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JP2020526217A - マイクロキャビティ細胞培養容器のための取扱特徴構造 - Google Patents

マイクロキャビティ細胞培養容器のための取扱特徴構造 Download PDF

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JP2020526217A JP2020501484A JP2020501484A JP2020526217A JP 2020526217 A JP2020526217 A JP 2020526217A JP 2020501484 A JP2020501484 A JP 2020501484A JP 2020501484 A JP2020501484 A JP 2020501484A JP 2020526217 A JP2020526217 A JP 2020526217A
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Abstract

本開示は、細胞培養容器(100)であって、その容器の底面に一体に設けられたか、もしくはその容器の底面に配置されたまたは取り付けられたマイクロキャビティのアレイを有する挿入物(216)により設けられたかのいずれかの、3Dで細胞を培養するのに適したマイクロキャビティのアレイ(115)を有する、細胞を培養するための表面(316)を有する細胞培養容器(100)を提供する。本開示は、マイクロキャビティを最小の乱流で充填し空にし、それゆえ、マイクロキャビティ内にあるスフェロイドの撹乱を少なくできるようにマイクロキャビティに出入りする液体の流動を制御する、細胞培養チャンバ内のバッフル(113)およびその容器の首部にあるダム(130)を提供する。

Description

関連出願の説明
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、「Cell Culture Container and Methods of Culturing Cells」と題する、2017年7月14日に出願された米国仮特許出願第62/532648号の優先権の恩恵を主張するものである。
本開示は、広く、細胞培養容器および細胞を培養する方法に関し、より詳しくは、三次元細胞を収容し、操作するための細胞培養容器およびその細胞培養容器内で三次元細胞を培養する方法に関する。
細胞培養容器内に三次元細胞を収容し、培養することが公知である。
以下は、詳細な説明に記載されたいくつかの例示の実施の形態の基本的な理解を与えるために、本開示の簡単な概要を提示するものである。
実施の形態において、本開示は、細胞培養容器であって、首付き開口、細胞培養チャンバ、上部、底部、側壁、端部壁およびその容器の底面に一体に設けられたか、もしくはその容器の底面に配置されたまたは取り付けられた、マイクロキャビティのアレイを有する挿入物により設けられたかのいずれかの、マイクロキャビティのアレイを有する細胞を培養するための表面を有する細胞培養容器を提供する。実施の形態において、そのマイクロキャビティのアレイは、その容器の細胞培養チャンバの全長に沿って延在しない。実施の形態において、マイクロキャビティのアレイは、細胞培養チャンバの全長(Lc)未満で延在する。実施の形態において、マイクロキャビティのアレイは、長さ(Li)だけ延在する。LiはLcより小さい。実施の形態において、マイクロキャビティのアレイと容器の端部壁との間に、バッフルがある。そのバッフルは、長さ(Lb)を有する。バッフルは、容器の端部壁とマイクロキャビティのアレイとの間の空間を占める。Li+Lb=Lc。実施の形態において、そのバッフルは、首付き開口が上になるように容器が置かれたときに、貯留槽を画成する。バッフルは、マイクロキャビティに最小の乱流で培地を充填し、それゆえ、マイクロキャビティ内にあるスフェロイドの撹乱を少なくできるようにマイクロキャビティに入る液体の流れを制御する。実施の形態において、バッフルは、傾斜、湾曲、正方形または任意の形状であってよい。追加の実施の形態において、また容器に出入りする液体の動きにより生じる乱流を減少させるために、容器の首付き開口は、容器に出入りする、液体培地などの液体の流れを妨げるダムを有することがある。実施の形態において、そのダムは、正方形または湾曲または任意の形状であってよい。これらの特徴構造は、単独で、または組合せで存在することがある。例えば、その容器は、マイクロキャビティのアレイおよび湾曲したまたは真っ直ぐのダムを有することがある。その容器は、マイクロキャビティのアレイおよびバッフルを有することがあり、そのバッフルは傾斜しているまたは正方形であることがある。その容器は、マイクロキャビティのアレイおよびダムとバッフルを有することがある。そして、そのダムは湾曲していても正方形であってもよく、そのバッフルは傾斜していても正方形であってもよい。細胞を培養し、培地を導入し、容器から培地を取り出す方法も提供される。
先の実施の形態は、例示であり、本開示の範囲から逸脱せずに、ここに与えられたどの1つ以上の実施の形態と、どの組合せで提供しても、または単独で提供しても差し支えない。さらに、先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、本開示の実施の形態を提示しており、記載され、請求項に定義されたような実施の形態の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供する意図があることを理解すべきである。添付図面は、その実施の形態のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、本開示の様々な実施の形態を示しており、説明と共に、その原理および作動を説明する働きをする。
本開示のこれらと他の特徴、実施の形態、および利点は、添付図面を参照して読んだときに、さらに理解することができる。
本開示の実施の形態による第1の例示の細胞培養容器の側面図 本開示の実施の形態による図1の線2−2に沿った第1の例示の細胞培養容器の平面図 本開示の実施の形態による図2の線3−3に沿った第1の例示の細胞培養容器の断面図 本開示の実施の形態による図1の線4−4に沿った第1の例示の細胞培養容器の断面図 本開示の実施の形態による、複数のマイクロキャビティを含むマイクロキャビティのアレイを有する表面を含む、図4の区域5でとられた第1の例示の細胞培養容器の一部の例示の実施の形態の拡大概略図 本開示の実施の形態による図5の線6−6に沿った、複数のマイクロキャビティを含むマイクロキャビティのアレイを有する表面を含む第1の例示の細胞培養容器のその一部の断面図 本開示の実施の形態による図6の複数のマイクロキャビティを含むマイクロキャビティのアレイを有する表面を含む第1の例示の細胞培養容器のその一部の代わりの例示の実施の形態の断面図 本開示の実施の形態による階段状プロファイルを含む、図2の線8−8に沿った第1の例示の細胞培養容器の一部の例示の実施の形態の部分断面図 本開示の実施の形態による傾斜プロファイルを含む、図8の第1の例示の細胞培養容器の一部の代わりの例示の実施の形態の部分断面図 本開示の実施の形態による凸状プロファイルを含むバッフルを備えた、図1の線10−10に沿った第1の例示の細胞培養容器の一部の例示の実施の形態の部分断面図 本開示の実施の形態による凹状プロファイルを含むバッフルを備えた、図10の第1の例示の細胞培養容器の一部の代わりの例示の実施の形態の部分断面図 本開示の実施の形態による第1の例示の細胞培養容器内で細胞を培養する方法を含む、図3の第1の例示の細胞培養容器の代わりの例示の実施の形態の断面図 本開示の実施の形態による図12の第1の例示の細胞培養容器内で細胞を培養する方法の例示の工程を示す断面図 本開示の実施の形態による、複数のマイクロキャビティを含むマイクロキャビティのアレイを有する表面を含む図13の区域14でとられた第1の例示の細胞培養容器の一部の例示の実施の形態の拡大概略図 本開示の実施の形態による図13の第1の例示の細胞培養容器内で細胞を培養する方法の例示の工程を示す断面図 本開示の実施の形態による、複数のマイクロキャビティを含むマイクロキャビティのアレイを有する表面を備えた図15の区域16でとられた第1の例示の細胞培養容器の一部、およびその複数のマイクロキャビティの内の少なくとも1つのマイクロキャビティ内で細胞を培養する方法の例示の実施の形態の拡大概略図 本開示の実施の形態による、バッフルを含む図10の第1の例示の細胞培養容器の一部および分注ポートで容器に材料を加える方法の代わりの例示の実施の形態の部分断面図 本開示の実施の形態による、バッフルを含む図10の第1の例示の細胞培養容器の一部および収集ポートで容器から材料を取り出す方法の代わりの例示の実施の形態の部分断面図
ここで、本開示の例示の実施の形態が示されている添付図面を参照して、特徴構造を下記により十分に記載する。できるときはいつでも、同じまたは同様の部分を称するために、図面に亘り同じ参照番号が使用される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具体化することができ、ここに述べられた実施の形態に限定されると解釈すべきではない。
細胞培養容器(例えば、フラスコ)は、細胞を培養するための無菌チャンバを提供することができる。いくつかの実施の形態において、細胞培養は、疾患と毒物学の研究、薬物と治療の効果、腫瘍の特徴、有機体、遺伝学、並びに細胞のおよび細胞に関連する他の科学、生物学、および化学原理に関連する情報を提供することができる。いくつかの実施の形態において、三次元細胞培養は、二次元細胞培養と比べて、より生理学的に正確であり、二次元細胞培養と比べて、実生活用途で細胞が存在し、成長できる環境をより実現的に表す多細胞性構造を生じることができる。例えば、三次元細胞培養は、「インビボ」(すなわち、生存している実生活内の)細胞増殖をシミュレーションする現実的環境をより厳密に提供することが分かっており、一方で、二次元細胞培養は、現実的環境をそれほど表していない「インビトロ」(すなわち、研究室環境におけるガラス内)細胞増殖をシミュレーションする環境を提供することが分かっている。三次元細胞培養物と相互作用し、その性質と挙動を観察することによって、例えば、疾患と毒物学の研究、薬物と治療の効果、腫瘍、有機体の特徴、遺伝学、並びに細胞のおよび細胞に関連する他の科学、生物学、および化学原理に関連する細胞の理解の向上を成し遂げることができる。
実施の形態において、細胞培養容器100は、各々が、液体培地および培養下の細胞と接触する内部表面を有する、底部108、上部101、および端部壁107と側壁106を備えることができる。これらの内部表面は、細胞培養チャンバ103を画成する。これらの表面の内の少なくとも1つは、細胞増殖に一層特別に適することができる。例えば、細胞培養表面は、細胞が表面にくっつくのを助長するまたは妨げるコーティングで処理されることがある。あるいは、スフェロイド細胞の培養を支援するために、細胞培養表面は、例えば、アレイ状に配列された複数のマイクロキャビティまたは区画(例えば、微小サイズのウェル、ミリリットル未満のサイズのウェル)を備えることができる。その細胞培養表面は、フラスコと一体であり得る、または細胞培養チャンバ内に置かれたまたは取り付けられたマイクロキャビティのアレイを有する別個の表面であり得る。上面、底面、1つ以上の側面、もしくはこれらの組合せは、アレイ状にマイクロキャビティを備えることができる。
例えば、いくつかの実施の形態において、1つのスフェロイドが、複数のマイクロキャビティの各々のマイクロキャビティ中に形成し得る。容器内の液体培地中に導入された細胞は、重力によってマイクロキャビティ中に沈降する。液体培地中に懸濁された1つ以上の細胞は、その液体を通って落下し、各マイクロキャビティ内に収まる。マイクロキャビティの形状(例えば、ウェルを画成する凹状表面)、および細胞が表面に付着するのを防ぐマイクロキャビティの表面コーティングも、細胞が三次元形態に増殖し、各マイクロキャビティ内にスフェロイドを形成するのを促進することができる。
マイクロキャビティは、例えば、波状のまたは正弦波の形状で形成され、丸まった上部と丸まった底部を有するマイクロキャビティまたはマイクロウェルを形成することができる。これらの丸まったエッジは、液体培地が容器を満たしたときに、気泡が形成されるのを防ぐであろう。いくつかの実施の形態において、フラスコに、三次元細胞培養物(例えば、細胞集合体、オルガノイドまたはスフェロイド)の増殖を促進する材料(例えば、培地、固体、液体、気体)を充填することができる。例えば、液体中に懸濁された細胞を含む培地を、細胞培養チャンバまたは容器に加えることができる。懸濁された細胞は、重力によって複数のマイクロキャビティ内に集まることができ、細胞の集団または塊を形成する(例えば、増殖する)ことができる。集団または塊の細胞は、三次元で増殖して、他にスフェロイドまたはオルガノイドとして知られている、3Dの細胞を形成する。細胞の1つの塊またはスフェロイドが、1つのマイクロキャビティ内に形成する。それゆえ、マイクロキャビティのアレイを有する細胞培養表面を有する容器または細胞培養チャンバを使用して、各々が自らのマイクロキャビティ内にある、スフェロイドのアレイを培養することができる。
培養中、スフェロイドは、培地(例えば、食物、栄養素)を消費し、副生成物として代謝産物(例えば、老廃物)を産生し得る。それゆえ、いくつかの実施の形態において、培地の形態にある食物を培養中に細胞培養チャンバに加えることができ、培養中に、細胞培養チャンバから廃棄培地を除去することができる。細胞に食物を与えるために培地を交換し、老廃物を除去するこの能力は、細胞の長期間の培養にとって重要である。しかしながら、培地を加え、除去すると、マイクロキャビティ内にあるスフェロイドを乱したり、移動されたりすることのある乱流が生じるであろう。このことは、細胞がマイクロキャビティの表面にくっつくのを防ぐために、マイクロキャビティが低結合性コーティングで被覆されている場合、特に当てはまる。スフェロイドは、固定されておらず(表面に接着されておらず)、マイクロキャビティの居場所から押しのけられ、そこから離れて浮かぶことがある。多くの理由のために、培養中に増殖しているスフェロイドが押しのけられることは好ましくない。スフェロイドは、使用済みの培地を除去することにより培養液から除去されることがある。押しのけられたスフェロイドは、他のスフェロイドがいるマイクロキャビティ中に沈降することがあり、他のスフェロイドと合併して不均一な3D細胞構造を形成することがある。すなわち、培地の交換後、いくつかのスフェロイドが、培養液中の他のものより大きいことがある。これにより、細胞培養の均一性が低下し、3D細胞に行われる検定または他の試験の結果が影響を受けるであろう。本開示において、乱流を減少させ、マイクロキャビティからスフェロイドを移動させる虞を低下させ、それゆえ、スフェロイドの長期の培養を促進する構造が開示されている。
細胞培養容器100および例示の細胞培養容器100内で細胞を培養する方法の実施の形態を、図1〜18を参照して記載する。図1は、例示の細胞培養容器100の側面図を概略示している。図2は、図1の線2−2に沿った容器100の平面図である。図1および図2に示されるように、細胞培養容器100の実施の形態が示されている。細胞培養容器100は、ポートまたは開口105(キャップ104付きで図1に示されているが、図3を参照のこと)およびそのポートまたは開口105を細胞培養チャンバ103に接続する首部112を有する。実施の形態において、その開口は、解放可能に密封することができる。例えば、実施の形態において、首部112の開口105の断面は、相補的なネジ付き構造を有するキャップ104によって、開口105を解放可能に密封できるネジ山(内部か外部のいずれか)を有することができる。あるいは、首の開口105は、容器を閉じるために当該技術分野に公知のどの他の機構によって、解放可能に密封されても差し支えない。首部112と組み合わされた開口105は、首付き開口109である(図3参照)。首付き開口109は、細胞培養チャンバ103の壁を通り、細胞培養チャンバ103と流体連通している。首付き開口109により、液体を容器の細胞培養チャンバ(内部)に導入し、そこから除去することができる。
容器100の細胞培養表面200は、実施の形態において、容器100が細胞増殖のために正しい向きに置かれている場合、容器100の底部108である。実施の形態において、容器100の底部108が表面上に平らになるように容器100が置かれている場合、容器100は細胞増殖のために正しい向きに置かれている。容器100は、側面106と首付き開口109と反対の端部壁107、上部101および底部108も有するであろう。実施の形態において、上部101は、容器100の細胞培養表面200と反対である。実施の形態において、首付き開口109は、容器100の端部壁107と反対である。実施の形態において、細胞培養表面200は、マイクロキャビティのアレイ115を有する。容器100のこれらの構造(首付き開口109、上部101、底部108、側壁106および端部壁107)の各々は、容器100の内側に向いた内部表面を有する。すなわち、上部101は内部表面201を有する。端部壁107は内部表面207を有する。側壁106は内部表面206を有する。首部112は内部表面212を有し、実施の形態において、底部108は内部表面を有する。その容器の内側は細胞培養チャンバ103であり、容器100の内側の空間は、上部101、底部108、側壁106および端部壁107により画成され、そこが、細胞が容器100の内側にあるところである。
図2は、図1の線2−2に沿った容器100の平面図を示す。いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100は、以下に限られないが、高分子、ポリカーボネート、ガラス、およびプラスチックを含む材料から製造することができる。実施の形態において、容器100は、透き通った(例えば、透明)材料から製造されていると示されている;しかしながら、いくつかの実施の形態において、容器100は、もう一つの方法として、本開示の範囲から逸脱せずに、半透明の、ほとんど不透明の、または不透明の材料から製造されることがある。
図2の線3−3に沿った容器100の断面図を示す図3に示されるように、底部108は、底部108上に置かれた挿入物216を有することがある。挿入物216は内面316を有する。挿入物216の内面316は、マイクロキャビティのアレイ115を有することがある。実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115内のマイクロキャビティは、細胞接着を阻害するコーティングで被覆されている。マイクロキャビティのアレイ115を有する挿入物216の内面316は、実施の形態において、細胞培養表面200を形成する。その挿入物は、高分子、ポリカーボネート、ガラス、およびプラスチックを含む、マイクロキャビティのアレイ115を形成するのに適したどの材料のものであってもよい。実施の形態において、挿入物216は、容器100の製造中に底部108上に置かれる。実施の形態において、挿入物216は、接着、溶接、音波溶接、超音波溶接、レーザ溶接などを含む当該技術分野に公知の任意の方法を使用して、容器100の製造中に底部108に取り付けられる。
図1および図2に戻ると、いくつかの実施の形態において、容器100は、ポート105を覆ってポート105を密封するか塞ぐかの少なくとも一方を行い、それによって、ポート105を通る容器100の外側からの細胞培養チャンバ103への通路を遮るように正しく置かれたキャップ104を備えることができる。明確にするために、キャップ104は取り除かれ、したがって、他の図面には示されていないが、いくつかの実施の形態において、本開示の範囲から逸脱せずに、キャップ104を設け、容器100のポート105に選択的に加えたり、取り外したりできることを理解すべきである。いくつかの実施の形態において、キャップ104は、容器100の細胞培養チャンバ103中へのおよび/またはそこからの気体の移動を可能にするフィルタを備えることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、キャップ104は、細胞培養チャンバ103内の気体の圧力を調整し、それによって、容器100の外部の環境の圧力(例えば、大気圧)に対して細胞培養チャンバ103の加圧(例えば、過圧)を防ぐように正しく置かれたガス透過性フィルタを備えることができる。
図4は、図1の線4−4に沿った断面図を示している。いくつかの実施の形態において、端部壁107は、容器100の軸110に沿ってポート105と反対に位置しており、マイクロキャビティのアレイ115を有する挿入物216は、細胞培養チャンバ103の長さ「Li」に亘る。実施の形態において、挿入物がある場合の挿入物216の長さ「Li」、または細胞培養チャンバ103の底部108の内部表面208にマイクロキャビティが設けられているときのマイクロキャビティのアレイ115の長さは、容器100の細胞培養チャンバ103の長さ「Lc」より小さい。すなわち、実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115は、この容器の細胞培養チャンバの全長Lcに沿って延在していない。実施の形態において、そのマイクロキャビティのアレイは、細胞培養チャンバの全長(Lc)未満しか延在していない。実施の形態において、マイクロキャビティのアレイは長さ(Li)だけ延在している。LiはLcより小さい。実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115と容器100の端部壁107との間に、バッフル113がある。バッフル113は長さ(Lb)を有する。バッフル113は、容器100の端部壁107とマイクロキャビティのアレイ115との間の空間を占める。
式1: Li+Lb=Lc
実施の形態において、前記バッフルは、首付き開口を上にして容器が配置されるときに、貯留槽を画成する。容器100の端部壁107に沿って、バッフル面114を有するバッフル113(下記により詳しく記載されている)がある。図4は、容器100の首付き開口109内のダム130も示している。図4に示された実施の形態において、ダムは正方形であるが、ダムは、湾曲、凹形、凸形、ねじれた、または任意の他の形状を含むどのような形状であっても差し支えない。それに加え、ダムのプロファイルは、図4に示されたように、正方形であることがある、またはダムのプロファイルは、湾曲、凹形、凸形、または任意の他の形状であることがある。
図5は、図4の区域5でとられたマイクロキャビティのアレイ115を有する表面の一部の拡大概略図を示している。さらに、図6は、図5の線6−6に沿ったマイクロキャビティのアレイ115を有する表面の一部の断面図を示しており、図7は、図6の断面図の代わりの実施の形態を示している。図5〜7に示されるように、いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115の各マイクロキャビティ120(120a、120b、120cとして示されている)は、各マイクロキャビティ120の上部に開口123a、123b、123c(例えば、マイクロキャビティのアレイ115の内部表面116内に)を有する。そして、マイクロキャビティのアレイ115の各マイクロキャビティ120は、ウェル122a、122b、122cを画成する凹面121a、121b、121c(図6および7参照)を備えることができる。さらに、各マイクロキャビティ120a、120b、120cは、ウェル122a、122b、122cを備えることができる。これらの構造は、マイクロキャビティのアレイ115が容器100の底部108と一体であるか、またはそのマイクロキャビティのアレイが、マイクロキャビティのアレイ115を有する挿入物216により与えられるかにかかわらず、存在する。
図6に示されるように、いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115の内部表面116は、マイクロキャビティ120を画成する非線形(例えば、波状、正弦波)プロファイルを備えることができる。マイクロキャビティのアレイ115を有する表面の底部側は、図6に126aとして示されるように、平面(例えば、平らな)プロファイルを備えることができる。これらの構造は、そのマイクロキャビティのアレイが容器100の底部108と一体であるか、またはそのマイクロキャビティのアレイが、マイクロキャビティのアレイ115を有する挿入物216により与えられるかにかかわらず、存在する。同様に、図7に示されるように、いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115の内部表面116および外部表面126の両方とも、非線形(例えば、波状、正弦波)プロファイルを備えることができる。これらの構造は、そのマイクロキャビティのアレイが容器100の底部108と一体であるか、またはそのマイクロキャビティのアレイが、マイクロキャビティのアレイ115を有する挿入物216により与えられるかにかかわらず、存在する。図7に示されるように、マイクロキャビティのアレイ115が容器100の底部108と一体である場合、マイクロキャビティ120のプロファイルが均一な厚さを有する実施の形態において、その内部表面はマイクロキャビティ120のアレイを示し、その表面の底部側は、微小突起のアレイ126bを有する。これらが、126bとして図7に示されている。容器100の底部108の外部表面126は、これらの波状部を示し、「凸凹」であることがある。すなわち、実施の形態において、容器100の底部108の外部表面126は、個々のマイクロキャビティ120の底部輪郭を示すことがある。図7に示されるように、そのマイクロキャビティの底部輪郭は、そのマイクロキャビティの波状構造の底部側であるが、マイクロキャビティは、どの形状であってもよく、したがって、容器100の底部108の外部表面は、マイクロキャビティ120の底部側であるどの形状であってもよい。すなわち、容器100の底部108の外部表面126は、微小突起のアレイを有しても、または「凸凹」であってもよい。このことは、マイクロキャビティのアレイが挿入物216により与えられている場合にも当てはまる。その場合、挿入物の外部表面は「凹凸」であってよく、一方で、容器100の底部108の外部表面は平面である。すなわち、挿入物216は、凸凹の外部表面126b、または微小突起のアレイ126bを有する外部表面を有することがあり、それは、底部108の内部表面に支えられることがあり、その内部表面は平坦であることがある。
図6に示されたマイクロキャビティのアレイ115を有する表面は、マイクロキャビティのアレイ115を作り出す図6における波状または正弦波プロファイルを有するマイクロキャビティのアレイ115を有する内部表面116を示している。マイクロキャビティのアレイ115の外部表面126aは、平面(例えば、平らな)プロファイルを有する。マイクロキャビティのアレイ115の内部表面116および外部表面126に関する図7において、底面は、丸まった微小突起のアレイを有する。図7に示されたマイクロキャビティのアレイ115のプロファイルは、削減されている。すなわち、実施の形態において、マイクロキャビティのアレイを作り出す材料のより薄いプロファイルにより、微小突起のアレイ126bを有する底面がもたらされる。これは、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面を作るために使用される材料の量を減少させることができ、例えば、マイクロキャビティのアレイ115の外部表面126aが平面(例えば、平らな)プロファイルを含む(図6)マイクロキャビティのアレイ115を有する表面よりも薄い壁のマイクロキャビティ120a、120b、120cを備えたマイクロキャビティのアレイ115を有する表面を提供することができる。いくつかの実施の形態において、壁がより薄いマイクロキャビティ120a、120b、120cは、マイクロキャビティ120の壁をガス透過性にできる材料のより薄いプロファイルを提供することができる。実施の形態において、これにより、マイクロキャビティのアレイを有する表面の気体移動(例えば、透過性)速度が速くなって、細胞培養中のウェル122a、122b、122cから出入りする気体が多くなるであろう。それゆえ、いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115の内部表面116および外部表面126の両方に、非平面(例えば、波状、正弦波)プロファイル(例えば、図7参照)を提供することにより、より健全な細胞培養環境を提供し、それによって、マイクロキャビティ120a、120b、120c内での細胞の培養を改善することができる。それに加え、実施の形態において、図6および図7に示された2つのプロファイルは、異なる製造方法を使用して製造されるであろう。図6に示されたようなプロファイルは、スタンピングまたは刻印もしくは比較的厚い材料の平らなシートの片面に形状を成形することによって、製造されることがある。図7に示されたプロファイルは、図7に示されたより薄いプロファイルを製造するために材料の薄いシートを成形または圧延することによって、製造されることがある。
いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面は、以下に限られないが、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスチレン共重合体、フルオロポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンブタジエン共重合体、完全に水素化されたスチレン重合体、ポリカーボネートPDMS共重合体、およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン共重合体および環状オレフィン共重合体などのポリオレフィンを含む高分子材料であり得る。それに加え、いくつかの実施の形態において、凹面121a、121b、121cにより画成されたウェル122a、122b、122cの少なくとも一部を低結合性コーティングで被覆し、それによって、ウェル122a、122b、122cのその少なくとも一部を、細胞に対して非接着性にすることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、ペルフルオロ高分子、オレフィン、アガロース、ポリアクリルアミドなどの非イオン性ヒドロゲル、ポリエチレンオキシドなどのポリエーテル、ポリビニルアルコールなどのポリオールまたはその混合物の1種類以上を、凹面121a、121b、121cにより画成されたウェル122a、122b、122cの少なくとも一部に施すことができる。
さらに、いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ120の各マイクロキャビティ120a、120b、120cは、本開示の範囲から逸脱せずに、様々な特徴構造およびそれらの特徴構造の変種を含むことができる。例えば、いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ120は、直線配列(図示の)、対角配列、長方形配列、円形配列、放射状配列、六方最密配置などを含むアレイ(マイクロキャビティのアレイ115)で配列することができる。それに加え、いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cは、様々な形状を含むことができる。いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cは、円形、卵形、長方形、四辺形、六角形、および他の多角形の1つ以上を含むことができる。それに加え、いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cは、約100マイクロメートル(μm)から約5000μmの寸法(例えば、直径、幅、正方形または長方形の対角線など)を含むことができる。例えば、いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cは、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm、1000μm、1500μm、2000μm、2500μm、3000μm、3500μm、4000μm、4500μm、5000μmの寸法、および約100μmから約5000μmの範囲内に含まれる任意の寸法または寸法の範囲を含むことができる。
いくつかの実施の形態において、凹面121a、121b、121cにより画成されたウェル122a、122b、122cは、様々な形状を含むことができる。いくつかの実施の形態において、凹面121a、121b、121cにより画成されたウェル122a、122b、122cは、円形、楕円形、放物形、双曲形、山形、傾斜、または他の断面プロファイル形状の1つ以上を含むことができる。それに加え、いくつかの実施の形態において、ウェル122a、122b、122cの深さ(例えば、開口123a、123b、123cにより画成される平面から、凹面121a、121b、121cまでの深さ)は、約100マイクロメートル(μm)から約5000μmまでの寸法を含むことができる。例えば、いくつかの実施の形態において、ウェル122a、122b、122cの深さは、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm、1000μm、1500μm、2000μm、2500μm、3000μm、3500μm、4000μm、4500μm、5000μmの寸法、および約100μmから約5000μmの範囲内に含まれる任意の寸法または寸法の範囲を含むことができる。
いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ115の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で培養できる三次元細胞150(例えば、スフェロイド、オルガノイド150a、150b、150c)(図16参照)は、約50μmから約5000μmの寸法(例えば、直径)、および約50μmから約5000μmの範囲内に含まれる任意の寸法または寸法の範囲を含むことができる。いくつかの実施の形態において、開示された明確な寸法より大きいまたは小さい寸法を提供することができ、したがって、特に明記のない限り、開示された明確な寸法より大きいまたは小さい寸法は、本開示の範囲内にあると考えられる。例えば、いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cの1つ以上の寸法、ウェル122a、122b、122cの深さ、および三次元細胞150(例えば、スフェロイド150a、150b、150c)の寸法は、本開示の範囲から逸脱せずに、開示された明確な寸法より大きくても、小さくても差し支えない。
