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JP2021175708A - 精製含フッ素不飽和炭化水素の製造方法 - Google Patents

精製含フッ素不飽和炭化水素の製造方法 Download PDF

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JP2021175708A JP2018142278A JP2018142278A JP2021175708A JP 2021175708 A JP2021175708 A JP 2021175708A JP 2018142278 A JP2018142278 A JP 2018142278A JP 2018142278 A JP2018142278 A JP 2018142278A JP 2021175708 A JP2021175708 A JP 2021175708A
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】蒸留による含フッ素不飽和炭化水素の精製において、蒸留塔の内壁の浸食が抑制された、工業的に有利な精製含フッ素不飽和炭化水素の製造方法を提供する。【解決手段】第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm以下であって、含フッ素不飽和炭化水素を含む第1の組成物を蒸留して精製含フッ素不飽和炭化水素を得る、精製含フッ素不飽和炭化水素の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、精製含フッ素不飽和炭化水素を工業的に有利な方法で製造する方法に関する。
近年、洗浄剤、冷媒、発泡剤、溶剤、およびエアゾール用途等に含フッ素飽和炭化水素が用いられている。しかしながら、これらの化合物は、地球温暖化の原因となる可能性が指摘されている。そこで、地球温暖化係数の小さい化合物として含フッ素不飽和炭化水素が注目されている。
含フッ素不飽和炭化水素の製造方法の一つとして、隣り合う2つの炭素原子に、それぞれ水素原子と、フッ素原子または塩素原子と、が結合した構造を分子内に有する含フッ素飽和炭化水素を脱塩化水素または脱フッ化水素させる反応が知られている。
例えば、特許文献1には、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンを、脱フッ化水素反応させて1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る方法が記載されている。
特許文献2には1−クロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパンを脱フッ化水素反応させて1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンを製造する方法が記載されている。特許文献3には、1,2−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパンを脱塩化水素反応させて1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る方法が記載されている。
これらの特許文献のいずれにおいても、含フッ素飽和炭化水素の脱塩化水素または脱フッ化水素反応は、液相反応でアルカリ水溶液を用いて行う例が記載されている。これらの反応においては、反応時間が長く、そのため、相間移動触媒を使用して生産効率を上げる試みがされている。この場合、得られる反応生成物中に相間移動触媒が相当量存在し、反応生成物と分離する必要がある。
国際公開第2010/074254号 国際公開第2017/018412号 国際公開第2017/110851号
しかしながら、相間移動触媒として特に効果の高い第4級アンモニウム塩を用いて含フッ素飽和炭化水素の脱塩化水素または脱フッ化水素反応を行った場合、蒸留による精製工程で、蒸留塔の内壁が浸食されるという課題があることを見出した。蒸留塔の内壁の浸食を防ぐ方法としては特殊な材質の蒸留塔を用いることが考えられるが、生産コストの増加を招き、好ましい方法とは言えない。
本発明は、上記観点からなされたものであって、蒸留による含フッ素不飽和炭化水素の精製において、蒸留塔の内壁の浸食が抑制された、工業的に有利な精製含フッ素不飽和炭化水素の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[7]の構成を有する精製含フッ素不飽和炭化水素の製造方法を提供する。
[1]第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm以下であって、含フッ素不飽和炭化水素を含む第1の組成物を蒸留して精製含フッ素不飽和炭化水素を得る、精製含フッ素不飽和炭化水素の製造方法。
[2]隣り合う2つの炭素原子の一方の炭素原子が水素原子と結合し、他方の炭素原子がフッ素原子または塩素原子と結合した構造を有する含フッ素飽和炭化水素を、第4級アンモニウム塩の存在下にアルカリ水溶液と接触させ、脱塩化水素または脱フッ化水素させて、前記第1の組成物を得る、[1]の製造方法。
[3]隣り合う2つの炭素原子の一方の炭素原子が水素原子と結合し、他方の炭素原子がフッ素原子または塩素原子と結合した構造を有する含フッ素飽和炭化水素を、第4級アンモニウム塩の存在下にアルカリ水溶液と接触させ、脱塩化水素または脱フッ化水素させて、第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm超であって含フッ素不飽和炭化水素を含む組成物を得、次いで該組成物中の第4級アンモニウム塩を除去することにより第1の組成物を得る、[1]の製造方法。
[4]第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm超であって含フッ素不飽和炭化水素を含む組成物を、水で洗浄して第1の組成物を得る、[3]の製造方法。
[5]第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm超であって含フッ素不飽和炭化水素を含む組成物を、固体吸着剤と接触させて第1の組成物を得る、[3]または[4]の製造方法。
[6]前記第4級アンモニウム塩は、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミドおよびメチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリドから選ばれる少なくとも1種である[1]〜[5]のいずれかの製造方法。
[7]前記含フッ素不飽和炭化水素は、下記式(B)で表される化合物である[1]〜[6]のいずれかの製造方法。
Figure 2021175708
式(B)中、
およびYは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子または炭素原子数1〜5の脂肪族飽和炭化水素基(ただし、水素原子の一部または全部が塩素原子またはフッ素原子で置換されてもよい。)であり、RとRの合計の炭素原子数は1〜5であって、
、Y、RおよびRのいずれかはフッ素原子を有する。
[8]前記含フッ素不飽和炭化水素は、パーフルオロプロペンである、[1]〜[7]のいずれかの製造方法。
[9]前記含フッ素不飽和炭化水素は、1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,2,3−テトラフルオロプロペン、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンまたは1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンである、[1]〜[7]のいずれかの製造方法。
[10]前記含フッ素不飽和炭化水素は、1,1,2,3−テトラクロロ−3,3−ジフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラクロロ−1,1−ジフルオロプロペン、1,1,3,3−テトラクロロ−2,3−ジフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラクロロ−1,2−ジフルオロプロペン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,2,3−トリクロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン、2,3,3−トリクロロ−1,1,3−トリフルオロプロペン、1,1,3−トリクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン、1,3,3−トリクロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン、3,3,3−トリクロロ−1,1,2−トリフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、2,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロペン、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロペン、3,3−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロペン、2−クロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1−クロロ−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、3−クロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,2−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペン、1,2,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペン、1,1,3−トリクロロ−2,3−ジフルオロプロペン、1,3,3−トリクロロ−1,2−ジフルオロプロペン、1,3,3−トリクロロ−2,3−ジフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、2,3−ジクロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン、1,1−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン、3,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン、3,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、2−クロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロペン、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1−クロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロペン、3−クロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロペン、1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、3−クロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロペン、1−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,2−ジフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−2,3−ジフルオロプロペン、3,3−ジクロロ−2,3−ジフルオロプロペン、2−クロロ−1,1,3−トリフルオロプロペン、2−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1−クロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン、3−クロロ−1,1,2−トリフルオロプロペン、1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン、3−クロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン、3−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1−クロロ−2,3,3,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンテン、1−クロロ−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロペンテン、1−クロロ−3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンテン、または1−クロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロペンテンである、[1]〜[7]のいずれかの製造方法。
[11]前記含フッ素不飽和炭化水素は、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンである、[1]〜[7]のいずれかの製造方法。
本発明によれば、蒸留による含フッ素不飽和炭化水素の精製において、蒸留塔の内壁の浸食が抑制された、工業的に有利な精製含フッ素不飽和炭化水素の製造方法が提供できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本明細書において、飽和炭化水素化合物の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えた化合物をハイドロフルオロカーボン(HFC)、飽和炭化水素化合物の水素原子の一部をフッ素原子および塩素原子に置き換えた化合物をハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、炭素−炭素二重結合を有し、炭素原子、フッ素原子および水素原子から構成される化合物をハイドロフルオロオレフィン(HFO)、炭素−炭素二重結合を有し、炭素原子、塩素原子、フッ素原子および水素原子から構成される化合物をハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)といい、炭素−炭素二重結合を有し、炭素原子およびフッ素原子から構成される化合物をペルフルオロオレフィン(PFO)といい、炭素−炭素二重結合を有し、炭素原子、塩素原子およびフッ素原子から構成される化合物をクロロフルオロオレフィン(CFO)という。
本明細書において、ハロゲン化炭化水素については、化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記すが、本明細書では必要に応じて化合物名に代えてその略称を用いる。また、略称として、通常ハロゲン化炭化水素の略称の頭に付ける分類を示すHFC、HCFO等の大文字の表記を省略して、ハイフン(−)より後ろの数字およびアルファベット小文字部分だけ(例えば、「HCFO−1224yd」においては「1224yd」)を用いることがある。
さらに、幾何異性体を有する化合物においては、E体(トランス体)と、(Z)はZ体(シス体)が存在する。該化合物の名称、略称において、E体、Z体の明記がない場合、該名称、略称は、E体、Z体、およびE体とZ体の混合物を含む総称を意味する。
本明細書において、反応式(1)で示される反応を、反応(1)という。他の式で表される反応も同様である。本明細書において、式(A)で示される化合物を化合物(A)という。他の式で表される化合物も同様である。本明細書において、数値範囲を表す「〜」では、上下限を含む。
本発明の精製含フッ素不飽和炭化水素の製造方法は、含フッ素不飽和炭化水素を含み、第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm以下である第1の組成物を、蒸留して精製含フッ素不飽和炭化水素を得る工程を有する。本明細書において「精製含フッ素不飽和炭化水素」とは、含フッ素不飽和炭化水素の含有割合が、第1の組成物における含フッ素不飽和炭化水素の含有割合より高い含フッ素不飽和炭化水素含有組成物、または含フッ素不飽和炭化水素そのものをいう。
本発明の製造方法において、第1の組成物は、含フッ素不飽和炭化水素を含み、第1の組成物の全量に対して第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm以下である。第1の組成物が含む第4級アンモニウム塩が300質量ppm以下であれば、蒸留に際して蒸留塔の内壁の浸食が抑制される。
第1の組成物における第4級アンモニウム塩の含有割合は、150質量ppm以下が好ましく、100質量ppm以下がより好ましく、50質量ppm以下がさらに好ましく、10質量ppm以下が特に好ましい。第1の組成物における第4級アンモニウム塩の含有割合は0質量ppmであってもよい。
第1の組成物は、通常、含フッ素不飽和炭化水素と、300質量ppm超の第4級アンモニウム塩とを含む第2の組成物から、蒸留以外の方法で第4級アンモニウム塩を除去して得られる。工業的な製造しやすさの観点から、第1の組成物における第4級アンモニウム塩の含有割合は、0.5質量ppm以上が好ましく、1質量ppm以上がより好ましい。
第1の組成物は、含フッ素不飽和炭化水素、第4級アンモニウム塩以外の不純物(以下、単に「不純物」ともいう。)を含んでいてもよい。ただし、第1の組成物が第4級アンモニウム塩を含まない場合には、第1の組成物は不純物を含有する。
第1の組成物は、含フッ素不飽和炭化水素を微量でも含んでいればよい。第1の組成物における、含フッ素不飽和炭化水素の含有割合は、第1の組成物の全量に対して5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましく、90質量%以上が最も好ましい。第1の組成物における、含フッ素不飽和炭化水素を除く残部が、第4級アンモニウム塩と不純物の合計含有割合(ただし、第4級アンモニウム塩の含有割合は300質量ppm以下)である。
