうる。アミノ酸類又はその塩としては、アミノ酸類とは、アミノ酸以外に、アミノ酸のカルボキシル基の代わりに硫酸基を有する物質、例えばタウリンにも関する。アミノ酸としては、一例として、グリシン、アラニン、メチオニン、バリン、トレオニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アルギニン、プロリン、チロシン、セリンが挙げられる。アミノ酸としては、好ましくはアスパラギン酸、メチオニン、グリシンが挙げられる。グリシンを除くアミノ酸は、L体のアミノ酸であってもよいし、D体のアミノ酸であってもよいし、DL体のアミノ酸であってもよい。
ビタミン類とは、生物の生存又は生育に微量に必要な栄養素のうち、その生物の体内で十分な量を合成できない炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物の総称である。ビタミン類としては、水溶性ビタミン類と、脂溶性ビタミン類に大別される。水溶性ビタミン類としては、ビタミンB類及びビタミンC(アスコルビン酸)が挙げられる。脂溶性ビタミンとしては、ビタミンA類、ビタミンD類、ビタミンE類、ビタミンK類が挙げられる。一般用医薬品製造(輸入)承認基準では、点眼薬に配合されるビタミン類が規定されており、この観点から、特にビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンE類が好ましい。
ビタミンA類としては、レチノール、及びその関連物質が使用されうる。レチノール関連物質として、レチナール、レチノイン酸、パルミチン酸レチノールやその他のレチノイド、例えばイソトレチノイン、アリトレチノイン、アシトレチン、エトレチナート、アダパレン、タザロテン、ベキサロテン等も挙げられる。点眼剤として配合する観点からパルミチン酸レチノール、酢酸レチノールが好ましい。ビタミンA類は上皮細胞に作用し増殖を誘導することから、角膜や結膜保護等を目的として点眼剤に配合されうる。夜盲症、結膜乾燥症、角膜乾燥症、角膜軟化症等の眼科系疾患の治療のためにも点眼剤に配合されうる。
ビタミンB類としては、ビタミンB1(チアミン等)、ビタミンB2、ビタミンB3(ナイアシン等)、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7(ビオチン等)、ビタミンB9(葉酸等)、ビタミンB12が使用されうる。ビタミン類には、誘導体であるプロビタミンや医薬として許容される塩を包含する。ビタミンB類の中でも、特に点眼剤に配合される観点から、ビタミンB2、B5、B6、B12が好ましい。
ビタミンB2としてはリボフラビン、リン酸リボフラビン、酪酸リボフラビン、酢酸リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド、フラビンモノヌクレオチド、又は薬学的に許容されるそれらの塩等が使用されうる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。点眼剤として配合される観点からフラビンアデニンジヌクレイオチドナトリウムが好ましい。ビタミンB2は、酸化還元に直接関与し、点眼剤として使用されると角膜・結膜細胞の酵素呼吸代謝を促進し、角膜・結膜の保護作用を有する。またビタミンB2は、ビタミンB2欠乏または代謝障害が関与すると推定される角膜炎に対して治療のために点眼剤に配合されうる。
ビタミンB5としてはパンテノール、パントテン酸又はそれらの誘導体又はそれらの塩が使用されうる。一例として、パンテノール、パントテン酸の他に、誘導体又はそれらの塩として、パンテチン、パンテテイン、パントテニールアルコール、パントテニールエチルエーテル、パンテテインパントテニールアルコール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム等が挙げられる。点眼剤として使用される観点から、ビタミンB5としてはパンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウムが好ましい。
ビタミンB6としては、ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシン又はそれらの医薬として許容される塩が使用されうる。点眼剤として使用される観点から、ピリドキシン塩酸塩が好ましい。ビタミンB6は、生体内でアミノ酸脱炭酸酵素及びアミノ基転移酵素の補酵素として、タンパク質の代謝に関わっており、眼精疲労の抑制のために点眼剤に配合されうる。
ビタミンB12はコリン環にコバルトが配位した構造を有する化合物であり、具体的には、シアノコバラミン、メコバラミン(メチルコバラミン)、ヒドロキソコバラミン、アデノシルコバラミン、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン等が挙げられる。ビタミンB12は疲れ目や眼精疲労の改善等の薬理作用のために点眼剤に配合されうる。
