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JP2021011562A - 樹脂組成物および成形品 - Google Patents

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JP2021011562A
JP2021011562A JP2020030943A JP2020030943A JP2021011562A JP 2021011562 A JP2021011562 A JP 2021011562A JP 2020030943 A JP2020030943 A JP 2020030943A JP 2020030943 A JP2020030943 A JP 2020030943A JP 2021011562 A JP2021011562 A JP 2021011562A
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裕太 山元
Yuta Yamamoto
裕太 山元
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

【課題】 ポリアセタール樹脂を主成分とする新規な樹脂組成物および成形品の提供。
【解決手段】 ポリアセタール樹脂と、コアシェル型エラストマーを含む樹脂組成物であって、前記樹脂組成物を4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO178に従って測定した曲げ弾性率が1700MPa以下であり、かつ、前記樹脂組成物を、ウエルド部を中央に有する1.6mm厚さの試験片に成形し、ASTM D638に従い10mm/分で引張った時のウエルド伸びが20%以上である、樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物および成形品に関する。特に、ポリアセタール樹脂を主成分とする樹脂組成物に関する。
ポリアセタール樹脂は、機械的性質、電気的性質、および、耐薬品性などの化学的性質に優れたプラスチックとして、広範囲の用途で使用されている。
また、ポリアセタール樹脂に種々の機能を付与するため、各種添加剤を配合することが検討されている。例えば、ポリアセタール樹脂と熱可塑性ポリウレタンとからなる組成物が提案されており、実用化されている。ところが、ポリアセタール樹脂と熱可塑性ポリウレタンからなる組成物は、相溶性が悪いために、層間剥離を引き起こしやすく、射出成形で形成されるウエルド部の密着性が悪いという問題点を有していることが知られている(特許文献1)。
特開平07−138449号公報
上述の通り、ポリアセタール樹脂は広範囲の用途で使用されている。また、射出成形用途での展開が期待される。そのため、ウエルド部の密着性が良好な新規な材料が求められる。
本発明では、かかる状況のもと、ポリアセタール樹脂を主成分とする新規な樹脂組成物および成形品を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>ポリアセタール樹脂と、コアシェル型エラストマーを含む樹脂組成物であって、前記樹脂組成物を4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO178に従って測定した曲げ弾性率が1700MPa以下であり、かつ、前記樹脂組成物を、ウエルド部を中央に有する1.6mm厚さの試験片に成形し、ASTM D638に従い10mm/分で引張った時のウエルド伸びが20%以上である、樹脂組成物。
<2>前記コアシェル型エラストマーが、ブタジエン含有ゴムを含み、シェル部にアクリル樹脂を含む、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記樹脂組成物は、前記ポリアセタール樹脂70〜95質量%と、前記コアシェル型エラストマー30〜5質量%を含む(ただし、ポリアセタール樹脂とコアシェル型エラストマーの合計が100質量%を超えることはない)、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタンを含まないか、熱可塑性ポリウレタンの含有量が、前記コアシェル型エラストマーの含有量の3質量%以下である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5><1>〜<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された成形品。
<6>射出成形品である、<5>に記載の成形品。
本発明により、ポリアセタール樹脂を主成分とする新規な樹脂組成物および成形品を提供可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂と、コアシェル型エラストマーを含む樹脂組成物であって、前記樹脂組成物を4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO178に従って測定した曲げ弾性率が1700MPa以下であり、かつ、前記樹脂組成物を、ウエルド部を中央に有する1.6mm厚さの試験片に成形し、ASTM D638に従い10mm/分で引張った時のウエルド伸びが20%以上であることを特徴とする。
