JP2021095441A - 樹脂組成物、粘着剤樹脂組成物および粘着フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
[1]:ブロック共重合体(C)を含有する樹脂組成物であって、
ブロック共重合体(C)は、エチレン性不飽和単量体に由来する構造単位を主体とし、且つ数平均分子量が10,000〜500,000であり、
ブロック構造は、[重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)]qXの星形ブロック構造であり(但し、qは3以上6以下の整数であり、重合体ブロック(A)のガラス転移温度は20℃以上であり、[重合体ブロック(B)]qXのガラス転移温度が20℃未満であり、Xは開始剤残基または/およびカップリング剤残基、またはその誘導体である)、
ブロック共重合体(C)には、メルカプト基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、ビニル基、加水分解性シリル基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、エポキシ基、オキセタン基、フリル基、アセトアセチル基、オキサゾリジン基、ニトリル基およびリン酸基から選択される官能基(K)を有しない樹脂組成物。
[2]: ブロック共重合体(C)は、リビングラジカル重合により得られたことを特徴とする、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]: ブロック共重合体(C)は、有機ヨウ素系リビングラジカル重合開始剤残基を少なくとも含み 、ブロック共重合体(C)に対して、ヨウ素含有率が0.0001〜10,000質量ppmの範囲にある[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]: ブロック共重合体(C)は、
有機ヨウ素系リビングラジカル重合開始剤残基を含み、以下の一般式(4)に記載の構造を有する、
Z1は、Yからの分岐毎にそれぞれ独立に、エステル基、ケトン基およびアミド基からなる群より選択される2価の基、または直接結合であり、
Qは1価の分子末端基であり、Yからの分岐毎にそれぞれ独立に、前記分子末端基は、官能基、官能基を有していてもよい炭化水素基、またはヨード基であり、
Yはp価の、置換基を有していてもよい炭化水素基であり、
pは2〜6の整数であり、
R6はYからの分岐毎にそれぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよい1価の炭化水素基であり、
R7はYからの分岐毎にそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい1価の炭化水素基または−COR8であり、
R6とR7はYからの分岐毎にそれぞれ独立に、互いに結合して環を形成していてもよく、
R8は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基または置換基を有していてもよい1価の炭化水素基であり、
前記炭化水素基は、複素環を有していてもよく、それぞれ独立に、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基の少なくともいずれかを有する、
ことを特徴とする[3]に記載の樹脂組成物。
[5]: 重合体ブロック(A)が、メタクリル酸エステル由来の構造単位を50質量%以上含み、重合体ブロック(B)がアクリル酸エステル由来の構造単位を70質量%以上含むことを特徴とする、[1]〜[4]いずれかに記載の樹脂組成物。
[6]: 重合体ブロック(A)中にメチルメタクリレート由来の構造単位を50質量%以上含み、且つ重合体ブロック(B)中にブチルアクリレート由来の構造単位を70質量%以上含むことを特徴とする、[1]〜[5]いずれかに記載の樹脂組成物。
[7]: ブロック共重合体(C)の多分散度(Mw/Mn)が2.5以下であることを特徴とする[1]〜[6]いずれかに記載の樹脂組成物。
[8]: ブロック共重合体(C)中の重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)に対する重合体ブロック(A)の含有率が1〜50質量%の範囲にあることを特徴とする[1]〜[7]いずれかに記載の樹脂組成物。
[9]: [1]〜[8]いずれかに記載の樹脂組成物を含有する粘着剤組成物。
[10]: 更に、粘着付与樹脂を含有する、[9]に記載の粘着剤組成物。
[11]: [9]又は[10]に記載の粘着剤組成物から形成された粘着層を有する粘着フィルム。
本発明に係る樹脂組成物は、以下のブロック共重合体(C)を含有する。ブロック共重合体(C)は、エチレン性不飽和単量体に由来する構造単位を主体とし、数平均分子量が10,000〜500,000である。
ブロック共重合体(C)のブロック構造は、[重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)]qXの星形ブロック構造である。但し、qは3以上6以下の整数である。また、重合体ブロック(A)のガラス転移温度を20℃以上とし、[重合体ブロック(B)]qXのガラス転移温度を20℃未満とする。Xは開始剤残基または/およびカップリング剤残基、またはその誘導体である。
なお、以降の説明において重合体ブロック(A),重合体ブロック(B)をそれぞれ、単にA,Bと表記することがある。
1/(TgA+273.15)=Σ[Wa/(Tga+273.15)] ・・・(1)