ビタミンE類としては、トコフェロール、トコトリエノール、トコフェルソラン、又はそれらの誘導体が使用されうる。トコフェロール、トコトリエノールは、α−、β−、γ−、δ−のいずれであってもよく、また、d体、dl体のいずれであってもよい。点眼剤として使用される観点から、一例として酢酸d−α−トコフェロールが挙げられる。
ビタミンCとしては、アスコルビン酸又はその塩が挙げられる。ビタミンD類としては、ビタミンD2(エルゴステロール、エルゴカルシフェロール)、D3(7−デヒドロコレステロール)、プレビタミンD3(コレカルシフェロール、25−ヒドロキシコレカルシフェロール、カルシトリオール(1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール)、カルシトロン酸)、ビタミンD4(ジヒドロエルゴカルシフェロール)、ビタミンD5(ジヒドロタキステロール・カルシポトリオール・タカルシトール・パリカルシトール)等が挙げられる。ビタミンK類としては、フィロキノン(K1)、メナキノン(K2)、メナジオン(K3)が挙げられる。
サルファ剤としては、例えば、スルファメトキサゾール、スフファメトキサゾールナトリウム、スフルイソキサゾール、スルフイソミジンナトリウム等が使用されうる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、ベンザルコニウム塩化物、クロロブタノール、亜塩素酸ナトリウム、ベンゾドデシニウム臭化物、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸塩、ベンジルアルコール、アルキルポリアミノエチルグリシン、ホウ酸、ホウ砂等が使用されうる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤等の緩衝剤とともに、例えば、塩酸、酢酸、ホウ酸、炭酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸等の酸や、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等の塩基が使用されうる。
等張化剤としては、糖類や塩類が挙げられ、塩類としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等が使用されうる。糖類としては、任意の単糖類又は多糖類を使用することができ、一例としてグルコース、シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等を使用することができる。
増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ヒアルロン酸、ポリビニルピロリドン等又はそれらの塩等が使用されうる。
溶解補助剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、チロキサポール、プルロニック等の非イオン性界面活性剤;グリセリン、マクロゴール等の多価アルコール等が使用されうる。
安定化剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、亜硫酸塩、モノエタノールアミン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、デキストラン、アスコルビン酸、エデト酸塩、タウリン、トコフェロール等が使用されうる。
界面活性剤としては、例えば、チロキサポール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オクトキシノール等の非イオン性界面活性剤;アルキルジアミノエチルグリシン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤;アルキル硫酸塩、N−アシルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等の陰イオン界面活性剤;アルキルピリジニウム塩、アルキルアミン塩等の陽イオン界面活性剤等が使用されうる。
香料又は清涼化剤としては、例えば、メントール、エタノール、カンフル、ゲラニオール、ボルネオール、メントール、リュウノウ、ウイキョウ油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油等が使用されうる。
上述の任意的成分は、上で列挙された作用以外の作用を目的として使用されてもよい。例えば清涼化剤として用いられるエタノールは、防腐剤として眼科用液剤に添加されていてもよい。
