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JP2020508389A - ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)の調製方法 - Google Patents

ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)の調製方法 Download PDF

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JP2020508389A JP2019567500A JP2019567500A JP2020508389A JP 2020508389 A JP2020508389 A JP 2020508389A JP 2019567500 A JP2019567500 A JP 2019567500A JP 2019567500 A JP2019567500 A JP 2019567500A JP 2020508389 A JP2020508389 A JP 2020508389A
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Abstract

本明細書では、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーの調製方法が開示される。一実施形態では、方法は、a)フランジカルボン酸ジアルキルエステルと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、又はこれらの混合物を含むジオールと、金属触媒とを含有する混合物を、約140℃〜約220℃の範囲の温度で接触させてプレポリマーを形成することであって、フランジカルボン酸ジアルキルエステル対ジオールのモル比が1:1.3〜1:2.2の範囲であること;b)減圧下でプレポリマーを約220℃〜約260℃の範囲の温度に加熱して重縮合を行ってポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを形成すること;並びにc)本明細書に開示の少なくとも1種のアントラキノン化合物を添加すること:を含み、工程c)における重縮合速度は、アントラキノン化合物が存在しない場合よりもアントラキノン化合物が存在する場合で速い。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月24日に出願された米国仮特許出願第62/462,950号に基づく優先権を主張し、これはその全体が参照により本明細書に援用される。
本開示は、金属触媒及び少なくとも1種のアントラキノン化合物の存在下での、ポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)などのポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)の製造方法に関する。
ポリエステルは、重要な分類の工業的に意義深いポリマーである。ポリエステルは、衣料、カーペット、包装フィルム、塗料、エレクトロニクス、及び輸送などの、多くの産業で利用されている。典型的には、ポリエステルは、1種以上の二酸又はそのエステルと1種以上のジオールとの縮合により製造され、出発物質は石油から得られる。
ポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)(PTF)は重要な新しいポリマーであり、出発物質であるフランジカルボン酸又はそのエステルと1,3−プロパンジオールは、バイオマス原料から製造することができる。フランジカルボン酸(FDCA)は、ヒドロキシメチルフルフラール(これは例えばバイオマス及び/又は高フルクトースコーンシロップなどの多くの原料から容易に入手可能である)の酸化から製造することができ、1,3−プロパンジオールは糖の発酵により製造することができる。これらの材料は共に、産業的に大量に生産され始めている再生可能な材料である。
PTFは100%再生可能な材料から製造できる一方で、ポリマーの製造には大きな課題が存在する。例えば、PTFを生成するためにエステル交換及び重縮合で典型的に使用されるチタン触媒は、PTFに望ましくない黄色を与え得る不純物も生じさせる可能性がある。
より少ない色を有するポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーの調製方法が必要とされている。更に、生産性を犠牲にすることなしに、高品質を維持しつつ温和な条件下で溶融ポリマーを製造することが求められている。
本明細書では、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを調製するための方法、及びそのような方法によって製造されるポリマーが開示される。一実施形態では、
a)フランジカルボン酸ジアルキルエステルと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、又はこれらの混合物を含むジオールと、金属触媒とを含有する混合物を、約140℃〜約220℃の温度で接触させてプレポリマーを形成する工程であって、
フランジカルボン酸ジアルキルエステル対ジオールのモル比が1:1.3〜1:2.2の範囲である工程;
b)減圧下でプレポリマーを約220℃〜約260℃の範囲の温度に加熱して重縮合を行ってポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを形成する工程;
c)構造A:
Figure 2020508389

(式中、各Rは、H、OH、C〜Cアルキル、NHCOCH、SONHC11からなる群から独立して選択され、各Q、Y、及びZは、H、OH、NH、及びNHR’から独立して選択され、R’はシクロヘキシル又は置換アリールである)で表される少なくとも1種のアントラキノン化合物を工程a)及び/又は工程b)に独立して添加する工程;
を含む方法であって、工程c)における重縮合速度が、アントラキノン化合物が存在しない場合よりもアントラキノン化合物が存在する場合で速い方法が開示される。
一実施形態では、アントラキノン化合物は、混合物を接触させる工程a)で添加される。別の実施形態では、アントラキノン化合物は、ポリマーの総重量を基準として約1ppm〜約20ppmの範囲の濃度で混合物中に存在する。更なる実施形態では、アントラキノン化合物は、重縮合を行う工程b)で添加される。又別の実施形態では、アントラキノン化合物は、ポリマーの総重量を基準として約1ppm〜約20ppmの範囲の濃度でプレポリマー中に存在する。追加的な一実施形態では、アントラキノン化合物は、1,4−ビス[(2,4,6−トリメチルフェニル)アミノ]アントラセン−9,10−ジオンである。
一実施形態では、フランジカルボン酸ジアルキルエステルは、2,5−フランジカルボキシレートジメチルエステルである。別の実施形態では、ジオールは1,3−プロパンジオールであり、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーはポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)である。別の実施形態では、ジオールはエチレングリコールであり、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーはポリ(エチレンフランジカルボキシレート)である。別の実施形態では、ジオールは1,4−ブタンジオールであり、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーはポリ(ブチレンフランジカルボキシレート)である。
一実施形態では、方法は以下の工程を更に含む:
d)工程c)から得られたポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを約100℃〜約150℃の範囲の温度で結晶化して、結晶化したポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを得る工程。
別の実施形態では、方法は以下の工程を更に含む:
e)結晶化したポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを、ポリマーの融点よりも5〜25℃低い温度で固体状態で重合させる工程。追加的な実施形態では、構造Aのアントラキノン化合物は、固体状態で重合する工程d)で添加される。
本明細書で引用される全ての特許、特許出願及び刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「実施形態」又は「開示」という用語は、限定されることを意味するものではなく、特許請求の範囲で定義されるか又は本明細書に記載される実施形態のいずれかに一般的に適用される。これらの用語は、本明細書では互換的に使用される。
本開示では、多数の用語及び略語を使用する。他に特に明記されない限り、下記の定義が適用される。
1つの要素又は成分に先行する冠詞「a」、「an」及び「the」は、その要素又は成分の事例(すなわち、出現)の数に関して非制限的であるものとする。このため「a」、「an」及び「the」は、1つ又は少なくとも1つを含むと解釈すべきであり、要素又は成分の単数語形は、その数が明らかに単数であることを意味しない限り複数形も含む。
用語「〜を含む(comprising)」は、特許請求の範囲で言及された特徴、整数、工程又は成分の存在を意味するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、成分若しくはそれらの群の存在又は追加を排除するものではない。用語「含んでいる」は、用語「から本質的になる」及び「からなる」によって包含される実施形態を含むことを意図される。同様に、用語「から本質的になる」は、用語「からなる」によって包含される実施形態を含むことを意図される。
存在する場合、全ての範囲は包括的であり、且つ結合可能である。例えば、「1〜5」の範囲が示された場合、示された範囲は、「1〜4」、「1〜3」、「1〜2」、「1〜2及び4〜5」、「1〜3及び5」などの範囲を含むと解釈すべきである。
本明細書において数値と結び付けて使用する用語「約」は、その用語がその状況において他に特に定義されていない限り、数値の±0.5の範囲を指す。例えば、語句「約6のpH値」は、pH値が他に特に定義されていない限り、5.5〜6.5のpH値を指す。
本明細書を通して明示されるあらゆる最高数値限度は、それより低いあらゆる数値限度を、そのようなより低い数値限度が本明細書に明示的に記載されているかのように含むものとする。本明細書を通して明示されるあらゆる最低数値限度は、それより高いあらゆる数値限度を、そのようなより高い数値限度が本明細書に明示的に記載されているかのように含むであろう。本明細書を通して明示されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に含まれるそれより狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に明示的に記載されているかのように含むであろう。
当業者であれば、以下の詳細な説明を読むことにより、本開示の特徴及び利点を更に容易に理解するであろう。明確化のため、別個の実施形態との関係において上下に記載されている本開示の特定の特徴は、単一要素中で組み合わせて提供され得ることを理解すべきである。反対に、簡潔にするために単一実施形態に関連して記載されている本開示の様々な特徴は、別個に又は任意の部分的組み合わせで提供され得る。更に、文脈上特に明記されない限り、単数形を示す言葉は、複数形も含むことができる(例えば、「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、1つ又は複数を指すことができる)。
本出願に明記される様々な範囲の数値の使用は、特に明確に断らない限り、記載された範囲内の最小値と最大値との両方とも「約」という用語に続くかのように近似値として記載される。このように、記載された範囲の上下のわずかな変動を使用して、この範囲内の数値と実質的に同一の結果を達成することができる。同様に、これらの範囲の開示は、最小値と最大値との間の各値及びあらゆる値を含む連続範囲であることが意図されている。
本明細書では:「ポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)」又はPTFという語句は、1,3−プロパンジオールとフランジカルボン酸又はジエステルから誘導される繰り返し単位を含むポリマーを意味する。いくつかの実施形態では、ポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)は、1,3−プロパンジオールとフランジカルボン酸とから誘導される繰り返し単位を95モル%以上含む。更なる実施形態では、1,3−プロパンジオール及びフランジカルボン酸の繰り返し単位のモル%は、95又は96又は97又は98又は99モル%以上であり、モルパーセントはポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)を形成するモノマーの合計量を基準とする。いくつかの実施形態では、フランジカルボン酸は、2,3−フランジカルボン酸、2,4−フランジカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、又はこれらの組み合わせである。別の実施形態では、フランジカルボン酸は2,5−フランジカルボン酸である。
用語「トリメチレンフランジカルボキシレート繰り返し単位」は、交互のフランジカルボキシレートと−CHCHCHO−基とからなる構造を繰り返し単位として有するポリマーを意味し、「フランジカルボキシレート」には、フラン−2,3−ジカルボキシレート、フラン−2,4−ジカルボキシレート、及びフラン−2,5−ジカルボキシレートが包含される。この繰り返し単位の分子量は196g/モルである。用語「トリメチレンフラン−2,5−ジカルボキシレート繰り返し単位」は、式(I):
Figure 2020508389

