JP2021161929A - 内燃機関の過給圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェイストゲート弁(WG弁)が全閉位置付近のときの過給圧の制御精度を向上させ、良好な過給圧の加速応答性を確保できる内燃機関の過給圧制御装置を提供する。【解決手段】本発明の内燃機関の過給圧制御装置では、WG弁14は、電動のアクチュエータ31で駆動され、パイパス通路11を排気圧に抗して下流側から閉弁する。内燃機関1の運転状態に応じて設定された目標過給圧PBSTCMDに基づき、目標開度WGCMDを設定し(ステップ1、2)、検出開度WGが目標開度WGCMDになるようにFB(フィードバック)制御により、アクチュエータ31の通電デューティ比Edutyを設定する(ステップ5〜7)。加速運転時、目標過給圧PBSTCMDと過給圧PBSTとの偏差ΔPBSTが所定値ΔPREFを上回ったときに、FB制御を停止し、通電デューティ比Edutyに加算項ΔEdutyを加算する(ステップ8、9)。【選択図】図6
Description
本発明は、過給機のタービンをバイパスするバイパス通路に設けられたウェイストゲート弁の開度を変更することによって、過給機による過給圧を制御する内燃機関の過給圧制御装置に関する。
従来のこの種の内燃機関の過給圧制御装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この装置では、電動のアクチュエータを用い、ウェイストゲート弁(以下「WG弁」という)を駆動することによって、過給圧が次のように制御される。まず、内燃機関の要求トルクなどに応じて目標過給圧を算出し、さらに、目標過給圧と検出された過給圧との偏差に基づき、フィードバック制御によってWG弁の目標開度を算出する。そして、この目標開度に基づく駆動信号をアクチュエータに出力することによって、WG弁が駆動され、過給圧が目標過給圧になるように制御される。
しかし、この従来の過給圧制御装置を、パイパス通路を排気圧に抗して下流側から閉弁するように構成されたWG弁に用いた場合には、以下のような問題がある。すなわち、このタイプのWG弁は、特に全閉位置付近では、アクチュエータによる閉弁動作が大きな排気圧に抗して行われる。このため、WG弁の開度の変化に対する過給圧の変化量が大きいとともに、WG弁の開度が安定しないことから、過給圧がばらつきやすい。同じ理由から、内燃機関の加速時、上流側からの大きな排気圧に抗して、ウェイストゲート弁を下流側から全閉位置に駆動するのに時間を要してしまい、良好な過給圧の加速応答性を確保できないおそれがある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ウェイストゲート弁の開度が全閉位置付近のときの過給圧の制御精度を向上させるとともに、良好な過給圧の加速応答性を確保することができる内燃機関の過給圧制御装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本願の請求項1による発明は、過給機(実施形態における(以下、本項において同じ)ターボチャージャ12)のタービン12aをバイパスするバイパス通路11に設けられたウェイストゲート弁(WG弁)14の開度を変更することによって、過給機による過給圧PBSTを制御する内燃機関の過給圧制御装置であって、ウェイストゲート弁14は、電動のアクチュエータ31によって駆動され、パイパス通路11を排気圧に抗して下流側から閉弁するように構成されており、内燃機関1の運転状態に応じて、ウェイストゲート弁14の目標過給圧PBSTCMDを設定する目標過給圧設定手段(ECU20、図6のステップ1)と、過給圧PBSTを検出する過給圧検出手段(過給圧センサ21)と、目標過給圧PBSTCMDに基づき、ウェイストゲート弁14の目標開度WGCMDを設定する目標開度設定手段(ECU20、ステップ2)と、ウェイストゲート弁14の開度(検出開度)WGを検出する開度検出手段(弁開度設定23)と、検出されたウェイストゲート弁14の開度WGが目標開度WGCMDになるようにフィードバック制御によって、アクチュエータ31の通電量(通電デューティ比Eduty)を設定する通電量設定手段(ECU20、ステップ5〜7)と、内燃機関1の加速運転時、目標過給圧PBSTCMDに対する過給圧PBSTの乖離度合(過給圧偏差ΔPBST)が所定度合(所定値ΔPREF)よりも大きくなったときに、フィードバック制御を停止するとともに、直前に設定されていたアクチュエータ31の通電量に所定の通電量(加算項ΔEduty)を付加する通電量付加手段(ECU20、ステップ8、9)と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、ウェイストゲート弁(以下「WG弁」)は、電動のアクチュエータによって駆動され、パイパス通路を排気圧に抗して下流側から閉弁するように構成されている。また、内燃機関の運転状態に応じて設定された目標過給圧に基づき、WG弁の目標開度が設定される。そして、検出されたWG弁の開度が目標開度になるようにフィードバック制御によって、アクチュエータの通電量が設定される。これにより、WG弁の開度が全閉位置付近以外の中間開度のときには、フィードバック制御によってWG弁の開度を目標開度に精度良く制御し、過給圧の制御精度を維持することができる。
一方、内燃機関の加速時、目標過給圧に対する検出過給圧の乖離度合が所定度合よりも大きくなったときには、フィードバック制御が停止されるとともに、直前に設定されていたアクチュエータの通電量に所定の通電量が付加される。これにより、WG弁の開度が全閉位置付近のときには、付加された通電量の分、アクチュエータの駆動力が増加することで、排気圧に抗して、WG弁が全閉位置に強く押し付けられる。その結果、WG弁の開度が全閉位置において安定することで、過給圧の制御精度を向上させることができる。
また、アクチュエータの駆動力が増加することによって、排気圧に抗して、WG弁が迅速に駆動され、全閉位置に到達するので、良好な過給圧の加速応答性を確保することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の過給圧制御装置において、通電量付加手段は、乖離度合が大きいほど、付加される所定の通電量をより大きな値に設定すること(ステップ8、式(2))を特徴とする。
この構成では、目標過給圧に対する過給圧の乖離度合が大きいほど、すなわち加速要求が高いほど、より大きな通電量を付加し、アクチュエータの駆動力をより大きく増加させるので、加速要求に応じたアクチュエータの駆動力を過不足なく得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1に示す内燃機関(以下「エンジン」という)1は、例えば直列の4つの気筒6を有し、気筒6の燃焼室(図示せず)内に燃料を直接、噴射する直噴エンジンであり、車両(図示せず)に動力源として搭載されている。各気筒6には、燃料噴射弁7、点火プラグ8、吸気弁及び排気弁(いずれも図示せず)が設けられている。
また、エンジン1は、吸気通路2、排気通路10、及び過給機としてのターボチャージャ12を備えている。吸気通路2はサージタンク4に接続され、サージタンク4は、吸気マニホルド5を介して各気筒6の燃焼室に接続されている。
吸気通路2には、上流側から順に、ターボチャージャ12のコンプレッサ12c、ターボチャージャ12で加圧された空気を冷却するためのインタークーラ3、及びスロットル弁13が設けられている。スロットル弁13は、スロットル(TH)アクチュエータ13aによって駆動される。コンプレッサ12cのすぐ下流側には、過給圧PBSTを検出する過給圧センサ21が設けられ、上流側には、吸入空気流量GAIRを検出する吸入空気流量センサ22が設けられている。
ターボチャージャ12は、排気通路10に設けられ、排ガスの運動エネルギにより回転駆動されるタービン12aと、吸気通路2に設けられ、シャフト12bを介してタービン12aに連結されたコンプレッサ12cを備えている。コンプレッサ12cは、エンジン1に吸入される空気(吸気)を加圧し、過給を行う。吸気通路2には、コンプレッサ12cをバイパスするバイパス通路16が接続されており、バイパス通路16には、バイパス通路16を通過する空気の流量を調整するためのエアバイパス弁(以下「AB弁」という)17が設けられている。
