JP2021160466A - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】変速機と回転電機とのそれぞれに対応したオイルポンプを備える場合において、変速機と回転電機とのそれぞれに供給した後の油を各オイルポンプに戻すための帰還用の油の経路を適切に構成し、汎用性を確保することができる車両用駆動装置を実現する。【解決手段】第1ケース部41は、下部に開口45aが形成されたケース本体部45と、開口45aを塞ぐようにケース本体部45に取り付けられ、第1室S1に油貯留部30を形成する受け部材46と、を備える。第1ポンプは、油貯留部30から吸入した油を変速機4に供給し、第2ポンプP2は、油貯留部30から吸入した油を回転電機6に供給する。変速機4に供給された油は第1室S1の内部を通って油貯留部30に帰還し、回転電機6に供給された油は第2室S2から区画壁43に形成された連通孔を通って油貯留部30に帰還する。【選択図】図2
Description
本発明は、変速機と回転電機とを備えた車両用駆動装置に関する。
上記のような車両用駆動装置の一例が、米国特許出願公開第2008/0202829号明細書(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1の図1〜図3には、内燃機関とドライブシャフト(36)とを結ぶ動力伝達経路に、内燃機関の側から、変速機(32)と回転電機(34)とが軸方向に沿って記載の順に配置され、これらがケースに収容された構成が開示されている。
上記のような車両用駆動装置では、変速機に対して油を供給して変速機の動作を行わせると共に各部の潤滑や冷却を行う必要があり、また、回転電機に対しても油を供給して各部の潤滑や冷却を行う必要がある。ここで、変速機に供給する油圧及び油量と、回転電機に供給する油圧及び油量とは異なることが多いため、それぞれに対応したオイルポンプを備えることが望ましい場合がある。このように、変速機と回転電機とのそれぞれに対応したオイルポンプを備える場合において、それぞれに供給した後の油を各オイルポンプに戻すための帰還用の油の経路を適切に構成しなければ、当該帰還用の経路を形成するための構造が大型化したり、複雑化したりする可能性がある。そのようなことになると、内燃機関のみを車輪の駆動力源とする既存の車両からの変更が大きくなって、車両用駆動装置の汎用性が低下する。しかしながら、特許文献1には、変速機及び回転電機に対する油の供給経路及び供給後の帰還用の油の経路について、何ら記載されていない。
そこで、変速機と回転電機とのそれぞれに対応したオイルポンプを備える場合において、変速機と回転電機とのそれぞれに供給した後の油を各オイルポンプに戻すための帰還用の油の経路を適切に構成し、汎用性を確保することができる車両用駆動装置の実現が望まれる。
本開示に係る車両用駆動装置は、内燃機関に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、前記入力部材と前記出力部材とを結ぶ第1動力伝達経路に設けられ、前記入力部材の側から伝達される回転を変速して変速出力部材に伝達する変速機と、前記第1動力伝達経路における前記変速出力部材よりも前記出力部材の側に、第2動力伝達経路を介して駆動力を伝達可能な回転電機と、前記変速機及び前記回転電機を収容するケースと、前記第1動力伝達経路を伝わる動力により駆動される第1ポンプと、前記第1動力伝達経路から独立した駆動力源により駆動される第2ポンプと、を備え、前記回転電機は、軸方向における前記変速機に対して前記出力部材の側に、前記変速出力部材と同軸に配置され、前記ケースは、前記変速機が収容される第1室を形成する第1ケース部と、前記第1ケース部に接合されて前記回転電機が収容される第2室を形成する第2ケース部と、前記第1室と前記第2室とを区画する区画壁と、を備え、前記区画壁に、前記第1室と前記第2室とを連通する連通孔が形成され、前記第1ケース部は、下部に開口が形成されたケース本体部と、前記開口を塞ぐように前記ケース本体部に取り付けられ、前記第1室に油貯留部を形成する受け部材と、を備え、前記第1ポンプは、前記油貯留部から吸入した油を前記変速機に供給し、前記第2ポンプは、前記油貯留部から吸入した油を前記回転電機に供給し、前記変速機に供給された油は前記第1室の内部を通って前記油貯留部に帰還し、前記回転電機に供給された油は前記第2室から前記連通孔を通って前記油貯留部に帰還する。
本構成によれば、変速機と回転電機とを同軸に備えた車両用駆動装置において、第1ポンプにより変速機に油を供給し、第2ポンプにより回転電機に油を供給することができるため、変速機と回転電機とのそれぞれに適切に油を供給することができる。また、変速機が収容される第1室と回転電機が収容される第2室とを区画する区画壁に連通孔が形成され、変速機に供給された油は第1室の内部を通って当該第1室に形成された油貯留部に帰還し、回転電機に供給された油は第2室から連通孔を通って油貯留部に帰還するように構成されている。そのため、第1ポンプと第2ポンプとのそれぞれに油貯留部を設ける必要がなく、第1ポンプと第2ポンプとで第1室に形成された1つの油貯留部を共用することができる。
これにより、回転電機が収容される第2ケース部を、油貯留部を備える必要がない簡略な構成とすることができる。一方、内燃機関のみを車輪の駆動力源とする既存車両においても、変速機が収容されるケースには、通常、変速機に供給する油が貯留される油貯留部が設けられている。そのため、本構成によれば、変速機が収容される第1ケース部の構成を、既存車両の変速機のケースに近い構成とし、或いは既存車両の変速機のケースをそのまま用いることができる。このように、本構成によれば、既存車両に対して付加的要素となる回転電機が収容される第2ケース部を簡略な構成とすることができると共に、変速機が収容される第1ケース部の構成を既存車両に近い構成とすることができるため、様々な車両に搭載することが容易であり、汎用性の高い車両用駆動装置を実現することができる。
車両用駆動装置の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
車両用駆動装置の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、特に区別して明記している場合を除き、「軸方向L」、「径方向R」、及び「周方向」は、後述する回転電機6の回転軸心A(仮想軸、図3参照)を基準として定義している。回転電機6(具体的には、後述するロータ60)や、回転電機6と同軸に配置される回転部材(後述する変速出力部材23等)は、回転軸心A周りに回転する。そして、軸方向Lの一方側を「軸方向第1側L1」とし、軸方向Lの他方側(軸方向Lにおける軸方向第1側L1とは反対側)を「軸方向第2側L2」とする。また、径方向Rの外側を「径方向外側R1」とし、径方向Rの内側を「径方向内側R2」とする(図3参照)。以下の説明における各部材についての方向は、それらが車両用駆動装置1に組み付けられた状態での方向を表す。なお、各部材についての寸法、配置方向、配置位置等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態を含む概念である。
また、以下の説明では、鉛直方向Vは、車両用駆動装置1の使用状態での鉛直方向、すなわち、車両用駆動装置1をその使用状態での向きに配置した場合の鉛直方向を意味する。車両用駆動装置1は車両に搭載されて使用されるため、鉛直方向Vは、車両用駆動装置1が車両に搭載された状態での鉛直方向、より具体的には、車両用駆動装置1が車両に搭載された状態であって、当該車両が平坦路(水平面に沿う道路)に停止している状態での鉛直方向と一致する。そして、上側V1(上方)は、鉛直方向Vにおける上側(上方)を意味し、下側V2(下方)は、鉛直方向Vにおける下側(下方)を意味する。
本明細書では、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等)が含まれる。なお、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等)が含まれていてもよい。
また、本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。また、本明細書では、2つの部材の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。また、本明細書では、2つの部材の配置に関して、「特定方向の配置領域が重複する」とは、一方の部材の特定方向の配置領域内に、他方の部材の特定方向の配置領域の少なくとも一部が含まれることを意味する。
図1及び図2に示すように、車両用駆動装置1は、内燃機関2に駆動連結される入力部材20と、車輪3に駆動連結される出力部材27と、変速機4と、回転電機6と、変速機4及び回転電機6を収容するケース40と、を備えている。車両用駆動装置1は、内燃機関2及び回転電機6の一方又は双方の出力トルクを、出力部材27を介して車輪3に伝達させて、車両を走行させる。
図1に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置1が搭載される車両には、出力部材27の側から伝達される回転を第1出力部材21Aと第2出力部材21Bとに分配するトランスファ84が設けられている。第1出力部材21Aは、車両の後側の車輪3である後輪3Aに駆動連結され、第2出力部材21Bは、車両の前側の車輪3である前輪3Bに駆動連結される。図1に示す例では、第1出力部材21Aは、後輪用差動歯車機構5Aを介して左右2つの後輪3Aに駆動連結され、第2出力部材21Bは、前輪用差動歯車機構5Bを介して左右2つの前輪3Bに駆動連結される。すなわち、本実施形態では、車両用駆動装置1は、4つの車輪3(左右2つの後輪3A及び左右2つの前輪3B)を駆動する4輪駆動方式の駆動装置とされている。このように、本実施形態では、出力部材27は、後輪3A及び前輪3Bに駆動連結され、図1に示す例では、左右2つの後輪3A及び左右2つの前輪3Bに駆動連結される。具体的には、出力部材27は、トランスファ84、第1出力部材21A、及び後輪用差動歯車機構5Aを介して左右2つの後輪3Aに駆動連結されると共に、トランスファ84、第2出力部材21B、及び前輪用差動歯車機構5Bを介して左右2つの前輪3Bに駆動連結される。