式(1)中、TgAは重合体ブロック(A)のTg(℃)であり、Waは重合体ブロック(A)を構成する単量体aの質量分率であり、Tgaは単量体aの単独重合体(ホモポリマー)のTg(℃)である。なお、Tgaはホモポリマーの特性値として広く知られており、例えば、「POLYMERHANDBOOK、THIRDEDITION」に記載されている値や、メーカのカタログ値を用いることができる。
また、メトキシメチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、メトキシプロピルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、エトキシプロピルメタクリレートなどのアルコキシ基の炭素数が1〜4であり、アルキル基の炭素数が1〜4であるアルコキシアルキルメタクリレートなどのアルコキシアルキルメタクリレート類;(ポリアルキレン)グリコールモノアルキル、アルキレン、アルキンエーテルまたはエステルのモノメタクリレート類;酸素原子含有のメタクリル酸系モノマー類;窒素原子含有のメタクリル酸系モノマー類等を用いることができる。更に、その他、ハロゲン原子含有メタクリレート類も例示できる。
また、(ポリアルキレン)グリコールモノアルキル、アルキレン、アルキンエーテルまたはエステルのモノアクリレート類;酸素原子含有のアクリル酸系モノマー類;窒素原子含有のアクリル酸系モノマー類等を用いることができる。更に、その他、ハロゲン原子含有アクリレート類も例示できる。
ブロック共重合体(C)における重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)の含有比率は特に限定されないが、ミクロ相分離構造を容易に得る観点からは、ブロック共重合体(C)に対して、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)の含有率が90.0〜99.9質量%であることが好ましく、98.0〜99.9質量%であることがより好ましい。
また、凝集力向上以外の観点からも、樹脂組成物中にヨウ素を0.0001〜10,000質量ppm含有することで、抗菌性の向上効果がある。
以下、本実施形態のブロック共重合体(C)の製造方法の一例について説明するが、本発明のブロック共重合体(C)は以下の製造方法に限定されるものではない。
Yはp価の置換基を有していてもよい炭化水素基であり、
pは3〜6の整数であり、
R2、R5およびR6はそれぞれ独立に、一般式(6)の場合にはYからの分岐毎にそれぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよい1価の炭化水素基であり、
R3およびR7はそれぞれ独立に、一般式(6)の場合にはYからの分岐毎にそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい1価の炭化水素基または−COR8であり、
R4は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基、−COR8、シアノ基またはニトロ基であり、
R2とR3、R3とR4、R2とR4およびR6とR7はそれぞれ独立に、一般式(6)の場合にはYからの分岐毎にそれぞれ独立に、互いに結合して環を形成していてもよく、
R8は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基または置換基を有していてもよい1価の炭化水素基であり、
R11は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、
R12はアルキレン基、アリーレン基およびアルキレンオキシ基からなる群より選ばれる2価の炭化水素基、または直接結合であり、
前記炭化水素基は、複素環を有していてもよく、それぞれ独立に、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基の少なくともいずれかを有する。一般式(4)、一般式(5)は、ヨウ素−炭素結合を1つ有する例であり、一般式(6)はヨウ素−炭素結合が3〜6つ有する例である。所望とするブロック共重合体(C)の構造に応じて、適切な重合開始剤(XI)を選定すればよい。
また、特開2018−111806号公報に開示の有機ヨウ素化合物を好適に利用できる。重合開始剤のヨウ素に直結する炭素は、第3級炭素、第2級炭素または電子吸引基と直結している第1級炭素が好ましい。
例えば、ゲルマニウム、スズまたはアンチモンから選択される少なくとも1つの中心元
素と、当該中心元素に結合した少なくとも1つのヨウ素原子を含む化合物などが挙げられ、具体的にはヨウ化ゲルマニウム(II)、ヨウ化ゲルマニウム(IV)、ヨウ化スズ(II)、ヨウ化スズ(IV)が例示できる(特開2007−92014号公報参照)。これらの触媒は1種単独または2種類以上を併用してもよい。
RCMP法によりブロック共重合体(C)を製造する場合には、触媒(m)および炭素−ヨウ素結合を3〜6のいずれかである重合開始剤(XI)の存在下で、まず重合体ブロック(B)のラジカル重合を行う。次いで、重合体ブロック(B)が得られた後、重合体ブロック(A)を形成するための単量体を添加し、重合体ブロック(A)の重合を開始する。
RCMP法により製造する場合には、重合体ブロック(B)、重合体ブロック(A)を任意の順で逐次重合し、A−B型のジブロック体を得、その後、カップリングを行う工程を経て、[A−B]qXで表されるブロック共重合体(C)を得られる。ジブロック体の重合開始剤(XI)としては、前述の一般式(4)、(5)が好適である。そして、連結基を3〜6有するカップリング剤を用いることにより、ブロック共重合体(C)が得られる。
図1に、ブロック共重合体(C)の製造法の一例を示す。まず、重合体ブロック(B)を形成するための単量体1に、炭素−ヨウ素結合が3つある重合開始剤3および触媒4を加えて重合を行う。単量体1の種類は1種単独または2種以上とすることができる。当該重合により、開始剤残基Xを有する重合体ブロック(B)およびその連鎖末端にドーマント種としてのヨウ素が結合され、単量体1に由来する構造単位1*を有する重合体31が得られる。
