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JP2020163334A - ニッケル触媒及びその製造方法 - Google Patents

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JP2020163334A JP2019068506A JP2019068506A JP2020163334A JP 2020163334 A JP2020163334 A JP 2020163334A JP 2019068506 A JP2019068506 A JP 2019068506A JP 2019068506 A JP2019068506 A JP 2019068506A JP 2020163334 A JP2020163334 A JP 2020163334A
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Abstract

【課題】アルデヒド類の水素化還元反応において、副反応を抑制し、アルコール選択率が高いニッケル触媒を提供すること。【解決手段】アルデヒド類を水素添加するための触媒であって、ニッケル、アルカリ金属、シリカを含み、ニッケル含有量がNiO換算で5質量%以上30質量%以下の範囲にあり、アルカリ金属含有量が0.3質量%以上3質量%以下の範囲にあり、水洗後のアルカリ金属残留率が80%以上100%以下の範囲にある、ニッケル触媒。【選択図】図1

Description

本発明は、アルデヒド類を水素添加するためのニッケル触媒及びその製造方法に関する。
アルデヒド類を水素添加してアルコールを製造する方法は、古くから知られている。例えば、特許文献1には、珪藻土担体にニッケル等を主成分とする活性成分を担持した触媒を用いて、2−エチルヘキセナールを水素添加して2−エチルヘキサノールを製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、ニッケル珪藻土触媒中のニッケルに対して、金属分として3〜15%のマグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、ジルコニウムのうちから選択された1種もしくは2種以上を含む還元ニッケル触媒が開示されている。この文献には、その還元ニッケル触媒を用い、飽和及び不飽和アルデヒド類を水素添加し、対応するアルコールを製造する方法が開示されている。更に、この文献には、ニッケル触媒を用いたアルデヒド類の水素添加反応において、エーテル及びアセタールを生成する副反応が大きな問題として記載されている。特許文献2では、これらの副反応は触媒中に存在する酸によって促進されることに着目し、塩基性金属塩を触媒中に含ませることで副反応が著しく抑制されたことが記載されている。
このように、触媒中に存在する酸によって種々の副反応が起こることは従来からよく知られている。この副反応を抑制する方法として、例えば、特許文献3には、脱水素反応用触媒にアルカリ処理を施す方法が記載されている。この文献には、触媒表面の酸点をアルカリで被毒することで、副生成物の生成を抑制したことが記載されている。
上記特許文献1、2に記載されているように、アルデヒド類の水素添加反応において、酸点は副反応を促進することが知られていた。また、特許文献2、3に記載されているように、様々な方法を用いて触媒に塩基性成分を含ませることで、このような副反応を抑制する方法も知られていた。しかし、これらの方法を用いてもなお、副反応が起こるという課題があった。
特開昭53−54188号公報 特公昭44−17127号公報 特許第4321160号公報
