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JP2021148195A - 動力伝達装置 - Google Patents

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JP2021148195A
JP2021148195A JP2020048544A JP2020048544A JP2021148195A JP 2021148195 A JP2021148195 A JP 2021148195A JP 2020048544 A JP2020048544 A JP 2020048544A JP 2020048544 A JP2020048544 A JP 2020048544A JP 2021148195 A JP2021148195 A JP 2021148195A
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泰寛 藤田
Yasuhiro Fujita
泰寛 藤田
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】トルク変動による遊星ギヤ機構における歯打ち音などの異音の発生を防ぐことができる動力伝達装置を提供すること。【解決手段】同軸上に配置された複数の遊星ギヤ機構PG1,PG2をハウジング1内に収容し、軸方向に隣接する2つの遊星ギヤ機構PG1,PG2の各リングギヤr1,r2をハウジング1に固定した動力伝達装置100において、軸方向に隣接する2つの遊星ギヤ機構PG1,PG2の各リングギヤr1,r2とハウジング1との周方向隙間δに、くの字状に屈曲するバネ部材13を、両リングギヤr1,r2を軸方向に跨ぐように配置する。ここで、2つの遊星ギヤ機構PG1,PG2の各リングギヤr1,r2は、ハウジング1にそれぞれスプライン嵌合によって固定され、これらのリングギヤr1,r2とハウジング1との嵌合部の周方向隙間δにバネ部材13を配置する。そして、複数のバネ部材13は、周方向に等角度ピッチで配置される。【選択図】図3

Description

本発明は、同軸上に配置された複数の遊星ギヤ機構を備える動力伝達装置に関する。
例えば、車両の動力伝達装置には、エンジンや電動モータなどの駆動源から入力軸に入力される回転を減速するための減速機構が設けられているが、この減速機構において高い減速比を得るために、例えば、複数の遊星ギヤ機構を軸方向に並設して構成される動力伝達装置が知られている。
ところで、各遊星ギヤ機構は、サンギヤと、該サンギヤの周囲に配置されるリングギヤと、サンギヤとリングギヤに噛合して自転しながらサンギヤの周りを公転する複数のピニオンギヤ(遊星ギヤ)と、これらのピニオンギヤを回転可能に支持するキャリアを含んで構成されている。このような遊星ギヤ機構を例えば軸方向に2つ並設して構成される動力伝達装置によれば、駆動源によって回転駆動される入力軸の回転が2つの遊星ギヤ機構によって2段階に減速されるために高い減速比が得られるとともに、全体を小型コンパクトに構成することができる。
しかしながら、複数の遊星ギヤ機構を軸方向に並設した減速機構を備える動力伝達装置においては、高負荷時にリングギヤに軸振れが生じ、リングギヤがハウジングに衝突して異音が発生するという不具合が起こる可能性がある。
そこで、特許文献1には、リングギヤの外周に軟質弾性体を固着し、リングギヤがハウジングに衝突した際の衝撃を軟質弾性体の弾性変形によって吸収することによって、リングギヤの軸振れに起因する異音の発生を抑えるようにした消音装置が提案されている。
実開昭62−080071号公報
しかしながら、特許文献1において提案された消音装置においては、高負荷時に軟質弾性体が叩かれて潰されるため、該軟質弾性体による衝撃吸収効果が低下し、異音の抑制効果も低下するという問題がある。
ところで、リングギヤがスプライン嵌合によってハウジングに固定されている遊星ギヤ機構においては、トルク変動によってリングギヤとハウジングとのスプライン嵌合部にスプライン歯同士の衝突による歯打ち音が発生するという問題があるが、特許文献1において提案された消音装置では、このような歯打ち音の発生を防ぐことはできない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、トルク変動による遊星ギヤ機構における歯打ち音などの異音の発生を防ぐことができる動力伝達装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、同軸上に配置された複数の遊星ギヤ機構(PG1,PG2)をハウジング(1)内に収容し、軸方向に隣接する2つの前記遊星ギヤ機構(PG1,PG2)の各リングギヤ(r1,r2)を前記ハウジング(1)に固定した動力伝達装置(100)であって、軸方向に隣接する2つの前記遊星ギヤ機構(PG1,PG2)の各リングギヤ(r1,r2)と前記ハウジング(1)との周方向隙間(δ)に、屈曲するバネ部材(13)を、前記両リングギヤ(r1,r2)を軸方向に跨ぐように配置したことを特徴とする。
ここで、2つの前記遊星ギヤ機構(PG1,PG2)の各リングギヤ(r1,r2)は、前記ハウジング(1)にそれぞれスプライン嵌合によって固定され、これらのリングギヤ(r1,r2)と前記ハウジング(1)との嵌合部の周方向隙間(δ)に前記バネ部材(13)を配置する。
本発明によれば、軸方向に隣接する2つの遊星ギヤ機構におけるトルク変動がバネ部材の弾性変形によって吸収されため、リングギヤのスプライン歯とハウジングのスプライン歯との衝突が防がれ、両者の衝突による歯打ち音の発生が防がれて動力伝達装置の静音化が図られる。
また、前記動力伝達装置(100)において、複数の前記バネ部材(13)を周方向に等角度ピッチで配置することが望ましい。
このように複数のバネ部材を周方向に等角度ピッチで配置することによって、各遊星ギヤ機構におけるトルク変動を複数のバネ部材によって周方向に均等に効果的に吸収することができる。
また、前記動力伝達装置(100)において、前記バネ部材(13)は、金属製の板材または棒材をくの字状に折り曲げて構成され、その長手方向両端部が隣接する前記各リングギヤ(r1,r2)にそれぞれ当接し、長手方向中間の屈曲部が前記ハウジング(1)に当接するよう配置されていることが好ましい。
そして、この場合、前記バネ部材(13)の前記屈曲部の前記ハウジング(1)への当接点(P)は、同バネ部材(13)の長手方向両端部に前記各リングギヤ(r1,r2)から作用する力(F1,F2)による当該当接点(P)を中心とする互いに逆方向のモーメント(M1,M2)が釣り合う位置に配置されていることが望ましい。
上記構成によれば、バネ部材の長手方向両端部に2つの遊星ギヤ機構の各リングギヤから作用する力によるモーメントが釣り合って互いに相殺するため、各リングギヤのスプライン歯が、ハウジングのスプライン歯に接触せず、歯打ち音などの異音を防ぐことができる。
本発明によれば、動力伝達装置の遊星ギヤ機構において、トルク変動による歯打ち音などの異音の発生を防ぐことができるという効果が得られる。
本発明に係る動力伝達装置の基本構成を模式的に示す縦断面図である。 本発明に係る動力伝達装置の遊星ギヤ機構の速度線図である。 本発明に係る動力伝達装置の遊星ギヤ機構部の半裁断面図である。 図3のA−A線断面図である。 図4のB部拡大断面図である。 図5のC−C線断面図である。 バネ部材の斜視図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る動力伝達装置の基本構成を模式的に示す縦断面図、図2は同動力伝達装置の遊星ギヤ機構の速度線図であり、図1に示す動力伝達装置100は、不図示の電気自動車(EV車)に搭載されるものであって、以下のように構成されている。
すなわち、図1に示す動力伝達装置100は、ハウジング1内に駆動源である電動モータMと多段減速機T、ディファレンシャル機構(差動機構)Dなどを収容して構成されている。より詳細には、ハウジング1内は隔壁1Aによってモータ室SMとギヤ室SGとに区画されており、モータ室SMには、駆動源である電動モータMが収容され、ギヤ室SGには多段減速機Tとディファレンシャル機構Dが収容されている。なお、電動モータMは、回生時に発電機(ジェネレータ)としても機能するものであって、これには不図示のインバータを介してバッテリが電気的に接続されており、このバッテリから供給される電力によって当該電動モータMが回転駆動される。
上記電動モータMの中心には、該電動モータMによって回転駆動される回転可能な中空の入力軸(モータ軸)2が挿通しており、この入力軸2の軸方向両端部は、軸受(ボールベアリング)3によってハウジング1に回転可能に支持されている。そして、この入力軸2の軸方向一端部(図1の左端部)は、ハウジング1の隔壁1Aを貫通してギヤ室SGに臨んでいる。