第1出力部材21Aは、例えば、フレキシブルカップリングやプロペラシャフト等を介して後輪用差動歯車機構5Aに連結され、第2出力部材21Bは、例えば、フレキシブルカップリングやプロペラシャフト等を介して前輪用差動歯車機構5Bに連結される。後輪用差動歯車機構5Aは、第1出力部材21Aの側から伝達される駆動力を左右2つの後輪3Aに分配し、前輪用差動歯車機構5Bは、第2出力部材21Bの側から伝達される駆動力を左右2つの前輪3Bに分配する。後輪用差動歯車機構5A及び前輪用差動歯車機構5Bは、例えば、傘歯車式又は遊星歯車式の差動歯車機構とされる。
入力部材20は、内燃機関2の出力部材(クランクシャフト等)に駆動連結される。入力部材20は、例えば、内燃機関2の出力部材と一体的に回転するように連結される。本実施形態では、入力部材20は、変速出力部材23に対して軸方向第2側L2に、変速出力部材23と同軸に配置されている。なお、内燃機関2は、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等)である。
変速機4は、入力部材20と出力部材27とを結ぶ第1動力伝達経路T1に設けられている。変速機4は、入力部材20の側から伝達される回転を変速して変速出力部材23に伝達する。具体的には、変速機4は、入力部材20の側から変速入力部材22に伝達される回転を変速して変速出力部材23に伝達する。変速入力部材22は、入力部材20の側から変速機4に回転を入力するための部材であり、変速出力部材23は、出力部材27の側に変速機4から回転を出力するための部材である。本実施形態では、変速入力部材22は、変速出力部材23に対して軸方向第2側L2に、変速出力部材23と同軸に配置されている。変速機4は、変速出力部材23の回転速度に対する変速入力部材22の回転速度の比である変速比を、段階的に或いは無段階に変更可能に構成され、変速入力部材22の回転を現時点での変速比で変速して、変速出力部材23に伝達する。
本実施形態では、変速機4は、油圧制御装置8(図2参照)から供給される油圧に応じて変速比を変更可能に構成されている。そのため、変速機4は、例えば、油圧駆動式の変速用係合装置を備える。詳細は後述するが、車両用駆動装置1は、油貯留部30から吸入した油を変速機4に供給する第1ポンプP1を備えており、第1ポンプP1から吐出された油が、油圧制御装置8を介して変速機4に供給される。油圧制御装置8から変速機4に供給された油は、変速機4の潤滑や作動のために用いられる。すなわち、油圧制御装置8は、第1ポンプP1から吐出された油を、変速機4(具体的には、変速用係合装置)に対して作動油として供給すると共に、変速機4(具体的には、ギヤや軸受等の潤滑必要部位)に対して潤滑油として供給する。
本実施形態では、入力部材20と変速入力部材22との間の動力伝達経路にトルクコンバータ7(流体継手の一例)が設けられている。なお、入力部材20と変速入力部材22との間の動力伝達経路に、トルクコンバータ7に加えてダンパが設けられ、或いは、トルクコンバータ7に代えてダンパが設けられてもよい。また、入力部材20と変速入力部材22との間の動力伝達経路にトルクコンバータ7が設けられず、入力部材20と変速入力部材22とが一体的に回転するように連結される構成や、入力部材20と変速入力部材22とが一体的に形成される構成(すなわち、入力部材20が変速入力部材として機能する構成)とすることもできる。また、例えば、車輪3の駆動力源として機能する第2の回転電機が、回転電機6とは別に設けられると共に、入力部材20と変速入力部材22との間の動力伝達経路に、入力部材20の側から伝達されるトルクを当該第2の回転電機と変速入力部材22とに分配する動力分配機構(遊星歯車機構等)が設けられる構成とすることもできる。入力部材20と変速入力部材22との間の動力伝達経路にトルクコンバータ7が設けられる場合には、この動力分配機構は、例えば、トルクコンバータ7と変速入力部材22との間の動力伝達経路に設けられる。
回転電機6は、ケース40(具体的には、後述する第2ケース部42)に固定されるステータ61と、ステータ61に対して回転自在に支持されるロータ60を備えている。ステータ61は、ステータコア62と、ステータコア62に巻装されたコイル63と、を備えている。ステータ61は、ステータコア62から軸方向第1側L1に突出する第1コイルエンド部64Aと、ステータコア62から軸方向第2側L2に突出する第2コイルエンド部64Bと、を備えている。コイル63におけるステータコア62から軸方向第1側L1に突出する部分が第1コイルエンド部64Aを形成し、コイル63におけるステータコア62から軸方向第2側L2に突出する部分が第2コイルエンド部64Bを形成している。本実施形態では、回転電機6は、インナロータ型の回転電機であり、ロータ60は、ステータ61に対して径方向内側R2であって、径方向Rに沿う径方向視でステータ61と重複する位置に配置されている。ロータ60は、ロータ軸25と一体的に回転するように連結されている。ロータ軸25は、軸方向Lに延びる筒状(具体的には、円筒状)に形成されている。ここでは、ロータ軸25は、ロータ60の径方向内側R2を軸方向Lに貫通して配置されており、ロータ60は、ロータ軸25の外周面に固定されている。
回転電機6は、軸方向Lにおける変速機4に対して出力部材27の側に(すなわち、変速機4に対して軸方向第1側L1に)、変速出力部材23と同軸に配置されている。回転電機6は、入力部材20と出力部材27とを結ぶ第1動力伝達経路T1における変速出力部材23よりも出力部材27の側に、第2動力伝達経路T2を介して駆動力を伝達可能に設けられている。本実施形態では、回転電機6の駆動力は、変速出力部材23と出力部材27との間の動力伝達経路に設けられた中間部材24に、第2動力伝達経路T2を介して伝達される。本実施形態では、第2動力伝達経路T2は、回転電機6と中間部材24とを結ぶ動力伝達経路である。本実施形態では、中間部材24は、軸方向Lに延びる筒状(具体的には、円筒状)に形成される軸部材である。本実施形態では、中間部材24は、変速出力部材23と一体的に回転するように連結されると共に、出力部材27と一体的に回転するように連結されている。すなわち、中間部材24は、変速出力部材23と出力部材27とを互いに一体的に回転するように連結している。
図3に示す例では、中間部材24と変速出力部材23との連結部において、中間部材24における軸方向第2側L2の端部の内周面に形成されたスプライン歯と、変速出力部材23における軸方向第1側L1の端部の外周面に形成されたスプライン歯とが、スプライン係合している。また、図3に示す例では、中間部材24と出力部材27との連結部において、中間部材24における軸方向第1側L1の端部の外周面に形成されたスプライン歯と、連結部材26における軸方向第2側L2の部分の内周面に形成されたスプライン歯とが、スプライン係合していると共に、出力部材27における軸方向第2側L2の端部の外周面に形成されたスプライン歯と、連結部材26における軸方向第1側L1の部分の内周面に形成されたスプライン歯とが、スプライン係合している。すなわち、図3に示す例では、中間部材24は、連結部材26を介して出力部材27に連結されている。
トランスファ84は、出力部材27の側から伝達される回転を第1出力部材21Aと第2出力部材21Bとに分配する。すなわち、トランスファ84は、出力部材27の側から伝達される回転を第1出力部材21Aと第2出力部材21Bとに分配する分配部200を備えている。ここで、「回転を第1出力部材21Aと第2出力部材21Bとに分配する」とは、第1出力部材21A及び第2出力部材21Bの一方への配分割合が100[%]となり、第1出力部材21A及び第2出力部材21Bの他方への配分割合が0[%]となる場合を含む概念として用いている。図1に示す例では、出力部材27が、トランスファ84の入力部材として機能する。分配部200として、パートタイム式、フルタイム式、これらの複合式等の、あらゆる方式の分配部を採用することができる。すなわち、分配部200が、図1には示されない機構(センタディファレンシャル機構や差動制限機構等)を備えていてもよい。
図1に示す例では、分配部200として、パートタイム式の分配部を採用している。すなわち、図1に示す分配部200は、後輪3A及び前輪3Bの一方のみ(ここでは、後輪3Aのみ)を駆動する2輪駆動状態と、後輪3A及び前輪3Bの双方を駆動する4輪駆動状態と、を切り替えるように構成されている。具体的には、図1に示す分配部200は、軸方向Lに移動自在な第2スリーブ部材201と、巻掛伝動機構202と、を備えている。巻掛伝動機構202は、第1回転体202A(例えば、スプロケット)と、第1回転体202Aとは別軸に配置される第2回転体202B(例えば、スプロケット)と、第1回転体202A及び第2回転体202Bに巻き掛けられる伝動部材202C(例えば、チェーン)と、を備えている。なお、図1に示す例では、後述する変速部100による変速後の出力部材27の回転が、トランスファ中間部材28に伝達され、分配部200は、トランスファ中間部材28の回転を第1出力部材21Aと第2出力部材21Bとに分配する。図1に示す例では、トランスファ中間部材28は、第1出力部材21Aと一体的に回転するように連結されている。
