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JP2021014639A - Fe−Ni系合金薄板の製造方法 - Google Patents

Fe−Ni系合金薄板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 厚さが0.5mm以下のFe−Ni系合金薄板において、良好な平坦度と優れた耐エッチング反り性を両立させること可能な、Fe−Ni系合金薄板の製造方法を提供する。【解決手段】 質量%で、C:≦0.01%、Si:≦0.5%、Mn:≦1.0%、Ni:28〜52%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる冷間圧延用素材に対して、圧下率5%〜50%の仕上冷間圧延を施して薄板とする仕上冷間圧延工程と、前記仕上冷間圧延後の薄板に、800℃以上1000℃以下の温度で焼鈍を行う最終焼鈍工程と、前記最終焼鈍工程後の薄板に、張力200〜400MPaの条件で形状矯正を行い、引張応力を付与する、引張応力付与工程と、を備え、厚さ0.5mm以下のFe−Ni系合金薄板を得る、Fe−Ni系合金薄板の製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、Fe−Ni系合金薄板の製造方法に関するものである。
メタルマスクやリードフレーム等に使用されるFe−Ni系合金薄板は、性能向上のために従来より様々な検討がなされている。このようなメタルマスクやリードフレームを製造する際の方法の一つとして、Fe−Ni合金薄板にエッチング加工を行う方法が知られている。このエッチング精度を向上させるために、従来より様々な検討がなされている。例えば特許文献1には、Niを32〜38wt%含むFe−Ni系合金を、冷間圧延後、伸長率0.4〜3%の歪みを付与して形状矯正を行い、引き続いて薄板温度550〜690℃、張力2kgf/mm以下の条件で歪取り焼鈍を行うことを特徴とする板形状および耐熱収縮性に優れたFe−Ni系低熱膨張合金薄板の製造方法について開示されている。また特許文献2には、Fe−Ni−Co系低熱膨張合金薄板のエッチング速度とエッチング精度を向上させるために、熱延材に冷間圧延および焼鈍をそれぞれ1回以上行い、最終再結晶焼鈍の前の冷間圧延の冷圧率を90%以上、最終再結晶焼鈍の焼鈍温度を850℃以上、最終冷圧率を30%以下とする低熱膨張合金薄板の製造方法について開示されている。
特開平10−204541公報 特開2003−253398号公報
近年の製品の複雑化や高精度化により、これらの素材となるFe−Ni系の薄板にも広幅・エッチング面の高い平坦度・エッチング後の反り抑制が要求されている。平坦度を向上させるためには、従来よりローラレベラーやテンションレベラーを用いた形状矯正が有効であるが、形状矯正時に薄板に付与される残留応力がエッチング時に解放されることで反りが発生し、問題となる。このような残留応力による反りを低減させる方法として、薄板の再結晶温度に達しない温度で焼鈍し、歪みを除去する歪取り焼鈍が知られている。しかし製品形状の多様化や複雑化に伴って、歪取り焼鈍のみでは、薄板内に残存している加工歪の影響を完全に除去することはできず、依然として反りが発生する傾向にある。特許文献1に記載の発明は耐熱収縮性や平坦度を改善することができる発明であるが、広幅な薄板にハーフエッチングを施した際に発生する反り抑制については考慮されておらず、検討の余地が残されている。また特許文献2に記載の発明は、圧延面の(200)面集積度を高めてエッチング精度を高めることができる発明であるが、仕上げ圧延後の工程で反りを抑制することの記載は確認できず、さらなる反り抑制や平坦度向上について検討の余地が残されている。
そこで本発明の目的は、厚さが0.5mm以下のFe−Ni系合金薄板において、良好な平坦度と優れた耐エッチング反り性を両立させることが可能な、Fe−Ni系合金薄板の製造方法を提供することである。