それに加え、またはそれに代えて、図2の線8−8に沿った容器100の一部の部分断面図を示す図8に示されるように、いくつかの実施の形態において、バッフル113が、容器100の端部壁107に沿って存在することがある。図8に示されるものなどの実施の形態において、そのバッフルは、階段状または正方形プロファイル114aを有することがある。同様に、図8の容器100の一部の部分断面図の代わりの例示の実施の形態を示す図9に示されるように、いくつかの実施の形態において、バッフル113は、傾斜したまたは角度の付いたプロファイル114bを含み得る。下記により詳しく記載されるように、いくつかの実施の形態において、階段状または傾斜したバッフル113は、細胞培養容器100内で細胞を培養する方法に関する利点を提供することができる。
それに加え、またはそれに代えて、図3および図4に戻ると、いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100は、容器100の首部112の内部表面212から延在するダム130を備えることができる。図3および図4に示されるように、そのダムは、形状が長方形であり得る。いくつかの実施の形態において、ダム130は、ポート105とマイクロキャビティのアレイ115を有する表面との間で画成される流体通路を遮るポートに面する表面131を備え得る。いくつかの実施の形態において、ダム130のポートに面する表面131は、容器100の軸110に対して実質的に垂直であり得る。あるいは、図1の線10−10に沿った第1の例示の細胞培養容器100の一部の部分断面図の例示の実施の形態を示す図10に示されるように、いくつかの実施の形態において、ダム130のポートに面する表面131は、凸形プロファイル131aを含むことができる。それに加え、図11に示されるように、いくつかの実施の形態において、ダム130のポートに面する表面131は、凹形プロファイル131bを含むことができる。いくつかの実施の形態において、ダム130は、容器100から出入りする材料の流れを妨げるように設けることができる。追加の実施の形態において、ダム130は、正方形または湾曲している、またはどの形状であってもよい。
さらに、図3に戻ると、いくつかの実施の形態において、ダム130のエッジ135の少なくとも一部は、例えば、上部101の内面201から距離「d1」だけ距離をあけて配置することができる。いくつかの実施の形態において、ダム130の自由端135の少なくとも一部を内面201から距離をあけて配置することによって、いくつかの実施の形態において、容器100の後方部分(例えば、ポート105と反対側)へのアクセスを設けることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、1つ以上の器具(図示せず)を、ダム130を越えて(例えば、距離「d1」を通って)容器100のポート105中に挿入して、ダム130の背後に配置された細胞培養チャンバ103のある領域に到達することができる。したがって、いくつかの実施の形態において、ダム130は、第1の流路(図17の161a、161b、および161c参照)および第2の流路(図18の163a、163b参照)の少なくとも一方に沿って流れる材料の速度を遅くしつつ、容器100の細胞培養チャンバ103中へのバルクアクセスも可能にすることができる。
図12に示されるように、いくつかの実施の形態において、容器100が端部壁107で立っている場合、容器100の軸110は、重力「g」の方向に実質的に延在しつつ、所定量の液体140の液体が複数のマイクロキャビティ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141中に所定量の液体140を収容することができる。貯留槽141は、底部で端部壁107により、側部で容器100の側壁106により境界された、上部101とバッフル113との間の領域である。貯留槽141は、その液体がマイクロキャビティ120に入らずに、液体を収容するように構造が作られ、配置されている。バッフル113のために、マイクロキャビティのアレイ115はその容器の底部108に亘り、端部壁107までずっと延在しないが、代わりに、マイクロキャビティのアレイ115はバッフル113で終わるので、容器100内に貯留槽141がある。すなわち、マイクロキャビティのアレイの長さ(Li)は、容器の長さ(Lc)より小さいので、その容器内に存在する貯留槽141がある。それに加え、貯留槽141は、所定量の液体140を収容するようなサイズかつ形状である。
例えば、いくつかの実施の形態において、容器100は、容器100の軸110が重力「g」の方向に実質的に直立して延在した状態で、例えば、端部壁107で水平面(図示せず)上に置くことができる。それに加え、またはそれに代えて、いくつかの実施の形態において、容器100は、軸110が重力「g」の方向に実質的に延在した状態で、1つ以上の構造(例えば、フレーム、架台、人の手など)によって支持(例えば、保持、懸架)され得る。いくつかの実施の形態において、容器100の外側からポート105を通って細胞培養チャンバ103中に液体を通過させること(例えば、矢印106により示される)、および所定量の液体140の液体がマイクロキャビティのアレイ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141中に所定量の液体140を収容することの少なくとも一方を行いつつ、容器100を配置することおよび支持することの1つ以上に基づいて、軸110が重力「g」の方向に実質的に延在する状態で、容器100を設けることができる。
いくつかの実施の形態において、容器100が静止している間に、所定量の液体140の液体が複数のマイクロキャビティ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容することができる。あるいは、いくつかの実施の形態において、容器100が動いている(例えば、静止していない)間に、所定量の液体140の液体が複数のマイクロキャビティ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、所定量の液体140の液体が複数のマイクロキャビティ120の1つ以上のマイクロキャビティ120a、120b、120cと接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容しながら、容器100に、並進運動および回転運動の少なくとも一方を与えることができる。このように、重力「g」の方向に実質的に延在することに加え、またはその代わりに、いくつかの実施の形態において、所定量の液体140の液体がマイクロキャビティのアレイ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容しつつ、容器100の軸110が、重力「g」の方向に対して非ゼロの角度を画成する1つ以上に方向に延在することができる。
さらに、いくつかの実施の形態において、所定量の液体140の液体がマイクロキャビティのアレイ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容する間の、容器100の軸110の方向付け(例えば、重力「g」の方向に対して)は、容器100の貯留槽141内に所定量の液体140を収容する間の期間中に不変であり得る。あるいは、いくつかの実施の形態において、所定量の液体140の液体がマイクロキャビティのアレイ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容する間の、容器100の軸110の方向付け(例えば、重力「g」の方向に対して)は、容器100の貯留槽141内に所定量の液体140を収容する間の期間中に一回以上変化し得る。さらに、いくつかの実施の形態において、本開示の実施の形態にしたがって、ある瞬間に(例えば、期間と比べて)、所定量の液体140の液体がマイクロキャビティのアレイ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、容器100の貯留槽141内に所定量の液体140を収容することができる。図12に示された実施の形態において、バッフル面114は、傾斜したまたは角度の付いたバッフル面114bである。マイクロキャビティのアレイ115を有する内部表面316を有する挿入物216が図12に示されているが、マイクロキャビティの一体アレイ115を有する細胞培養容器の底部108を設けてもよいことが当業者には理解されるであろう。
図13に概略示されるように、いくつかの実施の形態において、前記方法は、所定量の液体140の液体が複数のマイクロキャビティ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容した後(図12参照)、容器100を動かして、所定量の液体140の少なくとも一部が、細胞培養チャンバ103の長さ「Li」に沿ってマイクロキャビティのアレイ115を有する表面上で貯留槽141から流れ、複数のマイクロキャビティ115(またはマイクロキャビティのアレイ115を有する内部表面316を有する挿入物216)の少なくとも1つのマイクロキャビティ120内に堆積する工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、容器100を動かす工程は、第1の向き(例えば、図12に与えられた向き)から第2の向き(例えば、図13に与えられた向き)に、容器100の並進および回転の少なくとも一方を行って、所定量の液体140の少なくとも一部が、細胞培養チャンバ103の長さ「Li」に沿ってマイクロキャビティのアレイ115を有する表面上で貯留槽141から流れ、複数のマイクロキャビティ115の少なくとも1つのマイクロキャビティ120内に堆積させる工程を含むことができ、少なくとも1つのマイクロキャビティ120内への液体の堆積は、制御することができ、いくつかの実施の形態において、確保することができる。
例えば、図14は、図13の区域14でとられた第1の例示の細胞培養容器100の一部の例示の実施の形態の拡大概略図を示しており、所定量の液体140の少なくとも一部が、細胞培養チャンバ103の長さ「Li」に沿ってマイクロキャビティのアレイ115を有する表面上を貯留槽141から流れだし、複数のマイクロキャビティ115の少なくとも1つのマイクロキャビティ120内に堆積しているのを示している。図14は、マイクロキャビティの開口(123a、123b、123c)、マイクロキャビティのウェル(122a、122b、122c)、マイクロキャビティの壁125、およびマイクロキャビティの底面(121a、121b、121c)を示している。これらの特徴構造がマイクロキャビティ(120a、120bおよび120c)を構成している。いくつかの実施の形態において、液体を流す容器100の動作は、制御することができ、遅いことがあり得る(例えば、およそ数分の期間で行われる)。例えば、複数のマイクロキャビティ120のマイクロキャビティ120a、120b、120cに液体を直接充填する(例えば、本開示の方法に基づかない)と、細胞増殖を阻害するか阻むの少なくとも一方である望ましくない充填特徴が生じ得ることが観察された。理論で束縛する意図はないが、複数のマイクロキャビティ120のマイクロキャビティ120a、120b、120cに液体を直接かつ急速に(例えば、およそ数秒の期間で行われる)充填しようとした場合、少なくとも、液体の表面張力およびウェル122a、122b、122c内の気体の存在に基づいて、その液体がマイクロキャビティ120a、120b、120cの開口123a、123b、123cに亘り延在するバリアを形成し、それによって、ウェル122a、122b、122c内に気体(例えば、空気または気泡)を捕捉し得ると考えられる。いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面を通る気体透過速度は、細胞培養時間に対して遅すぎ(例えば、およそ数時間およびおよそ数日の期間で生じる)、よって、実際の適用には、細胞がウェル122a、122b、122c内で培養できない程度まで、気泡がウェル122a、122b、122c内に留まり、液体がウェル122a、122b、122cの外部に留まる。すなわち、気泡は、細胞培養にとってよくない。
しかしながら、本開示の方法の1つ以上の特徴構造を利用することによって、例えば、容器100を動かして、所定量の液体140の少なくとも一部を細胞培養チャンバ103の長さ「Li」に沿ってマイクロキャビティのアレイ115を有する表面上を貯留槽141から流れ出させ、複数のマイクロキャビティ115の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内に堆積させることによって、その液体がその少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120cのそれぞれの開口123a、123b、123cの一部を通ってウェル122a、122b、122cに入ることができることが観察された。例えば、液体がウェル122a、122b、122cに流入するにつれて、その液体は、ウェル122a、122b、122c内の気体を移動させ、それによって、ウェル122a、122b、122cに液体を充填することができる。さらに、いくつかの実施の形態において、例えば、およそ数分の期間中にこの工程を行うことによって、液体が細胞培養チャンバ103の長さ「Li」に沿ってマイクロキャビティのアレイ115を有する表面上を貯留槽141から流れ出て、少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120cのそれぞれの開口123a、123b、123cの一部を通ってウェル122a、122b、122cに入るにつれて、ウェル122a、122b、122c内の気体の実質的に全てをウェル122a、122b、122cから移動させることができる。すなわち、マイクロキャビティ120に貯留槽141からの液体培地をゆっくりと充填することによって、マイクロキャビティ120内の気泡の形成が減少し、細胞培養が改善される。
いくつかの実施の形態において、容器100のバッフル113のプロファイル114は、少なくとも容器100の動きに基づいて、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面上の貯留槽141からの液体の流れを促進させる表面を提供することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、バッフル113の傾斜したまたは角度の付いたプロファイル114bは、液体が貯留槽141からマイクロキャビティのアレイ115を有する表面へと(このマイクロキャビティのアレイは挿入物216により与えることができる)それに沿って流動できる傾斜面を提供することができる。いくつかの実施の形態において、バッフル113は、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面に当接することができ、流体は、バッフル113の傾斜したプロファイル114bに沿って貯留槽141から流れ出し、流動が制御されて(例えば、液体の飛沫が減少しているかまたはなく、乱流が減少しているかまたはない)、少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c中に堆積し、それによって、気体をウェル122a、122b、122cから移動させつつ、少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120cのそれぞれの開口123a、123b、123cを通ってウェル122a、122b、122c中に堆積する液体の定常流を与えることができる。
図15に示されるように、いくつかの実施の形態において、少なくとも容器100の動きに基づいて、所定量の液体140を、マイクロキャビティのアレイ115を有する全面に亘り貯留槽141から流し出すことができる。それに加え、図16は、細胞培養容器100内で細胞150を培養する方法を含む、図15の区域16でとられた細胞培養容器100の一部の実施の形態の拡大概略図を示している。例えば、いくつかの実施の形態において、その方法は、少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内に所定量の液体140の少なくとも一部を堆積させた後、複数のマイクロキャビティ115の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150(例えば、スフェロイド150a、スフェロイド150b、スフェロイド150c)を培養する工程を含むことができる。図15および図16に示されるように、いくつかの実施の形態において、容器100の軸110は、複数のマイクロキャビティ120のマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150を培養している間、重力「g」の方向に対して実質的に垂直であり得る。
