JP2021172824A - 樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】6〜45質量部の変性デンプン(A)、1〜5質量部の水溶性高分子(B)、1〜50質量部のポリオール可塑剤(C)及び5〜80質量部の熱可塑性樹脂(D)を含み、下記式(1)
0<(A)の質量/(C)の質量<1 (1)
を満たし、該(A)、(B)、(C)及び(D)の合計含有量は100質量部である、樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
1〜5質量部の水溶性高分子(B)、
1〜50質量部のポリオール可塑剤(C)及び
5〜80質量部の、水溶性高分子(B)とは異なる熱可塑性樹脂(D)
を含み、下記式(1);
0<(A)の質量/(C)の質量<1 (1)
を満たし、該(A)、(B)、(C)及び(D)の合計含有量は100質量部である、樹脂組成物。
[2]変性デンプン(A)、水溶性高分子(B)、ポリオール可塑剤(C)及び熱可塑性樹脂(D)の合計含有量は、樹脂組成物の質量に対して、80質量%以上である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]変性デンプン(A)の平均アミロース含有量は45質量%以上である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]水溶性高分子(B)はポリビニルアルコール系樹脂である、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]ポリオール可塑剤(C)は、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、スクロース、マンニトール、ラクチトール、アラビノース、キシロース、フルクトース、グルコース、ガラクトース、リボース、トレハロース、及びグリセロールからなる群から選択される少なくとも1つを含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]熱可塑性樹脂(D)は、ポリオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つを含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]熱可塑性樹脂(D)は、EN13432に準拠した生分解性試験において、生分解性を有する生分解性熱可塑性樹脂を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物からなる、フィルム又はシート。
[9][1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物からなるL1層と、
L1層とは異なり、かつL1層と同じ熱可塑性樹脂(D)を50質量%以上含むL2層及び/又は変性デンプンを50質量%以上含むL3層と、
を含んでなる、積層体。
[10]L3層/L1層/L3層をこの順に有する層構成、
L2層/L1層/L3層をこの順に有する層構成、及び
L2層/L1層/L2層をこの順に有する層構成
からなる群から選択される層構成を少なくとも一部に含んでなる、[9]に記載の積層体。
[11]少なくとも1つのL1層の厚みは10〜450μmであり、少なくとも1つのL2層の厚みは5〜500μmであり、少なくとも1つのL3層の厚みは20〜800μmである、[9]又は[10]に記載の積層体。
[12]L1層の合計厚みは10〜1000μmであり、L2層の合計厚みは5〜1000μmであり、L3層の合計厚みは20〜2000μmである、[9]〜[11]のいずれかに記載の積層体。
[13]変性デンプン(A)及び水溶性高分子(B)、並びに、任意にポリオール可塑剤(C)及び/又は熱可塑性樹脂(D)を含む材料(X1)と、
ポリオール可塑剤(C)及び/又は熱可塑性樹脂(D)を含む材料(X2)と、
を混合する工程を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[14]前記工程において、材料(X1)は、変性デンプン(A)、水溶性高分子(B)及び熱可塑性樹脂(D)を少なくとも含み、材料(X2)は、ポリオール可塑剤(C)を少なくとも含む、[13]に記載の方法。
[15]前記工程は、積層体である材料(X1)と、材料(X2)とを溶融混練する工程である、[13]又は[14]に記載の方法。
[16]前記積層体は、[9]〜[12]のいずれかに記載の積層体である、[15]に記載の方法。
