JP2021049882A - 車輪速度推定装置、及び、車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の乗り心地の悪化を抑制する。【解決手段】車輪速度推定装置が、車両の駆動系をモデル化した駆動系モデルを用いて車輪の速度の推定値を算出する推定部と、車輪の速度の測定値に関する尤度に基づいて駆動系モデルの補正を行うか否かを判定する判定部と、判定部によって補正を行うと判定された場合、測定値と推定値との誤差に基づいて駆動系モデルを補正し、判定部によって補正を行わないと判定された場合、駆動系モデルの補正を中断する補正部と、を備える。【選択図】図2
Description
本開示は、車輪速度推定装置、及び、車両に関する。
従来、オブザーバを用いて車両における車輪の回転速度を推定する技術が知られている。特許文献1には、車輪がスリップ状態の場合に、オブザーバにおける車両の駆動系モデルの車両イナーシャを補正し、補正された駆動系モデルを用いて、車輪の回転速度を推定する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1では、車輪の回転速度の測定値の確からしさが、何ら考慮されていない。よって、車輪の回転速度の測定値の確からしさが低い場合、オブザーバは、駆動系モデルを精度良く補正できないため、車輪の回転速度を精度良く推定できないおそれがある。低精度の車輪の回転速度の推定値によって車両が制御された場合、車両に振動が発生し、車両の乗り心地が悪化するおそれがある。
本開示は、車両の乗り心地の悪化を抑制する技術の提供を目的とする。
本開示の一態様に係る車輪速度推定装置は、車両に備えられる車輪の速度を推定する車輪速度推定装置であって、前記車両の駆動系をモデル化した駆動系モデルを用いて、前記車輪の速度の推定値を算出する推定部と、前記車輪の速度の測定値に関する尤度に基づいて、前記駆動系モデルの補正を行うか否かを判定する判定部と、前記判定部によって補正を行うと判定された場合、前記測定値と前記推定値との誤差に基づいて前記駆動系モデルを補正し、前記判定部によって補正を行わないと判定された場合、前記駆動系モデルの補正を中断する補正部と、を備える。
本開示の一態様に係る車両は、車輪と、前記車輪の速度を測定するセンサと、前記車輪の駆動を制御する制御装置とを備える車両であって、前記制御装置は、前記車両の駆動系をモデル化した駆動系モデルを用いて、前記車輪の速度の推定値を算出し、前記センサから前記車輪の速度の測定値を受信し、前記測定値に関する尤度に基づいて、前記駆動系モデルの補正を行うか否かを判定し、前記補正を行うと判定された場合、前記測定値と前記推定値との誤差に基づいて前記駆動系モデルを補正し、前記補正を行わないと判定された場合、前記駆動系モデルの補正を中断し、前記測定値及び前記推定値のうちの少なくとも1つを用いて前記車輪の駆動を制御する。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示によれば、車両の乗り心地の悪化を抑制できる。
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明および実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
<車両の構成>
図1は、実施の形態1に係る車両の構成例を示す模式図である。
<車両の構成>
図1は、実施の形態1に係る車両の構成例を示す模式図である。
図1に示すように、車両1は、左前車輪10LF、右前車輪10RF、左後車輪10LR、右後車輪10RR、左前駆動軸11LF、右前駆動軸11RF、左後駆動軸11LR、右後駆動軸11RR、左前原動機12LF、右前原動機12RF、左後原動機12LR、右後原動機12RR、左前車輪速度センサ13LF、右前車輪速度センサ13RF、左後車輪速度センサ13LR、左前減速装置14LF、右前減速装置14RF、左後減速装置14LR、右後減速装置14RR、右後車輪速度センサ13RR、ECU(Electronic Control Unit)100を備える。また、車両1は、左前原動機12LF、右前原動機12RF、左後原動機12LR、右後原動機12RR、左前車輪速度センサ13LF、右前車輪速度センサ13RF、左後車輪速度センサ13LR、右後車輪速度センサ13RRとECU100とを双方向通信可能に接続する通信ネットワークN(例えばCAN(Controller Area Network))を備える。
左前原動機12LFの発生する動力は、左前減速装置14LFによって減速され、左前駆動軸11LFを介して、左前車輪10LFに伝達される。右前原動機12RFの発生する動力は、右前減速装置14RFによって減速され、右前駆動軸11RFを介して、右前車輪10RFに伝達される。左後原動機12LRの発生する動力は、左後減速装置14LRによって減速され、左後駆動軸11LRを介して、左後車輪10LRに伝達される。右後原動機12RRの発生する動力は、右後減速装置14RRによって減速され、右後駆動軸11RRを介して、右後車輪10RRに伝達される。
左前車輪速度センサ13LFは、左前車輪10LFの速度を測定する。右前車輪速度センサ13RFは、右前車輪10RFの速度を測定する。左後車輪速度センサ13LRは、左後車輪10LRの速度を測定する。右後車輪速度センサ13RRは、右後車輪10RRの回転を測定する。
