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JP2021042435A - 摺動部材およびその製造方法 - Google Patents

摺動部材およびその製造方法 Download PDF

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JP2021042435A
JP2021042435A JP2019165344A JP2019165344A JP2021042435A JP 2021042435 A JP2021042435 A JP 2021042435A JP 2019165344 A JP2019165344 A JP 2019165344A JP 2019165344 A JP2019165344 A JP 2019165344A JP 2021042435 A JP2021042435 A JP 2021042435A
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松本 圭司
Keiji Matsumoto
圭司 松本
和潔 來村
Kazukiyo Kimura
和潔 來村
慎 宮島
Shin Miyajima
慎 宮島
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Abstract

【課題】摩擦を低減するとともに、その状態を長時間維持することが可能な摺動部材およびその製造方法を提供する。【解決手段】鋼からなる基材1と、基材1の表面に形成される合金層2と、を備え、基材1の表層部には、直径が0.01μm〜2.0mmであり、Sn、BiおよびInから選択される1種以上を含む金属粒子1aが50.0個/cm2以上の個数密度で分散する分散層1bが存在し、分散層1bの厚さは、20.0〜3000μmであり、合金層2は、Sn、BiおよびInから選択される1種以上と、Feとを含み、Sn、BiおよびInの合計含有量が、質量%で、10.0〜75.0%であり、かつ厚さが3.0〜100nmである、摺動部材10。【選択図】 図1

Description

本発明は、摺動部材およびその製造方法に関する。
自動車のクランクシャフト等で使用される摺動部材には、耐摩耗性に加えて、低燃費化の観点から優れた摺動特性が要求されており、特に部材表面における摩擦の低減が求められている。
通常の鉄鋼材料において、無潤滑油環境(ドライ環境)または潤滑油環境下で摺動させる場合に焼き付きが問題になる場合が多い。そのため、様々な手法で焼き付きを防ぐための対策が採られる。例えば、ドライ環境ではDLC成膜またはPTFE系のフッ素樹脂によるコーティングによる対策が採られる。
また、特許文献1では、高速回転、高荷重下で使用されても、摺動部材自身および相手シャフト材の摩耗がともに少ない耐久性、信頼性に優れた摺動部材が開示されている。さらに、特許文献2では、耐焼付性と耐摩耗性に優れた摺動部品用めっき皮膜並びにそのめっき皮膜で被覆された摺動用部品が開示されている。
そして、特許文献3では、安価な固体潤滑膜を用いても固体潤滑膜と部材との密着力が低下せず、長時間にわたって低摩擦係数が得られ、しかも高い耐摩耗性が保持できる固体潤滑膜付き部材が開示されている。
特開平4−325697号公報 国際公開第2004/063426号 特開2000−178720号公報
一般に、鋼材部品または鋼材表面への焼き付き現象は、摺動時に発生する磨耗粉に由来する等の物理的要因の他、高温かつ高圧環境下で摺動界面にて発生する化学的要因(例えば、摺動相手材の移着または凝着など化学反応に起因すると思われる異種材の発生)に支配される。すなわち、物理的または化学的要因が複雑に入り組んだ結果、焼き付き現象が発生する。
上述のDLC成膜を鋼材部品表面へ施した場合、良好な表面性状は得られる。しかし、摺動時の高温高圧環境では、不測の熱衝撃および応力集中が懸念される。DLC成膜は、かかる環境に十分抗すると言えないのが現状である。また、上述のフッ素樹脂コーティングは利便性が高く、低コストの表面処理方法であるものの、フッ素樹脂の内部に形成されるピンホールが原因と思われる早期腐食劣化の他、高温環境下では毒性のある危険ガスが発生し易い等の環境的懸念がある。このように、上述の方法では、鋼材表面の焼き付き現象を十分に抑制し、良好な摺動性能を維持するには限界がある。
また、特許文献1および2では、基材の表面にめっきによる皮膜を形成しているため、皮膜の厚さが数μm以上と厚い。そのため、皮膜が摺動時に剥離するおそれがある。そのため、皮膜の持続性に問題がある。
特許文献3に記載の固体潤滑膜付き部材によれば、固体潤滑膜と部材との密着性が低下しないため、長時間にわたって低摩擦係数が得られ、しかも高い耐摩耗性が保持できるとされている。しかし、表面の固体潤滑膜が摩耗した場合、凹みに堆積している固体潤滑膜が掘り起こされ、染み出すとされているが、その際に露出した基材が相手材と接触する可能性があるため、摺動特性が維持できない可能性が考えられる。