による、交互のフラン−2,5−ジカルボキシレートと−CHCHCHO−基とからなる構造を繰り返し単位として有するポリマーを意味する。同様に、用語「トリメチレンフラン−2,4−ジカルボキシレート繰り返し単位」は、交互のフラン−2,4−ジカルボキシレートと−CHCHCHO−基とからなる構造を繰り返し単位として有するポリマーを意味し、用語「トリメチレンフラン−2,3−ジカルボキシレート繰り返し単位」は、交互のフラン−2,3−ジカルボキシレートと−CHCHCHO−基とからなる構造を繰り返し単位として有するポリマーを意味する。nの値(繰り返し単位の数)は、例えば10〜1000、又は50〜500、又は25〜185、又は80〜185であってもよい。
「ポリ(エチレンフランジカルボキシレート)」又はPEFという語句は、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)とフランジカルボン酸又はフランジカルボン酸エステルとから誘導される繰り返し単位を含むポリマーを意味する。いくつかの実施形態では、フランジカルボン酸は、2,3−フランジカルボン酸、2,4−フランジカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、又はこれらの組み合わせである。別の実施形態では、フランジカルボン酸は2,5−フランジカルボン酸である。別の実施形態では、フランジカルボン酸エステルは2,5−フランジカルボン酸ジメチルエステルである。
「ポリ(ブチレンフランジカルボキシレート)」又はPBFという語句は、1,4−ブタンジオールとフランジカルボン酸又はフランジカルボン酸エステルとから誘導される繰り返し単位を含むポリマーを意味する。いくつかの実施形態では、フランジカルボン酸は、2,3−フランジカルボン酸、2,4−フランジカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、又はこれらの組み合わせである。別の実施形態では、フランジカルボン酸は2,5−フランジカルボン酸である。別の実施形態では、フランジカルボン酸エステルは2,5−フランジカルボン酸ジメチルエステルである。
「ポリ(シクロヘキシルフランジカルボキシレート)」という語句は、1,4−シクロヘキサンジメタノールとフランジカルボン酸又はフランジカルボン酸エステルとから誘導される繰り返し単位を含むポリマーを意味する。いくつかの実施形態では、フランジカルボン酸は、2,3−フランジカルボン酸、2,4−フランジカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、又はこれらの組み合わせである。別の実施形態では、フランジカルボン酸は2,5−フランジカルボン酸である。別の実施形態では、フランジカルボン酸エステルは2,5−フランジカルボン酸ジメチルエステルである。
「ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)」という語句は、アルキレンジオールとフランジカルボン酸又はフランジカルボン酸エステルとから誘導される繰り返し単位を含むポリマーを意味する。アルキレンジオールは、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含んでいてもよい。
ポリマー中の繰り返し単位の数に応じて、固有粘度は様々な場合がある。
「ポリマー骨格」及び「ポリマーの主鎖」という語句は、本明細書では互換的に使用され、共有結合により一体に連結された2つ以上のモノマー単位がポリマーの連続鎖を形成することを意味する。
本明細書で使用される「末端基」という語句は、ポリマー骨格の末端に存在する反応性又は非反応性の官能基を意味する。
ポリマーの「ジ−プロパンジオール」又は「ジ−PDO」繰り返し単位又は末端基という語句は、式(II):
Figure 2020508389

(式中、Pはポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)であり、XはP又は水素である)による構造を有する単位を意味する。ジ−PDO基は、Xが水素である末端基であってもよく、或いはジ−PDO基は、XがPであるポリマー骨格内の繰り返し単位であってもよい。式(I)の繰り返し単位が−(CHCHCHO)−部位の代わりに−(CHCHO)−部位又は(CHCHCHCHO)−部位を含む場合、類似のジエーテルグリコールも形成され得る。
「アリル末端基」という語句は、例えば式(III):
Figure 2020508389

(式中、Pはポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)ポリマーを表す)によるポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)ポリマーの末端のアリル基を意味する。
「アルキルエステル末端基」という語句は、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーの末端のアルキルエステル基を意味する。いくつかの実施形態では、アルキル末端基は、メチル、エチル、プロピル、又はブチルであってもよい。
「カルボン酸末端基」という語句は、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーの末端のカルボン酸基を意味する。
「脱カルボキシル末端基」という語句は、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーの末端のフラン環がカルボン酸基を有さないことを意味する。
PTFの「環状オリゴエステル」という語句は、式(I)による構造の2〜8個の繰り返し単位から構成される環状化合物を意味する。PTFの「環状二量体オリゴエステル」という語句は、式(IV):
Figure 2020508389

による構造を有する二量体を意味する。他の環状オリゴエステルとしては、式(I)の繰り返し単位の三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、及び八量体が挙げられる。式(I)の繰り返し単位が−CHCHCH−部位の代わりに−CHCH−部位又はCHCHCHCH−部位を含む場合、類似の環状オリゴエステルも形成され得る。
「フランジカルボン酸」という語句には、2,3−フランジカルボン酸;2,4−フランジカルボン酸;及び2,5−フランジカルボン酸が包含される。一実施形態では、フランジカルボン酸は2,3−フランジカルボン酸である。一実施形態では、フランジカルボン酸は2,4−フランジカルボン酸である。一実施形態では、フランジカルボン酸は2,5−フランジカルボン酸である。
「フランジカルボキシレートジアルキルエステル」という語句は、フランジカルボン酸のジアルキルエステルを意味する。いくつかの実施形態では、フランジカルボキシレートジアルキルエステルは、式(V):
Figure 2020508389

