JP2021070557A - 給紙装置、紙送りロールおよび分離ロール - Google Patents
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Abstract
【課題】長期使用後の紙詰まりが抑えられる給紙装置、紙送りロールおよび分離ロールを提供する。【解決手段】回転駆動され、用紙Pを搬送する紙送りロール12と、紙送りロール12に圧接されるとともにトルクリミッターが内蔵され、用紙Pの重送を抑える分離ロール14と、を備え、紙送りロール12および分離ロール14は、それぞれ表面がポリウレタンを含む弾性体で構成され、それぞれ表面粗さRzが20μm以上であり、表面のJIS−A硬度の差が5度以上であり、紙送りロール12と分離ロール14の間の摩擦係数が1.0以上3.0以下である給紙装置10とする。【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器において好適に用いられる給紙装置、紙送りロールおよび分離ロールに関するものである。
電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器において、紙送りロールは、例えばゴム架橋体などの弾性材料によって円筒状に形成され、その周面が用紙との接触面となる。紙送りロールの周面には、用紙から発生する紙粉が付着することがある。そして、用紙と繰り返し接触するうちに、紙送りロールの周面には紙粉が蓄積することがある。紙粉が蓄積すると、用紙に対する周面の接触面積が低下し、用紙に対する接触面の摩擦係数が低下する。その結果、用紙の搬送不良を生じることがある。
用紙の搬送不良を抑制するために、紙送りロールの周面に凹凸を形成したものが知られている(特許文献1)。例えば特許文献1には、紙送りロールの軸方向と平行に複数本の凸条および凹溝を形成したものが記載されている。
特許文献1では、紙送りロール単体と用紙との間の摩擦係数を問題にしている。一方で、特許文献2には、給送ロールと分離ロールを備えるシート供給装置の発明が提案されている。給送ロールは、シート搬送方向に回転駆動されるロールであり、分離ロールは、給送ロールと同方向に従動回転するものであり、内蔵されるトルクリミッターによりシートの重送を抑えるロールである。特許文献2では、分離ロールの硬度よりも給送ロールの硬度を低硬度とすることで、分離ロールと給送ロールの圧接部において分離ロールと給送ロールの間に微小な滑りが生じるようにし、分離ロールの表面に付着した紙粉を給送ロールがクリーニングして、紙粉による分離ロールの摩擦係数の低下を抑えている。しかしながら、特許文献2の構成だけでは、長期使用後のシートの重送を抑える機能は十分ではなく、長期使用後の紙詰まりを解消できないという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、長期使用後の紙詰まりが抑えられる給紙装置、紙送りロールおよび分離ロールを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る給紙装置は、回転駆動され、用紙を搬送する紙送りロールと、前記紙送りロールに圧接されるとともにトルクリミッターが内蔵され、用紙の重送を抑える分離ロールと、を備え、前記紙送りロールおよび前記分離ロールは、それぞれ表面がポリウレタンを含む弾性体で構成され、それぞれ表面粗さRzが20μm以上であり、表面のJIS−A硬度の差が5度以上であり、前記紙送りロールと前記分離ロールの間の摩擦係数が1.0以上3.0以下であることを要旨とするものである。
前記紙送りロールおよび前記分離ロールは、それぞれ表面に高さ20〜300μmの凸部を有することが好ましい。前記分離ロールは、前記紙送りロールよりも表面粗さRzが大きいことが好ましい。前記分離ロールは、前記紙送りロールよりも表面の摩擦係数が小さいことが好ましい。
そして、本発明に係る紙送りロールは、上記給紙装置に用いられる紙送りロールである。また、本発明に係る分離ロールは、上記給紙装置に用いられる分離ロールである。
本発明に係る給紙装置によれば、紙送りロールおよび分離ロールが、それぞれ表面がポリウレタンを含む弾性体で構成され、それぞれ表面粗さRzが20μm以上であり、表面のJIS−A硬度の差が5度以上であり、紙送りロールと分離ロールの間の摩擦係数が1.0以上3.0以下であることから、長期使用後の紙詰まりが抑えられる。
本発明に係る給紙装置について詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る給紙装置10は、紙送りロール12(フィードロール)と、分離ロール14(リタードロール)と、を備える。紙送りロール12は、軸体12aと、軸体12aの外周に形成された弾性体層12bと、を有する。分離ロール14は、軸体14aと、軸体14aの外周に形成された弾性体層14bと、を有する。紙送りロール12は、図示しない駆動源(モータ)からの動力を受けて回転駆動され、用紙Pを搬送する機能を有する。分離ロール14は、図示しない付勢部材(ばねなど)により所定の圧力で紙送りロール12に圧接される。また、分離ロール14は、図示しないトルクリミッターが内蔵され、用紙Pの搬送方向(矢印の方向)と反対の方向にブレーキトルクが付与されるように構成されている。
