JP2021011029A - 成形構造体の製造方法及び成形構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材におけるヒケの発生を抑制すること。成形時において射出した樹脂の漏れを抑制すること。【解決手段】繊維基材10と、繊維基材10における薄肉状の薄肉部12に設けられた樹脂凸部20と、を備える成形構造体1の製造方法において、凹部53の周囲の成形面50Aが他部よりも盛り上がってなる盛上部52を備える一対の成形型2を型閉じすることで、繊維と樹脂とにより構成されたプレボードPを一対の成形型2で押圧し、薄肉部12を備えた繊維基材10を形成する繊維基材形成工程と、プレボードPを一対の成形型2で押圧しつつ、凹部53に樹脂凸部20を構成する樹脂を射出して薄肉部12に樹脂凸部20を形成する射出工程と、を含み、繊維基材形成工程において、一対の成形型2を型閉じするときに、凹部53内からスライド型60をスライドさせて、プレボードPの一部を押圧すること。【選択図】図5
Description
本発明は、成形構造体の製造方法及び成形構造体に関する。
従来、成形構造体の製造方法として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の成形構造体の製造方法では、繊維と樹脂とにより構成されたプレボードを成形型によってプレス成形することで基材を成形する基材成形工程と、 成形型によって基材がプレスされた状態で、成形型に形成されたキャビティ内に溶融樹脂を射出することで、成形体と基材とが接合部で接合された状態で成形する成形体成形工程と、を備えることが開示されている。また、基材成形工程では、基材における接合部の周囲に位置する第1周囲部の板厚が、第1周囲部の周囲に位置する第2周囲部の板厚よりも小さくなるようにプレス成形することで、第1周囲部の密度を第2周囲部の密度よりも高くすることが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、成形型によって基材がプレスされたときに、基材を構成する樹脂がランナーやキャビティに流動することで、接合部の密度が低下し、基材にヒケが生じて意匠性が低下してしまうことがある。このような樹脂の流動を防ぐために、例えば第1周囲部の板厚が比較的厚くなるようにプレス成形することが考えられるが、その場合、ランナーやキャビティに溶融樹脂を射出したときに、当該溶融樹脂が基材と成形型との間から漏れる虞がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、基材におけるヒケの発生を抑制することを目的の一つとする。また、成形時において射出した樹脂の漏れを抑制することをさらなる目的の一つとする。
本発明は、少なくとも繊維と樹脂とにより構成された繊維基材と、少なくとも樹脂により構成され、前記繊維基材における薄肉状の薄肉部に設けられた樹脂凸部と、を備える成形構造体の製造方法において、一対の成形型であって、少なくとも一方の成形型の成形面に凹部を備え、前記凹部の周囲の成形面が他部よりも盛り上がってなる盛上部とされた一対の成形型を型閉じすることで、少なくとも前記繊維と前記樹脂とにより構成されたプレボードを前記一対の成形型で押圧し、前記盛上部に相当する位置に前記薄肉部を備えた繊維基材を形成する繊維基材形成工程と、前記プレボードを前記一対の成形型で押圧しつつ、前記凹部に前記樹脂凸部を構成する前記樹脂を射出して前記薄肉部に前記樹脂凸部を形成する射出工程と、を含み、前記繊維基材形成工程において、前記一対の成形型を型閉じするときに、前記凹部内からスライド型をスライドさせて、前記プレボードの一部を押圧することに特徴を有する。
このような成形構造体の製造方法によると、繊維基材形成工程において薄肉部を備えた繊維基材を形成するときに、プレボードが盛上部で押圧されることで繊維基材を構成する樹脂(以下、基材樹脂と呼ぶ)が凹部に流動するような自体が生じ得る場合でも、一対の成形型を型閉じするときに、凹部内からスライド型をスライドさせてプレボードの一部を押圧することで、凹部に流動する基材樹脂を繊維基材側に押し戻し、薄肉部における密度の低下を抑制することができる。また、凹部に流動しようとする基材樹脂の一部が、スライド型の側方部と凹部との隙間に流動したとしても、当該隙間に流動した基材樹脂が、射出工程において凹部に射出される樹脂をせき止めることができる。これにより、凹部に射出される樹脂が、繊維基材と成形型との間から漏れることを抑制することができる。
また上記工程において、前記凹部は、所定方向に長手状をなすとともに、前記成形型において、前記凹部の長手方向の端部には、前記繊維基材に取り付ける樹脂成形体を成形するための成形体凹部が形成されており、前記凹部が、前記成形体凹部に樹脂を導くためのランナーとされていることに特徴を有する。