(式中、各Rは独立してC〜Cアルキルである)による構造を有し得る。いくつかの実施形態では、各Rは独立してメチル、エチル、又はプロピルである。別の実施形態では、各Rはメチルであり、フランジカルボキシレートジアルキルエステルは2,5−フランジカルボン酸ジメチルエステル(FDME)である。又別の実施形態では、各Rはエチルであり、フランジカルボキシレートジアルキルエステルは2,5−フランジカルボン酸ジエチルエステルである。
用語「a*値」、「b*値」、及び「L*値」は、CIE L*a*b*色空間による色を意味する。a*値は、赤色の程度(正の値)又は緑色の程度(負の値)を表す。b*値は、黄色の程度(正の値)又は青色の程度(負の値)を示す。L*値は色空間の明度を表し、0は黒色を表し、100は拡散白色を表す。ポリマーの黄色度は、黄色度指数(YI)によっても表される。YI値が高いほど、より黄色である。
用語「プレポリマー」は、ポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)の場合のビス(1,3−プロパンジオール)フランジカルボキシレートについて、少なくとも1種のアルキレンフランジカルボキシレート繰り返し単位を有する比較的低分子量の化合物又はオリゴマーを意味する。典型的には、プレポリマーは約196〜約6000g/モルの範囲の分子量を有する。最も小さいプレポリマーは、通常その間にフランジカルボキシレート基を有する2つのジオール部位を含む一方で、最も大きいものは、2〜30個の範囲のアルキレンフランジカルボキシレート繰り返し単位を有し得る。
本明細書で用いる場合、「重量平均分子量」又は「M」は、M=ΣN /ΣN(式中、Mは、鎖の分子量であり、Nは、その分子量の鎖の数である)として計算される。重量平均分子量は、ガスクロマトグラフィー(GC)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、及びゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)などの手法によって決定することができる。
本明細書で用いる場合、「数平均分子量」又は「M」は、試料中の全てのポリマー鎖の統計的平均分子量を指す。数平均分子量は、M=ΣN/ΣN(式中、Mは、鎖の分子量であり、Nは、その分子量の鎖の数である)として計算される。ポリマーの数平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー、(マーク・フウィンク(Mark−Houwink)方程式)による粘度測定、及び束一的方法(蒸気圧オスモメトリー、末端基測定、又はプロトンNMR等)などの技術によって測定することができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)フランジカルボン酸ジアルキルエステルと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、又はこれらの混合物を含むジオールと、金属触媒とを含有する混合物を、約140℃〜約220℃の温度で接触させてプレポリマーを形成する工程であって、
フランジカルボン酸ジアルキルエステル対ジオールのモル比が1:1.3〜1:2.2の範囲である工程;
b)減圧下でプレポリマーを約220℃〜約260℃の範囲の温度に加熱して重縮合を行ってポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを形成する工程;並びに
c)構造A:
Figure 2020508389

(式中、各Rは、H、OH、C〜Cアルキル、NHCOCH、SONHC11からなる群から独立して選択され、各Q、Y、及びZは、H、OH、NH、及びNHR’から独立して選択され、R’はシクロヘキシル又は置換アリールである)で表される少なくとも1種のアントラキノン化合物を工程a)及び/又は工程b)に独立して添加する工程;
を含む方法であって、工程c)における重縮合速度が、アントラキノン化合物が存在しない場合よりもアントラキノン化合物が存在する場合で速い方法に関する。
一実施形態では、フランジカルボン酸ジアルキルエステルは、2,5−フランジカルボキシレートジメチルエステルである。別の実施形態では、ジオールは1,3−プロパンジオールであり、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーはポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)である。又別の実施形態では、ジオールはエチレングリコールであり、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーはポリ(エチレンフランジカルボキシレート)である。更なる実施形態では、ジオールは1,4−ブタンジオールであり、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーはポリ(ブチレンフランジカルボキシレート)である。
一実施形態では、方法の工程a)において、フランジカルボン酸ジアルキルエステル、エチレングリコールを含むジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタネジオール、1−4シクロヘキサンジメタノール又はそれらの混合物及び金属触媒からなる、又は本質的にこれらからなる混合物は、140℃〜220℃の範囲の温度で接触してプレポリマーを形成する。「〜から本質的になる」とは、フランジカルボキシレートエステル又は特定のジオールではない他のジエステル、二酸、又はポリオールモノマーが混合物中に1重量%以下存在することを意味する。別の実施形態では、第1の工程で接触する混合物は、酸官能性成分、例えばフランジカルボン酸などの酸官能性モノマーを含まないか、本質的に含まない。本明細書において、「本質的に含まない」とは、混合物が、混合物中のモノマーの総重量を基準として5重量%未満の酸官能性モノマーを含むことを意味する。別の実施形態では、酸官能性モノマーの量は、4%又は3%又は2%又は1%より少ないか、酸官能性モノマーの量は0%である。重合プロセス中に酸が存在すると、最終的なポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)の色の増加につながる可能性があるため、酸の量はできるだけ少なく保つべきであることが判明した。
フランジカルボン酸ジアルキルエステルは、例えば、エステル基中に1〜8個の炭素原子を有するフランジカルボン酸ジアルキルエステルなどの公知の任意のジエステルであってもよい。用語「フランジカルボン酸ジアルキルエステル」は、本明細書では用語「フランジカルボン酸ジアルキルエステル」と互換的に使用される。いくつかの実施形態では、フランジカルボキシレートジアルキルエステルは、フランジカルボキシレートジメチルエステル、フランジカルボキシレートジエチルエステル、フランジカルボキシレートジプロピルエステル、フランジカルボキシレートジブチルエステル、フランジカルボキシレートジペンチルエステル、フランジカルボキシレートジヘキシルエステル、フランジカルボキシレートジヘプチルエステル、フランジカルボキシレートジオクチルエステル、又はこれらの組み合わせである。別の実施形態では、フランジカルボキシレートジアルキルエステルは、フランジカルボキシレートジメチルエステル、フランジカルボキシレートジエチルエステル、又はフランジカルボキシレートジメチルエステルとフランジカルボキシレートジエチルエステルとの混合物である。フランジカルボキシレートジアルキルエステルのエステル基は、フラン環の2,3−、2,4−、又は2,5−位に位置していてもよい。いくつかの実施形態では、フランジカルボキシレートジアルキルエステルは、2,3−フランジカルボキシレートジアルキルエステル;2,4−フランジカルボン酸ジアルキルエステル;2,5−フランジカルボン酸ジアルキルエステル;又はこれらの混合物である。更なる実施形態では、フランジカルボキシレートジアルキルエステルは2,5−フランジカルボキシレートジアルキルエステルである一方で、更なる実施形態では、これは2,5−フランジカルボキシレートジメチルエステルである。
接触工程において、フランジカルボン酸ジアルキルエステル対ジオールのモル比は、1:1.3〜1:2.2の範囲である。つまり、フランジカルボン酸ジアルキルエステル1モルにつき、少なくとも1.3モル且つ最大2.2モルのジオールを使用することができる。原則として、フランジカルボン酸ジアルキルエステル1モルにつき2.2モルを超えるジオールを使用できるものの、2.2モルを超えるジオールはほとんど利点がなく、未反応のジオールの少なくとも一部を除去するために必要とされる時間とエネルギーの量を増加させ得る。別の実施形態では、フランジカルボン酸ジアルキルエステル対ジオールのモル比は、1:1.3から1:2.1まで、又は1:1.3から1:2.0までの範囲であってもよい。更に別の実施形態では、フランジカルボン酸ジアルキルエステル対ジオールの比は、1:1.4から1:1.8まで、又は1:1.5から1:1.8までの範囲であってもよい。
接触工程では少なくとも1種の金属触媒が存在する。金属触媒中の金属の量は、生成するポリマーの100%の理論的収率を基準として20ppm〜400ppmの範囲である。別の実施形態では、接触工程に存在する金属触媒の量は、25〜250ppm、又は30〜200ppm、又は20〜200ppm、又は40〜150ppm、又は50〜100ppmの範囲であってもよく、この濃度(ppm)はポリマーの総重量基準である。一実施形態では、金属触媒は、ポリマーの総重量を基準として、約20ppm〜約300ppmの範囲の濃度で混合物中に存在する。好適な金属触媒としては、例えばチタン化合物、ビスマス化合物(酸化ビスマス等)、ゲルマニウム化合物(二酸化ゲルマニウム等)、ジルコニウム化合物(ジルコン酸テトラアルキル等)、スズ化合物(スズ酸ブチル、酸化スズ、及びアルキルスズ等)、アンチモン化合物(三酸化アンチモン及び三酢酸アンチモン等)、アルミニウム化合物(カルボン酸アルミニウム及びアルミニウムアルコキシド、アルミニウムの無機酸塩等)、コバルト化合物(酢酸コバルト等)、マンガン化合物(酢酸マンガン等)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。或いは、触媒は、テトラアルキルチタネートTi(OR)(例えばテトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタネート等)、チタンキレート(アセチルアセトネートチタネート、エチルアセトアセテートチタネート、トリエタノールアミンチタネート、乳酸チタネート等)、又はこれらの組み合わせであってもよい。一実施形態では、金属触媒は、少なくとも1種のチタン、ビスマス、ジルコニウム、スズ、アンチモン、ゲルマニウム、アルミニウム、コバルト、マグネシウム、又はマンガンの化合物を含む。一実施形態では、金属触媒は少なくとも1つのチタン化合物を含む。適切な金属触媒は商業的に入手することができ、或いは公知の方法によって調製することができる。
接触工程a)中に、フランジカルボン酸ジアルキルエステルは、ビス(ジオール)フランジカルボキシレートプレポリマーの形成により得られるジオール及びフランジカルボン酸出発物質のエステルのアルコールに対応するアルキルアルコールとエステル交換される。例えば、フランジカルボン酸ジメチルエステルを使用すると、プレポリマーに加えてメタノールが形成される。工程a)の際に、アルキルアルコールは蒸留によって除去される。接触工程は、大気圧で、又は別の実施形態では、わずかに高い圧力又は低い圧力で行うことができる。接触工程は、140℃〜220℃の範囲、例えば150℃〜215℃、又は170℃〜215℃、又は180℃から210℃、又は190℃から210℃の範囲の温度で行われる。時間は、典型的には1時間から数時間であり、例えば2、3、4、若しくは5時間、又は1時間から5時間の間の任意の時間である。
工程a)(エステル交換工程)の後、プレポリマーは触媒により重縮合して、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを形成する。本明細書に開示の方法では、これは、工程b)減圧下でプレポリマーを約220℃〜約260℃の範囲の温度に加熱して重縮合を行ってポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを形成する工程;である。工程b)の触媒は、工程b)について記載したものと同じ金属触媒から選択することができ、工程a)で使用されるものと同じであっても異なっていてもよい。異なる触媒、又は工程a)で使用した同じ触媒が更に工程b)で添加されてもよい。副生成物のジオールは重縮合工程で除去される。温度は、典型的には220℃〜260℃、例えば225℃〜255℃又は230℃〜250℃の範囲である。圧力は、約1気圧未満から0.0001気圧までであってもよい。この工程では、プレポリマーが重縮合反応し、ポリマーの分子量が増加し(混合物の粘度の経時的な増加に伴う、所定の速度でのモーターのトルクの増加によって示される)、ジオールが遊離する。重縮合工程は、ポリマーの固有粘度が少なくとも約0.6dL/gに到達するかポリマーの数平均分子量が少なくとも12,000g/モルに到達する時間、220℃〜260℃の範囲の温度で継続することができる。時間は典型的には1時間から数時間、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10時間、又は1時間から10時間の間の任意の時間である。一実施形態では、工程b)から得られるポリマーは、少なくとも0.60dL/gの固有粘度を有する。ポリマーの望まれる固有粘度に到達した後、反応器とその内容物を例えば室温まで冷却することで、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを得ることができる。
本明細書に開示の方法は、工程c)構造A:
Figure 2020508389