搬送される用紙は、給紙カセット16内に積載されている。積載された用紙Pの上面には、引込ロール18(ピックアップロール)の表面が摩擦接触しており、引込ロール18によって、給紙カセット16から紙送りロール12に向けて用紙Pを順に繰り出すように構成されている。引込ロール18は、軸体18aと、軸体18aの外周に形成された弾性体層18bと、を有する。引込ロール18は、図示しない連結部材(ギアやタイミングベルトなど)によって紙送りロール12の駆動に連動して回転するように構成されている。
紙送りロール12の回転駆動に伴い、引込ロール18が回転し、給紙カセット16から紙送りロール12に向けて用紙Pが1枚ずつ繰り出される。図2(a)に示すように、紙送りロール12は、用紙Pが到着する前から回転駆動している。紙送りロール12に圧接される分離ロール14は、紙送りロール12の回転に伴い、紙送りロール12と分離ロール14の間(ロール間)の摩擦力により、ブレーキトルクに逆らって従動回転する。繰り出された1枚の用紙Pがロール間に到着すると、図2(b)に示すように、ロール間を通って用紙Pが搬出される。
給紙カセット16から紙送りロール12に向けて用紙Pが2枚繰り出されたときには、図3(a)に示すように、用紙P1、P2が到着する前においては、紙送りロール12は回転駆動し、分離ロール14は、紙送りロール12の回転に伴い、ブレーキトルクに逆らって従動回転する。繰り出された2枚の用紙P1、P2がロール間に到着すると、図3(b)に示すように、分離ロール14は2枚の用紙P1、P2を介して紙送りロール12に接触する状態となる。2枚の用紙P1、P2の間に働く摩擦力は小さいため、ブレーキトルクによって分離ロール14は紙送りロール12の回転には従動せず、停止する。これにより、紙送りロール12に接触する用紙P1は紙送りロール12の回転に伴い、ロール間を通って搬出される一方で、分離ロール14に接触する用紙P2は搬出されない。これにより、用紙Pの重送が抑えられる。
紙送りロール12は、弾性体層12bの外周表面に表面凹凸を有する。この表面凹凸によって、紙送りロール12は、表面粗さRz20μm以上に構成されている。紙送りロール12の表面粗さRzは、紙送りロール12の弾性体層12bの外周面における表面粗さRzである。紙送りロール12の表面粗さRzは、十点平均粗さであり、JIS B0601(1994)に準拠して測定される。上記表面凹凸は、任意の凹凸で構成することができる。上記表面凹凸は、複数の凸部によって形成されるものであってもよいし、複数の凹部によって形成されるものであってもよいし、シボ形状のような複数の凸部と複数の凹部によって形成されるものであってもよい。
また、同様に、分離ロール14は、弾性体層14bの外周表面に表面凹凸を有する。この表面凹凸によって、分離ロール14は、表面粗さRz20μm以上に構成されている。分離ロール14の表面粗さRzは、分離ロール14の弾性体層14bの外周面における表面粗さRzである。分離ロール14の表面粗さRzは、十点平均粗さであり、JIS B0601(1994)に準拠して測定される。上記表面凹凸は、任意の凹凸で構成することができる。上記表面凹凸は、複数の凸部によって形成されるものであってもよいし、複数の凹部によって形成されるものであってもよいし、シボ形状のような複数の凸部と複数の凹部によって形成されるものであってもよい。
図4(a)には、紙送りロール12の一実施形態に係る外観模式図を示す。図4(a)に示すように、紙送りロール12は、弾性体層12bの外周表面に複数の凸部12cを有する。紙送りロール12の外周面には、複数の凸部12cにより表面凹凸が設けられている。
図4(a)では、複数の凸部12cは、半球状の凸部で構成されている。また、図4(a)では、複数の凸部12cは、弾性体層12bの外周表面に千鳥状に規則正しく配置されている。紙送りロール12の軸方向Xに並ぶ一列目の凸部12cと凸部12cの間に紙送りロール12の軸方向Xに並ぶ二列目の凸部12cが配置され、紙送りロール12の軸方向Xに並ぶ二列目の凸部12cと凸部12cの間に紙送りロール12の軸方向Xに並ぶ三列目の凸部12cが配置され、紙送りロール12の軸方向Xに並ぶ三列目の凸部12cと凸部12cの間に紙送りロール12の軸方向Xに並ぶ四列目の凸部12cが配置されており、凸部12cが互い違いに配列されている。複数の凸部12cは、弾性体層12bの周面において、紙送りロール12の軸方向Xに配列されているが、紙送りロール12の軸方向Xに対し45°の角度の方向にも配列されている。なお、複数の凸部12cは、半球状の凸部に限定されるものではない。また、複数の凸部12cは、規則正しく配置されていなくてもよいし、配列されていなくてもよい。
紙送りロール12は、表面粗さRz20μm以上に構成されている。上記表面粗さRzが20μm以上であることで、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みを大きくすることができる。また、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みを大きくするなどの観点から、紙送りロール12の表面粗さRzは、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは50μm以上である。一方、紙送りロール12の表面粗さRzは、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みが大きくなりすぎないようにするなどの観点から、300μm以下であることが好ましい。より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。