本発明は上記の問題を解決し、摩擦を低減するとともに、その状態を長時間維持することが可能な摺動部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記の摺動部材およびその製造方法を要旨とする。
(1)鋼からなる基材と、該基材の表面に形成される合金層と、を備え、
前記基材の表層部には、直径が0.01μm〜2.0mmであり、Sn、BiおよびInから選択される1種以上を含む金属粒子が50.0個/cm以上の個数密度で分散する分散層が存在し、
前記分散層の厚さは、20.0〜3000μmであり、
前記合金層は、Sn、BiおよびInから選択される1種以上と、Feとを含み、Sn、BiおよびInの合計含有量が、質量%で、10.0〜75.0%であり、かつ厚さが3.0〜100nmである、
摺動部材。
(2)前記合金層の表面に形成され、Sn、BiおよびInから選択される1種以上からなる金属層をさらに備える、
上記(1)に記載の摺動部材。
(3)前記基材の肉厚中央部におけるSn、BiおよびInの含有量が、いずれも質量%で、0.01%以下である、
上記(1)または(2)に記載の摺動部材。
(4)上記(1)から(3)までのいずれかに記載の摺動部材を製造する方法であって、
鋼からなる基材を加熱する、加熱工程と、
前記加熱工程で加熱された前記表面に対して、金属微粒子をピーニングする、ピーニング工程と、を備え、
前記金属微粒子は、Sn、BiおよびInの純金属から選択される1種以上、および/またはSn、BiおよびInのいずれかを含有する複数種の合金から選択される1種以上を含み、
前記ピーニング工程で用いられる前記金属微粒子に含まれる前記純金属および/または前記合金の融点の最大値をT(℃)とした場合に、
前記加熱工程では、前記基材の表面をT〜800℃の温度範囲まで加熱する、
摺動部材の製造方法。
(5)前記加熱工程において、高周波誘導加熱によって前記表面を加熱する、
上記(4)に記載の摺動部材の製造方法。
(6)上記(1)から(3)までのいずれかに記載の摺動部材を製造する方法であって、
鋼からなる基材を加熱する、第1加熱工程と、
前記第1加熱工程で加熱された前記表面に対して、金属微粒子をピーニングする、ピーニング工程と、
前記ピーニング工程の後に、前記基材の表面を800〜1000℃の温度範囲まで加熱する、第2加熱工程と、を備え、
前記金属微粒子は、Sn、BiおよびInの純金属から選択される1種以上、および/またはSn、BiおよびInのいずれかを含有する複数種の合金から選択される1種以上を含み、
前記ピーニング工程で用いられる前記金属微粒子に含まれる前記純金属および/または前記合金の融点の最大値をT(℃)とした場合に、
前記第1加熱工程では、前記基材の表面をT〜T+300℃の温度範囲まで加熱する、
摺動部材の製造方法。
(7)前記第1加熱工程および前記第2加熱工程において、高周波誘導加熱によって前記表面を加熱する、
上記(6)に記載の摺動部材の製造方法。
(8)前記金属微粒子の平均粒径が30〜500μmである、
上記(4)から(7)までのいずれかに記載の摺動部材の製造方法。
(9)前記金属微粒子は、鋼からなる微粒子の表面がSn、BiおよびInの純金属から選択される1種以上、および/またはSn、BiおよびInのいずれかを含有する複数種の合金から選択される1種以上によって被覆されている、
上記(4)から(8)までのいずれかに記載の摺動部材の製造方法。
本発明によれば、摺動特性に優れ、かつその状態が長時間持続する摺動部材を得ることが可能である。
本発明の一実施形態に係る摺動部材の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る摺動部材の製造方法を説明するための概念図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る摺動部材の概略構成を示す図である。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る摺動部材10は、基材1、合金層2および金属層3を備える。合金層2は基材1の表面に形成され、さらに金属層3は合金層2の表面に形成される。なお、金属層3は形成されていなくてもよい。
合金層2は、Sn、BiおよびInから選択される1種以上と、Feとを含む。また、Sn、BiおよびInの合計含有量が、質量%で、10.0〜75.0%である。具体的には、合金層2は、SnおよびFeを含む合金、BiおよびFeを含む合金、InおよびFeを含む合金、またはSn、BiおよびInから選択される2種または3種ならびにFeを含む合金によって構成される。そして、合金層2の厚さは3.0〜100nmである。