上述のとおり、ポリアセタール樹脂について、様々な用途が期待されるが、その1つとして、軟質性が求められる用途も想定された。そして、軟質性が求められる用途には、ポリアセタール樹脂に、エラストマーを配合することが考えられた。しかしながら、上述のとおり、ポリアセタール樹脂に、エラストマーとして、熱可塑性ポリウレタンを配合するとウエルド部の密着性が劣ってしまう。本発明では、エラストマーの種類等を調整することにより、ウエルド伸びを大きくしてウエルド部の密着性を向上させ、かつ、曲げ弾性率を低くすることにより、軟質性を達成している。
より具体的には、ポリアセタール樹脂の軟質性を高めるためには、上述の通り、エラストマーである熱可塑性ポリウレタンを配合することが考えられる。このような熱可塑性ポリウレタンは、通常、粒状である。そして、このような熱可塑性ポリウレタンを配合し、射出成形した成形品について、ウエルド部を顕微鏡レベルで確認したところ、粒状の熱可塑性ポリウレタンがつぶれてしまい、層状の領域が形成されていることが分かった。そして、この結果として、ウエルド部の密着性が劣ってしまっていることが分かった。
本発明では、熱可塑性ポリウレタンに代えて、コアシェル型エラストマーを用い、さらに、ウエルド部付近におけるコアシェル型エラストマーの粒子が小さく、かつ、分散して存在するように調整することにより、曲げ弾性率を低くして、軟質性を高め、かつ、ウエルド伸びを大きくすることにより、ウエルド部の密着性を向上させることに成功したものである。もちろん、上記方法以外の、曲げ弾性率を低くでき、ウエルド伸びを達成できる手段を採用してもよいことは言うまでもない。
上記曲げ弾性率を低くし、ウエルド伸びを大きくする手段の一例としては、コアシェル型エラストマーを用い、かつ、ウエルド部付近におけるコアシェル型エラストマーの平均二次粒子径を調整することが挙げられる。その結果、優れた軟質性を維持しつつ、ウエルド密着性を向上させることができる。
以下、本発明の詳細について説明する。
<ポリアセタール樹脂>
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂を含む。
ポリアセタール樹脂は特に限定されるものではなく、2価のオキシメチレン基のみを構成単位として含むホモポリマーであっても、2価のオキシメチレン基と、炭素数が2〜6の2価のオキシアルキレン基とを構成単位として含むコポリマーであってもよい。
炭素数が2〜6のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、および、オキシブチレン基などが挙げられる。
ポリアセタール樹脂においては、オキシメチレン基および炭素数2〜6のオキシアルキレン基の総モル数に占める炭素数2〜6のオキシアルキレン基の割合は特に限定されるものではなく、0.5〜10モル%であればよい。
上記ポリアセタール樹脂を製造するためには通常、主原料としてトリオキサンが用いられる。また、ポリアセタール樹脂中に炭素数2〜6のオキシアルキレン基を導入するには、環状ホルマールや環状エーテルを用いることができる。環状ホルマールの具体例としては、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキセパン、1,3−ジオキソカン、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカンなどが挙げられ、環状エーテルの具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドなどが挙げられる。ポリアセタール樹脂中にオキシエチレン基を導入するには、主原料として、1,3−ジオキソランを用いればよく、オキシプロピレン基を導入するには、主原料として、1,3−ジオキサンを用いればよく、オキシブチレン基を導入するには、主原料として、1,3−ジオキセパンを用いればよい。なお、ポリアセタール樹脂においては、ヘミホルマール末端基量、ホルミル末端基量、熱や酸、塩基に対して不安定な末端基量が少ない方がよい。ここで、ヘミホルマール末端基とは、−OCH2OHで表されるものであり、ホルミル末端基とは−CHOで表されるものである。
ポリアセタール樹脂としては、上記の他、特開2015−074724号公報の段落0018〜0043に記載のポリアセタール樹脂を用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂を60質量%以上含むことが好ましく、65質量%以上含むことがより好ましく、70質量%以上含むことがさらに好ましく、75質量%以上含むことが一層好ましく、78質量%以上含むことがより一層好ましい。上限は、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<コアシェル型エラストマー>
