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JP2021006333A - 汚染地盤の浄化方法 - Google Patents

汚染地盤の浄化方法 Download PDF

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JP2021006333A
JP2021006333A JP2019120619A JP2019120619A JP2021006333A JP 2021006333 A JP2021006333 A JP 2021006333A JP 2019120619 A JP2019120619 A JP 2019120619A JP 2019120619 A JP2019120619 A JP 2019120619A JP 2021006333 A JP2021006333 A JP 2021006333A
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須美夫 山本
Sumio Yamamoto
須美夫 山本
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Abstract

【課題】地中のVOCsを効果的に気化することができると共に地中および地表が水浸しになることがない汚染地盤の浄化方法を提供すること。【解決手段】地中Mに貫入された試錐管3にその長手方向と交差する方向に穿設された貫通孔3aを介して、可燃性ガスを燃焼させた燃焼ガスを地中Mに供給する。試錐管3から離間した位置で、かつ、試錐管3を囲繞するように地中Mに貫入された複数の試錐管5にその長手方向と交差する方向に穿設された貫通孔5aを介して、地中Mに存在する気体を吸引して地上に回収する。【選択図】図2

Description

本発明は、汚染地盤の浄化方法に関し、特に、汚染領域の地盤に貫入された試錐管を介して汚染領域の地中に高温の気体を供給して地中を昇温することで地中に存在する汚染物質を気化し、地上に回収するようにした汚染地盤の浄化方法に関するものである。
特許文献1に示されている従来の汚染地盤の浄化方法においては、主に、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の揮発性有機化合物(volatile organic compounds 以下「VOCs」という。)からなる汚染物質によって汚染された地中に複数の試錐管を貫入し、これらの試錐管を介して、オゾン含有ガスと空気と高温の水蒸気とを地中に供給することで汚染地盤を浄化するようにしている。
特開2018−61915号公報
しかしながら、従来の汚染地盤の浄化方法では、高温の水蒸気の供給によってVOCsを気化することはできるものの、水蒸気はその温度が次第に低下し液化して水に変化するので、長い時間、高温を維持することができず、地中のVOCsを効果的に気化することができなかった。
また、水蒸気が水に変化することで、浄化の作業時間が経過するにつれて多量の水が地中に供給されることとなり、地中に収容できなかった水が地表にも溢れ出て水浸しになるという問題があった。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、地中のVOCsを効果的に気化することができると共に地中および地表が水浸しになることがない汚染地盤の浄化方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る汚染地盤の浄化方法は、地中に貫入された第一の試錐管にその長手方向と交差する方向に穿設された注入孔を介して、可燃性ガスを燃焼させた燃焼ガスを地中に供給する燃焼ガス供給工程と、前記第一の試錐管から離間した位置で、かつ、該第一の試錐管を囲繞するように地中に貫入された複数の第二の試錐管にその長手方向と交差する方向に穿設された注入孔を介して、地中に存在する気体を吸引して地上に回収する気体回収工程とを備えたものである。
請求項2に記載した発明に係る汚染地盤の浄化方法は、請求項1に記載の汚染地盤の浄化方法において、前記燃焼ガス供給工程では、前記第一の試錐管内に配設された燃焼触媒に、前記可燃性ガスを加熱装置により昇温させた状態で接触させることで前記可燃性ガスを燃焼させるようにしたことを特徴とするものである。
請求項3に記載した発明に係る汚染地盤の浄化方法は、請求項2に記載の汚染地盤の浄化方法において、前記燃焼触媒は、無数の小片体からなることを特徴とするものである。
請求項4に記載した発明に係る汚染地盤の浄化方法は、請求項2または請求項3に記載の汚染地盤の浄化方法において、前記加熱装置は、前記可燃性ガスが前記第一の試錐管内を流れる経路から見て、前記燃焼触媒より上流側で、かつ、前記燃焼触媒に近接した位置の前記第一の試錐管内に配設されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載した発明に係る汚染地盤の浄化方法は、請求項1ないし請求項4のうち何れか一つに記載の汚染地盤の浄化方法において、前記気体回収工程により地上に回収した気体に、組成ガスとしてオゾンを含むオゾン含有ガスを混入させて前記気体を浄化するオゾン浄化工程をさらに備えていることを特徴とするものである。
請求項6に記載した発明に係る汚染地盤の浄化方法は、請求項5に記載の汚染地盤の浄化方法において、前記オゾン浄化工程による浄化後の気体を、アルカリ化合物を含有するアルカリ担持体と接触させて浄化するアルカリ浄化工程をさらに備えていることを特徴とするものである。
請求項7に記載した発明に係る汚染地盤の浄化方法は、請求項6に記載の汚染地盤の浄化方法において、前記アルカリ浄化工程による浄化後の気体に前記オゾン含有ガスを再び混入させて浄化する追加のオゾン浄化工程と、前記追加のオゾン浄化工程による浄化後の気体を、アルカリ化合物を含有する他のアルカリ担持体と接触させて浄化する追加のアルカリ浄化工程とをさらに備え、前記追加のオゾン浄化工程と前記追加のアルカリ浄化工程とからなる1組の浄化工程を1回または複数回続けて行うことを特徴とするものである。
請求項8に記載した発明に係る汚染地盤の浄化方法は、請求項6または請求項7に記載の汚染地盤の浄化方法において、前記オゾン浄化工程による浄化後の気体を前記アルカリ浄化工程により浄化するために接触させている前記アルカリ担持体を、所定のタイミングで別のアルカリ担持体に切り替えるようにしたことを特徴とするものである。
請求項9に記載した発明に係る汚染地盤の浄化方法は、請求項8に記載の汚染地盤の浄化方法において、前記所定のタイミングは、当該アルカリ浄化工程の直前のオゾン浄化工程による浄化後の気体を予め設定された容量または時間だけ当該アルカリ浄化工程で前記アルカリ担持体と接触させたときとすることを特徴とするものである。
請求項10に記載した発明に係る汚染地盤の浄化方法は、請求項6ないし請求項9のうち何れか一つに記載の汚染地盤の浄化方法において、前記アルカリ浄化工程による浄化後の気体を大気に放出する前に、該気体中に残留するオゾンを、無機触媒を含有する無機触媒担持体と接触させて酸素に分解する残留オゾン分解工程をさらに備え、前記残留オゾン分解工程を実施した後の気体を大気に放出するようにしたことを特徴とするものである。
請求項1記載の発明によれば、可燃性ガスを燃焼させた燃焼ガスを地中に供給するので、その燃焼ガスの高温により地中のVOCsを効果的に気化することができると共に、供給する燃焼ガスは水蒸気ではないので地中および地表が水浸しになることもない。
また、第一の試錐管にその長手方向と交差する方向に穿設された注入孔を介して高温の燃焼ガスを地中に供給するので、第一の試錐管とその試錐管を囲繞するように貫入された複数の第二の試錐管との間の地中に存在するVOCsを効果的に気化することができる。
また、第一の試錐管から離間した位置で、かつ、第一の試錐管を囲繞するように貫入された複数の第二の試錐管を介して、地中に存在する気体を吸引して地上に回収するので、第一の試錐管と第二の試錐管との間の地中に存在するVOCsで気化されたものを確実に吸引することができる。