本発明の一態様は、質量%で、C:≦0.01%、Si:≦0.5%、Mn:≦1.0%、Ni:28〜52%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる冷間圧延用素材に対して、圧下率5%〜50%の仕上冷間圧延を施して薄板とする仕上冷間圧延工程と、前記仕上冷間圧延後の薄板に、800℃以上1000℃以下の温度で焼鈍を行う最終焼鈍工程と、前記最終焼鈍工程後の薄板に、張力200〜400MPaの条件で形状矯正を行い、引張応力を付与する、引張応力付与工程と、を備え、厚さ0.5mm以下のFe−Ni系合金薄板を得る、Fe−Ni系合金薄板の製造方法である。
好ましくは、前記最終焼鈍工程と引張応力付与工程との間に、圧下率20%以下の調質圧延工程を行う。
本発明によれば、厚さが0.5mm以下のFe−Ni系合金薄板において、良好な平坦度と優れた耐エッチング反り性を両立させること可能な、Fe−Ni系合金薄板を提供することができる。
以下に本発明の実施形態について説明する。まず、本発明のFe−Ni系合金薄板の製造方法について説明する。本発明では、例えば、質量%でC:≦0.01%、Si:≦0.5%、Mn:≦1.0%、Ni:28〜52%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有する熱間圧延材を準備する。本発明で規定する組成を有するFe−Ni系合金薄板の熱間圧延材は、所望の熱膨張係数を得るために必要な組成を有するものである。上述した組成範囲の規定理由は以下のとおりである。
[C:≦0.01質量%]
Cは、エッチング性に影響を及ぼす元素である。Cが過度に多く含まれるとエッチング性を阻害するため、Cの上限を0.01%とした。下限は0%でも良いが、製造工程上少なからず含まれるものであるため、特に限定しない。
[Si:≦0.5質量%、Mn:≦1.0質量%]
Si、Mnは、通常、脱酸の目的で使用され、Fe−Ni合金に微量含有されているが、過剰に含有すれば偏析を起こし易くなるため、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下とした。好ましいSi量とMn量は、Si:0.1%以下、Mn:0.5%以下である。SiとMnの下限は特に限定しないが、例えばSiは0.01%、Mnは0.05%と設定することができる。
[Ni:28〜52質量%]
Niは、熱膨張係数を調整する作用を有し、低熱膨張特性に大きな影響を及ぼす元素である。含有量が28%より少なく、または52%を超えるものでは熱膨張係数を低減させる効果がなくなるため、Niの範囲は28〜52%とする。好ましいNi量の下限は30%であり、より好ましいNi量の下限は32%であり、さらに好ましいNi量の下限は34%である。また、好ましいNi量の上限は50%であり、より好ましいNi量の上限は45%であり、さらに好ましいNi量の上限は38%である。上記以外を構成するのはFe及び不可避的不純物である。また本実施形態では、熱膨張特性の調整や高強度を持たせるために、Niの一部をCoで置換することができる。上述した効果を材料に付与させやすくするために、Coの上限は20%と設定することが好ましい。
<冷間圧延用素材>
本実施形態では、前述の組成を有する帯状の冷間圧延用素材を準備する。この冷間圧延用素材は、例えば、前述の組成を有する熱間圧延材に、機械的或いは化学的に酸化層を除去することで得ることが出来る。また、冷間圧延中の冷間圧延材のエッジから割れ等の不良が発生しないように、エッジをトリミング等により整えておいてもよい。また必要に応じて、冷間圧延前の段階で1200℃程度で均質化熱処理を行っても良い。
<中間冷間圧延、中間焼鈍>