4〜6分岐のブロック共重合体(C)は、炭素−ヨウ素結合がそれぞれ4〜6つ有する重合開始剤(XI)を用いる以外は、製造例1と同様の方法により製造できる。
図2に、4分岐のブロック共重合体(C)の製造法の一例を示す。図2に示すように、まず、重合体ブロック(A)を形成するための単量体2に、炭素−ヨウ素結合が1つある重合開始剤3および必要に応じて触媒(不図示)を加えて重合を行う。
樹脂組成物(D)は、少なくともブロック共重合体(C)含む樹脂組成物であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の化合物を含有できる。溶剤を含んでいてもよいし、無溶剤でもよい。
ブロック共重合体(C)以外の樹脂として、本発明に該当しないブロック共重合体(C)、例えば、A−B−A型のトリブロック構造のブロック共重合体(e)、[A−B]2Xの星形ブロック構造を有するブロック共重合体(e)、分子量が10,000〜500,000の範囲外のブロック共重合体(e)、その他のアクリル樹脂が例示できる。ブロック共重合体(C)とブロック共重合体(e)を混合することにより、塗工粘度、粘着性および剥離性をより適切なものに調整することができる。
樹脂組成物(D)を粘着剤組成物として用いる場合は、溶剤含有タイプ、無用剤タイプのいずれでもよい。
溶剤含有タイプの場合、液状またはペースト状とする態様がある。この場合、溶剤は、ブロック共重合体(C)および他の成分への溶解性または分散性を考慮して選定する。また、加工性を改善するために可塑剤的機能として溶剤を用いる態様もある。この場合、加工性およびプロセス性等を考慮して溶剤を選定する。
樹脂組成物(D)に含有するブロック共重合体(C)は自己粘着性を有するので、架橋剤を用いずに粘着剤組成物として利用することが可能であるが、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、ブロック共重合体(C)の官能基(L)と架橋する反応性基を有する架橋剤を好適に用いることができる。
前記添加剤は、用途に応じて本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種添加剤を制限なく用いることができる。例えば、紫外線防止剤、帯電防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、重合禁止剤、顔料、着色剤、可塑剤、軟化剤、加工助剤、消泡剤、充填剤、粘度調整剤、分散剤、レベリング調整剤、反射防止剤、蛍光剤、光拡散剤、光安定剤、屈折率調整剤、艶消し剤、フィラー、界面活性剤が例示できる。
本実施形態の粘着フィルムは、本実施形態に係る樹脂組成物(D)を含有する粘着剤組成物から形成された粘着層を少なくとも有する粘着フィルム(F)である。粘着フィルム(F)によれば、[重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)]qXの星形ブロック構造を有するブロック共重合体(C)を含有するので、粘着性、伸縮性に優れた粘着フィルム(F)を提供できる。
GPC(商品名:GPCV−2000、日本ウォーターズ社製、カラム:TSKgel、α−3000、移動相:10mMトリエチルアミン/ジメチルホルムアミド溶液)を用い、標準物質としてポリスチレン(分子量427,000、190,000、96,400、37,400、10,200、2,630、440、92)を使用して検量線を作製し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。この測定値から多分散度(PDI=Mw/Mn)を算出した。
ガラス転移温度は、JIS K 7121(2012)プラスチックの転移温度測定法に準拠して測定を行い、当該JIS 9.3記載の補外ガラス転移開始温度(Tig)により求められる温度でガラス転移温度を求めた。測定には、示差走査熱量計(TAインスツルメント社製、DSC Q2000)を用いた。上記方法により、<重合体ブロック(A)>TotalのTg、およびトリブロック構造の場合には重合体ブロック(B)のTg、星形ブロック構造の場合には[重合体ブロック(B)]qXのTgが求められる。
各実施例・比較例で得られた樹脂組成物をメチルエチルケトンに溶解させて樹脂組成物の濃度が2.5質量%の溶液を調製した。得られた溶液を蛍光X線分析装置(フィリップス社製、品番:PW2404)で測定し、各実施例・比較例で得られたブロック共重合体(C)の質量に対するヨウ素含有率(ppm)を求めた。
また、蛍光X線分析装置によりヨウ素が検出されなかったサンプルは、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析)装置(アジレント・テクノロジー社製、Agilent 7900)で測定し、ブロック共重合体(C)に対するヨウ素含有率(質量ppm)を求めた。
更に、ICP−MS装置によりヨウ素が検出されなかったサンプルは、ICP−MS/MS装置(アジレント・テクノロジー社製、Agilent 8900 ICP−QQQ を MS/MS モードで使用)で測定し、ブロック共重合体(C)に対するヨウ素含有率(質量ppm)を求めた。
ICP−MS、ICP−MS/MSの測定条件としては、ブロック共重合体(C)約0.25gを精秤し、マイクロウェーブ湿式分解装置を用いた酸分解法により処理後、蒸留水で50mL定溶とし、ICP測定を行った。
(単量体)
MMA:メチルメタクリレート(住友化学社製)
BMA:ブチルメタクリレート(三菱ケミカル社製)
BA:ブチルアクリレート(日本触媒社製)