[17]L1層と、L2層及び/又はL3層を含む他の層とを共押出成形する工程を含む、[9]〜[12]のいずれかに記載の積層体の製造方法。
[18][9]〜[12]のいずれかに記載の積層体からなる、容器。
本発明の樹脂組成物は、6〜45質量部の変性デンプン(A)、1〜5質量部の水溶性高分子(B)、1〜50質量部のポリオール可塑剤(C)、及び5〜80質量部の、水溶性高分子(B)とは異なる熱可塑性樹脂(D)を含み、下記式(1)
0<(A)の質量/(C)の質量<1 (1)
を満たす。該(A)、(B)、(C)及び(D)の合計含有量は100質量部である。
変性デンプン(A)は、例えばエーテル化デンプン、エステル化デンプン、カチオン化デンプン及び架橋デンプンからなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
変性デンプン(A)の含有量は6質量部以上、好ましくは7質量部以上、より好ましくは8質量部以上、さらに好ましくは9質量部以上であり、45質量部以下、好ましくは40質量部以下、より好ましくは35質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下、さらにより好ましくは25質量部以下、特に好ましくは20質量部以下である。変性デンプン(A)の含有量が上記範囲であると、延伸性、衝撃強度、接着強度、及びリサイクル性を高めやすい。
水溶性高分子(B)としては、水溶性高分子であれば特に限定されないが、ポリビニルアルコール系樹脂であることが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂としては、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられ、これらの中でも、延伸性を向上しやすい観点から、ポリビニルアルコールが好ましい。
水溶性高分子(B)の含有量は、1質量部以上、好ましくは1.2質量部以上であり、5質量部以下、好ましくは4.5質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、さらに好ましくは3.5質量部以下、さらにより好ましくは3.0質量部以下である。水溶性高分子(B)の含有量が上記の範囲であると、延伸性及び衝撃強度を向上しやすい。
ポリオール可塑剤(C)としては、特に限定されないが、例えばソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、スクロース、マンニトール、ラクチトール、アラビノース、キシロース、フルクトース、グルコース、ガラクトース、リボース、トレハロース、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられ、これらのポリオール可塑剤(C)は単独又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも、延伸性、衝撃強度、及びリサイクル性を高めやすい観点から、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、スクロース、マンニトール、ラクチトール、アラビノース、キシロース、フルクトース、グルコース、ガラクトース、リボース、トレハロース及びグリセロールからなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、ソルビトール、キシリトール及びスクロースからなる群から選択される少なくとも1つを含むことがより好ましい。なお、ポリオール可塑剤は、例えば市販品を用いることができる。
ポリオール可塑剤(C)の含有量は1質量部以上、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上であり、50質量部以下、好ましくは45質量部以下、より好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは35質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。ポリオール可塑剤(C)の含有量が上記の範囲であると、延伸性、衝撃強度、及びリサイクル性を向上しやすい。
熱可塑性樹脂(D)としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリチオカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂(D)は単独又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも、延伸性、衝撃強度、接着強度、及びリサイクル性を高めやすい観点から、熱可塑性樹脂(D)は、ポリオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。また、本発明の一実施態様では、熱可塑性樹脂(D)は、好ましくは非水溶性の樹脂である。