本発明では、後述する仕上冷間圧延の前に、板厚を調整するために1回以上の中間冷間圧延を施しても良い。本実施形態では中間冷間圧延を導入した場合について説明するが、熱間圧延後の時点で所望の板厚に調整できている場合は、中間冷間圧延を省略してもよい。また、中間冷間圧延後の薄板には、加工硬化した材料を軟化させ、加工歪を除去するために、中間焼鈍を施しても良い。この中間焼鈍の温度は再結晶が促進される800℃以上の温度に設定すればよい。焼鈍時の温度が800℃未満の場合、材料が十分に軟化せず、所望の特性が得られない可能性がある。焼鈍温度の上限は特に限定しないが、過剰に温度を上げ過ぎた場合も所望の特性が得られない可能性が高いため、1100℃程度と設定することができる。このときの加熱保持時間は、材料の組成や板厚に合わせて適宜調整すればよい。尚、この中間焼鈍は、所望の温度に設定された加熱炉に中間冷間圧延後の薄板を連続的に通して行うことができる。例えば、中間冷間圧延後の薄板がロール状に巻かれた状態から引き出し、加熱炉を通り、ロール状に巻き取る方法で行うことができる。
<仕上冷間圧延>
本実施形態の製造方法では、前述した中間冷間圧延後または中間焼鈍後の中間材料に、圧下率5%以上50%以下の仕上冷間圧延を施すことを特徴とする。上述した圧下率の範囲に収めることで、中間材料の中央部と端部との伸び差を縮めることで過大な波形状の発生を抑制し、後述する形状矯正工程後で平坦な形状に調整し易くすることが出来る。圧下率が5%を下回る場合、中伸びが発生し、形状矯正後の薄板中央部の平坦度が低下する傾向にある。また圧下率が5%を下回る場合、後述する最終熱処理において、薄板の再結晶化が過大に促進されやすくなるため、薄板の硬度が低下する傾向にある。圧下率が50%超の場合、端波が強くなり、形状矯正後で平坦度が低下する傾向にある。好ましい圧下率の下限は15%であり、より好ましい圧下率の下限は20%である。また、好ましい圧下率の上限は40%であり、さらに好ましい圧下率の上限は30%である。ここで仕上冷間圧延のパス数は、1パスであることが好ましい。なお本実施形態の製造方法は、幅が300〜1100mmの薄板に適用することができる。また、本実施形態に適した板厚は0.5mm以下であり、好ましくは0.3mm以下、より好ましくは0.2mm以下である。なお板厚の下限は特に限定しないが、あまりに薄すぎるとハーフエッチングに不適であるため、例えば0.02mmと設定することができる。好ましくは0.05mm以上であり、より好ましくは0.08mm以上である。
<最終焼鈍工程>
本実施形態では、仕上冷間圧延を終えた薄板に対して、800℃〜1000℃の温度で焼鈍を行う、最終焼鈍工程を行う。本実施形態では再結晶が促進される温度以上である800℃〜1000℃の最終焼鈍を行うことで、圧延による加工歪を除去させつつ板の耐力を十分に低下させ、後述する引張応力付与工程において平坦度をより向上させ易くすることができる。ここで最終焼鈍時の温度が800℃未満の場合は加工歪を十分に除去することができず、温度が1000℃超の場合は薄板の硬度が下がりすぎる傾向にあるため、好ましくない。好ましい最終焼鈍温度の下限は850℃であり、好ましい最終焼鈍温度の上限は950℃である。
<引張応力付与工程>
本実施形態の製造方法では、最終焼鈍工程を終えた薄板に形状矯正による引張応力付与工程を実施する。これにより薄板に残存している過大な端波や中伸びを矯正し、平坦度を大幅に向上させることが可能となる。特に本発明では、テンションレベラーを用いた形状矯正で付与される曲げ応力を極力付与せず、引張応力主体で矯正することが特徴である。従来はこのような加工歪を除去するために、テンションレベラー等を用いて曲げ応力を付与する形状矯正を行った後、再結晶温度以下で薄板を熱処理する歪取り焼鈍を行うことが一般的であった。しかし曲げ応力を付与する形状矯正で薄板に導入された加工歪は、歪取り焼鈍でも十分に除去できず、薄板の平坦度低下要因となる可能性があった。本実施形態の引張応力付与工程は、薄板に新たな加工歪を付与させることなく、上述した最終焼鈍工程により曲げ応力を付与させなくても平坦度を向上させることが可能となる。この形状矯正に用いる装置は、ストレッチャー、ローラレベラーやテンションレベラー等、従来から用いられている形状矯正装置を使用することができる(本実施形態ではテンションレベラーを使用する)。ただし上述したように引張応力主体で矯正を行うために、例えばテンションレベラーを使用する際には、レベラーロール(矯正ロール)による押し込みを行わなくてもよい。