図1に示すように、第2スリーブ部材201が2輪駆動位置Z3に位置する状態では、第1回転体202Aはトランスファ中間部材28から切り離される(言い換えれば、トランスファ中間部材28との連結が解除される)。一方、第2スリーブ部材201が4輪駆動位置Z4に位置する状態では、第1回転体202Aは、トランスファ中間部材28に連結(ここでは、一体的に回転するように連結)され、トランスファ中間部材28は、巻掛伝動機構202を介して第2出力部材21Bに連結される。第2回転体202Bは、第2出力部材21Bと一体的に回転するように連結されている。よって、第2スリーブ部材201が2輪駆動位置Z3に位置する状態では、2輪駆動状態が実現され、第2スリーブ部材201が4輪駆動位置Z4に位置する状態では、4輪駆動状態が実現される。
本実施形態では、トランスファ84は、出力部材27の側から伝達される回転の速度と、第1出力部材21A及び第2出力部材21Bに分配する回転の速度との比を、段階的に変更可能に構成されている。この比は、例えば、第1出力部材21Aの回転速度に対する出力部材27の回転速度の比とすることができる。図1に示す例では、トランスファ84は、出力部材27と分配部200との間の動力伝達経路に、変速部100(副変速機)を備えている。変速部100は、出力部材27の回転を変速してトランスファ中間部材28に伝達する。そのため、上記の比は、トランスファ中間部材28の回転速度に対する出力部材27の回転速度の比とすることができる。このように、本実施形態では、トランスファ84が、変速部100と分配部200とが直列に連結された構成を備えるが、トランスファ84が、変速部100と分配部200とが複合した機構を備える構成とすることもできる。
図1に示す例では、変速部100は、軸方向Lに移動自在な第1スリーブ部材101と、第1スリーブ部材101の軸方向Lの位置に応じて変速比が切り替えられる変速機構102と、を備えている。この変速機構102は、出力部材27に連結されるサンギヤと、キャリヤと、ケース40或いは他の非回転部材に固定されるリングギヤと、を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構を用いて構成されている。そして、図1に示すように、第1スリーブ部材101が第1位置Z1に位置する状態では、変速機構102を構成する遊星歯車機構のサンギヤが、トランスファ中間部材28と一体的に回転するように連結され、第1スリーブ部材101が第2位置Z2に位置する状態では、変速機構102を構成する遊星歯車機構のキャリヤが、トランスファ中間部材28と一体的に回転するように連結される。そのため、第1スリーブ部材101が第1位置Z1に位置する状態では、出力部材27の回転がそのままの回転速度でトランスファ中間部材28に伝達され、第1スリーブ部材101が第2位置Z2に位置する状態では、出力部材27の回転が減速されてトランスファ中間部材28に伝達される。
このように、図1に示す例では、トランスファ84は、当該トランスファ84における動力の伝達状態を、トランスファ中間部材28の回転速度に対する出力部材27の回転速度の比(或いは、第1出力部材21Aの回転速度に対する出力部材27の回転速度の比)が相対的に小さい状態(ハイギヤ状態)と、当該比が相対的に大きい状態(ローギヤ状態)と、に切り替えるように構成されている。このような構成とは異なり、トランスファ84が上記の比を変更不可能な構成(例えば、トランスファ84が変速部100を備えない構成)とすることもできる。
トランスファ84は、変速機4に対して軸方向第1側L1に配置されている。出力部材27は、変速機4に対して軸方向第1側L1に、変速出力部材23と同軸に配置されている。そして、回転電機6は、変速機4とトランスファ84との軸方向Lの間に、変速出力部材23と同軸に配置されている。中間部材24は、変速機4に対して軸方向第1側L1に、変速出力部材23と同軸に配置されている。本実施形態では、図3に示すように、中間部材24の外周面は、ロータ軸25の内周面よりも小径に形成されており、中間部材24は、ロータ軸25に対して径方向内側R2であって、径方向視でロータ軸25と重複する位置に配置されている。なお、本実施形態では、車両用駆動装置1は、軸方向第2側L2が車体前側となる向きで、車両に搭載される。
本実施形態では、車両用駆動装置1は、減速機83を備えている。減速機83は、第2動力伝達経路T2に設けられ、回転電機6の側から伝達される回転を減速して第1動力伝達経路T1の側に伝達する。本実施形態では、減速機83は、変速機4と回転電機6との軸方向Lの間に、変速出力部材23と同軸に配置されている。本実施形態では、回転電機6と中間部材24とを結ぶ第2動力伝達経路T2には、減速機83以外に変速機構は設けられておらず、回転電機6の回転は、減速機83のギヤ比に応じて減速されて、中間部材24に伝達される。また、本実施形態では、第2動力伝達経路T2には、回転電機6と中間部材24とを選択的に連結する係合装置は設けられておらず、回転電機6は、中間部材24と常時連動して回転する。
本実施形態では、減速機83は、回転電機6に連結されるサンギヤ11と、中間部材24に連結されるキャリヤ12と、ケース40(具体的には、後述する第2ケース部42、より具体的には、支持部材44)に固定されるリングギヤ13と、を備えた遊星歯車機構10を用いて構成されている。キャリヤ12は、サンギヤ11及びリングギヤ13の双方に噛み合うピニオンギヤ14を回転自在に支持している。図3に示すように、ピニオンギヤ14は、キャリヤ12に保持されたピニオン軸15に支持されている。本実施形態では、サンギヤ11は、回転電機6と一体的に回転するように連結され、キャリヤ12は、中間部材24と一体的に回転するように連結されている。そして、遊星歯車機構10は、シングルピニオン型の遊星歯車機構である。よって、回転電機6からサンギヤ11に入力された回転は、遊星歯車機構10のギヤ比に応じて減速されて、キャリヤ12から中間部材24に出力される。なお、車両用駆動装置1が減速機83を備えない構成(例えば、回転電機6の回転がそのままの回転速度で中間部材24に伝達される構成)とすることもできる。
図6に示すように、車両用駆動装置1は、第1ポンプP1と第2ポンプP2とを備えている。第1ポンプP1は、第1動力伝達経路T1を伝わる動力により駆動されるポンプである。すなわち、第1ポンプP1は、いわゆる機械式ポンプである。本実施形態では、第1ポンプP1は、入力部材20の回転により駆動されるように構成されている。すなわち、第1ポンプP1は、内燃機関2により駆動される。第2ポンプP2は、第1動力伝達経路T1から独立した駆動力源M(図2参照)により駆動されるポンプである。第2動力伝達経路T2は、第1動力伝達経路T1に接続される動力伝達経路であるため、第1動力伝達経路T1から独立した駆動力源Mは、第2動力伝達経路T2からも独立している。本実施形態では、駆動力源Mは、電動モータ(例えば、3相等の複数相の交流電力で駆動される交流モータ)であり、第2ポンプP2は、いわゆる電動ポンプである。図6に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置1は、更に、第1動力伝達経路T1から独立した駆動力源(図示せず)により駆動される第3ポンプP3を備えている。本実施形態では、第3ポンプP3を駆動する駆動力源は、電動モータ(例えば、3相等の複数相の交流電力で駆動される交流モータ)である。第1ポンプP1、第2ポンプP2、及び第3ポンプP3として、例えば、内接歯車ポンプ、外接歯車ポンプ、ベーンポンプ等を用いることができる。
第1ポンプP1は、油貯留部30から吸入した油を変速機4に供給し、第2ポンプP2は、油貯留部30から吸入した油を回転電機6に供給する。すなわち、この車両用駆動装置1では、ケース40の内部の油を、変速機4と回転電機6との間で共有している。本実施形態では、第1ポンプP1から吐出された油は、油圧制御装置8を介して変速機4に供給され、第2ポンプP2から吐出された油は、油圧制御装置8を介することなく回転電機6に供給される。詳細は後述するが、第2ポンプP2から回転電機6に供給された油によって、回転電機6が冷却される。
油圧制御装置8は、ソレノイドバルブ、切替バルブ、及び調圧バルブ等を備える。油圧制御装置8は、第1ポンプP1から吐出された油の油圧を制御して、変速機4の各部に供給する。油圧制御装置8は、例えば、ライン圧を生成して、ライン圧の油を変速機4が備える変速用係合装置の油圧駆動部(油圧サーボ機構等)に供給する。変速用係合装置の係合の状態は、当該変速用係合装置の油圧駆動部に供給される油圧(作動油圧)に応じて制御される。また、油圧制御装置8は、例えば、ライン圧の生成時に副次的に生じる潤滑圧の油を、変速機4における冷却必要部位(例えば、変速用係合装置の摩擦板)や、変速機4における潤滑必要部位(例えば、ギヤや軸受)に供給する。図6では、油圧制御装置8と変速機4との間の油の流れについて、作動油圧の油(作動油)の流れは省略し、潤滑圧の油(潤滑冷却油)の流れを簡略化して示している。図6に示すように、潤滑冷却油は、油圧制御装置8から、油を冷却する熱交換器であるオイルクーラ9を介して、変速機4に供給される。
上述したように、本実施形態では、車両用駆動装置1は第3ポンプP3を備えており、第3ポンプP3は、油貯留部30から吸入した油を変速機4に供給する。図6では、第1ポンプP1の吐出口に接続された吐出油路と第3ポンプP3の吐出口に接続された吐出油路とが合流して油圧制御装置8に接続される形態を例示している。なお、図6では、逆止弁等を省略している。第3ポンプP3は、例えば、第1ポンプP1が停止している場合や第1ポンプP1の回転速度が規定値以下である場合に駆動される。これにより、例えば、内燃機関2のアイドルストップ制御の実行中や、回転電機6の駆動力のみによって車両を走行させる電動走行モードの実行中に、変速機4において必要となる油圧(例えば、変速用係合装置の係合圧をストロークエンド圧等の待機圧に維持するための油圧)を、第3ポンプP3の駆動により発生させることができる。