なお、本明細書において、「由来の構成単位」を単に「単位」という場合があり、例えばジカルボン酸由来の構成単位をジカルボン酸単位、ジオール由来の構成単位をジオール単位、ヒドロキシカルボン酸由来の構成単位をヒドロキシカルボン酸単位という。
なお、熱可塑性樹脂(D)は、慣用の方法により製造してもよいし、市販品を用いてもよい。
熱可塑性樹脂(D)の含有量は5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上、さらにより好ましくは40質量部以上、特に好ましくは50質量部以上、特により好ましくは55質量部以上であり、80質量部以下、好ましくは75質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。熱可塑性樹脂(D)の含有量が上記の範囲であると、延伸性、衝撃強度、接着強度、及びリサイクル性を向上しやすい。
本発明の樹脂組成物は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量部に対して、6〜45質量部の変性デンプン(A)、1〜5質量部の水溶性高分子(B)、1〜50質量部のポリオール可塑剤(C)及び5〜80質量部の熱可塑性樹脂(D)を含み、下記式(1);
0<(A)の質量/(C)の質量<1 (1)
を満たすため、優れた延伸性と、低温低湿下における優れた衝撃強度とを両立できる。また、該樹脂組成物からなる層を含んでなる積層体は、該層に隣接する層との界面において優れた接着強度を発現できる。さらに、後述の通り、本発明の樹脂組成物は優れたリサイクル性も有する。そのため、本発明の樹脂組成物は、食品用包装及び容器等の材料として好適に使用できる。
本発明は、前記樹脂組成物からなるL1層と、L1層とは異なり、かつ熱可塑性樹脂を50質量%以上含むL2層及び/又は変性デンプンを50質量%以上含むL3層とを含んでなる積層体を包含する。本発明の積層体は、L1層が本発明の樹脂組成物からなり、L2層が熱可塑性樹脂を50質量%以上含み、L3層が変性デンプンを50質量%以上含むため、L1層とL2層及び/又はL3層が隣接する場合、L1層との界面における接着強度に優れている。そのため、本発明の積層体は接着剤を介さずに十分な強度を有することができる。
少なくとも1つのL2層の厚みは、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上であり、より好ましくは500μm以下、さらに好ましくは200μm以下、特に好ましくは80μm以下である。
少なくとも1つのL3層の厚みは、より好ましくは50μm以上、さらに好ましくは70μm以上、特に好ましくは200μm以上であり、より好ましくは800μm以下、さらに好ましくは600μm以下、特に好ましくは400μm以下である。
L2層の合計厚みは、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上であり、より好ましくは1000μm以下、好ましくは500μm以下、さらに好ましくは200μm以下である。
L3層の合計厚みは、より好ましくは50μm以上、さらに好ましくは70μm以上、特に好ましくは200μm以上であり、より好ましくは1600μm以下、さらに好ましくは1200μm以下、特に好ましくは800μm以下である。層の合計厚みは、該層が1層の場合は1層の厚みを示し、2層以上の場合は全ての層の合計厚みを示す。なお、各層の厚みは、顕微鏡を用いて測定すればよく、例えば実施例に記載の方法により測定できる。
また、L1層とL3層との界面における接着強度は、好ましくは15N/15mm以上、より好ましくは20N/15mm以上、さらに好ましくは25N/15mm以上である。該接着強度が上記の下限以上であると、優れた接着性を発現しやすい。該接着強度は、通常100N/15mm以下である。なお、接着強度は、積層体を温度23度、湿度50%RHの条件下で2週間調湿後、界面を引張試験機で引っ張ることで測定でき、例えば実施例に記載の方法により測定できる。
L2層/L1層/L2層;L3層/L1層/L3層;L3層/L1層/L2層;L2層/L3層/L1層/L3層/L2層;L2層/L1層/L3層/L1層/L2層。
本発明の樹脂組成物は、例えば、少なくとも、前記変性デンプン(A)、前記水溶性高分子(B)、前記ポリオール可塑剤(C)及び前記熱可塑性樹脂(D)を混合して混合物を得るステップ(1)、該混合物を押出すステップ(2)、及び押出された混合物を冷却及び乾燥するステップ(3)を含む方法により製造できる。