また、レベラーロールによる押し込みを行う場合は、板厚以下の押し込み量にて実施してもよい。さらには、最終焼鈍工程後に調質圧延(軽圧下圧延)を行った後、形状矯正を行うことが好ましい。この調質圧延工程を導入することで、最終焼鈍工程で軟化した薄板の硬度を向上させ、耐疵性やハンドリング性をさらに向上させることができる。ここで調質圧延の総圧下率は20%以下と設定することが好ましい。より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは12%以下である。調質圧延工程時の圧下率の下限は特に規定せず、例えば5%と設定することもできる。ここで形状矯正時の張力は、張力200〜400MPaに設定することができる。張力が200MPa未満となる場合、矯正が不十分となる。張力が400MPa超と成る場合、過大な張力により新たな形状不良が発生する可能性がある。好ましい張力の下限は250MPaであり、好ましい張力の上限は350MPaである。
続いて本発明の製法によって得られたFe−Ni系合金薄板について説明する。本発明のFe−Ni系合金薄板は、薄板の800mm長さにおける最大浮上がり高さは2.5mm以下であり、Fe−Ni系合金薄板から長さ150mm、幅30mmの試料を切り出し、前記試料を片面側からエッチングし、前記試料の板厚の1/3を除去したときの反り量が10mm以下である。
<反り量>
本実施形態のFe−Ni系合金用薄板は、長さ方向(圧延方向)に150mm、幅方向(圧延直角方向)に30mmの試料サイズに切断した際、前記試料の板厚の1/3を除去した際における反り量が10mm以下であることを特徴とする。これにより、本実施形態の薄板は板厚中央の位置における圧縮残留応力が低減されており、応力のバランスがより崩れる板厚中央の深さまでエッチングを行っても、変形を抑制し、良好にエッチング加工を進行させることができる。板厚の1/3を除去した際の反り量が10mm以下であれば、複雑形状かつ深い断面位置の残留ひずみも解放されているとみなすことができる。そのため多様な深さのハーフエッチングに対応でき、エッチングパターンの自由度を向上させることができる。より好ましい反り量の上限は、7mmである。なお本実施形態では、長手方向が圧延方向となるように試料を切断して長さ150mm、幅30mmのカットサンプルを作成し、板厚の1/3を片面側からエッチングで除去した後、カットサンプルの長さ方向の一端(上端)を垂直定盤に接する状態で吊り下げ、反りにより垂直定盤から離れたカットサンプルの他端(下端)と、垂直定盤との水平距離を反り量として測定している。本実施形態では、エッチング面が凹側に反った場合を「+」の反り、エッチング面が凸側に反った場合を「−」の反りとしている。この反り量は絶対値で評価し、小さければ小さい方が好ましい。なお本実施形態では、幅方向(圧延直角方向)に150mm、長さ方向(圧延方向)に30mmの試料サイズに切断した際、前記試料の板厚の1/3を除去した際における反り量が10mm以下(より好ましくは7mm以下)であることが好ましい。
<浮上がり高さ>
本実施形態のFe−Ni系合金用薄板は、800mm長さにおける最大浮上がり高さが2.5mm以下であることも特徴である。上述した数値範囲内に浮上がり高さを収めることで、エッチングの進行ムラを抑制し、エッチングの形状精度をより向上させる効果が期待できる。より好ましい最大浮上がり高さの値は、2.2mm以下である。なお本実施形態では、三次元形状測定器を用いて、試験片を水平定盤に置いた状態から、三次元形状測定器を用いて浮上り高さを測定した。この浮上がり高さも小さければ小さい方が好ましい。
<硬度>
本実施形態のFe−Ni系合金薄板は、ビッカース硬度で120HV以上であることが好ましい。これにより本実施形態のFe−Ni系合金薄板は、例えば300mm以上といった広幅な薄板においても、ハンドリング性の低下を抑制することが可能である。さらに搬送時の耐疵性をより向上させるためには、ビッカース硬度を150HV以上とすることが好ましい。より好ましく170HV以上、さらに好ましくは180HV以上である。