第1ポンプP1及び第2ポンプP2は、油を濾過するストレーナを介して、油貯留部30の油を吸入する。本実施形態では、第1ポンプP1が油貯留部30から吸入する油を濾過するストレーナと、第2ポンプP2が油貯留部30から吸入する油を濾過するストレーナとが、各別に設けられている。具体的には、第1ポンプP1の吸入口である第1吸入口P1aに、第1ストレーナ31が接続され、第2ポンプP2の吸入口である第2吸入口P2aに、第1ストレーナ31とは別の第2ストレーナ32が接続されている。すなわち、第1ポンプP1は、第1ストレーナ31を介して油貯留部30から油を吸入し、第2ポンプP2は、第2ストレーナ32を介して油貯留部30から油を吸入する。本実施形態では、第3ポンプP3の吸入口である第3吸入口P3aに、第1ストレーナ31が接続されており、第3ポンプP3は、第1ストレーナ31を介して油貯留部30から油を吸入する。本実施形態では、第1吸入口P1aが「第1ポンプの吸入口」に相当し、第2吸入口P2aが「第2ポンプの吸入口」に相当する。
図2に示すように、ケース40は、変速機4が収容される第1室S1を形成する第1ケース部41と、回転電機6が収容される第2室S2を形成する第2ケース部42と、を備えている。第1室S1と第2室S2とは、軸方向Lに隣接して配置されている。第2室S2は、第1室S1に対して軸方向第1側L1に隣接して配置されている。第1室S1の一部が第2ケース部42によって形成され、或いは、第2室S2の一部が第1ケース部41によって形成されてもよい。図3に示す例では、第2室S2における軸方向第2側L2の一部は、第1ケース部41と第2ケース部42との接合面40aよりも軸方向第2側L2に配置されており、第2室S2における軸方向第2側L2の一部が、第1ケース部41によって形成されている。
第1室S1には、変速機4以外の装置や部材が収容されてもよく、本実施形態では、油圧制御装置8、第1ポンプP1(図6参照)、第1ストレーナ31、及び第2ストレーナ32が、第1室S1に収容されている。具体的には、第1室S1には油貯留部30が形成されており、第1ストレーナ31及び第2ストレーナ32は、油貯留部30に配置されている。また、第2室S2には、回転電機6以外の装置や部材が収容されてもよく、本実施形態では、減速機83及び回転センサ80が第2室S2に収容されている。なお、図2及び図6では、第2ポンプP2がケース40の外部に配置される形態を例示しているが、例えば、第2ポンプP2が第2ケース部42の内部(例えば、第2室S2)に配置される構成とすることもできる。また、図6では、第3ポンプP3が第1ケース部41の内部(具体的には、第1室S1)に配置される形態を例示しているが、第3ポンプP3がケース40の外部に配置される構成とすることもできる。
第2ケース部42は、第1ケース部41に接合される。具体的には、第2ケース部42は、第1ケース部41の軸方向第1側L1に接合される。第1ケース部41と第2ケース部42とは、例えば締結ボルトを用いて接合される。第2ケース部42が第1ケース部41に接合された状態で、中間部材24が変速出力部材23に連結されている。図3に示す例では、変速出力部材23の軸方向第1側L1の端部は第2室S2に配置されており、第2室S2において中間部材24が変速出力部材23に連結されている。
本実施形態では、第2ケース部42は、トランスファ84のケースであるトランスファケース(図示せず)に接合される。具体的には、第2ケース部42は、トランスファケースの軸方向第2側L2に接合される。第2ケース部42とトランスファケースとは、例えば締結ボルトを用いて接合される。第2ケース部42がトランスファケースに接合された状態で、中間部材24が出力部材27に連結されている。
図2に示すように、第1ケース部41は、下部に開口45aが形成されたケース本体部45と、開口45aを塞ぐようにケース本体部45に取り付けられ、第1室S1に油貯留部30を形成する受け部材46と、を備えている。受け部材46は、第1ケース部41の一部を構成するオイルパンである。受け部材46は、上方に開口する槽状に形成されている。すなわち、受け部材46は、底面部と、底面部の周囲から上側V1に延びる周壁部と、を備えている。油貯留部30は、第1室S1の一部であり、具体的には、第1室S1における下側V2の一部である。例えば、第1室S1における油面30aよりも下側V2になる場合がある部分の全体を、油貯留部30と定義することができる。
ケース40は、更に、第1室S1と第2室S2とを区画する区画壁43を備えている。区画壁43は、第1室S1と第2室S2とを軸方向Lに区画している。本明細書では、数を明記している場合や単数と複数を区別している場合を除き、「区画壁」は、単数及び複数のいずれをも含む概念として用いている。区画壁43は、第1ケース部41と第2ケース部42とのいずれか一方又は双方に設けられる。図2及び図3に示すように、本実施形態では、区画壁43は、第1ケース部41のみに設けられている。すなわち、本実施形態では、ケース40は、1つの区画壁43を備えており、当該1つの区画壁43は、第1ケース部41に設けられている。なお、ケース40が1つの区画壁43を備える場合に、当該1つの区画壁43が第2ケース部42に設けられる構成とすることもできる。
また、例えば、ケース40が2つの区画壁43を備え、一方の区画壁43が第1ケース部41に設けられ、他方の区画壁43が第2ケース部42に設けられる構成とすることもできる。この場合、第1室S1と第2室S2とは、軸方向Lに並ぶ2つの区画壁43により区画される。後述するように、本実施形態では、第2ケース部42が支持部材44を備えるが、例えば、支持部材44に代えて区画壁43を設けることで、ケース40が2つの区画壁43を備える構成とすることができる。この場合、第1ケース部41が備える区画壁43と第2ケース部42が備える区画壁43との間には、第1室S1及び第2室S2とは別の、減速機83が収容される第3室が形成される。
図4に示すように、区画壁43に、第1室S1と第2室S2とを連通する連通孔50が形成されている。連通孔50は、区画壁43を軸方向Lに貫通して形成されている。図4に示す例では、区画壁43に、2つの連通孔50が形成されている。2つの連通孔50は、軸方向Lに直交する水平方向(図4における左右方向)における互いに異なる位置に配置されている。具体的には、2つの連通孔50は、回転軸心Aに対して当該水平方向の互いに反対側に配置されている。本実施形態では、ケース40は1つの区画壁43を備えるが、ケース40が複数(例えば、2つ)の区画壁43を備える場合には、区画壁43のそれぞれに連通孔50が形成される。
図6に簡略化して示すように、変速機4に供給された油は第1室S1の内部を通って油貯留部30に帰還し、回転電機6に供給された油は第2室S2から連通孔50を通って油貯留部30に帰還する。上述したように、変速機4には第1ポンプP1から油が供給され、本実施形態では、変速機4には第3ポンプP3からも油が供給される。変速機4は第1室S1に配置されているため、潤滑冷却油等の変速機4に供給された油は、重力の作用を受けて下側V2に流動して油貯留部30に帰還する。
上述したように、回転電機6には第2ポンプP2から油が供給される。回転電機6は第2室S2に配置されているため、回転電機6に供給された油は、重力の作用を受けて第2室S2の底部である第2底部S2a(図5参照)に向かって下側V2に流動する。ここで、第2底部S2aは、第1室S1の底部(ここでは、油貯留部30の底部)である第1底部S1a(図2参照)よりも上方に配置されている。そして、連通孔50は、第2室S2側において第2底部S2aに開口している。よって、回転電機6に供給された油は、第2底部S2aから連通孔50を通って第1室S1側に流動して、第1室S1に形成された油貯留部30に帰還する。なお、連通孔50が「第2底部S2aに開口する」とは、第2底部S2aの底面に対して上側V1に隣接する位置に開口することを意味する。このように、車両用駆動装置1は、回転電機6に供給された油を油貯留部30に戻すための帰還油路72(図6参照)を備えており、帰還油路72は、第2室S2と第1室S1(具体的には、油貯留部30)とを連通孔50を介して連通するように形成されている。なお、油貯留部30の油面30aは、少なくとも第2ポンプP2の駆動時には、連通孔50の最下部よりも下方に位置する。本実施形態では、第1底部S1aが「油貯留部の底部」に相当し、第2底部S2aが「第2室の底部」に相当する。
図2及び図3に示すように、本実施形態では、第2ケース部42は、回転電機6に対して軸方向第2側L2に支持部材44を備えている。支持部材44は、第2ケース部42における回転電機6を径方向外側R1から囲む部分である周壁部47とは別部材とされている。支持部材44は、周壁部47に対して径方向内側R2に配置されていると共に、周壁部47と一体的に連結されている。支持部材44は、周壁部47或いは周壁部47に固定された部材に、例えば締結ボルトを用いて固定される。図5に示すように、支持部材44は、回転軸心Aよりも下側V2に、当該支持部材44における軸方向Lに沿う軸方向視で回転電機6と重複する部分を切り欠いた切り欠き部44bを備えている。切り欠き部44bは、回転軸心Aを基準とする周方向の一部の領域に形成されている。このような切り欠き部44bを設けることで、回転電機6に供給された油を連通孔50が形成された区画壁43まで軸方向第2側L2に向かって流動させるための油路(通り道)を適切に確保することが可能となっている。
本実施形態では、減速機83は、支持部材44に対して軸方向第2側L2に配置されている。ここでは、減速機83は、支持部材44と区画壁43との軸方向Lの間に、支持部材44及び区画壁43と軸方向Lに対向して配置されている。すなわち、減速機83は、第2室S2における支持部材44に対して軸方向第2側L2の部分に収容されている。また、本実施形態では、ロータ60と支持部材44との軸方向Lの間に、ロータ60の回転を検出する回転センサ80が配置されている。本実施形態では、回転センサ80はレゾルバであり、回転センサ80は、ケース40(具体的には、第2ケース部42、より具体的には、支持部材44)に固定されたセンサステータと、ロータ軸25に固定されたセンサロータと、を備えている。