排気通路10は、排気マニホルド9を介して各気筒6の燃焼室に接続されている。排気通路10には、タービン12aをバイパスするバイパス通路11が接続されており、バイパス通路11の下流側の接続部には、バイパス通路11を通過する排ガスの流量を調整するためのウェイストゲート弁(以下「WG弁」という)14が設けられている。WG弁14は、弁体15を有しており、駆動機構30によって駆動される。
図2に示すように、駆動機構30は、アクチュエータ31、ロッド32、クランク33、及びポペット34を有する。アクチュエータ31は、例えばダイヤフラムラム式の負圧アクチュエータで構成されている。具体的には、アクチュエータ31は、ケース31a内に設けられ、ロッド32と反対側に負圧室を画成するダイヤフラム(いずれも図示せず)と、負圧室内に配置され、ダイヤフラムをロッド32側に付勢するコイルばね(図示せず)と、負圧室と負圧源31bを結ぶ負圧供給路31cに設けられた負圧調整弁31dを有する。
負圧調整弁31dは、電磁弁で構成されており、後述するECU(電子制御ユニット)20によって、通電パルスのデューティ比(以下「通電デューティ比」という)Edutyが制御され、通電デューティ比Edutyが大きいほど、負圧室に導入される負圧がより大きくなるように構成されている。
ロッド32は、一端部がダイヤフラムに連結され、ケース31aの外部に延びている。クランク33は、一端部がロッド32の他端部に回動自在にピン結合され、他端部において支軸35に回動自在に支持されている。また、ポペット34は、一端側のポペット軸34aの部分でクランク33と一体に連結され、他端側に弁体15を一体に保持している。弁体15は、タービンハウジング12dの開口(図示せず)を開閉する。
以上の構成により、通電デューティ比Eduty=0%で、負圧調整弁31dが通電されていないときには、アクチュエータ31の負圧室に負圧は導入されない。このため、ダイヤフラムに連結されたロッド32は、コイルばねのばね力によって、アクチュエータ31のケース31aから最も突出した(図3の最も下方の)位置にある。それに伴い、クランク33及びこれと一体のポペット34が時計方向に最も回動した位置にあることで、WG弁14が開弁し、弁体15がタービンハウジング12dを最大限、開放している(図3の点線)。この位置がWG弁14の全開位置である。
この全開状態から、負圧調整弁31dが通電されると、通電デューティ比Edutyに応じた負圧が、アクチュエータ31の負圧室に導入される。この負圧により、ロッド32は、コイルばねのばね力に抗し、ダイヤフラムを介してケース31a内に退避する方向(図3の上方)に引き寄せられ(矢印A)、それに伴い、クランク33及びポペット34は反時計方向に回動する(矢印B)。通電デューティ比Edutyが大きくなるにつれて、ロッド32の移動量とクランク33、ポペット34の回動量が大きくなり、弁体15がタービンハウジング12dの開口の弁座に着座し、WG弁14が全閉位置に達する(図3の実線)。
図3の実線は、WG弁14が全閉位置に達したときの、クランク33などにたわみが発生していない状態を示しており、以下、このWG弁14の位置を「たわみ無し全閉位置」という。また、この「たわみ無し全閉位置」と図3の点線の「全開位置」の間のWG弁14の位置を、「中間開度位置」という。
上記の「たわみ無し全閉位置」から、通電デューティ比Edutyがさらに増加すると、負圧が増大し、ロッド32がさらに強い力で上方に引き寄せられる。これにより、弁体15が弁座に押し付けられた状態で、クランク33及びポペット34が上方にたわみ、ロッド32が変位量Cだけ上方に移動する(図3の破線)。このように、図3の破線は、クランク33などがたわんだ全開状態を示しており、以下、このようなWG弁14の位置(状態)を「たわみ有り全閉位置(状態)」という。