本発明は、アルデヒド類の水素添加反応において、副反応を抑制し、アルコール選択率が高いニッケル触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、触媒中におけるアルカリ金属成分の分散状態に着目した。本発明者らは、アルカリ金属成分を表面に固定化したシリカを触媒中に高分散させることで、触媒中においてアルカリ金属成分の偏析が抑制されることを見出した。このようにアルカリ金属が高分散されたニッケル触媒をアルデヒド類の水素添加反応に用いると、副反応が抑制され、アルコールの選択率が高くなる。
本発明によれば、アルデヒド類の水素添加反応において、副反応を抑制し、アルコールの選択率が高いニッケル触媒及びその製造方法を提供できる。
実施例1に記載された方法で得られたニッケル触媒の電子顕微鏡写真である。 実施例1に記載された方法で得られたニッケル触媒の元素マップ(Na)である。 実施例1に記載された方法で得られたニッケル触媒の元素マップ(Ni)である。
[本発明のニッケル触媒の概要]
本発明のニッケル触媒は、アルカリ金属成分を表面に固定化したシリカが高分散されている。そして、シリカの表面に固定化したアルカリ金属成分は、触媒中において安定な状態で存在する。一般的に、アルカリ金属は、水等の極性溶媒に溶解しやすく、このような極性溶媒が存在する環境下においては容易に溶出する。また、このようなアルカリ金属は、熱によって容易に偏析しやすい。しかし、本発明のニッケル触媒は、シリカの表面にアルカリ金属成分を固定化している。このようなニッケル触媒は、水に浸漬してもアルカリ金属成分がほとんど溶出しない。また、熱による偏析も少ない。したがって、ニッケル触媒中において、アルカリ金属成分が高分散した状態が維持される。
本発明のニッケル触媒は、アルデヒド類を水素添加するための触媒であって、ニッケル成分、アルカリ金属成分およびシリカを含み、ニッケル含有量がNiO換算で5質量%以上かつ30質量%以下の範囲にあり、アルカリ金属含有量が0.3質量%以上かつ3質量%以下の範囲にあり、水洗後のアルカリ金属残留率が80%以上かつ100%以下の範囲にある。
[先行技術との対比]
本発明のニッケル触媒は、前記特許文献1〜3と比較して、「アルカリ金属含有量が0.3質量%以上かつ3質量%以下の範囲にあり、水洗後のアルカリ金属残留率が80%以上かつ100%以下の範囲にある」という点で相違する。例えば、特許文献2、3に示される製造方法では、アルカリ金属やアルカリ土類金属といった塩基性の化合物を水に溶解して用いる。この製造方法では、乾燥等で水が除去される際に塩基性の化合物が移動して偏析しやすい。また、アルコールのような極性溶媒が生成する反応において、アルカリ金属が溶出しやすい。これに対し、本発明のニッケル触媒は、アルカリ金属をシリカの表面に固定化しているので、アルカリ金属が偏析し難い。また、この固定化されたアルカリ金属は、極性溶媒中に溶出し難い。このようなニッケル触媒をアルデヒド類の水素添加反応に用いると、副反応が抑制され、アルコールの選択率が向上する。
[本発明のニッケル触媒]
以下、本発明のニッケル触媒について、詳述する。
[アルカリ金属成分]
本発明のニッケル触媒は、アルカリ金属成分を含む。このアルカリ金属成分は、リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウムから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。このアルカリ金属成分は、ナトリウム及びカリウムから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。また、本発明におけるニッケル触媒のアルカリ金属含有量(アルカリ金属成分の含有量)は、金属元素換算で、0.3質量%以上かつ3質量%以下の範囲にある。本発明のニッケル触媒は、一定量のアルカリ金属成分を含有するので、アルデヒド類の水素添加反応に使用すると副反応が抑制される。このアルカリ金属含有量は、0.5質量%以上かつ2質量%以下の範囲にあることが好ましい。このアルカリ金属含有量が多すぎると、アルデヒド類の水素添加反応の進行を阻害する可能性がある。また、このアルカリ金属含有量が少なすぎても、副反応が抑制され難くなる可能性がある。