なお、ここでいう合金とは、複数の金属原子を含むことを意味しており、必ずしも原子レベルで格子状に規則的に配列していることには限定されない。これは、オージェ電子分光分析装置など高解像度の表面分析装置であっても、深さ方向、面方向それぞれ1nm程度の平均情報としてしか得られないためである。例えば、分散層の上にサブナノオーダーのSn、BiおよびInから選択される1種以上の金属層が形成される場合であっても、実際の表面では粗さがあり、かつこれらの層の膜厚は必ずしも均一ではないため、分析では下地のFeを含む情報として得られ、結果的に上述のように複数の金属原子を含む層と表現されることになる。
Sn、BiおよびInは非常に軟質な金属であり、それを含む合金も軟質である。そのため、基材1の表面に軟質な合金層2が形成されていることによって、合金層2が潤滑皮膜としての役割を果たす。その結果、摺動相手となる部材(「相手部材」ともいう。)との摩擦が低減し、基材1の摺動特性を向上させることが可能となる。
合金層2の厚さが3.0nm未満では摺動特性の向上効果が不十分となる。一方、厚さが100nmを超えると、摺動相手となる部材との接触抵抗が上昇し、摺動特性が劣化する。
金属層3はSn、BiおよびInから選択される1種以上からなるものである。すなわち、純Sn、純Bi、純In、SnおよびBiの合金、SnおよびInの合金、BiおよびInの合金、ならびにSn、BiおよびInの合金が含まれる。金属層3が合金層2の表面に形成されることにより、さらなる摩擦の低減が可能となる。なお、ここでいう「合金」とは、Sn、BiおよびInから選択される2種または3種の金属が混ざり合ったものを指し、必ずしも相互溶解している必要はない。
上述のように、金属層3は形成されなくてもよいが、形成される場合には、その厚さが過剰であると却って摺動特性が劣化するおそれがある。そのため、金属層3の厚さは1000μm以下とすることが好ましい。一方、下限は特に制限はないが、金属層3による摩擦の低減効果を得たい場合には、例えば、3.0μm以上とすることができる。
また、基材1の表層部には、Sn、BiおよびInから選択される1種以上を含む金属粒子1aが分散する分散層1bが存在する。なお、本発明において、分散層1bとは、直径(円相当径)が0.01μm〜2.0mmである金属粒子1aが50.0個/cm以上の個数密度で分散する層を指すものとする。また、分散層1bの厚さは20.0〜3000μmである。
金属粒子1aは全てが同一成分である必要はない。例えば、全ての金属粒子がSn、BiおよびInから選択される2種または3種を含んでいてもよいし、Snを含む金属粒子、Biを含む金属粒子、Inを含む金属粒子が別々に分散していてもよい。その場合は、Snを含む金属粒子、Biを含む金属粒子、Inを含む金属粒子の合計個数密度が50.0個/cm以上で分散する層を分散層1bとする。
潤滑皮膜として機能する合金層2および金属層3は、相手部材との摺動により消耗する。金属層3は摺動の初期に消費される。しかしながら、分散層1bからSn、BiおよびInの1種以上とFeとが基材の表面へと拡散することにより、合金層2が再生され、長時間にわたって維持されるようになる。Sn、BiおよびInは常温環境下においても、速やかに基材1の表面に拡散する特性を有する。
分散層1b中における金属粒子1aの直径が0.01μm未満では、合金層2の再生に寄与しにくい。一方、2.0mmを超えると、個数密度を50.0個/cm以上とすることが困難となる。
また、分散層1bの厚さが20.0μm未満では、供給できるSn、BiおよびInから選択される1種以上の量が少なく、合金層2を長時間維持することが難しくなる。一方、厚さが3000μmを超えると、基材1の表層部における機械特性が劣化するおそれがある。そのため、分散層1bの厚さは20.0〜3000μmとする。特に、合金層2を長時間維持したい場合には、分散層1bの厚さは2000μm超としてもよい。
基材1は鋼からなる。鋼としては、例えば、フェライト鋼、オーステナイト鋼、マルテンサイト鋼、または二相以上の組織を有する鋼等を用いることができる。また、組織中の析出物等の分散・固溶状態についても制限はない。
なお、Sn、BiおよびInは、表面に偏析しやすいだけでなく、結晶粒界にも偏析しやすい傾向がある。そのため、これらの元素が基材1中に多量に含有されると、基材1の結晶粒界に偏析し、脆性破壊および粒界腐食などが生じる原因となる。そのため、これらの元素が多量に含まれる領域は、基材1の表層部のみに限定することが好ましい。すなわち、基材1の肉厚中央部においては、Sn、BiおよびInの含有量は、いずれも質量%で、0.01%以下であることが好ましい。
上記の構造を有する摺動部材10を製造する方法について、特に制限はないが、例えば、以下に示す方法により製造することができる。