本発明の樹脂組成物はリサイクル性に優れている。本明細書において、リサイクル性とは、該樹脂組成物を構成する成分(A)及び成分(B)、並びに、任意に成分(C)及び/又は成分(D)を含有する材料(X1)を再利用して、本発明の樹脂組成物を形成し得る特性を示す。特に材料(X1)からなる層や該層を含む積層体を再利用して、本発明の樹脂組成物を形成する態様が好ましい。ここで、材料(X1)は本発明の樹脂組成物の組成を満たしている場合の他、該組成を満たしていない場合も含む意味である。
(1)材料(X1);(A)(B)、材料(X2);(C)(D)
(2)材料(X1);(A)(B)(C)、材料(X2);(D)
(3)材料(X1);(A)(B)(C)、材料(X2);(C)(D)
(4)材料(X1);(A)(B)(D)、材料(X2);(C)
(5)材料(X1);(A)(B)(D)、材料(X2);(C)(D)
(6)材料(X1);(A)(B)(C)(D)、材料(X2);(C)
(7)材料(X1);(A)(B)(C)(D)、材料(X2);(D)
(8)材料(X1);(A)(B)(C)(D)、材料(X2);(C)(D)。
本発明の積層体の製造方法は、特に限定されないが、例えば共押出成形する方法;押出機から押出した組成物を引取機で搬送された層上に被覆する方法;これらを組み合わせる方法などであってよい。
本発明におけるリサイクルの一実施態様をより詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施態様にかかる積層体のリサイクルのスキームを示す概略図である。積層体1は、本発明以外の積層体であり、L3層/L2層/L3層をこの順に有する積層体である。積層体1をリサイクルする際には、積層体1である材料(X1)と、ポリオール可塑剤(C)及び/又は熱可塑性樹脂(D)を含む材料(X2)とを混合等することにより樹脂組成物2を形成する。次いで、得られた樹脂組成物2を、共押出成形等することにより、該樹脂組成物2からなるL1層を含む積層体3を形成する。これにより、積層体3中のL1層はリサイクルされた層(回収層ともいう)となる。積層体3の層構成は、L2層/L1層(回収層)/L3層/L1層(回収層)/L2層の順である。次いで、積層体3である材料(X1)と、ポリオール可塑剤(C)及び/又は熱可塑性樹脂(D)を含む材料(X2’)とを混合等することにより樹脂組成物4を形成する。上記と同様に、得られた樹脂組成物4を、共押出成形等することにより、該樹脂組成物4からなるL1’層(回収層)を含む積層体5が形成される。積層体5の層構成は、L2層/L1’層(回収層)/L3層/L1’層(回収層)/L2層の順である。このように、本発明の樹脂組成物又は積層体は、繰り返しリサイクルすることができ、しかも、リサイクルされた樹脂組成物及び積層体であっても、優れた延伸性、衝撃強度、接着強度等を有することができる。
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物(単層シート)の延伸性を以下の方法に従って評価した。
実施例及び比較例で得られた250μmの単層シートを幅15mm、長さ10cmの短冊状に切断した。次いで、切断したサンプルの短辺の両端を以下の引張試験機のチャックに挟んだ後、一定の速度(500mm/分)をかけ、延伸し破断するまで測定を行った。延伸する前のチャック間の距離を初期長さA0(mm)とし、破断した際のチャック間の距離を破断長さA1(mm)とした際に、下記式で単層シートの破断点ひずみを算出した。
破断点ひずみ(%)=A1/A0×100
引張試験機:インストロン社製「INSTRON3367」、ロードセル500N
なお、樹脂組成物(単層シート)の延伸性は、破断点ひずみが170%以上であれば、良好であると評価できる。
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物(単層シート)の低温低湿度での衝撃強度は以下の方法に従って評価した。
実施例及び比較例で得られた250μmの単層シートを幅10cm、長さ10cmの正方形に切断した。次いで、切断したサンプルを温度0℃、湿度10%RHの条件下で2週間調湿した後、以下の衝撃強度試験機の試料台に固定し、15kg錘を取り付けた振り子がサンプルを破壊するのに要するエネルギーを測定し、下記式で衝撃強度を算出した。
衝撃強度(mN/μm)=サンプルを破壊するのに要するエネルギー(kgf・cm)×1000×0.098/サンプルの厚み(μm)
衝撃強度試験機:東洋精機社製「フィルムインパクトテスタ」