左前原動機12LF、左前減速装置14LF、左前駆動軸11LF及び左前車輪10LFが左前駆動装置3LFを構成する。右前原動機12RF、右前減速装置14RF、右前駆動軸11RF及び右前車輪10RFが右前駆動装置3RFを構成する。左後原動機12LR、左後減速装置14LR、左後駆動軸11LR及び左後車輪10LRが左後駆動装置3LRを構成する。右後原動機12RR、右後減速装置14RR、右後駆動軸11RR及び右後車輪10RRが右後駆動装置3RRを構成する。
以下、左前車輪10LF、右前車輪10RF、左後車輪10LR、右後車輪10RRを区別せずに、車輪10と称する場合がある。また、左前駆動軸11LF、右前駆動軸11RF、左後駆動軸11LR、右後駆動軸11RRを区別せずに、駆動軸11と称する場合がある。また、左前原動機12LF、右前原動機12RF、左後原動機12LR、右後原動機12RRを区別せずに原動機12と称する場合がある。また、左前車輪速度センサ13LF、右前車輪速度センサ13RF、左後車輪速度センサ13LR、右後車輪速度センサ13RRを区別せずに、車輪速度センサ13と称する場合がある。また、左前駆動装置3LF、右前駆動装置3RF、左後駆動装置3LR、右後駆動装置3RRを区別せずに、駆動装置3と称する場合がある。
車輪速度センサ13が測定する車輪10の速度は、回転速度(例えばrpm)、角速度(例えばrad/ms)、及び、車輪10の周長に基づく走行速度(例えばkm/h)のうちの何れであってもよい。
原動機12の一例は、電動モータである。ただし、原動機12は、電動モータに限られず、例えば内燃機関であってもよい。
なお、図1では、原動機12に電力を供給する電池機構、及び、各車輪10の速度を減速させるためのブレーキ機構などが省略されているが、これらの機構が車両1に備えられることは当然である。
また、図1に示す車両1は、各車輪10が別々の原動機12によって駆動する構成であるが、車両1は、図1の構成に限定されない。例えば、車両1は、1つの原動機12が、左前車輪10LF及び右前車輪10RFを駆動する構成であってもよい。あるいは、車両1は、1つの原動機12が、左後車輪10LR及び右後車輪10RRを駆動する構成であってもよい。
以下の説明は、左前車輪10LF、左前駆動軸11LF及び左前原動機12LFの例であるが、他の車輪10、他の駆動軸11及び他の原動機12にも適用できる。また、以下の説明では、便宜上、左前車輪10LF、左前駆動軸11LF及び左前原動機12LFを、単に、車輪10、駆動軸11及び原動機12という場合がある。
ECU100は、車両1を制御する制御装置の一例、あるいは、車輪10の速度を推定する車輪速度推定装置の一例である。ECU100は、メモリ101、ストレージ102、処理部103、通信部104、及び、これらの構成要素101〜104を双方向通信可能に接続するバス105を備える。なお、車両1は、1つのECU100を備えてもよいし、複数のECU100を備えてもよい。
メモリ101は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)又はこれらの組み合わせによって構成され、ECU100が有する機能を実現するためのコンピュータプログラム及びデータを記憶する。RAMは、例えば、揮発性メモリによって構成される。
ストレージ102は、例えばフラッシュメモリといった不揮発性メモリによって構成され、ECU100が有する機能を実現するためのコンピュータプログラム及びデータを格納する。
処理部103は、メモリ101及び/又はストレージ102から読み出したコンピュータプログラム及びデータを処理し、あるいは、組み込まれた回路にしたがって動作し、ECU100が有する機能を実現する。処理部103は、プロセッサ、コントローラ、CPU(Central Processing Unit)、集積回路又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)といった他の用語に読み替えられてもよい。
通信部104は、通信ネットワークN(例えばCAN)を介するデータの送受信を制御する。例えば、通信部104は、通信ネットワークNを通じて、車輪速度センサ13から測定データを受信する。また、通信部104は、通信ネットワークNを通じて、原動機12に対して、原動機12を制御するための制御データを送信する。
<ECUの機能>
図2は、実施の形態1に係るECU100の機能及び当該ECU100に関連する構成要素の例を示すブロック図である。
図2は、実施の形態1に係るECU100の機能及び当該ECU100に関連する構成要素の例を示すブロック図である。
ECU100は、車輪10のスリップ状態において、原動機12から出力されるトルクを適切に制御し、車両1の走行安定性を実現する。
ECU100の処理部103は、判定部201、補正部202、推定部203、誤差算出部204、及びトルク制御部205の機能を実現する。なお、判定部201は、判断部又は決定部といった他の用語に読み替えられてもよい。補正部202は、変更部又は修正部といった他の用語に読み替えられてもよい。推定部203は、オブザーバといった他の用語に読み替えられてもよい。オブザーバとは、現代制御理論に基づいて、制御系の内部状態を観測する状態観測器である。