第1の組成物は、例えば、含フッ素不飽和炭化水素の製造時に使用する第4級アンモニウム塩が残留したものである。第4級アンモニウム塩を用いる含フッ素不飽和炭化水素の製造方法としては、例えば、隣り合う2つの炭素原子の一方の炭素原子が水素原子と結合し、他方の炭素原子がフッ素原子または塩素原子と結合した構造を有する含フッ素飽和炭化水素(以下、「原料含フッ素飽和炭化水素」ともいう)を、第4級アンモニウム塩の存在下、アルカリ水溶液と接触させて脱塩化水素または脱フッ化水素させて含フッ素不飽和炭化水素を得る製造方法(以下、「脱ハロゲン化水素反応による製造方法」ともいう)が挙げられる。
不純物としては、含フッ素不飽和炭化水素を、第4級アンモニウム塩を使用する製造方法、例えば、脱ハロゲン化水素反応による製造方法で製造する際に使用する原料の未反応物や、製造過程で生成される中間体、副生物等が挙げられる。第1の組成物が不純物を含有する場合、不純物の含有割合は精製効率の観点から第1の組成物の全量に対して5〜40質量%であることが好ましい。
脱ハロゲン化水素反応による製造方法で含フッ素不飽和炭化水素を得る場合、脱ハロゲン化水素反応後の反応液は有機相と水相を形成するが、該有機相中の第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm以下である場合、該有機相をそのまま第1の組成物とすることができる。該有機相中の第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm超である場合、該有機相の第4級アンモニウム塩の含有割合を300質量ppm以下に低減させることで第1の組成物が得られる。このような、含フッ素不飽和炭化水素を含み、第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm超である組成物を、以下、第2の組成物という。
第2の組成物から第4級アンモニウム塩を除去して、第1の組成物を得る方法としては、蒸留以外の方法であって、第4級アンモニウム塩の含有割合を300質量ppm以下とできる方法であれば特に制限されない。具体的には、第2の組成物を固体吸着剤と接触させる方法、および、第2の組成物を水で洗浄する方法から選ばれる1種以上の方法が挙げられる。第2の組成物における第4級アンモニウム塩の含有割合が多い場合は、2つの方法を組み合わせるのが好ましい。2つの方法を組み合わせる場合の順番は、特に問わない。第4級アンモニウム塩の除去効率の点では、第2の組成物を水で洗浄した後、固体吸着剤と接触させることが好ましい。
(脱ハロゲン化水素反応)
以下、脱ハロゲン化水素反応による製造方法により、第1の組成物または第2の組成物となる反応液を得、反応液が第2の組成物であった場合には第4級アンモニウム塩の含有割合を300質量ppm以下とする処理を行い第1の組成物とした後、第1の組成物を蒸留する場合を例にして本発明の製造方法を説明する。
本発明の製造方法に係る含フッ素不飽和炭化水素としては、冷媒、熱媒体、噴射剤、洗浄溶剤、溶媒等に適した物性を有することから炭素原子数3〜7の含フッ素不飽和炭化水素が好ましい。含フッ素不飽和炭化水素の炭素原子数は、3〜5がより好ましい。
炭素原子数3〜7の含フッ素不飽和炭化水素を目的生成物とする脱ハロゲン化水素反応は、具体的には、下記反応式(1)に示す反応である。式(1)中、出発物質(原料)の含フッ素飽和炭化水素は式(A)で示され、目的生成物の含フッ素不飽和炭化水素は式(B)で示される。式(C)は塩化水素またはフッ化水素である。
Figure 2021175708
ただし、式(1)中の記号は以下のとおりである。
およびXは、一方が水素原子であり、他方がフッ素原子または塩素原子である。
およびYは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子または塩素原子である。
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子または炭素原子数1〜5の脂肪族飽和炭化水素基(ただし、水素原子の一部または全部が塩素原子またはフッ素原子で置換されてもよい。)であり、RとRの合計の炭素原子数は1〜5である。
、Y、RおよびRのいずれかにフッ素原子を有する。
以下、反応(1)を例にして、含フッ素不飽和炭化水素の脱ハロゲン化水素反応による製造方法を説明する。なお、化合物(A)以外の原料含フッ素飽和炭化水素を第4級アンモニウム塩とアルカリ水溶液を用いて脱ハロゲン化水素反応により化合物(B)以外の含フッ素不飽和炭化水素を製造する場合も以下の方法がそのまま適用できる。
反応(1)において、化合物(A)は有機相として液相で、第4級アンモニウム塩の存在下、アルカリ水溶液と物理的に接触する、より具体的には、アルカリ水溶液中の塩基と接触することで、脱フッ化水素(以下、脱HFともいう。)反応または、脱塩化水素(以下、脱HClともいう。)反応が生起し化合物(B)が生成する。反応(1)において、第4級アンモニウム塩は、相間移動触媒として機能する。
化合物(A)の入手方法は特に制限されない。公知の方法で製造してもよく、市販品を用いてもよい。なお、化合物(A)としては、化合物(A)と不純物を含む組成物を用いてもよい。組成物における不純物量は、化合物(B)の製造に影響を及ぼさない程度とする。具体的には、化合物(A)は、化合物(A)の製造時において副生する副生物や未反応原料と共に用いられてもよい。例えば、純度が85質量%以上、好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上の化合物(A)の組成物として、反応(1)に用いることができる。
反応(1)に用いるアルカリ水溶液とは、塩基を水に溶解させた水溶液をいう。塩基は、上記反応(1)が実行可能な塩基であれば特に限定されない。塩基は、金属水酸化物、金属酸化物および金属炭酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
塩基が金属水酸化物である場合、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属水酸化物などが挙げられる。アルカリ土類金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムが挙げられる。アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
金属酸化物の具体例としては、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物が挙げられる。アルカリ金属酸化物の具体例としては、酸化ナトリウムが挙げられる。アルカリ土類金属酸化物の具体例としては、酸化カルシウムが挙げられる。
金属炭酸塩の具体例としては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩が挙げられる。アルカリ金属炭酸塩の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、または、フランシウムの炭酸塩が挙げられる。アルカリ土類金属炭酸塩の具体例としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、または、ラジウムの炭酸塩が挙げられる。
塩基としては、反応時間および反応収率の点から、金属水酸化物が好ましく、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。金属水酸化物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルカリ水溶液における塩基の含有割合は、反応速度の点から、アルカリ水溶液全量(質量)に対する塩基の質量の割合(単位%)が、0.5〜48質量%となる量が好ましく、20〜45質量%がより好ましく、30〜40質量%がさらに好ましい。塩基量が上記範囲未満であると、十分な反応速度が得られないことがある。一方、塩基量が上記範囲を超えると、副生物の生成量が増え、目的物質である化合物(B)の選択率が減少する可能性がある。
反応(1)に用いる第4級アンモニウム塩としては、下式(i)で表される化合物が挙げられる。第4級アンモニウム塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2021175708
式(i)中、R11〜R14は、それぞれ独立して、1価の炭化水素基、または、反応に不活性な官能基が結合した1価の炭化水素基を表し、Yは、陰イオンを表す。
11〜R14は、それぞれ同じ基であってもよいし、異なる基であってもよい。
上記1価の炭化水素基の具体例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基が挙げられ、アルキル基、アリール基が好ましい。上記1価の炭化水素基の炭素数は、4〜100が好ましく、6〜30がより好ましい。
上記反応に不活性な官能基が結合した1価の炭化水素基中の上記反応に不活性な官能基の具体例としては、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ニトリル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシル基が挙げられる。