請求項2記載の発明によれば、可燃性ガスを加熱装置により昇温させた状態で燃焼触媒に接触させて燃焼させるようにしたので、可燃性ガスを確実に燃焼させることができる。
また、燃焼触媒は第一の試錐管内に配設されているので、可燃性ガスを燃焼触媒に接触させて燃焼させた燃焼ガスをその温度を低下させることなく高温のまま第一の試錐管から地中に供給することができる。
請求項3記載の発明によれば、燃焼触媒は、無数の小片体からなるので、可燃性ガスを燃焼触媒に効果的に接触させることができる。
請求項4記載の発明によれば、加熱装置は、燃焼触媒より上流側で、かつ、燃焼触媒に近接した位置に配設されているので、加熱装置により昇温させた状態の可燃性ガスをその温度を低下させることなく高温のまま燃焼触媒に接触させることができる。このため、燃焼触媒により可燃性ガスを確実に燃焼させることができる。
請求項5記載の発明によれば、地上に回収した気体に、組成ガスとしてオゾンを含むオゾン含有ガスを混入させて気体を浄化するようにしたので、オゾン含有ガスによる浄化を地上で行うことができ、オゾン含有ガスを無駄なく浄化のために寄与させることができる。
請求項6記載の発明によれば、オゾン浄化工程による浄化後の気体を、アルカリ化合物を含有するアルカリ担持体と接触させて浄化するようにしたので、VOCsがオゾンにより酸化分解されて生成された塩素や塩酸をアルカリ化合物と中和させて無害な安定化合物にすることができる。
請求項7記載の発明によれば、アルカリ浄化工程による浄化後の気体にオゾン含有ガスを再び混入させて浄化すると共に、その浄化後の気体を、アルカリ化合物を含有する他のアルカリ担持体と接触させて浄化するようにしたので、地上に回収した気体をより確実に浄化することができる。
請求項8記載の発明によれば、アルカリ担持体を所定のタイミングで別のアルカリ担持体に切り替えるようにしたので、浄化のために必要なアルカリ化合物が不足することが回避される。
請求項9記載の発明によれば、所定のタイミングは、直前のオゾン浄化工程による浄化後の気体を予め設定された容量または時間だけアルカリ浄化工程でアルカリ担持体と接触させたときとしたので、アルカリ化合物が不足する前の適切なタイミングまでアルカリ担持体を浄化のために使用することができる。
請求項10記載の発明によれば、気体中に残留するオゾンを、無機触媒を含有する無機触媒担持体と接触させて酸素に分解してから大気に気体を放出するようにしたので、残留オゾンにより大気を汚染させずに済む。
本発明の第1の実施の形態に係る汚染地盤の浄化方法を実施するために複数の試錐管が貫入された汚染領域の地面を上方から見た状態を示した図である。 本発明の第1の実施の形態に係る汚染地盤の浄化方法を実施する際に使用する各種装置が試錐管に接続された状態を、一部を破断して示した図である。 図2の一部を拡大して示した図である。 図2の他の一部を拡大して示した図である。 本発明の第1の実施の形態に係る汚染地盤の浄化方法を、図1に示した地面の一部の領域について実施するために、各種機器が設置された地面を上方から見た状態を模式的に示した図である。 図2、図4および図5に示す浄化装置の詳細な構成を示した図である。 図(1)は図6において一点鎖線で囲んだ部分を拡大して示した図であり、図(2)は図6において二点鎖線で囲んだ部分を拡大して示した図である。
本発明の第1の実施の形態に係る汚染地盤の浄化方法を実施する際に使用する加熱装置の電熱器と熱交換器とが一体化された状態を、熱交換器を破断して示した図である。 図8に示した加熱装置の電熱器と熱交換器とを、それらが一体化される前のものを示した図である。 本発明の第1の実施の形態に係る汚染地盤の浄化方法を実施するに当たり汚染領域を特定するために、調査する複数の地点が設定された地面を上方から見た状態を示した図である。 本発明の第2の実施の形態に係る汚染地盤の浄化方法を実施するために地面に複数の試錐管を貫入した汚染領域の一部を、その地面の上方から見た状態を示した図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態(以下「第1実施形態」という。)に係る汚染地盤の浄化方法の一例を図1ないし図10を参照して詳細に説明する。なお、図面については、作図の都合上、それぞれの構成部材の縮尺の比率を互いに異ならせて図示している場合がある。
図1は、汚染地盤の浄化方法を実施する箇所の地面を上方から見た状態を示しており、図1において符号Rで示すものは、主に、VOCsからなる汚染物質によって地中Mの土壌が汚染されている領域を含む領域を示している。この領域R内には、地面上において一辺が一定の長さL1(例えば1メートル)を有する略正六角形状からなる小領域が隙間なく四方八方に地面上に連続してハニカム状に複数設定されている。これらの小領域は、図1では説明を簡単にするために10箇所(小領域R1ないしR10)に設定したものを図示している。
前記小領域R1ないしR10におけるそれぞれの略正六角形状の中心に相当する地点O1ないしO10に、互いに略平行に地中Mの所定の深度(例えば5ないし10メートルのうち何れかの深度)まで試錐管3がそれぞれ試錐装置(図示せず)により貫入されている。これらの試錐管3は、本発明でいう「第一の試錐管」を構成する。
一方、前記小領域R1ないしR10におけるそれぞれの略正六角形状の各頂点に相当する6箇所の地点A…にも、地点O1ないしO10に貫入された試錐管3と略平行に前記所定の深度より0.5ないし1メートルほど浅い深度まで地中Mに試錐管5がそれぞれ貫入されている。これらの試錐管5は、本発明でいう「第二の試錐管」を構成する。
なお、上述した略正六角形状の一辺の長さL1は、略正六角形状の中心に相当する地点O1ないしO10の試錐管3に、後述する混合ガス供給装置13により供給された空気とプロパンガスとの混合ガスが燃焼して生成された燃焼ガスが地中Mを流れて略正六角形状の各頂点に相当する地点Aの各試錐管5まで到達することができる長さに設定される。
各試錐管3および各試錐管5は、例えば、外径と内径がそれぞれ34ミリメートルと25ミリメートルで長さが1ないし2メートルの鉄製またはステンレス製の試錐短管を複数連結して長尺な1本の試錐管3および試錐管5として構成されている。試錐管3や試錐管5を地中Mに貫入するに連れて長さが不足する場合は、前記試錐短管を連結して継ぎ足しながら試錐管3や試錐管5を地中Mに貫入していく。連結する構成としては、前記試錐短管の両端部にそれぞれ雄ねじ部と雌ねじ部とが刻設された試錐短管同士を、一方の試錐短管の雄ねじ部と他方の試錐短管の雌ねじ部とを螺合させて互いに連結するようにしている。
図2ないし図4に示すように、各試錐管3および各試錐管5の先端部の雌ねじ部には、地中Mを掘削して地面Eに穴を穿つための掘削部材7が螺着されている。各試錐管3には、その長手方向と交差する方向に貫通孔3aがそれぞれ穿設され、各試錐管5には、その長手方向と交差する方向に貫通孔5aがそれぞれ穿設されている。詳細には、各試錐管3を構成する試錐短管のうち、掘削部材7が螺着された試錐短管の側面であって掘削部材7の近傍に複数の貫通孔3aが穿設され、各試錐管5を構成する試錐短管のうち、掘削部材7が螺着された試錐短管の側面であって掘削部材7の近傍に複数の貫通孔5aが穿設されている。
貫通孔3aは本発明でいう「第一の試錐管の注入孔」を構成し、貫通孔5aは本発明でいう「第二の試錐管の注入孔」を構成する。貫通孔3aおよび貫通孔5aは、前記試錐短管の軸芯に沿う方向から見て、該軸芯回りに角度が90度間隔で四方に向かってそれぞれ4個穿設されている。第1実施形態では、試錐管3の各試錐短管と試錐管5の各試錐短管とは、それぞれ互いに同一の材質、寸法および構造で構成されて試錐管3と試錐管5とは同一に構成されているが、これに限らず、試錐管3と試錐管5とが互いに異なる材質、寸法および構造で構成してもよい。