例えば、図17に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100内で細胞150を培養する方法は、ポート105に分注ポート160を挿入することによって、細胞培養チャンバ103中に材料(例えば、食物、栄養素、液体培地)を加える工程、および次いで、材料を分注ポート160から細胞培養チャンバ103中に分注する工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、その方法は、容器100のポート105に分注ポート160を挿入する工程を含み得る。その方法は、容器100の細胞培養チャンバ103内の第1の流路161a、161bに沿って材料を流す工程をさらに含み得る。その材料は、分注ポート160から材料を分注することによって、第1の流路161a、161bに沿って流れ、それによって、容器100の外部から細胞培養チャンバ103中に材料を加えることができる。それに加え、いくつかの実施の形態において、その方法は、第1の流路161a、161bに沿った材料の流れを遮る工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、第1の流路161a、161bに沿った流れを遮る工程は、第1の流路161a、161bに沿った流れをダム130で逸らす工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、第1の流路161a、161bに沿った流れをダム130で逸らす工程は、第1の流路161a、161bに沿った流れを少なくとも2つの分岐流161c、161dに分割する工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、2つの分岐流161c、161dの少なくとも一方は、ダム130の外周を横に廻って(例えば、ダム130の外周と、側壁201の内面102との間)細胞培養チャンバ103内を流れることができる。いくつかの実施の形態において、その方法は、材料を分注ポート160から細胞培養チャンバ103中に分注しながら、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150を培養する工程(図16参照)を含み得る。
それに加え、図18に示されるように、いくつかの実施の形態において、前記方法は、ポート105を通じて収集ポート162を挿入することによって、細胞培養チャンバ103から材料(例えば、老廃物、副生成物、液体培地)を除去する工程、および次いで、収集ポート162により細胞培養チャンバ103から材料を収集する工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、その方法は、ポート105に収集ポート162を挿入する工程、収集ポート162で材料を収集することによって、細胞培養チャンバ103内で第2の流路163a、163bに沿って材料を流し、それによって、細胞培養チャンバ103から材料を除去する工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、その方法は、第2の流路163a、163bに沿った材料の流れを遮る工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、第2の流路163a、163bに沿った材料の流れを遮る工程は、第2の流路163a、163bに沿った流れをダム130で逸らす工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、第2の流路163a、163bに沿った流れをダム130で逸らす工程は、第2の流路163a、163bに沿った流れを少なくとも2つの分岐流163c、163dに分割する工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、2つの分岐流163c、163dの少なくとも一方は、ダム130の外周を横に廻って(例えば、ダム130の外周と、側壁106の内面102との間)細胞培養チャンバ103内を流れることができる。いくつかの実施の形態において、その方法は、収集ポート162で細胞培養チャンバ103から材料を収集しながら、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150を培養する工程を含み得る。
いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150を培養しながら、第1の流路161a、161bおよび第2の流路163a、163bの少なくとも一方に沿った材料の流れをダム130で遮る工程は、例えば、細胞150の培養に干渉せずに、容器100の細胞培養チャンバ103に材料を加え、そこから材料を除去することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、分注ポート160は、材料を分注ポート160から細胞培養チャンバ130中に第1の流路161a、161bに沿ってある速度で流し(例えば、分注する、吹き込む)、それによって、ポート105および細胞培養チャンバ103内とその周りに正圧の力を作り出すことによって、細胞培養チャンバ103中に材料を加えることができる。同様に、いくつかの実施の形態において、収集ポート162は、材料を細胞培養チャンバ103から第2の流路163a、163bに沿ってある速度で流し(例えば、収集する、吸引する)し、それによって、ポート105および細胞培養チャンバ103内とその周りに負圧の力を作り出すことによって、細胞培養チャンバ103から材料を除去することができる。したがって、いくつかの実施の形態において、ダム130は、第1の流路161a、161bおよび第2の流路163a、163bの少なくとも一方に沿った材料の速度を遅くし、それによって、ポート105および細胞培養チャンバ103内とその周りの正圧の力および負圧の力をそれぞれ減少させることができる。いくつかの実施の形態において、ダム130は、したがって、第1の流路161a、161bおよび第2の流路163a、163bの少なくとも一方に沿った材料の流れが、複数のマイクロキャビティ120のマイクロキャビティ120a、120b、120c内で培養されている細胞150を押しのけるのを低下させるか防ぐかの少なくとも一方を行うことができる。例えば、いくつかの実施の形態において、材料の流れが1つ以上の細胞を押しのける場合、1つ以上のマイクロキャビティ120a、120b、120cが複数のスフェロイドを含むか、スフェロイドを全く含まないことがあり得る。それに加え、いくつかの実施の形態において、材料の流れが、容器100内で培養されている細胞150を押しのけるのを低下させるか防ぐかの少なくとも一方を行うことによって、より良い品質の細胞培養物および細胞培養に関連するより正確な科学的結果を得ることができる。
ここで、図12〜16を参照して、第1の例示の細胞培養容器100内で細胞を培養する方法を説明する。図12に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100内で細胞150を培養する方法(図16参照)は、容器100の外部からポート105を通じて液体を細胞培養チャンバ103に通し(例えば、矢印106に示される)、それによって、細胞培養チャンバ103内に所定量の液体140を提供する工程を含み得る。この方法は、バッフル113の傾斜したプロファイル114bを備えた容器100に関して記載されているが、いくつかの実施の形態において、その方法は、本開示の範囲から逸脱せずに、非平面境界部分114(図3に示されている)、および階段状プロファイル114a(図8に示されている)、並びに本開示の実施の形態にしたがう容器100の壁101の内面102の他のプロファイルに関して同じまたは同様の様式で利用することができることが理解されよう。
いくつかの実施の形態において、前記方法は、所定量の液体140の液体が、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面の複数のマイクロキャビティ120の1つ以上のマイクロキャビティ120a、120b、120cと接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容する工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、所定量の液体140の液体が、複数のマイクロキャビティ120の1つ以上のマイクロキャビティ120a、120b、120cと接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容しながら、所定量の液体140の液体は、バッフル113と接触することができる。下記により詳しく記載されるように、方法のこの段階で、所定量の液体140の液体が、複数のマイクロキャビティ120の1つ以上のマイクロキャビティ120a、120b、120cと接触するのを防ぐことにより、例えば、細胞150の改善された培養(図16参照)を促進するいくつかの利点を提供することができる。
図2の線3−3に沿った容器100の断面図を示す図3に示されるように、底部108は、底部108上に置かれた挿入物216を有することがある。挿入物216は内面316を有する。挿入物216の内面316は、追加の実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115を有し、細胞培養容器100は、複数のマイクロキャビティ120を備えたマイクロキャビティのアレイ115を有する表面を備えることができる(図5〜7参照)。いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面および壁101の内面102は、容器100の細胞培養チャンバ103を画成することができ、ポート105が、壁101を通り、細胞培養チャンバ103と流体連通している。例えば、いくつかの実施の形態において、細胞培養チャンバ103は、容器100の内部空間体積を含み得る。
実施の形態において、首付き開口の内部表面は、液体の流れを容器中に逸らせ、液体が容器に導入されるときに細胞培養表面上で培養された細胞が経験する乱流を減少させるための1つ以上のダムを有することがある。追加の実施の形態において、細胞を培養する方法は、首付き開口が上を向くように置かれるように容器を最初に配置し、容器の上部に沿って流体を流すことによって流体を容器に入れ、容器の後端から流体を除去することによって、培地を交換する工程を含み得る。さらに別の実施の形態において、細胞を培養する方法は、首付き開口が上を向くように置かれるように容器が配置されている間に培地を導入し、培地を容器の後端に充填し、次いで、マイクロキャビティのアレイを有する表面が下になるまで容器を注意深く傾斜させることによって、マイクロキャビティのアレイを有する表面上に培地を流す工程を含み得る。
いくつかの実施の形態において、容器は、細胞培養チャンバ中への液体の流れを妨げるためのダムを容器の首部に有する。追加の実施の形態において、細胞を培養する方法は、容器のポートに分注ポートを挿入する工程を含み得る。その方法は、壁の内面およびマイクロキャビティのアレイを有する表面により画成された容器の細胞培養チャンバ内で第1の流路に沿って材料を流し、それによって、材料を容器の外部から細胞培養チャンバ中に加える工程を含み得る。その方法は、その第1の流路に沿った材料の流れを妨げる工程を含み得る。
いくつかの実施の形態において、細胞を培養する方法は、容器内のポートを通じて容器の外部から、壁の内面およびマイクロキャビティのアレイを有する表面により画成された容器の細胞培養チャンバ中に液体を通し、それによって、細胞培養チャンバの貯留槽内に所定量の液体を提供する工程を含み得る。その方法は、細胞培養チャンバの貯留槽内に所定量の液体を、その液体が複数のマイクロキャビティの1つ以上と接触せずに収容する工程を含み得る。
いくつかの実施の形態において、細胞培養容器は、壁およびマイクロキャビティのアレイを有する表面を備えることができる。マイクロキャビティのアレイを有する表面および壁の内面および容器の上部は、容器の細胞培養チャンバ、すなわち前記細胞培養チャンバを画成する。ポートが、容器の外部を通り、その細胞培養チャンバと流体連通している。
細胞培養容器および細胞を培養する方法の数多くの態様をここに開示してきた。いくつかの選択された態様の概要が提示されている。
本開示の精神および範囲から逸脱せずに、本開示に様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。それゆえ、本開示は、本開示の改変および変更を、それらが付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入るという前提で包含することが意図されている。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
細胞培養容器において、
細胞培養チャンバであって、上部、底部、側壁、および該細胞培養チャンバの壁を通り、該細胞培養チャンバと流体連通している首付き開口を含む細胞培養チャンバ、
マイクロキャビティのアレイを有する細胞培養表面、および
前記首付き開口と反対の壁と前記マイクロキャビティのアレイとの間にあるバッフル、
を備え、
前記マイクロキャビティのアレイが、前記細胞培養チャンバの長さ(Lc)より小さい長さ(Li)に亘り延在し、
前記マイクロキャビティのアレイの長さ(Li)に前記バッフルの長さ(Lb)を加えた長さが前記細胞培養チャンバの長さ(Lc)と等しく、
よって、前記首付き開口が上向きになるように前記容器が方向付けられているときに、前記バッフルと前記細胞培養チャンバの上部との間に貯留槽がある、細胞培養容器。
実施形態2
前記底部が前記マイクロキャビティのアレイを備える、実施形態1に記載の細胞培養容器。
実施形態3
前記マイクロキャビティのアレイが前記底部の内部表面と一体である、実施形態2に記載の細胞培養容器。
実施形態4
前記マイクロキャビティのアレイの底面が平面である、実施形態3に記載の細胞培養容器。
実施形態5
前記マイクロキャビティのアレイの底面が、微小突起のアレイを備える、実施形態3に記載の細胞培養容器。
実施形態6
前記底部上に挿入物をさらに備え、該挿入物が前記マイクロキャビティのアレイを備える、実施形態1に記載の細胞培養容器。
実施形態7
前記挿入物が前記底部に取り付けられている、実施形態6に記載の細胞培養容器。
実施形態8
前記マイクロキャビティのアレイの底面が平面である、実施形態6に記載の細胞培養容器。
実施形態9
前記マイクロキャビティのアレイの底面が、微小突起のアレイを備える、実施形態6に記載の細胞培養容器。
実施形態10
前記バッフルが傾斜している、実施形態1から9のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
実施形態11
前記バッフルが正方形である、実施形態1から9のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
実施形態12
前記容器の首付き開口内にダムをさらに備える、実施形態1から11のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
実施形態13
前記ダムが湾曲している、実施形態12に記載の細胞培養容器。
実施形態14
前記ダムが長方形である、実施形態12に記載の細胞培養容器。
実施形態15
実施形態1から14のいずれか1つに記載の細胞培養容器内で細胞を培養する方法において、
前記容器の首付き開口と反対の端部壁で接するように該容器を置く工程、
前記容器に液体培地中に懸濁された細胞を導入し、そこで、該細胞および該液体培地が、前記バッフルと前記容器の上部との間の空間にある前記貯留槽内に入れられる工程、および
前記細胞および前記液体培地が、前記マイクロキャビティのアレイを備えた前記細胞培養表面上に流れるように、前記容器を回転させる工程、
を有してなる方法。
実施形態16
前記容器内で前記細胞を培養する工程をさらに含む、実施形態15に記載の方法。
実施形態17
前記細胞および前記液体培地が前記貯留槽に流れ込むように、前記容器を回転させる工程をさらに含む、実施形態16に記載の方法。
実施形態18
細胞を培養する方法において、
細胞培養容器の首付き開口に分注ポートを挿入する工程、
前記分注ポートから材料を分注することによって、壁の内面およびマイクロキャビティのアレイを備えた表面により画成された前記容器の細胞培養チャンバ内で第1の流路に沿って材料を流し、それによって、材料を該容器の外部から該細胞培養チャンバに加える工程、および
前記第1の流路に沿った材料の流れを遮る工程、
を有してなる方法。
実施形態19
前記第1の流路に沿った材料の流れを遮る工程が、該第1の流路に沿った材料の流れをダムで逸らせる工程を含む、実施形態18に記載の方法。
実施形態20
前記第1の流路に沿った材料の流れをダムで逸らせる工程が、前記第1の流路に沿った材料の流れを少なくとも2つの分岐流に分割する工程を含む、実施形態19に記載の方法。
100 細胞培養容器
101 上部
103 細胞培養チャンバ
104 キャップ
105 ポート、開口
106 側壁
107 端部壁
108 底部
109 首付き開口
112 首部
113 バッフル
115 マイクロキャビティのアレイ
120、120a、120b、120c マイクロキャビティ
121a、121b、121c 凹面
122a、122b、122c ウェル
123a、123b、123c 開口
130 ダム
150、150a、150b、150c 細胞、スフェロイド
200 細胞培養表面
216 挿入物
関連出願の説明
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、「Cell Culture Container and Methods of Culturing Cells」と題する、2017年7月14日に出願された米国仮特許出願第62/532648号の優先権の恩恵を主張するものである。
本開示は、広く、細胞培養容器および細胞を培養する方法に関し、より詳しくは、三次元細胞を収容し、操作するための細胞培養容器およびその細胞培養容器内で三次元細胞を培養する方法に関する。
細胞培養容器内に三次元細胞を収容し、培養することが公知である。
以下は、詳細な説明に記載されたいくつかの例示の実施の形態の基本的な理解を与えるために、本開示の簡単な概要を提示するものである。