式(i)における第4級アンモニウム(R11121314)の具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ−n−プロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、メチルトリ−n−オクチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、セチルベンジルジメチルアンモニウム、セチルピリジニウム、n−ドデシルピリジニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、フェニルトリエチルアンモニウム、N−ベンジルピコリニウム、ペンタメトニウム、ヘキサメトニウム等が挙げられる。
の具体例としては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、硫酸水素イオン、水酸化物イオン、酢酸イオン、安息香酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオンが挙げられ、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸水素イオン、水酸化物イオンが好ましく、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、水酸化物イオンがより好ましく、塩素イオン、臭素イオンがさらに好ましい。
式(i)で表される化合物としては、汎用性および反応性の点から、下記第4級アンモニウム(R11121314)と、下記Yとの組合せが好ましい。
第4級アンモニウム(R11121314):テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ−n−プロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、メチルトリ−n−オクチルアンモニウム。
:フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、水酸化物イオン。
第4級アンモニウム塩の具体例としては、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド(TBAC)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(TBAB)、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリド(TOMAC)が挙げられる。
反応(1)に用いる第4級アンモニウム塩の量は、化合物(A)の100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5.0質量部がより好ましく、0.1〜2.0質量部がさらに好ましく、0.1〜1.0質量部が特に好ましい。第4級アンモニウム塩の量が上記範囲内であると、十分な反応速度が得られやすい。上記範囲の下限未満であると反応促進効果は得られにくく、上記範囲の上限を超えるとコスト面で不利になりやすい。第4級アンモニウム塩を均一に存在させるため、第4級アンモニウム塩を水溶液とするか、または、予め化合物(A)または塩基水溶液に混合しておき、溶液の状態で反応(1)に用いることが好ましい。
反応(1)の具体例として、化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)の組合せを表1〜4に記載するが、これらの化合物に限定されない。なお、化合物(B)のうち幾何異性体が存在する化合物は、いずれか単独の化合物が得られてもよく、異性体混合物として得られてもよい。表1〜4において化合物の略称は、パーフルオロプロペンをHFPとした以外は、ハロゲン化炭化水素の略称は、頭に付ける分類を示すHFC、HFO等の大文字の表記を省略して、数字およびアルファベット小文字部分だけを用いた。
Figure 2021175708
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表1〜4に示す反応の中でも、反応例番号40に示す225caの脱HF反応による1214yaの製造、反応例番号67に示す234bbの脱HCl反応による1224ydの製造、反応例番号53に示す244caの脱HF反応による1233ydの製造等において、本発明の製造方法を適用すると効果はより顕著であり、好ましい。
反応(1)における反応条件、例えば、温度、圧力等は、通常、アルカリ水溶液と化合物(A)を第4級アンモニウム塩の存在下、液相で接触させ脱HFや脱HCl反応させる際の、反応条件と同様にできる。
反応(1)の反応温度は、例えば、225caの脱HF反応により1214yaを製造する場合は30〜60℃、234bbの脱HCl反応により1224ydを製造する場合は50〜80℃、244caの脱HF反応により1233ydを製造する場合は15〜50℃が好ましい。
反応(1)において、反応器の圧力は、0〜10MPaが好ましく、0.05〜5MPaがより好ましく、0.15〜1MPaがさらに好ましい。反応器内の圧力は、反応温度における化合物(A)の蒸気圧以上であることが好ましい。
反応(1)は、通常、反応器内に化合物(A)、アルカリ水溶液、第4級アンモニウム塩の所定量を導入して行われる。反応器の材質としては、化合物(A)、アルカリ水溶液、第4級アンモニウム塩ならびに反応生成物を含む反応液成分等に不活性で、耐蝕性の材質であれば特に制限されない。例えば、ガラス、鉄、ニッケル、および鉄等を主成分とするステンレス鋼等の合金などが挙げられる。
反応(1)においては、工業的に目的の化合物(B)を大量に生産する観点から、反応器に撹拌翼を設置し、それを撹拌させることにより生成させることが好ましい。撹拌翼としては、4枚パドル翼、アンカー翼、ゲート翼、3枚プロペラ、リボン翼、6枚タービン翼等が挙げられる。反応(1)は、バッチ式で行ってもよいし、半連続式、連続流通式で行ってもよい。
次いで、反応(1)により得られる反応液を、放置し有機相と水相に分離させ、化合物(B)を含む有機相を回収する。これにより、反応液から、アルカリ水溶液、HCl、HF等のハロゲン化水素の殆どが除去される。得られる有機相中には、通常、目的生成物である化合物(B)以外に、未反応の化合物(A)、副生物、製造過程で生成する中間体、第4級アンモニウム塩等が含まれる。
上記有機相において、第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm以下である場合、該有機相をそのまま第1の組成物として蒸留を行う。有機相において、第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm超である場合、該有機相を第2の組成物として、この第2の組成物中の第4級アンモニウム塩の含有割合を低減させて第1の組成物を得、次いで蒸留を行う。蒸留の方法については後述する。
第2の組成物から第4級アンモニウム塩を除去して第1の組成物を得る方法としては、上記のとおり、第2の組成物を水で洗浄する水洗処理、第2の組成物を固体吸着剤と接触させる固体吸着剤処理およびこれらの処理の組合せが挙げられる。
(水洗処理)
第2の組成物を水で洗浄する方法としては、洗浄容器内で水と第2の組成物を接触させる、具体的には、水と第2の組成物を混合した後、第2の組成物と水の混合物を放置し水相と有機相に分離させて、有機相を回収する方法が挙げられる。
洗浄に用いる水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水が挙げられる。第2の組成物と水の割合は、第2の組成物中の第4級アンモニウム塩の含有割合に応じて適宜選択できる。具体的には、操作性と効率の観点から、第2の組成物の100質量部に対して、水を50〜300質量部用いるのが好ましい。
第2の組成物を水と混合する方法としては、撹拌およびラインミキサーを使用する方法等が挙げられる。処理設備中の滞留時間は、10分から3時間が好ましく、30分〜1時間がより好ましい。
第2の組成物の水洗処理に使用する洗浄容器は、水と第2の組成物の混合を十分に行える混合手段付き容器が好ましい。また、洗浄容器の材質としては、例えば、ガラス、鉄、ニッケル、またはこれらを主成分とする合金、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)等のフッ素樹脂等が挙げられる。
第2の組成物を上記のように水で洗浄し、有機相を分取して第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm以下の第1の組成物を得る。上記水洗処理の操作を1回行っても第1の組成物が得られない場合、上記操作を繰り返し行えばよい。さらに、水洗処理により第4級アンモニウム塩の含有割合が低減された第2の組成物を以下の固体吸着剤処理に供することで、第1の組成物を得てもよい。
(固体吸着剤処理)
固体吸着剤処理に用いる固体吸着剤は、第2の組成物中の目的物である含フッ素不飽和炭化水素、好ましくは化合物(B)を吸着することなく、第4級アンモニウム塩を吸着できればよい。固体吸着剤は、さらに第2の組成物中の不純物、特には、含フッ素不飽和炭化水素と沸点の近い不純物や含フッ素不飽和炭化水素と共沸する不純物を吸着する性質を有するものが好ましい。固体吸着剤としては、活性炭、ゼオライト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。固体吸着剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