本発明の一実施形態に係る摺動部材10の製造方法は、鋼からなる基材1を加熱する、加熱工程と、加熱された基材1の表面に対して、金属微粒子11をピーニングする、ピーニング工程と、を備える。
図2は、本発明の一実施形態に係る摺動部材の製造方法を説明するための概念図である。図2に示すように、高温に加熱した基材1の表面に対して、金属微粒子11をピーニングすることにより、基材1の内部にSn、BiおよびInから選択される1種以上を含む金属粒子1aを物理的に分散させることができる。そして、その結果、基材1の表層部に分散層1bが形成され、基材1の表面に合金層2が形成される。また、ピーニング時間に応じて、合金層2の表面にはさらに金属層3が形成される。
ここで、ピーニング工程で用いられる金属微粒子は、Sn、BiおよびInの純金属から選択される1種以上、および/またはSn、BiおよびInのいずれかを含有する複数種の合金から選択される1種以上を含む。なお、上記の合金には、Sn、BiおよびInから選択される2種以上からなる合金に加えて、Sn、BiおよびInから選択される1種以上とこれらの元素以外の元素とからなる合金が含まれる。そして、金属微粒子に含まれる純金属および/または合金の融点の最大値をT(℃)とした場合に、加熱工程では、基材1の表面をT〜800℃の温度範囲まで加熱する。
すなわち、金属微粒子として、Sn、BiまたはInの純金属のいずれか1種を用いる場合には、Sn、BiまたはInの融点がT(℃)となる。また、Sn、BiおよびInの純金属から選択される2種以上を複合的に用いる場合には、用いられる元素の融点の最大値をT(℃)として採用する。なお、Sn、BiおよびInの融点はそれぞれ、232℃、271℃、157℃である。
また、Sn、BiおよびInのいずれかを含有する複数種の合金から選択される1種以上を用いる場合には、用いられる合金の融点の最大値をT(℃)として採用する。さらに、純金属と合金とを混合して用いる場合には、用いられる純金属および合金の融点の最大値をT(℃)として採用する。なお、一般的には、合金の融点は純金属の融点よりも低くなる。
本発明において、合金の融点は、示差走査熱量計(DSC)により実測することとする。DSCは、測定試料と参照材料とを同時に加熱し、その温度を測定することにより参照材料との温度上昇の差を検出し、測定試料の相転移に伴う発熱および吸熱を検出し融点を測定する方法である。
基材1の表面温度がT(℃)未満では、基材1が十分に軟化せず、ピーニングによる表層部の変形および折り畳み効果が不十分となり、上述の規定を満足する分散層1bを形成することが難しくなる。一方、表面温度が800℃を超えると、金属微粒子11が表面に衝突するのと同時に溶融して表面を覆い、ピーニング効果が得られず、上記と同様に、上述の規定を満足する分散層1bを形成することが難しくなる。また、表面温度が高すぎる場合、形成された分散層1bからSn、BiおよびInの1種以上が直ちに表面偏析してしまい、分散層1bが消滅してしまうおそれがある。
加熱工程において、基材1の表面を加熱する方法については特に制限はなく、例えば、高周波誘導加熱を採用することができる。
さらに、本発明の他の実施形態に係る摺動部材10の製造方法は、鋼からなる基材1を加熱する、第1加熱工程と、加熱された基材1の表面に対して、金属微粒子11をピーニングする、ピーニング工程と、ピーニング工程の後に、基材1の表面を800〜1000℃の温度範囲まで加熱する、第2加熱工程と、を備える。
そして、本実施形態においては、第1加熱工程で、基材1の表面をT〜T+300℃の温度範囲まで加熱する。第1加熱工程における加熱温度を比較的低温に設定し、ピーニングを行った後、第1加熱工程より高い温度で第2加熱工程を行うことで、金属微粒子11に含まれるSn、BiおよびInから選択される1種以上が基材1のより深部まで拡散し、分散層1bを厚くすることが可能となる。第2加熱工程における加熱時間については特に制限はないが、20〜300秒とすることが好ましく、30〜240秒とすることがより好ましく、40〜180秒とすることがさらに好ましい。
第1加熱工程および第2加熱工程において、基材1の表面を加熱する方法については特に制限はなく、例えば、高周波誘導加熱を採用することができる。
また、金属微粒子11の大きさについて、特に制限は設けないが、Sn、BiおよびInから選択される1種以上の内部への拡散効果を十分に発揮するためには、平均粒径が30〜500μmであることが好ましい。
Sn、BiおよびInは軟質であることから、純Sn、純Bi、純In等をピーニングしても、基材の内部まで拡散させることは困難である。そのため、例えば、鋼からなる微粒子の表面がSn、BiおよびInの純金属から選択される1種以上、および/またはSn、BiおよびInのいずれかを含有する複数種の合金から選択される1種以上によって被覆されている粒子を、ピーニング用の金属微粒子11として用いることが好ましい。