本発明の樹脂組成物は、コアシェル型エラストマーを含む。コアシェル型エラストマーとは、コア部とその一部または全部を被覆するシェル層を有する多層構造のポリマーであり、カネカ社のカネエースシリーズや三菱ケミカル社のメタブレンシリーズが知られている。本発明では、例えば、カネカ社製のカネエースM910シリーズを好ましく用いることができる。
本発明では、コアシェル型エラストマーを用いることにより、ウエルド部付近でも粒子をつぶれにくくすることができる。さらに、ウエルド部付近に存在するコアシェル型エラストマーの平均二次粒子径が所定の範囲となるようにコアシェル型エラストマーの種類を選定することにより、ウエルド部付近において、コアシェル型エラストマーの小さい粒子を分散させることができ、ウエルド伸びが向上する。
本発明で用いるコアシェル型エラストマーの種類は特に問わないが、ブタジエン含有ゴムを含み、シェル部にアクリル樹脂を含むコアシェル型エラストマーが好ましい。このようなコアシェル型エラストマーを用いると、耐熱老化性に優れた成形品が得られる。
本発明の樹脂組成物は、コアシェル型エラストマーを5質量%以上含むことが好ましく、10質量%以上含むことがより好ましく、15質量%以上含むことがさらに好ましい。上限は、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましく、25質量%以下であることが一層好ましく、22質量%以下であることがより一層好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
本発明の樹脂組成物は、コアシェル型エラストマーを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂60〜95質量%(好ましくは70〜95質量%)と、前記コアシェル型エラストマー40〜5質量%(好ましくは30〜5質量%)を含む(ただし、ポリアセタール樹脂とコアシェル型エラストマーの合計が100質量%を超えることはない)ことが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂とコアシェル型エラストマーの合計量が樹脂組成物の95質量%以上を占めることが好ましく、98質量%以上を占めることがより好ましい。
<他の成分>
本発明の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲内で、従来公知の任意の添加剤や充填剤を含んでいてもよい。本発明に用いる添加剤や充填剤としては、例えば、ポリアセタール樹脂以外の熱可塑性樹脂、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤、ホルムアルデヒド補足剤、帯電防止剤、炭素繊維、ガラス繊維、ガラスフレーク、チタン酸カリウムウイスカー等が挙げられる。これらの詳細は、特開2017−025257号公報の段落0113〜0124の記載を参酌することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物は、また、熱可塑性ポリウレタンを含まないか、熱可塑性ポリウレタンの含有量が、コアシェル型エラストマーの含有量の3質量%以下(好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下)であることが好ましい。このような構成とすることにより、ウエルド密着性をより向上させることができる。
<樹脂組成物の物性>
本発明の樹脂組成物は、4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO178に従って測定した曲げ弾性率が1700MPa以下であり、1650MPa以下であることが好ましく、1600MPa以下であることがさらに好ましい。下限値は、特に定めるものではないが、例えば、1000MPa以上、さらには、1100MPa以上、1300MPa以上、1400MPa以上、1500MPa以上が実際的である。
また、本発明の樹脂組成物は、ウエルド部を中央に有する1.6mm厚さの試験片に成形し、ASTM D638に従い10mm/分で引張った時のウエルド伸びが20%以上であり、25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、35%以上であることがさらに好ましい。前記ウエルド伸びの上限値は特に定めるものではないが、例えば、99%以下、さらには、90%以下、80%以下が実際的である。
さらに、本発明の樹脂組成物は、ウエルド部を中央に有する3.2mm厚さの試験片に成形したときの、ウエルド部に存在する前記コアシェル型エラストマーの平均二次粒子径が50nm以上であることが実際的である。また、前記平均二次粒子径が500nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがさらに好ましく、150nm以下であることが一層好ましく、120nm以下であることがより一層好ましく、110nm以下、さらには、100nm以下であってもよい。