本明細書において言及される全ての文献はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。
以下に説明する本発明の実施例は例示のみを目的とし、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。本発明の趣旨を逸脱しないことを条件として、本発明の変更、例えば、本発明の構成要件の追加、削除及び置換を行うことができる。
試験例1:コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを配合することによる、ブリモニジン酒石酸塩の細胞毒性の低減
1.細胞培養
500mLのDMEM/F12(Thermo Fisher Scientific)に、5mLのPen Strep(Thermo Fisher Scientific)、25mLの5% HI FBS(Thermo Fisher Scientific)、1mLのインスリン(5μg/mL)(富士フイルム和光)、1mLのEGF(5μg/mL)(Pepro Tech)を混合し、細胞培養培地を調製した。継代培養された不死化ヒト角膜上皮細胞株(HCE−t株:入手元理研バイオリソース研究センター)を、調製された細胞培養培地中に5×105細胞/mLに調整し、100μLを培養ウェル(Corning International Inc.)に分注し、100μLのDPBS(Thermo Fisher Scientific)を加えて、37℃5%CO2雰囲気下で16時間以上培養して、ウェルへ定着させた。
2.細胞毒性試験(1)
ホウ酸(富士フイルム和光純薬)に精製水を加えて溶解し、ブリモニジン酒石酸塩(Hinewy Pharma.Tech.Co.,Ltd)、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム(マルハニチロ)、塩化ナトリウムを加え、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを6.5に調整し、表1に示す組成の試験溶液を調製した。なお、表中の数値はpHを除き、w/v%である。
Figure 2021183606
顕微鏡でウェル内に十分な細胞が存在しウェルに定着していることを確認し、ウェル内の細胞培養培地を吸引した。各ウェルをDPBS100μLずつで洗浄した。ウェルに調製された試験溶液を100μL添加した。37℃のインキュベーターで約30分インキュベートした。インキュベート後、各ウェルの試験溶液を吸引し、DPBS100μLで洗浄後、DMEM/F12 90%、Cell counting kit−8 10%の割合の溶液を100μL添加し、37℃のインキュベーターで約1時間インキュベートした。インキュベート後、マイクロプレートリーダーで450nmの吸光度を測定した。細胞を含まないウェルでの試験をローコントロールとし、試験溶液の代わりに細胞培養培地を用いた試験をハイコントロールとした。結果を図1に示す。
3.細胞毒性試験(2)−コンドロイチン硫酸エステルナトリウムの濃度の検討
ホウ酸(富士フイルム和光純薬)に精製水を加えて溶解し、ブリモニジン酒石酸塩(Hinewy Pharma.Tech.Co.,Ltd)、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム(マルハニチロ)、塩化ナトリウムを加え、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを6.5に調整し、表2に示す組成の試験溶液を調製した。なお、表中の数値はpHを除きw/v%である。
Figure 2021183606
顕微鏡でウェル内に十分な細胞が存在しウェルに定着していることを確認し、ウェル内の培地を吸引した。各ウェルをDPBS100μLずつで洗浄した。ウェルに調製された試験溶液を100μL添加した。37℃のインキュベーターで約30分インキュベートした。インキュベート後、各ウェルの試験溶液を吸引し、DPBS100μLで洗浄後、DMEM/F12 90%、Cell counting kit−8 10%の割合の溶液を100μL添加し、37℃のインキュベーターで約1時間インキュベートした。インキュベート後、マイクロプレートリーダーで450nmの吸光度を測定した。細胞を含まないウェルでの試験をローコントロールとし、試験溶液の代わりに細胞培養培地を用いた試験をハイコントロールとした。結果を図2に示す。
4.細胞毒性試験(3)−ブリモニジン酒石酸塩の濃度の検討
ホウ酸(富士フイルム和光純薬)に精製水を加えて溶解し、ブリモニジン酒石酸塩(Hinewy Pharma.Tech.Co.,Ltd)、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム(マルハニチロ)、塩化ナトリウム(富士フイルム和光純薬)を加え、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを6.5に調整し、表3に示す組成の試験溶液を調製した。なお、表中の数値はpHを除きw/v%である。