薄肉部と、ランナーに射出される樹脂からなる樹脂凸部との接合部付近においては、一般的にランナーが所定方向に長手状をなす形で、比較的広範囲に亘って設けられているので、繊維基材のヒケやランナーからの樹脂漏れが発生しやすい。しかし、上記のような成形構造体の製造方法によると、薄肉部と樹脂凸部との接合部付近であったとしても、繊維基材のヒケやランナーのからの樹脂漏れを好適に防ぐことができる。
また、本発明は、少なくとも繊維と樹脂とにより構成され、薄肉状の薄肉部を有する繊維基材と、少なくとも樹脂により構成され、前記薄肉部に設けられた樹脂凸部と、を備える成形構造体において、前記樹脂凸部は、前記薄肉部の板面における所定方向に長手状をなす形とされ、前記薄肉部は、前記樹脂凸部と接合した接合部を備え、前記接合部は、前記所定方向に交わる方向の端部において前記樹脂凸部側に突出し、前記所定方向に延在する突条部を備えることに特徴を有する。
このような成形構造体によると、繊維基材を形成するためのプレボードを一対の成形型で押圧しつつ、凹部に樹脂を射出して成形構造体を形成する場合に、射出される樹脂を突条部でせき止めることができる。これにより、凹部に射出される樹脂が、繊維基材と成形型との間から漏れることを抑制することができる。また、接合部が突条部を備えることで、樹脂凸部と接合部とが接する面積が増加し、接合強度が向上する。
本発明によれば、基材におけるヒケの発生を抑制することが可能となる。また、成形時において射出した樹脂の漏れを抑制することが可能となる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図8によって説明する。本実施形態では、乗物としての自動車(車両)のドアに取り付けられる内装材としてのドアトリム(成形構造体)1を例示する。尚、後述する樹脂凸部20が延びる方向をX方向、ドアトリム1の板面においてX方向に直交する方向をY方向、これらX方向及びY方向がなす平面に直交する方向をZ方向とする。また、図1では、上方をドアトリム1の裏面側(車室外側)の方向とし、図2から図8では、下方をドアトリム1(プレボードP)の裏面側の方向とする。
本発明の実施形態1を図1から図8によって説明する。本実施形態では、乗物としての自動車(車両)のドアに取り付けられる内装材としてのドアトリム(成形構造体)1を例示する。尚、後述する樹脂凸部20が延びる方向をX方向、ドアトリム1の板面においてX方向に直交する方向をY方向、これらX方向及びY方向がなす平面に直交する方向をZ方向とする。また、図1では、上方をドアトリム1の裏面側(車室外側)の方向とし、図2から図8では、下方をドアトリム1(プレボードP)の裏面側の方向とする。
図1に示すように、ドアトリム1は、繊維と樹脂とから構成される板状の繊維基材10と、樹脂から構成され、繊維基材10に立設した円錐形状のブラケット(樹脂成形体)22と、を備える。繊維基材10を構成する繊維としては、木材等を解織して得た木質繊維やケナフ等の靭皮植物繊維等を採用することができる。繊維基材10を構成する樹脂(以下、基材樹脂と呼ぶ)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等の熱可塑性樹脂を採用することができる。
繊維基材10は、後述する繊維基材形成工程(図5参照)にて、プレボードPを成形型2で押圧することで得られる。プレボードPは、上述した繊維と基材樹脂とを混合した材料をマット化させた後に得られた積層体を板状に成形した板状体である。
繊維基材10は、他部(一般面部)11よりも板厚が薄い薄肉状の薄肉部12を備える。薄肉部12には、当該薄肉部12の裏面においてX方向に長手状をなす凸状体(リブ)であって、ブラケット22に繋がる樹脂凸部20が設けられている。薄肉部12は、樹脂凸部20が延びるX方向に沿って、樹脂凸部20を当該薄肉部12の板面の内側の領域に含む形で広がっている。樹脂凸部20は、ブラケット22を構成する樹脂と同一の樹脂であり、後述する射出工程(図7参照)において射出装置3からランナー53に射出される樹脂からなる(以下、樹脂凸部20及びブラケット22を構成する樹脂を、射出樹脂と呼ぶ)。射出樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等の熱可塑性樹脂を採用することができる。射出樹脂は、基材樹脂と同一の樹脂であってもよく、基材樹脂と異なる樹脂であってもよい。
図8では、後述するドアトリム1の製造方法において、ドアトリム1を成形型2から外した状態を断面図で示している。ドアトリム1の繊維基材10において、薄肉部12は、樹脂凸部20と接合した接合部13を備える。接合部13では、樹脂凸部20の射出樹脂が接合部13の裏面に接着するとともに、射出樹脂の一部が接合部13に含浸している。接合部13は、Y方向の両側の端部において、樹脂凸部20側(下側)に入り込む形で突出し、互いに平行となる形でX方向(紙面手前側の方向から紙面奥側の方向)に延在する2つの突条部14,14を備える。突条部14,14は、樹脂凸部20が薄肉部12から立設する基端となる基端部21において、Y方向における両側の側部に入り込んでいる。