実施の形態において、本開示は、細胞培養容器であって、首付き開口、細胞培養チャンバ、上部、底部、側壁、端部壁およびその容器の底面に一体に設けられたか、もしくはその容器の底面に配置されたまたは取り付けられた、マイクロキャビティのアレイを有する挿入物により設けられたかのいずれかの、マイクロキャビティのアレイを有する細胞を培養するための表面を有する細胞培養容器を提供する。実施の形態において、そのマイクロキャビティのアレイは、その容器の細胞培養チャンバの全長に沿って延在しない。実施の形態において、マイクロキャビティのアレイは、細胞培養チャンバの全長(L)未満で延在する。実施の形態において、マイクロキャビティのアレイは、長さ(Li)だけ延在する。LiはLより小さい。実施の形態において、マイクロキャビティのアレイと容器の端部壁との間に、バッフルがある。そのバッフルは、長さ(Lb)を有する。バッフルは、容器の端部壁とマイクロキャビティのアレイとの間の空間を占める。Li+Lb=L。実施の形態において、そのバッフルは、首付き開口が上になるように容器が置かれたときに、貯留槽を画成する。バッフルは、マイクロキャビティに最小の乱流で培地を充填し、それゆえ、マイクロキャビティ内にあるスフェロイドの撹乱を少なくできるようにマイクロキャビティに入る液体の流れを制御する。実施の形態において、バッフルは、傾斜、湾曲、正方形または任意の形状であってよい。追加の実施の形態において、また容器に出入りする液体の動きにより生じる乱流を減少させるために、容器の首付き開口は、容器に出入りする、液体培地などの液体の流れを妨げるダムを有することがある。実施の形態において、そのダムは、正方形または湾曲または任意の形状であってよい。これらの特徴構造は、単独で、または組合せで存在することがある。例えば、その容器は、マイクロキャビティのアレイおよび湾曲したまたは真っ直ぐのダムを有することがある。その容器は、マイクロキャビティのアレイおよびバッフルを有することがあり、そのバッフルは傾斜しているまたは正方形であることがある。その容器は、マイクロキャビティのアレイおよびダムとバッフルを有することがある。そして、そのダムは湾曲していても正方形であってもよく、そのバッフルは傾斜していても正方形であってもよい。細胞を培養し、培地を導入し、容器から培地を取り出す方法も提供される。
先の実施の形態は、例示であり、本開示の範囲から逸脱せずに、ここに与えられたどの1つ以上の実施の形態と、どの組合せで提供しても、または単独で提供しても差し支えない。さらに、先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、本開示の実施の形態を提示しており、記載され、請求項に定義されたような実施の形態の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供する意図があることを理解すべきである。添付図面は、その実施の形態のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、本開示の様々な実施の形態を示しており、説明と共に、その原理および作動を説明する働きをする。
本開示のこれらと他の特徴、実施の形態、および利点は、添付図面を参照して読んだときに、さらに理解することができる。
本開示の実施の形態による第1の例示の細胞培養容器の側面図 本開示の実施の形態による図1の線2−2に沿った第1の例示の細胞培養容器の平面図 本開示の実施の形態による図2の線3−3に沿った第1の例示の細胞培養容器の断面図 本開示の実施の形態による図1の線4−4に沿った第1の例示の細胞培養容器の断面図 本開示の実施の形態による、複数のマイクロキャビティを含むマイクロキャビティのアレイを有する表面を含む、図4の区域5でとられた第1の例示の細胞培養容器の一部の例示の実施の形態の拡大概略図 本開示の実施の形態による図5の線6−6に沿った、複数のマイクロキャビティを含むマイクロキャビティのアレイを有する表面を含む第1の例示の細胞培養容器のその一部の断面図 本開示の実施の形態による図6の複数のマイクロキャビティを含むマイクロキャビティのアレイを有する表面を含む第1の例示の細胞培養容器のその一部の代わりの例示の実施の形態の断面図 本開示の実施の形態による階段状プロファイルを含む、図2の線8−8に沿った第1の例示の細胞培養容器の一部の例示の実施の形態の部分断面図 本開示の実施の形態による傾斜プロファイルを含む、図8の第1の例示の細胞培養容器の一部の代わりの例示の実施の形態の部分断面図 本開示の実施の形態による凸状プロファイルを含むバッフルを備えた、図1の線10−10に沿った第1の例示の細胞培養容器の一部の例示の実施の形態の部分断面図 本開示の実施の形態による凹状プロファイルを含むバッフルを備えた、図10の第1の例示の細胞培養容器の一部の代わりの例示の実施の形態の部分断面図 本開示の実施の形態による第1の例示の細胞培養容器内で細胞を培養する方法を含む、図3の第1の例示の細胞培養容器の代わりの例示の実施の形態の断面図 本開示の実施の形態による図12の第1の例示の細胞培養容器内で細胞を培養する方法の例示の工程を示す断面図 本開示の実施の形態による、複数のマイクロキャビティを含むマイクロキャビティのアレイを有する表面を含む図13の区域14でとられた第1の例示の細胞培養容器の一部の例示の実施の形態の拡大概略図 本開示の実施の形態による図13の第1の例示の細胞培養容器内で細胞を培養する方法の例示の工程を示す断面図 本開示の実施の形態による、複数のマイクロキャビティを含むマイクロキャビティのアレイを有する表面を備えた図15の区域16でとられた第1の例示の細胞培養容器の一部、およびその複数のマイクロキャビティの内の少なくとも1つのマイクロキャビティ内で細胞を培養する方法の例示の実施の形態の拡大概略図 本開示の実施の形態による、バッフルを含む図10の第1の例示の細胞培養容器の一部および分注ポートで容器に材料を加える方法の代わりの例示の実施の形態の部分断面図 本開示の実施の形態による、バッフルを含む図10の第1の例示の細胞培養容器の一部および収集ポートで容器から材料を取り出す方法の代わりの例示の実施の形態の部分断面図
ここで、本開示の例示の実施の形態が示されている添付図面を参照して、特徴構造を下記により十分に記載する。できるときはいつでも、同じまたは同様の部分を称するために、図面に亘り同じ参照番号が使用される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具体化することができ、ここに述べられた実施の形態に限定されると解釈すべきではない。
細胞培養容器(例えば、フラスコ)は、細胞を培養するための無菌チャンバを提供することができる。いくつかの実施の形態において、細胞培養は、疾患と毒物学の研究、薬物と治療の効果、腫瘍の特徴、有機体、遺伝学、並びに細胞のおよび細胞に関連する他の科学、生物学、および化学原理に関連する情報を提供することができる。いくつかの実施の形態において、三次元細胞培養は、二次元細胞培養と比べて、より生理学的に正確であり、二次元細胞培養と比べて、実生活用途で細胞が存在し、成長できる環境をより実現的に表す多細胞性構造を生じることができる。例えば、三次元細胞培養は、「インビボ」(すなわち、生存している実生活内の)細胞増殖をシミュレーションする現実的環境をより厳密に提供することが分かっており、一方で、二次元細胞培養は、現実的環境をそれほど表していない「インビトロ」(すなわち、研究室環境におけるガラス内)細胞増殖をシミュレーションする環境を提供することが分かっている。三次元細胞培養物と相互作用し、その性質と挙動を観察することによって、例えば、疾患と毒物学の研究、薬物と治療の効果、腫瘍、有機体の特徴、遺伝学、並びに細胞のおよび細胞に関連する他の科学、生物学、および化学原理に関連する細胞の理解の向上を成し遂げることができる。
実施の形態において、細胞培養容器100は、各々が、液体培地および培養下の細胞と接触する内部表面を有する、底部108、上部101、および端部壁107と側壁106を備えることができる。これらの内部表面は、細胞培養チャンバ103を画成する。これらの表面の内の少なくとも1つは、細胞増殖に一層特別に適することができる。例えば、細胞培養表面は、細胞が表面にくっつくのを助長するまたは妨げるコーティングで処理されることがある。あるいは、スフェロイド細胞の培養を支援するために、細胞培養表面は、例えば、アレイ状に配列された複数のマイクロキャビティまたは区画(例えば、微小サイズのウェル、ミリリットル未満のサイズのウェル)を備えることができる。その細胞培養表面は、フラスコと一体であり得る、または細胞培養チャンバ内に置かれたまたは取り付けられたマイクロキャビティのアレイを有する別個の表面であり得る。上面、底面、1つ以上の側面、もしくはこれらの組合せは、アレイ状にマイクロキャビティを備えることができる。
例えば、いくつかの実施の形態において、1つのスフェロイドが、複数のマイクロキャビティの各々のマイクロキャビティ中に形成し得る。容器内の液体培地中に導入された細胞は、重力によってマイクロキャビティ中に沈降する。液体培地中に懸濁された1つ以上の細胞は、その液体を通って落下し、各マイクロキャビティ内に収まる。マイクロキャビティの形状(例えば、ウェルを画成する凹状表面)、および細胞が表面に付着するのを防ぐマイクロキャビティの表面コーティングも、細胞が三次元形態に増殖し、各マイクロキャビティ内にスフェロイドを形成するのを促進することができる。
マイクロキャビティは、例えば、波状のまたは正弦波の形状で形成され、丸まった上部と丸まった底部を有するマイクロキャビティまたはマイクロウェルを形成することができる。これらの丸まったエッジは、液体培地が容器を満たしたときに、気泡が形成されるのを防ぐであろう。いくつかの実施の形態において、フラスコに、三次元細胞培養物(例えば、細胞集合体、オルガノイドまたはスフェロイド)の増殖を促進する材料(例えば、培地、固体、液体、気体)を充填することができる。例えば、液体中に懸濁された細胞を含む培地を、細胞培養チャンバまたは容器に加えることができる。懸濁された細胞は、重力によって複数のマイクロキャビティ内に集まることができ、細胞の集団または塊を形成する(例えば、増殖する)ことができる。集団または塊の細胞は、三次元で増殖して、他にスフェロイドまたはオルガノイドとして知られている、3Dの細胞を形成する。細胞の1つの塊またはスフェロイドが、1つのマイクロキャビティ内に形成する。それゆえ、マイクロキャビティのアレイを有する細胞培養表面を有する容器または細胞培養チャンバを使用して、各々が自らのマイクロキャビティ内にある、スフェロイドのアレイを培養することができる。
培養中、スフェロイドは、培地(例えば、食物、栄養素)を消費し、副生成物として代謝産物(例えば、老廃物)を産生し得る。それゆえ、いくつかの実施の形態において、培地の形態にある食物を培養中に細胞培養チャンバに加えることができ、培養中に、細胞培養チャンバから廃棄培地を除去することができる。細胞に食物を与えるために培地を交換し、老廃物を除去するこの能力は、細胞の長期間の培養にとって重要である。しかしながら、培地を加え、除去すると、マイクロキャビティ内にあるスフェロイドを乱したり、移動されたりすることのある乱流が生じるであろう。このことは、細胞がマイクロキャビティの表面にくっつくのを防ぐために、マイクロキャビティが低結合性コーティングで被覆されている場合、特に当てはまる。スフェロイドは、固定されておらず(表面に接着されておらず)、マイクロキャビティの居場所から押しのけられ、そこから離れて浮かぶことがある。多くの理由のために、培養中に増殖しているスフェロイドが押しのけられることは好ましくない。スフェロイドは、使用済みの培地を除去することにより培養液から除去されることがある。押しのけられたスフェロイドは、他のスフェロイドがいるマイクロキャビティ中に沈降することがあり、他のスフェロイドと合併して不均一な3D細胞構造を形成することがある。すなわち、培地の交換後、いくつかのスフェロイドが、培養液中の他のものより大きいことがある。これにより、細胞培養の均一性が低下し、3D細胞に行われる検定または他の試験の結果が影響を受けるであろう。本開示において、乱流を減少させ、マイクロキャビティからスフェロイドを移動させる虞を低下させ、それゆえ、スフェロイドの長期の培養を促進する構造が開示されている。
細胞培養容器100および例示の細胞培養容器100内で細胞を培養する方法の実施の形態を、図1〜18を参照して記載する。図1は、例示の細胞培養容器100の側面図を概略示している。図2は、図1の線2−2に沿った容器100の平面図である。図1および図2に示されるように、細胞培養容器100の実施の形態が示されている。細胞培養容器100は、ポートまたは開口105(キャップ104付きで図1に示されているが、図3を参照のこと)およびそのポートまたは開口105を細胞培養チャンバ103に接続する首部112を有する。実施の形態において、その開口は、解放可能に密封することができる。例えば、実施の形態において、首部112の開口105の断面は、相補的なネジ付き構造を有するキャップ104によって、開口105を解放可能に密封できるネジ山(内部か外部のいずれか)を有することができる。あるいは、首の開口105は、容器を閉じるために当該技術分野に公知のどの他の機構によって、解放可能に密封されても差し支えない。首部112と組み合わされた開口105は、首付き開口109である(図3参照)。首付き開口109は、細胞培養チャンバ103の壁を通り、細胞培養チャンバ103と流体連通している。首付き開口109により、液体を容器の細胞培養チャンバ(内部)に導入し、そこから除去することができる。
容器100の細胞培養表面200は、実施の形態において、容器100が細胞増殖のために正しい向きに置かれている場合、容器100の底部108である。実施の形態において、容器100の底部108が表面上に平らになるように容器100が置かれている場合、容器100は細胞増殖のために正しい向きに置かれている。容器100は、側面106と首付き開口109と反対の端部壁107、上部101および底部108も有するであろう。実施の形態において、上部101は、容器100の細胞培養表面200と反対である。実施の形態において、首付き開口109は、容器100の端部壁107と反対である。実施の形態において、細胞培養表面200は、マイクロキャビティのアレイ115を有する。容器100のこれらの構造(首付き開口109、上部101、底部108、側壁106および端部壁107)の各々は、容器100の内側に向いた内部表面を有する。すなわち、上部101は内部表面201を有する。端部壁107は内部表面207を有する。側壁106は内部表面206を有する。首部112は内部表面212を有し、実施の形態において、底部108は内部表面を有する。その容器の内側は細胞培養チャンバ103であり、容器100の内側の空間は、上部101、底部108、側壁106および端部壁107により画成され、そこが、細胞が容器100の内側にあるところである。
図2は、図1の線2−2に沿った容器100の平面図を示す。いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100は、以下に限られないが、高分子、ポリカーボネート、ガラス、およびプラスチックを含む材料から製造することができる。実施の形態において、容器100は、透き通った(例えば、透明)材料から製造されていると示されている;しかしながら、いくつかの実施の形態において、容器100は、もう一つの方法として、本開示の範囲から逸脱せずに、半透明の、ほとんど不透明の、または不透明の材料から製造されることがある。
図2の線3−3に沿った容器100の断面図を示す図3に示されるように、底部108は、底部108上に置かれた挿入物216を有することがある。挿入物216は内面316を有する。挿入物216の内面316は、マイクロキャビティのアレイ115を有することがある。実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115内のマイクロキャビティは、細胞接着を阻害するコーティングで被覆されている。マイクロキャビティのアレイ115を有する挿入物216の内面316は、実施の形態において、細胞培養表面200を形成する。その挿入物は、高分子、ポリカーボネート、ガラス、およびプラスチックを含む、マイクロキャビティのアレイ115を形成するのに適したどの材料のものであってもよい。実施の形態において、挿入物216は、容器100の製造中に底部108上に置かれる。実施の形態において、挿入物216は、接着、溶接、音波溶接、超音波溶接、レーザ溶接などを含む当該技術分野に公知の任意の方法を使用して、容器100の製造中に底部108に取り付けられる。
図1および図2に戻ると、いくつかの実施の形態において、容器100は、ポート105を覆ってポート105を密封するか塞ぐかの少なくとも一方を行い、それによって、ポート105を通る容器100の外側からの細胞培養チャンバ103への通路を遮るように正しく置かれたキャップ104を備えることができる。明確にするために、キャップ104は取り除かれ、したがって、他の図面には示されていないが、いくつかの実施の形態において、本開示の範囲から逸脱せずに、キャップ104を設け、容器100のポート105に選択的に加えたり、取り外したりできることを理解すべきである。いくつかの実施の形態において、キャップ104は、容器100の細胞培養チャンバ103中へのおよび/またはそこからの気体の移動を可能にするフィルタを備えることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、キャップ104は、細胞培養チャンバ103内の気体の圧力を調整し、それによって、容器100の外部の環境の圧力(例えば、大気圧)に対して細胞培養チャンバ103の加圧(例えば、過圧)を防ぐように正しく置かれたガス透過性フィルタを備えることができる。