(式中、各Rは、H、OH、C〜Cアルキル、NHCOCH、SONHC11からなる群から独立して選択され、各Q、Y、及びZは、H、OH、NH、及びNHR’から独立して選択され、R’はシクロヘキシル又は置換アリール基である)で表される少なくとも1種のアントラキノン化合物を工程a)及び/又は工程b)に独立して添加する工程;
も含む。置換アリール基は、H、OH、C〜Cアルキル、NHCOCH、及びSONHC11からなる群から選択される。
アントラキノン化合物を添加する工程は、フランジカルボン酸ジアルキルエステルと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、又はこれらの混合物を含むジオールと、金属触媒とを含有する混合物を接触させる工程(工程a)と併せて行ってもよい。一実施形態では、アントラキノン化合物は、混合物を接触させる工程a)で添加される。アントラキノン化合物を添加する工程は、減圧下でプレポリマーを約220℃〜約260℃の範囲の温度に加熱して重縮合を行ってポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを形成すること(工程b)と併せて行ってもよい。一実施形態では、アントラキノン化合物は、重縮合を行う工程b)で添加される。一実施形態では、アントラキノン化合物は、混合物を接触させる工程a)と重縮合を行う工程b)の両方で添加されてもよい。
1種以上のアントラキノン化合物は、ポリマーの総重量を基準として、約1ppm〜約20ppmの範囲の量で存在していてもよい。例えば、アントラキノンは、1ppm、2ppm、3ppm、4ppm、5ppm、6ppm、7ppm、8ppm、9ppm、10ppm、11ppm、12ppm、13ppm、14ppm、15ppm、16ppm、17ppm、18ppm、19ppm、又は20ppm(又はこれらの値2つの間の任意の量)にて工程a)の混合物又は工程c)のプレポリマーの中に存在していてもよい。
有用なアントラキノン化合物は商業的に入手することができる。好ましくは、アントラキノン化合物は熱的に安定であり、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーに可溶であり、ハロゲンを含まない。構造Aで表されるアントラキノン化合物の例としては、以下のものが含まれる。
ソルベントブルー104、別名1,4−ビス(メシチルアミノ)アントラキノン又は1,4−ビス[(2,4,6−トリメチルフェニル)アミノ]アントラセン、これは次の構造を有する:
Figure 2020508389
ソルベントブルー45、別名4,4’−(1,4−アントラキノニレンジイミノ)ビス[N−シクロヘキシル−2−メシチレンスルホンアミド]、これは次の構造を有する:
Figure 2020508389
ソルベントブルー97、別名1,4−ビス[(2,6−ジエチル−4−メチルフェニル)アミノ]アントラセン−9,10−ジオン、これは次の構造を有する:
Figure 2020508389
ソルベントブルー、別名1,4−ビス[(4−n−ブチルフェニル)アミノアントラセン−9,10−ジオン、これは次の構造を有する:
Figure 2020508389
ソルベントブルー122、別名N−(4−((9,10−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−9,10−ジオキソ−1−アントリル)アミノ)フェニル)アセトアミド、これは次の構造を有する:
Figure 2020508389
ソルベントグリーン28、別名1,4−ビス[(4−n−ブチルフェニル)アミノ−5,8−ジヒドロキシ]アントラセン−9,10−ジオン、これは次の構造を有する:
Figure 2020508389
ソルベントレッド207、別名1,5−ビス[(3−メチルフェニル)アミノ]アントラセン−9,10−ジオン、これは次の構造を有する:
Figure 2020508389
アントラキノン化合物は、カラートナーとして機能することができる。ポリマーの色は、1種以上のアントラキノン化合物を使用して調製することができる。いくつかの実施形態では、ポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)ポリマーは、分光比色法によって決定される10未満、例えば5未満のb*色値を有する。いくつかの実施形態では、ポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)のL*色値は、60よりも大きく、例えば65よりも大きい。
アントラキノン化合物は共触媒としても機能することができ、工程c)における重縮合速度を増加させる役割を果たし、その結果アントラキノン化合物が存在すると存在しない場合よりも重縮合速度が速くなる。所定の重縮合時間におけるより大きい数平均分子量(又はより高い固有粘度)又はポリマーの所定の数平均分子量でのより短い重縮合時間のいずれかが、より速い速度の指標となり得る。又、重縮合中のメカニカルスターラーのモータートルクが時間と共に相対的に増加することは、速度が速いか遅いかを示す別の指標となり得る。一般的に、ポリエステル樹脂の化学的劣化は、高い触媒添加量、高温、及び長い滞留時間での溶融重合で生じる場合があり、その結果色と品質が不十分な樹脂になる。固定された触媒添加量では、溶融物中で高分子量を構築するために、高温で短い滞留時間又は低温で長い滞留時間が必要とされる。しかし、いずれのアプローチも、濃い色と副生成物又は低い生産性という欠点につながる可能性がある。重縮合反応温度はエステル交換温度よりもはるかに高く、重縮合中にほとんどの分解と着色が起こることから、重縮合工程での滞留時間を最小限に抑えてポリマーの品質を改善することが重要である。アントラキノン化合物を重縮合工程前に添加すると、ポリマーの品質及び生産性を犠牲にすることなしに、高分子量を達成すること或いは縮合時間を短縮することができる。
方法の工程a)、b)、及びc)は、バッチ式、半連続式、又は連続式の溶融重合反応器で行うことができる。この方法は、バッチ式、半連続式、又は連続式で行うことができる。
バッチ式重合プロセス(エステル化、予備重合、又は重縮合)には、最終製品を製造するために、ユニット操作/段階的な形態でのユニット操作によって進行する原料が含まれる。連続重合方法には、最終製品を製造するためにユニット操作/連続的な形態でのユニット操作によって進行する原料が含まれる。反応中に材料がユニットに連続的に添加され、最終製品が重合後に連続的に除去される場合、方法は連続的であるとみなされる。半連続重合方法には、バッチ式であるプロセス段階と連続式であるプロセス段階とが含まれる。例えば、プレポリマーを調製するためのエステル化段階はバッチ式で行われてもよく、後続の重合段階は連続的に行われてもよい。
別の実施形態では、方法は、
d)工程c)から得られたポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを約110℃〜約150℃の範囲の温度で結晶化して、結晶化したポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを得る工程;
を更に含む。典型的な結晶化時間は約1時間から数時間までの範囲であってもよい。
又別の実施形態では、方法は、
e)結晶化したポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを、ポリマーの融点よりも5〜25℃低い温度にて固体状態で重合させる工程;
