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JP2021037619A - ポリエステル系樹脂積層シート及びポリエステル系樹脂容器 - Google Patents

ポリエステル系樹脂積層シート及びポリエステル系樹脂容器 Download PDF

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JP2021037619A JP2019158294A JP2019158294A JP2021037619A JP 2021037619 A JP2021037619 A JP 2021037619A JP 2019158294 A JP2019158294 A JP 2019158294A JP 2019158294 A JP2019158294 A JP 2019158294A JP 2021037619 A JP2021037619 A JP 2021037619A
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Tomonori Sugimura
知則 杉村
英寿 中林
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Abstract

【課題】耐水性、酸素バリア性、及び透明性に優れるポリエステル系樹脂積層シート及びポリエステル系樹脂容器を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のポリエステル系樹脂積層シートは、ポリエステル系基材シート層と、該ポリエステル系基材シート層の少なくとも片面にアンカー剤層とバリア層と防水性保護層がこの順に積層された積層シートであって、前記防水性保護層が、ポリオールを含有する主剤と、ポリイソシアネートを含有する硬化剤と、を混合させたトップ剤により形成された層である。本発明のポリエステル系樹脂容器は、本発明のポリエステル系樹脂積層シートを熱成形することにより成形された容器である。【選択図】なし

Description

本発明は、耐水性、酸素バリア性、及び透明性に優れるポリエステル系樹脂積層シート及びポリエステル系樹脂容器に関する。
ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)に代表されるポリエステル樹脂は、化学的及び物理的性質に優れている。また、ポリエステル樹脂は、機械的強度及び透明性に優れた特性を有することから、飲料ボトル等の包装用容器、フィルム、及びシート等に広く利用されている。
包装用容器、特に飲食品包装用容器では、その収納すべき内容物(飲料又は食品等)が空気中の酸素又は水蒸気等のガスによる悪影響を受けないようにするため、あるいは長期間保存中の水分の消失を防ぐために、ガスバリア性が要求されることがある。ガスバリア性を有する積層フィルムとして、特許文献1には、基材フィルムに、主剤が水分散型ポリエステル系ウレタン樹脂であるアンカーコート剤とガスバリア性樹脂が積層された包装用積層フィルムが開示されている。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体(エバール)及び無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)をラミネートすることにより、ガスバリア性を高めているハイバリアPET(HB−PET)も知られている。
近年、ポリエステル樹脂の消費が増大している。そのため、コスト及び環境への負荷軽減の観点から、ポリエステル樹脂の再利用が進められている。しかし、HB−PETは、PETと同条件で押出成形すると熱分解によりゲル化することから、通常のPETと同様に粉砕してリサイクルすることができず、廃棄処理せざるを得ない。
かかるリサイクルの問題を解決するために、異素材のバリアフィルムを用いないガスバリアフィルムが開発されている。このようなガスバリアフィルムとして、例えば、層構成が防水性保護層/バリア層/アンカーコート剤層/ポリエステル系フィルム基材であるガスバリアPETが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第4281294号公報 特開2019−48409号公報
発明者らは、一般的に知られている防水性保護層/バリア層/アンカーコート剤層/ポリエステル系フィルム基材のガスバリアPETにおいて、結露等により水滴が防水性保護層に付着すると、その水分がバリア層及び接着層に浸入し、フィルム基材からバリア層及び接着層が剥離する問題が生じることを見出した。特許文献2記載のポリエステル系樹脂成形品の場合、実用的な耐水性を有しているが、包装用容器、特に飲食品用包装容器として使用するためには、更なる耐水性の向上が求められている。
本発明は、耐水性、酸素バリア性、及び透明性に優れるポリエステル系樹脂積層シート及びポリエステル系樹脂容器を提供することを目的とする。
本発明のポリエステル系樹脂積層シートは、ポリエステル系基材シート層と、該ポリエステル系基材シート層の少なくとも片面にアンカー剤層とバリア層と防水性保護層がこの順に積層された積層シートであって、前記防水性保護層が、ポリオールを含有する主剤と、ポリイソシアネートを含有する硬化剤と、を混合させたトップ剤により形成された層であることを特徴とする。