なお、樹脂組成物(単層シート)の衝撃強度は、2.5mN/μm以上であれば、良好であると評価できる。
実施例及び比較例で得られた積層体(多層シート)の接着強度は以下の方法に従って評価した。
実施例及び比較例で得られた積層体(L2層/L1層/L3層/L1層/L2層)を幅15mm、長さ10cmの短冊状に切断した。熱可塑性樹脂からなるL2層と樹脂組成物からなるL1層の界面(2つの界面の内の一方)と、変性デンプンを含むL3層と樹脂組成物からなるL1層の界面(2つの界面の内の一方)を測定対象の界面とした。
切断したサンプルを温度23℃、湿度50%RHの条件下で2週間調湿した後、以下の装置を用いて、以下の条件で測定対象の界面を引っ張ることで剥離させ、各界面における接着強度を測定した。
測定装置:インストロン社製「INSTRON3367」、ロードセル最大荷重1kN
測定条件:温度:23℃、湿度:50%RH、剥離面角度:180°
接着強度(N/15m)=サンプルを剥離するのに必要なエネルギー(kgf)×9.8
なお、L2層とL1層との界面における接着強度は25N/15mm以上であれば、良好であると評価でき、L3層とL1層との界面における接着強度は15N/15mm以上であれば、良好であると評価できる。
実施例及び比較例で得られた単層シート、及び多層シートの各層における厚みは、断面出しを行い、光学顕微鏡により測定した。
断面出し装置:大和光機工業社製、「小型回転式ミクロトーム PR−50」
測定装置:ニコン社製、「ECLIPSE Ci−E」
JIS Z 8803(落球式粘度計)及びJIS K 6726(ポリビニルアルコール試験方法)に準拠して、実施例及び比較例におけるポリビニルアルコールの4%水溶液を調製し、ヘブラー粘度計を用いて20℃での粘度を測定し、ポリビニルアルコールの4%水溶液における粘度(20℃)とした。
<変性デンプン(A)>
・(A−1):ECOFILM(商標);プロピレンオキサイドにより変性されたトウモロコシデンプン、アミロース含有量70質量%、Ingredion社製
・(A−2):National1658(商標);プロピレンオキサイドにより変性されたトウモロコシデンプン、アミロース含有量20質量%、Ingredion社製
・(B−1):ELVANOL(商標)71−30;ポリビニルアルコール樹脂、鹸化度99mol%以上、粘度27−33mPa・s(20℃、4%水溶液)、クラレ社製
・(C−1):ソルビトールSG;ソルビトール、物産フードサイエンス社製
・(C−2):キシリトール 富士フィルム和光純薬社製
・(C−3):スクロース 富士フィルム和光純薬社製
・(D−1):Ecovio(商標) F2341;PLA及びPBATの混合物、MVR(Melt Volume Rate)2.5−7.5mL/10min(190℃、5kg)、BASF社製
・(D−2):ingeo(商標)2003D;PLA、MFR(Melt Flow Rate)6g/10min(210℃、2.16kg)、Nature Works社製
・(D−3):SKYGREEN K2012(商標);PETG、SK Chemicals社製
・(D−4):ノバテックLD(商標)LC600A;低密度ポリエチレン、MFR(Melt Flow Rate)7g/10min(190℃、2.16kg)、日本ポリエチレン株式会社製
・(D−5):ノバテックPP(商標)EA7AD;ポリプロピレン、MFR(Melt Flow Rate)1.4g/10min(230℃、2.16kg)、日本ポリプロ株式会社製
なお、熱可塑性樹脂(D−1)及び(D−2)は、EN13432に準拠した生分解性試験において、生分解性を有するものである。
(単層シートの作製)
原料として変性デンプン(A−1)を67質量%、変性デンプン(A−2)を23質量%、及び水溶性高分子(B−1)を10質量%含有する単層フィルムを粉砕機(「超遠心粉砕機」、ZM100 Retsch社製)に供した。なお、以下、変性デンプン(A−1)を67質量%及び変性デンプン(A−2)を23質量%含有する変性デンプン(A)を変性デンプン(A’)と称する。変性デンプン(A’)の平均アミロース含有量は58質量%であった。
別途、上記の二軸押出機にて、以下のストランドダイを二軸押出機のC11以後に取り付けた状態で、上記と同じ方法により、各成分を混合及び混練し、得られた樹脂組成物を二軸押出機の複数穴のストランドノズルから押出した。回転カッターで得られたストランドを切断することで、ペレットを作製した。ペレットの組成は、単層シート(L1)の組成と同様であった。
ストランドダイ:450mm幅コートハンガーダイ
リップ開度0.2mm