紙送りロール12において、凸部12cの高さは、紙送りロール12の表面粗さRzを大きくする、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みを大きくするなどの観点から、20μm以上であることが好ましい。より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは50μm以上である。また、凸部12cの高さは、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みが大きくなりすぎないようにするなどの観点から、300μm以下であることが好ましい。より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。
紙送りロール12は、表面の摩擦係数が0.8〜3.0の範囲内に構成されていることが好ましい。より好ましくは1.0〜2.5の範囲内である。紙送りロール12の表面とは、弾性体層12bの外周面である。紙送りロール12の表面の摩擦係数は、市販の摩擦係数計を用いて測定することができる。紙送りロール12の表面の摩擦係数は、弾性体層12bの材料構成、弾性体層12bの厚み、凸部12cの構成などにより調整することができる。紙送りロール12の表面の摩擦係数が0.8以上であると、紙送り時における用紙の滑りが抑えられやすい。紙送りロール12の表面の摩擦係数が3.0以下であると、紙送り時における用紙の貼り付きが抑えられる。また、作製が容易である。
紙送りロール12は、表面のJIS−A硬度が20〜80度の範囲内に構成されていることが好ましい。より好ましくは30〜70度の範囲内である。紙送りロール12の表面とは、弾性体層12bの外周面である。紙送りロール12の表面硬度は、弾性体層12bの材料構成、弾性体層12bの厚みなどにより調整することができる。紙送りロール12の表面のJIS−A硬度が20度以上であると、摩耗が抑えられやすい。紙送りロール12の表面のJIS−A硬度が80度以下であると、用紙へのダメージ(用紙の削れなど)が抑えられやすく、画質の悪化が抑えられやすい。
紙送りロール12は、弾性体層12bがポリウレタンを含む弾性体で構成されている。紙送りロール12の弾性体層12bは、ポリウレタンを含むことで、耐久時の耐摩耗性に優れ、耐久時でも表面粗さや凹凸形状を維持しやすい。
紙送りロール12の弾性体層12bは、導電性あるいは半導電性を有するものであってもよいし、導電性あるいは半導電性を有しないものであってもよい。導電性あるいは半導電性を有する弾性体層の体積抵抗率は、102〜1010Ω・cm、103〜109Ω・cm、104〜108Ω・cmの範囲などである。紙送りロール12の弾性体層12bが導電性あるいは半導電性を有するものであると、紙送りロール12の弾性体層12bの表面残留電荷を低く抑えて紙粉の付着を抑えやすい。
紙送りロール12の弾性体層12bは、低電気抵抗化の観点から、導電剤を含んでいてもよい。導電剤としては、電子導電剤、イオン導電剤が挙げられる。電子導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、c−TiO2、c−ZnO、c−SnO2(c−は、導電性を意味する。)などが挙げられる。イオン導電剤としては、4級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤などが挙げられる。
紙送りロール12の弾性体層12bは、必要に応じて、各種添加剤を適宜添加しても良い。添加剤としては、滑剤、加硫促進剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などを挙げることができる。
紙送りロール12の弾性体層12bの厚みは、特に限定されるものではなく、0.1〜10mmの範囲内などで適宜設定すればよい。
紙送りロール12の弾性体層12bは、ウレタン組成物を用い、成形金型による成形などによって形成することができる。例えば、軸体12aをロール成形金型の中空部に同軸的に設置し、未架橋のウレタン組成物を注入して、加熱・硬化(架橋)させた後、脱型するなどにより、軸体12aの外周に弾性体層12bを形成することができる。成形金型は、その内周面に凸部12cに対応する形状の凹部が形成されたものを用いることができる。弾性体層12bの凸部12cは、例えば、成形金型による型転写によって形成することができる。
紙送りロール12の軸体12aの材料としては、ポリアセタール(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン等の合成樹脂、または、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属材料を挙げることができる。軸体12aは、中空状に形成されていても良いし、中実体であっても良い。
図4(b)には、分離ロール14の一実施形態に係る外観模式図を示す。図4(b)に示すように、分離ロール14は、弾性体層14bの外周表面に複数の凸部14cを有する。分離ロール14の外周面には、複数の凸部14cにより表面凹凸が設けられている。
図4(b)では、複数の凸部14cは、半球状の凸部で構成されている。また、図4(b)では、複数の凸部14cは、弾性体層14bの外周表面に千鳥状に規則正しく配置されている。具体的には、分離ロール14の軸方向Xに並ぶ一列目の凸部14cと凸部14cの間に分離ロール14の軸方向Xに並ぶ二列目の凸部14cが配置され、分離ロール14の軸方向Xに並ぶ二列目の凸部14cと凸部14cの間に分離ロール14の軸方向Xに並ぶ三列目の凸部14cが配置され、分離ロール14の軸方向Xに並ぶ三列目の凸部14cと凸部14cの間に分離ロール14の軸方向Xに並ぶ四列目の凸部14cが配置されており、凸部14cが互い違いに配列されている。複数の凸部14cは、弾性体層14bの周面において、分離ロール14の軸方向Xに配列されているが、分離ロール14の軸方向Xに対し45°の角度の方向にも配列されている。なお、複数の凸部14cは、半球状の凸部に限定されるものではない。また、複数の凸部14cは、規則正しく配置されていなくてもよいし、配列されていなくてもよい。