また、ロッド32の弁体15と反対側の端部には、弁開度センサ23が設けられている。弁開度センサ23は、ロッド32の軸線方向(図2(b)の矢印D方向)の位置を検出することによって、WG弁14の開度(以下「検出開度」という)WGを検出する。この検出開度WGは、WG弁14が全開位置(図3の点線)のときに0、中間開度位置のときに、0と100%の間の値、たわみ無し全閉位置(同実線)のときに100%、たわみ有り全閉位置(同破線)のときに100%よりも大きな値で、それぞれ表される(図4参照)。なお、WG弁14のたわみ無し全閉位置は、WG弁14を全閉位置に制御したときに得られる検出開度WGに基づいて適宜、学習される。
また、たわみ有り全閉位置では、弁体15が弁座に押し付けられた状態で、クランク33などがたわみ、ロッド32が移動するため、図4に示すように、他の位置にある場合と比較して、通電デューティEdutyの変化に対するWG弁14の検出開度WGの変化量が小さくなる。
図5は、エンジン1の制御装置の構成を示す。ECU20には、前述した過給圧センサ21、吸入空気流量センサ22及び弁開度センサ23の他、エンジン1の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを検出する回転数センサ24、車両Vのアクセルペダルの操作量(以下「アクセル開度」という)APを検出するアクセル開度センサ25や、エンジン1の冷却水の温度(以下「エンジン水温」という)TWを検出する水温センサ26などが接続されており、それらの検出信号が入力される。ECU20の出力側には、燃料噴射弁7、点火プラグ8、THアクチュエータ13a、AB弁17、及びアクチュエータ31の負圧調整弁31dが接続されている。
ECU20は、CPU、RAM、ROM及び入力インターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU20は、上述した各種のセンサ21〜26の検出信号などに応じ、エンジン制御として、エンジン1の運転状態に応じて、燃料噴射弁7による燃料噴射制御、点火プラグ8による点火制御、スロットル弁13による吸入空気量制御、及びWG弁14による過給圧制御などを実行する。
次に、図6を参照しながら、ECU20によって実行される過給圧制御処理について説明する。本実施形態では、ECU20が、目標過給圧設定手段、目標開度設定手段、通電量設定手段、及び通電量付加手段に相当する。本処理は、所定時間ごとに繰り返し実行される。
本処理では、まずステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、要求トルクTRQD及びエンジン回転数NEに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、過給圧PBSTの目標となる目標過給圧PBSTCMDを算出する。なお、要求トルクTRQDは、主としてアクセル開度APに応じ、アクセル開度APが増加するほど、より大きくなるように算出される。また、目標過給圧PBSTCMDに基づき、WG弁14の検出開度WGの目標となる目標開度WGCMDを算出する(ステップ2)。
次に、目標過給圧PBSTCMDと検出された過給圧PBSTとの差を、過給圧偏差ΔPBSTとして算出する(ステップ3)とともに、過給圧偏差ΔPBSTが所定値ΔPREFよりも大きいか否かを判別する(ステップ4)。
この答えがNOのときには、ステップ5以降に進み、負圧調整弁31dの通電デューティ比Edutyを、WG弁14の目標開度WGCMDに基づくフィードバック制御によって算出する。まず、ステップ5において、目標開度WGCMDに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、通電デューティ比のFF項(フィードフォワード項)Eduty_ffを算出する。
次に、ステップ6において、目標開度WGCMDと検出開度WGとの開度偏差ΔWG(=WGCMD−WG)に基づき、例えばPID制御アルゴリズムにより、通電デューティ比のFB項(フィードバック項)Eduty_fbを算出する。次に、ステップ7において、次式(1)により、通電デューティ比Edutyを算出し、本処理を終了する。