例えば、鋼球と純Sn、純Biおよび純Inから選択される1種以上の粒子をボールミル内で混合させることによって、鋼球の表面をSn、BiおよびInから選択される1種以上によって被覆することができる。この際、鋼球と純Snの粒子、純Biの粒子および純Inの粒子を同じボールミル内で混合させることで、表面にSn、BiおよびInが被覆した鋼球を用意してもよい。また、表面にSnが被覆した鋼球、表面にBiが被覆した鋼球および表面にInが被覆した鋼球を別々に用意したうえで、混合して使用してもよい。さらに、鋼球の表面への純Sn、純Biおよび純Inから選択される1種以上の被覆は、電解もしくは無電解の粉末めっき、または各種蒸着によって行ってもよい。
ピーニング時間についても特に制限はないが、10〜300秒とすることが好ましい。ピーニング時間が10秒未満では、分散層の形成が不十分となるおそれがある。一方、ピーニング時間が300秒を超えると、金属層3の厚さが過剰になるだけでなく、金属層3の表面の酸化が進み、潤滑性が低下するおそれがある。
また、同様に、金属層3の酸化を防止する観点から、ピーニング工程は窒素雰囲気等の不活性ガス中で行うことが好ましく、金属微粒子11も不活性ガスによって吹き付けることが好ましい。これにより、金属微粒子11自体の酸化も防止することが可能となる。
なお、基材1の鋳込み段階でSn、BiおよびInから選択される1種以上を添加したとしても、二層に分離し、基材1中にSn、BiおよびInから選択される1種以上を含む金属粒子1aを分散させることは容易ではない。上述の方法によって摺動部材10を製造することで、基材1の表層部のみに金属粒子1aを分散させることができるため、基材の機械特性を劣化させることなく、部材の摺動特性を向上させることが可能となる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
試験材には4品種のJIS規格相当品を用いた。すなわち、JIS G 4051(2009)に規定されている機械構造用炭素鋼のS45C鋼(0.42C−0.20Si−0.70Mn−0.01S−0.10Cr)、JIS G 5111(1991)に規定されている構造用高張力炭素鋼のSCMn3鋼(0.38C−0.53Si−1.50Mn−0.01P−0.01S)、JIS G 4053(2016)に規定されている機械構造用炭素鋼のSCM435鋼(0.35C−0.20Si−0.75Mn−0.10Ni−1.00Cr−0.20Mo)、JIS G 4404(2006)に規定されている合金工具鋼鋼材のSKD11鋼(1.50C−0.20Si−0.40Mn−0.01P−0.01S−12.0Cr−1.00Mo−0.30V)である。
S45C鋼については、焼入れ材(870℃から水冷)および焼戻し材(810℃から炉冷)の2種類を、SCMn3鋼については、焼入れ焼戻し材(1000℃から油焼入れ後、400℃で焼戻し)を用いた。また、SCM435鋼は焼入れ焼戻し材(900℃から油焼入れ後、600℃で焼戻し)を、SKD11鋼は焼入れ焼戻し材(焼入れ:1030℃から空冷、低温焼戻し:180℃から空冷)を用いた。試験材は、機械加工によりディスク形状(直径15mm×厚さ4mm)とした後、後述する被膜処理面については、さらに鏡面に仕上げた。
続いて、高周波電源、加熱用高周波誘導加熱(以下、「IH」という。)コイルおよび出力制御盤を微粒子ピーニング(以下、「FPP」という。)装置と組み合わせた装置を用いて、試験材に対して被膜処理を行った。すなわち、本実施例で用いる装置は、金属微粒子投射用ノズル(内径6mm)を有するFPP装置の内部に、円筒状のIHコイル(内径40mm、巻き数4、幅35mm)を備えている。
耐火レンガの上に設置した試験材をIHコイルの内側に設置することで、非接触により試験材を加熱した。そして、試験材の表面を表1に示す温度T1(℃)まで10秒以内で加熱し、その温度で保持しながら、当該表面に対してFPP処理を施した。そして、金属微粒子の噴射を止め、ノズル先端から供給される圧縮気体で急冷した。なお、この処理は窒素雰囲気制御下で実施した。
ただし、試験No.12〜14については、FPP処理後ただちに金属微粒子の噴射およびノズル先端からの圧縮気体の噴射を止め、表1に示す温度T2(℃)まで10秒以内に昇温し、その温度で表1に記載の時間t2(s)保持してから、ノズル先端から供給される圧縮気体で急冷した。
粒子投射の供給量は2.0g/秒、噴射圧力は0.54MPa、噴射間距離は100mmとし、表1に示す時間噴射した。噴射に供した金属微粒子には、鋼球にSnを被覆したものを用いた。具体的には、平均粒径が100μmの鋼球(1.00C−0.50Si−0.6Mn、Hv800)およびSn粒子(直径100μm、純度99.99%)をボールミル内で100rpmにて2時間混合することによって、鋼球にSnを約10μmの厚みで被覆した。