加えて、本発明の樹脂組成物は、4mm厚さの多目的試験片に成形したときの、23℃におけるISO1791に従って測定したノッチ有シャルピー衝撃強さが10kJ/m2以上であることが好ましく、13kJ/m2以上であることがより好ましく、15kJ/m2以上であることがさらに好ましい。また、前記ノッチ有シャルピー衝撃強さの上限は、特に定めるものではないが、50kJ/m2以下が実際的である。
<ポリアセタール樹脂組成物の製造方法>
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、上述した必須成分および必要に応じ上述した任意の成分を含有させてなる。そしてその製造方法は任意であり、従来公知の任意の、樹脂組成物の製造方法を使用し、これらの原料を混合・混練すればよい。
混練機は、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等が例示される。混合・混練の各種条件や装置についても、特に制限はなく、従来公知の任意の条件から適宜選択して決定すればよい。混練はポリアセタール樹脂が溶融する温度以上、具体的にはポリアセタール樹脂の融解温度以上(一般的には180℃以上)で行うことが好ましい。
<成形品>
本発明の成形品は、本発明のポリアセタール樹脂組成物から形成される。また、本発明のポリアセタール樹脂組成物をペレタイズして得られたペレットは、通常、射出成形して成形品とされる。
すなわち、本発明の成形品の好ましい一例は、射出成形品である。射出成形品とは、射出成形により、成形された成形品であり、通常、金型内で溶融樹脂が合流する部分に脆弱部分(ウエルド部)が形成されてしまう。
本発明の成形品の厚さは、例えば、0.005〜20mmの部位を有することが好ましく、用途に応じて適当な厚みを選択できる。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、歯車状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状、キャップ状のもの等が挙げられる。本発明の成形品は、部品であっても、完成品であってもよい。
<用途>
本発明のポリアセタール樹脂組成物およびポリアセタール樹脂組成物から形成される成形品は、軟質性が求められる用途に広く用いられる。例えば、自動車部品、建材部品、電気・電子部品、事務機器部品、日用雑貨部品などが例示される。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[原料]
ポリアセタール樹脂(POM)
POM1:F20−03、三菱エンジニアリングプラスチックス社製
POM2:F10−01、三菱エンジニアリングプラスチックス社製
エラストマー1:コアがブタジエン由来の構成単位を含み、シェルがアクリル樹脂を含むコアシェル型エラストマー、カネカ社製、カネエースM910
エラストマー2:コアがブタジエン由来の構成単位を含み、シェルがアクリル樹脂を含むコアシェル型エラストマー、カネカ社製、カネエースM910改良品
エラストマー3:コアがシリコーンゴム、シェルがアクリル樹脂を含むコアシェル型エラストマー、メタブレン、三菱ケミカル社製、SX−006
エラストマー4:コアがシリコーンゴム、シェルがアクリル樹脂を含むコアシェル型エラストマー、メタブレン、三菱ケミカル社製、SRK−200
エラストマー5:熱可塑性ポリウレタン、BASF社製、品番:エラストランS80ASH10
[実施例1〜8、比較例1〜5、参考例1]
表1〜3に示す各成分を表1〜3に示す割合(質量部)で、川田製作所社製スーパーミキサーを用いて均一に混合した。得られた混合物をスクリュー径40mmのベント付き単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製「VS−40」)を用いて、シリンダー温度190℃、スクリュー回転数60rpm、吐出量18kg/時間で溶融せん断混合し、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
<曲げ弾性率>
上記で得られたペレットを、温度80℃の熱風循環式乾燥機にて4時間熱処理を行った。
次に、上記乾燥後のペレットを、射出成形機を用い、シリンダー温度195℃に設定し、金型温度を90℃に設定して、ISO9988−2規格に準拠して、射出成形した。こうして、4mm厚さの多目的試験片(ISO試験片)を得た。
次に、この4mm厚さの多目的試験片(ISO試験片)について、曲げ試験機である全自動曲げ試験機を用いて、ISO178に記載の方法に従って、曲げ試験速度2mm/分で曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。