推定部203は、左前車輪10LFの速度を推定するための駆動系モデルに基づいて、左前原動機12LFから出力されたトルクTmに対応する左前車輪10LFの速度を推定する。以下、推定された左前車輪10LFの速度を、左前車輪10LFの推定速度Vestという。例えば、推定部203は、左前原動機12LFから出力されたトルクTmを駆動系モデルに入力し、左前車輪10LFの推定速度Vestを算出する。推定部203は、算出した左前車輪10LFの推定速度Vestを出力する。なお、推定速度Vestは、回転速度(例えばrpm)、角速度(例えばrad/ms)、及び、左前車輪10LFの周長に基づく走行速度(例えばkm/h)のうちの何れであってもよい。
推定部203は、左前車輪10LFがスリップ状態の場合とグリップ状態の場合とにおいて、異なる駆動系モデルを用いてよい。また、左前車輪10LFがスリップ状態の場合の駆動系モデルは、後述するように、補正部202によって補正されたものであってよい。
なお、駆動系モデルは、例えば、特許文献1と同様、図3に示す構成であってよい。図3は、車両の駆動系をモデル化した駆動系モデルを説明する模式図である。図3に示すように、駆動系モデル3Mは、車両1の駆動系、すなわち駆動装置3の駆動軸11の剛性と車輪10の剛性とを考慮し、そのねじれ振動の1次成分に特化することで低次元化して作成したモデルであってよい。ここで、I1は原動機12のイナーシャ、Tmは原動機の出力するトルク、ωmは原動機12の回転速度、ρは減速装置9の減速比、Csは駆動軸11の粘性係数と車輪10の粘性係数とを合成した合成粘性係数、Ksは駆動軸11のばね定数と車輪10のばね定数とを合成した合成ばね定数、θは駆動軸11のねじれ角度、ωtは車輪10の回転速度、I2は車両1のイナーシャである。車両1のイナーシャは、車両1の車輪10のイナーシャI2tと、車両1の車輪10以外の部分におけるイナーシャI2bとの和である。なお、車両1のイナーシャI2は、車両1の質量Mと相関が高く、車両1の質量を車両1のイナーシャに変換する変換係数jを用いて、I2=j×Mで表すことができる。なお、変換係数jは、車両1の諸元等によって決定される定数である。
また、左前車輪10LFがスリップ状態又はグリップ状態の何れであるかは、特許文献1に開示の方法によって判定されてよい。例えば、左前車輪10LFの摩擦係数μが上昇から下降に転じた場合に、左前車輪10LFがグリップ状態からスリップ状態に転じたと判定されてよい。なお、摩擦係数μは、左前車輪10LFが発生する駆動力と相関があるため、当該駆動力を監視することにより、左前車輪10LFがスリップ状態であるか否かを判定できる。
誤差算出部204は、車輪速度センサ13によって測定された左前車輪10LFの速度(以下「測定速度」という)Vmesと、推定部203から出力された左前車輪10LFの推定速度Vestとの間の誤差(以下「速度誤差」という)eを算出する。例えば、誤差算出部204は、測定速度Vmesから推定速度Vestを減じて、速度誤差eを算出する。なお、推定速度Vestは、回転速度(例えばrpm)、角速度(例えばrad/ms)、及び、左前車輪10LFの周長に基づく走行速度(例えばkm/h)のうちの何れであってもよい。
補正部202は、左前車輪10LFがスリップ状態の場合、推定部203における駆動系モデル3Mのパラメータを補正する。例えば、補正部202は、特許文献1に開示されているように、駆動系モデル3Mのパラメータの1つである車両イナーシャを補正する。補正部202は、誤差算出部204から出力される速度誤差eに基づいて、車両イナーシャの補正値を算出する。ここで、車両イナーシャを補正する理由は次の通りである。スリップ状態の場合の車輪の摩擦係数は、グリップ状態の場合の車輪の摩擦係数よりも小さい。したがって、スリップ状態の場合の車両イナーシャは、グリップ状態の場合の車両イナーシャよりも小さい。ゆえに、補正部202が、スリップ状態において車両イナーシャを補正することにより、推定部203は、車両イナーシャの補正された駆動系モデル3Mを用いて、左前車輪10LFの摩擦係数の変化を考慮した推定速度Vestを算出できる。つまり、スリップ状態における推定速度Vestの精度が向上する。
トルク制御部205は、左前車輪10LFの測定速度Vmes及び推定速度Vestに基づいて、左前原動機12LFから出力するトルクを制御する。例えば、トルク制御部205は、左前車輪10LFがスリップ状態の場合、左前車輪10LFの推定速度Vestから測定速度Vmesを減じた値に所定のゲインGを乗じて、トルク補正値を算出する。そして、トルク制御部205は、目標のトルクからトルク補正値を減じたトルクの出力指示(制御データの一例)を、左前原動機12LFに送信する。これにより、左前原動機12LFは、左前車輪10LFのスリップ状態を考慮した適切なトルクにて左前車輪10LFを駆動できる。