なお、試験No.17の試験材については、FPP処理は行わなかった。また、試験No.18の試験材については、FPP処理の代わりにSnめっきを施した。
試験No.1〜18の各試験材について、まず表面構造の解析を行った。具体的には、オージェ分光分析装置(アルバック・ファイ社製SAM670)を用いた深さ方向分析により、基材の表面に形成された合金層の組成および厚さ、ならびに金属層の厚さを測定した。また、基材の表層部に存在する分散層の厚さは、表面からバフ研磨で少しずつ削り込んでは表面に存在する直径が0.01μm〜2.0mmの金属粒子の個数を数えることを繰り返し、削り込み深さと個数密度との関係を求めることによって決定した。なお、分散層の厚さは、表面から、金属粒子の個数密度が50.0個/cmを下回る深さまでの距離とした。すなわち、分散層には、表面に平行な面で切断した場合、0.01μm〜2.0mmの金属粒子が50.0個/cm以上存在する。
続いて、ボールオンディスク方式の摩擦試験(CSM Instruments社製Tribometer)により、摩擦特性の評価を行った。ボールは市販の直径6mmのSUJ2球を用い、荷重10N、摩擦速度10mm/秒、摩擦時間120分、潤滑剤なしの条件で摩擦試験を実施した。摩擦係数は、試験機のソフトウェアから提供される値を用いた。そして、「初期摩擦係数」として摩擦開始から1分間の平均摩擦係数を計測するとともに、低摩擦の持続性として摩擦係数が0.3を超えるまでの摩擦時間を評価した。本発明においては、初期摩擦が0.20以下でかつ低摩擦の持続性が15分以上であった場合に、摺動特性に優れると判断した。
それらの結果を表1にまとめて示す。
Figure 2021042435
表1の結果から分かるように、本発明の規定を満足する試験No.1〜14では、初期摩擦が0.20以下でかつ低摩擦の持続性が15分以上となり、摺動特性が優れる結果となった。特に、第1加熱工程における加熱温度を比較的低温に設定し、ピーニングを行った後、第1加熱工程より高い温度で第2加熱工程を行った試験No.12〜14では、厚い分散層が形成され、その結果、持続性が極めて優れる結果となった。
これに対して、FPP処理時の表面温度が低すぎる試験No.15では、基材中に分散層が形成されず、低摩擦の持続性が劣る結果となった。また、表面温度が高すぎる試験No.16では、合金層および金属層が酸化され酸化物となったため、摩擦特性が劣る結果となった。さらに、FPP処理を実施しなかった試験No.17では、初期摩耗係数が劣る結果となった。そして、表面にSnめっきを施した試験No.18では、基材中に分散層が存在しないため、低摩擦の持続性が劣る結果となった。
上述の4品種のJIS規格相当品を試験材として用い、実施例1と同様の調査をさらに実施した。ただし、本実施例においては、FPP処理において噴射に供した金属微粒子には、鋼球にBiを被覆したものを用いた。具体的には、平均粒径が100μmの鋼球(1.00C−0.50Si−0.6Mn、Hv800)およびBi粒子(直径100μm、純度99.99%)をボールミル内で100rpmにて1時間混合することによって、鋼球にBiを約10μmの厚みで被覆した。
試験材の表面を表2に示す温度T1(℃)まで10秒以内で加熱し、その温度で保持しながら、当該表面に対してFPP処理を施した。そして、金属微粒子の噴射を止め、ノズル先端から供給される圧縮気体で急冷した。ただし、試験No.12および13については、FPP処理後ただちに金属微粒子の噴射およびノズル先端からの圧縮気体の噴射を止め、表2に示す温度T2(℃)まで10秒以内に昇温し、その温度で表2に記載の時間t2(s)保持してから、ノズル先端から供給される圧縮気体で急冷した。それ以外の条件は実施例1と同一である。なお、試験No.16の試験材については、FPP処理は行わなかった。また、試験No.17の試験材については、FPP処理の代わりにBiめっきを施した。
試験No.1〜17の各試験材について、実施例1と同じ方法により表面構造の解析および摩擦特性の評価を行った。それらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 2021042435
表2の結果から分かるように、本発明の規定を満足する試験No.1〜13では、初期摩擦が0.20以下でかつ低摩擦の持続性が15分以上となり、摺動特性が優れる結果となった。特に、第1加熱工程における加熱温度を比較的低温に設定し、ピーニングを行った後、第1加熱工程より高い温度で第2加熱工程を行った試験No.12および13では、厚い分散層が形成され、その結果、持続性が極めて優れる結果となった。
これに対して、FPP処理時の表面温度が低すぎる試験No.14では、基材中に分散層が形成されず、低摩擦の持続性が劣る結果となった。また、表面温度が高すぎる試験No.15では、合金層および金属層が酸化され酸化物となったため、摩擦特性が劣る結果となった。さらに、FPP処理を実施しなかった試験No.16では、初期摩耗係数が劣る結果となった。そして、表面にBiめっきを施した試験No.17では、基材中に分散層が存在しないため、低摩擦の持続性が劣る結果となった。