ここで、第1ポンプP1及び第2ポンプP2の双方が停止している状態(本実施形態では、更に第3ポンプP3が停止している状態)を、全ポンプ停止状態とする。例えば車両の停止時に、全ポンプ停止状態が実現される。図2に、全ポンプ停止状態における油貯留部30の油面30aの一例を示す。すなわち、図2に示す油面30aは、油貯留部30の油面30aの変化範囲における最も高い油面30aを表している。なお、ここでは、車両が停止している状態等、油面30aが水平面に沿う状況を想定している。本実施形態では、全ポンプ停止状態における油貯留部30の油面30aが、クラッチ81が備えるクラッチドラム82の下端82aよりも下方に位置している。クラッチ81は、変速機4が備える変速用係合装置である。本実施形態では、図2に示すクラッチドラム82が、変速機4が備える回転体のうちの下端が最も下側V2に配置される回転体となっている。また、本実施形態では、全ポンプ停止状態における油貯留部30の油面30aは、ロータ60の下端よりも下方に位置している。なお、変速機4が備える回転体のうちの下端が最も下側V2に配置される回転体が、クラッチドラム82とは別の回転体(以下、「対象回転体」という)である場合には、全ポンプ停止状態における油貯留部30の油面30aが、変速機4が備える当該対象回転体の下端よりも下方に位置する構成とすると好適である。本実施形態では、クラッチドラム82が「回転体」に相当する。
図2に示すように、ケース40は、車体85に固定されたマウント86に取り付けられる取付部1aを備えている。図2に示す例では、車体85が備えるクロスメンバ85aに、ゴム台座を備えたマウント86(ゴムマウント)が固定されている。ケース40に設けられた取付部1aには、マウント86又はマウント86に固定された部材(ステー等)が、例えば締結ボルトを用いて取り付けられる。なお、本実施形態では、ケース40(具体的には、第1ケース部41)の軸方向第2側L2の端部が内燃機関2に連結されることで、車両用駆動装置1の軸方向第2側L2の端部は、内燃機関2に取り付けられるマウント(図示せず)を介して車体85に支持される。すなわち、車両用駆動装置1は、取付部1aが設けられた箇所と軸方向第2側L2の端部との少なくとも2箇所(例えば、2箇所のみ)で、車体85に支持される。
本実施形態では、第2ケース部42に取付部1aが設けられている。ここでは、取付部1aは、径方向Rに沿う径方向視で回転電機6と重複する位置に設けられている。取付部1aは、周方向の一部の領域で、径方向視で回転電機6と重複するように配置されている。すなわち、取付部1aは、軸方向Lの配置領域が回転電機6と重複するように配置されている。図2に示す例では、取付部1aにおける軸方向第1側L1の部分が、径方向視で第2コイルエンド部64B(図3参照)と重複するように配置されている。
ここで、本実施形態の車両用駆動装置1から回転電機6を取り除くと共に、変速機4とトランスファ84とを連結するアダプタ部(本実施形態の車両用駆動装置1における第2ケース部42に相当する部分)に、マウントに取り付けられる取付部が設けられる車両用駆動装置を、既存の車両用駆動装置として考える。上記のように、本実施形態の車両用駆動装置1では、取付部1aが第2ケース部42に設けられる。そのため、このような既存の車両用駆動装置に回転電機6を付加して(すなわち、ハイブリッド化して)本実施形態の車両用駆動装置1を実現する場合には、取付部1aの位置を既存の車両用駆動装置から大きく変更する必要はなく、例えば、取付部1aの位置を既存の車両用駆動装置と共通とすることができる。これにより、既存の車両用駆動装置をハイブリッド化して本実施形態の車両用駆動装置1を実現する場合に、車体85側の変更規模を小さく抑えることが可能となっている。
次に、本実施形態の車両用駆動装置1における回転電機6に対する油の供給構造について説明する。図6に示すように、車両用駆動装置1は、油貯留部30と第2吸入口P2aとを接続する吸入油路70を備えている。図3に示すように、本実施形態では、吸入油路70は、第1ケース部41と第2ケース部42との接合面40a(合わせ面)を貫通するように形成されている。本実施形態では、吸入油路70が「油貯留部と第2ポンプの吸入口とを接続する油路」に相当する。
具体的には、吸入油路70は、第1油路91と第2油路92とを備えている。第1油路91は、油貯留部30(具体的には、油貯留部30に配置された第2ストレーナ32)と第1ケース部41における軸方向第1側L1の端面(第1ケース部41側の接合面40a)とを接続する油路である。第1油路91の下流側端部は、第1ケース部41における軸方向第1側L1の端面に開口している(図4参照)。ここでは、第1油路91における上流側部分は、一端が第2ストレーナ32に接続された吸入パイプ51の内部に形成され、第1油路91における下流側部分は、第1ケース部41に形成されている。また、第2油路92は、第2ケース部42における軸方向第2側L2の端面(第2ケース部42側の接合面40a)と第2吸入口P2aとを接続する油路である。第2油路92の上流側端部は、第2ケース部42における軸方向第2側L2の端面に開口している(図5参照)。ここでは、第2油路92における上流側部分のみが、第2ケース部42に形成されている。そして、第1油路91の下流側端部と第2油路92の上流側端部とが接合面40aにおいて軸方向Lに対向して配置されることで(図3参照)、第1油路91の下流側端部と第2油路92の上流側端部とが連通して第1油路91と第2油路92とが接続されている。これにより、接合面40aを貫通するように吸入油路70が形成されている。
図6に示すように、車両用駆動装置1は、第2ポンプP2から吐出された油を回転電機6に供給する吐出油路71を備えている。本実施形態では、吐出油路71には、油を冷却する熱交換器であるオイルクーラは設けられていないが、第2ポンプP2が油を吸入する油貯留部30の油温は、上述したオイルクーラ9の存在により所定温度以下に抑えられる。そのため、このように吐出油路71にオイルクーラを設けない構成としても、回転電機6を適切に冷却することが可能となっている。なお、吐出油路71にオイルクーラが設けられる構成とすることもできる。本実施形態では、吐出油路71が「第2ポンプから吐出された油を回転電機に供給する油路」に相当する。
図3に示すように、本実施形態では、吐出油路71は、第1ケース部41と第2ケース部42との接合面40aを貫通するように形成されている。具体的には、吐出油路71は、第4油路94と第6油路96とを備えている。第4油路94は、第2ポンプP2が吐出した油が供給される油路であり、第4油路94の下流側端部は、第1ケース部41における軸方向第1側L1の端面に開口している。ここでは、第4油路94の全体が、第1ケース部41に形成されている。また、第6油路96は、第4油路94から油が供給される油路であり、第6油路96の上流側端部は、第2ケース部42における軸方向第2側L2の端面に開口している(図5参照)。ここでは、第6油路96の全体が、支持部材44(具体的には、支持部材44における軸方向Lに延在する筒状部44a)に形成されている。そして、第4油路94の下流側端部と第6油路96の上流側端部とが接合面40aにおいて軸方向Lに対向して配置されることで(図3参照)、第4油路94の下流側端部と第6油路96の上流側端部とが連通して第4油路94と第6油路96とが接続されている。これにより、接合面40aを貫通するように吐出油路71が形成されている。
本実施形態では、第6油路96の油は、回転電機6に対して径方向外側R1から供給される。具体的には、図3に示すように、車両用駆動装置1は、回転電機6に対して径方向外側R1から油を供給する第8油路98を備えており、第6油路96の下流側端部は第8油路98の上流側端部に接続されている。よって、第6油路96から第8油路98に供給された油が、回転電機6に対して径方向外側R1から供給される。ここでは、第8油路98は、ステータ61に対して上側V1に配置された冷却パイプ52の内部に形成されている。冷却パイプ52の軸方向第2側L2の端部は、第8油路98が第6油路96に連通するように支持部材44(具体的には、筒状部44a)に支持されている。冷却パイプ52には、冷却パイプ52の内周面と外周面とを連通する吐出孔が形成されており、第8油路98の油が当該吐出孔からステータ61に向けて吐出されることで、ステータ61が冷却される。図3に示す例では、吐出孔として、第1コイルエンド部64Aに向けて油を吐出する第1吐出孔52aと、第2コイルエンド部64Bに向けて油を吐出する第2吐出孔52bと、ステータコア62に向けて油を吐出する第3吐出孔52cと、が形成されている。
本実施形態では、吐出油路71は、更に、第3油路93と、第5油路95と、第7油路97と、第9油路99と、を備えている。第3油路93は、吐出油路71における第4油路94に対して上流側に配置される油路である。図3に示すように、第3油路93は、第2ポンプP2から吐出されて第1ケース部41の外部から第1ケース部41に導入される油(図2参照)を、第4油路94に供給する。ここでは、第3油路93の全体が、第1ケース部41に形成されている。第5油路95は、第3油路93に対して第4油路94と並列に接続されている。すなわち、第2ポンプP2から吐出されて第3油路93に供給された油は、第4油路94と第5油路95とに分配される。ここでは、第5油路95の全体が、区画壁43に形成されている。具体的には、第5油路95は、第3油路93との接続部から区画壁43の内部を径方向内側R2に向かって延びるように形成されている。区画壁43における径方向Rの中心部には、区画壁43を軸方向Lに貫通する貫通孔が形成されており、第5油路95は、当該貫通孔の内周面に開口している。変速出力部材23は、区画壁43に形成された上記の貫通孔に挿通されており、第5油路95の油は、変速出力部材23に形成された第7油路97に供給される。