ギヤ室SGに収容された多段減速機Tは、入力軸2の軸方向(図1の左右方向)に隣接して並設された第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2を備えている。ここで、第1遊星ギヤ機構PG1は、入力軸2のギヤ室SGへと延出する軸方向一端部(図1の左端部)の外周に形成された小径のサンギヤs1と、ハウジング1の内周に固定された大径のリングギヤr1と、サンギヤs1とリングギヤr1に噛合して自転しながらサンギヤs1の周りを公転する複数(図1には2つのみ図示)のピニオンギヤ(遊星ギヤ)p1と、これらのピニオンギヤp1を回転(自転)可能に支持するキャリアc1を備えている。
また、第2遊星ギヤ機構PG2は、第1遊星ギヤ機構PG1のキャリアc1に形成された小径のサンギヤs2と、ハウジング1の内周に固定された大径のリングギヤr2と、サンギヤs2とリングギヤr2に噛合して自転しながらサンギヤs2の周りを公転する複数(図1には2つのみ図示)のピニオンギヤ(遊星ギヤ)p2と、これらのピニオンギヤp2を回転(自転)可能に支持するキャリアc2を備えている。
そして、第2遊星ギヤ機構PG2のキャリアc2には、ディファレンシャル機構Dのケース(デフケース)4が取り付けられている。なお、ディファレンシャル機構Dの構成は公知であるため、これについての説明は省略するが、このディファレンシャル機構Dからは左右の出力軸(車軸)5L,5Rが同一軸上を車幅方向(図1の左右方向)に沿って延びており、各車軸5L,5Rの外端部には不図示の車輪(駆動輪)がそれぞれ取り付けられている。ここで、ディファレンシャル機構Dのケース(デフケース)4は、軸受(ボールベアリング)6によってハウジング1に回転可能に支持されている。
ところで、一方(図1の右方)の出力軸(車軸)5Rは、第2遊星ギヤ機構PG2のキャリアc2の中空部と中空の入力軸(モータ軸)2を貫通してハウジング1の外方へと延出しており、この出力軸(車軸)5Rと入力軸(モータ軸)2とは同一軸心上を車幅方向(図1の左右方向)に沿って回転可能に配置されている。なお、出力軸(車軸)5Rの軸方向一端部(図1の右端部)は、軸受7によってハウジング1に回転可能に支持されている。
而して、以上のように構成された動力伝達装置100において、電動モータMが起動されて入力軸(モータ軸)2が所定の速度で回転駆動されると、この入力軸2の回転は、第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2によって2段減速されて左右の出力軸(車軸)5L,5Rへとそれぞれ伝達される。
すなわち、図2に示すように、第1遊星ギヤ機構PG1においては、入力軸(モータ軸)2に形成されたサンギヤs1が入力軸2と共に速度V1で回転駆動されると、自転しながらサンギヤs1の周りを公転するピニオンギヤp1を支持するキャリアc1が速度(ピニオンギヤp1の公転速度)V2(<V1)で回転する。この結果、入力軸(モータ軸)2の回転は、第1遊星ギヤ機構PG1によって速度V1から速度V2(<V1)へと減速される。
そして、第2遊星ギヤ機構PG2においては、図2に示すように、第1遊星ギヤ機構PG1のキャリアc1に形成されたサンギヤs2がキャリアc1と同速度V2で回転し、自転しながらサンギヤs2の周りを公転するピニオンギヤp2を支持するキャリアc2が速度(ピニオンギヤp2の公転速度)V3(<V2)で回転する。
以上の結果、入力軸(モータ軸)2の回転は、第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2によって速度V1から速度V3(<V2<V1)へと2段減速される。すると、ディファレンシャル機構Dのケース(デフケース)4が第2遊星ギヤ機構PG2のキャリアc2と共に速度V3で回転し、この回転は、ディファレンシャル機構Dによって分配されて左右の出力軸(車軸)5L,5Rへと伝達され、左右の出力軸(車軸)5L,5Rがそれぞれ回転駆動される。この結果、左右の出力軸(車軸)5L,5Rの各外端部にそれぞれ取り付けられた左右の不図示の車輪(駆動輪)がそれぞれ回転駆動されるため、電気自動車(EV車)が所定の速度で走行する。
次に、多段減速機Tの構成の詳細を図3〜図6に基づいて以下に説明する。
図3は本発明に係る動力伝達装置の遊星ギヤ機構部の半裁断面図、図4は図3のA−A線断面図、図5は図4のB部拡大断面図、図6は図5のC−C線断面図、図7はバネ部材の斜視図である。
図3に示すように、第1遊星ギヤ機構PG1においては、複数(図3には1つのみ図示)のピニオンギヤp1は、キャリアc1に取り付けられた水平な第1ピニオンシャフト8に対して軸受(ニードルベアリング)9によってそれぞれ回転(自転)可能に支持されている。