MA:メチルアクリレート(日本触媒社製)
St:スチレン(中央化成品社製)
LMA:ラウリルメタクリレート(三菱ケミカル社製)
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート(日本触媒社製)
合成2:4分岐有機ヨウ素系リビングラジカル重合開始剤
合成3:5分岐有機ヨウ素系リビングラジカル重合開始剤
合成4:6分岐有機ヨウ素系リビングラジカル重合開始剤
CP−I:2−ヨード−2−メチルプロピオニトリル(東京化成工業社製)
BM1448: 4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタンサンメチル(BORON MOLECULAR社製)
EMA−II:エチレンビス(2−ヨードイソブチレート)(合同資源社製)
EMA−III:グリセロールトリス(2−ヨードイソブチレート)(合同資源社製)
3f−BiB:1,1,1-Tris(2-bromoisobutyryloxymethyl)ethane(Aldrich社製、No. 723185)
4f−BiB:Pentaerythritol tetrakis(2-bromoisobutyrate)(Aldrich社製、No. 723193)
6f−BiB:Dipentaerythritol hexakis(2-bromoisobutyrate)(Aldrich社製、No. 723207)
AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬社製)
2C−(a)(2官能イソシアネート(a)):ヘキサメチレンジイソシアネート(東ソー社製)
3C−(b)(3官能イソシアネート(b)):TDI−TMPアダクト体(日本ポリウレタン工業社製)
4C−(c)(4官能イソシアネート(c)):合成7
6C−(d)(6官能イソシアネート(d)):合成8
パインクリスタルKE311(ロジン系、荒川化学社製)
タマノル901(テルペンフェノール系、荒川化学社製)
窒素ガス導入管、撹拌機を備えた200mLフラスコに、4f-BiB:Pentaerythritol tetrakis(2-bromoisobutyrate)(Aldrich社製、No. 723193)5.19g(7.1mmol)、ヨウ化ナトリウム(和光純薬社製)5.09g(34mmol)をアセトニトリル20mLに溶解させ、窒素置換後、80℃で8時間加熱攪拌した。反応終了後、濾過精製し、減圧下で溶媒を濃縮し、白色固体物4.98g(収率87.2%)の合成2の化合物を得た。目的物の生成は、1H−NMRより確認した。
窒素ガス導入管、撹拌機を備えた500mLフラスコに、2−ブロモイソブチリルブロミド(東京化成工業社製)50.0g(0.22mol)とα−D−グルコース(Aldrich社製)5.0g(0.028mol)、ピリジン50mLをクロロホルム100mLに溶解させ、窒素置換後、60℃で12時間加熱攪拌した。反応終了後、濾過生成し、減圧下で溶媒を濃縮し、白色固体物2.25g(収率30.0%)の中間体化合物を得た。次いで、窒素ガス導入管、撹拌機を備えた100mLフラスコに、中間体化合物0.50g(0.54mmol)ヨウ化ナトリウム0.5g(3.3mmol)をアセトン50mLに溶解させ、窒素置換後、80℃で12時間加熱攪拌した。反応終了後、濾過精製し、減圧下で溶媒を濃縮し、白色固体物0.38g(収率79.2%)の合成3の化合物を得た。目的物の生成は、1H−NMRより確認した。
窒素ガス導入管、撹拌機を備えた200mLフラスコに、6f-BiB:Dipentaerythritol hexakis(2-bromoisobutyrate)(Aldrich社製、No. 723207)8.15g(7.1mmol)、ヨウ化ナトリウム(和光純薬社製)5.09g(34mmol)をアセトニトリル20mLに溶解させ、窒素置換後、80℃で8時間加熱攪拌した。反応終了後、濾過精製し、減圧下で溶媒を濃縮し、白色固体物7.98g(収率84.2%)の合成4の化合物を得た。目的物の生成は、1H−NMRより確認した。
窒素ガス導入管、撹拌機を備えた100mLフラスコに、L−1,2,3,4−ブタンテトラオール(東京化成工業社製)12.2g(100mmol)、トリレン−2,4−ジイソシアナート(東京化成工業社製)76.6g(440mmol)を入れ、窒素置換後、100℃で3時間加熱攪拌した。反応終了後、濾過精製し、目的物を80.1g(収率87.2%)の合成7の化合物を得た。目的物の生成は、1H−NMRより確認した。
窒素ガス導入管、撹拌機を備えた500mLフラスコに、ジペンタエリトリトール(東京化成工業社製)25.4g(100mmol)、トリレン−2,4−ジイソシアナート(東京化成工業社製)114.9g(660mmol)をトルエン100mLに溶解させ、窒素置換後、60℃で3時間加熱攪拌した。反応終了後、濾過精製し、目的物を100.7g(収率70.2%)の合成8の化合物を得た。目的物の生成は、1H−NMRより確認した。
ブロック共重合体(C)中の重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)に対して、重合体ブロック(A)の含有率を算出した。具体的には、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)を構成するエチレン性不飽和単量体の合計仕込み量に対する、重合体ブロック(A)の含有率を求めた。