本発明のポリエステル系樹脂容器は、本発明の積層シートを熱成形することにより成形された容器であることを特徴とする。
本発明のポリエステル系樹脂積層シート及びポリエステル系樹脂容器は、優れたガスバリア性及び透明性を有すると共に、耐水性が更に向上している。よって、本発明の積層シートは、透明性に加えて耐水性が求められる用途、例えば、飲食品等の包装用容器に好適に用いることができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
(1)ポリエステル系樹脂積層シート
本実施形態に係るポリエステル系樹脂積層シート(以下、「本積層シート」という。)は、ポリエステル系基材シート層と、該ポリエステル系基材シート層の少なくとも片面にアンカー剤層とバリア層と防水性保護層がこの順に積層された積層シートであって、前記防水性保護層が、ポリオールを含有する主剤と、ポリイソシアネートを含有する硬化剤と、を混合させたトップ剤により形成された層であることを特徴とする。本積層シートは、前記防水性保護層を有することにより耐水性が向上し、シートに付着した水分による前記バリア層及び/又は前記アンカー剤層の剥がれを抑制することができる。
前記ポリオールは、2以上の水酸基を有し、前記硬化剤に含まれるポリイソシアネートと反応して防水性保護層を形成できる限り、その種類には特に限定はない。前記ポリオールは1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。前記ポリオールとして、通常、アルキレングリコールを用いることができる。前記アルキレングリコールは直鎖状、分岐状のいずれでもよい。前記アルキレングリコールの炭素数は通常2〜10である。前記アルキレングリコールとして具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘプタンジオール、オクタンジオールが挙げられる。
前記ポリイソシアネートは、2以上のイソシアネート基を有し、防水性保護層を形成できる限り、その種類には特に限定はない。前記ポリイソシアネートとして、通常、ジイソシアネートが用いられる。前記ポリイソシアネートとして具体的には、例えば、脂肪族(ヘキサメチレンジイソシアネート等)、脂環式(シクロヘキサンジイソシアネート等)、及び芳香族イソシアネート(ジフェニルメタンジイソシアネート等)が挙げられる。前記ポリイソシアネートは1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとの配合比率(質量基準)は、必要に応じて適宜設定することができる。該配合比率は通常1:0.1以上、好ましくは1:0.2以上である。前記配合比率が1:0.2以上であると、耐水性を更に向上させることができるので好ましい。尚、前記配合比率における前記ポリイソシアネートの上限は、前記防水性保護層を形成できる限り特に限定はない。前記配合比率の上限は、例えば、1:0.6、1:0.5、又は1:0.4とすることができる。
前記トップ剤の形態には特に限定はない。前記トップ剤は、通常、前記主剤及び硬化剤を溶剤中に溶解することにより調製される。該溶剤は、前記主剤及び硬化剤を溶解させることができる限り、その種類に特に限定はない。前記溶剤として具体的には、例えば、エステル(酢酸エチル等)及びケトン(メチルエチルケトン等)が挙げられる。前記溶剤は1種のみでもよく、2種以上の混合溶媒でもよい。また、前記防水性保護層を形成できる限り、前記トップ剤は、前記主剤及び前記硬化剤以外の他の成分を含んでいてもよい。
前記防水性保護層は通常、前記トップ剤を前記バリア層の表面に塗布し、次いで乾燥することにより形成することができる。前記塗布及び乾燥の方法及び条件には特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。前記塗布方法として具体的には、グラビアコート等の通常の湿式コーティング方法が挙げられる。また、前記乾燥方法として具体的には、熱風乾燥、赤外線照射等が挙げられる。
前記ポリエステル系基材シート(以下、単に「基材シート」という。)層を構成するポリエステル樹脂は、多価カルボン酸又はその誘導体(エステル及び無水物等)とポリアルコールとの重縮合体である限り、具体的構造及び種類に限定はない。前記多価カルボン酸として通常、ジカルボン酸が用いられ、前記ポリアルコールとして通常、ジオールが用いられる。前記多価カルボン酸として、例えば、芳香族多価カルボン酸を用いることができる。前記ポリエステル樹脂は、前記多価カルボン酸又はその誘導体と前記ポリアルコールとの重縮合体でもよく、更に他の単量体、例えばスチレン等のビニル基をもった単量体と共重合させた共重合体でもよい。また、前記ポリエステル樹脂は、他の樹脂(例えば、エポキシ樹脂)により変性されたポリエステル樹脂でもよい。
前記ポリエステル樹脂として具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、及びポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートが挙げられる。前記ポリエステル樹脂として好ましくはPETである。