第7油路97は、軸方向Lに延在する油路であり、変速出力部材23の内部に形成されている。第7油路97は、変速出力部材23の内周面によって区画形成されている。変速出力部材23には、変速出力部材23の内周面と外周面とを連通する供給孔23aが形成されており、第5油路95の油は、供給孔23aを介して第7油路97に供給される。第9油路99は、軸方向Lに延在する油路であり、中間部材24の内部に形成されている。第9油路99は、中間部材24の内周面によって区画形成されている。第7油路97は、軸方向第1側L1に開口するように形成され、第9油路99は、軸方向第2側L2に開口するように形成されている。よって、第7油路97の油は、軸方向第1側L1に向かって流動して第9油路99に供給される。
第9油路99の油は、回転電機6に対して径方向内側R2から供給される。具体的には、中間部材24には、中間部材24の内周面と外周面とを連通する第1供給孔24aが形成されており、第9油路99の油は、第1供給孔24aからロータ軸25の内周面に供給される。ロータ軸25の内周面に供給された油は軸方向Lに流れ、この際に行われる油とロータ軸25との熱交換によって、ロータ60が径方向内側R2から冷却される。図3に示す例では、ロータ軸25には、ロータ軸25の内部の油をロータ軸25の外側に排出するための第1排出孔25a及び第2排出孔25bが形成されている。第1排出孔25a及び第2排出孔25bは、ロータ軸25の内周面と外周面とを連通するように形成されている。第1排出孔25aは、第1供給孔24aに対して軸方向第1側L1に配置されており、ロータ軸25の内部を軸方向第1側L1に向かって流れた油は、第1排出孔25aからロータ軸25の外部に排出される。第2排出孔25bは、第1供給孔24aに対して軸方向第2側L2に配置されており、ロータ軸25の内部を軸方向第2側L2に向かって流れた油は、第2排出孔25bからロータ軸25の外部に排出される。
本実施形態では、第1排出孔25aから排出された油は、第1コイルエンド部64Aに対して径方向内側R2から供給され、第2排出孔25bから排出された油は、第2コイルエンド部64Bに対して径方向内側R2から供給される。このように、本実施形態では、ロータ60を冷却した後の油を第1コイルエンド部64A及び第2コイルエンド部64Bに供給して、第1コイルエンド部64A及び第2コイルエンド部64Bを冷却するように構成されている。
図3に示す例では、中間部材24における第1供給孔24aに対して軸方向第2側L2に、中間部材24の内周面と外周面とを連通する第2供給孔24bが形成されており、第9油路99の油は、第2供給孔24bからもロータ軸25の内周面に供給される。また、ロータ軸25には、第2供給孔24bからロータ軸25の内周面に供給された油をロータ軸25の外部に排出するための第3排出孔25cが形成されている。第3排出孔25cは、ロータ軸25の内周面と外周面とを連通するように形成されている。第3排出孔25cからロータ軸25の外部に排出された油が、支持部材44に対して回転自在にロータ軸25を支持する軸受(図3に示す例では、ボールベアリング)に供給されることで、当該軸受が潤滑される。また、ロータ軸25における軸方向第2側L2の端部からロータ軸25の外部に排出された油や、第3排出孔25cからロータ軸25の外部に排出された油が、減速機83を支持する軸受(例えば、サンギヤ11を支持する軸受)に供給されることで、当該軸受が潤滑される。
図3に示すように、本実施形態では、互いに一体的に回転するように連結された変速出力部材23と中間部材24とが、減速機83に対して径方向内側R2を軸方向Lに貫通して配置されている。そして、本実施形態では、図3に示すように、車両用駆動装置1は、第2ポンプP2から吐出された油を、供給油路73を介して、減速機83に対して径方向内側R2から供給するように構成されている。図3に示す例では、供給油路73は、変速出力部材23(具体的には、変速出力部材23の外周面)に沿って軸方向Lに延在する油路であり、油は供給油路73を軸方向第1側L1に向かって流れる。ここでは、供給油路73は、区画壁43における径方向Rの中心部に形成された貫通孔の内周面と、変速出力部材23の外周面との径方向Rの間に形成されており、第5油路95の油の一部が、当該貫通孔の内周面に形成された軸方向Lに延在する溝部を介して、軸方向第2側L2から供給油路73に供給される。本実施形態では、変速出力部材23及び中間部材24が、減速機に対して径方向内側を軸方向に貫通する「軸部材」に相当し、供給油路73が、「軸部材に沿う油路」に相当する。
供給油路73の油は、減速機83に対して径方向内側R2から供給される。具体的には、供給油路73の油は、キャリヤ12に取り付けられたオイルレシーバ53に対して径方向内側R2から供給され、オイルレシーバ53によって捕集された油がピニオン軸15の内部に形成された潤滑油路に導かれて、ピニオン軸15に対して回転自在にピニオンギヤ14を支持するピニオン軸受が潤滑される。図3に示す例では、供給油路73の油は、中間部材24と区画壁43との軸方向Lの間に設けられた軸受(スラスト軸受)に供給され、当該軸受を潤滑した後の油が、オイルレシーバ53によって捕集される。
〔その他の実施形態〕
次に、車両用駆動装置のその他の実施形態について説明する。
次に、車両用駆動装置のその他の実施形態について説明する。
(1)上記の実施形態では、減速機83に対して径方向内側R2から油を供給するための供給油路73が、変速出力部材23の外周面に沿って軸方向Lに延在するように形成される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、供給油路73が、変速出力部材23の内周面に沿って軸方向Lに延在するように形成される構成とすることもできる。この場合、供給油路73は、上記の実施形態での第7油路97により構成される。この場合、例えば、供給油路73(第7油路97)の油が、変速出力部材23の内周面と外周面とを連通する孔(供給孔23aに対して軸方向第1側L1に形成される孔)を介して、減速機83(具体的には、オイルレシーバ53)に対して径方向内側R2から供給される構成とすることができる。
(2)上記の実施形態では、吐出油路71が、第1ケース部41と第2ケース部42との接合面40aを貫通するように形成される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば第2ポンプP2から吐出された油が第2ケース部42の外部から第2ケース部42に導入される場合等において、吐出油路71が接合面40aを貫通するように形成されない構成とすることもできる。
(3)上記の実施形態では、吸入油路70が、第1ケース部41と第2ケース部42との接合面40aを貫通するように形成される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば第2ポンプP2が第2室S2に配置される場合等において、吸入油路70が接合面40aを貫通するように形成されない構成とすることもできる。
(4)上記の実施形態では、第2ストレーナ32が油貯留部30に配置される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第2ストレーナ32が、油貯留部30と第2吸入口P2aとの間の油の流通経路における、油貯留部30の外部に配置される構成とすることもできる。
(5)上記の実施形態では、第1ポンプP1の吸入口である第1吸入口P1aに、第1ストレーナ31が接続され、第2ポンプP2の吸入口である第2吸入口P2aに、第1ストレーナ31とは別の第2ストレーナ32が接続される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第1ストレーナ31とは別の第2ストレーナ32が設けられず、第2吸入口P2aに第1ストレーナ31が接続される構成とすることもできる。すなわち、第1ポンプP1と第2ポンプP2とが、油貯留部30に配置された共通のストレーナ(上記の実施形態では第1ストレーナ31)を介して、油貯留部30の油を吸入する構成とすることもできる。
(6)上記の実施形態では、第2ポンプP2から吐出された油が、油圧制御装置8を介することなく回転電機6に供給される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第2ポンプP2から吐出された油が、油圧制御装置8を介して(例えば、油圧制御装置8により調圧された後)、回転電機6に供給される構成とすることもできる。
(7)上記の実施形態では、第1ポンプP1及び第2ポンプP2の双方が停止している全ポンプ停止状態における油貯留部30の油面30aが、変速機4が備える回転体のうちの下端が最も下側V2に配置される回転体の下端(上記の実施形態では、クラッチドラム82の下端82a)よりも下方に位置する構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、全ポンプ停止状態における油貯留部30の油面30aが、変速機4が備える回転体のうちの下端が最も下側V2に配置される回転体の下端よりも上方に配置される構成とすることもできる。
(8)上記の実施形態では、第2ケース部42に取付部1aが設けられる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば取付部1aがトランスファケースに設けられる構成等、取付部1aが第2ケース部42に設けられない構成とすることもできる。