上述の4品種のJIS規格相当品を試験材として用い、実施例1および2と同様の調査をさらに実施した。ただし、本実施例においては、FPP処理において噴射に供した金属微粒子には、鋼球にInを被覆したものを用いた。具体的には、平均粒径が30μm、100μm、500μmの鋼球(1.00C−0.50Si−0.6Mn、Hv800)に電解めっきを施し、約10μmの厚みでInを被覆した。
試験材の表面を表3に示す温度T1(℃)まで10秒以内で加熱し、その温度で保持しながら、当該表面に対してFPP処理を施した。そして、金属微粒子の噴射を止め、ノズル先端から供給される圧縮気体で急冷した。ただし、試験No.14および15については、FPP処理後ただちに金属微粒子の噴射およびノズル先端からの圧縮気体の噴射を止め、表3に示す温度T2(℃)まで10秒以内に昇温し、その温度で表3に記載の時間t2(s)保持してから、ノズル先端から供給される圧縮気体で急冷した。それ以外の条件は実施例1と同一である。なお、試験No.18の試験材については、FPP処理は行わなかった。また、試験No.19の試験材については、FPP処理の代わりにInめっきを施した。
試験No.1〜19の各試験材について、実施例1と同じ方法により表面構造の解析および摩擦特性の評価を行った。それらの結果を表3にまとめて示す。
Figure 2021042435
表3の結果から分かるように、本発明の規定を満足する試験No.1〜15では、初期摩擦が0.20以下でかつ低摩擦の持続性が15分以上となり、摺動特性が優れる結果となった。特に、第1加熱工程における加熱温度を比較的低温に設定し、ピーニングを行った後、第1加熱工程より高い温度で第2加熱工程を行った試験No.14および15では、厚い分散層が形成され、その結果、持続性が極めて優れる結果となった。
これに対して、FPP処理時の表面温度が低すぎる試験No.16では、基材中に分散層が形成されず、低摩擦の持続性が劣る結果となった。また、表面温度が高すぎる試験No.17では、合金層および金属層が酸化され酸化物となったため、摩擦特性が劣る結果となった。さらに、FPP処理を実施しなかった試験No.18では、初期摩耗係数が劣る結果となった。そして、表面にInめっきを施した試験No.19では、基材中に分散層が存在しないため、低摩擦の持続性が劣る結果となった。
上述のうち2品種のJIS規格相当品を試験材として用い、実施例1〜3と同様の調査をさらに実施した。ただし、本実施例において、試験No.1およびNo.2では、FPP処理において噴射に供した金属微粒子に、鋼球にSnを被覆したものと鋼球にBiを被覆したものとを1:1の質量比で混合したものを用いた。また、試験No.3では、FPP処理において噴射に供した金属微粒子に、鋼球にBiを被覆したものと鋼球にInを被覆したものとを1:1の質量比で混合したものを用いた。
さらに、試験No.4では、FPP処理において噴射に供した金属微粒子に、鋼球にSnを被覆したものと鋼球にInを被覆したものとを1:1の質量比で混合したものを用いた。そして、試験No.5では、FPP処理において噴射に供した金属微粒子に、鋼球にSnを被覆したものと鋼球にBiを被覆したものと鋼球にInを被覆したものとを1:1:1の質量比で混合したものを用いた。それ以外の条件は実施例1〜3と同一である。
また、試験No.6では、FPP処理において噴射に供した金属微粒子に、鋼球にBiとInとが1:1の質量比で混合した合金を被覆したものを用いた。すなわち、あらかじめBiとInとが1:1の質量比で混合した合金を作製し、これをターゲット材として熱蒸着で鋼球に被覆した。被覆厚さは平均で2μmであった。試験No.7および8では、FPP処理において噴射に供した金属微粒子に、No.6と同様に、鋼球にSnとInとが1:1の質量比で混合した合金を被覆したものを用いた。被覆厚さは平均で2μmであった。なお、BiとInとの合金およびSnとInとの合金の融点は、DSCにより実測した。
試験No.1〜8の試験材について、実施例1〜3と同じ方法により表面構造の解析および摩擦特性の評価を行った。それらの結果を表4にまとめて示す。なお、試験No.1〜5の合金層は、いずれもFeと、Sn、BiおよびInから選択される2種または3種と、からなる合金であった。また、金属層に相当する層はSn、BiおよびInから選択される2種または3種が混じり合っており、必ずしも相互溶解はしていなかった。
一方、試験No.6の合金層は、Fe、BiおよびInの合金であり、金属層はBiとInとがほぼ1:1の質量比で混合した合金であった。また、試験No.7および8の合金層は、Fe、SnおよびInの合金であり、金属層はSnとInとがほぼ1:1の質量比で混合した合金であった。