図4は、図1の線4−4に沿った断面図を示している。いくつかの実施の形態において、端部壁107は、容器100の軸110に沿ってポート105と反対に位置しており、マイクロキャビティのアレイ115を有する挿入物216は、細胞培養チャンバ103の長さ「Li」に亘る。実施の形態において、挿入物がある場合の挿入物216の長さ「Li」、または細胞培養チャンバ103の底部108の内部表面208にマイクロキャビティが設けられているときのマイクロキャビティのアレイ115の長さは、容器100の細胞培養チャンバ103の長さ「L」より小さい。すなわち、実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115は、この容器の細胞培養チャンバの全長Lに沿って延在していない。実施の形態において、そのマイクロキャビティのアレイは、細胞培養チャンバの全長(L)未満しか延在していない。実施の形態において、マイクロキャビティのアレイは長さ(Li)だけ延在している。LiはLより小さい。実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115と容器100の端部壁107との間に、バッフル113がある。バッフル113は長さ(Lb)を有する。バッフル113は、容器100の端部壁107とマイクロキャビティのアレイ115との間の空間を占める
式1: Li+Lb=L
実施の形態において、前記バッフルは、首付き開口を上にして容器が配置されるときに、貯留槽を画成する。容器100の端部壁107に沿って、バッフル面114を有するバッフル113(下記により詳しく記載されている)がある。図4は、容器100の首付き開口109内のダム130も示している。図4に示された実施の形態において、ダムは正方形であるが、ダムは、湾曲、凹形、凸形、ねじれた、または任意の他の形状を含むどのような形状であっても差し支えない。それに加え、ダムのプロファイルは、図4に示されたように、正方形であることがある、またはダムのプロファイルは、湾曲、凹形、凸形、または任意の他の形状であることがある。
図5は、図4の区域5でとられたマイクロキャビティのアレイ115を有する表面の一部の拡大概略図を示している。さらに、図6は、図5の線6−6に沿ったマイクロキャビティのアレイ115を有する表面の一部の断面図を示しており、図7は、図6の断面図の代わりの実施の形態を示している。図5〜7に示されるように、いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115の各マイクロキャビティ120(120a、120b、120cとして示されている)は、各マイクロキャビティ120の上部に開口123a、123b、123c(例えば、マイクロキャビティのアレイ115の内部表面116内に)を有する。そして、マイクロキャビティのアレイ115の各マイクロキャビティ120は、ウェル122a、122b、122cを画成する凹面121a、121b、121c(図6および7参照)を備えることができる。さらに、各マイクロキャビティ120a、120b、120cは、ウェル122a、122b、122cを備えることができる。これらの構造は、マイクロキャビティのアレイ115が容器100の底部108と一体であるか、またはそのマイクロキャビティのアレイが、マイクロキャビティのアレイ115を有する挿入物216により与えられるかにかかわらず、存在する。
図6に示されるように、いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115の内部表面116は、マイクロキャビティ120を画成する非線形(例えば、波状、正弦波)プロファイルを備えることができる。マイクロキャビティのアレイ115を有する表面の底部側は、図6に126として示されるように、平面(例えば、平らな)プロファイルを備えることができる。これらの構造は、そのマイクロキャビティのアレイが容器100の底部108と一体であるか、またはそのマイクロキャビティのアレイが、マイクロキャビティのアレイ115を有する挿入物216により与えられるかにかかわらず、存在する。同様に、図7に示されるように、いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115の内部表面116および外部表面126の両方とも、非線形(例えば、波状、正弦波)プロファイルを備えることができる。これらの構造は、そのマイクロキャビティのアレイが容器100の底部108と一体であるか、またはそのマイクロキャビティのアレイが、マイクロキャビティのアレイ115を有する挿入物216により与えられるかにかかわらず、存在する。図7に示されるように、マイクロキャビティのアレイ115が容器100の底部108と一体である場合、マイクロキャビティ120のプロファイルが均一な厚さを有する実施の形態において、その内部表面はマイクロキャビティ120のアレイを示し、その表面の底部側は、微小突起のアレイ126を有する。これらが、126として図7に示されている。容器100の底部108の外部表面126は、これらの波状部を示し、「凸凹」であることがある。すなわち、実施の形態において、容器100の底部108の外部表面126は、個々のマイクロキャビティ120の底部輪郭を示すことがある。図7に示されるように、そのマイクロキャビティの底部輪郭は、そのマイクロキャビティの波状構造の底部側であるが、マイクロキャビティは、どの形状であってもよく、したがって、容器100の底部108の外部表面は、マイクロキャビティ120の底部側であるどの形状であってもよい。すなわち、容器100の底部108の外部表面126は、微小突起のアレイを有しても、または「凸凹」であってもよい。このことは、マイクロキャビティのアレイが挿入物216により与えられている場合にも当てはまる。その場合、挿入物の外部表面は「凹凸」であってよく、一方で、容器100の底部108の外部表面は平面である。すなわち、挿入物216は、凸凹の外部表面126、または微小突起のアレイ126を有する外部表面を有することがあり、それは、底部108の内部表面に支えられることがあり、その内部表面は平坦であることがある。
図6に示されたマイクロキャビティのアレイ115を有する表面は、マイクロキャビティのアレイ115を作り出す図6における波状または正弦波プロファイルを有するマイクロキャビティのアレイ115を有する内部表面116を示している。マイクロキャビティのアレイ115の外部表面126は、平面(例えば、平らな)プロファイルを有する。マイクロキャビティのアレイ115の内部表面116および外部表面126に関する図7において、底面は、丸まった微小突起のアレイを有する。図7に示されたマイクロキャビティのアレイ115のプロファイルは、削減されている。すなわち、実施の形態において、マイクロキャビティのアレイを作り出す材料のより薄いプロファイルにより、微小突起のアレイ126を有する底面がもたらされる。これは、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面を作るために使用される材料の量を減少させることができ、例えば、マイクロキャビティのアレイ115の外部表面126が平面(例えば、平らな)プロファイルを含む(図6)マイクロキャビティのアレイ115を有する表面よりも薄い壁のマイクロキャビティ120a、120b、120cを備えたマイクロキャビティのアレイ115を有する表面を提供することができる。いくつかの実施の形態において、壁がより薄いマイクロキャビティ120a、120b、120cは、マイクロキャビティ120の壁をガス透過性にできる材料のより薄いプロファイルを提供することができる。実施の形態において、これにより、マイクロキャビティのアレイを有する表面の気体移動(例えば、透過性)速度が速くなって、細胞培養中のウェル122a、122b、122cから出入りする気体が多くなるであろう。それゆえ、いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115の内部表面116および外部表面126の両方に、非平面(例えば、波状、正弦波)プロファイル(例えば、図7参照)を提供することにより、より健全な細胞培養環境を提供し、それによって、マイクロキャビティ120a、120b、120c内での細胞の培養を改善することができる。それに加え、実施の形態において、図6および図7に示された2つのプロファイルは、異なる製造方法を使用して製造されるであろう。図6に示されたようなプロファイルは、スタンピングまたは刻印もしくは比較的厚い材料の平らなシートの片面に形状を成形することによって、製造されることがある。図7に示されたプロファイルは、図7に示されたより薄いプロファイルを製造するために材料の薄いシートを成形または圧延することによって、製造されることがある。
いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面は、以下に限られないが、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスチレン共重合体、フルオロポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンブタジエン共重合体、完全に水素化されたスチレン重合体、ポリカーボネートPDMS共重合体、およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン共重合体および環状オレフィン共重合体などのポリオレフィンを含む高分子材料であり得る。それに加え、いくつかの実施の形態において、凹面121a、121b、121cにより画成されたウェル122a、122b、122cの少なくとも一部を低結合性コーティングで被覆し、それによって、ウェル122a、122b、122cのその少なくとも一部を、細胞に対して非接着性にすることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、ペルフルオロ高分子、オレフィン、アガロース、ポリアクリルアミドなどの非イオン性ヒドロゲル、ポリエチレンオキシドなどのポリエーテル、ポリビニルアルコールなどのポリオールまたはその混合物の1種類以上を、凹面121a、121b、121cにより画成されたウェル122a、122b、122cの少なくとも一部に施すことができる。
さらに、いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ120の各マイクロキャビティ120a、120b、120cは、本開示の範囲から逸脱せずに、様々な特徴構造およびそれらの特徴構造の変種を含むことができる。例えば、いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ120は、直線配列(図示の)、対角配列、長方形配列、円形配列、放射状配列、六方最密配置などを含むアレイ(マイクロキャビティのアレイ115)で配列することができる。それに加え、いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cは、様々な形状を含むことができる。いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cは、円形、卵形、長方形、四辺形、六角形、および他の多角形の1つ以上を含むことができる。それに加え、いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cは、約100マイクロメートル(μm)から約5000μmの寸法(例えば、直径、幅、正方形または長方形の対角線など)を含むことができる。例えば、いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cは、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm、1000μm、1500μm、2000μm、2500μm、3000μm、3500μm、4000μm、4500μm、5000μmの寸法、および約100μmから約5000μmの範囲内に含まれる任意の寸法または寸法の範囲を含むことができる。
いくつかの実施の形態において、凹面121a、121b、121cにより画成されたウェル122a、122b、122cは、様々な形状を含むことができる。いくつかの実施の形態において、凹面121a、121b、121cにより画成されたウェル122a、122b、122cは、円形、楕円形、放物形、双曲形、山形、傾斜、または他の断面プロファイル形状の1つ以上を含むことができる。それに加え、いくつかの実施の形態において、ウェル122a、122b、122cの深さ(例えば、開口123a、123b、123cにより画成される平面から、凹面121a、121b、121cまでの深さ)は、約100マイクロメートル(μm)から約5000μmまでの寸法を含むことができる。例えば、いくつかの実施の形態において、ウェル122a、122b、122cの深さは、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm、1000μm、1500μm、2000μm、2500μm、3000μm、3500μm、4000μm、4500μm、5000μmの寸法、および約100μmから約5000μmの範囲内に含まれる任意の寸法または寸法の範囲を含むことができる。
いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で培養できる三次元細胞150(例えば、スフェロイド、オルガノイド150a、150b、150c)(図16参照)は、約50μmから約5000μmの寸法(例えば、直径)、および約50μmから約5000μmの範囲内に含まれる任意の寸法または寸法の範囲を含むことができる。いくつかの実施の形態において、開示された明確な寸法より大きいまたは小さい寸法を提供することができ、したがって、特に明記のない限り、開示された明確な寸法より大きいまたは小さい寸法は、本開示の範囲内にあると考えられる。例えば、いくつかの実施の形態において、開口123a、123b、123cの1つ以上の寸法、ウェル122a、122b、122cの深さ、および三次元細胞150(例えば、スフェロイド150a、150b、150c)の寸法は、本開示の範囲から逸脱せずに、開示された明確な寸法より大きくても、小さくても差し支えない。
それに加え、またはそれに代えて、図2の線8−8に沿った容器100の一部の部分断面図を示す図8に示されるように、いくつかの実施の形態において、バッフル113が、容器100の端部壁107に沿って存在することがある。図8に示されるものなどの実施の形態において、そのバッフルは、階段状または正方形プロファイル114aを有することがある。同様に、図8の容器100の一部の部分断面図の代わりの例示の実施の形態を示す図9に示されるように、いくつかの実施の形態において、バッフル113は、傾斜したまたは角度の付いたプロファイル114bを含み得る。下記により詳しく記載されるように、いくつかの実施の形態において、階段状または傾斜したバッフル113は、細胞培養容器100内で細胞を培養する方法に関する利点を提供することができる。
それに加え、またはそれに代えて、図3および図4に戻ると、いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100は、容器100の首部112の内部表面212から延在するダム130を備えることができる。図3および図4に示されるように、そのダムは、形状が長方形であり得る。いくつかの実施の形態において、ダム130は、ポート105とマイクロキャビティのアレイ115を有する表面との間で画成される流体通路を遮るポートに面する表面131を備え得る。いくつかの実施の形態において、ダム130のポートに面する表面131は、容器100の軸110に対して実質的に垂直であり得る。あるいは、図1の線10−10に沿った第1の例示の細胞培養容器100の一部の部分断面図の例示の実施の形態を示す図10に示されるように、いくつかの実施の形態において、ダム130のポートに面する表面131は、凸形プロファイル131aを含むことができる。それに加え、図11に示されるように、いくつかの実施の形態において、ダム130のポートに面する表面131は、凹形プロファイル131bを含むことができる。いくつかの実施の形態において、ダム130は、容器100から出入りする材料の流れを妨げるように設けることができる。追加の実施の形態において、ダム130は、正方形または湾曲している、またはどの形状であってもよい。
さらに、図3に戻ると、いくつかの実施の形態において、ダム130のエッジ135の少なくとも一部は、例えば、上部101の内面201から距離「d1」だけ距離をあけて配置することができる。いくつかの実施の形態において、ダム130の自由端135の少なくとも一部を内面201から距離をあけて配置することによって、いくつかの実施の形態において、容器100の後方部分(例えば、ポート105と反対側)へのアクセスを設けることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、1つ以上の器具(図示せず)を、ダム130を越えて(例えば、距離「d1」を通って)容器100のポート105中に挿入して、ダム130の背後に配置された細胞培養チャンバ103のある領域に到達することができる。したがって、いくつかの実施の形態において、ダム130は、第1の流路(図17の161a、161b、および161c参照)および第2の流路(図18の163a、163b参照)の少なくとも一方に沿って流れる材料の速度を遅くしつつ、容器100の細胞培養チャンバ103中へのバルクアクセスも可能にすることができる。