ダイ−キャストロール間の距離(エアーギャップ):10mm
次いで、ローラー式引取機で搬送させたシート(L3層、変性デンプン(A’)90質量%及び水溶性高分子(B−1)10質量%の割合で含む)の両面に、上記多層製膜用ダイから押出したL1層となる樹脂組成物をコートし、さらにその両面に上記多層製膜用ダイから押出したL2層となる樹脂をコートした。直ちに加圧ロールにてシート(L3層)と圧着させた後、巻き取り機でロール状に巻き取り、積層体(多層シート)を得た。多層シートは、L2層[50μm]/L1層[260μm]/L3層[290μm]/L1層[260μm]/L2層[50μm]をこの順に有する層構成を有していた。なお、括弧内の数字は各層の厚みを示す。
変性デンプン(A)及び水溶性高分子(B)の含有量、並びにポリオール可塑剤(B)及び熱可塑性樹脂(D)の種類及び添加量を表5に記載の通りになるように調整したこと以外は、実施例1と同様の方法により、単層シート(樹脂組成物)及び多層シート(積層体)を得た。なお、実施例8、12においては、熱可塑性樹脂(D)の種類を考慮し、表1に記載の二軸押出機において200℃とある箇所(C5〜C11、アダプタ及びダイ)をそれぞれ220℃、230℃に変更し、表2に記載の単軸押出機(1)及び表3に記載の単軸押出機(2)において180℃とある箇所(C2〜C4、アダプタ及びダイ)をそれぞれ220℃、230℃に変更した。また、表5中、デンプン(A)は全て変性デンプン(A’)であり、水溶性高分子(B)は全て水溶性高分子(B−1)である。
(多層構造体の作製)
L2層として、ペレット状に粉砕した熱可塑性樹脂(D−1)を表4に記載の単軸押出機(3)に投入し多層製膜用ダイから押し出した。ローラー式引取機で搬送させたシート(L3層、変性デンプン(A’)90質量%及び水溶性高分子(B−1)10質量%の割合で含む)の両面に、上記多層製膜用ダイから押出した樹脂(L2層)をコートし、直ちに加圧ロールにてシート(L3層)と圧着させた後、巻き取り機でロール状に巻き取り、多層構造体を得た。多層構造体は、L2層[50μm]/L3層[450μm]/L2層[50μm]をこの順に有する層構成を有していた。なお、括弧内の数字は各層の厚みを示す。
上記で得られた多層構造体を粉砕機(「超遠心粉砕機」、ZM100 Retsch社製)により粉砕した。粉砕機により粉砕されたフィルム片[デンプン(A’)73.6質量%、水溶性高分子(B−1)8.2質量%及び熱可塑性樹脂(D−1)18.2質量%含む]18.8質量部に対して、ポリオール可塑剤(C−1)を16.7質量部及び熱可塑性樹脂(D−1)を64.5質量部添加し、二軸押出機にて混合及び混練し(実施例1にて既出の表1の条件で実施)、実施例1と同様の組成の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法にて、単層シート(樹脂組成物)及び多層シート(積層体)を得た。なお、実施例9では、材料(X1)が多層構造体であり、材料(X2)が16.7質量部のポリオール可塑剤(C−1)及び64.5質量部の熱可塑性樹脂(D−1)である。
(積層体のリサイクル)
実施例1で得られた多層シート(積層体)を粉砕機(「超遠心粉砕機」、ZM100 Retsch社製)により粉砕した。粉砕機により粉砕されたフィルム片[デンプン(A’)36.6質量%、水溶性高分子(B−1)4.0質量%、ポリオール可塑剤(C−1)9.5質量%及び熱可塑性樹脂(D−1)49.8質量%含む]37.7質量部に対して、ポリオール可塑剤(C−1)を13.1質量部及び熱可塑性樹脂(D−1)を49.1質量部添加し、二軸押出機にて混合及び混練し(実施例1にて既出の表1の条件で実施)、実施例1と同様の組成の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法にて、単層シート(樹脂組成物)及び多層シート(積層体)を得た。なお、実施例10では、材料(X1)が実施例1で得られた多層シート(積層体)であり、材料(X2)が13.1質量部のポリオール可塑剤(C−1)及び49.1質量部の熱可塑性樹脂(D−1)である。
以下の条件で、実施例1で得られた多層シートをコーヒーカプセル容器に成形した。
装置:圧空真空成型機 (FKS−0632−20)
熱成型温度:115℃
ドロー比:0.5
圧力:0.5MPa
圧縮時間:4秒
また、実施例9では多層構造体を使用し、実施例10では本発明の積層体を使用して、実施例1と同様の組成の樹脂組成物を作製し、それを用いた単層シートを得た。実施例9及び10で得られた単層シートは、実施例1とほぼ同様の良好な評価結果を示した。この結果から、本願発明の樹脂組成物及び積層体はリサイクル性に優れることもわかった。