また、第2遊星ギヤ機構PG2においては、複数(図3には1つのみ図示)のピニオンギヤp2は、キャリアc2に取り付けられた水平な第2ピニオンシャフト10に対して軸受(ニードルベアリング)11によってそれぞれ回転(自転)可能に支持されている。なお、この第2遊星ギヤ機構PG2のキャリアc2は、軸受(ボールベアリング)12によってハウジング1に回転可能に支持されている。
ところで、第1遊星ギヤ機構PG1のリングギヤr1と第2遊星ギヤ機構PG2のリングギヤr2は、図3に示すように、間に軸受(ボールベアリング)12を挟んで軸方向に並設されており、これらのリングギヤr1,r2は、その外周部がハウジング1の内周部にスプライン嵌合によって固定されている。ここで、第1遊星ギヤ機構PG1のリングギヤr1のハウジング1のスプライン嵌合部の詳細を図4に示すが、同図に示すように、このスプライン嵌合部においては、ハウジング1の内周に形成された複数のスプライン歯1aとリングギヤr1の外周に形成された複数のスプライン歯r1aとが互いに噛合している。そして、ハウジング1のスプライン歯1aとリングギヤr1のスプライン歯r1aとの間には、複数の周方向隙間δが形成されている。
また、図3に示すように、第2遊星ギヤ機構PG2のリングギヤr2のハウジング1へのスプライン嵌合部においても、ハウジング1の内周に形成された複数のスプライン歯1aとリングギヤr2の外周に形成された複数のスプライン歯r2aが互いに噛合しているが、両スプライン歯1a、r2aとの間にも複数の径方向隙間δが形成されている。
而して、本実施の形態においては、ハウジング1のスプライン歯1aとリングギヤr1,r2のスプライン歯r1a,r2aとの間に形成される複数の周方向隙間δのうちの幾つか(本実施の形態では、4つ)には、図3〜図6に示すように、くの字状(あるいはU字状又はV字状、以下同じ。)に屈曲するバネ部材13が両リングギヤr1,r2を軸方向に跨ぐようにそれぞれ配置されている(図3及び図6参照)。ここで、バネ部材13は、図7に示すように、バネ鋼などの金属製の板材をくの字状に折り曲げて構成されており、本実施の形態では、4つのバネ部材13が周方向に等角度ピッチ(90°ピッチ)で配置されている。なお、バネ部材13を配置する数は任意であって、例えば、バネ部材13が2つである場合には周方向に180°ピッチ、3つである場合には周方向に120°ピッチ、6つである場合には周方向に60°ピッチで配置され、当該バネ部材13の数をnとすると、その周方向の配置角度は360°/nとなる。また、バネ部材13を金属製の棒部材(丸棒や角棒)をくの字状に折り曲げることによって構成してもよい。
ところで、各バネ部材13は、図6に示すように、その長手方向両端部が軸方向に隣接する2つのリングギヤr1,r2にそれぞれ当接し、長手方向中間の屈曲部がハウジング1に当接するよう配置されている。ここで、各バネ部材13の屈曲部のハウジング1への当接点Pは、当該バネ部材13の長手方向両端部に各リングギヤr1,r2から作用する力F1,F2による当該当接点Pを中心とする互いに逆方向のモーメントM1,M2が釣り合う位置に配置されている。
より詳細には、リングギヤr1,r2は、複数のピニオンギヤp1,p2からトルクT1,T2を受けるが、ピニオンギヤp1,p2は、これらを支持するキャリアc1,c2と同速度V2,V3(図2の速度線図参照)でサンギヤs1,s2の周りを公転する。ここで、図2から明らかなように、ピニオンギヤp1の公転速度(キャリアc1の回転速度)V2の方がピニオンギヤp2の公転速度(キャリアc3の回転速度)V3よりも大きいため(V2>V3)、リングギヤr1がピニオンギヤp1から受けるトルクT1の方がリングギヤr2がピニオンギヤp2から受けるトルクT2よりも小さくなる(T1<T2)。
ここで、各リングギヤr1,r2の噛み合い点の半径をrとすると、各リングギヤr1,r2からバネ部材13に作用する力F1,F2は、それぞれ次式によって表される。
F1=T1/r …(1)
F2=T2/r …(2)
前述のように、T1<T2であるため、上式(1),(2)からF1,F2には次の大小関係が成立する。
F1<F2 …(3)
ここで、図6に示すように、バネ部材13のリングギヤr1,r2への当接点P1,P2のハウジング1への当接点Pからの距離をそれぞれL1,L2とすると、力F1,F2による当接点Pを中心とする互いに逆方向のモーメントM1,M2は、それぞれ次式にて表される。
M1=F1×L1 …(4)
M2=F2×L2 …(5)
これらのモーメントが釣り合う(M1=M2)には、次の関係が成立する必要がある。
F1×L1=F2×L2 …(6)