上記で得られたペレットを、温度80℃の熱風循環式乾燥機にて4時間熱処理を行った。
射出成形機は、東芝機械社製、EC−100Sを用いた。全自動曲げ試験機は、島津製作所社製のものを用いた。
結果を下記表1〜3に示した。単位は、MPaで示した。
<ウエルド伸び>
上記で得られたペレットを、温度80℃の熱風循環式乾燥機にて4時間熱処理を行った。
次に、上記乾燥後のペレットを、射出成形機を用い、シリンダー温度195℃に設定し、金型温度を90℃に設定して、ウエルド部を中央に有するASTM引張試験片(厚み1.6mm)を作製し、ASTM D638に準じて、引張試験を行って、ウエルド伸びを測定した。
射出成形機は、東芝機械社製、EC−100Sを用いた。
結果を下記表1〜3に示した。単位は、%で示した。
<シャルピー衝撃強さ(ノッチ有)>
上記で得られたペレットを、温度80℃の熱風循環式乾燥機にて4時間熱処理を行った。
次に、上記乾燥後のペレットを、金型温度80℃、シリンダー温度190℃で、4mm厚さの多目的試験片に成形した後、東洋精機社製のノッチングツールを用いて長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの試験片を切り出し、先端半径r=0.25mmのノッチ加工を施した。その後、室温(23℃)にてISO179−1に準拠してシャルピー衝撃試験を行った。
結果を下記表1〜3に示した。単位は、kJ/m2で示した。
<エラストマーの平均二次粒子径>
上記で得られたペレットを、温度80℃の熱風循環式乾燥機にて4時間熱処理を行った。
次に、上記乾燥後のペレットを、射出成形機を用い、シリンダー温度195℃に設定し、金型温度を90℃に設定して、ウエルド部を中央に有するASTM引張試験片(厚み3.2mm)を作製した。
このASTM引張試験片から、成形時の流動方向に平行で、かつ、ウエルド部を含むようにダイヤモンドナイフで走査型電子顕微鏡(SEM)観察用試験片を切り出した。
得られたSEM観察用試験片の観察面に四酸化オスミウムを蒸着させた後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてSEM画像を取得した。
得られたSEM画像から、エラストマー由来の島状部の平均最大長さを、エラストマーの平均二次粒子径とした。
射出成形機は、東芝機械社製、EC−100Sを用いた。
四酸化オスミウムを蒸着の蒸着は、メイワフォーシス社製「オスミウムコータ」を用いて8mA、60秒の条件で行った。走査型電子顕微鏡は、日立ハイテクノロジーズ製「走査型電子顕微鏡(SEM)S−4800」を用い、加速電圧:1kV、信号:LA100(U)、エミッション電流:6μA、プローブ電流:Normalの条件でSEM画像を取得した。
結果を下記表1〜3に示した。単位はμmで示した。
Figure 2021011562
Figure 2021011562
Figure 2021011562

Claims (7)

  1. ポリアセタール樹脂と、コアシェル型エラストマーを含む樹脂組成物であって、
    前記樹脂組成物を4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO178に従って測定した曲げ弾性率が1700MPa以下であり、かつ、前記樹脂組成物を、ウエルド部を中央に有する1.6mm厚さの試験片に成形し、ASTM D638に従い10mm/分で引張った時のウエルド伸びが20%以上である、樹脂組成物。
  2. 前記コアシェル型エラストマーが、ブタジエン含有ゴムを含み、シェル部にアクリル樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記樹脂組成物は、前記ポリアセタール樹脂60〜95質量%と、前記コアシェル型エラストマー40〜5質量%を含む(ただし、ポリアセタール樹脂とコアシェル型エラストマーの合計が100質量%を超えることはない)、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記樹脂組成物は、前記ポリアセタール樹脂70〜95質量%と、前記コアシェル型エラストマー30〜5質量%を含む(ただし、ポリアセタール樹脂とコアシェル型エラストマーの合計が100質量%を超えることはない)、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  5. 前記樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタンを含まないか、熱可塑性ポリウレタンの含有量が、前記コアシェル型エラストマーの含有量の3質量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された成形品。
  7. 射出成形品である、請求項6に記載の成形品。
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