判定部201は、測定速度Vmesの確からしさ(尤度)に基づいて、補正部202による駆動系モデル3Mの補正を許可するか否かを判定する。例えば、判定部201は、測定速度Vmesの尤度が所定の尤度閾値以上の場合、補正部202に対して、補正許可を設定する。この場合、補正部202は、スリップ状態において、上述したように駆動系モデル3Mを随時補正する。一方、判定部201は、測定速度Vmesの尤度が所定の尤度閾値未満の場合、補正部202に対して、補正不許可を設定する。この場合、補正部202は、スリップ状態であっても、駆動系モデル3Mのさらなる補正を行わない(つまり補正を中断する)。この場合、スリップ状態における駆動系モデル3Mは、最後に補正された状態で維持される。なお、判定部201は、補正許可又は補正不許可の設定に代えて、補正許可又は補正不許可の指示を補正部202に通知(又は送信)してもよい。以下、判定部201について詳細に説明する。
<判定部の詳細>
次に、図4、図5を参照しながら、判定部201について詳細に説明する。
次に、図4、図5を参照しながら、判定部201について詳細に説明する。
図4は、車輪速度センサ13の構成例を示す模式図である。図5は、車輪10の測定速度と、車輪10の実際の速度(以下「実速度」という)とのずれの例を示すグラフである。図5のグラフにおいて、横軸は時間を示し、縦軸は速度を示す。また、図5のグラフにおいて、実線は測定速度を示し、破線は実速度を示す。
図4に示すように、車輪速度センサ13は、車輪10(又は駆動軸11)に備えられたロータ20の回転をセンシングする。そして、車輪速度センサ13は、ロータ20の回転に応じて検出されるパルスの単位時間当たりの数に基づいて、車輪10の速度を算出する。車輪10の速度は、回転速度(例えばrpm)、角速度(例えばrad/ms)、及び、車輪10の周長に基づく走行速度(例えばkm/h)のうちの何れであってもよい。
例えば、車輪10の周長をL[mm]、車輪1回転当たりに検出されるパルス数をp[パルス/回転]、測定した車輪10の速度の出力周期をt[ms]とする。この場合、車輪速度センサ13が測定可能な車輪10の最低速度Vlowestは、出力周期tの間に1パルスを検出できる速度であるので、次の式(1)にて算出される。
Vlowest=(3.6×L)/(p×t)[km/h] ・・・(1)
Vlowest=(3.6×L)/(p×t)[km/h] ・・・(1)
例えば、Lが2143.2[mm]、pが48[パルス/回転]、tが20[ms]の場合、Vlowestは約0.8[km/h]と算出される。
したがって、車輪10の実速度が0よりも大きくかつVlowest未満である場合、車輪速度センサ13は、車輪10の測定速度を0と出力してしまう。すなわち、車輪10が実際には回転しているにもかかわらず、車輪10の測定速度が0と出力されてしまう。
このように、確からしさ(尤度)の非常に低い車輪10の測定速度Vmesを用いて、補正部202が駆動系モデル3Mを補正した場合、補正された駆動系モデル3Mを用いて推定部203が算出した車輪10の推定速度Vestの確からしさ(尤度)も低くなってしまう。この場合、トルク制御部205は、確からしさ(尤度)の低い推定速度Vestを用いて原動機12から出力されるトルクを制御することになり、その結果、車両1の走行に振動が発生し得る。つまり、車両1の乗り心地が悪化し得る。
そこで、判定部201は、上述のとおり、測定速度Vmesの尤度が所定の尤度閾値未満の場合、補正不許可を設定し、測定速度Vmesの尤度が所定の尤度閾値以上の場合、補正許可を設定する。ここで、測定速度Vmesの尤度は、測定速度Vmesが下記の式(2)に示す閾値Vthよりも小さくなったときに急激に小さくなる値であってよい。そして、所定の尤度閾値は、測定速度Vmesが閾値Vthのときの尤度であってよい。
Vth=α×Vlowest ・・・(2)
ここで、αは、車輪の周長Lのばらつき、及び/又は、出力周期tのばらつきに基づいて決定される安全率を示し、例えば0<α≦1である。
Vth=α×Vlowest ・・・(2)
ここで、αは、車輪の周長Lのばらつき、及び/又は、出力周期tのばらつきに基づいて決定される安全率を示し、例えば0<α≦1である。
あるいは、判定部201は、測定速度Vmesが閾値Vth未満の場合、補正不許可を設定し、測定速度Vmesが閾値Vth以上の場合、補正許可を設定してもよい。
図6は、車両が減速、停止、加速を行った場合における、車輪10の測定速度及び実速度の例を示すグラフである。図6のグラフにおいて、横軸は時間を示し、縦軸は車輪10の速度を示す。また、図6のグラフにおいて、実線は測定速度を示し、破線は実速度を示す。図6を参照して、判定部201が補正許可と補正不許可を切り替えるタイミングの一例を説明する。
判定部201は、車両1が減速し、測定速度Vmesが閾値Vth未満になったタイミングで、補正不許可を設定する。また、判定部201は、車両1が加速し、測定速度Vmesが閾値Vth以上になったタイミングで、補正許可を設定する。これにより、上述のとおり、減速時及び加速時における車両1の振動の発生を抑制できる。
なお、補正不許可から補正許可に変更されたときの測定速度と実速度との差がある程度大きな値であっても、補正部202を適切に設計することにより、その差を有限時間内に0に収束できる。
図7は、図2に示す構成から判定部201を除いた構成の例を示すブロック図である。次に、図7を参照して、図2に示す構成による効果を説明する。
図7に示す構成において、補正部202は、図2に示す構成と同様、測定速度Vmesから推定速度Vestを減じた速度誤差eに基づいて、駆動系モデル3Mの車両イナーシャを補正する。