RAFT法およびカップリング化反応によりブロック共重合体(C)を合成した。具体的には、窒素ガス導入管、撹拌機を備えた2Lフラスコに、BM1448(RAFT剤)3.9g、AIBN0.02g、MMA23.0g、St2.0gをメチルエチルケトン溶媒50.0g中で、75℃の環境下、12時間反応させることにより重合体ブロック(A)を得た。1H−NMRから算出したMMA、Stの転化率はどちらも99.5%以上であった。次いで、AIBN0.03g、BA127.5g、BMA22.5g、メチルエチルケトン溶媒150.0gをプレポリマー溶液全量に加え、75℃で20時間反応させた。1H−NMRから算出した2段目モノマーBA、BMAの転化率はどちらも100%であった。その後、室温まで冷却した後、濾過、洗浄、および乾燥によって重合体ブロック(B)を含むA−Bジブロックポリマーを得た。更に、このようにして得られたジブロック体70.0gをトルエン300gに溶解させ、処理剤としてモノエチルアミン18gを添加し、30℃で18時間攪拌した。1H−NMR分析およびIR分析、メルカプタン滴定分析により、重合体ブロック(B)の末端のチオカルボニルチオ基が定量的にメルカプト基に変換されていることを確認した。
1H−NMR(400MHz、重クロロホルム溶媒)δppm:7.40−7.27、6.71−6.52、4.03、3.60、2.27、1.90、1.60、1.37、0.94(全てシグナルはブロード)。
また、実施例T1のブロック共重合体(C)のMn、Mw/Mn、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)の仕込み量に対する重合体ブロック(A)の含有率(質量%)およびヨウ素含有率(質量ppm)を求めた。これらの結果を表2に示す。以下の実施例、比較例も同様とした。
実施例T1と同様RAFT法により、表1に示す条件で重合し、分岐構造の[A−B]qXの星形ブロック構造を得た。表2に実施例T1と同様の特性値を示す(以下同様)。
RCMP法およびカップリング化反応によりブロック共重合体(C)を合成した。具体的には、窒素ガス導入管、撹拌機を備えた2Lフラスコに、CP−Iを0.46g、ヨウ素を0.002g、テトラブチルアンモニウムヨージド6.2g、MMAを21.0gおよびBMA3.0g、BA3.0g、MA3.0gをトルエン溶媒50g中で、75℃で12時間反応させることにより重合体ブロック(A)を得た。1H−NMRから算出したMMA、BMA、BA、MAの転化率は全て100%であった。次いで、BA119.0gおよびBMA7.0g、LMA14.0gをプレポリマー溶液全量に加え、110℃で24時間反応させ、室温まで冷却後、アルミナ粉(Aldrich社製)を添加し、1時間攪拌した後、濾過、洗浄、および乾燥によって重合体ブロック(B)を含むA−Bジブロックポリマーを得た。1H−NMRから算出したBA、BMA、LMAの転化率は全て100%であった。
得られたジブロックポリマー100.0gに2−アミノエタノール6.2g、ジグライム150.0gを添加し、110℃で8時間反応させ、室温まで冷却した後、濾過、洗浄、および乾燥によって重合体ブロック(B)の末端に水酸基を有するA−Bジブロックポリマーを得た。
1H−NMR(400MHz、重クロロホルム溶媒)δppm:4.03、3.97、3.60、2.27、1.90、1.60、1.37、0.94(全てシグナルはブロード)。
実施例T1と同様RCMP法により、表1に示す条件で重合し、分岐構造の[A−B]qXの星形ブロック構造を得た。表2に実施例T3と同様の特性値を示す(以下同様)。
比較例として、[A−B]2Xの星形構造を有するブロック共重合体を合成した。具体的には、比較例T1は実施例T1と同様RAFT法により、比較例T2は実施例T3と同様RCMP法により、表1に示す単量体および仕込み比の条件により重合することにより、[A−B]2Xの星形構造を有するブロック共重合体(J1)および(J2)を得た。
ATRP法によりブロック共重合体(C)を合成した。具体的には、窒素ガス導入管、撹拌機を備えた2Lフラスコに、臭化銅(I)1.0gと3f−BiB:1,1,1-Tris(2-bromoisobutyryloxymethyl)ethane(Aldrich社製、No. 723185)2.8g、N,N,N’、N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン1.0g、BA140.0gを、メチルエチルケトン溶媒200g中、110℃で16時間反応させてプレポリマーを得た。1H−NMRから算出したBAの転化率は99.5%以上であった。次いで、MMA56.4gおよびBA3.6gをプレポリマー溶液全量に加え、110℃で10時間反応させた。その後、室温まで冷却し、濾過、洗浄および乾燥工程を経て、3分岐の[A−B]3Xの星形ブロック構造を有するブロック共重合体(C6)を得た。1H−NMRから算出したMMA、BAの転化率はどちらも100%であった。目的物の生成は、1H−NMR、MALDI−TOFMSより確認した。
得られたブロック共重合体(C6)の仕込み比から算定される単量体ユニットの構造単位の含有割合を表3,表4に示す。また、ブロック共重合体(C)のMn、多分散度、ヨウ素含有率等の物性値および重合体ブロック(A)、重合体ブロック(B)のTgを表3、表4に示す(以下の実施例T7〜T18も同様とする。また、後述する実施例T19〜T22、比較例T3〜T11のそれぞれは、表5,表6に示す)。
1H−NMR(400MHz、重クロロホルム溶媒)δppm:4.03、3.60、2.27、1.90、1.60、1.37、0.94(全てシグナルはブロード)。
重合開始剤として3f−BiBの代わりに、4f−BiB、6f−BiBを用い、単量体の種類および仕込み比を表3に示す条件に変更した以外は、実施例T6と同様のATRP法により、分岐構造の[A−B]qXの星形ブロック構造を有するブロック共重合体(C7)および(C8)を得た。