次に、汚染地盤の浄化方法の作業工程を実施するための機器について図1ないし図9を参照して説明する。地点O1ないしO10に貫入された試錐管3のうち、地点O1,O3,O8,O10に貫入された各試錐管3には混合ガス分岐管9および混合ガス集合管11を介して混合ガス供給装置13が接続されている(図2、図3および図5参照)。図2および図3に示すように、混合ガス供給装置13には、可燃性ガスが液体の状態で収容されたガスボンベ15がガス供給管17を介して接続され、かつ、制御盤19内の制御装置19aが電線21を介して電気的に接続されている。可燃性ガスとしては、例えばプロパン,プロピレン,ブタン,ブチレンまたはメタンを挙げることができる。
一方、小領域R1,R3,R8,R10におけるそれぞれの略正六角形状の各頂点に相当する6箇所の地点A…に貫入された各試錐管5には、吸引分岐管23および吸引集合管25を介して吸引ポンプ27が接続されている(図2、図4および図5参照)。吸引ポンプ27は、電線28を介して制御盤19内の制御装置19aに電気的に接続されている(図5参照)。なお、図5では作図の都合上、図1に示した小領域R1ないしR10のうち小領域R1ないしR3に関する部分だけを示している。
また、吸引ポンプ27には、浄化装置29の一部を構成する吸引ガス送出管31の一端部が接続されている(図6参照)。浄化装置29は、複数の機器によって構成されているので、図2、図4および図5では説明の都合上、二点鎖線で示している。
各試錐管3の上端部には、筒状の接続管33(図2および図3参照)の下部がそれぞれ螺着されている。前記各接続管33の上部および下部の内周面には雌ねじ部33a,33bがそれぞれ刻設され、各接続管33の下部の雌ねじ部33aには、各試錐管3の上端部の外周部に形成された雄ねじ部3bがそれぞれ気密に螺着されている。各接続管33の上部の雌ねじ部33bには、混合ガス分岐管9の一端部の外周面に刻設された雄ねじ部9aがそれぞれ気密に螺着されている。
混合ガス分岐管9の他端部は、混合ガス集合管11の長手方向中途部に接続され、該混合ガス集合管11はその端部が混合ガス供給装置13に接続されている。該混合ガス供給装置13では、ガス供給管17を介して供給された可燃性ガスと大気中の空気とが所定の容積比で混合されて混合ガスが生成され、該混合ガスは、混合ガス供給装置13内の加圧ポンプにより所定の圧力(例えば、0.6MPa(メガパスカル))に加圧されて、混合ガス集合管11,混合ガス分岐管9および接続管33をこれらの順に通過して各試錐管3内にそれぞれ供給される。可燃性ガスと空気との所定の容積比としては、例えば、可燃性ガスが1ないし10パーセントのうちの何れかの割合で残りが空気である容積比を挙げることができる。
また、各試錐管3内の下端部には、無数の粒状の小片体35a…からなる燃焼触媒35(図3中の一点鎖線の楕円で囲む部分を拡大して同図中に示した図を参照)が充填されている。各小片体35aは、例えば、白金,金,銀,パラジウム,ルテニウム,ロジウムの何れかの金属または、これらの金属のうち白金以外の金属と白金とを含む金属を、無数の粒状の担体の表面に担持させたものからなり、各小片体35aの大きさとしては、直径が2ないし4ミリメートルである。前記担体の形状としては、小片体35aの大きさと同程度の大きさを有する球状、ペレット状または破砕状でもよい。また、前記担体としては、例えば、活性アルミナやゼオライトを挙げることができる。
無数の小片体35a…が充填された各試錐管3内の領域の上方には、該領域とは上下方向に一定の間隙を隔てて加熱装置37がそれぞれ配設されている。加熱装置37の上端部にそれぞれの一端部が接続された一対の電線39,39の各他端部が、接続管33の長手方向中途部に穿設された連通孔33cを介して外部に延設され、その延設された各他端部が制御盤19内の制御装置19aにそれぞれ電気的に接続されている。なお、一対の電線39,39において、接続管33の連通孔33cに挿通された部位の外周部には、シール部材41が装着されており、一対の電線39,39とシール部材41との間およびシール部材41と連通孔33cとの間はそれぞれ気密にシールされている。
小領域R1ないしR10のうち小領域R1,R3,R8,R10におけるそれぞれの6箇所の地点A…に貫入された各試錐管5の上端部の外周部に形成された雄ねじ部5b(図4中の一点鎖線の楕円で囲む部分を拡大して同図中に示した図を参照)には、筒状の接続管45の下部内周面に刻設された雌ねじ部45aがそれぞれ気密に螺着されている。各接続管45の上部の内周面に刻設された雌ねじ部45bには、吸引分岐管23の一端部に形成された雄ねじ部23aがそれぞれ気密に螺着されている。
各吸引分岐管23の他端は吸引集合管25の一端や長手方向中途部にそれぞれ接続され、該吸引集合管25の他端は吸引ポンプ27に接続されている。各吸引分岐管23の長手方向中途部には第一電磁式切替弁49がそれぞれ配設され、各吸引分岐管23の他端(吸引集合管25に接続された部位)と各第一電磁式切替弁49との間に位置する各吸引分岐管23の長手方向中途部には、各吸引分岐管23内を通過するガスに含まれる気体状態のVOCsのガス濃度を計測する濃度計測装置51がそれぞれ配設されている。前記各第一電磁式切替弁49は、各吸引分岐管23内の流路を連通状態または遮断状態の何れか一方の状態に択一的に切り替えるもので、その切り替えはそれぞれ個別に行うことができる。
前記浄化装置29は、図6に示すように、一端が吸引ポンプ27に接続された吸引ガス送出管31と、該吸引ガス送出管31の他端にそれぞれの一端が第二電磁式切替弁53を介して接続された第一吸引ガス分岐管55および第二吸引ガス分岐管57と、第一吸引ガス分岐管55および第二吸引ガス分岐管57の各他端にそれぞれの一端が接続された一対の第一アルカリ浄化装置59,59と、該一対の第一アルカリ浄化装置59,59の他端にそれぞれの一端が接続された第三吸引ガス分岐管61および第四吸引ガス分岐管63と、第三吸引ガス分岐管61および第四吸引ガス分岐管63の各他端が合流接続されて該合流接続部に一端が接続された第一吸引ガス合流管65と、該第一吸引ガス合流管65の他端にそれぞれの一端が第三電磁式切替弁67を介して接続された第五吸引ガス分岐管69および第六吸引ガス分岐管71と、第五吸引ガス分岐管69および第六吸引ガス分岐管71の各他端にそれぞれの一端が接続された一対の第二アルカリ浄化装置73,73と、該一対の第二アルカリ浄化装置73,73のそれぞれの他端にそれぞれの一端が接続された第七吸引ガス分岐管75および第八吸引ガス分岐管77と、第七吸引ガス分岐管75および第八吸引ガス分岐管77の各他端が合流接続されて該合流接続部に一端が接続された第二吸引ガス合流管79と、該第二吸引ガス合流管79の他端に一端が接続された残留オゾン分解装置81と、該残留オゾン分解装置81の他端に一端が接続され他端が大気に開放された排気管83と、酸素ガスが収容された酸素ボンベ85に酸素ガス供給管87を介して接続されたオゾン含有ガス供給装置89と、該オゾン含有ガス供給装置89に一端が接続されたオゾン含有ガス本管91と、該オゾン含有ガス本管91の他端が2つに分岐してなる第一オゾン含有ガス分岐管93および第二オゾン含有ガス分岐管95とを備えている。
第一オゾン含有ガス分岐管93は吸引ガス送出管31の長手方向中途部に接続され、第二オゾン含有ガス分岐管95は第一吸引ガス合流管65の長手方向中途部に接続されている。
前記第二電磁式切替弁53は、第一吸引ガス分岐管55内の流路または第二吸引ガス分岐管57内の流路のうち何れか一方の流路に吸引ガス送出管31内の流路を択一的に連通させるものである。
また、前記第三電磁式切替弁67は、第五吸引ガス分岐管69内の流路または第六吸引ガス分岐管71内の流路のうち何れか一方の流路に第一吸引ガス合流管65内の流路を択一的に連通させるものである。