本発明のニッケル触媒に含まれるアルカリ金属成分は、触媒に含まれるシリカの表面に固定化したので、極性溶媒に溶出し難い。また、このアルカリ金属成分は、熱によって移動が起き難い。このようにアルカリ金属成分を触媒中に固定化したか否かは、ニッケル触媒を水洗した後のアルカリ金属残留率で評価することができる。本発明のニッケル触媒は、水洗した後のアルカリ金属残留率が、80%以上かつ100%以下の範囲にある。このアルカリ金属残留率が高い本発明のニッケル触媒は、水分や熱によってアルカリ金属が移動し難い。したがって、本発明のニッケル触媒は、アルカリ金属成分が偏析し難い。
本発明のニッケル触媒に含まれるアルカリ金属成分は、触媒中に均一に分散されていることが好ましい。触媒中におけるアルカリ金属の分散状態を評価する簡易な方法として、走査電子顕微鏡観察(SEM観察)及びエネルギー分散型X線分析(EDX分析)を用いる方法がある。この方法は、SEMを用いて触媒の断面を観察し、EDX分析を用いて元素マッピングする方法である。また、より詳しくこの分散状態を評価する方法は、X線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて触媒の断面をライン分析する方法がある。本発明のニッケル触媒に含まれるアルカリ金属成分は、前述のライン分析して得られるアルカリ金属に由来するピークの強度が触媒断面の中心部と外周部付近でほぼ同程度であることが好ましい。具体的には、触媒の外周部のアルカリ金属に由来するピークの強度が、中心部のアルカリ金属に由来するピークの強度に対して0.9以上かつ1.1以下の範囲にあることが好ましい。このように、触媒の外周部と中心部でアルカリ金属に由来するピークの強度がほぼ同じであるニッケル触媒は、アルカリ金属成分の分散性が極めて高い。このため、アルデヒド類の水素添加反応において副反応がより抑制される傾向にある。
[ニッケル成分]
一般的に、ニッケル触媒を用いた水素添加反応は、金属ニッケルの表面で反応が進むとされている。しかし、金属ニッケルは空気中で急激に酸化される。したがって、一般的なニッケル触媒は、空気中で安定なニッケル化合物を含む。そして、水素添加反応前にこのニッケル化合物を金属ニッケルに還元してから反応に使用する。このように反応前にニッケル触媒に含まれるニッケル化合物を金属ニッケルに還元する処理は、再還元処理又は前処理といわれる。
本発明のニッケル触媒は、ニッケル成分を含む。このニッケル成分は、金属ニッケルまたはニッケル化合物として本発明のニッケル触媒中に含まれる。このニッケル成分は、空気中で安定であって、水素添加反応前に還元されやすいものが好ましい。例えば、本発明のニッケル触媒は、空気中で安定な酸化ニッケルを含むことが好ましい。なお、本発明のニッケル触媒に含まれるニッケル成分は、酸化ニッケルに限定されるものではない。例えば、空気中で安定に取り扱えるよう表面に酸化被膜が形成された金属ニッケルを含んでいてもよい。このように表面に酸化被膜が形成された金属ニッケルは、表面の酸化被膜を還元するだけで金属ニッケルになる。したがって、酸化ニッケルと比べて前処理の時間が少なくなるので、より好ましい。また、これらのニッケル化合物および金属ニッケルが触媒中で共存していてもよい。
本発明のニッケル触媒が酸化被膜を形成した金属ニッケルを含む場合、その金属ニッケルの結晶子径は、1nm以上かつ10nm以下の範囲にあることが好ましい。金属ニッケルの結晶子径は、金属ニッケルの結晶サイズを表す指標の一つである。この値が小さいほど金属ニッケルの結晶サイズも小さくなる。結晶サイズが小さい金属ニッケルは、その表面積が大きくなる。したがって、金属ニッケルの表面を利用した反応において、金属ニッケルの結晶子径は小さいことが好ましい。しかし、1nm未満の結晶子径を有する金属ニッケルを合成することは困難である。