RCMP法によりブロック共重合体(C)を合成した。具体的には、窒素ガス導入管、撹拌機を備えた2Lフラスコに、EMA−IIIを0.94g、ヨウ素を0.001g、テトラブチルアンモニウムヨージド13.2gおよびBA146.0gをトルエン溶媒200g中で、110℃で24時間反応させてプレポリマーを得た。1H−NMRから算出したBAの転化率は100%であった。次いで、MMA54.0gをプレポリマー溶液全量に加え、110℃で12時間反応させた。その後、室温まで冷却し、濾過、洗浄および乾燥によって3分岐の[A−B]3Xの星形ブロック構造を有するブロック共重合体(C9)を得た。1H−NMRから算出したMMA、BAの転化率はどちらも100%であった。目的物の生成は、1H−NMR、MALDI−TOFMSより確認した。
1H−NMR(400MHz、重クロロホルム溶媒)δppm:4.03、3.60、2.27、1.90、1.60、1.37、0.94(全てシグナルはブロード)。
重合開始剤、単量体の種類および単量体比を表3、5に示す条件で重合した以外は、実施例T9と同様の条件により重合を行い、星形ブロック構造を有するブロック共重合体(C10)〜(C22)、並びにブロック共重合体(J5)〜(J11)を得た。
得られたブロック共重合体(C10)〜(C22)、(J5)〜(J11)の仕込み比から算定される単量体ユニットの構造単位の含有割合を表3,表5に示す。また、各ブロック共重合体のMn、多分散度、ヨウ素含有率等の物性値および重合体ブロック(A)、重合体ブロック(B)のTgを表4、6に示す(以下の比較例T3、T4も同様とする)。
重合開始剤として3f−BiBの代わりに、2f−BiBを用い、単量体の種類および仕込み比を表3に示す条件に変更した以外は、実施例T6と同様のATRP法により、2分岐の[A−B]2Xの星形構造を有するブロック共重合体(J3)を得た。
RAFT法によりブロック共重合体を合成した。具体的には、窒素ガス導入管、撹拌機を備えた2Lフラスコに、RAFT開始剤としてBM1448を0.78g、AIBNを0.50gおよびMMAを22.5g、MAを1.25g、Stを1.25g、トルエン溶媒50gを混合し、80℃で6時間反応させてプレポリマーを得た。1H−NMRから算出したMMA、MA、Stの転化率は全て99.0%以上であった。
次いで、AIBNを0.50gおよびBAを135.0g、BMA15.0g、トルエン溶媒150gをプレポリマー溶液全量に加え、80℃で更に14時間反応させた。1H−NMRから算出した2段目モノマーBA、BMAの転化率はどちらも99.5%以上であった。
更に、AIBNを0.15gおよびMMAを22.5g、MAを1.25g、Stを1.25g、トルエン溶媒50gを混合し、80℃で6時間反応させた。1H−NMRから算出した3段目モノマーMMA、MA、Stの転化率は全て99.5%以上であった。
その後、室温まで冷却後、濾過、洗浄および乾燥によってA−B−Aトリブロック構造を有するブロック共重合体(J4)を得た。目的物の生成は、1H−NMRより確認した。
実施例T1〜T22の各ブロック共重合体(C1)〜(C22)および比較例T1〜T11に係るブロック共重合体(J1〜J11)および市販のブロック共重合体(LA2330(クラレ社製))を以下の方法によりフィルム状に成形し、膜物性および自己粘着性について、以下の基準により評価した。その結果を表7に示す。
表7に示す各ブロック共重合体100部をトルエンに溶解し、濃度40質量%の樹脂組成物を得た。そして、各実施例および比較例に係る樹脂組成物をそれぞれ、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離性フィルム基材(製品名「SP−PET382050」、リンテック社製)の剥離処理面上に、ドクターブレードにて乾燥後の厚みが65μmと、1mmになるように塗工した2水準のフィルムを準備した。そして、両フィルムを25℃で100時間乾燥することにより各膜厚の樹脂フィルムを有する積層体を得た。
各実施例および比較例の厚み1mmの積層体を、250mm×700mmのサイズにカットし、ダンベル3号型試験片を繰り出すことで試験片αを作製した。そして、試験片αから剥離性フィルムを剥がした樹脂フィルムに対し、引張試験機(RTG1310、AND社製)を用いて、23℃湿度50%、サンプルのチャック間距離40mm、速度50mm/minの条件で引張試験を行うことにより、樹脂フィルムの引張破断強さおよび引張破断伸度を測定した。測定によって樹脂フィルムが破断した際の強度を引張破断強さとし、破断した際の伸度を引張破断伸度とした。
各実施例および比較例の厚みが65μmの積層体を、25mm×100mmのサイズにカットして試験片βを作製した。次いで、JIS G4305及びJIS B0601に準拠したステンレス板(SUS304、表面仕上げBA、表面粗さ50nm、サイズ50mm×125mm)上に、樹脂フィルムがステンレス板と対向した状態となるように載せた。次いで、試験片β上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーを一往復させることにより、試験片βとステンレス板とを貼り合わせた。更に、試験片βから剥離性フィルムを剥がし、JIS Z0237に準じて、樹脂フィルム上に厚さ25μmのJIS C2318に規定するポリエチレンテレフタレートフィルムを重ねた。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーをもう一往復させることにより、180°剥離強度評価用サンプルγを得た。続いて、引張試験機(RTG1250A、AND社製)を用いて、温度23℃、湿度50%で24時間静置し、JIS Z0237に準じて、剥離速度300mm/分で180°方向の引張試験を行い、180°剥離強度(N/25mm)を測定した。