また、上述した一対の第一アルカリ浄化装置59,59および一対の第二アルカリ浄化装置73,73は、第1実施形態では同一の大きさおよび構造で構成されているので、作図の都合上、図7の図(1)に1つの図で示している。また、残留オゾン分解装置81は、図7の図(2)に示している。各第一アルカリ浄化装置59および残留オゾン分解装置81は、それぞれ筐体59a,73a,81aと、筐体59a,73a,81aの内部に収納された多孔質体59b,73b,81bとを備えている。筐体59a,73a,81aには、開閉可能な蓋体(図示せず)がそれぞれ取り付けられており、該蓋体を開くことで多孔質体59b,73b,81bを筐体59a,73a,81a内からそれぞれ出し入れすることができる。筐体59a内および筐体73a内にそれぞれ配設された各多孔質体59bおよび各多孔質体73bは、対向する面が互いに平行になるようにそれぞれ間隙t2,t3,t4を隔てて配設され、筐体59aおよび筐体73aの内壁面とこれらの内壁面に対向する各多孔質体59b,73bの対抗面とは、間隙t1,t5を隔てて配設されている(図7の図(1)参照)。筐体81a内に配設された各多孔質体81bは、対向する面が互いに平行になるようにそれぞれ間隙t7,t8,t9を隔てて配設され、筐体81aの内壁面と該内壁面に対向する各多孔質体81bの対抗面とは、間隙t6,t10を隔てて配設されている(図7の図(2)参照)。
なお、第1実施形態では、筐体59a,73a,81aおよび多孔質体59b,73b,81bの各外形寸法は、第一アルカリ浄化装置59と第二アルカリ浄化装置73と残留オゾン分解装置81との間で互いに同一になるように構成したが、これに限らず互いに異なるように構成してもよい。また、第1実施形態では、各多孔質体59b,73bの間隙t2,t3,t4および各多孔質体81bの間隙t7,t8,t9は、それぞれ同一の寸法で構成されているが、これに限らず互いに異なるように構成してもよい。また、筐体59a,73a,81a内に配設した多孔質体59b,73b,81bの枚数はそれぞれ4枚としたが、これに限らず1ないし3枚または5枚以上の枚数に適宜設定してもよい。
前記多孔質体59b,73b,81bは、気体が透過することができる無数の細かい連通孔をそれぞれ内部に有する。該多孔質体59b,73b,81bを構成する基材の材質としては、例えば、セラミック、グラファイトまたはガラス等が挙げられる。多孔質体59b,73bの基材の表面および無数の連通孔内の表面にはアルカリ化合物を含有している。アルカリ化合物としては、例えば水酸化カリウムや水酸化ナトリウムを挙げることができる。一方、多孔質体81bの基材の表面および無数の連通孔内の表面には無機触媒を含有している。無機触媒としては、例えば二酸化マンガンや二酸化マンガンと酸化銅とが混合された物を挙げることができる。
オゾン含有ガス供給装置89では、酸素ボンベ85内の酸素ガスが酸素ガス供給管87を介して導入されて、オゾン含有ガス供給装置89の内部で放電管による無声放電によってオゾンが発生し、酸素に対してオゾンが所定の割合で混合されてオゾン含有ガスが生成される。このような組成ガスとしてオゾンを含むオゾン含有ガスとしては、例えば、容積比でオゾンが1ないし10パーセントで残りが酸素からなるガスを挙げることができる。このようにして生成されたオゾン含有ガスは、例えば0.1ないし0.4MPa(メガパスカル)の圧力でオゾン含有ガス供給装置89からオゾン含有ガス本管91に供給される。
上述した各第一電磁式切替弁49、第二電磁式切替弁53、第三電磁式切替弁67およびオゾン含有ガス供給装置89の各電気作動装置は、それらの作動が適宜制御されるべく、それぞれ電線(図示せず)を介して制御盤19内の制御装置19aに電気的に接続されている。また、各濃度計測装置51は、それらによって計測された各計測値が送信されるべく、それぞれ信号線(図示せず)を介して制御盤19内の制御装置19aに電気的に接続されている。
前記加熱装置37は、図8および図9に示すように、各電線39の一端部が接続され、各電線39に電流が流れることで発熱する円柱状の電熱器97と、該電熱器97が挿入される熱交換器99とを備えている。
熱交換器99は、円筒状の放熱管101と、該放熱管101の外周部に螺旋状に巻き付けられ結着された帯状の放熱フィン103とを備えている。放熱管101内に挿入された電熱器97の外周面と放熱管101の内周面との間には、熱伝導性の良好な接着剤105(図8中の二点鎖線の楕円で囲む部分を拡大して同図中に示した図を参照)が充填されており、これによって、電熱器97と熱交換器99とは一体化されている。加熱装置37が試錐管3内に配設されることで、加熱装置37の熱交換器99と試錐管3の内周面とで螺旋状の通路が形成される。
〈汚染地盤の浄化方法の作業工程〉
次に、汚染地盤の浄化方法の作業工程について図10も参照して説明する。
(1)汚染領域の特定作業
図10は、VOCsからなる汚染物質によって地中Mの土壌が汚染されている土地を調査して汚染領域を特定するために、調査する複数の地点B…が設定された地面を上方から見た状態を示している。複数の地点B…は、調査対象となっている土地の領域ごとの具体的な用途を考慮して、凡そ汚染領域であると推測される領域に設定される。
このようにして設定された複数の地点B…は、地面を上方から見て、隣接する各地点B同士の距離は全て長さL2に設定され、整列された状態で各地点Bが設定されている。長さL2は前記L1と同一の長さでもよいが、L1と異なる長さでもよい。L2の長さを小さくするほど汚染の調査の精度が向上するのは言うまでもない。調査する方法は、試錐管3や試錐管5より細い管(例えば外径と内径がそれぞれ14ミリメートルと9ミリメートル)からなる鉄製またはステンレス製のガス採取用管(図示せず)を各地点Bの地中Mに試錐装置(図示せず)により貫入したのち、該ガス採取用管を介してガスを採取し、その採取した気体状態のVOCsのガス濃度を後述する濃度計測装置51により計測する。前記ガス採取用管の先端部には、地中Mを掘削して地面Eに穴を穿つための掘削部材が結着され、該掘削部材の近傍の側面には複数の貫通孔が穿設されている。これらの貫通孔を介してガスが採取される。地中Mに貫入されるガス採取用管の下端までの深度としては、例えば0.5ないし2メートルのうち何れかの深度(例えば1メートル)が挙げられる。
ガス採取用管を介して各地点Bの地中Mから採取された気体状態のVOCsのガス濃度を各地点Bごとに個別に濃度計測装置により計測することで、各地点BごとのVOCsのガス濃度を知得することができ、これにより地盤の汚染領域を二次元的に特定することができる。計測したガス濃度の計測値が予め設定されたガス濃度判定値(VOCsにより汚染されていないと判定できる基準値)より大きい場合は、汚染されているものと判定し、ガス濃度判定値以下なら汚染されていないものと判定する。図10中の一点鎖線で囲まれた領域Sは、汚染されているものと判定された汚染領域を上方から見た平面的な領域を示し、領域Sより広い二点鎖線で囲まれた領域Rは、領域Sに基づいて設定された領域であって、これから浄化作業を実施することにした領域を示している。領域Sの外縁と領域Rの外縁との間隔は、例えば1ないし2メートルに設定されている。
(2)地中における汚染の深度の特定作業
二次元的に汚染領域が特定されたら次に、領域Rに試錐管3および試錐管5を貫入する複数の地点を設定する。これらの複数の地点は、整列するように設定され、図1で説明すると地点A…と地点O1ないしO10である。地点A…は、一辺が長さL1の略正六角形状の各頂点に相当する地点であり、地点O1ないしO10は、前記略正六角形状の中心に相当する地点である。
まず、地下水の層が存在すると推測される深度より1ないし2メートルほど浅い深度まで、地点O1ないしO10にそれぞれ試錐管3を試錐装置により貫入したのち、各試錐管3の上端部に接続されたガス採取用管(図示せず)を介して吸引ポンプ(図示せず)で吸引し、地下水の有無を地点O1ないしO10ごとに調査する。地下水が吸引されなかったら少しだけさらに深く試錐管3を貫入したのち吸引ポンプで吸引し、地下水の有無を再度、調査する。地下水が吸引されるまで各試錐管3のさらなる貫入と地下水の有無の調査とを繰り返す。地下水が吸引されたら今度は地下水が吸引されなくなるまで試錐管3を試錐装置により少しずつ引き上げ、地下水が吸引されなくなった時点の深度で該試錐管3の引き上げ作業を終了し、その深度で該試錐管3を貫入したままにしておく。