固体吸着剤は、第2の組成物と接触させる前に、予め100℃〜400℃の乾燥ガスにより加熱処理されたもの、または減圧下で加熱処理されたものが好ましい。これにより、第4級アンモニウム塩の吸着性能を向上させることができる。
活性炭は、例えば、木材、木粉、ヤシ殻、パルプ製造時の副産物、バカス、廃糖蜜、泥炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭、石油蒸留残渣成分、石油ピッチ、コークス、コールタール等の植物系原料や化石系原料、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、レゾルシノール樹脂、セルロイド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等の各種合成樹脂、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン等の合成ゴム、その他合成木材、合成パルプ等の活性炭原料の炭化、賦活によって得られる活性炭が挙げられる。これらの活性炭原料の中では、第4級アンモニウム塩に対して、高い吸着性能を有するため、ヤシ殻が好適に使用される。
活性炭は、第4級アンモニウム塩の吸着性能に優れる点で、−196℃での窒素吸着法により測定した(Micromeritics製 ASAP2405等を使用)細孔特性として、比表面積が、600m/g〜2500m/gが好ましく、1000m/g〜1600m/gがより好ましく、平均細孔直径は、1.6nm〜3.5nmが好ましく、1.7nm〜2.0nmがより好ましい。細孔容積は0.25mL/g〜1.5mL/gが好ましく、0.3mL/g〜1.0mL/gがより好ましい。
同様に、活性炭は、第4級アンモニウム塩の吸着性能に優れる点で、JIS K1474試験法により測定した一般物性値として、乾燥減量が5.0質量分率%以下であり、0質量%を超え〜5.0質量%が好ましく、強熱残分は5.0質量分率%以下が好ましい。充填密度は、0.25g/mL〜0.85g/mLが好ましく、0.35g/mL〜0.60g/mLがより好ましい。pHは、4.0〜12.0が好ましく、5.0〜11.0がより好ましい。アセトン吸着性能は、14.0質量分率%〜41.0質量分率%が好ましく、25.0質量分率%〜39.0質量分率%がより好ましい。ヨウ素吸着性能が600mg/g〜2600mg/gが好ましく、900mg/g〜1600mg/gがより好ましい。硬さは90.0質量分率%〜100.0質量分率%が好ましい。
活性炭の形状としては、長さ2mm〜10mm程度の成形炭、4メッシュ〜50メッシュ程度の破砕炭、粒状炭等が挙げられ、活性の点から、4メッシュ〜50メッシュの破砕炭、または長さ2mm〜5mmの成形炭が好ましい。なかでも、経済的に有利な点で、破砕状の活性炭が好ましく、破砕状のヤシ殻活性炭が特に好ましい。活性炭は市販品を用いてもよく、公知の方法で製造した活性炭を用いてもよい。さらに、活性炭としては、酸処理、熱処理、水蒸気処理等の前処理を施したものも使用できる。
活性炭は、市販品として容易に入手可能である。活性炭の市販品としては、例えば、クラレコール4GS(クラレ社製の商品名)、粒状白鷺(大阪ガスケミカル社商品名)等が挙げられる。
ゼオライトとしては、例えば以下の化学式(6)または(7)で示す化学組成を有する合成ゼオライトが挙げられる。
Na[(AlO12(SiO12]・27HO …………(6)
(ここで、x+y=12であり、x:y=4:6〜8:2である。)
Na[(AlO86(SiO106]・276HO …………(7)
(ここで、x+y=86であり、x:y=4:6〜8:2である。)
ゼオライトとしては、例えば、ゼオライト3A、4Aおよび5Aが挙げられる。ゼオライト3A、4Aおよび5Aとは、細孔径が0.25nm〜0.45nmを有する合成ゼオライトである。
ゼオライト3Aとは、細孔径が0.28nm±0.03nmを有する合成ゼオライトをいう。ただし、通常の操作温度において空洞内に入ってくる分子の伸縮と運動エネルギーのために、この合成ゼオライト3Aは有効直径0.3nmまでの分子を通過させることができる。
ゼオライト4Aとは、細孔径が0.35nm±0.03nmを有する合成ゼオライトをいう。
ゼオライト5Aとは、細孔径が0.42nm±0.03nmを有する合成ゼオライトをいう。
このようなゼオライトとして、A型合成ゼオライトのうちで3A、4Aおよび5Aと表記されるものが挙げられる。市販品としては、モレキュラーシーブ3A、4A、5A(ユニオン昭和社の商品名)等がある。X型合成ゼオライトの市販品としては、モレキュラーシーブ13Xがある。ゼオライト3A、4Aまたは5Aに加えて、モレキュラーシーブ13Xを併用してもよい。固体吸着剤の細孔径は、定容量式ガス吸着法により測定することができる。上記定容量式ガス吸着法に使用する吸着ガスとしては、N、CO、CH、H、Ar等が挙げられる。
シリカは、主としてSiOの化学組成を有する化合物である。シリカとしては、多孔質合成シリカゲル、メソポーラスシリカ、シリカアルミナ等が挙げられる。シリカは1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
固体吸着剤として用いられるシリカの形状としては、粉末状、微粒子状、顆粒状、薄膜状等が挙げられる。シリカの形状は、第2の組成物との接触方法に応じて適した形状を適宜選択することができる。シリカの形状は、第4級アンモニウム塩の吸着性能の点で、粉末状または微粒子状が好ましい。なかでも、微粒子状のシリカは、液状の第2の組成物中に均一に分散されて分散液の状態になるため、取り扱い易い。微粒子状のシリカは、後述の吸着層を容器内に形成し易い。
多孔質合成シリカゲルは、細孔を有するシリカゲルである。多孔質合成シリカゲルの形状は、破砕した非球状であっても、球状であってもよいが、強度が高く、リサイクル使用しやすい点から、球状が好ましい。「球状」とは真球に限定されず、楕円球等やや変形した球形を含む。「球状」は好ましくは平均球形度0.5以上であり、より好ましくは0.85以上である。
球状の多孔質合成シリカゲルの平均粒径は0.1μm〜10000μmが好ましく、1μm〜5000μmがより好ましい。球状の多孔質合成シリカゲルの平均細孔径は0.5nm〜100nmが好ましく、2nm〜50nmがより好ましい。球状の多孔質合成シリカゲルの比表面積は10m/g〜10000m/gが好ましく、30m/g〜1000m/gがより好ましい。これらの範囲を外れる場合、有効粒子や細孔の含有率が低下し、吸着性能の低下を招くおそれがある。
多孔質合成シリカゲルは、市販品として容易に入手可能であり、公知の方法により合成することもできる。さらに、この多孔質合成シリカゲルは、活性化処理等の前処理が施されていてもよい。例えば、多孔質合成シリカゲルの市販品としては、クロマトグラフの担体としてもよく用いられているシリカゲル40、シリカゲル60、和光純薬工業社製Wakosil C−200、Wakosil C−300、関東化学社製球状シリカゲル等が挙げられる。
本明細書において、平均粒径は、JIS Z 8801に規定するふるい分け法で測定した質量基準50%平均粒径の値である。比表面積は、N、CO、CH、H、Ar等を用いて、ガス吸着法で測定することができる。
メソポーラスシリカとは、均一で規則的なメソ孔(直径2nm〜50nmの細孔)を持つ、主としてSiOの化学組成を有する無機物である。メソポーラスシリカの形状は、球状、粉末状、微粒子状、薄膜状等が挙げられる。なかでも、比表面積が大きく、強度が高く、リサイクル使用しやすく、簡便に工業生産できる面から、球状の微粒子がより好ましい。メソポーラスシリカの細孔径は2nm〜50nmが好ましく、2nm〜10nmがより好ましい。メソポーラスシリカの細孔径が2nmより小さくなると、メソポーラスシリカ中への第2の組成物の拡散速度が低く、吸着性能が低下するおそれがある。一方、メソポーラスシリカの細孔径が50nmより大きくなると、第2の組成物とメソポーラスシリカが十分に接触せず、高選択率、高収率が得られないおそれがある。
メソポーラスシリカのBET比表面積は10m/g〜3000m/gが好ましく、50m/g〜3000m/gがより好ましい。このようなBET比表面積のメソポーラスシリカは、容易に製造でき、第2の組成物に効率よく接触して第4級アンモニウム塩を効果的に吸着することが可能である。
メソポーラスシリカの平均粒径は0.2μm〜10000μmが好ましく、1μm〜5000μmがより好ましい。
メソポーラスシリカの代表的な例として、MCM−41、MCM−48、MCM−50、SBA−1、SBA−11、SBA−15、SBA−16、FSM−16、KIT−5、KIT−6、HMS(六方晶)、MSU−F、MSU−H等が挙げられる。これらのメソポーラスシリカは市販されているものを入手して使用することができる。公知の方法によって合成することもできる。
シリカアルミナは、シリカ(SiO)とアルミナ(Al)を主成分とする複合酸化物であり、結晶性のものであっても、非晶質のものであってもよい。シリカアルミナ中におけるシリカおよびアルミナの含有率の合計は95質量%以上であり、かつシリカの含有率は50mol%以上が好ましい。
シリカアルミナの形状としては、球状、粉末状、微粒子状、薄膜状等が挙げられる。なかでも、比表面積が大きく、強度が高く、リサイクル使用しやすく、簡便に工業生産できる面から、球状の微粒子が好ましい。