分離ロール14は、表面粗さRz20μm以上に構成されている。上記表面粗さRzが20μm以上であることで、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みを大きくすることができる。また、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みを大きくするなどの観点から、分離ロール14の表面粗さRzは、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは50μm以上である。一方、分離ロール14の表面粗さRzは、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みが大きくなりすぎないようにするなどの観点から、300μm以下であることが好ましい。より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。
分離ロール14において、凸部14cの高さは、分離ロール14の表面粗さRzを大きくする、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みを大きくするなどの観点から、20μm以上であることが好ましい。より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは50μm以上である。また、凸部14cの高さは、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みが大きくなりすぎないようにするなどの観点から、300μm以下であることが好ましい。より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。
分離ロール14は、表面の摩擦係数が0.8〜3.0の範囲内に構成されていることが好ましい。より好ましくは1.0〜2.5の範囲内である。分離ロール14の表面とは、弾性体層14bの外周面である。分離ロール14の表面の摩擦係数は、市販の摩擦係数計を用いて測定することができる。分離ロール14の表面の摩擦係数は、弾性体層14bの材料構成、弾性体層14bの厚み、凸部14cの構成などにより調整することができる。分離ロール14の表面の摩擦係数が0.8以上であると、紙送り時における用紙の滑りが抑えられやすい。分離ロール14の表面の摩擦係数が3.0以下であると、紙送り時における用紙の貼り付きが抑えられる。また、作製が容易である。
分離ロール14は、表面のJIS−A硬度が20〜80度の範囲内に構成されていることが好ましい。より好ましくは30〜70度の範囲内である。分離ロール14の表面とは、弾性体層14bの外周面である。分離ロール14の表面硬度は、弾性体層14bの材料構成、弾性体層14bの厚みなどにより調整することができる。分離ロール14の表面のJIS−A硬度が20度以上であると、摩耗が抑えられやすい。分離ロール14の表面のJIS−A硬度が80度以下であると、用紙へのダメージ(用紙の削れなど)が抑えられやすく、画質の悪化が抑えられやすい。
分離ロール14は、弾性体層14bがポリウレタンを含む弾性体で構成されている。分離ロール14の弾性体層14bは、ポリウレタンを含むことで、耐久時の耐摩耗性に優れ、耐久時でも表面粗さや凹凸形状を維持しやすい。
紙送りロール12の弾性体層12bは、導電性あるいは半導電性を有するものであってもよいし、導電性あるいは半導電性を有しないものであってもよい。導電性あるいは半導電性を有する弾性体層の体積抵抗率は、102〜1010Ω・cm、103〜109Ω・cm、104〜108Ω・cmの範囲などである。分離ロール14の弾性体層14bが導電性あるいは半導電性を有するものであると、分離ロール14の弾性体層14bの表面残留電荷を低く抑えて紙粉の付着を抑えやすい。
分離ロール14の弾性体層14bは、低電気抵抗化の観点から、導電剤を含んでいてもよい。導電剤としては、電子導電剤、イオン導電剤が挙げられる。電子導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、c−TiO2、c−ZnO、c−SnO2(c−は、導電性を意味する。)などが挙げられる。イオン導電剤としては、4級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤などが挙げられる。
分離ロール14の弾性体層14bは、必要に応じて、各種添加剤を適宜添加しても良い。添加剤としては、滑剤、加硫促進剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などを挙げることができる。
分離ロール14の弾性体層14bの厚みは、特に限定されるものではなく、0.1〜10mmの範囲内などで適宜設定すればよい。