上述のとおり、測定速度Vmesが閾値Vth未満の場合、測定速度Vmesの尤度が低いので、その測定速度Vmesを用いて算出される速度誤差eの尤度も低い。図7に示す構成では、測定速度Vmesが閾値Vth未満の場合でも、補正部202は、尤度の低い速度誤差eを用いて、駆動系モデル3Mを補正する。よって、推定部203は、尤度の低い駆動系モデル3Mを用いて、推定速度Vestを算出する。この場合、トルク制御部205は、尤度の低い推定速度Vestを用いて原動機12のトルクを制御することになり、その結果、車両1の走行に振動が発生し得る。つまり、車両1の乗り心地が悪化し得る。
これに対して、判定部201を有する図2に示す構成では、測定速度Vmesが閾値Vth未満の場合、補正部202は駆動系モデル3Mの補正を中断するので、推定部203は、尤度の十分に高い速度誤差eにて補正された直前の駆動系モデル3Mを用いて、推定速度Vestを算出する。よって、図2の構成にて算出される推定速度Vestの尤度は、図7の構成にて算出される推定速度Vestの尤度よりも高い。よって、図2に示す構成は、図7に示す構成と比べて、測定速度Vmesが閾値Vth未満の場合における車両の乗り心地の悪化を抑制し得る。
(実施の形態2)
図8は、実施の形態2に係るECU100の機能及び当該ECU100に関連する構成要素の例を示すブロック図である。実施の形態2では、実施の形態1と共通する構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する場合がある。
図8は、実施の形態2に係るECU100の機能及び当該ECU100に関連する構成要素の例を示すブロック図である。実施の形態2では、実施の形態1と共通する構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する場合がある。
以下、左前車輪10LF、左前駆動軸11LF及び左前原動機12LFの例を説明するが、以下の説明は、実施の形態1と同様、他の車輪10、他の駆動軸11及び他の原動機12にも適用できる。また、以下の説明では、便宜上、左前車輪10LF、左前駆動軸11LF及び左前原動機12LFを、単に、車輪10、駆動軸11及び原動機12という場合がある。
ECU100は、判定部201、補正部202、推定部203、誤差算出部204、トルク制御部205、及び、平均化部206を有する。
平均化部206は、左前車輪速度センサ13LF、右前車輪速度センサ13RF、左後車輪速度センサ13LR、及び、右後車輪速度センサ13RRの各々から受信した測定速度を平均化し、4つの車輪10の平均測定速度ωtaを出力する。平均測定速度ωtaは、車両1の走行速度ともいえる。
判定部201は、平均化部206から出力された平均測定速度ωtaに基づいて、実施の形態1で説明したように、補正の可否を判定する。例えば、図4にて説明したように、車輪速度センサ13が測定可能な車輪10の最低速度Vlowestに基づいて閾値Vthを設定する。そして、判定部201は、平均測定速度ωtaが閾値Vth未満の場合、補正不許可を設定し、平均測定速度ωtaが閾値Vth以上の場合、補正許可を設定する。
図4にて説明したように、左前車輪10LFの実速度が0よりも大きくかつ最低速度Vlowest未満である場合、車輪速度センサ13は、左前車輪10LFの測定速度を0と出力してしまう。
したがって、4つの車輪10のうち少なくとも1つの車輪10の速度が最低速度Vlowest未満の場合、平均測定速度ωtaは、4つの車輪10の速度がいずれも最低速度Vlowest以上の場合の平均測定速度ωtaと比べて、尤度が非常に低い。よって、判定部201は、上述のとおり、平均測定速度ωtaが閾値Vth未満の場合、補正不許可を設定する。
なお、平均測定速度Vmesの尤度は、上述に限られない。例えば、平均測定速度Vmesの尤度は、4つの車輪10のうち、閾値Vth以上の速度の車輪数の増加に応じて高くなる関数であってもよい。これは、車両1が旋回中であり、少なくとも2つの車輪10の速度が異なる場合に有用である。
補正部202は、補正許可が設定されている場合、推定部203の駆動系モデル3Mを補正する。例えば、補正部202は、当該補正部202に入力された、スリップ状態の左前車輪10LFの回転加速度ar、グリップ状態の左前車輪10LFの回転加速度ad、及び、速度誤差eに基づいて、補正値を算出する。そして、補正部202は、補正値にて、駆動系モデル3Mの車両イナーシャを補正する。
スリップ状態の左前車輪10LFの回転加速度arは、左前車輪10LFの車輪速度センサ13から出力された左前車輪10LFの測定速度ωa_FLを時間微分(1/s:sはラプラス演算子)して算出できる。
グリップ状態の左前車輪10LFの回転加速度adは、左前原動機12LFの駆動軸速度センサ15から出力された左前原動機12LFの回転速度に1/ρ(ρは減速装置の減速比)を乗じて得られる左前車輪10LFの実速度ωt_FLを時間微分(1/s:sはラプラス演算子)して算出できる。
速度誤差eは、実速度ωt_FLから推定速度ωt_FL*を減じて算出できる。
一方、補正部202は、補正不許可が設定されている場合、推定部203の駆動系モデル3Mの補正を中断する。