図12に示されるように、いくつかの実施の形態において、容器100が端部壁107で立っている場合、容器100の軸110は、重力「g」の方向に実質的に延在しつつ、所定量の液体140の液体が複数のマイクロキャビティ120の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141中に所定量の液体140を収容することができる。貯留槽141は、底部で端部壁107により、側部で容器100の側壁106により境界された、上部101とバッフル113との間の領域である。貯留槽141は、その液体がマイクロキャビティ120に入らずに、液体を収容するように構造が作られ、配置されている。バッフル113のために、マイクロキャビティのアレイ115はその容器の底部108に亘り、端部壁107までずっと延在しないが、代わりに、マイクロキャビティのアレイ115はバッフル113で終わるので、容器100内に貯留槽141がある。すなわち、マイクロキャビティのアレイの長さ(Li)は、容器の長さ(L)より小さいので、その容器内に存在する貯留槽141がある。それに加え、貯留槽141は、所定量の液体140を収容するようなサイズかつ形状である。
例えば、いくつかの実施の形態において、容器100は、容器100の軸110が重力「g」の方向に実質的に直立して延在した状態で、例えば、端部壁107で水平面(図示せず)上に置くことができる。それに加え、またはそれに代えて、いくつかの実施の形態において、容器100は、軸110が重力「g」の方向に実質的に延在した状態で、1つ以上の構造(例えば、フレーム、架台、人の手など)によって支持(例えば、保持、懸架)され得る。いくつかの実施の形態において、容器100の外側からポート105を通って細胞培養チャンバ103中に液体を通過させること(例えば、矢印106により示される)、および所定量の液体140の液体がマイクロキャビティのアレイ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141中に所定量の液体140を収容することの少なくとも一方を行いつつ、容器100を配置することおよび支持することの1つ以上に基づいて、軸110が重力「g」の方向に実質的に延在する状態で、容器100を設けることができる。
いくつかの実施の形態において、容器100が静止している間に、所定量の液体140の液体が複数のマイクロキャビティ120の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容することができる。あるいは、いくつかの実施の形態において、容器100が動いている(例えば、静止していない)間に、所定量の液体140の液体が複数のマイクロキャビティ120の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、所定量の液体140の液体が複数のマイクロキャビティ120の1つ以上のマイクロキャビティ120a、120b、120cと接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容しながら、容器100に、並進運動および回転運動の少なくとも一方を与えることができる。このように、重力「g」の方向に実質的に延在することに加え、またはその代わりに、いくつかの実施の形態において、所定量の液体140の液体がマイクロキャビティのアレイ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容しつつ、容器100の軸110が、重力「g」の方向に対して非ゼロの角度を画成する1つ以上に方向に延在することができる。
さらに、いくつかの実施の形態において、所定量の液体140の液体がマイクロキャビティのアレイ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容する間の、容器100の軸110の方向付け(例えば、重力「g」の方向に対して)は、容器100の貯留槽141内に所定量の液体140を収容する間の期間中に不変であり得る。あるいは、いくつかの実施の形態において、所定量の液体140の液体がマイクロキャビティのアレイ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容する間の、容器100の軸110の方向付け(例えば、重力「g」の方向に対して)は、容器100の貯留槽141内に所定量の液体140を収容する間の期間中に一回以上変化し得る。さらに、いくつかの実施の形態において、本開示の実施の形態にしたがって、ある瞬間に(例えば、期間と比べて)、所定量の液体140の液体がマイクロキャビティのアレイ115の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、容器100の貯留槽141内に所定量の液体140を収容することができる。図12に示された実施の形態において、バッフル面114は、傾斜したまたは角度の付いたバッフル面114bである。マイクロキャビティのアレイ115を有する内部表面316を有する挿入物216が図12に示されているが、マイクロキャビティの一体アレイ115を有する細胞培養容器の底部108を設けてもよいことが当業者には理解されるであろう。
図13に概略示されるように、いくつかの実施の形態において、前記方法は、所定量の液体140の液体が複数のマイクロキャビティ120の1つ以上のマイクロキャビティ120と接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容した後(図12参照)、容器100を動かして、所定量の液体140の少なくとも一部が、細胞培養チャンバ103の長さ「Li」に沿ってマイクロキャビティのアレイ115を有する表面上で貯留槽141から流れ、複数のマイクロキャビティ120(またはマイクロキャビティのアレイ115を有する内部表面316を有する挿入物216)の少なくとも1つのマイクロキャビティ120内に堆積する工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、容器100を動かす工程は、第1の向き(例えば、図12に与えられた向き)から第2の向き(例えば、図13に与えられた向き)に、容器100の並進および回転の少なくとも一方を行って、所定量の液体140の少なくとも一部が、細胞培養チャンバ103の長さ「Li」に沿ってマイクロキャビティのアレイ115を有する表面上で貯留槽141から流れ、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120内に堆積させる工程を含むことができ、少なくとも1つのマイクロキャビティ120内への液体の堆積は、制御することができ、いくつかの実施の形態において、確保することができる。
例えば、図14は、図13の区域14でとられた第1の例示の細胞培養容器100の一部の例示の実施の形態の拡大概略図を示しており、所定量の液体140の少なくとも一部が、細胞培養チャンバ103の長さ「Li」に沿ってマイクロキャビティのアレイ115を有する表面上を貯留槽141から流れだし、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120内に堆積しているのを示している。図14は、マイクロキャビティの開口(123a、123b、123c)、マイクロキャビティのウェル(122a、122b、122c)、マイクロキャビティの壁125、およびマイクロキャビティの底面(121a、121b、121c)を示している。これらの特徴構造がマイクロキャビティ(120a、120bおよび120c)を構成している。いくつかの実施の形態において、液体を流す容器100の動作は、制御することができ、遅いことがあり得る(例えば、およそ数分の期間で行われる)。例えば、複数のマイクロキャビティ120のマイクロキャビティ120a、120b、120cに液体を直接充填する(例えば、本開示の方法に基づかない)と、細胞増殖を阻害するか阻むの少なくとも一方である望ましくない充填特徴が生じ得ることが観察された。理論で束縛する意図はないが、複数のマイクロキャビティ120のマイクロキャビティ120a、120b、120cに液体を直接かつ急速に(例えば、およそ数秒の期間で行われる)充填しようとした場合、少なくとも、液体の表面張力およびウェル122a、122b、122c内の気体の存在に基づいて、その液体がマイクロキャビティ120a、120b、120cの開口123a、123b、123cに亘り延在するバリアを形成し、それによって、ウェル122a、122b、122c内に気体(例えば、空気または気泡)を捕捉し得ると考えられる。いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面を通る気体透過速度は、細胞培養時間に対して遅すぎ(例えば、およそ数時間およびおよそ数日の期間で生じる)、よって、実際の適用には、細胞がウェル122a、122b、122c内で培養できない程度まで、気泡がウェル122a、122b、122c内に留まり、液体がウェル122a、122b、122cの外部に留まる。すなわち、気泡は、細胞培養にとってよくない。
しかしながら、本開示の方法の1つ以上の特徴構造を利用することによって、例えば、容器100を動かして、所定量の液体140の少なくとも一部を細胞培養チャンバ103の長さ「Li」に沿ってマイクロキャビティのアレイ115を有する表面上を貯留槽141から流れ出させ、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内に堆積させることによって、その液体がその少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120cのそれぞれの開口123a、123b、123cの一部を通ってウェル122a、122b、122cに入ることができることが観察された。例えば、液体がウェル122a、122b、122cに流入するにつれて、その液体は、ウェル122a、122b、122c内の気体を移動させ、それによって、ウェル122a、122b、122cに液体を充填することができる。さらに、いくつかの実施の形態において、例えば、およそ数分の期間中にこの工程を行うことによって、液体が細胞培養チャンバ103の長さ「Li」に沿ってマイクロキャビティのアレイ115を有する表面上を貯留槽141から流れ出て、少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120cのそれぞれの開口123a、123b、123cの一部を通ってウェル122a、122b、122cに入るにつれて、ウェル122a、122b、122c内の気体の実質的に全てをウェル122a、122b、122cから移動させることができる。すなわち、マイクロキャビティ120に貯留槽141からの液体培地をゆっくりと充填することによって、マイクロキャビティ120内の気泡の形成が減少し、細胞培養が改善される。
いくつかの実施の形態において、容器100のバッフル113のプロファイル114は、少なくとも容器100の動きに基づいて、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面上の貯留槽141からの液体の流れを促進させる表面を提供することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、バッフル113の傾斜したまたは角度の付いたプロファイル114bは、液体が貯留槽141からマイクロキャビティのアレイ115を有する表面へと(このマイクロキャビティのアレイは挿入物216により与えることができる)それに沿って流動できる傾斜面を提供することができる。いくつかの実施の形態において、バッフル113は、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面に当接することができ、流体は、バッフル113の傾斜したプロファイル114bに沿って貯留槽141から流れ出し、流動が制御されて(例えば、液体の飛沫が減少しているかまたはなく、乱流が減少しているかまたはない)、少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c中に堆積し、それによって、気体をウェル122a、122b、122cから移動させつつ、少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120cのそれぞれの開口123a、123b、123cを通ってウェル122a、122b、122c中に堆積する液体の定常流を与えることができる。
図15に示されるように、いくつかの実施の形態において、少なくとも容器100の動きに基づいて、所定量の液体140を、マイクロキャビティのアレイ115を有する全面に亘り貯留槽141から流し出すことができる。それに加え、図16は、細胞培養容器100内で細胞150を培養する方法を含む、図15の区域16でとられた細胞培養容器100の一部の実施の形態の拡大概略図を示している。例えば、いくつかの実施の形態において、その方法は、少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内に所定量の液体140の少なくとも一部を堆積させた後、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150(例えば、スフェロイド150a、スフェロイド150b、スフェロイド150c)を培養する工程を含むことができる。図15および図16に示されるように、いくつかの実施の形態において、容器100の軸110は、複数のマイクロキャビティ120のマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150を培養している間、重力「g」の方向に対して実質的に垂直であり得る。
例えば、図17に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100内で細胞150を培養する方法は、ポート105に分注ポート160を挿入することによって、細胞培養チャンバ103中に材料(例えば、食物、栄養素、液体培地)を加える工程、および次いで、材料を分注ポート160から細胞培養チャンバ103中に分注する工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、その方法は、容器100のポート105に分注ポート160を挿入する工程を含み得る。その方法は、容器100の細胞培養チャンバ103内の第1の流路161a、161bに沿って材料を流す工程をさらに含み得る。その材料は、分注ポート160から材料を分注することによって、第1の流路161a、161bに沿って流れ、それによって、容器100の外部から細胞培養チャンバ103中に材料を加えることができる。それに加え、いくつかの実施の形態において、その方法は、第1の流路161a、161bに沿った材料の流れを遮る工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、第1の流路161a、161bに沿った流れを遮る工程は、第1の流路161a、161bに沿った流れをダム130で逸らす工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、第1の流路161a、161bに沿った流れをダム130で逸らす工程は、第1の流路161a、161bに沿った流れを少なくとも2つの分岐流161c、161dに分割する工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、2つの分岐流161c、161dの少なくとも一方は、ダム130の外周を横に廻って(例えば、ダム130の外周と、側壁201の内面102との間)細胞培養チャンバ103内を流れることができる。いくつかの実施の形態において、その方法は、材料を分注ポート160から細胞培養チャンバ103中に分注しながら、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150を培養する工程(図16参照)を含み得る。
それに加え、図18に示されるように、いくつかの実施の形態において、前記方法は、ポート105を通じて収集ポート162を挿入することによって、細胞培養チャンバ103から材料(例えば、老廃物、副生成物、液体培地)を除去する工程、および次いで、収集ポート162により細胞培養チャンバ103から材料を収集する工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、その方法は、ポート105に収集ポート162を挿入する工程、収集ポート162で材料を収集することによって、細胞培養チャンバ103内で第2の流路163a、163bに沿って材料を流し、それによって、細胞培養チャンバ103から材料を除去する工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、その方法は、第2の流路163a、163bに沿った材料の流れを遮る工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、第2の流路163a、163bに沿った材料の流れを遮る工程は、第2の流路163a、163bに沿った流れをダム130で逸らす工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、第2の流路163a、163bに沿った流れをダム130で逸らす工程は、第2の流路163a、163bに沿った流れを少なくとも2つの分岐流163c、163dに分割する工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、2つの分岐流163c、163dの少なくとも一方は、ダム130の外周を横に廻って(例えば、ダム130の外周と、側壁106の内面102との間)細胞培養チャンバ103内を流れることができる。いくつかの実施の形態において、その方法は、収集ポート162で細胞培養チャンバ103から材料を収集しながら、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150を培養する工程を含み得る。