前記ポリエステル樹脂は結晶状態及び非晶状態のいずれでもよい。前記ポリエステル樹脂として好ましくは非晶状態のポリエステル樹脂であり、より好ましくは非晶状態のPETである。尚、「非晶状態のPET」は、A−PETのように結晶化していない状態のPET及びPET−Gのように完全に結晶化しない状態のPETを含む。前記「非晶状態のPET」として好ましくは、A−PETのように結晶化していない状態のPETである。
前記アンカー剤(以下、「AC剤」という。)層は、AC剤により前記基材シート層の少なくとも片面に形成され、前記基材シート層と前記バリア層とを接着させる層である。前記AC剤は、前記基材シート層と前記バリア層とを接着させることができる限り、その種類に特に限定はない。前記AC剤として水溶性ポリエステル系AC剤を用いると、容器成形後の白化(透明性の低下)を抑制することができるので好ましい。
前記水溶性ポリエステル系AC剤は、水系媒体中にポリエステル樹脂が溶解又は分散しており、前記基材シート層と前記バリア層とを接着させることができる限り、その具体的構成には特に限定はない。上記のように、前記水溶性ポリエステル系AC剤には、ポリエステル樹脂が水系媒体中に溶解している場合だけでなく、エマルション等として水系媒体中に分散している場合も含まれる。前記水性媒体は、水又は水とアルコール(例えば、C1−C4アルコール)との混合媒体である。
前記水溶性ポリエステル系AC剤に含まれるポリエステル樹脂は、飽和ポリエステル樹脂でもよく、不飽和ポリエステル樹脂でもよい。前記ポリエステル樹脂として、分子末端に水酸基又はカルボキシル基を持つポリエステル樹脂が好ましい。前記ポリエステル樹脂として具体的には、例えば、ポリアクリル酸エステル及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。前記水溶性ポリエステル系アンカー剤の市販品としては、例えば、互応化学工業株式会社製の「GX−1143」が挙げられる。
前記AC剤層を形成する場合、前記水溶性ポリエステル系AC剤は1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記水溶性ポリエステル系AC剤のみを使用してもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で他のアンカー剤を併用してもよい。
前記AC剤層は通常、AC剤を前記基材シート層の表面に塗布し、次いで乾燥することにより形成することができる。前記塗布及び乾燥の方法及び条件には特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。前記塗布方法として具体的には、グラビアコート等の通常の湿式コーティング方法が挙げられる。また、前記乾燥方法として具体的には、熱風乾燥、赤外線照射等が挙げられる。
前記バリア層は、前記AC剤層の外側(前記AC剤層の表面のうち、前記基材シート層と接していない側の面)に積層され、ガスバリア性を有する限り、その具体的構成には特に限定はない。前記バリア層を構成する材料として具体的には、例えば、樹脂、金属酸化物(酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム等)又は無機化合物(窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物)の薄膜が挙げられる。前記バリア層として好ましくは、樹脂により形成されるバリア層である。前記樹脂の種類には特に限定はない。前記樹脂として具体的には、例えば、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、及びエチレンビニルアルコール共重合体が挙げられる。
前記バリア層は他の成分を含んでいてもよい。前記バリア層が樹脂により形成されるバリア層である場合、該他の成分として具体的には、例えば、層状無機化合物が挙げられる。前記層状無機化合物として具体的には、例えば、層状鉱物、層状珪酸塩が挙げられる。層状無機化合物を含有することにより、ガスバリア性を向上させることができるので好ましい。前記層状珪酸塩として具体的には、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等)、アンチゴライト族粘土鉱物(アンチゴライト、クリソタイル等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)が挙げられる。これらは天然の鉱物でもよく、合成物でもよい。前記層状無機化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。前記層状無機化合物として好ましくは層状珪酸塩であり、より好ましくはモンモリロナイトである。
前記バリア層を形成する方法には特に限定はない。前記バリア層は、バリア層を構成する材料の種類に応じて適宜公知の方法により形成することができる。前記バリア層が樹脂により形成されるバリア層である場合、樹脂溶液又は分散体(必要に応じて、媒体中に前記層状無機化合物を含んでもよい。)を前記AC剤層の表面に塗布して、次いで乾燥することにより形成することができる。前記塗布及び乾燥の方法及び条件には特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。前記塗布方法として具体的には、グラビアコート等の通常の湿式コーティング方法が挙げられる。また、前記乾燥方法として具体的には、熱風乾燥、赤外線照射等が挙げられる。