球状微粒子のシリカアルミナの平均粒径は0.2μm〜20000μmが好ましく、1μm〜10000μmがより好ましい。球状微粒子のシリカアルミナの平均細孔径は1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。球状微粒子のシリカアルミナの比表面積は10m/g〜10000m/gが好ましく、30m/g〜1000m/gがより好ましい。上記平均粒径や比表面積の球状微粒子のシリカアルミナは、容易に製造できる。また上記平均粒径や比表面積であれば、第2の組成物の拡散速度が高く、第4級アンモニウム塩の吸着性能に優れる。
シリカアルミナは、市販品として容易に入手可能であり、公知の方法により合成することができる。さらに、このシリカアルミナは、必要に応じて活性化処理等の前処理を施したものであってもよい。
シリカアルミナの市販品としては、例えば、富士シリシア化学社製シリカアルミナ308、日揮触媒化成社製N633HN、N631HN、N633L、N631L、シグマアルドリッチ社製Al−MCM−41、Al−MSU−F等が挙げられる。
アルミナは、主としてAlの化学組成を有する化合物である。アルミナとしては、活性アルミナが好ましい。活性アルミナは、無機多孔質体であり、水酸化アルミニウムから高温安定相であるα−アルミナへの転移過程における準安定相のアルミナである。比表面積が大きく吸着性能に優れることから、活性アルミナは非晶質ないしγ−アルミナが好ましい。
活性アルミナの形状は、球状、円柱状、角柱状、タブレット状、中空円筒状、ハニカム状等の成形体が好ましく、粒径が3mm〜8mmの粒状物が取り扱いの点で、また固−気接触時の圧力損失を可及的に少なくする点で好ましい。
活性アルミナに含有される細孔は、ミクロポア(細孔径20オングストローム以下)、マクロポア(細孔径500オングストローム以上)および両者の中間に位置するメソポアに分類される。これらの細孔のうち、第4級アンモニウム塩を物理的吸着するのはミクロポアであり、メソポアおよびマクロポアは第2の組成物の拡散律速を緩和すると考えられる。ミクロポアの占める細孔容積は全細孔容積の10%〜50%の範囲内にあることが好ましい。活性アルミナ中のメソポアおよびマクロポアの細孔径や容積は、活性アルミナを製造する際の原料の種類や、成形条件を調節することにより、調節することができる。
活性アルミナは、第4級アンモニウム塩の吸着性能に優れる点で、BET比表面積が50m/g〜350m/gが好ましく、100m/g〜350m/gがより好ましい。活性アルミナの、窒素吸着法で測定した平均細孔径は、5オングストローム〜200オングストロームが好ましく、10オングストローム〜150オングストロームがより好ましい。活性アルミナの細孔容積は、0.1mL/g〜0.8mL/gが好ましく、0.2mL/g〜0.5mL/gがより好ましい。
固体吸着剤のうち2種以上を併用する場合には、接触させる固体吸着剤の順序は特に限定されない。例えば、第2の組成物を、固体吸着剤の2種以上に、順番に接触させてもよく、固体吸着剤の2種以上を混合する等して、同時に接触させてもよい。順番に接触させる場合には、用いられる固体吸着剤のそれぞれについて、以下の接触方法によって第2の組成物と固体吸着剤とを接触させればよい。
固体吸着剤の処理方法としては、第2の組成物を液体の状態(液状)で固体吸着剤と接触させることが好ましい。ガスの状態(ガス状)で接触させる場合と比べて、体積効率に優れ、容器の内壁の腐食を抑えることができる。
液状の第2の組成物を用いる場合は、例えば、容器内に吸着層を形成し、その吸着層に、液状の第2の組成物を流通させることで固体吸着剤と第2の組成物を接触させる。吸着層は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。吸着層が2つ以上の場合、それらの吸着層は並列であっても直列であってもよい。
固体吸着剤を収容した容器内で、第2の組成物に固体吸着剤を浸漬し、必要に応じて混合、撹拌することで固体吸着剤と第2の組成物を接触させてもよい。固体吸着剤と液状の第2の組成物の接触は、バッチ式でもよく、連続式でもよい。
第2の組成物を液状で固体吸着剤に接触させるには、例えば、第2の組成物を常圧で沸点以下の温度に調節する。第2の組成物を溶媒に溶解させて液状としてもよい。この際、目的物である含フッ素不飽和炭化水素、好ましくは化合物(B)と沸点の異なる溶媒を用いると、後述の蒸留で該溶媒を第1の組成物から容易に除去できる。
固体吸着剤と第2の組成物の接触時の容器内の温度は、目的物である含フッ素不飽和炭化水素、好ましくは化合物(B)の沸点と、固体吸着剤による第4級アンモニウム塩の除去効率と、固体吸着剤処理後に得られる第1の組成物の冷却に要するエネルギーとを勘案して適宜調整される。なお、吸着層を用いる場合の吸着層の温度は、固体吸着剤と第2の組成物の接触時の容器内の温度と同じである。
固体吸着剤と第2の組成物の接触時の容器内の温度は、−30℃〜70℃が好ましく、10℃〜40℃がより好ましい。容器内の温度とは、第2の組成物の温度を意味する。容器内の温度が下限値以上であれば、第4級アンモニウム塩の除去速度が向上する。容器内の温度が上限値以下であれば、固体吸着剤処理後に得られる第1の組成物の冷却に要するエネルギーがより少なくてすみ、設備等も簡便になる。
固体吸着剤と第2の組成物の接触時の容器内の圧力(ゲージ圧)は、0kPa〜200kPaが好ましく、100kPa〜150kPaがより好ましい。圧力が下限値以上であれば、第4級アンモニウム塩の除去速度が向上する。圧力が上限値以下であれば、取り扱い性がよく、設備等が簡便ですむ。
吸着層に液状の第2の組成物を流通させる方法においては、吸着層に流通させる第2の組成物と吸着層との接触時間は、1秒〜1000秒が好ましく、3秒〜300秒がより好ましい。さらに好ましくは、上記吸着層と液が充填された容器間を循環させ、3時間から60時間の接触時間を確保することが望ましい。第2の組成物と吸着層との接触時間が下限値以上であれば、第4級アンモニウム塩の除去効率が向上する。第2の組成物と吸着層との接触時間が上限値以下であれば、第2の組成物の固体吸着剤処理に用いる吸着層が小さくて済むので、設備等が簡便になる。吸着層に第2の組成物を流通させる方法においては、接触時間は、第2の組成物の容器内での滞留時間に相当し、第2の組成物の容器への供給量(流量)を調節することで制御できる。
固体吸着剤を収容した容器内で固体吸着剤を第2の組成物に浸漬する方法においては、容器内における液状の第2の組成物と固体吸着剤との接触時間は、1時間〜100時間が好ましく、3時間〜60時間がより好ましい。液状の第2の組成物と固体吸着剤との接触時間が下限値以上であれば、第4級アンモニウム塩の除去効率が向上する。液状の第2の組成物と固体吸着剤との接触時間が上限値以下であれば、第2の組成物の精製に用いる固体吸着剤の量が少なくて済むので、設備等が簡便になる。
固体吸着剤を、容器内で第2の組成物に浸漬する方法では、第2の組成物の精製後に、沈降あるいはろ過によって、精製された組成物と固体吸着剤を分離することができる。
第4級アンモニウム塩の除去効率の点から、固体吸着剤に接触させる液状の第2の組成物の量は、第4級アンモニウム塩の量が固体吸着剤1質量部に対して、好ましくは0.05質量部以下、より好ましくは0.02質量部以下となるように調節される。
液状の第2の組成物と固体吸着剤との接触に使用する容器としては、例えば、固体吸着剤を収容できるものや、固体吸着剤からなる吸着層を形成できるものであればよい。容器の材質としては、例えば、ガラス、鉄、ニッケル、またはこれらを主成分とする合金、PFA等のフッ素樹脂等が挙げられる。混合液を固体吸着剤と混合して接触させる容器としては、所望の温度、圧力で、固体吸着剤に第2の組成物を液体状態で接触させることのできる容器、例えば、オートクレーブが挙げられる。
第2の組成物を上記のように固体吸着剤に接触させて、第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm以下の第1の組成物を得る。上記固体吸着剤処理の操作を1回行うことで第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm以下の第1の組成物が得られない場合、上記操作を第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm以下となるまで繰り返し行えばよい。さらに、固体吸着剤処理により第4級アンモニウム塩の含有割合が低減された第2の組成物を水洗処理に供することで、第1の組成物を得てもよい。
(蒸留)
本発明の製造方法においては、第4級アンモニウム塩が300質量ppm以下であって、含フッ素不飽和炭化水素を含む第1の組成物、例えば、上記のようにして得られた第1の組成物を蒸留して精製含フッ素不飽和炭化水素を得る。
本発明の製造方法によれば、第4級アンモニウム塩の含有割合が十分に低減された第1の組成物を用いることで、蒸留塔の内壁が殆ど浸食されることなく、蒸留が実行可能である。すなわち、第1の組成物を用いて蒸留を行う本発明の製造方法は、第1の組成物より含フッ素不飽和炭化水素の含有割合が高められた精製含フッ素不飽和炭化水素の製造を、蒸留塔の内壁を殆ど浸食させることなく行える、工業的に優位な方法である。
