JP2021078602A - 生体用電極、生体センサー、及び生体信号測定システム - Google Patents
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Abstract
Description
板状支持部と、
前記板状支持部の一面に設けられた、略円錐形状の弾性柱状部と、
前記弾性柱状部の先端を覆うように形成された導電性樹脂層と、
前記導電性樹脂層と電気的に接続するとともに、先端側から基端側に向かって前記弾性柱状部の内部に配置された導電線と、
を備える、生体用電極が提供される。
また本発明によれば、上記生体センサーを備える、生体信号測定システムが提供される。
尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
本明細書中、「略」という用語は、特に明示的な説明の無い限りは、製造上の公差やばらつき等を考慮した範囲を含むことを表す。
生体用電極は、板状支持部と、板状支持部の一面に設けられた、略円錐形状の弾性柱状部と、弾性柱状部の先端を覆うように形成された導電性樹脂層と、導電性樹脂層と電気的に接続するとともに、先端側から基端側に向かって弾性柱状部の内部に配置された導電線と、を備える。
これまで、生体用電極の弾性柱状部の導通について、表面全体を導電性樹脂層で形成する方法や、弾性柱状部自体を導電材料で構成する方法が検討されてきた。
しかしながら、生体表面に接触した場合、弾性柱状部の内側と外側との伸び縮み変形によって、導電性樹脂層や導電材料で構成される弾性柱状部の抵抗が変動し、ノイズが生じる恐れがあることが判明した。また、弾性柱状部の変形時に、変形が大きな部分で導電性樹脂層に断線が生じる恐れもある。
詳細なメカニズムは定かではないが、次のようなことが考えられる。
生体表面接触時において、弾性柱状部の外側が縮み方向に、内側が引張り方向に変形する。このとき、弾性柱状部の内部を通過する導電線は、弾性柱状部の表面や表面近傍と比べて、変形や変形歪みが比較的に小さくなる。このため、弾性柱状部が接触時から徐々に大きく変形したときでも、初期抵抗(接触時抵抗)からの抵抗値の変動が抑制されるため、ノイズの発生を安定的に抑制できる。
板状支持部10は、絶縁性弾性部材で構成されており、その一面12に少なくとも1つの柱状部20を有してもよい。柱状部20は、絶縁性弾性部材で構成されており、少なくとも先端部26が略円錐形状を有してもよい。導電性樹脂層30は、導電性弾性部材で構成されており、柱状部20の少なくとも先端22(先端部26の一部)の表面を覆うように形成されてもよい。導電線60は、柱状部20の内部に、導電性樹脂層30と導通するように配置される。
ここで、上面視とは、柱状部20の先端22から板状支持部10に向かって見たときの上面方向から観察することを意味する。
また、他面14の少なくとも一部または全体が導電性弾性部材で覆われていてもよい。導電性弾性部材は、導電性樹脂層30と同じ材料で構成されてもよい。なお、板状支持部10の側面は導電性弾性部材で覆われていなくてもよい。
柱状部20の上面視形状は、楕円や正円などの略円形でもよく、正方形、長方形、五角形、六角形などの略多角形でもよい。柱状部20の上面視形状と板状支持部10の上面視形状が同一であってもよい。この中でも、略円形、好ましくは正円形とすることで、測定安定性を高められる。
先端22を通過する断面視の一つにおいて、先端22のアールは、例えば、0.25mm〜5mm、より好ましくは0.5mm〜3mmである。このような範囲内とすることで、装着安定性および測定安定性を高められる。
傾斜面28の傾斜角θは、図1(b)に示すように、柱状部20の先端22を通過する断面視において、柱状部20の基端部24の側面(傾斜面28)と一面12とがなす角度を意味する。
傾斜面28の傾斜角θは、例えば、10〜89度、好ましくは15度〜85度、より好ましくは20度〜75度、さらに好ましくは30度〜65度である。上記下限値以上とすることにより、測定面に対する追従性を高めることができる。上記上限値以下とすることにより、変形状態のバラツキを抑制できる。
導電線60は、先端22を覆う導電性樹脂層30と電気的に接続するとともに、先端部26から基端部24に向かって柱状部20の内部に配置される。
導電繊維としては、金属繊維、金属被覆繊維、炭素繊維、導電性ポリマー繊維、導電性ポリマー被覆繊維、および導電ペースト被覆繊維からなる群から選択される一種以上を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電線60は、柱状部20の内部を導通する態様であれば各種の配置構造を採用し得る。
例えば、導電線60の先端は、柱状部20の先端22あるいは先端部26の傾斜面29に対して、突出した構造、略同一面上となる構造、埋没した構造のいずれでもよい。導電性樹脂層30との接続安定性の観点から、突出した構造を用いてもよい。導電線60の先端の突出部分は、一部または全体が導電性樹脂層30で覆われている。
この導電性樹脂層30は、先端22を覆う部分と離間して、板状支持部10の一面12や他面14を覆うように構成されてもよい。