地点O1ないしO10の地中Mに試錐管3をそれぞれ貫入する作業が終了したら、地点O1,O3,O8,O10の各試錐管3をそれぞれ囲繞する6本ずつの試錐管5…を試錐装置により貫入する。各試錐管5を貫入する深度は、当該試錐管5が囲繞する試錐管3が貫入されている深度より所定の深度(例えば、0.5ないし1メートル)だけ浅い深度とする。
(3)浄化作業前の準備作業
次に、図3に示すように、地点O1,O3,O8,O10の各試錐管3内に、燃焼触媒35を充填すると共に加熱装置37を配設する。そして、ガス供給管17を介してガスボンベ15が接続された混合ガス供給装置13に、混合ガス集合管11、混合ガス分岐管9および接続管33を介して各試錐管3を接続する。
また、浄化装置29がその吸引ガス送出管31を介して接続された吸引ポンプ27に、吸引集合管25、吸引分岐管23および接続管45を介して各試錐管5を接続する。このとき、各吸引分岐管23の長手方向中途部には、第一電磁式切替弁49および濃度計測装置51がそれぞれ配設されている。
また、制御盤19内の制御装置19aに、電線21を介して混合ガス供給装置13を電気的に接続すると共に一対の電線39,39を介して各加熱装置37を電気的に接続する。同様に、制御盤19内の制御装置19aに、各第一電磁式切替弁49および吸引ポンプ27と、浄化装置29の第二電磁式切替弁53、第三電磁式切替弁67およびオゾン含有ガス供給装置89とをそれぞれ電線を介して電気的に接続すると共に信号線を介して各濃度計測装置51をそれぞれ電気的に接続する。
(4)浄化作業
次に、制御盤19を操作して、加熱装置37の電熱器97に電力を供給すると共に、混合ガス供給装置13で生成された可燃性ガスと空気との混合ガスを混合ガス供給装置13内の加圧ポンプにより混合ガス集合管11,混合ガス分岐管9および接続管33を介して各試錐管3内にそれぞれ供給する。
次に、制御盤19を操作して、全ての第一電磁式切替弁49を開弁したのち吸引ポンプ27を作動させると共に、第一吸引ガス分岐管55または第二吸引ガス分岐管57のうち何れか一方の分岐管と吸引ガス送出管31とが連通するように第二電磁式切替弁53を切り替える一方、第五吸引ガス分岐管69または第六吸引ガス分岐管71のうち何れか一方の分岐管と第一吸引ガス合流管65とが連通するように第三電磁式切替弁67を切り替える。
次に、制御盤19を操作してオゾン含有ガス供給装置89を作動させ、オゾン含有ガス供給装置89で生成されたオゾン含有ガスを、オゾン含有ガス本管91、第一オゾン含有ガス分岐管93および第二オゾン含有ガス分岐管95を介して吸引ガス送出管31および第一吸引ガス合流管65にそれぞれ供給する。
これにより、混合ガス供給装置13で生成された可燃性ガスと空気との混合ガスは、各試錐管3内に供給されて、加熱装置37が挿入された試錐管3内の部位を通過するとき、加熱装置37の熱交換器99と試錐管3の内周面とで形成された螺旋状の通路を旋回しながら通過する。このとき、通電されて高温となった電熱器97により前記混合ガスが加熱されて約300℃に昇温され高温の状態で混合ガスが燃焼触媒35に接触させられる。この接触により混合ガスは燃焼して燃焼ガスとなって400℃以上500℃以下の範囲における所定の温度までさらに昇温すると共に昇温した状態で燃焼ガスが地中Mに供給される。該所定の温度としては、例えば450℃を挙げることができる。この結果、高温の状態の燃焼ガスの熱により地中MのVOCsを効果的に気化することができる。
これにより、試錐管3の近傍の地中Mに存在する殆どのVOCsは高温の燃焼ガスの熱で気化される。この結果、試錐管3の近傍の地中Mに存在するVOCsが気化したものは、燃焼ガスにより試錐管3の周囲外方に向かって拡散させられる。試錐管3の周囲外方に向かって拡散し試錐管5の近傍に到達した気体状態のVOCsは、各試錐管5の貫通孔5a、各試錐管5内、各吸引分岐管23および吸引集合管25を介して吸引ポンプ27により吸引され、地上に回収される。
地上に回収された気体は、吸引ポンプ27から浄化装置29の吸引ガス送出管31に送られ、第一オゾン含有ガス分岐管93を介して吸引ガス送出管31内に供給されたオゾン含有ガス中のオゾンと反応してオゾンによる酸化分解が活発に行なわれる。このため、地上に回収された気体に存在するVOCsの大部分は短時間に確実に浄化される。なお、VOCsはオゾンにより酸化分解されると塩素や塩酸が発生するという問題がある。しかし、オゾンによる浄化後の気体(塩素や塩酸が混在した気体)は、第二電磁式切替弁53を介して第一吸引ガス分岐管55または第二吸引ガス分岐管57の何れか一方の分岐管に流入したのち、第一アルカリ浄化装置59内に流入して、該第一アルカリ浄化装置59の各多孔質体59bの無数の連通孔を通過するとき、各多孔質体59bに含有するアルカリ化合物と接触する。該アルカリ化合物が水酸化カリウムや水酸化ナトリウムの場合は、VOCsがオゾンにより酸化分解されて生成された塩素や塩酸は、アルカリ化合物と中和して無害な塩化カリウムや塩化ナトリウムに変化することで浄化される。また、吸引ガス送出管31から第一アルカリ浄化装置59内に流入した気体には、オゾン含有ガスによって浄化し切れなかったVOCsやVOCsとまだ反応していないオゾンが含まれている可能性がある。しかし、このようなVOCsとオゾンとが第一アルカリ浄化装置59の各多孔質体59bの無数の連通孔を通過することでVOCsとオゾンとが円滑に混合されるので、第一アルカリ浄化装置59内でもVOCsがオゾンにより効果的に酸化分解される。
ところで、第1実施形態では、一対の第一アルカリ浄化装置59,59のうち何れか一方の第一アルカリ浄化装置59内に流入していたオゾンによる浄化後の気体は、制御盤19内の制御装置19aにより所定のタイミングで第二電磁式切替弁53が切り替えられて、他方の第一アルカリ浄化装置59に流入するように構成されている。前記所定のタイミングは、オゾンによる浄化後の気体を予め設定された容量または時間だけ前記一方の第一アルカリ浄化装置59内に流入させたときとしている。予め設定された容量または時間は、制御盤19の制御装置19a内の記憶装置に予め記憶されている。オゾンによる浄化後の気体が予め設定された容量だけ第一アルカリ浄化装置59内に流入したか否かは、吸引ガス送出管31の長手方向中途部に配設された積算流量計(図示せず)が吸引ガス送出管31内を流れる気体の積算流量を計測し、その計測値が信号線を介して制御盤19内の制御装置19aに送信され、その送信された計測値と制御装置19a内の記憶装置に記憶された値とを制御装置19aの判断処理部が比較して判定する。
一方、オゾンによる浄化後の気体が予め設定された時間だけ第一アルカリ浄化装置59内に流入したか否かは、吸引ポンプ27の作動時間が制御装置19a内のタイマーにより計測され、その計測された計測値と制御装置19a内の記憶装置に記憶された値とを制御装置19aの判断処理部が比較して判定する。
制御装置19aの判断処理部により前記所定のタイミングになったと判定されると、制御盤19に設けられた警告灯または警告ブザーが作動してその旨を周囲に報知すると共に制御装置19aにより第二電磁式切替弁53が切り替えられる。その後、前記一方の第一アルカリ浄化装置59の蓋体を開けて4つの多孔質体59b…を取り出して、新しい多孔質体59b…に交換している。
この後も同様に、オゾンによる浄化後の気体が予め設定された容量または時間だけ前記他方の第一アルカリ浄化装置59内に流入すると、制御装置19aの判断処理部により前記所定のタイミングになったと判定される。すると、制御盤19に設けられた警告灯または警告ブザーが作動してその旨を周囲に報知すると共に制御装置19aにより第二電磁式切替弁53が切り替えられ、オゾンによる浄化後の気体が再び前記一方の第一アルカリ浄化装置59に流入する。このように、多孔質体59bを交換しながら一対の第一アルカリ浄化装置59,59が交互に使用されることで、各多孔質体59bに含有するアルカリ化合物が過度に消耗して不足することが回避される。
