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JP2021040736A - 食肉加工で使用される物品の消毒方法 - Google Patents

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拡 村上
隆行 盛田
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隆行 盛田
和英 中島
Kazuhide Nakajima
和英 中島
直人 石▲崎▼
Naoto Ishizaki
直人 石▲崎▼
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Abstract

【課題】肉加工で使用される物品の消毒方法であって、83℃以上の温湯を使用することなく、食品添加物成分を用いた消毒方法を提供する。【解決手段】食肉加工で使用される物品の消毒方法であって、前記物品を、過酢酸を含む水溶液に接触させる工程を備えており、前記水溶液に含まれる過酢酸の含有量が、0.02〜0.2質量%であり、前記水溶液の温度が40℃以下である、消毒方法。【選択図】なし

Description

本発明は、食肉加工で使用される物品の消毒方法に関する。より具体的には、本発明は、食肉加工で使用される、食肉加工機器、調理器具、手袋、長靴、エプロン等の物品の消毒方法に関する。
食品加工工場では、例えば、次亜塩素酸ナトリウム製剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、アルコール等を含有する消毒用水溶液が使用されている。
しかしながら、これらのうち、塩化ベンザルコニウム及び塩化ジデシルジメチルアンモニウムは、食品添加物として認められた成分ではない。そのため、これらの成分を含む消毒用水溶液を用いて、食肉加工に使用される物品(例えば、食肉加工用ナイフ)の消毒を行う場合、その後に、すすぎを行う必要がある。
また、次亜塩素酸ナトリウム製剤は、食品添加物であり、安価で安全性が高く、広い抗菌スペクトルを有するため、多くの食品工場で採用されている。しかしながら、次亜塩素酸ナトリウム製剤は、有効成分である遊離塩素が、例えば食肉加工用ナイフに付着した食肉由来のタンパク汚れと接触すると、失活する場合がある。このため、食肉加工で使用される物品の消毒において、次亜塩素酸ナトリウム製剤は、消毒効果が不十分な場合がある。
さらに、アルコールは引火の危険があること、アルコール含有量が60%以上であると危険物第4類に該当するために保管量に制約があること、さらに高コストであることから、アルコールを用いた消毒にも問題がある。
このような状況下、食品加工場の中でも、食肉加工場においては、例えば食肉加工に使用されたナイフの消毒について、平成12年度の厚生省基準で定められた「83℃以上の温湯」が一般的に用いられている。また、83℃以上の温湯による消毒を行う装置としては、例えば、ナイフ・ヤスリ殺菌装置が開発されている(特許文献1)。
しかしながら、83℃以上の温湯による消毒方法によると、消毒時に温湯でその周囲の湿度が高くなるため、周辺設備に結露が生じ、それにより雑菌の繁殖を招くという問題がある。また、湯浴が高温であるため、手袋を着用したまま湯浴で消毒することができず、温湯を置くための広い場所を確保する必要もあり、湯浴の準備に時間がかかってしまう等の問題がある。
さらに、食肉加工に使用したナイフの表面には、食肉由来のタンパク汚れが付着しており、これを温湯で消毒した場合、付着していたタンパク汚れが凝固して膜を形成し、ナイフからタンパク汚れが落ちにくくなり、残ったタンパク汚れが雑菌汚染の原因になりうるという問題点もある。また、ナイフ表面に付着したタンパク汚れの凝固膜は、ナイフの切れ味を低下させてしまう。
以上のことから、食肉加工で使用される物品について、従来の「83℃以上の温湯」での消毒方法の代替となる消毒方法の開発が望まれる。
実用新案登録第3070314号