を更に含んでいてもよい。この工程はより高分子量のポリマーを得るために行うことができる。典型的には、固体状態での重合工程においては、結晶化したポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)のペレット、顆粒、チップ、又はフレークが、ホッパー、回転式乾燥機、又は縦型管式反応器の中で、高温(融点未満)に一定時間さらされる。一実施形態では、本明細書で定義される構造Aのアントラキノン化合物は、固体状態で重合する工程e)で添加される。ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーの固体状態での重合速度は、アントラキノン化合物の存在下でより速くすることができる。
いくつかの実施形態では、ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを含有する組成物は、熱安定剤、UV吸収剤、酸化防止剤、造核剤、加工助剤(可塑剤)、トナー/蛍光増白剤、酸素バリア剤、鎖延長剤、鎖停止剤、多官能性分岐剤、再加熱剤、遮光剤、又はこれらの組み合わせなどの1種以上の添加剤も含有していてもよい。
他のポリエステルと同様に、ポリ(アルキレン−2,5−フランジカルボキシレート)ポリマーの特性は、例えばその構造、組成、分子量、及び結晶化度の特徴に依存する。一般的には、分子量が大きいほど機械的特性が向上する。高分子量ポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)を製造するための本明細書に開示の方法では、PTFは、エステル交換と、最終ポリマーの融解温度よりも高い温度での重縮合とを含む2段階溶融重合で調製される。重縮合工程の後、ポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)ポリマーは、結晶化されてから必要に応じてポリマーの融点未満の温度にて固体状態で重合されてもよい。
本明細書に開示のように、少なくとも0.6dL/gの固有粘度及び/又は少なくとも15,000g/モルの数平均分子量を有するPTFポリマーは、溶融重合プロセスで、固体状態での重合なしに調製される。
PTFポリマーの分子量は、例えば、末端基分析から数平均分子量を与えるプロトンNMR、数平均及び重量平均分子量を与えるサイズ排除クロマトグラフィー、並びに固有粘度などの様々な手法によって測定することができる。本開示の方法によりに製造されるPTFポリマーの固有粘度は、例えば本明細書の以下の実験項で開示される標準的な方法によって測定することができ、これは0.6〜1.20dL/gの範囲であってもよい。別の実施形態では、固有粘度は、0.70〜1.00dL/g、又は0.70〜0.90dL/g、又は0.70〜0.80dL/gの範囲であってもよい。本開示の方法によりに製造されるPTFポリマーの数平均分子量(M)は、15,000〜40,000g/モルの範囲であってもよい。別の実施形態では、数平均分子量は、15,000〜30,000g/モル又は15,000〜25,000g/モルの範囲であってもよい。PTFポリマーの重量平均分子量(M)は、30,000〜80,000g/モル、又は30,000〜70,000g/モル、又は30,000〜60,000g/モルの範囲であってもよい。
示差走査熱量測定(DSC)は、ポリマー試料が10℃/分で加熱される場合に、本開示の溶融重合プロセスを使用して調製されたPTFポリマーが融点を有さないことを示し、これはポリマーがほぼアモルファス状態であることを示唆する。結晶化したPTFポリマーを製造するために、アモルファスPTFポリマーを低温結晶化温度まで、例えば100〜130℃の範囲の温度まで加熱することで、融点を決定することができる結晶化したPTFポリマーが得られる。結晶化したPTFポリマーの融解温度は、繰り返し単位lの分子構造、並びに結晶化の速度及び形態に依存する。PTFポリマーの分子量の増加に伴い、結晶化速度が低下し、そのため融解温度が低下する。形成された結晶の融解温度(T)、及びエンタルピー又は融解熱(ΔH)は、DSCの加熱−冷却及び加熱サイクルから測定される。純粋な結晶性ポリマーの融解熱は、ポリマーの結晶化度を見積もるための100%結晶のPTFの理論的融解熱と共に使用できる重要なパラメーターである。結晶化率は、脆性、靭性、剛性又は弾性率、光学的透明度、クリープ流、低温流れ、バリア性(ガスの出入りを防ぐ能力)、及び長期安定性などの、半結晶性ポリマーが示す重要な特性の多くに直接関係する。
結晶化したPTFポリマーは、ポリマーが10℃/分で加熱されると、DSCで複数のピークを有する幅広い融解温度範囲を有する場合がある一方で、ポリマーが例えば1℃/分などの非常に遅い速度で加熱されると、単一の狭いピークを得ることができる。結晶化したPTFポリマーの主要ピークの融解温度は、最初の加熱DSC走査から測定され、155〜185℃、好ましくは165〜185℃の範囲である。ポリマーのガラス転移温度は、10℃/分の速度での2回目の加熱DSC走査で取得され、57〜62℃の範囲内である。
結晶PTFの物理的、機械的、及び光学的特性は、例えばポリマーの大きさ、形状、完全性、配向、及び/又は体積分率などのポリマーの形態的特徴に大きく依存する。結晶化速度は、典型的には特定の温度での分単位又は秒単位の等温結晶化半減期(t1/2)の値の使用によって表され、これはDSC実験から得ることができる。等温結晶化温度は、PTFポリマーのガラス転移温度(T)と融点(T)との間にあり、70〜160℃の範囲の様々な温度で測定することができる。等温溶融結晶化後に続くDSC加熱トレースは、ポリマーの溶融挙動に関する情報を与えることができる。結晶化の半減期と結晶化速度は、結晶化温度、平均分子量、分子量分布、ポリマーの鎖構造、コモノマーや造核剤や可塑剤の存在などの要因に依存する。溶融重合プロセスで分子量を増加させると、結晶化速度が低下し、そのため溶融物から調製されるポリマーはほぼアモルファスである。一般的には、結晶化速度が遅いポリマーは、エンジニアリング用途や包装用途においては利用が限定的である。
溶融重合プロセスから調製されるポリエステルは、不純物として環状オリゴマーエステルを含むことが知られている。ポリ(エチレンテレフタレート)の場合、環状オリゴマーエステルの大部分は、典型的には2〜4重量%の量で存在する環状三量体である。対照的に、ポリ(トリメチレンテレフタレート)の場合には、環状オリゴマーエステルの主な種は環状二量体であり、これはポリマー中に2.5重量%以上で存在する場合がある。環状オリゴマーエステル不純物は、重合中、処理中、及び最終用途(射出成形部品、アパレル繊維、フィラメント、及びフィルム等)において問題になる場合がある。ポリマー中の環状オリゴマーエステル濃度を下げることは、例えば繊維紡糸中のワイプサイクル時間を長くし、射出成形された部品のオリゴマーブルーミングを減少させ、フィルムの白化を減少させることにより、ポリマーの製造にプラスの影響をもたらすであろう。
ポリ(エチレンテレフタレート)やポリ(トリメチレンテレフタレート)などのポリエステル中の環状オリゴマーエステルの含有量を減らすための1つの方法は、固相重合を利用することである。PTFポリマーにおける主要な環状オリゴエステルは、環状二量体である。ポリマー中の二量体を含む環状エステルの合計量は、実験項に記載のプロトンNMR分析から決定することができる。
ポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)ポリマーは、例えば、溶融重合条件中にポリマー鎖の熱分解や熱酸化分解又は他の副反応から生じるアリル、カルボン酸、脱カルボン酸、アルキルエステル、アルデヒド、及びジ−PDOなどのヒドロキシル基以外の末端基、並びにモノマー中の不純物を含み得る。ヒドロキシル基以外の末端基の形成を最小限に抑えることが望ましい。