分離ロール14の弾性体層14bは、ウレタン組成物を用い、成形金型による成形などによって形成することができる。例えば、軸体14aをロール成形金型の中空部に同軸的に設置し、未架橋のウレタン組成物を注入して、加熱・硬化(架橋)させた後、脱型するなどにより、軸体14aの外周に弾性体層14bを形成することができる。成形金型は、その内周面に凸部14cに対応する形状の凹部が形成されたものを用いることができる。弾性体層14bの凸部14cは、例えば、成形金型による型転写によって形成することができる。
分離ロール14の軸体14aの材料としては、ポリアセタール(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン等の合成樹脂、または、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属材料を挙げることができる。軸体14aは、中空状に形成されていても良いし、中実体であっても良い。
上記するように、紙送りロール12と分離ロール14は、それぞれ弾性体層12b、14bの外周表面に複数の凸部12c、14cを有する。このため、紙送りロール12と分離ロール14は、図5(a)に示すように、紙送りロール12の弾性体層12bの外周表面と分離ロール14の弾性体層14bの外周表面が、紙送りロール12の凸部12cと分離ロール14の凸部14cによって噛み合う状態となる。そして、紙送りロール12と分離ロール14は、それぞれ表面粗さRzが20μm以上である。このため、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みは、大きいものとなる。そうすると、図5(b)に示すように、用紙Pの搬送時には、用紙Pが紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みの間に配置され、用紙Pには紙送りロール12の凸部12cや分離ロール14の凸部14cから押圧力を受けて変形が生じる。このアンカー効果により、用紙Pの搬送性(用紙Pの搬送方向への推進力)が向上する。また、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みが大きいと、紙送りロール12や分離ロール14の表面に紙粉が付着しても、噛み込みの影響で、紙送りロール12と分離ロール14の間の摩擦係数が低下しにくい。
そして、紙送りロール12および分離ロール14は、表面のJIS−A硬度の差が5度以上に構成されている。紙送りロール12と分離ロール14の表面硬度が異なり、分離ロール14が紙送りロール12に圧接されることから、図6(a)に示すように、一方が他方の表面に食い込む形となる(図6(a)では、分離ロール14が紙送りロール12の表面に食い込む形で示している。)。これにより、紙送りロール12と分離ロール14のニップ面積(接触面積)が大きくなり、紙送りロール12と分離ロール14の間の摩擦係数が大きくなる。そして、図6(b)に示すように、一方が他方の表面に食い込む状態にある紙送りロール12と分離ロール14の間に用紙Pが配置されることから、紙送りロール12と用紙Pとの間の接触面積および分離ロール14と用紙Pとの間の接触面積も大きくなる。これにより、用紙Pの搬送性(用紙Pの搬送方向への推進力)が向上する。このような効果は、上記硬度差5度以上において、発揮される。
紙送りロール12と分離ロール14の表面硬度差は、用紙Pの搬送性の向上の観点から、より好ましくは10度以上、さらに好ましくは15度以上である。一方、紙送りロール12や分離ロール14の摩耗が抑えられやすいなどの観点から、紙送りロール12と分離ロール14の表面硬度差は、より好ましくは50度以下、さらに好ましくは40度以下である。
紙送りロール12と分離ロール14は、いずれのロールの表面硬度が高くてもよいが、用紙の重送が抑えられやすいなどの観点から、分離ロール14が紙送りロール12よりも表面硬度が大きいことが好ましい。
そして、紙送りロール12と分離ロール14の間の摩擦係数は、1.0以上3.0以下に構成されている。上記摩擦係数が1.0以上であることで、用紙Pの搬送性(用紙Pの搬送方向への推進力)が向上する。また、この観点から、上記摩擦係数は、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.5以上である。一方、上記摩擦係数が3.0超であると、上記摩擦係数が大きすぎて、用紙Pが紙送りロール12と分離ロール14の間に詰まりやすくなる。そして、上記摩擦係数を小さく抑える観点から、上記摩擦係数は、より好ましくは2.7以下、さらに好ましくは2.5以下である。
紙送りロール12と分離ロール14の間の摩擦係数は、紙送りロール12の弾性体層12bの材料構成、紙送りロール12の弾性体層12bの厚み、紙送りロール12の弾性体層12bの凸部12cの構成、紙送りロール12の表面粗さRz、分離ロール14の弾性体層14bの材料構成、分離ロール14の弾性体層14bの厚み、分離ロール14の弾性体層14bの凸部14cの構成、分離ロール14の表面粗さRz、紙送りロール12と分離ロール14の硬度差などを調整することにより、所望の範囲に設定することができる。
給紙装置10において、分離ロール14は、全体の耐久性が向上するなどの観点から、紙送りロール12よりも表面粗さRzが大きいことが好ましい。また、分離ロール14は、用紙の重送が抑えられやすいなどの観点から、紙送りロール12よりも表面の摩擦係数が小さいことが好ましい。