第一アルカリ浄化装置59から流出した気体には、第一オゾン含有ガス分岐管93を介して供給されたオゾン含有ガスによって浄化し切れなかったVOCsや第一アルカリ浄化装置59によって浄化し切れなかった塩素や塩酸の有害物質がまだ残存している可能性がある。しかし、このような有害物質が残存した気体は、第一アルカリ浄化装置59に接続された第三吸引ガス分岐管61または第四吸引ガス分岐管63に流入したのち第一吸引ガス合流管65に流入すると、第二オゾン含有ガス分岐管95を介して第一吸引ガス合流管65内に供給されたオゾン含有ガス中のオゾンと反応してオゾンによる酸化分解が行なわれる。また、オゾンによる浄化後の気体(塩素や塩酸が混在した気体)は、第三電磁式切替弁67を介して第五吸引ガス分岐管69または第六吸引ガス分岐管71の何れか一方の分岐管に流入したのち、第二アルカリ浄化装置73内に流入して、該第二アルカリ浄化装置73の各多孔質体73bの無数の連通孔を通過するとき、各多孔質体73bに含有するアルカリ化合物と接触することで浄化される。また、第一吸引ガス合流管65から第二アルカリ浄化装置73内に流入した気体には、オゾン含有ガスによって浄化し切れなかったVOCsやVOCsとまだ反応していないオゾンが含まれている可能性がある。しかし、このようなVOCsとオゾンとが第二アルカリ浄化装置73の各多孔質体73bの無数の連通孔を通過することでVOCsとオゾンとが円滑に混合されるので、第二アルカリ浄化装置73内でもVOCsがオゾンにより効果的に酸化分解される。このように、オゾンによる浄化工程とアルカリ化合物による浄化工程とからなる1組の浄化工程を2回続けて行うことで、地上に回収された気体をより確実に浄化することできる。
なお、上述したように、前記所定のタイミングで第二電磁式切替弁53が切り替られて、一対の第一アルカリ浄化装置59,59が交互に使用されるようにしたが、この方法と同様に、第1実施形態では、制御盤19内の制御装置19aにより所定のタイミングで第三電磁式切替弁67が切り替えられることで、一対の第二アルカリ浄化装置73,73が交互に使用されるようにしている。この場合の所定のタイミングも、第二オゾン含有ガス分岐管95を介して供給されたオゾン含有ガス中のオゾンによる浄化後の気体を予め設定された容量または時間だけ一方側の第二アルカリ浄化装置73内に流入させたときとしている。この場合の予め設定された容量または時間は、前記第二電磁式切替弁53を切り替えるときの予め設定された容量または時間と同一でも良いし異なっていても良い。
第二アルカリ浄化装置73から流出した気体は、該第二アルカリ浄化装置73に接続された第七吸引ガス分岐管75または第八吸引ガス分岐管77に流入して第二吸引ガス合流管79に流入したのち残留オゾン分解装置81内に流入して、該残留オゾン分解装置81の各多孔質体81bの無数の連通孔を通過する。このとき、各多孔質体81bに含有する無機触媒と接触することで、残留オゾン分解装置81内に流入した気体中に残留するオゾンが酸素に分解されたのち排気管83から大気に放出される。これによって、排気管83から大気に放出される気体中にオゾンが含まれることが回避される。
また、第二吸引ガス合流管79を介して残留オゾン分解装置81に流入した気体に、オゾン含有ガスによって浄化し切れなかったVOCsがもし含まれていたとしても、残留するオゾンが残留オゾン分解装置81内で酸素に分解される過程で、発生期の酸素や水酸ラジカルが発生するので、これらの強力な酸化力によってVOCsが効果的に酸化され浄化される。
この浄化作業が行われているとき、各濃度計測装置51によって計測された各計測値が信号線(図示せず)を介して制御盤19内の制御装置19aに送信される。送信された計測値が前記ガス濃度判定値より大きかったら、該ガス濃度判定値以下になるまで、この浄化作業が継続して行われる。このとき、試錐管3を囲繞する6本の試錐管5のうち一部の試錐管5を介して回収された気体の濃度は前記ガス濃度判定値以下だが、残りの試錐管5を介して回収された気体の濃度が前記ガス濃度判定値より大きい場合は、当該残りの試錐管5および当該残りの試錐管5と隣り合う試錐管5を介して地中Mの気体を回収する作業は継続される一方、それ以外の試錐管5(気体の濃度が前記ガス濃度判定値以下のもの)に接続された吸引分岐管23の流路を開閉する第一電磁式切替弁49は制御盤19内の制御装置19aにより閉弁されて当該試錐管5からの気体の回収が停止される。気体の無駄な回収を回避するためである。
この浄化作業において、各試錐管5のうち少なくとも何れか1本の試錐管5から回収された気体の濃度の計測値がガス濃度判定値より大きかったら、該ガス濃度判定値以下になるまで、この浄化作業は継続して行われる。
(5)深度変更後の浄化作業
上述した「(4)浄化作業」が終了したら、各試錐管3と各試錐管5とをそれぞれ同じ量(予め設定された短い量)だけ上方に引き上げて、地中Mに対する各試錐管3および各試錐管5の貫入の深度を、まだ浄化作業が行われていない他の深度にそれぞれ変更する。
このようにして、深度を変更したのち、上述した「(4)浄化作業」と同様の作業を再び実施する。
(6)再深度変更後の浄化作業
上述した「(5)深度変更後の浄化作業」は、小領域R1,R3,R8,R10において汚染領域が特定された全ての深度につき浄化が終了するまで実施され、全ての深度につき浄化が終了すると、小領域R1,R3,R8,R10における浄化作業が終了する。
(7)その他の汚染領域の浄化作業
次に、地点O2,O4,O7,O9をそれぞれ囲繞する地点Aであって試錐管5が貫入されていない地点Aの全てに試錐管5を試錐装置により貫入する。これによって、地点O2,O4,O7,O9に貫入された各試錐管3は、それぞれ6本の試錐管5によって囲繞される。それぞれ6本の試錐管5を貫入する深度は、当該6本の試錐管5が囲繞する試錐管3が貫入されている深度より所定の深度(例えば、0.5ないし1メートル)だけ浅い深度とする。したがって、前の浄化作業で既に貫入されていた試錐管5でその深度が、当該試錐管5が囲繞する試錐管3の深度より所定の深度だけ浅い深度でない場合は、そのような深度となるように当該試錐管5を貫入し直す。
次に、地点O2,O4,O7,O9の各試錐管3内に、燃焼触媒35を充填する。そして、地点O1,O3,O8,O10の各試錐管3にそれぞれ取り付けられていた各接続管33および各加熱装置37を取り外して、地点O2,O4,O7,O9の各試錐管3に取り付け直し、これらの試錐管3に、混合ガス供給装置13で生成された混合ガスがそれぞれ供給され、該混合ガスが各加熱装置37によりそれぞれ加熱されるようにする。
また、小領域R1,R3,R8,R10の各試錐管5のうち、小領域R2,R4,R7,R9の何れかの領域に含まれる試錐管5にそれぞれ取り付けられていた接続管45や吸引分岐管23は試錐管5に取り付けたままにしておく一方、それら以外の小領域R1,R3,R8,R10の各試錐管5に取り付けられていた接続管45や吸引分岐管23は取り外して、接続管45や吸引分岐管23が取り付けられていない小領域R2,R4,R7,R9の各試錐管5に取り付け直す。これにより、小領域R2,R4,R7,R9の各試錐管5を介して地中Mの気体が回収されるようにする。
次に、制御盤19を操作して、上述した「(4)浄化作業」から「(6)再深度変更後の浄化作業」までの作業と同様の作業を小領域R2,R4,R7,R9の各試錐管3および各試錐管5に対して実施する。
(8)残りの汚染領域の浄化作業
小領域R2,R4,R7,R9における浄化作業が終了したら、前記「(7)その他の汚染領域の浄化作業」と同様の作業を、残りの汚染領域である小領域R5,R6について実施する。小領域R5,R6の浄化作業が終了すると、領域Rの浄化作業が全て完了する。
なお、小領域R5,R6の周囲の領域(小領域R1ないしR4,R7ないしR10)を小領域R5,R6より先に浄化したのは、これらの小領域R5,R6の試錐管3を介して供給される燃焼ガスにより、小領域R5,R6の外周近傍で小領域R5,R6より外方に存在するVOCsが小領域R5,R6より外方に拡散しないようにするためである。すなわち、小領域R5,R6の周囲の領域(小領域R1ないしR4,R7ないしR10)を先に浄化することで、小領域R5,R6の浄化作業を実施するときには、小領域R5,R6より外方にはVOCsが存在しないので、小領域R5,R6より外方にVOCsが拡散することはない。