続いて、ドアトリム1を製造する成形型2について説明する。図2及び図3に示すように、成形型2は、上方に配され、プレボードPを繊維基材10(図1参照)における表面(車室内側の面)となる面側から押圧する上型40と、上型40に対向するように下方に配され、プレボードPを繊維基材10における裏面(車室外側の面)となる面側から押圧する下型50と、を備える。従って、成形型2は、上型40及び下型50からなる一対の成形型である(以下、単に成形型2と呼ぶ)。尚、下型50は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等)によって、上型40に対し上下方向へ移動が可能な可動型とされる。
図2に示すように、下型50は、射出装置3から射出される射出樹脂が流通する部分であるスプルー54及びランナー(凹部)53と、ブラケット22(図1参照)を成形するための空間(キャビティ)を形成する成形体凹部51と、を備える。ランナー53は、X方向に長手状をなし、下方に窪んだ凹状の部分であり、一方の端部(右側の端部)がスプルー54に連通し、他方の端部(左側の端部)が成形体凹部51に連通している。ランナー53は、射出装置3から射出される射出樹脂を成形体凹部51に導くための流路であり、下型50において、プレボードPを押圧する面の成形面50Aに設けられている。
図3に示すように、下型50は、ランナー53の周囲の成形面50Aが他部よりも盛り上がってなる盛上部52を備える。盛上部52は、成形面50Aが他部よりも上型40に近接した部分であるともいえる。図2及び図3に示すように、下型50は、ランナー53の内部(下側)において、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等)によって上型40に対し近接(前進)又は離間(後退)する形でスライド可能なスライド型60を備える。スライド型60において、上型40に対向する面の成形面60Aは、ランナー53の下面をなしており、射出樹脂の流路を形成する壁面の一部を構成する。図2に示すように、スライド型60は、下型50においてランナー53がX方向に延設する部分の略全域に亘って設けられている。
続いて、成形型2を用いてドアトリム1を製造する製造方法について説明する。ドアトリム1の製造方法は、大別すると、プレボードPを成形型2で押圧し、繊維基材10を形成する繊維基材形成工程と、プレボードPを成形型2で押圧しつつ、射出樹脂を射出して樹脂凸部20を形成する射出工程と、を含む。
まず、図2に示すように、繊維基材形成工程では、下型50を上型40から離間した状態(以下、型開き状態と呼ぶ)において、上型40と下型50との間にプレボードPを配する。図3に示すように、型開き状態では、スライド型60を上型40から後退した位置(以下、初期位置と呼ぶ)に配する。
次に、図4に示すように、下型50を上型40に対し徐々に近接させ、盛上部52における成形面50Aを、プレボードPの裏面に当接させる。このとき、スライド型60を上型40に対し前進させ、スライド型60の成形面60Aを、プレボードPの裏面に当接させる。
そして、図5に示すように、プレボードPが所定の厚みになるまで、下型50を上型40に対し更に近接させ、プレボードPを上型40及び下型50で押圧する(この状態を、型閉じ状態と呼ぶ)。型閉じ状態では、プレボードPが成形型2で押圧されることで、繊維基材10が形成される。又、盛上部52がプレボードPを押圧することで、当該盛上部52に押圧された部分が他部(一般面部)11よりも薄肉状となった薄肉部12が形成される。
このとき、スライド型60の成形面60Aが、盛上部52における成形面50Aと面一の高さとなるまで、スライド型60を上型40に対し前進させる。そして、プレボードPにて、薄肉部12となる部分の板面方向における内側の部分を、前進したスライド型60によって押圧する。すると、スライド型60のY方向における側方部とランナー53との隙間に、プレボードPを構成する基材樹脂や繊維が入り込む形で流動し、突条部14,14が形成される。その後、図6に示すように、成形型2でプレボードPを押圧しつつ、スライド型60を初期位置まで後退させる。