いくつかの実施の形態において、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150を培養しながら、第1の流路161a、161bおよび第2の流路163a、163bの少なくとも一方に沿った材料の流れをダム130で遮る工程は、例えば、細胞150の培養に干渉せずに、容器100の細胞培養チャンバ103に材料を加え、そこから材料を除去することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、分注ポート160は、材料を分注ポート160から細胞培養チャンバ130中に第1の流路161a、161bに沿ってある速度で流し(例えば、分注する、吹き込む)、それによって、ポート105および細胞培養チャンバ103内とその周りに正圧の力を作り出すことによって、細胞培養チャンバ103中に材料を加えることができる。同様に、いくつかの実施の形態において、収集ポート162は、材料を細胞培養チャンバ103から第2の流路163a、163bに沿ってある速度で流し(例えば、収集する、吸引する)し、それによって、ポート105および細胞培養チャンバ103内とその周りに負圧の力を作り出すことによって、細胞培養チャンバ103から材料を除去することができる。したがって、いくつかの実施の形態において、ダム130は、第1の流路161a、161bおよび第2の流路163a、163bの少なくとも一方に沿った材料の速度を遅くし、それによって、ポート105および細胞培養チャンバ103内とその周りの正圧の力および負圧の力をそれぞれ減少させることができる。いくつかの実施の形態において、ダム130は、したがって、第1の流路161a、161bおよび第2の流路163a、163bの少なくとも一方に沿った材料の流れが、複数のマイクロキャビティ120のマイクロキャビティ120a、120b、120c内で培養されている細胞150を押しのけるのを低下させるか防ぐかの少なくとも一方を行うことができる。例えば、いくつかの実施の形態において、材料の流れが1つ以上の細胞を押しのける場合、1つ以上のマイクロキャビティ120a、120b、120cが複数のスフェロイドを含むか、スフェロイドを全く含まないことがあり得る。それに加え、いくつかの実施の形態において、材料の流れが、容器100内で培養されている細胞150を押しのけるのを低下させるか防ぐかの少なくとも一方を行うことによって、より良い品質の細胞培養物および細胞培養に関連するより正確な科学的結果を得ることができる。
ここで、図12〜16を参照して、第1の例示の細胞培養容器100内で細胞を培養する方法を説明する。図12に示されるように、いくつかの実施の形態において、細胞培養容器100内で細胞150を培養する方法(図16参照)は、容器100の外部からポート105を通じて液体を細胞培養チャンバ103に通し(例えば、矢印106に示される)、それによって、細胞培養チャンバ103内に所定量の液体140を提供する工程を含み得る。この方法は、バッフル113の傾斜したプロファイル114bを備えた容器100に関して記載されているが、いくつかの実施の形態において、その方法は、本開示の範囲から逸脱せずに、非平面境界部分114(図3に示されている)、および階段状プロファイル114a(図8に示されている)、並びに本開示の実施の形態にしたがう容器100の壁101の内面102の他のプロファイルに関して同じまたは同様の様式で利用することができることが理解されよう。
いくつかの実施の形態において、前記方法は、所定量の液体140の液体が、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面の複数のマイクロキャビティ120の1つ以上のマイクロキャビティ120a、120b、120cと接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容する工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、所定量の液体140の液体が、複数のマイクロキャビティ120の1つ以上のマイクロキャビティ120a、120b、120cと接触せずに、細胞培養チャンバ103の貯留槽141内に所定量の液体140を収容しながら、所定量の液体140の液体は、バッフル113と接触することができる。下記により詳しく記載されるように、方法のこの段階で、所定量の液体140の液体が、複数のマイクロキャビティ120の1つ以上のマイクロキャビティ120a、120b、120cと接触するのを防ぐことにより、例えば、細胞150の改善された培養(図16参照)を促進するいくつかの利点を提供することができる。
図2の線3−3に沿った容器100の断面図を示す図3に示されるように、底部108は、底部108上に置かれた挿入物216を有することがある。挿入物216は内面316を有する。挿入物216の内面316は、追加の実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115を有し、細胞培養容器100は、複数のマイクロキャビティ120を備えたマイクロキャビティのアレイ115を有する表面を備えることができる(図5〜7参照)。いくつかの実施の形態において、マイクロキャビティのアレイ115を有する表面および壁101の内面102は、容器100の細胞培養チャンバ103を画成することができ、ポート105が、壁101を通り、細胞培養チャンバ103と流体連通している。例えば、いくつかの実施の形態において、細胞培養チャンバ103は、容器100の内部空間体積を含み得る。
実施の形態において、首付き開口の内部表面は、液体の流れを容器中に逸らせ、液体が容器に導入されるときに細胞培養表面上で培養された細胞が経験する乱流を減少させるための1つ以上のダムを有することがある。追加の実施の形態において、細胞を培養する方法は、首付き開口が上を向くように置かれるように容器を最初に配置し、容器の上部に沿って流体を流すことによって流体を容器に入れ、容器の後端から流体を除去することによって、培地を交換する工程を含み得る。さらに別の実施の形態において、細胞を培養する方法は、首付き開口が上を向くように置かれるように容器が配置されている間に培地を導入し、培地を容器の後端に充填し、次いで、マイクロキャビティのアレイを有する表面が下になるまで容器を注意深く傾斜させることによって、マイクロキャビティのアレイを有する表面上に培地を流す工程を含み得る。
いくつかの実施の形態において、容器は、細胞培養チャンバ中への液体の流れを妨げるためのダムを容器の首部に有する。追加の実施の形態において、細胞を培養する方法は、容器のポートに分注ポートを挿入する工程を含み得る。その方法は、壁の内面およびマイクロキャビティのアレイを有する表面により画成された容器の細胞培養チャンバ内で第1の流路に沿って材料を流し、それによって、材料を容器の外部から細胞培養チャンバ中に加える工程を含み得る。その方法は、その第1の流路に沿った材料の流れを妨げる工程を含み得る。
いくつかの実施の形態において、細胞を培養する方法は、容器内のポートを通じて容器の外部から、壁の内面およびマイクロキャビティのアレイを有する表面により画成された容器の細胞培養チャンバ中に液体を通し、それによって、細胞培養チャンバの貯留槽内に所定量の液体を提供する工程を含み得る。その方法は、細胞培養チャンバの貯留槽内に所定量の液体を、その液体が複数のマイクロキャビティの1つ以上と接触せずに収容する工程を含み得る。
いくつかの実施の形態において、細胞培養容器は、壁およびマイクロキャビティのアレイを有する表面を備えることができる。マイクロキャビティのアレイを有する表面および壁の内面および容器の上部は、容器の細胞培養チャンバ、すなわち前記細胞培養チャンバを画成する。ポートが、容器の外部を通り、その細胞培養チャンバと流体連通している。
細胞培養容器および細胞を培養する方法の数多くの態様をここに開示してきた。いくつかの選択された態様の概要が提示されている。
本開示の精神および範囲から逸脱せずに、本開示に様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。それゆえ、本開示は、本開示の改変および変更を、それらが付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入るという前提で包含することが意図されている。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
細胞培養容器において、
細胞培養チャンバであって、上部、底部、側壁、および該細胞培養チャンバの壁を通り、該細胞培養チャンバと流体連通している首付き開口を含む細胞培養チャンバ、
マイクロキャビティのアレイを有する細胞培養表面、および
前記首付き開口と反対の壁と前記マイクロキャビティのアレイとの間にあるバッフル、
を備え、
前記マイクロキャビティのアレイが、前記細胞培養チャンバの長さ(L)より小さい長さ(Li)に亘り延在し、
前記マイクロキャビティのアレイの長さ(Li)に前記バッフルの長さ(Lb)を加えた長さが前記細胞培養チャンバの長さ(L)と等しく、
よって、前記首付き開口が上向きになるように前記容器が方向付けられているときに、前記バッフルと前記細胞培養チャンバの上部との間に貯留槽がある、細胞培養容器。
実施形態2
前記底部が前記マイクロキャビティのアレイを備える、実施形態1に記載の細胞培養容器。
実施形態3
前記マイクロキャビティのアレイが前記底部の内部表面と一体である、実施形態2に記載の細胞培養容器。
実施形態4
前記マイクロキャビティのアレイの底面が平面である、実施形態3に記載の細胞培養容器。
実施形態5
前記マイクロキャビティのアレイの底面が、微小突起のアレイを備える、実施形態3に記載の細胞培養容器。
実施形態6
前記底部上に挿入物をさらに備え、該挿入物が前記マイクロキャビティのアレイを備える、実施形態1に記載の細胞培養容器。
実施形態7
前記挿入物が前記底部に取り付けられている、実施形態6に記載の細胞培養容器。
実施形態8
前記マイクロキャビティのアレイの底面が平面である、実施形態6に記載の細胞培養容器。
実施形態9
前記マイクロキャビティのアレイの底面が、微小突起のアレイを備える、実施形態6に記載の細胞培養容器。
実施形態10
前記バッフルが傾斜している、実施形態1から9のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
実施形態11
前記バッフルが正方形である、実施形態1から9のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
実施形態12
前記容器の首付き開口内にダムをさらに備える、実施形態1から11のいずれか1つに記載の細胞培養容器。
実施形態13
前記ダムが湾曲している、実施形態12に記載の細胞培養容器。
実施形態14
前記ダムが長方形である、実施形態12に記載の細胞培養容器。
実施形態15
実施形態1から14のいずれか1つに記載の細胞培養容器内で細胞を培養する方法において、
前記容器の首付き開口と反対の端部壁で接するように該容器を置く工程、
前記容器に液体培地中に懸濁された細胞を導入し、そこで、該細胞および該液体培地が、前記バッフルと前記容器の上部との間の空間にある前記貯留槽内に入れられる工程、および
前記細胞および前記液体培地が、前記マイクロキャビティのアレイを備えた前記細胞培養表面上に流れるように、前記容器を回転させる工程、
を有してなる方法。
実施形態16
前記容器内で前記細胞を培養する工程をさらに含む、実施形態15に記載の方法。
実施形態17
前記細胞および前記液体培地が前記貯留槽に流れ込むように、前記容器を回転させる工程をさらに含む、実施形態16に記載の方法。
実施形態18
細胞を培養する方法において、
細胞培養容器の首付き開口に分注ポートを挿入する工程、
前記分注ポートから材料を分注することによって、壁の内面およびマイクロキャビティのアレイを備えた表面により画成された前記容器の細胞培養チャンバ内で第1の流路に沿って材料を流し、それによって、材料を該容器の外部から該細胞培養チャンバに加える工程、および
前記第1の流路に沿った材料の流れを遮る工程、
を有してなる方法。
実施形態19
前記第1の流路に沿った材料の流れを遮る工程が、該第1の流路に沿った材料の流れをダムで逸らせる工程を含む、実施形態18に記載の方法。
実施形態20
前記第1の流路に沿った材料の流れをダムで逸らせる工程が、前記第1の流路に沿った材料の流れを少なくとも2つの分岐流に分割する工程を含む、実施形態19に記載の方法。
100 細胞培養容器
101 上部
103 細胞培養チャンバ
104 キャップ
105 ポート、開口
106 側壁
107 端部壁
108 底部
109 首付き開口
112 首部
113 バッフル
115 マイクロキャビティのアレイ
120、120a、120b、120c マイクロキャビティ
121a、121b、121c 凹面
122a、122b、122c ウェル
123a、123b、123c 開口
130 ダム
150、150a、150b、150c 細胞、スフェロイド
200 細胞培養表面
216 挿入物

Claims (20)

  1. 細胞培養容器において、
    細胞培養チャンバであって、上部、底部、側壁、および該細胞培養チャンバの壁を通り、該細胞培養チャンバと流体連通している首付き開口を含む細胞培養チャンバ、
    マイクロキャビティのアレイを有する細胞培養表面、および
    前記首付き開口と反対の壁と前記マイクロキャビティのアレイとの間にあるバッフル、
    を備え、
    前記マイクロキャビティのアレイが、前記細胞培養チャンバの長さ(Lc)より小さい長さ(Li)に亘り延在し、
    前記マイクロキャビティのアレイの長さ(Li)に前記バッフルの長さ(Lb)を加えた長さが前記細胞培養チャンバの長さ(Lc)と等しく、
    よって、前記首付き開口が上向きになるように前記容器が方向付けられているときに、前記バッフルと前記細胞培養チャンバの上部との間に貯留槽がある、細胞培養容器。
  2. 前記底部が前記マイクロキャビティのアレイを備える、請求項1記載の細胞培養容器。
  3. 前記マイクロキャビティのアレイが前記底部の内部表面と一体である、請求項2記載の細胞培養容器。
  4. 前記マイクロキャビティのアレイの底面が平面である、請求項3記載の細胞培養容器。
  5. 前記マイクロキャビティのアレイの底面が、微小突起のアレイを備える、請求項3記載の細胞培養容器。
  6. 前記底部上に挿入物をさらに備え、該挿入物が前記マイクロキャビティのアレイを備える、請求項1記載の細胞培養容器。
  7. 前記挿入物が前記底部に取り付けられている、請求項6記載の細胞培養容器。
  8. 前記マイクロキャビティのアレイの底面が平面である、請求項6記載の細胞培養容器。
  9. 前記マイクロキャビティのアレイの底面が、微小突起のアレイを備える、請求項6記載の細胞培養容器。
  10. 前記バッフルが傾斜している、請求項1から9いずれか1項記載の細胞培養容器。
  11. 前記バッフルが正方形である、請求項1から9いずれか1項記載の細胞培養容器。
  12. 前記容器の首付き開口内にダムをさらに備える、請求項1から11いずれか1項記載の細胞培養容器。
  13. 前記ダムが湾曲している、請求項12記載の細胞培養容器。
  14. 前記ダムが長方形である、請求項12記載の細胞培養容器。
  15. 請求項1から14いずれか1項記載の細胞培養容器内で細胞を培養する方法において、
    前記容器の首付き開口と反対の端部壁で接するように該容器を置く工程、
    前記容器に液体培地中に懸濁された細胞を導入し、そこで、該細胞および該液体培地が、前記バッフルと前記容器の上部との間の空間にある前記貯留槽内に入れられる工程、および
    前記細胞および前記液体培地が、前記マイクロキャビティのアレイを備えた前記細胞培養表面上に流れるように、前記容器を回転させる工程、
    を有してなる方法。
  16. 前記容器内で前記細胞を培養する工程をさらに含む、請求項15記載の方法。
  17. 前記細胞および前記液体培地が前記貯留槽に流れ込むように、前記容器を回転させる工程をさらに含む、請求項16記載の方法。
  18. 細胞を培養する方法において、
    細胞培養容器の首付き開口に分注ポートを挿入する工程、
    前記分注ポートから材料を分注することによって、壁の内面およびマイクロキャビティのアレイを備えた表面により画成された前記容器の細胞培養チャンバ内で第1の流路に沿って材料を流し、それによって、材料を該容器の外部から該細胞培養チャンバに加える工程、および
    前記第1の流路に沿った材料の流れを遮る工程、
    を有してなる方法。
  19. 前記第1の流路に沿った材料の流れを遮る工程が、該第1の流路に沿った材料の流れをダムで逸らせる工程を含む、請求項18記載の方法。
  20. 前記第1の流路に沿った材料の流れをダムで逸らせる工程が、前記第1の流路に沿った材料の流れを少なくとも2つの分岐流に分割する工程を含む、請求項19記載の方法。
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