本発明のニッケル触媒におけるニッケル含有量(ニッケル成分の含有量)は、NiO換算で、5質量%以上かつ30質量%以下の範囲にある。このニッケル含有量は、NiO換算で、10質量%以上かつ25質量%以下の範囲にあることが好ましい。このニッケル含有量は、NiO換算で、10質量%以上かつ20質量%以下の範囲にあることが特に好ましい。このニッケル含有量が少ないと、ニッケル触媒のコストが低くなる。一方、このニッケル含有量が高くなると、ニッケル触媒の活性は増加する傾向にある。このニッケル含有量が前述の範囲にある本発明のニッケル触媒は、コストが低く、優れた触媒活性を示す。
本発明のニッケル触媒に含まれるニッケル成分は、触媒中において均一に分散されていることが好ましい。触媒中におけるニッケル成分の分散状態は、簡易な方法であれば、SEMにより触媒の断面を観察し、EDX分析を用いて元素マッピングする方法で評価できる。また、より詳しくニッケル成分の分散状態を評価するには、EPMAを用いて触媒の断面をライン分析する方法がある。本発明のニッケル触媒に含まれるニッケル成分は、前述のライン分析をし、得られるニッケルに由来するピークの強度が触媒断面の中心部と外周部付近でほぼ同程度であることが好ましい。具体的には、触媒の外周部のニッケルに由来するピークの強度が、中心部のニッケルに由来するピークの強度に対して0.9以上かつ1.1以下の範囲にあることが好ましい。このように、触媒の外周部と中心部でニッケルに由来するピークの強度が前述の範囲にあるニッケル触媒は、ニッケル成分の分散性が高い。したがって、ニッケル含有量が少なくても、アルデヒド類の水素添加反応において高い触媒活性が期待できる。
[シリカ]
本発明のニッケル触媒に含まれるシリカは、その表面にアルカリ金属成分を固定化する。したがって、このようなシリカを含む本発明のニッケル触媒を水で洗浄しても、アルカリ金属成分が残存しやすい。このシリカの含有量は、本発明のニッケル触媒のアルカリ金属含有量に合わせて適宜調整される。なお、本発明のニッケル触媒は、このシリカ以外にも、後述する無機担体に由来するシリカを含みうる。
[無機担体]
本発明のニッケル触媒は、無機担体を含むことが好ましい。この無機担体は、ニッケル成分の分散性を高める効果を有する。また、この無機担体は、熱によるニッケル成分の凝集を抑制する効果も有する。この無機担体として、従来公知の無機化合物を用いることができる。この無機担体は、シリカを主成分とする担体であることが好ましい。シリカを主成分とする担体としては、例えば、珪藻土、粉末状のシリカ、又はヒュームドシリカ等が好ましい。シリカを主成分とする担体は、固体酸性質を示さない又は示しても少ないものが多い。したがって、アルデヒド類の水素添加反応において副反応を抑制できるので好ましい。この無機担体は、このようなシリカを主成分とする担体以外であっても、固体酸性質を示さない又は示しても少ないものであれば問題なく使用することができる。しかし、アルミナを主成分とする担体は、固体酸を多く含むことがあるので、好ましくない。
[比表面積:窒素吸着法]
本発明のニッケル触媒の比表面積は、200m/g以上かつ300m/g以下の範囲にあることが好ましい。比表面積がこの範囲にある本発明のニッケル触媒は、アルデヒド類の水素添加反応において高い触媒活性を示す。この比表面積が大き過ぎると、予期しない副反応が生じる可能性があるので好ましくない。
[細孔容積:水銀圧入法]
本発明のニッケル触媒の細孔容積は、0.4mL/g以上かつ1.0mL/g以下の範囲にあることが好ましく、0.5mL/g以上かつ0.7mL/g以下の範囲にあることがより好ましい。細孔容積が大きい本発明のニッケル触媒は、アルデヒド類が触媒中に拡散しやすくなるので、好ましい。一方、細孔容積が大き過ぎると、本発明のニッケル触媒の強度が極端に低下する。触媒の強度が低下すると、触媒が破砕や粉化しやすくなる。触媒が破砕や粉化することによって発生した微粉は、反応容器中の根詰まりを引き起こすことがある。したがって、本発明のニッケル触媒は、一定の強度を有しつつ、細孔容積が高いものが好ましい。
[強度]