以上に示す給紙装置10では、紙送りロール12と分離ロール14がそれぞれ表面粗さRz20μm以上であることで、紙送りロール12と分離ロール14の噛み込みが大きいものとなり、用紙Pの搬送性(用紙Pの搬送方向への推進力)が向上する。また、紙送りロール12や分離ロール14の表面に紙粉が付着しても、大きい噛み込みの影響で、紙送りロール12と分離ロール14の間の摩擦係数が低下しにくい。そして、紙送りロール12と分離ロール14の間の摩擦係数が低下しにくいため、紙送りロール12と分離ロール14の間がすべりにくくなる。また、紙送りロール12と分離ロール14の、表面のJIS−A硬度差が5度以上であることで、紙送りロール12と分離ロール14のニップ面積(接触面積)が大きくなり、用紙Pの搬送性(用紙Pの搬送方向への推進力)が向上する。また、紙送りロール12と分離ロール14の間の摩擦係数が大きくなるため、紙送りロール12と分離ロール14の間がすべりにくくなる。さらに、紙送りロール12と分離ロール14の間の摩擦係数が1.0以上3.0以下であることで、紙送りロール12と分離ロール14の間がすべりにくくなる。これらが互いに作用することで、用紙Pの搬送性(用紙Pの搬送方向への推進力)が向上し、紙送りロール12と分離ロール14の間がすべりにくくなる結果、長期使用後の紙詰まりが抑えられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
図4(a)の紙送りロール12は、複数の凸部12cにより弾性体層12bの外周表面に表面凹凸が設けられているが、上記表面凹凸は、任意の凹凸で構成することができる。上記表面凹凸は、図7(a)に示すように、複数の凸部21によって形成されるものであってもよいし、図7(b)に示すように、複数の凹部22によって形成されるものであってもよいし、図7(c)に示すように、シボ形状のような複数の凸部23と複数の凹部24によって形成されるものであってもよい。シボ形状とは、シワ模様をいう。シボ形状は、放電加工などで内面を加工された成形金型を用いて形成することができる。シボ形状としては、皮革(ウロコ)、梨地、木目、岩目、砂目、布目、絹目、筋目(ヘアライン)、幾何学模様などが挙げられる。
同様に、図4(b)の分離ロール14は、複数の凸部14cにより弾性体層14bの外周表面に表面凹凸が設けられているが、上記表面凹凸は、任意の凹凸で構成することができる。上記表面凹凸は、図7(a)に示すように、複数の凸部21によって形成されるものであってもよいし、図7(b)に示すように、複数の凹部22によって形成されるものであってもよいし、図7(c)に示すように、シボ形状のような複数の凸部23と複数の凹部24によって形成されるものであってもよい。
また、上記実施形態では、紙送りロール12および分離ロール14の複数の凸部12c、14cは半球状とされているが、複数の凸部12c、14cの形状は、半球状の凸部に限定されず、種々の形状のものであってもよい。なお、球状とは、略球状であり、曲面を有する球状に近い形状のものであればよい。球状とは、真球状、楕円球状が含まれる。半球状とは、球の中心を通る面で切断された球の半分の形状のものや、球の中心を通らない面で切断された、球の半分よりも大きい形状のもの、球の半分よりも小さい形状のものも含まれる。凸部12c、14cが半球状であると、用紙Pとの接触面が曲面なので、比較的紙粉の発生が抑えられ、また、紙送り性能にも優れる。
凸部12c、14cの形状としては、不定形、柱体、錐体、球台、楔形などが挙げられる。柱体としては、円柱体、楕円柱体、角柱体(四角柱体、五角柱体など)、扇形柱体、D形柱体、ギア形柱体などが挙げられる。また、柱体の頭部が斜面状、曲面状に切り取られたような形状の截頭柱体(截頭円柱体、截頭角柱体など)であってもよい。錐体としては、円錐体、楕円錐体、角錐体(四角錐体、五角錐体など)などが挙げられる。また、錐体の頭部が平面状(錐台)、斜面状、曲面状に切り取られたような形状の截頭錐体(截頭円錐体、截頭角錐体など)であってもよい。球台は、球体が二つの平行な平面で切り取られたような形状の立体である。球面が二つの平行な平面に交わるときに、これら二平面に挟まれた球面の部分が球帯であり、球帯とこれらの二平面で囲まれた立体が球台である。球台の二平面のうちの一方の平面は球の中心を通る面であってもよいし、球台の二平面の両方が球の中心を通らない面であってもよい。球台の二平面は、平面に近い面であればよく、例えば球帯よりも曲率半径の大きい曲面であってもよい。また、円柱体、楕円柱体、角柱体、扇形柱体、D形柱体、ギア形柱体、錐台、球台の各上底(上側平面)は、研磨面であってもよい。研磨面は、各上底を研磨することにより形成することができる。
また、上記実施形態では、紙送りロール12および分離ロール14の複数の凸部12c、14cは、弾性体層12b、14bの周面に千鳥状に配置されているが、複数の凸部12c、14cは、弾性体層12b、14bの周面に、均一に分布・配置されていてもよいし、ランダムに配置されていてもよい。また、配列するように配置されていてもよい。凸部12c、14cが弾性体層12b、14bの周面に沿って配列していると、列と列の間に溝が形成され、発生した紙粉の逃げ道となって紙粉を排出しやすい。凸部12c、14cは、弾性体層12b、14bの周面に沿って周方向に配列していてもよいし、周方向とは異なる方向に配列していてもよい。周方向とは異なる方向とは、弾性体層12b、14bの周面に沿って周方向に対し所定の角度の方向に沿って配列している形態などをいう。また、凸部12c、14cは、弾性体層12b、14bの周面に沿ってらせん状に配列してもよい。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
(実施例1〜6、9〜14、比較例1〜4)
(成形金型の調整)