本明細書に開示の方法により得られるポリマーは、重合溶融物から直接フィルム又はシートへと形成することができる。代替方法では、組成物は、溶融物から取り扱いやすい形状(ペレットなど)に形成することができ、これはその後フィルム又はシートを形成するために使用することができる。シートは、例えば、標識、ガラス(バス停のシェルター、天窓、又はRV車等)、ディスプレイ、自動車用ライト、及び熱成形品のために使用することができる。
本明細書に開示の方法により得られるポリマーは、成形品を製造するために使用することができ、これは、圧縮成形、射出成形、押出成形、ブロー成形、射出ブロー成形、射出延伸ブロー成形、押出ブロー成形などの任意の従来の成形方法によって作製することができる。物品は、例えば圧縮成形によって形成されたコアが射出成形によってオーバーモールドされる場合など、これらの方法の2つ以上の組み合わせによっても形成することができる。
特に明記しない限り、全ての原料は、the Sigma−Aldrich Company,St.Louis,Missouriから入手可能である。別段の記載がない限り、全ての材料は受け取ったままの状態で使用した。
2,5−フランジカルボン酸ジメチルエステル(FDME)は、Sarchem Laboratories Inc,Farmingdale,NJから入手した。
1,3−プロパンジオール(BioPDOTM)はDuPont Tate&Lyle LLCから入手した。略語「PDO」は、この成分について実施例全体で使用される。
エチレングリコール及びチタン酸テトラn−ブチル(Tyzor(登録商標)TBT)は、Sigma−Aldrichから入手した。
1,4−ビス[(2,4,6−トリメチルフェニル)アミノ]アントラセン−9,10−ジオン(OpticaTM global PRT ブルートナー分散液として市販)及び3H−ナフト[1,2,3−de]キノリン−2,7−ジオン,3−メチル−6−[(4−メチルフェニル)アミノ](OpticaTM global PRT レッドトナー分散液として市販)化合物は、ColorMatrix,Berea,OHから入手した。
本明細書で使用される場合、「Comp.Ex.」は比較例を意味し;「Ex.」は実施例を示し、「ppm」は百万分の一を意味し、「g」はグラムを意味し;「kg」はキログラムを意味し;「mL」はミリリットルを意味し;「min」は分を意味し;「h」は時間を意味し;「mol」はモルを意味し;「rpm」は回転毎分を意味する。
試験方法
色測定
色を測定するためにHunterlab COLORQUESTTM分光計(Reston,Virginia)を使用した。色は三刺激のカラースケール、CIEL*a*b*に関して測定される。色の値(L*)は試料の明るさ又は暗さに対応し、色の値(a*)は赤色−緑色のスケールに対応し、色の値(b*)は黄色−青色のスケールに対応する。報告されている色の値は、通常、真空下のオーブン中にて一晩110℃で結晶化したポリマーについての値である。この装置から計算された黄色度指数(YI)の値も報告される。
等温結晶化
約2〜3mgのPTF試料を30℃/分の加熱速度で室温から230℃まで加熱し、3分間保持し、その後30℃/分で0℃まで冷却することでアモルファスのPTFを得た(DSC装置中での急冷)。その後、急冷した試料を110℃〜120℃の結晶化温度まで急速に加熱し、そこで2〜4時間保持した。その後、結晶化度を調べるために、結晶化した試料に単一の加熱実験を行った。
サイズ排除クロマトグラフィーによる分子量
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)システム、Alliance 2695TM(Waters Corporation,Milford,MA)は、Waters 2414TM示差屈折率検出器、マルチアングル光散乱光度計DAWN Heleos(Wyatt Technologies,Santa Barbara,CA)、及びVISCOSTARIITM示差毛細管粘度計検出器(Wyatt)を備えていた。データ取得及び整理のためのソフトウェアは、WyattのASTRA(登録商標)バージョン6.1であった。使用したカラムは、2×10の排除限界、及び8,000/30cmの理論プレートを有する2本のShodex GPC HFIP−806MTMスチレン−ジビニルベンゼンカラム、並びに2×10の排除限界及び10,000/30cmの理論プレートを有する1本のShodex GPC HFIP−804MTMスチレン−ジビニルベンゼンカラムであった。
穏やかに攪拌しながら室温で4時間混合することによって0.01Mのトリフルオロ酢酸ナトリウムが入っている1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP)の中に試料を溶解し、次いで0.45μmのPTFEフィルターを通して濾過した。溶液の濃度は約2mg/mLであった。
35℃に設定したクロマトグラフを用いて0.5ml/分の流量でデータを取得した。注入体積は100μlであった。実行時間は80分であった。上述した3つの検出器全てからのデータを取り込んでデータ整理を行った。光散乱検出器には8つの散乱角を用いた。データ処理にカラム校正用の標準は含まなかった。ポリマーの重量平均分子量(M)が報告される。
固有粘度による分子量
固有粘度(IV)は、VISCOTEK(登録商標)強制流動粘度計Y−501C型上で、PET T−3、DUPONTTMSELAR(登録商標)PT−X250、DUPONTTMSORONA(登録商標)2864を校正標準として使用し、Goodyear R−103B Equivalent IV法を用いて決定した。フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの60/40混合物をポリマーの溶媒として使用した。試料は、30mLの溶媒混合物に0.15gの樹脂を添加し、混合物を100℃で30分間加熱し、更に30分間室温まで冷却することによって調製し、この溶液の固有粘度を測定した。
メルトフローインデックス(MFI)又はメルトフローレート(MFR)
メルトフローインデックス(MFI)は、10分間にダイを通って流れるポリマーのグラム数の尺度である。乾燥PTFポリマー樹脂のメルトフローレートは、ASTM D1238に従って、メルトフロー装置(Extrusion Plastometer,Tinium Olsen,Willow Grove,PA)を使用して、2160gの荷重で210℃で測定した。様々な分子量のPTFポリマー樹脂についてのMFRとIVとの間の相関関係を得た。
H(プロトン)NMRによる数平均分子量(M)及び末端基の定量
H NMRスペクトルは、4.68秒の取得時間、90°のパルス、及び30秒のリサイクル遅延を使用して、110℃で0.7mの1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2(tce−d2)中の約55mgのPTFポリマーについて、700MHzNMRを使用して平均16回の遷移で収集した。PEFポリマーの場合、約20mgのPEFをクロロホルム−d(CDCl)/トリフルオロ酢酸−d80/20体積/体積の中に溶解した。
H NMR計算方法
当該技術分野で標準の通りに試料を積算し、モルパーセントを計算した。PTFポリマーのピークの帰属を下の表1に示し、PEFポリマーについては表2に示す。
Figure 2020508389
Figure 2020508389
H NMRによるポリ(トリメチレン−2,5−フランジカルボキシレート)中の環状二量体エステルの合計量の決定方法
表1に示されているように、環状二量体のフラン環水素(δ6.89)とPTFポリマーのフラン環水素(δ7.2)は異なるケミカルシフトを有する。環状二量体の重量パーセントは次の式を使用して計算した:
Figure 2020508389