前記バリア層は単層構造でもよく、多層構造、例えば、2層、3層、又は4層構造でもよい。多層構造の前記バリア層は、例えば、前記樹脂溶液又は分散体の塗布及び乾燥を繰り返すことにより形成することができる。前記バリア層が多層構造の場合、各層の構成は同じでもよく、異なってもよい。例えば、前記バリア層を構成する全ての層が前記層状無機化合物を含んでいてもよく、あるいは、一部の層のみが前記層状無機化合物を含んでいてもよい。
本積層シートを製造する方法には特に限定はない。本積層シートは通常、前記基材シート層を構成するポリエステル樹脂の表面にAC剤を塗布及び乾燥することによって前記AC剤層を形成し、次いで、前記AC剤層の外側にバリア剤を塗布及び乾燥することによって前記バリア層を形成し、その後、前記バリア層の外側にトップ剤を塗布及び乾燥することによって前記防水性保護層を形成することにより製造することができる。
本積層シート及び本積層シートを構成する各層の厚さには特に限定はない。これらの層の厚さは、必要に応じて適宜決定することができる。例えば、前記防水性保護層の厚さは0.5μm以上とすることができる。前記の2液混合タイプのトップ剤を用いることにより、1液タイプのアクリル系樹脂と比べて、前記防水性保護層の厚さをより厚くすることができるので好ましい。
本積層シートを構成する各層は、耐水性、酸素バリア性、及び透明性を著しく損なわない範囲で、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。例えば、前記基材シート層には、ポリエステル樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。前記他の成分として具体的には、例えば、公知の樹脂シートに用いられている添加剤、例えば、難燃剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、及び抗菌剤が挙げられる。
本実施形態に係るポリエステル系樹脂容器(以下、「本容器」という。)は、本積層シートを熱成形することにより得られる。この成形方法には特に限定はない。前記成形方法として、ポリエステル樹脂について一般に採用されている公知の成形方法、具体的には、例えば、真空成形法(プラグアシスト成形法等)、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法が挙げられる。また、成形条件も特に限定はない。成形条件は必要に応じて適宜決定することができる。
本容器の形状、寸法、及び具体的用途には特に限定はない。本容器の用途としては、包装用容器等の容器、例えば、飲食品包装用容器が挙げられる。尚、前記「容器」は、容器全体だけでなく、容器の一部も含む。例えば、前記「容器」には、容器の本体のみならず、容器の蓋体も含まれる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。尚、本発明は、実施例に示す形態に限定されない。本発明の実施形態は、目的及び用途等に応じて、本発明の範囲内で種々変更することができる。
1.積層シート及び容器の製造
<実施例1〜3>
原料として、以下の各成分を用いた。また、以下の「(A)A−PET」のIV値(dl/g)は、JIS K 7367−5に準拠して測定した。溶媒として、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比3/1)の混合溶媒を用いた。
(A)A−PET(基材);中国海南逸盛石化社製PET樹脂「YS−H01」(IV値=0.78dl/g、厚さ0.85mm)
(B)AC剤;互応化学社製「GX−1143」(成分:水溶性ポリエステル)。使用時に、該AC剤を希釈剤(質量基準でイソプロピルアルコール:水=1:2)で希釈した。
(C)バリア剤;住友化学社製「EXCEIER」(モンモリロナイト含有)
(D)トップ剤(防水性保護層);主剤として「FC4208」(成分;ポリオール)、硬化剤として「LG硬化剤D」(成分;イソシアネート)、溶剤として「PU−TS515」(成分;酢酸エチル、メチルエチルケトン。固形分濃度;16wt%)を使用した(いずれも東京インキ社製)。該溶剤中に前記主剤及び硬化剤を溶解させて、トップ剤を調製した。
前記A−PETをコロナ放電処理し、次いで、グラビア版(6ゾーン印刷機)を用いて、該A−PETのコロナ放電処理面に、前記AC剤、バリア剤、及びトップ剤をこの順で塗布し、乾燥することにより(バリア剤4度塗り。使用グラビア版:20μm、200線。ライン速度:30m/min。乾燥温度:80℃)、AC剤層、バリア層、及び防水性保護層を有する積層シートを製造した(表1参照)。実施例1〜3の主剤、硬化剤、及び溶剤の割合(質量基準)、並びに防水性保護層の膜厚(計測値)を表2に示す。
Figure 2021037619
Figure 2021037619