Eduty=Eduty_ff+Eduty_fb ・・・(1)
Eduty=Eduty_ff+Eduty_fb ・・・(1)
一方、前記ステップ4の答えがYESで、過給圧偏差ΔPBSTが所定値ΔPBSTを上回ったときには、ステップ8に進み、次式(2)により、過給圧偏差ΔPBSTに所定の係数KADを乗算することによって、通電デューティ比の加算項ΔEdutyを算出する。
ΔEduty=KAD・ΔPBST ・・・(2)
ΔEduty=KAD・ΔPBST ・・・(2)
次に、ステップ9において、通電デューティ比Edutyの前回値に加算項ΔEdutyを加算することによって、今回の通電デューティ比Edutyを算出し、本処理を終了する。
次に、図7を参照しながら、図6の実施形態による過給圧制御処理によって得られる動作例を、比較例とともに説明する。同図(a)及び(b)は、比較例及び動作例をそれぞれ示す。この比較例は、WG弁14の全閉位置での加速時に、負圧調整弁31dの通電デューティ比Edutyを、WG弁14の目標開度WGCMDと検出開度WGとの偏差に基づくフィードバック制御によって算出するものである。
まず、比較例では、時刻t1において、アクセルペダルが踏み込まれ、アクセル開度APが増加するのに応じて、目標過給圧PBSTが増加し、WG弁14の目標開度WGCMDは100%(全閉位置)に維持されている。そして、この状態で、通電デューティ比Edutyがフィードバック制御によって算出されるとともに、WG弁14の弁体15が排気圧で開弁側に押圧されるため、検出開度(実開度)WGが目標開度WGCMDを下回り、それに応じて、目標過給圧PBSTCMDに対する過給圧(実過給圧)PBSTの遅れが大きくなっていて、良好な加速応答性が得られていない(t1〜t2)。このことは、2回目の加速時(t4〜t5)においても同様である。
これに対し、実施形態による動作例では、同様の加速状況において(t1〜t2)、目標過給圧PBSTと過給圧PBSTとの過給圧偏差ΔPBSTが所定値ΔPREFよりも大きいことで、過給圧偏差ΔPBSTに比例した加算項ΔEdutyが算出され、直前の通電デューティ比Edutyに加算される。これにより、アクチュエータ31の駆動力が増加することで、検出開度WGが目標開度WGCMDを上回り、それに応じて、目標過給圧PBSTCMDに対する過給圧PBSTの遅れが比較例の場合(破線)よりも小さくなり、良好な加速応答性が確保される。このことは、2回目の加速時(t4〜t5)においても同様である。
以上のように、本実施形態によれば、エンジン1の通常運転時には、WG弁14の検出開度WGが目標開度WGCMDになるようにフィードバック制御によって、負圧調整弁31dの通電デューティ比Edutyが設定される。これにより、WG弁14が全閉位置付近以外の中間開度位置にあるときには、フィードバック制御によってWG弁14の開度WGを目標開度WGCMDに精度良く制御し、過給圧PBSTの制御精度を維持することができる。
また、エンジン1の加速時、目標過給圧PBSTCMDと過給圧PBSTとの過給圧偏差ΔPBSTが所定値ΔPREFよりも大きくなったときには、フィードバック制御が停止されるとともに、直前の通電デューティ比Edutyに加算項ΔEdutyが加算される。これにより、WG弁の開度WGが全閉位置付近のときには、加算項ΔEdutyの分、アクチュエータ31の駆動力が増加することで、排気圧に抗して、WG弁14が全閉位置に強く押し付けられる。その結果、WG弁14の開度WGが全閉位置において安定することで、過給圧PBSTの制御精度を向上させることができる。
また、アクチュエータ31の駆動力が増加することによって、排気圧に抗して、WG弁14が迅速に駆動され、全閉位置に到達するので、良好な過給圧PBSTの加速応答性を確保することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、エンジン1の加速時における目標過給圧PBSTCMDに対する過給圧PBSTの乖離度合として、両者の偏差である過給圧偏差ΔPBSTを用いているが、これに限らず、例えば両者の比を用いてもよい。