(9)上記の実施形態では、減速機83が、変速機4と回転電機6との軸方向Lの間に、変速出力部材23と同軸に配置される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、減速機83が、回転電機6とトランスファ84との軸方向Lの間に、変速出力部材23と同軸に配置される構成とすることもできる。
(10)上記の実施形態では、遊星歯車機構10が、回転電機6に連結されるサンギヤ11と、中間部材24に連結されるキャリヤ12と、第2ケース部42に固定されるリングギヤ13とを備える構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、遊星歯車機構10が、第2ケース部42に固定されるサンギヤ11と、中間部材24に連結されるキャリヤ12と、回転電機6に連結されるリングギヤ13とを備える構成とすることもできる。また、遊星歯車機構10としてダブルピニオン型の遊星歯車機構を用いることもでき、この場合に、遊星歯車機構10が、回転電機6に連結されるサンギヤ11と、第2ケース部42に固定されるキャリヤ12と、中間部材24に連結されるリングギヤ13とを備える構成とし、或いは、遊星歯車機構10が、第2ケース部42に固定されるサンギヤ11と、回転電機6に連結されるキャリヤ12と、中間部材24に連結されるリングギヤ13とを備える構成とすることもできる。
(11)上記の実施形態では、車両用駆動装置1が、4輪駆動方式の駆動装置である場合を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、車両用駆動装置1を、左右一対の後輪3A又は左右一対の前輪3Bを駆動する駆動装置(2輪駆動方式の駆動装置)とすることもできる。例えば、トランスファ84が設けられず、出力部材27が、第1出力部材21Aと一体的に回転するように連結される構成とすることができる。また、車両用駆動装置1を、1つの車輪3を駆動する駆動装置とすることも可能である。
(12)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した車両用駆動装置の概要について説明する。
以下、上記において説明した車両用駆動装置の概要について説明する。
車両用駆動装置(1)は、内燃機関(2)に駆動連結される入力部材(20)と、車輪(3)に駆動連結される出力部材(27)と、前記入力部材(20)と前記出力部材(27)とを結ぶ第1動力伝達経路(T1)に設けられ、前記入力部材(20)の側から伝達される回転を変速して変速出力部材(23)に伝達する変速機(4)と、前記第1動力伝達経路(T1)における前記変速出力部材(23)よりも前記出力部材(27)の側に、第2動力伝達経路(T2)を介して駆動力を伝達可能な回転電機(6)と、前記変速機(4)及び前記回転電機(6)を収容するケース(40)と、前記第1動力伝達経路(T1)を伝わる動力により駆動される第1ポンプ(P1)と、前記第1動力伝達経路(T1)から独立した駆動力源(M)により駆動される第2ポンプ(P2)と、を備え、前記回転電機(6)は、軸方向(L)における前記変速機(4)に対して前記出力部材(27)の側に、前記変速出力部材(23)と同軸に配置され、前記ケース(40)は、前記変速機(4)が収容される第1室(S1)を形成する第1ケース部(41)と、前記第1ケース部(41)に接合されて前記回転電機(6)が収容される第2室(S2)を形成する第2ケース部(42)と、前記第1室(S1)と前記第2室(S2)とを区画する区画壁(43)と、を備え、前記区画壁(43)に、前記第1室(S1)と前記第2室(S2)とを連通する連通孔(50)が形成され、前記第1ケース部(41)は、下部に開口(45a)が形成されたケース本体部(45)と、前記開口(45a)を塞ぐように前記ケース本体部(45)に取り付けられ、前記第1室(S1)に油貯留部(30)を形成する受け部材(46)と、を備え、前記第1ポンプ(P1)は、前記油貯留部(30)から吸入した油を前記変速機(4)に供給し、前記第2ポンプ(P2)は、前記油貯留部(30)から吸入した油を前記回転電機(6)に供給し、前記変速機(4)に供給された油は前記第1室(S1)の内部を通って前記油貯留部(30)に帰還し、前記回転電機(6)に供給された油は前記第2室(S2)から前記連通孔(50)を通って前記油貯留部(30)に帰還する。
本構成によれば、変速機(4)と回転電機(6)とを同軸に備えた車両用駆動装置(1)において、第1ポンプ(P1)により変速機(4)に油を供給し、第2ポンプ(P2)により回転電機(6)に油を供給することができるため、変速機(4)と回転電機(6)とのそれぞれに適切に油を供給することができる。また、変速機(4)が収容される第1室(S1)と回転電機(6)が収容される第2室(S2)とを区画する区画壁(43)に連通孔(50)が形成され、変速機(4)に供給された油は第1室(S1)の内部を通って当該第1室(S1)に形成された油貯留部(30)に帰還し、回転電機(6)に供給された油は第2室(S2)から連通孔(50)を通って油貯留部(30)に帰還するように構成されている。そのため、第1ポンプ(P1)と第2ポンプ(P2)とのそれぞれに油貯留部を設ける必要がなく、第1ポンプ(P1)と第2ポンプ(P2)とで第1室(S1)に形成された1つの油貯留部(30)を共用することができる。
これにより、回転電機(6)が収容される第2ケース部(42)を、油貯留部(30)を備える必要がない簡略な構成とすることができる。一方、内燃機関のみを車輪の駆動力源とする既存車両においても、変速機が収容されるケースには、通常、変速機に供給する油が貯留される油貯留部が設けられている。そのため、本構成によれば、変速機(4)が収容される第1ケース部(41)の構成を、既存車両の変速機のケースに近い構成とし、或いは既存車両の変速機のケースをそのまま用いることができる。このように、本構成によれば、既存車両に対して付加的要素となる回転電機(6)が収容される第2ケース部(42)を簡略な構成とすることができると共に、変速機(4)が収容される第1ケース部(41)の構成を既存車両に近い構成とすることができるため、様々な車両に搭載することが容易であり、汎用性の高い車両用駆動装置(1)を実現することができる。
ここで、前記第1ポンプ(P1)から吐出された油は、油圧制御装置(8)を介して前記変速機(4)に供給され、前記第2ポンプ(P2)から吐出された油は、前記油圧制御装置(8)を介することなく前記回転電機(6)に供給されると好適である。
本構成によれば、第1ポンプ(P1)からの油を用いて油圧制御装置(8)により変速機(4)を適切に制御することができると共に、冷却及び潤滑のために回転電機(6)に供給する油については、油圧制御装置(8)を介することがないために圧力損失を少なく抑えて効率的に油の供給を行うことができる。そして、このような構成においても、上記のとおり、第1ポンプ(P1)と第2ポンプ(P2)とで油貯留部(30)を共用することができる。
また、前記第2室(S2)の底部(S2a)は、前記油貯留部(30)の底部(S1a)よりも上方に配置され、前記連通孔(50)は、前記第2室(S2)側において前記第2室(S2)の底部(S2a)に開口していると好適である。
本構成によれば、第2室(S2)の中の油が、当該第2室(S2)の底部(S2a)から連通孔(50)を介して第1室(S1)にある油貯留部(30)の側へ流れる流れを適切に形成することができる。従って、回転電機(6)に供給された後の油を適切に油貯留部(30)へ帰還させることができる。
また、前記第1ポンプ(P1)の吸入口(P1a)に接続される第1ストレーナ(31)と、前記第2ポンプ(P2)の吸入口(P2a)に接続される第2ストレーナ(32)とが、前記油貯留部(30)に配置されていると好適である。
本構成によれば、第1ポンプ(P1)と第2ポンプ(P2)とが、それぞれ独立にストレーナを備えている場合であっても、それぞれのストレーナを介して第1ポンプ(P1)及び第2ポンプ(P2)が適切に油貯留部(30)から油を吸入することができる。また、第2ストレーナ(32)が第1室(S1)に形成された油貯留部(30)に配置されているため、第2ケース部(42)の側にストレーナを配置する必要がない。そのため、回転電機(6)が収容される第2ケース部(42)を小型化したり、更に簡略な構成としたりすることが容易となっている。
また、前記油貯留部(30)と前記第2ポンプ(P2)の吸入口(P2a)とを接続する油路(70)が、前記第1ケース部(41)と前記第2ケース部(42)との接合面(40a)を貫通するように形成されていると好適である。
本構成によれば、第2ポンプ(P2)が第2ケース部(42)の側に取り付けられている場合でも、第1室(S1)に形成された油貯留部(30)と第2ポンプ(P2)の吸入口(P2a)とを適切に接続することができる。
また、前記第2ポンプ(P2)から吐出された油を前記回転電機(6)に供給する油路(71)が、前記第1ケース部(41)と前記第2ケース部(42)との接合面(40a)を貫通するように形成されていると好適である。
本構成によれば、第2ポンプ(P2)から吐出された油を、第1ケース部(41)に形成された油路を介して、回転電機(6)に供給することができる。従って、例えば、回転電機(6)に対して径方向(R)の外側又は内側に配置された油路に連通する接続油路(93)が第1ケース部(41)の側に設けられている場合であっても、当該接続油路(93)を介して回転電機(6)に油を適切に供給することができる。
また、前記第2ケース部(42)に、車体(85)に固定されたマウント(86)に取り付けられる取付部(1a)が設けられていると好適である。