断面円形状の貫通孔(外径φ12mm)を備えた成形金型を準備した。準備した成形金型の貫通孔内周面に対して、放電加工機(三菱電機社製「DIAX VX10」)による放電加工を行った。上記放電加工は、成形される弾性体の表面にシボ形状(任意の凹凸)を付与するために行ったものである。上記放電加工の条件により、成形される弾性体の表面粗さRzを調整した。
(成形金型の調整)
断面円形状の貫通孔(外径φ12mm)を備えた成形金型を準備した。準備した成形金型の貫通孔内周面に対して、放電加工機(三菱電機社製「DIAX VX10」)による放電加工を行った。上記放電加工は、成形される弾性体の表面にシボ形状(任意の凹凸)を付与するために行ったものである。上記放電加工の条件により、成形される弾性体の表面粗さRzを調整した。
(紙送りロールの作製)
放電加工した上記成形金型の貫通孔に芯金(外径φ6mm)を同軸的にセットするとともに、両端開口部をキャップ型で閉栓し、その成形空間内に、弾性体層の形成材料である未架橋の熱硬化性ウレタン系ポリマーを充填した後、その成形金型をオーブン内に入れ、架橋した(150℃×60分間)。そして、上記芯金の外周面に、架橋硬化された熱硬化性ウレタン系ポリマーよりなる弾性体を形成し、その後、脱型するとともに芯金から弾性体を抜き取り、長さ25mmに切断した。得られた弾性体は、チューブ状(外径φ12mm、内径φ6mm、長さ25mm)であり、その表面にはシボ加工が施されている。次に、ポリアセタール(POM)製の軸体(長さ27mm、外径φ6mm)を準備した。次いで、チューブ状弾性体の中空部に、上記軸体を圧入した。以上により、紙送りロールを作製した。紙送りロールの表面粗さRzは、上記放電加工の条件により調整した。紙送りロールの摩擦係数は、材料組成、表面粗さRzにより調整した。
放電加工した上記成形金型の貫通孔に芯金(外径φ6mm)を同軸的にセットするとともに、両端開口部をキャップ型で閉栓し、その成形空間内に、弾性体層の形成材料である未架橋の熱硬化性ウレタン系ポリマーを充填した後、その成形金型をオーブン内に入れ、架橋した(150℃×60分間)。そして、上記芯金の外周面に、架橋硬化された熱硬化性ウレタン系ポリマーよりなる弾性体を形成し、その後、脱型するとともに芯金から弾性体を抜き取り、長さ25mmに切断した。得られた弾性体は、チューブ状(外径φ12mm、内径φ6mm、長さ25mm)であり、その表面にはシボ加工が施されている。次に、ポリアセタール(POM)製の軸体(長さ27mm、外径φ6mm)を準備した。次いで、チューブ状弾性体の中空部に、上記軸体を圧入した。以上により、紙送りロールを作製した。紙送りロールの表面粗さRzは、上記放電加工の条件により調整した。紙送りロールの摩擦係数は、材料組成、表面粗さRzにより調整した。
(分離ロールの作製)
紙送りロールと同様にして、分離ロールを作製した。分離ロールの表面粗さRzは、上記放電加工の条件により調整した。分離ロールの摩擦係数は、材料組成、表面粗さRzにより調整した。
紙送りロールと同様にして、分離ロールを作製した。分離ロールの表面粗さRzは、上記放電加工の条件により調整した。分離ロールの摩擦係数は、材料組成、表面粗さRzにより調整した。
(実施例7,8、比較例5)
成形される弾性体の凸部高さがそれぞれ、20μm(実施例7)、200μm(実施例8)、15μm(比較例5)となるように、上記放電加工の条件を調整した。以上により、紙送りロールを作製した。分離ロールも同様に作製した。
成形される弾性体の凸部高さがそれぞれ、20μm(実施例7)、200μm(実施例8)、15μm(比較例5)となるように、上記放電加工の条件を調整した。以上により、紙送りロールを作製した。分離ロールも同様に作製した。
作製した紙送りロールおよび分離ロールを用い、耐久性の評価をした。その結果をロール構成とともに表に示す。
(摩擦係数の測定)
紙送りロールの摩擦係数は、市販の摩擦係数計を使用し、線圧子、荷重50gをかけ、2.5mm/sのスピードで、弾性体層表面の長手方向にスライドさせて測定した。同様に、分離ロールの摩擦係数は、市販の摩擦係数計を使用し、線圧子、荷重50gをかけ、2.5mm/sのスピードで、弾性体層表面の長手方向にスライドさせて測定した。ロール間摩擦係数は、図8に示すように、回転自在に設けられた紙送りロール1(軸体半径r1=3mm、ロール半径r2=6mm)に対し、分離ロール2(軸体半径3mm、ロール半径6mm)を荷重N=200gfで圧接し、紙送りロール1の軸体1aに巻き付けた紐3の端にロードセル4を取付け、紐3が水平になるようにして、50mm/secの速度で紐3を引っ張り、その引張力Fを測定することにより、算出した。ロール間摩擦係数μは、以下の式(1)から算出した。
μ=(F×r1/r2)/N ・・・(1)
紙送りロールの摩擦係数は、市販の摩擦係数計を使用し、線圧子、荷重50gをかけ、2.5mm/sのスピードで、弾性体層表面の長手方向にスライドさせて測定した。同様に、分離ロールの摩擦係数は、市販の摩擦係数計を使用し、線圧子、荷重50gをかけ、2.5mm/sのスピードで、弾性体層表面の長手方向にスライドさせて測定した。ロール間摩擦係数は、図8に示すように、回転自在に設けられた紙送りロール1(軸体半径r1=3mm、ロール半径r2=6mm)に対し、分離ロール2(軸体半径3mm、ロール半径6mm)を荷重N=200gfで圧接し、紙送りロール1の軸体1aに巻き付けた紐3の端にロードセル4を取付け、紐3が水平になるようにして、50mm/secの速度で紐3を引っ張り、その引張力Fを測定することにより、算出した。ロール間摩擦係数μは、以下の式(1)から算出した。
μ=(F×r1/r2)/N ・・・(1)