ゴム硬度Aの測定対象は、柱状部20を用いる方法、柱状部20と板状支持部10が一体部材で構成される場合に板状支持部10を用いる方法、これらを構成するシリコーンゴムを用いる方法が採用できる。また、導電性樹脂層30が薄層によりゴム硬度Aに殆ど影響を与えない場合には、表面に導電性樹脂層30が形成された柱状部20あるいは板状支持部10を測定対象として用いてもよい。これらから試験片を作製し、その試験片を測定対象(サンプル)とし得る。複数の試験片を重ねたものをサンプル厚みとしてもよい。なお、押針から試験片端までの距離が12mm未満でも、ある程度距離があれば許容できる。
上記シリコーンゴムは、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物で構成することができる。シリコーンゴム系硬化性樹脂組成物の硬化工程は、例えば、100〜250℃で1〜30分間加熱(1次硬化)した後、100〜200℃で1〜4時間ポストベーク(2次硬化)することによって行われる。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるビニル基含有オルガノポリシロキサンをさらに含んでもよい。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、架橋剤を含んでもよい。架橋剤は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を含むことができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、直鎖構造を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐構造を有する分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)とに分類され、これらのうちのいずれか一方または双方を含むことができる。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なる架橋剤をさらに含んでもよい。
(Ha(R7)3−aSiO1/2)m(SiO4/2)n
(式(c)において、R7は一価の有機基、aは1〜3の範囲の整数、mはHa(R7)3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、非導電性フィラーを含む。非導電性フィラーは、必要に応じ、シリカ粒子(C)を含んでもよい。これにより、エラストマーの硬さや機械的強度の向上を図ることができる。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるシランカップリング剤をさらに含んでもよい。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シランカップリング剤(D)を含むことができる。
シランカップリング剤(D)は、加水分解性基を有することができる。加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子(C)表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子(C)の表面改質を行うことができる。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるシランカップリング剤をさらに含んでもよい。
上記式(4)中、nは1〜3の整数を表わす。Yは、疎水性基、親水性基またはビニル基を有するもののうちのいずれかの官能基を表わし、nが1の時は疎水性基であり、nが2または3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。Xは、加水分解性基を表わす。
上記官能基として疎水性基を有するものとして、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランのようなアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン;ヘキサメチルジシラザンが挙げられる。この中でも、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、及びトリメチルエトキシシランからなる群から選択される一種以上を含むトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、エラストマーを含む柱状部と導電性樹脂層との密着性を高めることができる。また、シリコーンゴムの機械的強度の向上に資することができる。また、シランカップリング剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、シリコーンゴムが適度な機械特性を持つことができる。
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、触媒を含んでもよい。触媒は、白金または白金化合物(E)を含むことができる。白金または白金化合物(E)は、硬化の際の触媒として作用する触媒成分である。白金または白金化合物(E)の添加量は触媒量である。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なる触媒をさらに含んでもよい。