本発明は、食肉加工で使用される物品の消毒方法であって、83℃以上の温湯を使用する必要の無い消毒方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、食肉加工で使用される物品の消毒方法において、40℃以下の条件で、0.02〜0.2質量%過酢酸(食品添加物成分である)を含む水溶液に物品を接触させることにより、83℃以上の温湯を使用することなく、食肉加工に使用された物品を好適に消毒できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成したものである。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 食肉加工で使用される物品の消毒方法であって、
前記物品を、過酢酸を含む水溶液に接触させる工程を備えており、
前記水溶液に含まれる過酢酸の含有量が、0.02〜0.2質量%であり、
前記水溶液の温度が40℃以下である、消毒方法。
項2. 前記接触が、浸漬又は噴霧によるものである、項1に記載の消毒方法。
項3. 前記浸漬が、踏込消毒槽によるものである、項2に記載の消毒方法。
項4. 前記物品が、食肉由来の有機物が付着している物品である、項1〜3のいずれか1項に記載の消毒方法。
項5. 前記物品が、食肉加工機器、調理器具、手袋、長靴、及びエプロンからなる群より選択される少なくとも1種である、項1〜4のいずれか1項に記載の消毒方法。
本発明によれば、食肉加工で使用される物品の消毒方法であって、83℃以上の温湯を使用することなく、食品添加物成分を用いた消毒方法を提供することができる。
本発明の消毒方法は、食肉加工で使用される物品の消毒方法である。本発明の消毒方法は、当該物品を、過酢酸を含む水溶液(以下、消毒用水溶液ということがある)に接触させる工程を備えており、当該水溶液に含まれる過酢酸の含有量が、0.02〜0.2質量%であり、かつ、当該水溶液の温度が40℃以下であることを特徴としている。従来、平成12年度の厚生省基準を踏まえて、食肉加工に使用されるナイフなどの物品については、83℃以上の温湯で消毒されてきたが、本発明の消毒方法は、このような構成を備えることにより、83℃以上の温湯を使用することなく、食肉加工で使用される物品を好適に消毒することができる。
以下、本発明の消毒方法について、詳述する。なお、本明細書において、「〜」で結ばれた数値は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。複数の下限値と複数の上限値が別個に記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「〜」で結ぶことができるものとする。下限値〜上限値の数値範囲が複数記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「〜」で結んだ数値範囲もとることができる。
本発明においては、過酢酸を含有する水溶液を消毒液として使用する。当該消毒用水溶液に含まれる過酢酸の含有量は、0.02〜0.2質量%であり、食肉加工で使用される物品に対する優れた消毒効果を発揮させる観点から、好ましくは0.03〜0.2質量%、より好ましくは0.05〜0.2質量%であり、より好ましくは0.075〜0.2質量%である。
消毒用水溶液は、過酢酸及び水に加えて、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、過酸化水素、酢酸、オクタン酸、安定化剤(例えば1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸)などが挙げられる。消毒用水溶液に含まれる他の成分は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。消毒用水溶液には、過酢酸及び水に加えて、過酸化水素、酢酸、オクタン酸、及び安定化剤が含まれることが好ましい。
過酢酸を含有する水溶液の調製には、過酢酸を含む消毒液の市販品を利用することもできる。過酢酸を含む消毒液の市販品を利用する場合、水で希釈するなどして、本発明の消毒方法に適合する消毒用水溶液の組成に調整する。また、使用温度は40℃以下とする。
消毒用水溶液が他の成分を含む場合、他の成分の含有量としては、本発明の効果を阻害しないことを限度として、特に制限されない。消毒用水溶液中の他の成分の合計含有量としては、好ましくは0.001〜1質量%程度、より好ましくは0.002〜0.97質量%程度が挙げられる。