nl=規格化された積分値
実施例1a、2a、及び3a
アントラキノン化合物を有するポリトリメチレン2,5−フランジカルボキシレート(PTF)ポリマーの調整
次の量の成分を、窒素注入口、コンデンサー、及びメカニカルスターラーを備えた3Lの3口ガラス製反応器の中に入れた:2,5−フランジカルボキシレートジメチルエステル(1.41kg、7.64mol)及び1,3−プロパンジオール(0.873kg、11.47mol)。FDMEに対するPDOのモル比は1.5であった。フラスコを、設定温度160℃に予熱した金属浴の中に入れた。反応混合物を、Ekato Paraviscインペラーを使用して100rpmで10分間撹拌することで、窒素雰囲気下で均一な溶液を得た。テトラ−n−ブチルチタネート(1.066g;ポリマーの重量基準で100ppmのチタン)をこの設定温度で混合物に添加した。金属浴の温度を190℃に上昇してエステル交換反応を開始し、回収した凝縮留分の最初の一滴を反応開始(時間ゼロ)として記録した。この温度で反応を1時間継続し、温度を200℃に上げて反応をもう1時間継続した。この時点までにほとんどの蒸留物(約600mL)が回収され、蒸留速度はこの時点で遅くなり、反応がほぼ完了したことが示された。
この段階で、様々な量のアントラキノン化合物(PRTブルー及びPRTレッド)(表3を参照)を液体分散液として反応混合物に添加した。窒素パージを停止する一方で、真空度を上げ始めた。1〜1.5時間かけて、圧力を大気圧から約0.2mmHg〜0.4mmHg(絶対圧)の最終的な低圧まで徐々に低下させ、この間に過剰の1,3−プロパンジオールの大部分をトラップの中に回収した。金属浴の温度を240℃に上げ、これらの条件下で重縮合反応を2〜4時間継続した。この時間の間に、ポリマーの分子量の増加に伴うモータートルクの上昇を監視し、混合速度を徐々に低下させた。ミリボルト(mV)単位でのトルク値が60mVに達する毎に、攪拌速度を100から80、次いで60、次いで40、次いで20rpmまで低下させた。20rpmでトルク値の急激な増加が観察されなかった場合に、窒素流下で圧力を大気圧に上げ、金属浴からガラスケトルを除去することによって反応を終了させた。ケトルを室温まで冷却し、ケトルから固体ポリマーを回収した。
回収したポリマーを乾燥させ、真空オーブン中で110〜120℃で一晩結晶化した。最終的なポリマーの特性は表3に報告されている。
比較例A
アントラキノン化合物を添加しなかったことを除いては上の実施例で記載した通りにPTFポリマーを調製した。結果を表3に示す。
Figure 2020508389
表3のデータは、7〜15ppmのレベルのアントラキノン系の青色と赤色の着色剤の組み合わせが、PTFポリマーの望ましくない黄色味を減らすかなくしたことを示している。アントラキノン化合物を含むPTFポリマー(実施例1a、2a、及び3a)のb*値及びYI(黄色度指数)値は共に、アントラキノン化合物を含まないPTFポリマー(比較例A)よりも低い。赤色染料なしでは実施例3aのポリマーはより緑がかった色(より負のa*値)であり、赤色染料の増加に伴い緑がかった色合いが減少する(実施例1a及び2a)。PRT青色染料(10ppm)とPRT赤色染料(5ppm)の両方を含む実施例1aに記載の通りに調製したポリマー樹脂は、驚くべきことにより大きい数平均分子量を有し、これは重縮合速度がより速いことを示唆しており、又脱カルボキシル末端基が非常に少なく、これはアントラキノン化合物を含まない樹脂(比較例A)と比較して分解が少ないことを示唆している。これらのアントラキノン化合物は、共触媒及び/又は安定剤として機能しているように思われる。これらのアントラキノン化合物の性能は、比較例Aと比較して、実施例2aで60分、実施例3aで77分だけ意図的に重縮合時間を短縮することによって試験した。比較例Aで得られたポリマーと比較した場合、これら2つのポリマーの数平均分子量に有意な変化はなく、重縮合速度がアントラキノン化合物を含むポリマー樹脂で確かに速いことが裏付けられた。これらのポリマー中に脱カルボキシル末端基が存在しないことは、これらの条件下でのこれらの樹脂の優れた安定性を示唆している。実施例2a及び3aのポリマー樹脂の数平均分子量の更なる比較は、赤色染料を含む及び含まない青色染料が重縮合速度を速め、溶融ポリマーを安定化するのに非常に効果的であるようであることを示唆している。
アントラキノン化合物を含む樹脂の結晶化半減期(T1/2)は、これらの化合物を含まない樹脂の結晶化半減期と非常に類似しており、樹脂中に存在するアントラキノン化合物が結晶化速度に影響を与えないことを示唆している。アントラキノン化合物を含む樹脂の溶融エンタルピー(ΔH)の値はわずかに高く、結晶化度が大きいことを示唆している。
実施例1b、2b、及び3c
アントラキノンを用いたPTFの固相重合
比較例B
アントラキノンを用いないPTFの固相重合
上述したポリマーを乾燥し、110℃で一晩、真空オーブン中で結晶化した。乾燥及び結晶化したポリマー試料(各50g)を、引き続き窒素ガス流下、真空オーブン中にて165℃(PTFポリマーの融解温度未満)で12時間及び24時間重合した。メルトフローレートは、210℃にて固体状態で重合した試料について測定した。これは表4に報告されている。表4で報告されているIV値は、様々な分子量のPTFポリマーを使用してMFRとIVとの間の相関関係から推定した。SSP速度は、0時間から12時間と24時間のIV値を差し引いてから時間数で割ることにより計算した。これは表4に報告されている。
実施例1bは、実施例1aで得られたポリマーを乾燥及び結晶化した後に使用した。実施例2bは、実施例2aで得られたポリマーを乾燥及び結晶化した後に使用した。実施例3bは、実施例3aで得られたポリマーを乾燥及び結晶化した後に使用した。比較例Bは、比較例Aで得られたポリマーを乾燥及び結晶化した後に使用した。
Figure 2020508389
一般的に、固相重合(SSP)温度は重縮合速度を決定する重要な因子の1つであり、フランジカルボキシレートに基づくポリマーの融解温度はテレフタル酸に基づくポリエステよりも低いことから、これらの速度はテレフタル酸に基づくポリエステルと比較してフランジカルボキシレートに基づくポリエステルの方が遅い。例えば、市販のポリ(トリメチレンテレフタレート)ポリマーの融解温度は235℃である一方で、PTFポリマーの溶融温度は174℃である。これに加えて、表4のデータから、比較例B)のPTFポリマーでは、最初の12時間と比較して最後の12時間でSSP速度が有意に低下したことが明らかであり、これは、物質移動の制限に加えてポリマーの熱的劣化もSSP速度に大きな役割を果たすことを示唆している。驚くべきことに、固体状態で重合する際に全てアントラキノン化合物を含む実施例1b、2b、及び3bのポリマー樹脂に関しては、最初の12時間と比較して次の12時間の速度の方が速かった。この観察結果は、アントラキノン化合物を含まないポリマー(比較例B)と反対である。SSP速度がより速いことは、ここでもこれらのフランジカルボキシレートに基づくポリエステルの共触媒及び/又は熱安定剤として機能するアントラキノン化合物による可能性がある。より高いレベルのアントラキノン化合物(実施例1bでは15ppm)では、より大きいIV(1.25dL/g)が得られた。ここでも同様に、SSP速度の向上に関しては、青色色素が赤色色素よりも活性なようである。これらの結果は、フランに基づくポリエステル樹脂がより高い生産性で製造され、最小限の劣化及び/又は変色でより高い温度で後処理され得ることを示唆している。
実施例4
アントラキノンを用いるポリ(エチレン−2,5−フランジカルボキシレート(PEF)ポリマーの調製
比較例C
アントラキノンを用いないポリ(エチレン−2,5−フランジカルボキシレート(PEF)ポリマーの調製
次の量の成分を、窒素注入口、コンデンサー、及びメカニカルスターラーを備えた1Lの丸底3口ガラス製反応器の中に入れた:2,5−フランジカルボキシレートジメチルエステル(300g;1.629モル)、エチレングリコール(223g;3.59モル)、及びTBT触媒(0.207g、ポリマーの重量基準で100ppmのチタン)。FDMEに対するエチレングリコールのモル比は2.2であった。フラスコを、設定温度180℃に予熱した金属浴の中に入れた。混合物を100rpmで攪拌しながら反応をこの温度で60分間行った。その後、反応を190℃で60分間、200℃で30分間、及び210℃で30分間行った。この時点までにほとんどの蒸留物が回収され、蒸留速度はこの時点で遅くなり、反応がほぼ完了したことが示された。
この段階で、アントラキノン化合物、PRTブルー(エチレングリコール中1.0重量%を0.22g;ポリマーの重量基準で7ppm)を反応混合物に添加した。210℃で窒素パージを停止する一方で、真空度を上げ始めた。45分かけて、圧力を大気圧から約0.2mmHg〜0.4mmHg(絶対圧)の最終的な低圧まで徐々に低下させ、この間に生成したエチレングリコールの大部分をトラップの中に回収した。金属浴の温度を15分間かけて240℃に上げ、これらの条件下で重縮合反応を3時間続継続した。窒素流下で圧力を大気圧まで上げ、フラスコを金属浴から取り外すことにより反応を終了させた。フラッシュを室温まで冷却し、フラスコから固体ポリマーを回収して分析した。NMR末端基分析によるPEFポリマーの数平均分子量は15090g/モルであることが分かった。
同じ処理条件を維持しながら、アントラキノン化合物を添加せずに実施例4に記載の通りに正確にPEFポリマーを調製した。得られたポリマーの数平均分子量は8900g/モルであることが分かった。
実施例4で得られたPEFポリマーのより大きい数平均分子量及び比較例Cで得られたより小さい分子量は、共触媒及び/又は安定剤としてのアントラキノン化合物の有効性を明確に示した。