白金または白金化合物(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、シリコーンゴム系硬化性組成物が適切な速度で硬化することが可能となる。また、白金または白金化合物(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、製造コストの削減に資することができる。
また、本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物には、上記成分(A)〜(E)以外に、水(F)が含まれていてもよい。
さらに、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記(A)〜(F)成分以外に、他の成分をさらに含むことができる。この他の成分としては、例えば、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ等のシリカ粒子(C)以外の無機充填材、反応阻害剤、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等の添加剤が挙げられる。
導電性シリコーンゴムは、シリコーンオイルを含まない構成であってもよい。これにより、導電性樹脂層30の表面にシリコーンオイルがブリードアウトすることで導通性が低下することを抑制できる。
まず、金型を用いて、上記シリコーンゴム系硬化性組成物を加熱加圧成形し、板状支持部10および柱状部20を有する成形体を得る(成形工程)。
あるいは、上記成形工程時において、導電線60を配置した成形空間内に、上記シリコーンゴム系硬化性組成物を導入し、加圧加熱成形するインサート成形を用いてもよい。
その後、所定の温度・温度条件でポストキュア(アニール工程)を行う。
以上により、生体用電極100を製造することができる。
成形工程で、例えば、複数の凹部を有する金型を用いて、複数の柱状部20および板状支持部10のセットが形成された成形体シートを得る。
続いて、導電線挿入工程で、成形体シート中の複数の柱状部20に導電線60を差し込む。
続いて、先端被覆工程で、成形体シート中の複数の柱状部20の先端部26において、少なくとも先端22を覆う導電性樹脂層30を形成する。
続いて、成形体シートから、板状支持部10、柱状部20、導電線60、及び導電性樹脂層30を備える個片化成形体を取り出す(個片化工程)。取り出す方法として、例えば、成形体シートを打ち抜く方法を採用してもよい。
その後、アニール工程で、それぞれの個片化成形体をポストキュアする。
以上により、生体用電極100を製造できる。
図2は、生体センサー200の一例の概要を示す模式図である。
本実施形態の生体センサー200は、生体用電極100を備えており、生体用電極100に接続した外部接続部110をさらに備えることができる。
また、電子部品として、加速センサー、温度センサー、圧力センサーなどの他のセンサーを併用してもよい。
本実施形態の生体信号測定システムは、生体センサー200を備えるものである。生体信号測定システムは、生体センサー200から受けたデータを、表示、解析または保存するシステム(測定装置)であり得る。
(A1−1):第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン:ビニル基含有量は0.04モル%、Mn=2,2×105、Mw=4,8×105)、下記の合成スキーム1により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(上記式(1−1)で表わされる構造)
(A1−2):第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン:ビニル基含有量は0.93モル%、下記の合成スキーム2により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(上記式(1−1)で表わされる構造でR1およびR2がビニル基である構造)
(B):オルガノハイドロジェンポリシロキサン:モメンティブ社製、「TC−25D」
(C):シリカ微粒子(粒径7nm、比表面積300m2/g)、日本アエロジル社製、「AEROSIL300」
(D−1):ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)、Gelest社製、「HEXAMETHYLDISILAZANE(SIH6110.1)」
(D−2):ジビニルテトラメチルジシラザン、Gelest社製、「1,3−DIVINYLTETRAMETHYLDISILAZANE(SID4612.0)」
(E):白金または白金化合物:モメンティブ社製、「TC−25A」
(F):純水
(G1):銀粉、徳力化学研究所社製、商品名「TC−101」、メジアン径d50:8.0μm、アスペクト比16.4、平均長径4.6μm
[合成スキーム1:第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)の合成]
下記式(5)にしたがって、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)を合成した。
すなわち、Arガス置換した、冷却管および攪拌翼を有する300mLセパラブルフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)、カリウムシリコネート0.1gを入れ、昇温し、120℃で30分間攪拌した。なお、この際、粘度の上昇が確認できた。