また、本発明の消毒方法において、消毒用水溶液は、食品添加物として認められていない成分を含まないことが好ましい。本発明の消毒方法に使用される消毒用水溶液のうち、過酢酸は、本発明の消毒方法で使用される濃度を充足すれば、食品添加物として認められた成分であることから、他の成分として食品添加物として認められていない成分を含まなければ、物品の消毒後に、物品のすすぎを行う必要はなく、また、本発明の消毒方法を用いて食肉加工用物品を消毒する際に、消毒用水溶液が食肉に付着した場合にも、安全性に問題がないという利点がある。
本発明の消毒方法において、消毒用水溶液の温度は、40℃以下であり、好ましくは10〜40℃であり、より好ましくは20〜30℃である。本発明の消毒方法は、前記の厚生省基準に基づく83℃以上の温湯を使用しなくとも、40℃以下の温度において、食肉加工に使用される物品を好適に消毒することができる。また、本発明の消毒方法においては、40℃以下の消毒用水溶液を用いるため、消毒用水溶液による周辺設備の結露がなく、雑菌の繁殖が促進されることがない。また、手袋を着用したまま消毒用水溶液で物品を消毒することができ、消毒用水溶液が占める場所も、温湯装置に比べ小さくすることができる。さらに、食肉加工で使用される物品には、特にタンパク汚れが付着しやすいが、本発明の消毒方法においては、消毒用水溶液が40℃以下であることから、消毒する物品に付着していたタンパク汚れが熱によって凝固・膜形成をしないため、タンパク汚れが落ちにくくなることもない。
本発明の消毒方法においては、食肉加工で使用される物品を、過酢酸を含む水溶液に接触させる工程を備えている。なお、消毒用水溶液を物品に接触させる際の消毒用水溶液の温度は、前記の通り、40℃以下である。
食肉加工で使用される物品に消毒用水溶液を接触させる方法としては、特に限定しないが、例えば、物品の消毒用水溶液への浸漬、物品への消毒用水溶液の噴霧等が挙げられる。
物品の消毒用水溶液中への浸漬方法としては、具体的には、消毒用水溶液を入れた容器に物品を浸漬させる方法、物品が手袋である場合には手袋を着用したまま消毒用水溶液に手袋を浸漬する方法、物品が履物である場合には踏込消毒槽中の消毒用水溶液に履物を浸漬させる方法等が挙げられる。また、物品への消毒用水溶液の噴霧方法として、具体的には、噴霧器を用いて消毒用水溶液を物品に噴霧する方法が挙げられる。
物品の消毒用水溶液への接触の時間は、好ましくは1秒間以上であり、より好ましくは1秒間〜24時間、さらに好ましくは3秒間〜24時間、さらにより好ましくは10秒間〜24時間である。
本発明の消毒方法において、消毒の対象となる物品は、食肉加工で使用される物品であり、例えば、食肉加工機器、調理器具、手袋、履物(長靴など)、胴付き長靴、エプロン等が挙げられる。食肉加工機器としては、具体的には、食肉切断機、はく皮機、背割鋸、食肉運搬用ベルトコンベア等が挙げられ、調理器具としては、例えば、ナイフ、包丁、ノコギリ、ヤスリ等が挙げられる。これらの中でも、本発明の消毒方法において、消毒の対象となる物品は、調理器具が好適であり、特に、食肉加工工程で頻繁に消毒する必要があるナイフ、包丁などを83℃以上の温湯を用いることなく、簡便かつ短時間で消毒することができ、食肉加工効率を大幅に高めることができる。
本発明の消毒方法において、消毒の対象となる物品は、食肉加工において使用した後の物品たけでなく、食肉加工に使用する前の物品であってもよい。本発明の消毒方法によれば、食肉加工で使用した後の物品に、蛋白質や動物性油脂等の食肉由来の有機物が付着していた場合であっても、タンパク汚れの凝固による膜形成をせずに消毒することができる。
食肉加工で加工される食肉としては、特に制限されず、例えば、牛、豚、鶏、羊、鹿、猪、熊等が挙げられる。
次に、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
〔試料用ドリップの調製〕
牛のと畜工程で採取した、肉片及び肝臓各5検体を用いて試料用ドリップを作製した。ドリップは、こぶし大の肉片5検体、又は肝臓の一部の5検体を、それぞれ無菌のビニール袋に入れた後、1分間手もみを行うことで、肉片の試料用ドリップ、及び肝臓の試料用ドリップを調製した。
〔肉片の試料用ドリップを付着させたナイフの消毒試験〕