試験片βを、上述するJIS G4305及びJIS B0601に準拠したステンレス板に25mm×25mmで貼り付け、試験片β上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーを一往復させることにより、試験片βとステンレス板とを貼り合わせた。その後、24時間室温にて保管後することにより保持力評価用サンプルδを作製した。そして、保持力評価用サンプルδを100℃と120℃の2水準、相対湿度50%の条件で、荷重1kgの重りを吊り下げ、おもりが落下するまでの時間から求めた。20時間後で重りが落下しない場合は、20時間後の試験片βとステンレス板のずれ距離を測長し、以下の基準により保持力を評価した。
+++:ずれ距離が1.0mm以下。
++:ずれ距離が1.0mmを超えて、10.0mm以下。
+:ずれ距離が10.0mmを超えて、20.0mm以下。
NG:ずれ距離が20.0mmを超える、又は重りが落下する。
同様にして、保持力評価用サンプルδを120℃、相対湿度50%の条件で上記基準により保持力を評価した。これらの結果を表7に示す。
表8に示す各ブロック共重合体100部に、表8に示す配合量で粘着付与樹脂を加え、トルエンに溶解させることで、実施例Z23〜Z44に係る濃度40質量%の粘着剤組成物を得た。また、比較のために、比較例Z13〜Z24に係る樹脂組成物も同様の方法で調製した。また、これらの樹脂組成物から粘着層を形成し、膜物性および粘着物性を評価した。製造条件および評価結果を表8に示す。
各実施例および比較例に係る樹脂組成物をそれぞれ厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離性フィルム基材(製品名「SP−PET382050」、リンテック社製)の剥離処理面上に、ドクターブレードにて乾燥後の厚みが65μmと、1mmになるように塗工した2水準のフィルムを準備した。そして、両フィルムを25℃で100時間乾燥することにより各膜厚の粘着層(樹脂フィルム)を有する積層体である粘着フィルムを得た。
粘着フィルムの粘着層に対し、上述した樹脂フィルムと同様の方法により上記粘着剤組成物で形成した厚み65μmの粘着層(フィルム)を用いて測定した。
また、以下の基準により粘着層の保持力を評価した。測定条件は、樹脂フィルムと同様の方法により測定した。
+++:ずれ距離が1.0mm以下。
++:ずれ距離が1.0mmを超えて、10.0mm以下。
+:ずれ距離が10.0mmを超えて、20.0mm以下。
NG:ずれ距離が20.0mmを超える、又は重りが落下する。
表9に示す各ブロック共重合体100部に、表9に示す配合量で粘着付与樹脂を加え、溶融混合(温度180℃)し、実施例Z45〜Z50および比較例Z25〜Z29に係るホットメルト粘着剤組成物を調製した。また、これらの樹脂組成物から粘着層を形成し、膜物性および粘着物性、ホットメルト塗工性、汚染性を評価した。評価結果を表9に示す。
サンツール社製のホットメルト塗工機を用いて、得られた各ホットメルト粘着剤組成物を剥離処理フィルム(帝人デュポンフィルム社製ピューレックスA43)の上にホットメルト塗工(温度180℃)し、前記剥離処理フィルムを剥がして感圧接着フィルム(厚み65μm)を得た。そして、25℃で100時間乾燥することにより粘着層(樹脂フィルム)を有する積層体である粘着フィルムを得た。得られた粘着フィルムに対し、粘着物性、ホットメルト塗工性、溶融粘度、汚染性について評価した結果を表9に示す。
実施例Z1等と同様の評価基準により評価した。
以下の基準により作製した粘着フィルムの塗工表面の荒れ具合を目視観察で評価した。
+++:塗工表面が鏡面上で良好である
+:塗工表面にブツやムラが僅かに確認できる
NG:塗工表面にはっきりとしたブツやムラが確認できる
B型粘度計にて、180℃に加温されたホットメルト粘着剤組成物の溶融粘度(mPa・s)を測定した。以下の基準により評価した。
+++:溶融粘度が12,000(mPa・s)以下
+:溶融粘度が12,000を超えて、20,000以下(mPa・s)
NG:20,000を超える(mPa・s)
実施例Z1等と同様にステンレス板に貼り付け、150℃乾燥条件下に6時間静置後に剥離した時の被着体の状態を目視で観察した。以下の基準により評価した。
+++:(耐熱試験後)剥離汚染が全くない
++:(耐熱試験後)剥離汚染が少ない
NG:(耐熱試験後)剥離汚染がある
本明細書は、上記実施形態から把握される以下に示す技術思想の発明も開示する。
[付記1]
ブロック共重合体(C)の製造方法であって、
炭素−ヨウ素結合を3〜6有する少なくともいずれかの有機ヨウ素系リビングラジカル重合開始剤と、重合体ブロック(B)を重合するためのエチレン性不飽和単量体を主体とする単量体を混合して、リビングラジカル重合を開始して、前記有機ヨウ素系リビングラジカル重合開始剤残基Xを基点とした重合体ブロック(B)を有する星型ブロック構造を得る工程(a)、
工程(a)後に、重合体ブロック(A)を重合するためのエチレン性不飽和単量体を主体とする単量体を加えて、リビングラジカル重合により重合体ブロック(A)を合成する工程(b)、前記重合体ブロック(A)のガラス転移温度は20℃以上であり、
前記星形ブロック構造の[重合体ブロック(B)]qX(但し、qは3以上6以下の整数)のガラス転移温度が20℃未満である、ブロック共重合体(C)の製造方法。
[付記2]
ブロック共重合体(C)の製造方法であって、
炭素−ヨウ素結合を1つ有する有機ヨウ素系リビングラジカル重合開始剤と、重合体ブロック(A)を重合するためのエチレン性不飽和単量体を主体とする単量体、または重合体ブロック(B)を重合するためのエチレン性不飽和単量体を主体とする単量体、のいずれか一方を混合して、リビングラジカル重合を開始して、前記有機ヨウ素系リビングラジカル重合開始剤の残基を基点とした重合体ブロック(A)または重合体ブロック(B)を得る工程(d)、