(表面硬度の測定)
紙送りロールの表面硬度は、紙送りロールの弾性体層表面のJIS−A硬度とした。同様に、分離ロールの表面硬度は、分離ロールの弾性体層表面のJIS−A硬度とした。ロール間硬度差は、分離ロールの弾性体層表面のJIS−A硬度と紙送りロールの弾性体層表面のJIS−A硬度の差で表した。
紙送りロールの表面硬度は、紙送りロールの弾性体層表面のJIS−A硬度とした。同様に、分離ロールの表面硬度は、分離ロールの弾性体層表面のJIS−A硬度とした。ロール間硬度差は、分離ロールの弾性体層表面のJIS−A硬度と紙送りロールの弾性体層表面のJIS−A硬度の差で表した。
(表面粗さの測定)
紙送りロールの表面粗さRzは、紙送りロールの弾性体層表面の表面粗さRzとした。同様に、分離ロールの表面粗さRzは、分離ロールの弾性体層表面の表面粗さRzとした。表面粗さRzは、十点平均粗さであり、JIS B0601(1994)に準拠して測定した。
紙送りロールの表面粗さRzは、紙送りロールの弾性体層表面の表面粗さRzとした。同様に、分離ロールの表面粗さRzは、分離ロールの弾性体層表面の表面粗さRzとした。表面粗さRzは、十点平均粗さであり、JIS B0601(1994)に準拠して測定した。
(耐久性の評価)
紙送りロールおよび分離ロールを、FRR方式の給紙システムを持った市販の複写機に組み込み、紙送り性の評価を行った。用紙には市販のPPC用紙を用い、30万枚通紙を行い、紙詰まりの発生回数を測定した。紙詰まりの発生回数が1回以下のものを「A」、紙詰まりの発生回数が2回以上4回以下のものを「B」、紙詰まりの発生回数が5回以上6回以下のものを「C」、紙詰まりの発生回数が7回以上10回以下のものを「D」、紙詰まりの発生回数が11回以上のものを「E」とした。
紙送りロールおよび分離ロールを、FRR方式の給紙システムを持った市販の複写機に組み込み、紙送り性の評価を行った。用紙には市販のPPC用紙を用い、30万枚通紙を行い、紙詰まりの発生回数を測定した。紙詰まりの発生回数が1回以下のものを「A」、紙詰まりの発生回数が2回以上4回以下のものを「B」、紙詰まりの発生回数が5回以上6回以下のものを「C」、紙詰まりの発生回数が7回以上10回以下のものを「D」、紙詰まりの発生回数が11回以上のものを「E」とした。
比較例1は、紙送りロールと分離ロールのロール間摩擦係数が1.0未満であり、30万枚通紙の耐久試験において、紙詰まりが多かった。比較例2は、紙送りロールと分離ロールのロール間摩擦係数が3.0超であり、紙送りロールと分離ロールの噛み込みが強く、30万枚通紙の耐久試験において、紙詰まりが多かった。比較例3は、紙送りロールと分離ロールのロール間硬度差が5度未満で小さく、30万枚通紙の耐久試験において、紙詰まりが多かった。比較例4、5は、紙送りロールと分離ロールの表面粗さRzが20μm未満で小さく、30万枚通紙の耐久試験において、紙詰まりが多かった。
実施例および比較例によれば、紙送りロールおよび分離ロールが、それぞれ表面がポリウレタンを含む弾性体で構成され、それぞれ表面粗さRzが20μm以上であり、表面のJIS−A硬度の差が5度以上であり、紙送りロールと分離ロールの間の摩擦係数が1.0以上3.0以下であると、30万枚通紙の耐久試験において紙詰まりが抑えられ、長期使用後の紙詰まりが抑えられることがわかる。
以上、本発明の実施形態・実施例について説明したが、本発明は上記実施形態・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
10 給紙装置
12 紙送りロール
12a 軸体
12b 弾性体層
12c 凸部
14 分離ロール
14a 軸体
14b 弾性体層
14c 凸部
16 給紙カセット
18 引込ロール
18a 軸体
18b 弾性体層
P 用紙
12 紙送りロール
12a 軸体
12b 弾性体層
12c 凸部
14 分離ロール
14a 軸体
14b 弾性体層
14c 凸部
16 給紙カセット
18 引込ロール
18a 軸体
18b 弾性体層
P 用紙
Claims (6)
- 回転駆動され、用紙を搬送する紙送りロールと、
前記紙送りロールに圧接されるとともにトルクリミッターが内蔵され、用紙の重送を抑える分離ロールと、を備え、
前記紙送りロールおよび前記分離ロールは、それぞれ表面がポリウレタンを含む弾性体で構成され、それぞれ表面粗さRzが20μm以上であり、表面のJIS−A硬度の差が5度以上であり、
前記紙送りロールと前記分離ロールの間の摩擦係数が1.0以上3.0以下であることを特徴とする給紙装置。 - 前記紙送りロールおよび前記分離ロールは、それぞれ表面に高さ20〜300μmの凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
- 前記分離ロールは、前記紙送りロールよりも表面粗さRzが大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の給紙装置。
- 前記分離ロールは、前記紙送りロールよりも表面の摩擦係数が小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の給紙装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の紙送りロール。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の分離ロール。
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