Figure 2021042435
表4の結果から分かるように、本発明の規定を満足する試験No.1〜8では、初期摩擦が0.20以下でかつ低摩擦の持続性が15分以上となり、摺動特性が優れる結果となった。特に、第1加熱工程における加熱温度を比較的低温に設定し、ピーニングを行った後、第1加熱工程より高い温度で第2加熱工程を行った試験No.6〜8では、厚い分散層が形成され、その結果、持続性が極めて優れる結果となった。
本発明によれば、摺動特性に優れ、かつその状態が長時間持続する摺動部材を得ることが可能である。したがって、本発明に係る摺動部材は、自動車、船舶等の輸送機械、一般産業機械等に使用される摺動部材として好適に用いることができる。
1.基材
1a.金属粒子
1b.分散層
2.合金層
3.金属層
10.摺動部材
11.金属微粒子

Claims (9)

  1. 鋼からなる基材と、該基材の表面に形成される合金層と、を備え、
    前記基材の表層部には、直径が0.01μm〜2.0mmであり、Sn、BiおよびInから選択される1種以上を含む金属粒子が50.0個/cm以上の個数密度で分散する分散層が存在し、
    前記分散層の厚さは、20.0〜3000μmであり、
    前記合金層は、Sn、BiおよびInから選択される1種以上と、Feとを含み、Sn、BiおよびInの合計含有量が、質量%で、10.0〜75.0%であり、かつ厚さが3.0〜100nmである、
    摺動部材。
  2. 前記合金層の表面に形成され、Sn、BiおよびInから選択される1種以上からなる金属層をさらに備える、
    請求項1に記載の摺動部材。
  3. 前記基材の肉厚中央部におけるSn、BiおよびInの含有量が、いずれも質量%で、0.01%以下である、
    請求項1または請求項2に記載の摺動部材。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の摺動部材を製造する方法であって、
    鋼からなる基材を加熱する、加熱工程と、
    前記加熱工程で加熱された前記表面に対して、金属微粒子をピーニングする、ピーニング工程と、を備え、
    前記金属微粒子は、Sn、BiおよびInの純金属から選択される1種以上、および/またはSn、BiおよびInのいずれかを含有する複数種の合金から選択される1種以上を含み、
    前記ピーニング工程で用いられる前記金属微粒子に含まれる前記純金属および/または前記合金の融点の最大値をT(℃)とした場合に、
    前記加熱工程では、前記基材の表面をT〜800℃の温度範囲まで加熱する、
    摺動部材の製造方法。
  5. 前記加熱工程において、高周波誘導加熱によって前記表面を加熱する、
    請求項4に記載の摺動部材の製造方法。
  6. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の摺動部材を製造する方法であって、
    鋼からなる基材を加熱する、第1加熱工程と、
    前記第1加熱工程で加熱された前記表面に対して、金属微粒子をピーニングする、ピーニング工程と、
    前記ピーニング工程の後に、前記基材の表面を800〜1000℃の温度範囲まで加熱する、第2加熱工程と、を備え、
    前記金属微粒子は、Sn、BiおよびInの純金属から選択される1種以上、および/またはSn、BiおよびInのいずれかを含有する複数種の合金から選択される1種以上を含み、
    前記ピーニング工程で用いられる前記金属微粒子に含まれる前記純金属および/または前記合金の融点の最大値をT(℃)とした場合に、
    前記第1加熱工程では、前記基材の表面をT〜T+300℃の温度範囲まで加熱する、
    摺動部材の製造方法。
  7. 前記第1加熱工程および前記第2加熱工程において、高周波誘導加熱によって前記表面を加熱する、
    請求項6に記載の摺動部材の製造方法。
  8. 前記金属微粒子の平均粒径が30〜500μmである、
    請求項4から請求項7までのいずれかに記載の摺動部材の製造方法。
  9. 前記金属微粒子は、鋼からなる微粒子の表面がSn、BiおよびInの純金属から選択される1種以上、および/またはSn、BiおよびInのいずれかを含有する複数種の合金から選択される1種以上によって被覆されている、
    請求項4から請求項8までのいずれかに記載の摺動部材の製造方法。
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JP2009209449A (ja) * 2008-02-06 2009-09-17 Sanyo Special Steel Co Ltd 摺動性被膜とその被膜を形成する合金粉末および形成方法
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