Figure 2021183606
顕微鏡でウェル内に十分な細胞が存在しウェルに定着していることを確認し、ウェル内の培地を吸引した。各ウェルをDPBS100μLずつで洗浄した。ウェルに調製された試験溶液を100μL添加した。37℃のインキュベーターで約30分インキュベートした。インキュベート後、各ウェルの試験溶液を吸引し、DPBS100μLで洗浄後、DMEM/F12 90%、Cell counting kit−8 10%の割合の溶液を100μL添加し、37℃のインキュベーターで約1時間インキュベートした。インキュベート後、マイクロプレートリーダーで450nmの吸光度を測定した。細胞を含まないウェルでの試験をローコントロールとし、試験溶液の代わりに細胞培養培地を用いた試験をハイコントロールとした。結果を図3に示す。
試験例2:ブリモニジン酒石酸塩のウサギ結膜移行量の測定
(処方)常法により各検体を調製した。つまり、精製水にホウ酸(富士フイルム和光純薬)、ホウ砂(ナカライテスク)及びブリモニジン酒石酸塩(Hinewy Pharma.Tech.Co.,Ltd)を添加して溶かし、さらにコンドロイチン硫酸エステルナトリウム(マルハニチロ)を添加して溶かしたのち、pH調整剤によりpHを調整し、精製水でメスアップし表4に示す組成の試験溶液を調製した。表中の数値はpHを除きw/v%である。
Figure 2021183606
(試験操作)
1−1)Tube1:各群4本、検体を各1mLサンプルチューブ(1.5mLマイクロチューブ,ザルトスタット)に分注した。
1−2)Tube2:各群4本、フィルター付きサンプルチューブ(Ultrafree−MC−GV0.45μm,ミリポア)を準備した。
2)ウサギ摘出眼球(北山ラベス)を入手し、結膜を切り出した。
3)結膜を生理食塩液(大塚生食注,大塚製薬工場)に浸漬して洗浄した。
4)表面の水分をキムワイプで軽くふき取り、結膜重量を測定した。
5)結膜重量測定後、1−1)Tube1に投入し、シェーカー(ブロックバスシェーカ−MyBL−100CS,アズワン)1,500rpmにて5分間振盪した。
6)5)の遠沈管から結膜を取り出した。
7)結膜を除いた6)の遠沈管から検体を300μLとり、1−2)Tube2に添加し、卓上微量高速遠心機(CT−12RE,日立工機)にて遠心分離(15,000rpm,10min,4℃)し、ろ液を検体とした。
(結膜移行量の決定)
実施例6及び比較例5について、それぞれの(1)結膜を浸漬しない試験液及び(2)試験操作7)の検体のブリモニジン酒石酸塩含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法にて測定し、(1)と(2)の差から1検体あたりの結膜移行量を求め、さらに4)で測定した結膜重量から、個体ごとに結膜1gあたりに移行したブリモニジン酒石酸塩含量を求め、4例の平均値を結膜移行量とした。
<高速液体クロマトグラフ条件>
カラム: 内径4.6mm×長さ75mm オクタデシルシリル化シリカゲル(「SymmetryC18 3.5」Waters社製)
検出器: 紫外可視吸光光度計
測定波長: 264nm
移動相: 水900mLにリン酸二水素アンモニウム5.175gを溶かし、液体クロマトグラフィー用アセトニトリル100mLを加えた。
コンドロイチン硫酸エステルナトリウム配合によるブリモニジン酒石酸塩の結膜への移行量増加率(Crate)を下記式に従って算出した。
Figure 2021183606
[式中、C実施例6は実施例6のブリモニジン酒石酸塩結膜移行量、C比較例5は比較例5のブリモニジン酒石酸塩結膜移行量とした。]
Figure 2021183606
ブリモニジン酒石酸塩溶液は、コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを配合することによりブリモニジン酒石酸塩のウサギ結膜への移行性が向上した。

Claims (3)

  1. 0.01〜0.05w/v%のブリモニジン及び/又はその塩と、コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩を含有する眼科用液体製剤。
  2. コンドロイチン硫酸エステルの塩が、ナトリウム塩である、請求項1に記載の眼科用液体製剤。
  3. コンドロイチン硫酸エステル及び/又はその塩の含有量が0.05〜0.5w/v%である、請求項1又は2に記載の眼科用液体製剤。
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