推定部203は、トルクセンサ16から送信された左前原動機12LFの出力トルクTmを駆動系モデル3Mに入力し、左前車輪10LFの推定速度ωt_FL*を出力する。駆動系モデル3Mは、実施の形態1にて説明したとおりである。
トルク制御部205は、左前車輪10LFの測定速度ωa_FL及び推定速度ωt_FL*に基づいて、左前原動機12LFの出力トルクを制御する。例えば、トルク制御部205は、左前車輪10LFがスリップ状態の場合、左前車輪10LFの推定速度ωt_FL*から左前車輪10LFの測定速度ωa_FLを減じた値に所定のゲインGを乗じて、トルク補正値を算出する。そして、トルク制御部205は、目標のトルクからトルク補正値を減じた出力トルクの出力指示(制御データの一例)を、左前原動機12LFに送信する。これにより、左前原動機12LFは、左前車輪10LFのスリップ状態を考慮した適切な出力トルクにて左前車輪10LFを駆動できる。
図9は、判定部201の処理の手順の例を示すフローチャートである。
ステップS101において、判定部201は、平均化部206から出力された4車輪の平均測定速度ωtaが閾値Vth未満であるか否かを判定する。
平均測定速度ωtaが所定の閾値Vth未満である場合(ステップS101:YES)、ステップS102において、判定部201は、補正部202に対して補正不許可を設定する。そして、スタートに戻る。
平均測定速度ωtaが所定の閾値Vth以上である場合(ステップS101:NO)、ステップS103において、判定部201は、補正部202に対して補正許可を設定する。そして、スタートに戻る。
図10は、補正部202の処理の手順の例を示すフローチャートである。
ステップS201において、補正部202は、車両1が振動中であるか否かを判定する。例えば、補正部202は、車輪10の回転加速度ar又はadが変動しているか否かによって、車両1が振動中であるか否かを判定する。
車両1が振動中でない場合(ステップS201:NO)、スタートに戻る。車両1が振動中である場合(ステップS201:YES)、ステップS202において、補正部202は、補正許可が設定されているか否かを判定する。
補正不許可が設定されている場合(ステップS202:NO)、スタートに戻る。すなわち、補正部202は、ステップS204の駆動系モデル3Mの補正を行わない。
補正許可が設定されている場合(ステップS202:YES)、ステップS203において、補正部202は、スリップ状態であるか否かを判定する。
スリップ状態でない場合(ステップS203:NO)、スタートに戻る。スリップ状態である場合(ステップS203:YES)、ステップS204において、補正部202は、駆動系モデル3Mを補正する。そして、ステップS205において、補正部202は、車両1が振動中であるか否かを判定する。
車両1が振動中である場合(ステップS205:YES)、ステップS202に戻る。車両1が振動中でない場合(ステップS205:NO)、ステップS206において、補正部202は、グリップ時の駆動系モデル3Mに変更する。そして、スタートに戻る。
<変形例>
判定部201は、判定結果をトルク制御部205に出力してもよい。その場合、トルク制御部205は、判定部201から出力された判定結果に基づいて、ゲインGを切り替えてもよい。
判定部201は、判定結果をトルク制御部205に出力してもよい。その場合、トルク制御部205は、判定部201から出力された判定結果に基づいて、ゲインGを切り替えてもよい。
また、補正部202と推定部203との間に、補正値に対してゲインを乗ずるゲイン部を設けてもよい。そして、判定部201は、判定結果を当該ゲイン部に出力してもよい。その場合、ゲイン部は、判定部201から出力された判定結果に基づいて、ゲイン値を切り替えてもよい。
また、判定部201は、判定結果を推定部203に出力してもよい。その場合、推定部203は、判定部201から出力された判定結果に基づいて、出力する推定速度を切り替えてもよい。例えば、推定部203は、判定結果が「平均測定速度ωtaの尤度が尤度閾値未満である」場合、推定速度ωt_FL*を出力し、判定結果が「平均測定速度ωtaの尤度が尤度閾値以上である」場合、推定速度ωa_FLを出力してもよい。これにより、トルク制御部205からの出力トルクの精度の悪化を抑制できる。
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3に係るECU100の機能及び当該ECU100に関連する構成要素の例を示すブロック図である。実施の形態3では、実施の形態2と共通する構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する場合がある。
図11は、実施の形態3に係るECU100の機能及び当該ECU100に関連する構成要素の例を示すブロック図である。実施の形態3では、実施の形態2と共通する構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する場合がある。
以下、図11を参照して、車両1の走行抵抗の変化に応じて駆動系モデル3Mを補正する例を説明する。
車両1の走行抵抗は、例えば、次のような場合に変化する。
・車輪10を交換し、車輪10の周長が変化したとき。