また、実施形態では、WG弁14を駆動する電動のアクチュエータとして、ダイヤフラム式の負圧アクチュエータを用いているが、これに限らず、電動の回転型モータや直動型モータなどを用いてもよく、また、他の形式の負圧アクチュエータや油圧アクチュエータでも対応可能である。さらに、実施形態に示したWG弁14及び駆動機構30の構成は、あくまで例示であり、パイパス通路を排気圧に抗して下流側から閉弁するものである限り、任意の構成を採用することができる。
さらに、実施形態は、電動機を有しない車両用のエンジンの例であるが、本発明は、これに限らず、ハイブリッド車両に電動機とともに搭載されたエンジンに適用してもよく、また、車両用以外のエンジン、例えば、クランクシャフトを鉛直に配置した船外機用のエンジンにも適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 エンジン(内燃機関)
11 バイパス通路
12 ターボチャージャ(過給機)
12a タービン
14 WG弁(ウェイストゲート弁)
20 ECU(目標過給圧設定手段、目標開度設定手段、通電量設定手段、通電量付加 手段)
23 弁開度センサ(開度検出手段)
31 アクチュエータ
31a 負圧調整弁(アクチュエータ)
WG 検出開度(検出されたウェイストゲート弁の開度)
PBSTCMD 目標過給圧
PBST 過給圧
WGCMD 目標開度(ウェイストゲート弁の目標開度)
Eduty 負圧調整弁の通電デューティ比(アクチュエータの通電量)
ΔPBST 過給圧偏差(目標過給圧に対する過給圧の乖離度合)
ΔPREF 所定値(所定度合)
ΔEduty 通電デューティ比の加算項(所定の通電量)
11 バイパス通路
12 ターボチャージャ(過給機)
12a タービン
14 WG弁(ウェイストゲート弁)
20 ECU(目標過給圧設定手段、目標開度設定手段、通電量設定手段、通電量付加 手段)
23 弁開度センサ(開度検出手段)
31 アクチュエータ
31a 負圧調整弁(アクチュエータ)
WG 検出開度(検出されたウェイストゲート弁の開度)
PBSTCMD 目標過給圧
PBST 過給圧
WGCMD 目標開度(ウェイストゲート弁の目標開度)
Eduty 負圧調整弁の通電デューティ比(アクチュエータの通電量)
ΔPBST 過給圧偏差(目標過給圧に対する過給圧の乖離度合)
ΔPREF 所定値(所定度合)
ΔEduty 通電デューティ比の加算項(所定の通電量)
Claims (2)
- 過給機のタービンをバイパスするバイパス通路に設けられたウェイストゲート弁の開度を変更することによって、前記過給機による過給圧を制御する内燃機関の過給圧制御装置であって、
前記ウェイストゲート弁は、電動のアクチュエータによって駆動され、前記パイパス通路を排気圧に抗して下流側から閉弁するように構成されており、
前記内燃機関の運転状態に応じて目標過給圧を設定する目標過給圧設定手段と、
前記過給圧を検出する過給圧検出手段と、
前記目標過給圧に基づき、前記ウェイストゲート弁の目標開度を設定する目標開度設定手段と、
前記ウェイストゲート弁の開度を検出する開度検出手段と、
前記検出されたウェイストゲート弁の開度が前記目標開度になるようにフィードバック制御によって、前記アクチュエータの通電量を設定する通電量設定手段と、
前記内燃機関の加速時、前記目標過給圧に対する前記過給圧の乖離度合が所定度合よりも大きくなったときに、前記フィードバック制御を停止するとともに、直前に設定されていた前記アクチュエータの通電量に所定の通電量を付加する通電量付加手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の過給圧制御装置。 - 前記通電量付加手段は、前記乖離度合が大きいほど、前記付加される所定の通電量をより大きな値に設定することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の過給圧制御装置。
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