表1の組成を有するFe−Ni系合金に熱間プレス及び熱間圧延を行って厚さ3.0mmの熱間圧延材を準備した。前述の熱間圧延材を化学研摩、機械研磨にて熱間圧延材表面の酸化層を除去し、トリム加工で素材幅方向の両端部にある熱間圧延時の亀裂を除去して厚さ1.55mm、幅1040mmの冷間圧延用素材を準備した。次に、前述の冷間圧延用素材を本発明例と比較例とに分け、それぞれに中間冷間圧延及び中間焼鈍(約900℃)を施し、厚さ0.2mmの中間冷延素材を作製した。その後、本発明例および比較例ともに、圧下率25%で1パスの仕上冷間圧延を施して薄板形状とした。その後表2に示す工程を施して、本発明例と比較例の試料を作製した。ここで本発明例の最終焼鈍は、約900℃であり、形状矯正はテンションレベラーを用いて、但し、レベラーロールによる押し込みを行わないで、引張応力主体で矯正張力約300MPaの条件で行った。比較例の歪取り焼鈍温度は、約630℃であった。また本発明例であるNo.2の試料は、表2に示すように最終焼鈍後に圧下率10%で1パスの調質圧延工程を実施した。
作製した本発明例No.1の試料から各種試験片を採取し、それぞれの試験を行った。試験の結果を表2に示す。ビッカース硬度はJIS−Z2244に規定された方法に従い、3点測定した値の平均値とした。荷重は1kgに設定した。また反りの測定は、長さ150mm、幅30mmのカットサンプルを作成し、板厚の1/3を片側からエッチングにより除去した後、カットサンプルを垂直上盤に吊下げた際の反り量を測定し、評価を行った。なお上記カットサンプルは、長さ方向が圧延方向となるように、作製した試料の幅方向中央部から採取した。エッチング液は塩化第二鉄水溶液を使用し、液温50℃のエッチング液を噴霧させ試験片の腐食を実施した。最大浮上がり高さは三次元形状測定器を用いて、長さ800mmに切断した試験片を水平定盤に置いた状態から浮上り高さを測定した。
Figure 2021014639
Figure 2021014639
表2に示すように、適正な条件で仕上冷間圧延−最終焼鈍−形状矯正を行った本発明例No.1およびNo.2の試料は、十分な硬度を有しつつ良好な浮上がり高さ値を示し、エッチング反り量も僅かであった。中でも軽圧下圧延工程を導入した本発明例2は、反り量が本発明例1と同程度でありながら、最大浮上り高さと硬度の点で本発明例1より優れた値であることを確認できた。一方で低温の歪取り焼鈍のみ行った比較例No.11は、硬度が高くエッチング反り量は本発明例No.1と同程度であったが、最大浮上り高さが大きいことから、No.1およびNo.2の方が、No.11よりもエッチング加工性に有利であることを確認した。
以上より、本発明の製造方法を適用して作成した本発明の薄板は、平坦度が高く耐エッチング反り性も良好であることから、深いハーフエッチングを行っても高精度なエッチング加工が期待できる。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:≦0.01%、Si:≦0.5%、Mn:≦1.0%、Ni:28〜52%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる冷間圧延用素材に対して、圧下率5%〜50%の仕上冷間圧延を施して薄板とする仕上冷間圧延工程と、
    前記仕上冷間圧延後の薄板に、800℃以上1000℃以下の温度で焼鈍を行う最終焼鈍工程と、
    前記最終焼鈍工程後の薄板に、張力200〜400MPaの条件で形状矯正を行い、引張応力を付与する、引張応力付与工程と、
    を備え、厚さ0.5mm以下のFe−Ni系合金薄板を得る、Fe−Ni系合金薄板の製造方法。
  2. 前記最終焼鈍工程と引張応力付与工程との間に、圧下率20%以下の調質圧延工程を行う、請求項1に記載のFe−Ni系合金薄板の製造方法。

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