Claims (18)

  1. a)フランジカルボン酸ジアルキルエステルと、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、又はこれらの混合物を含むジオールと、金属触媒とを含有する混合物を、約140℃〜約220℃の範囲の温度で接触させてプレポリマーを形成する工程であって、
    前記フランジカルボン酸ジアルキルエステル対前記ジオールのモル比が1:1.3〜1:2.2の範囲である工程;
    b)減圧下で前記プレポリマーを約220℃〜約260℃の範囲の温度に加熱して重縮合を行ってポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを形成する工程;並びに
    c)構造A:
    Figure 2020508389

    (式中、各Rは、H、OH、C〜Cアルキル、NHCOCH、SONHC11からなる群から独立して選択され、各Q、Y、及びZは、H、OH、NH、及びNHR’から独立して選択され、R’はシクロヘキシル又は置換アリールである)で表される少なくとも1種のアントラキノン化合物を工程a)及び/又は工程b)に独立して添加する工程;
    を含む方法であって、
    工程b)における重縮合速度が、前記アントラキノン化合物が存在しない場合よりも前記アントラキノン化合物が存在する場合で速い方法。
  2. 前記フランジカルボン酸ジアルキルエステルが2,5−フランジカルボキシレートジメチルエステルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ジオールが1,3−プロパンジオールであり、前記ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーがポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ジオールがエチレングリコールであり、前記ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーがポリ(エチレンフランジカルボキシレート)である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ジオールが1,4−ブタンジオールであり、前記ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーがポリ(ブチレンフランジカルボキシレート)である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記金属触媒が、少なくとも1種のチタン、ビスマス、ジルコニウム、スズ、アンチモン、ゲルマニウム、アルミニウム、コバルト、マグネシウム、又はマンガンの化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記金属触媒が、前記ポリマーの総重量基準で約20ppm〜約300ppmの範囲の濃度で前記混合物中に存在する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記アントラキノン化合物が、前記ポリマーの総重量を基準として約1ppm〜約20ppmの範囲の濃度で前記混合物中に存在する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記アントラキノン化合物が、前記ポリマーの総重量を基準として約1ppm〜約20ppmの範囲の濃度で前記プレポリマー中に存在する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記アントラキノン化合物が、1,4−ビス[(2,4,6−トリメチルフェニル)アミノ]アントラセン−9,10−ジオンである、請求項1に記載の方法。
  11. d)工程c)から得られた前記ポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを約100℃〜約150℃の範囲の温度で結晶化して、結晶化したポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを得る工程;
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  12. e)前記結晶化したポリ(アルキレンフランジカルボキシレート)ポリマーを、前記ポリマーの融点よりも5〜25℃低い温度で固体状態で重合させる工程;
    を更に含む、請求項11に記載の方法。
  13. 構造Aのアントラキノン化合物が前記固体状態で重合させる工程e)で添加される、請求項12に記載の方法。
  14. 工程e)における前記固体状態での重合速度が、前記アントラキノン化合物が存在しない場合よりも前記アントラキノン化合物が存在する場合で速い、請求項13に記載の方法。
  15. 前記方法がバッチ式、半連続式、又は連続式である、請求項1に記載の方法。
  16. 請求項3に記載の方法により得られるポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)。
  17. 請求項4に記載の方法により得られるポリ(エチレンフランジカルボキシレート)。
  18. 請求項5に記載の方法により得られるポリ(ブチレンフランジカルボキシレート)。
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