・車輪10の空気圧が低下し、車輪10の有効周長が変化、あるいは、車輪10の転がり抵抗係数が変化したとき。
・上り坂又は下り坂を走行し、走行に必要な推進力が変化したとき。
・車輪10を交換し、車輪10の周長が変化したとき。
・車輪10の空気圧が低下し、車輪10の有効周長が変化、あるいは、車輪10の転がり抵抗係数が変化したとき。
・上り坂又は下り坂を走行し、走行に必要な推進力が変化したとき。
補正部202は、走行抵抗の変化が駆動系モデル3Mに反映されるように、駆動系モデル3Mを補正する。例えば、補正部202は、当該補正部202に入力された、左前車輪10LFの測定速度ωa_FL、左前車輪10LFの実速度ωt_FL、及び、速度誤差eに基づいて、走行抵抗の変化が駆動系モデル3Mに反映されるように、車両イナーシャ及び/又は車輪イナーシャを補正する。
ここで、補正部202は、実施の形態1及び2と同様、判定部201から補正許可が設定されている場合、駆動系モデル3Mを補正し、判定部201から補正不許可が設定されている場合、駆動系モデル3Mの補正を中断する。なお、この場合、補正部202は、図10に示す手順からステップS203を除いた処理を実行する。
このように、本開示の判定部201は、スリップ状態における駆動系モデル3Mの補正に限らず、走行抵抗に応じた駆動系モデル3Mの補正に対しても適用できる。
(本開示のまとめ)
本開示の一態様に係る、車両1に備えられる車輪10の速度を推定する車輪速度推定装置(例えばECU100)は、車両1の駆動系をモデル化した駆動系モデル3Mを用いて、車輪10の速度の推定値を算出する推定部203と、車輪10の速度の測定値に関する尤度に基づいて、駆動系モデル3Mの補正を行うか否かを判定する判定部201と、判定部201によって補正を行うと判定された場合、測定値と推定値との誤差に基づいて駆動系モデル3Mを補正し、判定部201によって補正を行わないと判定された場合、駆動系モデル3Mの補正を中断する補正部202と、を備える。
本開示の一態様に係る、車両1に備えられる車輪10の速度を推定する車輪速度推定装置(例えばECU100)は、車両1の駆動系をモデル化した駆動系モデル3Mを用いて、車輪10の速度の推定値を算出する推定部203と、車輪10の速度の測定値に関する尤度に基づいて、駆動系モデル3Mの補正を行うか否かを判定する判定部201と、判定部201によって補正を行うと判定された場合、測定値と推定値との誤差に基づいて駆動系モデル3Mを補正し、判定部201によって補正を行わないと判定された場合、駆動系モデル3Mの補正を中断する補正部202と、を備える。
この構成により、車輪10の速度の測定値に関する尤度に基づいて補正を制御された駆動系モデル3Mによって、車輪10の速度の推定値が算出されるので、推定値の精度が向上し得る。よって、精度の向上した推定値を用いて車輪10の駆動を制御することにより、車両1の乗り心地の悪化を抑制し得る。
車輪10の速度の測定値の尤度は、車輪10の速度を測定するセンサが測定可能な最低速度に基づいて定まる値であり、判定部201は、測定値が、最低速度に基づいて予め定められた閾値未満の場合、補正を行わないと判定してよい。
この構成により、測定値が、最低速度に基づいて予め定められた閾値未満の場合、駆動系モデル3Mの補正が中断されるので、測定値が上記閾値未満の場合における推定値の精度の低下を抑制できる。したがって、車両1の速度が上記最低速度未満の場合における、車両1の乗り心地の悪化を抑制し得る。
補正部202は、判定部201によって補正を行うと判定された場合、かつ、車輪10がスリップ状態の場合、駆動系モデル3Mを補正し、判定部201によって補正を行わないと判定された場合、かつ、車輪10がスリップ状態の場合、駆動系モデル3Mの補正を中断してよい。
この構成により、車輪10がスリップ状態であっても判定部201によって補正を行わないと判定された場合、駆動系モデル3Mの補正が中断されるので、スリップ状態かつ測定値が上記閾値未満の場合における推定値の精度の低下を抑制できる。したがって、スリップ状態かつ車両1の速度が上記最低速度未満の場合における、車両1の乗り心地の悪化を抑制し得る。
判定部201は、複数の車輪10の各々の測定値の平均に関する尤度に基づいて、上記判定を行ってよい。
この構成により、複数の車輪10の各々の測定値の平均(例えば車両1の走行速度)に関する尤度に基づいて補正を制御された駆動系モデル3Mによって、車輪10の速度の推定値が算出されるので、推定値の精度が向上し得る。よって、車両1の乗り心地の悪化を抑制し得る。
本開示の一態様に係る、車両1に備えられる車輪10の速度を推定する車輪速度推定装置(例えばECU100)は、車両1の駆動系をモデル化した駆動系モデル3Mを用いて、車輪10の速度の推定値を算出する推定部203と、車輪10の速度の測定値が、車輪10の速度を測定するセンサが測定可能な最低速度に基づいて予め定められた閾値以上の場合、測定値と推定値との誤差に基づいて駆動系モデル3Mを補正し、車輪10の速度の測定値が、閾値未満の場合、駆動系モデル3Mの補正を中断する補正部202と、を備える。
この構成により、車輪10の速度の測定値に基づいて補正を制御された駆動系モデル3Mによって、車輪10の速度の推定値が算出されるので、推定値の精度が向上し得る。よって、精度の向上した推定値を用いて車輪10の駆動を制御することにより、車両1の乗り心地の悪化を抑制し得る。