Claims (18)
- 6〜45質量部の変性デンプン(A)、
1〜5質量部の水溶性高分子(B)、
1〜50質量部のポリオール可塑剤(C)及び
5〜80質量部の、水溶性高分子(B)とは異なる熱可塑性樹脂(D)を含み、下記式(1);
0<(A)の質量/(C)の質量<1 (1)
を満たし、該(A)、(B)、(C)及び(D)の合計含有量は100質量部である、樹脂組成物。 - 変性デンプン(A)、水溶性高分子(B)、ポリオール可塑剤(C)及び熱可塑性樹脂(D)の合計含有量は、樹脂組成物の質量に対して、80質量%以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 変性デンプン(A)の平均アミロース含有量は45質量%以上である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 水溶性高分子(B)はポリビニルアルコール系樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- ポリオール可塑剤(C)は、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、スクロース、マンニトール、ラクチトール、アラビノース、キシロース、フルクトース、グルコース、ガラクトース、リボース、トレハロース、及びグリセロールからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂(D)は、ポリオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂(D)は、EN13432に準拠した生分解性試験において、生分解性を有する生分解性熱可塑性樹脂を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物からなる、フィルム又はシート。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物からなるL1層と、
L1層とは異なり、かつL1層と同じ熱可塑性樹脂(D)を50質量%以上含むL2層及び/又は変性デンプンを50質量%以上含むL3層と、
を含んでなる、積層体。 - L3層/L1層/L3層をこの順に有する層構成、
L2層/L1層/L3層をこの順に有する層構成、及び
L2層/L1層/L2層をこの順に有する層構成
からなる群から選択される層構成を少なくとも一部に含んでなる、請求項9に記載の積層体。 - 少なくとも1つのL1層の厚みは10〜450μmであり、少なくとも1つのL2層の厚みは5〜500μmであり、少なくとも1つのL3層の厚みは20〜800μmである、請求項9又は10に記載の積層体。
- L1層の合計厚みは10〜1000μmであり、L2層の合計厚みは5〜1000μmであり、L3層の合計厚みは20〜2000μmである、請求項9〜11のいずれかに記載の積層体。
- 変性デンプン(A)及び水溶性高分子(B)、並びに、任意にポリオール可塑剤(C)及び/又は熱可塑性樹脂(D)を含む材料(X1)と、
ポリオール可塑剤(C)及び/又は熱可塑性樹脂(D)を含む材料(X2)と、
を混合する工程を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。 - 前記工程において、材料(X1)は、変性デンプン(A)、水溶性高分子(B)及び熱可塑性樹脂(D)を少なくとも含み、材料(X2)は、ポリオール可塑剤(C)を少なくとも含む、請求項13に記載の方法。
- 前記工程は、積層体である材料(X1)と、材料(X2)とを溶融混練する工程である、請求項13又は14に記載の方法。
- 前記積層体は、請求項9〜12のいずれかに記載の積層体である、請求項15に記載の方法。
- L1層と、L2層及び/又はL3層を含む他の層とを共押出成形する工程を含む、請求項9〜12のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 請求項9〜12のいずれかに記載の積層体からなる、容器。
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WO2024190037A1 (ja) * | 2023-03-14 | 2024-09-19 | 一英 山口 | 生分解性樹脂組成物 |
WO2025142964A1 (ja) * | 2023-12-25 | 2025-07-03 | 株式会社クラレ | 生分解性樹脂組成物 |
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