その後、155℃まで昇温し、3時間攪拌を続けた。そして、3時間後、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン0.1g(0.6mmol)を添加し、さらに、155℃で4時間攪拌した。
さらに、4時間後、トルエン250mLで希釈した後、水で3回洗浄した。洗浄後の有機層をメタノール1.5Lで数回洗浄することで、再沈精製し、オリゴマーとポリマーを分離した。得られたポリマーを60℃で一晩減圧乾燥し、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)を得た(Mn=2,2×105、Mw=4,8×105)。また、H−NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.04モル%であった。
上記(A1−1)の合成工程において、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)に加えて2,4,6,8−テトラメチル2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン0.86g(2.5mmol)を用いたこと以外は、(A1−1)の合成工程と同様にすることで、下記式(6)のように、第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)を合成した。また、H−NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.93モル%であった。
次のようにしてシリコーンゴム系硬化性組成物を調製した。
まず、下記の表1に示す割合で、90%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シランカップリング剤(D)および水(F)の混合物を予め混練し、その後、混合物にシリカ粒子(C)を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、シリカ粒子(C)添加後の混練は、カップリング反応のために窒素雰囲気下、60〜90℃の条件下で1時間混練する第1ステップと、副生成物(アンモニア)の除去のために減圧雰囲気下、160〜180℃の条件下で2時間混練する第2ステップとを経ることで行い、その後、冷却し、残り10%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を2回に分けて添加し、20分間混練した。
続いて、下記の表1に示す割合で、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)、白金または白金化合物(E)を加えて、ロールで混練し、シリコーンゴム系硬化性組成物A(エラストマー組成物)を得た。
得られた13.7重量部のシリコーンゴム系硬化性組成物Aを、31.8重量部のデカン(溶剤)に浸漬し、続いて自転・公転ミキサーで撹拌し、54.5重量部の金属粉(G1)を加えた後に三本ロールで混練することで、導電性ペースト(ディップコート用の導電性溶液)を得た。
得られた13.7重量部のシリコーンゴム系硬化性組成物Aを、31.8重量部のデカン(溶剤)に浸漬し、続いて自転・公転ミキサーで撹拌し、54.5重量部の金属粉(G1)を加えた後に三本ロールで混練することで、樹脂ワニスを得た。その後、樹脂ワニスをデカンで2.5倍加えて、自転・公転ミキサーで撹拌し希釈して、スプレー塗装用の導電性溶液を得た。
(実施例1)
上記で得られたシリコーンゴム系硬化性組成物Aを、板状支持部および略円錐形状の柱状部の成形空間(凹部)を複数有する金型を用いて、180℃、10MPaで10分間加熱して、硬化させ、それぞれの凹部内に、板状支持部と柱状部とが一体化した成形体を得た(成形工程)。
得られた成形体の柱状部の内部に、縫い針を用いて、導電線A(ミツフジ社製、AGposs、太さ:100d/34f、引張破断伸度:29.3%)を通した(導電線挿入工程)。
続いて、成形体の柱状部の先端部(柱状部の全長をLとしたとき、先端から約1/2Lの領域)と板状支持部の他面とを、上記の<ディップコート用の導電性溶液>にディップし、120℃、30分間で加熱乾燥した(先端被覆工程)。
その後、140℃、2時間のポストキュアを行った(アニール工程)。
以上により、図1に示す、板状支持部10上に略円錐形状の柱状部20を有する生体用電極Aを得た。
生体用電極A中、傾斜角θは53度、先端22のアールは1.5mm、導電線60の先端は柱状部20の先端22よりも突出しており、導電性樹脂層30で覆われていた。
導電線Aに代えて、導電線B(ミツフジ社製、AGposs、太さ:70d/24f、引張破断伸度:27.9%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、生体用電極Bを得た。
導電線Aに代えて、導電線C(日本精線社製、金属繊維 ステンレス鋼繊維ナスロン、SUS304、太さ:0.22mm、引張破断伸度:1.6%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、生体用電極Cを得た。