得られた肉片の試料用ドリップを用いて、ナイフの消毒効果の評価を行った。使用したナイフは、実際のと畜工程の整形で使用しているものと同製品のナイフ(藤次郎カラーシリーズ、刃渡り24cm、材質モリブデンバナジウム鋼)を用いた。まず、25℃環境において、肉片の試料用ドリップをナイフの片側に200μL滴下し、ピペットを用いて、ナイフの片側全面に塗り広げたものを、ナイフ試料とした。次に、調製したナイフ試料を、表1に記載した各消毒用水溶液(25℃)に、直ちに刃全体を3秒間浸漬して消毒を行った。浸漬したナイフ(消毒後のナイフ)を取り出した後、直ちに滅菌綿棒でナイフの刃を拭取った。ナイフの刃を拭いた滅菌綿棒をストマッカー袋に入れた後、滅菌リン酸緩衝生理食塩水90mLを加え、手でストマッキングを30秒間行うことで、試料乳剤を作製した。なお、表1に示される実施例1,2で使用した消毒用水溶液1及び2は、過酢酸含量が15質量%の市販の食品添加物グレードの過酢酸製剤(過酢酸に加えて、過酸化水素、酢酸、オクタン酸、安定化剤を含んでいる。)を水道水で希釈して調製したものであり、過酢酸測定用簡易式テストストリップ(エンビロテックジャパン)を用いて過酢酸濃度を測定した。参考例1の消毒用水溶液3は、有効塩素含量が6質量%の市販の次亜塩素酸ナトリウム製剤を希釈して調製した。参考例2の消毒用水溶液4は、エタノール含量が67.9質量%の市販のアルコール製剤を希釈して調製した。参考例3の消毒用水溶液は、83℃の温湯である。
次に、作製した各試料乳剤を、滅菌リン酸緩衝生理食塩水で段階希釈することにより、前記の消毒後の各ナイフに付着した一般生菌数及び大腸菌数を測定した。一般生菌数は、ペトリフィルム生菌測定用ACプレート(3M)を用い、大腸菌数は、ペトリフィルム大腸菌測定用SECプレート(3M)を用いて測定した。ペトリフィルム生菌測定用ACプレートは、試料乳剤1mLを接種後35℃で48時間培養した後、また、ペトリフィルム大腸菌測定用SECプレートは、試料乳剤1mLを接種後42℃で24時間培養した後、発育した定型的なコロニーのカウント数を、ナイフに付着した菌数とした。測定した一般生菌数及び大腸菌数を表2に示す。
Figure 2021040736
Figure 2021040736
〔肝臓の試料用ドリップを付着させたナイフの消毒試験〕
肉片の試料用ドリップを、肝臓の試料用ドリップに替えた以外は、前記の〔肉片の試料用ドリップを付着させたナイフの消毒試験〕に記載の方法と同様の方法により、ナイフの消毒試験を実施し、消毒後の各ナイフに付着した一般生菌数及び大腸菌数を測定した。測定した一般生菌数及び大腸菌数を表3に示す。
Figure 2021040736
表1〜3に示される結果から、消毒用水溶液に含まれる過酢酸の含有量が、0.02〜0.2質量%であり、かつ、消毒用水溶液の温度が40℃以下である、消毒方法を採用した実施例1,2では、食肉加工で使用される物品を好適に消毒できることが分かる。
〔と畜整形工程での使用を想定したナイフの消毒試験〕
ナイフの切れ込みを入れる試料として、牛のと畜整形工程から除去した肉片を用いた。ナイフは、前記の〔肉片の試料用ドリップを付着させたナイフの消毒試験〕に記載の方法と同様に、実際のと畜工程で使用しているものと同製品を用いた。また、消毒用水溶液は、先に説明をした実施例1及参考例3の消毒用水溶液1及び5を使用した。まず、ナイフの刃全体に汚れが満遍なく付着するように、整形工程で除去された肉片に、ナイフで1回切れ込みを加えた。同様の作業を繰り返し、10回切れ込みを加えるごとに肉片を新しいものに交換し、計200回ナイフで切れ込みを加えた。1回目の切り込みを加えた後、及び20回の切り込みを加えた後毎に、使用したナイフを直ちに、消毒用水溶液1又は5に3秒間浸漬した。なお、切り込みは計200回加えたので、ナイフの消毒は合計11回行った。消毒効果の評価は、前記の〔肉片の試料用ドリップを付着させたナイフの消毒試験〕に記載の方法と同様の方法で行い、ナイフに付着した一般生菌数及び大腸菌数を測定した。測定した一般生菌数及び大腸菌数を表4に示す。
なお、消毒を合計11回行っている間、消毒用水溶液1の交換は行わず、消毒用水溶液5は、蒸発減少分のみ温湯を補充した。消毒用水溶液1について、各消毒後に、過酢酸測定用簡易式テストストリップ(エンビロテックジャパン)を用いて過酢酸濃度を測定したところ、すべて0.048質量%以上であった。また、試料に1回切れ込みを加えた後、消毒しなかった場合のナイフに付着した菌数を測定したところ、ナイフ当たりの一般生菌数及び大腸菌数は、それぞれ3.0logCFU/knifeおよび0.7logCFU/knifeであった。