図7に示すように、射出工程では、プレボードPを成形型2で押圧しつつ、射出装置3(図2参照)から溶融した射出樹脂を射出する。射出樹脂は、スプルー54とランナー53を流通した後、成形体凹部51に到達してキャビティを充満する。ランナー53では、射出樹脂が薄肉部12に接着するとともに、射出樹脂の一部が薄肉部12に含浸することで、樹脂凸部20が形成される。そして、成形型2を所定時間保圧して基材樹脂及び射出樹脂を硬化させた後、図8に示すように、成形型2を型開き状態にして、ドアトリム1を得る。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、繊維と基材樹脂とにより構成された繊維基材10と、射出樹脂により構成され、繊維基材10における薄肉状の薄肉部12に設けられた樹脂凸部20と、を備えるドアトリム1の製造方法において、一対の成形型2(上型40及び下型50)であって、一方の成形型2(下型50)の成形面50Aに凹部53を備え、凹部53の周囲の成形面50Aが他部よりも盛り上がってなる盛上部52とされた一対の成形型2を型閉じすることで、繊維と基材樹脂とにより構成されたプレボードPを一対の成形型2で押圧し、盛上部52に相当する位置に薄肉部12を備えた繊維基材10を形成する繊維基材形成工程と、プレボードPを一対の成形型2で押圧しつつ、凹部53に樹脂凸部20を構成する射出樹脂を射出して薄肉部12に樹脂凸部20を形成する射出工程と、を含み、繊維基材形成工程において、一対の成形型2を型閉じするときに、凹部53内からスライド型60をスライドさせて、プレボードPの一部を押圧することを示した。
このようなドアトリム1の製造方法によると、繊維基材形成工程において薄肉部12を備えた繊維基材10を形成するときに、プレボードPが盛上部52で押圧されることで繊維基材10を構成する基材樹脂が凹部53に流動するような自体が生じ得る場合でも、一対の成形型2を型閉じするときに、凹部53内からスライド型60をスライドさせてプレボードPの一部を押圧することで、凹部53に流動する基材樹脂を繊維基材10側に押し戻し、薄肉部12における密度の低下を抑制することができる。また、凹部53に流動しようとする基材樹脂の一部が、スライド型60の側方部と凹部53との隙間に流動したとしても、当該隙間に流動した基材樹脂が、射出工程において凹部53に射出される樹脂をせき止めることができる。これにより、凹部53に射出される樹脂が、繊維基材10と成形型2との間から漏れることを抑制することができる。
また、凹部53は、X方向に長手状をなすとともに、成形型2において、凹部53の長手方向の端部には、繊維基材10に取り付けるブラケット22を成形するための成形体凹部51が形成されており、凹部53が、成形体凹部53に樹脂を導くためのランナー53とされている。
薄肉部12と、ランナー53に射出される射出樹脂からなる樹脂凸部20との接合部13付近においては、ランナー53が所定方向に長手状をなす形で、比較的広範囲に亘って設けられているので、繊維基材10のヒケやランナー53からの樹脂漏れが発生しやすい。しかし、上記のようなドアトリム1の製造方法によると、薄肉部12と樹脂凸部20との接合部13付近であったとしても、繊維基材10のヒケやランナー53のからの樹脂漏れを好適に防ぐことができる。
また、本実施形態は、繊維と基材樹脂とにより構成され、薄肉状の薄肉部12を有する繊維基材10と、射出樹脂により構成され、薄肉部12に設けられた樹脂凸部20と、を備えるドアトリム1において、樹脂凸部20は、薄肉部12の板面におけるX方向に長手状をなす形とされ、薄肉部12は、樹脂凸部20と接合した接合部13を備え、接合部13は、Y方向の端部において樹脂凸部20側に突出し、X方向に延在する突条部14,14を備える。
このようなドアトリム1によると、繊維基材10を形成するためのプレボードPを一対の成形型2で押圧しつつ、凹部53に射出樹脂を射出してドアトリム1を形成する場合に、射出樹脂を突条部14,14でせき止めることができる。これにより、凹部53に射出される射出樹脂が、繊維基材10と成形型2との間から漏れることを抑制することができる。また、接合部13が突条部14,14を備えることで、樹脂凸部20と接合部13とが接する面積が増加し、接合強度が向上する。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図9および図10によって説明する。本実施形態では、実施形態1とは製造工程が異なるドアトリム(成形構造体)101の製造方法及びドアトリム101を例示する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
次に、本発明の実施形態2を図9および図10によって説明する。本実施形態では、実施形態1とは製造工程が異なるドアトリム(成形構造体)101の製造方法及びドアトリム101を例示する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