第1実施形態に係る汚染地盤の浄化方法によれば、可燃性ガスを燃焼させた燃焼ガスを地中Mに供給するので、その燃焼ガスの高温により地中MのVOCsを効果的に気化することができると共に、供給する燃焼ガスは水蒸気ではないので地中Mおよび地表が水浸しになることもない。
また、試錐管3にその長手方向と交差する方向に穿設された貫通孔3aを介して、高温の燃焼ガスを地中Mに供給するので、試錐管3とその試錐管3を囲繞するように貫入された6本の試錐管5との間の地中Mに存在するVOCsを効果的に気化することができる。
また、試錐管3から離間した位置で、かつ、試錐管3を囲繞するように貫入された6本の試錐管5を介して、地中Mに存在する気体を吸引して地上に回収するので、試錐管3と試錐管5との間の地中Mに存在するVOCsで気化されたものを確実に吸引することができる。
また、可燃性ガスを加熱装置37により昇温させた状態で燃焼触媒35に接触させて燃焼させるようにしたので、可燃性ガスを確実に燃焼させることができる。
また、燃焼触媒35は試錐管3内に配設されているので、可燃性ガスを燃焼触媒35に接触させて燃焼させた燃焼ガスをその温度を低下させることなく高温のまま試錐管3から地中Mに供給することができる。
また、燃焼触媒35は、無数の小片体35a…からなるので、可燃性ガスを燃焼触媒35に効果的に接触させることができる。
また、加熱装置37は、燃焼触媒35より上流側で、かつ、燃焼触媒35に近接した位置に配設されているので、加熱装置37により昇温させた状態の可燃性ガスをその温度を低下させることなく高温のまま燃焼触媒35に接触させることができる。このため、燃焼触媒35により可燃性ガスを確実に燃焼させることができる。
また、地上に回収した気体に、組成ガスとしてオゾンを含むオゾン含有ガスを混入させて気体を浄化するようにしたので、オゾン含有ガスによる浄化を地上で行うことができ、オゾン含有ガスを無駄なく浄化のために寄与させることができる。
また、オゾン浄化工程による浄化後の気体を、アルカリ化合物を含有する多孔質体59b,73bと接触させて浄化するようにしたので、VOCsがオゾンにより酸化分解されて生成された塩素や塩酸をアルカリ化合物と中和させて無害な安定化合物にすることができる。
また、各多孔質体59bと接触させるアルカリ浄化工程による浄化後の気体にオゾン含有ガスを再び混入させて浄化すると共に、その浄化後の気体を、アルカリ化合物を含有する他の多孔質体73b…と接触させて浄化するようにしたので、地上に回収した気体をより確実に浄化することができる。
また、各多孔質体59b,73bを所定のタイミングでそれぞれ別の各多孔質体59b,73bに切り替えるようにしたので、浄化のために必要なアルカリ化合物が不足することが回避される。
また、前記所定のタイミングは、直前のオゾン浄化工程による浄化後の気体を予め設定された容量または時間だけアルカリ浄化工程で各多孔質体59b,73bと接触させたときとしたので、アルカリ化合物が不足する前の適切なタイミングまで各多孔質体59b,73bを浄化のために使用することができる。
さらにまた、気体中に残留するオゾンを、無機触媒を含有する多孔質体81bと接触させて酸素に分解してから大気に気体を放出するようにしたので、残留オゾンにより大気を汚染させずに済む。
第1実施形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、第1実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と明細書との全体から読み取れる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更後の汚染地盤の浄化方法もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
例えば、第1実施形態では、第一オゾン含有ガス分岐管93および第二オゾン含有ガス分岐管95を介して吸引ガス送出管31および第一吸引ガス合流管65にそれぞれオゾン含有ガスを供給してオゾンによる浄化を行うようにした例を示した。しかし、これに限らず、図6において二点鎖線の矩形WおよびXで囲まれた吸引ガス送出管31および第一吸引ガス合流管65の各部位に、第一アルカリ浄化装置59,第二アルカリ浄化装置73,残留オゾン分解装置81の各多孔質体59b,73b,81bと同様の多孔質体で、その基材の表面および無数の連通孔内の表面にアルカリ化合物や無機触媒を含有していないものを1つまたは複数備えた浄化装置をそれぞれ配設してもよい。これにより、VOCsとオゾンとが多孔質体の無数の連通孔を通過することでVOCsとオゾンとが円滑に混合されるので、VOCsがオゾンにより効果的に酸化分解され浄化される。
また、第1実施形態では、説明を簡単にするために小領域をR1ないしR10の10箇所に設定した例を示したが、小領域の個数は、VOCsによって土壌が汚染されている領域Rの面積に応じて設定される。
また、第1実施形態の汚染地盤の浄化方法においては、小領域R1,R3,R8,R10を同時に浄化したのち、小領域R2,R4,R7,R9を同時に浄化し、最後に小領域R5,R6を同時に浄化するようにしたが、これに限らず、各小領域を1つずつ順々に時間をずらして浄化するようにしてもよい。
また、第1実施形態の汚染地盤の浄化方法においては、各小領域R1ないしR10を略正六角形状からなる小領域とすると共に、略正六角形状の各頂点に相当する6箇所の地点A…に試錐管5を貫入するようにしたが、貫入する試錐管5の本数を各小領域ごとにさらに6本ずつ追加して1本の試錐管3の周囲に貫入する試錐管5の本数を合計12本としてもよい。
(第2の実施の形態)
以下、本発明に係る汚染地盤の浄化方法の、第2の実施の形態(以下「第2実施形態」という。)を図11を参照して詳細に説明する。第2実施形態に係る汚染地盤の浄化方法は、その作業工程が第1実施形態で説明したものと一部だけ異なるので、図11および以下の説明において第1実施形態で説明したものと同一または同等の部材および部位等については、同一の符号を記して詳細な説明は省略し、第1実施形態で説明したものと異なる点を主に説明する。図11は、小領域R1'およびその近傍を拡大して示している。図11中の領域R'および小領域R1',R2',R4',R5'は、第1実施形態において説明した領域Rおよび小領域R1,R2,R4,R5にそれぞれ相当する。これらの領域以外に、第1実施形態で説明した小領域R3,R6ないしR10に相当する小領域R3',R6'ないしR10'もあるものとする。また、図11中の地点O1',O2'は、小領域R1',R2'の略正六角形状の中心に相当する地点で、第1実施形態で説明した地点O1,O2に相当する。
以下に、第2実施形態に係る汚染地盤の浄化方法の作業工程について、第1実施形態で説明した「(1)汚染領域の特定作業」ないし「(8)残りの汚染領域の浄化作業」の作業工程と同様の流れに沿って説明する。
(1)汚染領域の特定作業から(3)浄化作業前の準備作業までは、基本的には第1実施形態で説明した作業工程と同じであるので説明を省略する。次の(4)浄化作業については、第1実施形態と同様に、小領域R1',R3',R8',R10'の浄化作業が行われるが、その中で小領域R1'を例にとって第1実施形態と異なる点を以下に説明する。
地点O1'に貫入された試錐管3を介して燃焼ガスが地中Mに供給され、該試錐管3を囲繞する6本の試錐管5を介して地中Mから気体が回収されることで、小領域R1'の浄化作業が行われる。このとき、小領域R1'の略正六角形状の各頂点に相当する地点A1ないしA6のうち、地点A1の試錐管5を介して回収された気体の濃度だけが第1実施形態で説明したガス濃度判定値より大きく、他の地点A2ないしA6の試錐管5を介して回収された気体の濃度は前記ガス濃度判定値以下であったとする。その場合は、一旦、浄化作業を中断し、地点C1,C2に試錐管3を試錐装置によりそれぞれ貫入する。地点C1,C2は、地点A1、地点A1と隣り合う各地点A2,A6および地点O1'を二点鎖線の直線で互いに結んでできる一対の略正三角形状F1,F2の各中心に相当する地点である。地点C1,C2に試錐管3を貫入する深度は、地点O1'の試錐管3の現在の深度と略同一とする。