工程(d)後に、工程(d)で重合体ブロック(A)を重合した場合には重合体ブロック(B)を重合するためのエチレン性不飽和単量体を主体とする単量体を加え、工程(d)で重合体ブロック(B)を重合した場合には重合体ブロック(A)を重合するためのエチレン性不飽和単量体を主体とする単量体を加えて、リビングラジカル重合を行って重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)のジブロック構造体を得る工程(e)、
前記ジブロック構造体を、結合部位を3〜6有するカップリング剤とカップリングさせることにより星型ブロック構造を得る工程(f)、
前記重合体ブロック(A)のガラス転移温度は20℃以上であり、
前記星形ブロック構造の[重合体ブロック(B)]qX(但し、qは3以上6以下の整数)のガラス転移温度が20℃未満である、ブロック共重合体(C)の製造方法。
[付記3]
付記1〜2のいずれかに記載の製造方法により得られるブロック共重合体(C)。
3:重合開始剤、
4:触媒、
6:カップリング剤
31、32、44、45:重合体
46:ジブロック構造
Claims (11)
- ブロック共重合体(C)を含有する樹脂組成物であって、
ブロック共重合体(C)は、
エチレン性不飽和単量体に由来する構造単位を主体とし、且つ数平均分子量が10,000〜500,000であり、
ブロック構造は、
[重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)]qXの星形ブロック構造であり(但し、qは3以上6以下の整数であり、重合体ブロック(A)のガラス転移温度は20℃以上であり、[重合体ブロック(B)]qXのガラス転移温度が20℃未満であり、Xは開始剤残基または/およびカップリング剤残基、またはその誘導体である)、
ブロック共重合体(C)には、メルカプト基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、ビニル基、加水分解性シリル基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、エポキシ基、オキセタン基、フリル基、アセトアセチル基、オキサゾリジン基、ニトリル基およびリン酸基から選択される官能基(K)を有しない樹脂組成物。 - ブロック共重合体(C)は、リビングラジカル重合により得られたことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
- ブロック共重合体(C)は、有機ヨウ素系リビングラジカル重合開始剤残基を少なくとも含み 、
ブロック共重合体(C)に対して、ヨウ素含有率が0.0001〜10,000質量ppmの範囲にある請求項1又は2に記載の樹脂組成物。 - ブロック共重合体(C)は、
有機ヨウ素系リビングラジカル重合開始剤残基を含み、以下の一般式(4)に記載の構造を有する、
Z1は、Yからの分岐毎にそれぞれ独立に、エステル基、ケトン基およびアミド基からなる群より選択される2価の基、または直接結合であり、
Qは1価の分子末端基であり、Yからの分岐毎にそれぞれ独立に、前記分子末端基は、官能基、官能基を有していてもよい炭化水素基、またはヨード基であり、
Yはp価の、置換基を有していてもよい炭化水素基であり、
pは2〜6の整数であり、
R6はYからの分岐毎にそれぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよい1価の炭化水素基であり、
R7はYからの分岐毎にそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい1価の炭化水素基または−COR8であり、
R6とR7はYからの分岐毎にそれぞれ独立に、互いに結合して環を形成していてもよく、
R8は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基または置換基を有していてもよい1価の炭化水素基であり、
前記炭化水素基は、複素環を有していてもよく、それぞれ独立に、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基の少なくともいずれかを有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。 - 重合体ブロック(A)が、メタクリル酸エステル由来の構造単位を50質量%以上含み、重合体ブロック(B)がアクリル酸エステル由来の構造単位を70質量%以上含むことを特徴とする、請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物。
- 重合体ブロック(A)中にメチルメタクリレート由来の構造単位を50質量%以上含み、且つ重合体ブロック(B)中にブチルアクリレート由来の構造単位を70質量%以上含むことを特徴とする、請求項1〜5いずれかに記載の樹脂組成物。
- ブロック共重合体(C)の多分散度(Mw/Mn)が2.5以下であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の樹脂組成物。
- ブロック共重合体(C)中の重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)に対する重合体ブロック(A)の含有率が1〜50質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜8いずれかに記載の樹脂組成物を含有する粘着剤組成物。
- 更に、粘着付与樹脂を含有する、請求項9に記載の粘着剤組成物。
- 請求項9又は10に記載の粘着剤組成物から形成された粘着層を有する粘着フィルム。
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