したがって、バネ部材13の長手方向両端部(リングギヤr1,r2への当接点P1,P2)の屈曲点(ハウジング1への当接点P)からの距離L1,L2には、次の関係が成立する。
L1/L2=F2/F1 …(7)
ここで、(3)式よりF1<F2であるため、L1とL2との間には次の大小関係が成立する。
L1>L2 …(8)
以上において、本実施の形態では、軸方向に隣接する第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2のリングリヤr1,r2のハウジング1とのスプライン嵌合部の周方向隙間(具体的には、リングギヤr1,r2のスプライン歯r1a,r2aとハウジング1のスプライン歯1aとの周方向隙間)δにくの字状に屈曲するバネ部材13を両リングギヤr1,r2を軸方向に跨ぐように配置したため、第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2におけるトルク変動がバネ部材13の弾性変形によって吸収される。このため、リングギヤr1,r2のスプライン歯r1a,r2aとハウジング1のスプライン歯1aとの衝突が防がれ、両者の衝突による歯打ち音の発生が防がれて動力伝達装置100の静音化が図られる。
また、本実施の形態では、複数のバネ部材13を周方向に等角度ピッチで配置したため、各遊星ギヤ機構PG1,PG2におけるトルク変動を複数のバネ部材13によって周方向に均等に効果的に吸収することができる。
さらに、本実施の形態においては、バネ部材13の屈曲部のハウジング1への当接点Pを、当該バネ部材13の長手方向両端部に各リングギヤr1,r2から作用する力F1,F2によるモーメントM1,M2が釣り合う位置に配置したため、各リングギヤr1,r2のスプライン歯r1a,r2aが、ハウジング1のスプライン歯1aに接触せず、歯打ち音などの異音を防ぐことができる。
なお、以上は本発明を電気自動車(EV車)に搭載される動力伝達装置に対して適用した形態について説明したが、本発明は、エンジンのみを駆動源とする車両や駆動源としてエンジンと電動機を併用するハイブリッド車両(HEV車)に搭載される動力伝達装置、或いは車両以外の複数の遊星ギヤ機構を軸方向に並設した任意の装置に設けられる動力伝達装置に対しても同様に適用可能である。
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
1 ハウジング
13 バネ部材
100 動力伝達装置
F1,F2 リングギヤからバネ部材に作用する力
M1,M2 バネ部材に作用するモーメント
P バネ部材のハウジングへの当接点
P1,P2 バネ部材のリングギヤへの当接点
PG1 第1遊星ギヤ機構
PG2 第2遊星ギヤ機構
c1,c2 キャリア
p1,p2 ピニオンギヤ
r1,r2 リングギヤ
s1,s2 サンギヤ
δ 周方向隙間

Claims (5)

  1. 同軸上に配置された複数の遊星ギヤ機構をハウジング内に収容し、軸方向に隣接する2つの前記遊星ギヤ機構の各リングギヤを前記ハウジングに固定した動力伝達装置であって、
    軸方向に隣接する2つの前記遊星ギヤ機構の各リングギヤと前記ハウジングとの周方向隙間に、屈曲するバネ部材を、前記両リングギヤを軸方向に跨ぐように配置したことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 2つの前記遊星ギヤ機構の各リングギヤは、前記ハウジングにそれぞれスプライン嵌合によって固定され、これらのリングギヤと前記ハウジングとの嵌合部の周方向隙間に前記バネ部材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 複数の前記バネ部材を周方向に等角度ピッチで配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記バネ部材は、金属製の板材または棒材をくの字状に折り曲げて構成され、その長手方向両端部が隣接する前記各リングギヤにそれぞれ当接し、長手方向中間の屈曲部が前記ハウジングに当接するよう配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の動力伝達装置。
  5. 前記バネ部材の前記屈曲部の前記ハウジングへの当接点は、同バネ部材の長手方向両端部に前記各リングギヤから作用する力による当該当接点を中心とする互いに逆方向のモーメントが釣り合う位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。
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