次に、地点C1,C2の各試錐管3内に、燃焼触媒35を充填すると共に加熱装置37を配設したのち接続管33を取り付け、混合ガス分岐管9および混合ガス集合管11を介して混合ガス供給装置13で生成された可燃性ガスと空気との混合ガスがそれぞれ供給されるようにする。一方、地点O1'の試錐管3に取り付けられていた接続管33等を取り外して接続管45を取り付け、吸引分岐管23および吸引集合管25を介して地点O1'の試錐管3から地中Mの気体が吸引ポンプ27により吸引されるようにする。また、地点A3ないしA5の各試錐管5に接続された吸引分岐管23の流路を開閉する第一電磁式切替弁49は閉弁されて当該試錐管5からの気体の回収が停止される。これにより、地点C1,C2の各試錐管3を介して燃焼ガスが地中Mに供給されると共に地点O1'の試錐管3および地点A1,A2,A6の各試錐管5を介して地中Mの気体が吸引され地上に回収される。地点C1,C2の地中Mに燃焼ガスが供給されることで、気体の濃度計測の結果によりVOCsで汚染していると推察される地点O1'と地点A1との間の領域に直接または近接して燃焼ガスが供給されるので、地中MのVOCsが効果的に気化される。
このような浄化作業は、地点O1', A1,A2,A6から回収された各気体の濃度の計測値が全てガス濃度判定値以下になるまで継続して行われる。上述したような小領域R1'の一部に偏倚した局所的な浄化作業の方法は、小領域R1'以外の小領域R3',R8',R10'についても、これらの領域の各地点に貫入された試錐管5を介して地中Mから回収された気体の濃度の計測値が前記ガス濃度判定値より大きい場合に小領域R1'と並行して同様に行われる。このような浄化作業が終了したら、次に、(5)深度変更後の浄化作業が行われる。この作業については、地点C1,C2,O1'の試錐管3および地点A1ないしA6の試錐管5をそれぞれ同じ量(予め設定された短い量)だけ上方に引き上げて、地中Mに対する各試錐管3および各試錐管5の貫入の深度を、まだ浄化作業が行われていない他の深度にそれぞれ変更する。また、この深度変更作業は、小領域R1'だけでなく小領域R3',R8',R10'についても同様に行われる。
このようにして、深度を変更したのち、上述した「(4)浄化作業」と同様の作業を再び実施する。
上述した「(5)深度変更後の浄化作業」が終了した後、(6)再深度変更後の浄化作業から(8)残りの汚染領域の浄化作業まで行われるが、これらの作業については、基本的には第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
ところで、上述した「(4)浄化作業」においては、地点C1,C2とそれらを囲繞する地点O1',A1,A2,A6との距離たる長さL3を第1実施形態で説明した長さL1より短く設定すると共に該長さL1より長さL4を長く設定しておくことが望ましい。長さL3を長さL1より短く設定すれば、VOCsで汚染していると推察される領域に直接または近接して燃焼ガスが供給されるので、地中MのVOCsが効果的に気化される。一方、長さL4を長さL1より長く設定すれば、それに応じて各小領域R1'ないしR10'の大きさもそれぞれ大きくなるので、試錐管3および試錐管5を領域R'に貫入する複数の地点(各小領域R1'等の略正六角形状の各頂点に相当する地点)の間隔が大きくなる。この結果、領域R'の大きさが第1実施形態で説明した領域Rの大きさと同一であるとすると、領域R'に貫入する試錐管3および試錐管5の本数が第1実施形態の場合と比べて少なくて済む。
3 試錐管(第一の試錐管)
3a 貫通孔(第一の試錐管の注入孔)
5 試錐管(第二の試錐管)
5a 貫通孔(第二の試錐管の注入孔)
35 燃焼触媒
35a 小片体
37 加熱装置
59b 多孔質体(アルカリ担持体)
73b 多孔質体(他のアルカリ担持体)
81b 多孔質体(無機触媒担持体)
M 地中

Claims (10)

  1. 地中に貫入された第一の試錐管にその長手方向と交差する方向に穿設された注入孔を介して、可燃性ガスを燃焼させた燃焼ガスを地中に供給する燃焼ガス供給工程と、
    前記第一の試錐管から離間した位置で、かつ、該第一の試錐管を囲繞するように地中に貫入された複数の第二の試錐管にその長手方向と交差する方向に穿設された注入孔を介して、地中に存在する気体を吸引して地上に回収する気体回収工程とを備えた汚染地盤の浄化方法。
  2. 請求項1に記載の汚染地盤の浄化方法において、
    前記燃焼ガス供給工程では、前記第一の試錐管内に配設された燃焼触媒に、前記可燃性ガスを加熱装置により昇温させた状態で接触させることで前記可燃性ガスを燃焼させるようにしたことを特徴とする汚染地盤の浄化方法。
  3. 請求項2に記載の汚染地盤の浄化方法において、
    前記燃焼触媒は、無数の小片体からなることを特徴とする汚染地盤の浄化方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の汚染地盤の浄化方法において、
    前記加熱装置は、前記可燃性ガスが前記第一の試錐管内を流れる経路から見て、前記燃焼触媒より上流側で、かつ、前記燃焼触媒に近接した位置の前記第一の試錐管内に配設されていることを特徴とする汚染地盤の浄化方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のうち何れか一つに記載の汚染地盤の浄化方法において、
    前記気体回収工程により地上に回収した気体に、組成ガスとしてオゾンを含むオゾン含有ガスを混入させて前記気体を浄化するオゾン浄化工程をさらに備えていることを特徴とする汚染地盤の浄化方法。
  6. 請求項5に記載の汚染地盤の浄化方法において、
    前記オゾン浄化工程による浄化後の気体を、アルカリ化合物を含有するアルカリ担持体と接触させて浄化するアルカリ浄化工程をさらに備えていることを特徴とする汚染地盤の浄化方法。
  7. 請求項6に記載の汚染地盤の浄化方法において、
    前記アルカリ浄化工程による浄化後の気体に前記オゾン含有ガスを再び混入させて浄化する追加のオゾン浄化工程と、
    前記追加のオゾン浄化工程による浄化後の気体を、アルカリ化合物を含有する他のアルカリ担持体と接触させて浄化する追加のアルカリ浄化工程とをさらに備え、
    前記追加のオゾン浄化工程と前記追加のアルカリ浄化工程とからなる1組の浄化工程を1回または複数回続けて行うことを特徴とする汚染地盤の浄化方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載の汚染地盤の浄化方法において、
    前記オゾン浄化工程による浄化後の気体を前記アルカリ浄化工程により浄化するために接触させている前記アルカリ担持体を、所定のタイミングで別のアルカリ担持体に切り替えるようにしたことを特徴とする汚染地盤の浄化方法。
  9. 請求項8に記載の汚染地盤の浄化方法において、
    前記所定のタイミングは、当該アルカリ浄化工程の直前のオゾン浄化工程による浄化後の気体を予め設定された容量または時間だけ当該アルカリ浄化工程で前記アルカリ担持体と接触させたときとすることを特徴とする汚染地盤の浄化方法。
  10. 請求項6ないし請求項9のうち何れか一つに記載の汚染地盤の浄化方法において、
    前記アルカリ浄化工程による浄化後の気体を大気に放出する前に、該気体中に残留するオゾンを、無機触媒を含有する無機触媒担持体と接触させて酸素に分解する残留オゾン分解工程をさらに備え、
    前記残留オゾン分解工程を実施した後の気体を大気に放出するようにしたことを特徴とする汚染地盤の浄化方法。
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