Figure 2021040736
実施例1の消毒用水溶液1(25℃)を用いた消毒では、初回、40回目および200回目の消毒で、一般生菌数は1.0logCFU/knife又は1.8logCFU/knifeであったが、その他はすべて検出限界以下の1.0logCFU/knife未満であった。一方、参考例3の消毒用水溶液5(83℃)を用いた消毒では、80回目は、検出限界以下の1.0logCFU/knife未満であったが、それ以外の一般生菌数は1.0〜2.8logCFU/knifeであった。なお、消毒用水溶液1又は5を用いた消毒では、ともに大腸菌は検出限界以下の1.0logCFU/knife未満であった。また、評価実施中における消毒用水溶液から発生する刺激臭の有無について、評価終了後に同エリアの作業者に確認を行ったところ、作業者による刺激臭発生の認識は確認されなかった。
〔踏込消毒槽による長靴の消毒試験〕
表5に記載した消毒用水溶液、及び精製水(対照)を、それぞれ5L充填した踏込消毒槽(プラスチック製,縦41cm横31cm深さ10cm)を、と畜工程の整形作業エリアに設置した。各踏込消毒槽に、それぞれモニターを2名配置し,各モニターは作業エリアを一定時間歩行した後、各モニターが履いている長靴(弘進ゴム、サイズ26.0〜27.0cm)をそれぞれの踏込消毒槽で消毒した。長靴の消毒は、作業開始時、作業開始から1時間後、及び作業開始から2時間後に行った。消毒効果の評価は次のようにして行った。まず、消毒前後の長靴片足底全面を、滅菌綿棒(日本綿棒製メンティップ)を用いて拭取りを行った。拭き取りをした滅菌綿棒について、試料用ドリップを用いたナイフの消毒試験1で行なった方法と同様の方法で一般生菌数および大腸菌数を調べ、長靴片足底当たりの一般生菌数および大腸菌数を測定して、試験前後の減少量を算出した。測定した長靴片足底当たりの一般生菌数及び大腸菌数の減少量を表6及び表7に示す。
Figure 2021040736
Figure 2021040736
Figure 2021040736
表1において、(*)は検出限界の閾値で微増、(**)は減少を示す。
実施例3の消毒用水溶液6を用いた消毒方法では、一般生菌数は2時間後まで拭取り面積当たり3logCFU以上減少し、実施例4の消毒用水溶液7を用いた消毒では、初回と2時間後で同様の消毒効果を示した。一方、比較例1の消毒用水溶液8を用いた消毒では、2時間後において拭取り面積当たり1.6logCFUの減少量に留まり、また、比較例2の消毒用水溶液9を用いた消毒では、0.8logCFUの減少に留まった。このように、比較例1及び比較例2の消毒方法では、経時的に消毒効果が減衰した。一方、参考例4の消毒用水溶液10を用いた消毒方法では、2時間後まで消毒効果は確認されたが、消毒前後の菌数は拭取り面積当たり1〜2logCFUの減少に留まった。なお。大腸菌は、精製水以外のほとんどの試料で検出限界の2logCFU以下であった。また、評価実施中における消毒用水溶液から発生する刺激臭の有無について、評価終了後に同エリアの作業者およびモニターに確認を行ったところ、作業者及びモニターによる刺激臭発生の認識は確認されなかった。
本発明の食肉加工において使用する物品の消毒方法は、食肉加工分野において使用することができる。

Claims (5)

  1. 食肉加工で使用される物品の消毒方法であって、
    前記物品を、過酢酸を含む水溶液に接触させる工程を備えており、
    前記水溶液に含まれる過酢酸の含有量が、0.02〜0.2質量%であり、
    前記水溶液の温度が40℃以下である、消毒方法。
  2. 前記接触が、浸漬又は噴霧によるものである、請求項1に記載の消毒方法。
  3. 前記浸漬が、踏込消毒槽によるものである、請求項2に記載の消毒方法。
  4. 前記物品が、食肉由来の有機物が付着している物品である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の消毒方法。
  5. 前記物品が、食肉加工機器、調理器具、手袋、長靴、及びエプロンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の消毒方法。
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