型閉じ状態では、プレボードPが成形型2で押圧されることで、薄肉部112を備える繊維基材110が形成される。このとき、スライド型60の成形面60Aが、盛上部52における成形面50Aを越える高さ(成形面50Aよりも上型40に近接する高さ)となるまで、スライド型60を上型40に対し前進させる。そして、プレボードPにて、薄肉部112となる部分の板面方向における内側の部分を、前進したスライド型60によって押圧する。すると、スライド型60のY方向における側方部とランナー53との隙間に、プレボードPを構成する基材樹脂や繊維が入り込む形で流動し、突条部114,114が形成される。
その後、成形型2でプレボードPを押圧しつつ、スライド型60を初期位置まで後退させ、射出装置3(図2参照)から溶融した射出樹脂を射出する。ランナー53では、射出樹脂が薄肉部112に接着するとともに、射出樹脂の一部が薄肉部112に含浸することで、樹脂凸部120が形成される。そして、成形型2を所定時間保圧して基材樹脂及び射出樹脂を硬化させた後、図10に示すように、成形型2を型開き状態にして、ドアトリム101を得る。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、樹脂凸部は、ブラケットに繋がる凸状体としたが、これに限られない。例えば、樹脂凸部は、ボスやその他の樹脂成形体に繋がる凸状体(リブ)であってもよい。
(2)上記実施形態以外にも、樹脂凸部の形状は適宜変更可能である。例えば、樹脂凸部は、X方向に延設して長手状をなすとともに、Y方向に直角に曲がり、ブラケット等の樹脂成形体に繋がる形をなしていてもよい。
(3)上記実施形態では、成形構造体は、ドアトリムとしたが、これに限られない。例えば、成形構造体は、インストルメントパネルやルーフパネル等、その他の乗物用内装材であってもよい。
(4)上記実施形態以外にも、スライド型をスライドさせる工程は適宜変更可能である。例えば、盛上部がプレボードを押圧した後に(型閉じ状態になった後に)、スライド型を初期位置から前進させて、プレボードを押圧することとしてもよい。
(5)上記実施形態で例示した成形構造体の製造方法及び成形構造体は、車両用に提供されるもの限られず、種々の乗物において提供されるものであってもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記成形構造体の製造方法及び成形構造体を適用することができる。
1,101…ドアトリム(成形構造体)、2…成形型、10,110…繊維基材、12,112…薄肉部、13,113…接合部、14,114…突条部、20,120…樹脂凸部、22…ブラケット(樹脂成形体)、50A…成形型の成形面、51…成形体凹部、52…盛上部、53…ランナー(凹部)、60…スライド型、P…プレボード
Claims (3)
- 少なくとも繊維と樹脂とにより構成された繊維基材と、
少なくとも樹脂により構成され、前記繊維基材における薄肉状の薄肉部に設けられた樹脂凸部と、を備える成形構造体の製造方法において、
一対の成形型であって、少なくとも一方の成形型の成形面に凹部を備え、前記凹部の周囲の成形面が他部よりも盛り上がってなる盛上部とされた一対の成形型を型閉じすることで、少なくとも前記繊維と前記樹脂とにより構成されたプレボードを前記一対の成形型で押圧し、前記盛上部に相当する位置に前記薄肉部を備えた繊維基材を形成する繊維基材形成工程と、
前記プレボードを前記一対の成形型で押圧しつつ、前記凹部に前記樹脂凸部を構成する前記樹脂を射出して前記薄肉部に前記樹脂凸部を形成する射出工程と、を含み、
前記繊維基材形成工程において、前記一対の成形型を型閉じするときに、前記凹部内からスライド型をスライドさせて、前記プレボードの一部を押圧することを特徴とする成形構造体の製造方法。 - 前記凹部は、所定方向に長手状をなすとともに、
前記成形型において、前記凹部の長手方向の端部には、前記繊維基材に取り付ける樹脂成形体を成形するための成形体凹部が形成されており、
前記凹部が、前記成形体凹部に樹脂を導くためのランナーとされていることを特徴とする請求項1に記載の成形構造体の製造方法。 - 少なくとも繊維と樹脂とにより構成され、薄肉状の薄肉部を有する繊維基材と、
少なくとも樹脂により構成され、前記薄肉部に設けられた樹脂凸部と、を備える成形構造体において、
前記樹脂凸部は、前記薄肉部の板面における所定方向に長手状をなす形とされ、
前記薄肉部は、前記樹脂凸部と接合した接合部を備え、
前記接合部は、前記所定方向に交わる方向の端部において前記樹脂凸部側に突出し、前記所定方向に延在する突条部を備えることを特徴とする成形構造体。
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JP7582047B2 (ja) | 2021-04-26 | 2024-11-13 | トヨタ紡織株式会社 | 樹脂成形体付基材および樹脂成形体付基材の製造方法 |
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