一般的に、マウント(86)に取り付けられる取付部(1a)には、マウント(86)と連結するための締結部材の締結孔が設けられる。このような締結孔が設けられるケースの部分に油貯留部が設けられていると、当該締結孔から油が漏れないようにするためのシール構造が必要になったり、当該締結孔をケースの油貯留部から離すために別部材を介してケースをマウント(86)に取り付ける構造にしたり、といった対策が必要となる。本構成によれば、上記のとおり、第2ケース部(42)に油貯留部(30)が設けられていないため、このような対策が必要なく、取付部(1a)の構成を簡略化することができる。また、本構成によれば、駆動系のねじれ振動の発生源となり易い回転電機(6)に近い位置で、ケース(40)を車体(85)に支持させることができる。よって、駆動系のねじれ振動を低減して、当該ねじれ振動に起因する車体(85)の振動を小さく抑え易くなっている。
また、前記第2動力伝達経路(T2)に設けられ、前記回転電機(6)の側から伝達される回転を減速して前記第1動力伝達経路(T1)の側に伝達する減速機(83)と、前記減速機(83)に対して径方向(R)の内側を前記軸方向(L)に貫通する軸部材(23,24)と、を備え、前記第2ポンプ(P2)から吐出された油を、前記軸部材(23,24)に沿う油路(73)を介して、前記減速機(83)に対して前記径方向(R)の内側から供給するように構成されていると好適である。
本構成によれば、回転電機(6)と共に動作する減速機(83)に対して、回転電機(6)と共通の第2ポンプ(P2)から油を供給することができる。従って、減速機(83)の動作に合わせて適切に油の供給を行い易い。また、回転体には遠心力が作用するため、径方向(R)の外側から油を供給するよりも、径方向(R)の内側から油を供給する方が必要な箇所に油を供給し易い。本構成によれば、このような回転体を備える減速機(83)に対して径方向(R)の内側から油を供給するため、減速機(83)の必要な箇所に適切に油を供給することができる。
また、前記第1ポンプ(P1)及び前記第2ポンプ(P2)の双方が停止している状態における前記油貯留部(30)の油面(30a)が、前記変速機(4)が備える回転体(82)の下端(82a)よりも下方に位置していると好適である。
本構成によれば、油貯留部(30)の油面(30a)が高い状態でも変速機(4)が備える回転体(82)が油に浸からないようにすることができる。従って、油貯留部(30)の油によって回転体(82)の回転抵抗が大きくなることを抑制することができる。
本開示に係る車両用駆動装置は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
1:車両用駆動装置
1a:取付部
2:内燃機関
3:車輪
4:変速機
6:回転電機
8:油圧制御装置
20:入力部材
23:変速出力部材(軸部材)
24:中間部材(軸部材)
27:出力部材
30:油貯留部
30a:油面
31:第1ストレーナ
32:第2ストレーナ
40:ケース
40a:接合面
41:第1ケース部
42:第2ケース部
43:区画壁
45:ケース本体部
45a:開口
46:受け部材
50:連通孔
70:吸入油路(油貯留部と第2ポンプの吸入口とを接続する油路)
71:吐出油路(第2ポンプから吐出された油を回転電機に供給する油路)
73:供給油路(軸部材に沿う油路)
82:クラッチドラム(回転体)
82a:下端
83:減速機
85:車体
86:マウント
L:軸方向
M:駆動力源
P1:第1ポンプ
P1a:第1吸入口(第1ポンプの吸入口)
P2:第2ポンプ
P2a:第2吸入口(第2ポンプの吸入口)
R:径方向
S1:第1室
S1a:第1底部(油貯留部の底部)
S1:第2室
S2a:第2底部(第2室の底部)
T1:第1動力伝達経路
T2:第2動力伝達経路
1a:取付部
2:内燃機関
3:車輪
4:変速機
6:回転電機
8:油圧制御装置
20:入力部材
23:変速出力部材(軸部材)
24:中間部材(軸部材)
27:出力部材
30:油貯留部
30a:油面
31:第1ストレーナ
32:第2ストレーナ
40:ケース
40a:接合面
41:第1ケース部
42:第2ケース部
43:区画壁
45:ケース本体部
45a:開口
46:受け部材
50:連通孔
70:吸入油路(油貯留部と第2ポンプの吸入口とを接続する油路)
71:吐出油路(第2ポンプから吐出された油を回転電機に供給する油路)
73:供給油路(軸部材に沿う油路)
82:クラッチドラム(回転体)
82a:下端
83:減速機
85:車体
86:マウント
L:軸方向
M:駆動力源
P1:第1ポンプ
P1a:第1吸入口(第1ポンプの吸入口)
P2:第2ポンプ
P2a:第2吸入口(第2ポンプの吸入口)
R:径方向
S1:第1室
S1a:第1底部(油貯留部の底部)
S1:第2室
S2a:第2底部(第2室の底部)
T1:第1動力伝達経路
T2:第2動力伝達経路
Claims (9)
- 内燃機関に駆動連結される入力部材と、
車輪に駆動連結される出力部材と、
前記入力部材と前記出力部材とを結ぶ第1動力伝達経路に設けられ、前記入力部材の側から伝達される回転を変速して変速出力部材に伝達する変速機と、
前記第1動力伝達経路における前記変速出力部材よりも前記出力部材の側に、第2動力伝達経路を介して駆動力を伝達可能な回転電機と、
前記変速機及び前記回転電機を収容するケースと、
前記第1動力伝達経路を伝わる動力により駆動される第1ポンプと、
前記第1動力伝達経路から独立した駆動力源により駆動される第2ポンプと、を備え、
前記回転電機は、軸方向における前記変速機に対して前記出力部材の側に、前記変速出力部材と同軸に配置され、
前記ケースは、前記変速機が収容される第1室を形成する第1ケース部と、前記第1ケース部に接合されて前記回転電機が収容される第2室を形成する第2ケース部と、前記第1室と前記第2室とを区画する区画壁と、を備え、
前記区画壁に、前記第1室と前記第2室とを連通する連通孔が形成され、
前記第1ケース部は、下部に開口が形成されたケース本体部と、前記開口を塞ぐように前記ケース本体部に取り付けられ、前記第1室に油貯留部を形成する受け部材と、を備え、
前記第1ポンプは、前記油貯留部から吸入した油を前記変速機に供給し、
前記第2ポンプは、前記油貯留部から吸入した油を前記回転電機に供給し、
前記変速機に供給された油は前記第1室の内部を通って前記油貯留部に帰還し、前記回転電機に供給された油は前記第2室から前記連通孔を通って前記油貯留部に帰還する、車両用駆動装置。 - 前記第1ポンプから吐出された油は、油圧制御装置を介して前記変速機に供給され、
前記第2ポンプから吐出された油は、前記油圧制御装置を介することなく前記回転電機に供給される、請求項1に記載の車両用駆動装置。 - 前記第2室の底部は、前記油貯留部の底部よりも上方に配置され、
前記連通孔は、前記第2室側において前記第2室の底部に開口している、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。 - 前記第1ポンプの吸入口に接続される第1ストレーナと、前記第2ポンプの吸入口に接続される第2ストレーナとが、前記油貯留部に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
- 前記油貯留部と前記第2ポンプの吸入口とを接続する油路が、前記第1ケース部と前記第2ケース部との接合面を貫通するように形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
- 前記第2ポンプから吐出された油を前記回転電機に供給する油路が、前記第1ケース部と前記第2ケース部との接合面を貫通するように形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
- 前記第2ケース部に、車体に固定されたマウントに取り付けられる取付部が設けられている、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
- 前記第2動力伝達経路に設けられ、前記回転電機の側から伝達される回転を減速して前記第1動力伝達経路の側に伝達する減速機と、前記減速機に対して径方向の内側を前記軸方向に貫通する軸部材と、を備え、
前記第2ポンプから吐出された油を、前記軸部材に沿う油路を介して、前記減速機に対して前記径方向の内側から供給するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。 - 前記第1ポンプ及び前記第2ポンプの双方が停止している状態における前記油貯留部の油面が、前記変速機が備える回転体の下端よりも下方に位置している、請求項1から8のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020062707A JP2021160466A (ja) | 2020-03-31 | 2020-03-31 | 車両用駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020062707A JP2021160466A (ja) | 2020-03-31 | 2020-03-31 | 車両用駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021160466A true JP2021160466A (ja) | 2021-10-11 |
Family
ID=78004251
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020062707A Pending JP2021160466A (ja) | 2020-03-31 | 2020-03-31 | 車両用駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021160466A (ja) |
-
2020
- 2020-03-31 JP JP2020062707A patent/JP2021160466A/ja active Pending
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