実施例1と同様にして、上記<生体用電極の作製>の成形体を得た。
導電線挿入工程を行わずに、得られた成形体の表面全体に、上記の<スプレー塗装用の導電性溶液>をスプレー塗布し、120℃、30分間で加熱乾燥させ、成形体の表面全体に導電性樹脂層を形成した。その後、140℃、2時間のポストキュアを行い、生体用電極Dを得た。
実施例1と同様にして、上記<生体用電極の作製>を行い、導電線と接続するように先端部に2mmφの鋼球(ツバキ・ナカシマ製 高炭素クロム軸受鋼鋼材)を取り付け、比較例2の生体用電極Eを得た。
<脳波測定システムの作製>
図2に示すように、上記の<生体用電極の作製>で得られた生体用電極100の他面14に、導電性樹脂層を介して外部接続部110(ケーブルの端部が装着自在の構造を有する金属製のスナップボタン)を装着した。この外部接続部110に、ディスポ電極コード(株式会社ミユキ技研 製品名:AP−C131−015)、ポータブル脳波計(株式会社ミユキ技研 製品名:PolymateMini AP−108)をこの順で電気的に接続して、脳波測定システムを作製した。ポータブル脳波計は、ノートパソコンとBluetoothで接続され、波形表示プログラム(株式会社ミユキ技研 製品名:Mobile Acquisition Monitor)により、頭部との接触抵抗を取得した。グランドとリファレンスは、左耳たぶを使用した。
その後、被験者の後頭部に、生体用電極100の先端部26を接触させて、被験者の後頭部(0z)に対して、得られた生体用電極100の柱状部20の先端部26を押し当てつつ、生体用電極100の外部接続部110に対して、プッシュプルゲージ(日本電産シンポ株式会社製、製品名:デジタルフォースゲージ FGJN−2)の測定子を、まずは7N荷重で押し付け、徐々に除力して、5N、3N、1N時における接触抵抗(kΩ)を連続的に測定し、荷重に対する接触抵抗の変化を評価した。その結果を表2に示す。
12 一面
14 他面
20 柱状部
22 先端
24 基端部
26 先端部
28 傾斜面
29 傾斜面
30 導電性樹脂層
60 導電線
100 生体用電極
110 外部接続部
200 生体センサー
Claims (14)
- 板状支持部と、
前記板状支持部の一面に設けられた、略円錐形状の弾性柱状部と、
前記弾性柱状部の先端を覆うように形成された導電性樹脂層と、
前記導電性樹脂層と電気的に接続するとともに、先端側から基端側に向かって前記弾性柱状部の内部に配置された導電線と、
を備える、生体用電極。 - 請求項1に記載の生体用電極であって、
前記弾性柱状部の先端部が、略半球状、楕円体形状、円錐形状、円錐台形状、角錐形状、または略角錐形状のいずれかで構成される、生体用電極。 - 請求項1又は2に記載の生体用電極であって、
37℃、JIS K 6253(1997)に準拠して測定される、前記弾性柱状部の表面におけるタイプAデュロメータ硬さが、15以上65以下である、生体用電極。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体用電極であって、
板状支持部材と弾性柱状部とが一体部材で構成される、生体用電極。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体用電極であって、
前記導電線が、導電繊維で構成される、生体用電極。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の生体用電極であって、
前記導電線が、線状の導電繊維を複数本撚り合わせた撚糸で構成される、生体用電極。 - 請求項6に記載の生体用電極であって、
前記導電繊維が、金属繊維、金属被覆繊維、炭素繊維、導電性ポリマー繊維、導電性ポリマー被覆繊維、および導電ペースト被覆繊維からなる群から選択される一種以上を含む、生体用電極。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の生体用電極であって、
前記弾性柱状部が、シリコーンゴムを含む絶縁性シリコーンゴムで構成される、生体用電極。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の生体用電極であって、
前記導電性樹脂層が、導電性フィラーとシリコーンゴムを含む導電性シリコーンゴムで構成される、生体用電極。 - 請求項9に記載の生体用電極であって、
前記導電性フィラーの含有量は、前記シリコーンゴム100質量%に対して、30質量%以上90質量%以下である、生体用電極。 - 請求項9または10に記載の生体用電極であって、
前記導電性フィラーが、金属粒子、銀/塩化銀粒子、金属繊維、金属被覆繊維、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー、導電性ポリマー被覆繊維および金属ナノワイヤーからなる群から選択される一種以上を含む、生体用電極。 - 請求項1〜11のいずれか一項に記載の生体用電極であって、
脳波測定用電極に用いる、生体用電極。 - 請求項1〜12のいずれか一項に記載の生体用電極を備える、生体センサー。
- 請求項13に記載の生体センサーを備える、生体信号測定システム。
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