真空圧空成形法により、上記方法により得られた積層シートを熱成形して、容器(容器サイズ;直径101mm、高さ250mm)を製造した。具体的には、プラグと呼ばれる凸状樹脂型を併用し、加熱により軟化した樹脂シートの一部をプラグで押圧することで、樹脂シートにはプラグの外形状に対応した容器の内形状が付与され、その後、キャビティー型に真空引きで密着させ容器の底面部及び側面部が形成される。真空圧空成形における上ヒータ温度は375℃であり、下ヒータ温度は395℃である。
<比較例1>
実施例のトップ剤に替えて、大阪印刷インキ社製「スチプリ」を用い、使用時に、「スチプリ」を希釈剤(スチロール)で希釈(質量基準で「スチプリ」:希釈剤=1:1)した以外は、実施例1〜3と同じ方法により、積層シート及び容器を製造した。比較例1の防水性保護層の膜厚(推定値)を表2に示す。
<比較例2>
実施例の積層シートに替えて、上記のA−PETを用いて、実施例と同じ方法により容器を製造した。
<比較例3>
実施例の積層シートに替えて、A−PETシート(厚さ0.85mm)とエバールフィルム「EF−E」(株式会社クラレ製、厚さ30μm)とをドライラミネートして得られたHB−PETを用いて、実施例と同じ方法により容器を製造した。
2.性能評価
(I)耐水性評価
<試験1;水滴耐水試験>
実施例1〜3及び比較例1の積層シートの防水性保護層の表面に、スポイトで純水を滴下した。6時間静置した後、綿棒で滴下部をこすり、バリア剤層の剥がれの有無を目視で確認した。
<試験2;結露耐水性試験>
実施例1〜3及び比較例1の容器を冷蔵庫(4℃)で19時間静置した。次いで該容器を多湿環境下(22℃、湿度60%以上)で5時間静置し、結露を発生させた。その後、結露した容器を手でこすり、バリア剤層の剥がれの有無を目視で確認した。これらの工程を2か月間繰り返した。
試験1及び2の結果を表3に示す。表3中の評価基準は以下の通りである。
「×」;バリア剤層の剥がれが発生した。
「△」;部分的にバリア剤層の剥がれが発生した。
「○」;バリア剤層が全く剥がれなかった。
Figure 2021037619
表3より、比較例1(アクリル系樹脂の防水性保護層)では、試験1及び2のいずれにおいてもバリア剤層が剥がれていた。一方、実施例1では、バリア剤層の剥がれが部分的に留まり、比較例1よりも耐水性に優れていることが分かる。また、主剤(ポリオール)に対して硬化剤(イソシアネート)の割合が高い実施例2及び3では、バリア剤層の剥がれが生じず、実施例1よりも更に耐水性に優れていることが分かる。
(II)酸素透過度
実施例2並びに比較例2及び3の容器について、JIS K7126に準じて、以下の条件により酸素透過度を測定した。その結果を表4に示す。
測定器;Dansensor社「CheckMate3」
試験環境;23℃
充填ガス;N100%
Figure 2021037619
(III)味噌の褐変試験
実施例2並びに比較例2及び3の容器に味噌を充填し、以下の条件1又は2に示す温度、湿度環境下で保管した。保管から7、14、70日目の味噌の色目を色差計(日本電色工業社製「NR−11」)で測定した。その結果を表5に示す。尚、表5の値は、L値を表す(白:L=100、黒:L=0)。また、「差」は、初期基準値と70日目の値との差を表す。
Figure 2021037619
表4より、実施例は、A−PET及び既知のHB−PETと比べて酸素濃度平均値が低く、酸素を通し難い。味噌の変色は、主に酸素及び温度に起因するところ、表5より、実施例は、条件1及び条件2(多湿条件)のいずれにおいても、A−PET及び既知のHB−PETと比べて変色の程度が低い。これらの結果は、実施例が、A−PET及び既知のHB−PETと比べてガスバリア性に優れ、常温及び多湿の環境において味噌の褐変も抑制できることを示している。
(IV)ヘーズ値
実施例2並びに比較例2及び3のシート及び容器について、JIS K 7136に準拠してヘーズ値を測定した。その結果を表6に示す。
Figure 2021037619
表6より、実施例のシート及び容器はいずれも、既知のHB−PETと比べてヘーズ値が低く、透明性に優れている。

Claims (4)

  1. ポリエステル系基材シート層と、該ポリエステル系基材シート層の少なくとも片面にアンカー剤層とバリア層と防水性保護層がこの順に積層された積層シートであって、
    前記防水性保護層が、ポリオールを含有する主剤と、ポリイソシアネートを含有する硬化剤と、を混合させたトップ剤により形成された層であることを特徴とする、ポリエステル系樹脂積層シート。
  2. 前記バリア層が、層状珪酸塩を含有するバリア剤により形成された層であることを特徴とする、請求項1に記載のポリエステル系樹脂積層シート。
  3. 前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとの配合比率(質量基準)が1:0.2以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリエステル系樹脂積層シート。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シートを熱成形することにより成形された容器であることを特徴とする、ポリエステル系樹脂容器。
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