蒸留の方法は、得られる精製含フッ素不飽和炭化水素において、第1の組成物より含フッ素不飽和炭化水素の含有割合が高められる方法であれば、制限されない。蒸留装置は、公知の蒸留装置を用いることができる。蒸留装置は、例えば、蒸留塔を有し、蒸留塔に、第1の組成物を供給する供給管と、蒸留塔の塔頂から留出物を取り出す留出物排出管と、蒸留塔の塔底から缶出物を取り出す缶出物排出管とが接続された蒸留装置が挙げられる。精製含フッ素不飽和炭化水素は、留出物排出管または缶出物排出管から回収できる。
蒸留装置は、バッチ式、連続式のいずれでもよい。また、蒸留塔は、中空式、多段式のいずれでもよい。蒸留装置における蒸留塔およびこれに接続する管の材質は、一般的な蒸留装置における蒸留塔およびこれに接続する管の材質と同様とできる。例えば、汎用の材料である炭素鋼、SUS304、SUS316L等のオーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼が挙げられる。
本発明の製造方法によれば、蒸留塔およびこれに接続する管に、耐食性の高いハステロイ、インコネル、モネル等を用いた場合も、効果は得られる。ただし、本発明の製造方法によれば、蒸留塔およびこれに接続する管に上述の汎用の材料を用いた場合に、第2の組成物のような第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm超の組成物を蒸留する方法に比べて、蒸留による浸食が抑制される効果が顕著である。
蒸留時の蒸留塔内の圧力、蒸留塔の塔頂温度、塔底温度は、含フッ素不飽和炭化水素の種類および第1の組成物が含有する不純物の種類、量により通常の方法により適宜設定できる。
以下に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実験例1]
PFAライニング製の密閉容器(200mL)に予め、質量3.0〜3.2[g]、密度7.93[kg/L]、表面積507〜523[mm]のSUS304製の試験片を入れた後、1224yd(純度100%)を100g導入し、TBABを加えずに、すなわち、TBAB濃度0質量ppmの条件において、100℃、1MPaで14日間(試験期間[日])の加熱を実施した。加熱終了後、放冷した容器から、試験片を取り出し乾燥、付着物の除去後に質量[g]測定を行った。得られた質量変化[g]から、以下の式(X)によりSUS304製金属片の浸食深さ[mm/年]を算出した。
浸食深さ[mm/年]=金属の質量変化[g]÷金属密度[g/mm]÷金属表面積[mm]÷(試験期間[日]×365)[年] …(X)
なお、式(X)による浸食深さ[mm/年]の算定方法は、「改定 化学装置材料耐食表」(化学工業社、平成元年3月3日改訂発行)に記載された方法である。
上記において、TBAB濃度を、10質量ppm、100質量ppm、300質量ppm、2000質量ppmに変更した以外は同様にして、SUS304製の試験片の浸食試験を行い、SUS304製金属片の浸食深さ[mm/年]を算出した。結果を表5に示す。
[実験例2]
実験例1において、SUS304製の試験片を質量1.3〜1.6[g]、密度7.98[kg/L]、表面積432〜456[mm]のSUS316L製の試験片に変更した以外は実験例1と同様の浸食試験を行い、種々のTBAB濃度の1224yd組成物に浸漬した場合のSUS316L製金属片の浸食深さ[mm/年]を算出した。結果を表5に示す。
[実験例3]
実験例1において、1224ydを、1214ya(純度100%)に変更した以外は実験例1と同様の浸食試験を行い、種々のTBAB濃度の1214ya組成物に浸漬した場合のSUS304製金属片の浸食深さ[mm/年]を算出した。結果を表5に示す。
[実験例4]
実験例3において、SUS304製の試験片をSUS316L製の試験片に変更した以外は実験例3と同様の浸食試験を行い、種々のTBAB濃度の1214ya組成物に浸漬した場合のSUS316L製金属片の浸食深さ[mm/年]を算出した。結果を表5に示す。
Figure 2021175708
[実験例5]
234bbと等モル量の20質量%の水酸化ナトリウム水溶液に、234bbに対して、1質量%のTBABを溶解させ、60℃で1時間、撹拌することで、脱HCl反応を行った。得られた反応液を水相と有機相の二相に分離させ、この有機相を、TBABを含む1224yd組成物(1)として回収した。1224yd組成物(1)のTBAB濃度をNMR分析で定量した結果、434質量ppmであった。
1224yd組成物(1)の870kgに対し、10kgの活性炭(クラレコール4GS)を充填した25℃の容器内を12時間循環させて、1224yd組成物(2)を得た。1224yd組成物(2)のTBAB濃度をNMR分析で定量した結果、2.5質量ppmであった。
1224yd組成物(1)および1224yd組成物(2)をそれぞれ用いて、実験例1、実験例2と同様にして、SUS304製の試験片、SUS316L製の試験片を用いた浸食試験を行い、各金属片の浸食深さ[mm/年]を算出した。結果を表6に示す。
Figure 2021175708
[実験例6]
225caと等モル量の20質量%の水酸化カリウム水溶液に、225caに対して、0.5質量%のTBABを溶解させ、20℃で2時間、撹拌することで、脱HF反応を行った。得られた反応液を水相と有機相の二相に分離させ、この有機相を、TBABを含む1214ya組成物(1)として回収した。1214ya組成物(1)のTBAB濃度をNMR分析で定量した結果、346質量ppmであった。
1214ya組成物(1)の898kgに対し、10kgの活性炭(クラレコール4GS)を充填した25℃の容器内を12時間循環させて、1214ya組成物(2)を得た。1214ya組成物(2)のTBAB濃度をNMR分析で定量した結果、0質量ppmであった。
1214ya組成物(1)および1214ya組成物(2)をそれぞれ用いて、実験例1、実験例2と同様にして、SUS304製の試験片、SUS316L製の試験片を用いた浸食試験を行い、各金属片の浸食深さ[mm/年]を算出した。結果を表7に示す。
Figure 2021175708
[実験例7]
244caと等モル量の30質量%の水酸化カリウム水溶液に、244caに対して、3質量%のTBABを溶解させ、60℃で12時間、撹拌することで脱HF反応を行った。得られた反応液を水相と有機相の二相に分離させ、この有機相を、TBABを含む1233yd組成物(1)として回収した。1233yd組成物(1)のTBAB濃度をNMR分析で定量した結果、1985質量ppmであった。
1233yd組成物(1)の70kgに対し、1kgの活性炭(クラレコール4GS)を充填した25℃の容器内を12時間循環させて、1233yd組成物(2)を得た。1233yd組成物(2)のTBAB濃度をNMR分析で定量した結果、12質量ppmであった。
1233yd組成物(1)および1233yd組成物(2)をそれぞれ用いて、実験例1、実験例2と同様にして、SUS304製の試験片、SUS316L製の試験片を用いた浸食試験を行い、各金属片の浸食深さ[mm/年]を算出した。結果を表8に示す。
Figure 2021175708
[実験例8]
実験例5で得られた1224yd組成物(1)の35gに対し、イオン交換水17.5g(1224yd組成物(1)の100質量部に対して50質量部)を混合し、温度20℃で、1時間、振盪させた。振盪後に静置し水相と有機相の二相に分離させ、この有機相を、TBABを含む1224yd組成物(3)として回収した。1224yd組成物(3)のTBAB濃度をNMR分析で定量した結果、134質量ppmであった。
上記においてイオン交換水の量を35g(1224yd組成物(1)の100質量部に対して100質量部)および70g(1224yd組成物(1)の100質量部に対して200質量部)に変更した以外は同様に水洗処理を行い、1224yd組成物(4)および1224yd組成物(5)を得た。1224yd組成物(4)および1224yd組成物(5)のTBAB濃度をNMR分析で定量した。結果を1224yd組成物(3)の結果と共に表9に示す。
Figure 2021175708
[実施例1]
側面に外部から加熱媒体を流通させることができるジャケットを有する1Lのステンレス製(SUS304、肉厚1mm)容器に、上部に充填塔および、冷却可能なジャケットを有する二重管式熱交換器を接続し、実験例5で得られた1224yd組成物(2)(TBAB濃度;2.5質量ppm)を1kg充填し、圧力0.1MPaで装置圧力を管理しつつ、80℃の温水で蒸留を実施した。1日、50gの速度で、蒸留塔の塔頂からTBABを含まない1224ydを留出させ、30日かけて1500g抜き出した後に、加熱を停止した。装置内に残留した組成物を回収した後、蒸留塔の内壁を目視で観察したところ腐食は観察されなかった。
[比較例1]
側面に外部から加熱媒体を流通させることができるジャケットを有する1Lのステンレス製(SUS304、肉厚1mm)容器に、上部に充填塔および、冷却可能なジャケットを有する二重管式熱交換器を接続し、実験例5で得られた1224yd組成物(1)(TBAB濃度;434質量ppm)を1kg充填し、圧力0.1MPaで装置圧力を管理しつつ、80℃の温水で蒸留を実施した。1日、50gの速度で、蒸留塔の塔頂からTBABを含まない1224ydを留出させた。20日後に、蒸留塔の側壁に腐食によるピンホールを確認し、運転を停止した。

Claims (11)