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示は、車両の走行の制御に有用である。
1 車両
3 駆動装置
3LF 左前駆動装置
3LR 左後駆動装置
3RF 右前駆動装置
3RR 右後駆動装置
3M 駆動系モデル
10 車輪
10LF 左前車輪
10LR 左後車輪
10RF 右前車輪
10RR 右後車輪
11 駆動軸
11LF 左前駆動軸
11LR 左後駆動軸
11RF 右前駆動軸
11RR 右後駆動軸
12 原動機
12LF 左前原動機
12LR 左後原動機
12RF 右前原動機
12RR 右後原動機
13 車輪速度センサ
13LF 左前車輪速度センサ
13LR 左後車輪速度センサ
13RF 右前車輪速度センサ
13RR 右後車輪速度センサ
14 減速装置
14LF 左前減速装置
14LR 左後減速装置
14RF 右前減速装置
14RR 右後減速装置
15 駆動軸速度センサ
16 トルクセンサ
20 ロータ
100 ECU
101 メモリ
102 ストレージ
103 処理部
104 通信部
105 バス
201 判定部
202 補正部
203 推定部
204 誤差算出部
205 トルク制御部
206 平均化部
N 通信ネットワーク
3 駆動装置
3LF 左前駆動装置
3LR 左後駆動装置
3RF 右前駆動装置
3RR 右後駆動装置
3M 駆動系モデル
10 車輪
10LF 左前車輪
10LR 左後車輪
10RF 右前車輪
10RR 右後車輪
11 駆動軸
11LF 左前駆動軸
11LR 左後駆動軸
11RF 右前駆動軸
11RR 右後駆動軸
12 原動機
12LF 左前原動機
12LR 左後原動機
12RF 右前原動機
12RR 右後原動機
13 車輪速度センサ
13LF 左前車輪速度センサ
13LR 左後車輪速度センサ
13RF 右前車輪速度センサ
13RR 右後車輪速度センサ
14 減速装置
14LF 左前減速装置
14LR 左後減速装置
14RF 右前減速装置
14RR 右後減速装置
15 駆動軸速度センサ
16 トルクセンサ
20 ロータ
100 ECU
101 メモリ
102 ストレージ
103 処理部
104 通信部
105 バス
201 判定部
202 補正部
203 推定部
204 誤差算出部
205 トルク制御部
206 平均化部
N 通信ネットワーク
Claims (6)
- 車両に備えられる車輪の速度を推定する車輪速度推定装置であって、
前記車両の駆動系をモデル化した駆動系モデルを用いて、前記車輪の速度の推定値を算出する推定部と、
前記車輪の速度の測定値に関する尤度に基づいて、前記駆動系モデルの補正を行うか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって補正を行うと判定された場合、前記測定値と前記推定値との誤差に基づいて前記駆動系モデルを補正し、前記判定部によって補正を行わないと判定された場合、前記駆動系モデルの補正を中断する補正部と、
を備える、車輪速度推定装置。 - 前記車輪の速度の測定値の尤度は、前記車輪の速度を測定するセンサが測定可能な最低速度に基づいて定まる値であり、
前記判定部は、前記測定値が、前記最低速度に基づいて予め定められた閾値未満の場合、前記補正を行わないと判定する、
請求項1に記載の車輪速度推定装置。 - 前記補正部は、
前記判定部によって補正を行うと判定された場合、かつ、前記車輪がスリップ状態の場合、前記駆動系モデルを補正し、
前記判定部によって補正を行わないと判定された場合、かつ、前記車輪がスリップ状態の場合、前記駆動系モデルの補正を中断する、
請求項2に記載の車輪速度推定装置。 - 前記判定部は、複数の前記車輪の各々の前記測定値の平均に関する尤度に基づいて、前記判定を行う、
請求項1から3の何れか1項に記載の車輪速度推定装置。 - 車両に備えられる車輪の速度を推定する車輪速度推定装置であって、
前記車両の駆動系をモデル化した駆動系モデルを用いて、前記車輪の速度の推定値を算出する推定部と、
前記車輪の速度の測定値が、前記車輪の速度を測定するセンサが測定可能な最低速度に基づいて予め定められた閾値以上の場合、前記測定値と前記推定値との誤差に基づいて前記駆動系モデルを補正し、前記車輪の速度の測定値が、前記閾値未満の場合、前記駆動系モデルの補正を中断する補正部と、
を備える、車輪速度推定装置。 - 車輪と、前記車輪の速度を測定するセンサと、前記車輪の駆動を制御する制御装置とを備える車両であって、
前記制御装置は、
前記車両の駆動系をモデル化した駆動系モデルを用いて、前記車輪の速度の推定値を算出し、
前記センサから前記車輪の速度の測定値を受信し、
前記測定値に関する尤度に基づいて、前記駆動系モデルの補正を行うか否かを判定し、
前記補正を行うと判定された場合、前記測定値と前記推定値との誤差に基づいて前記駆動系モデルを補正し、前記補正を行わないと判定された場合、前記駆動系モデルの補正を中断し、
前記測定値及び前記推定値のうちの少なくとも1つを用いて前記車輪の駆動を制御する、
車両。
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