  1. 第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm以下であって、含フッ素不飽和炭化水素を含む第1の組成物を蒸留して精製含フッ素不飽和炭化水素を得る、精製含フッ素不飽和炭化水素の製造方法。
  2. 隣り合う2つの炭素原子の一方の炭素原子が水素原子と結合し、他方の炭素原子がフッ素原子または塩素原子と結合した構造を有する含フッ素飽和炭化水素を、第4級アンモニウム塩の存在下にアルカリ水溶液と接触させ、脱塩化水素または脱フッ化水素させて、前記第1の組成物を得る、請求項1記載の製造方法。
  3. 隣り合う2つの炭素原子の一方の炭素原子が水素原子と結合し、他方の炭素原子がフッ素原子または塩素原子と結合した構造を有する含フッ素飽和炭化水素を、第4級アンモニウム塩の存在下にアルカリ水溶液と接触させ、脱塩化水素または脱フッ化水素させて、第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm超であって含フッ素不飽和炭化水素を含む組成物を得、次いで該組成物中の第4級アンモニウム塩を除去することにより第1の組成物を得る、請求項1記載の製造方法。
  4. 第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm超であって含フッ素不飽和炭化水素を含む組成物を、水で洗浄して第1の組成物を得る、請求項3記載の製造方法。
  5. 第4級アンモニウム塩の含有割合が300質量ppm超であって含フッ素不飽和炭化水素を含む組成物を、固体吸着剤と接触させて第1の組成物を得る、請求項3または4記載の製造方法。
  6. 前記第4級アンモニウム塩は、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミドおよびメチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリドから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記含フッ素不飽和炭化水素は、下記式(B)で表される化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure 2021175708
    式(B)中、
    およびYは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子または炭素原子数1〜5の脂肪族飽和炭化水素基(ただし、水素原子の一部または全部が塩素原子またはフッ素原子で置換されてもよい。)であり、RとRの合計の炭素原子数は1〜5であって、
    、Y、RおよびRのいずれかはフッ素原子を有する。
  8. 前記含フッ素不飽和炭化水素は、パーフルオロプロペンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記含フッ素不飽和炭化水素は、1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,2,3−テトラフルオロプロペン、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンまたは1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記含フッ素不飽和炭化水素は、1,1,2,3−テトラクロロ−3,3−ジフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラクロロ−1,1−ジフルオロプロペン、1,1,3,3−テトラクロロ−2,3−ジフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラクロロ−1,2−ジフルオロプロペン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,2,3−トリクロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン、2,3,3−トリクロロ−1,1,3−トリフルオロプロペン、1,1,3−トリクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン、1,3,3−トリクロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン、3,3,3−トリクロロ−1,1,2−トリフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、2,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロペン、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロペン、3,3−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロペン、2−クロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1−クロロ−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、3−クロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,2−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペン、1,2,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペン、1,1,3−トリクロロ−2,3−ジフルオロプロペン、1,3,3−トリクロロ−1,2−ジフルオロプロペン、1,3,3−トリクロロ−2,3−ジフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、2,3−ジクロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン、1,1−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン、3,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン、3,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、2−クロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロペン、2−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1−クロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロペン、3−クロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロペン、1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、3−クロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロペン、1−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,2−ジフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−2,3−ジフルオロプロペン、3,3−ジクロロ−2,3−ジフルオロプロペン、2−クロロ−1,1,3−トリフルオロプロペン、2−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1−クロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン、3−クロロ−1,1,2−トリフルオロプロペン、1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン、3−クロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン、3−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1−クロロ−2,3,3,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンテン、1−クロロ−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロペンテン、1−クロロ−3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンテン、または1−クロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロペンテンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記含フッ素不飽和炭化水素は、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
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