本発明のニッケル触媒の強度は、1ペレットあたり少なくとも3N/mm以上であることが好ましい。触媒の強度が低下すると、触媒が破砕や粉化しやすくなる。触媒が破砕や粉化することによって発生した微粉は、反応容器中の根詰まりを引き起こすことがある。したがって、本発明のニッケル触媒の強度は、高いほど良い。現実的な上限は、1ペレットあたり50N/mmである。
[形状]
本発明のニッケル触媒の形状は、従来公知の形状であればよく、例えば、球状、柱状又はこれらに類する形状であってもよい。本発明のニッケル触媒の形状は、柱状又はそれに類する形状であることが好ましい。この柱状には、円柱状、三つ葉状、四つ葉状といった形状も含まれる。本発明のニッケル触媒の形状は、柱状であって、その径は0.5mm以上かつ5mm以下の範囲にあり、その長さが1mm以上かつ10mm以下の範囲にあることが好ましい。
[本発明のニッケル触媒の製造方法]
本発明のニッケル触媒の製造方法(以下、本発明の製造方法ともいう。)は、アルデヒド類を水素添加するための触媒の製造方法であって、シリカ及びニッケル化合物を混合して成型前駆体を調製する混合工程、前記成型前駆体を成型して焼成前駆体を調製する成型工程、前記焼成前駆体を焼成して触媒を調製する焼成工程、を含み、前記シリカのアルカリ金属含有量が0.1質量%以上かつ2.0質量%以下の範囲にあり、前記シリカの水洗後のアルカリ金属残留率が80%以上かつ100%以下の範囲にあり、前記シリカの一次粒子径が1nm以上かつ30nm以下の範囲にある。以下、本発明の製造方法について詳述する。
[シリカ及びニッケル化合物を混合して成型前駆体を調製する混合工程]
この工程は、シリカ、ニッケル化合物を混合して成型前駆体を調製する工程である。
この工程で用いるシリカは、そのアルカリ金属含有量が0.1質量%以上かつ2.0質量%以下の範囲にあり、水洗後のアルカリ金属残留率が80%以上かつ100%以下の範囲にある。このアルカリ金属成分は、このシリカの表面に固定化されているので、水洗後であってもそのほとんどがシリカ粒子の表面に残留する。このシリカは、例えば、表面OH基が多いシリカを含む分散液に一定量のアルカリ金属成分を添加する方法で得ることができる。この分散液中において、シリカの表面OH基のプロトンはアルカリ金属に交換される。表面OH基が多いシリカは、ゾルゲル法により得ることができる。例えば、ゾルゲル法を用いて得られたシリカゾルにアルカリ金属塩を加え、pHを8以上かつ11以下の範囲に調整する方法で得ることができる。このとき、pHをこの範囲に調整する理由は、表面OH基のプロトンとアルカリ金属との交換を促進するためである。なお、焼成されたシリカは、焼成によって表面OH基が脱水縮合して除去される。したがって、そのようなシリカは、表面にアルカリ金属を固定することが困難である。
この工程で用いるシリカの一次粒子径は、1nm以上かつ30nm以下の範囲にある。この一次粒子径は、1nm以上かつ10nm以下の範囲にあることが好ましい。シリカの一次粒子径が小さいほど、シリカの表面積は増える。シリカの表面積が増えると、アルカリ金属を表面に固定化しやすくなる。また、シリカの一次粒子径が小さいと、この工程でニッケルと混合する際にシリカが高分散しやすくなる。シリカが高分散すれば、アルカリ金属も高分散する。
この工程で用いるニッケル化合物は、焼成により分解され酸化ニッケルを生成する水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、塩基性炭酸ニッケル等が好ましい。このようなニッケル化合物は、市販の原料を購入してもよい。また、ニッケル塩の水溶液をアルカリで中和して合成してもよい。この方法は、沈殿法と呼ばれる。この方法は、触媒調製の分野において広く知られた方法である。この沈殿法を用いる場合、ニッケル塩の水溶液に無機担体を分散させておくことが好ましい。これは、無機担体の表面にニッケル化合物が分散しやすくなるためである。
この工程では、無機担体としてシリカを主成分とする担体を用いることが好ましい。シリカを主成分とする担体は、例えば、珪藻土、粉末状のシリカ、ヒュームドシリカ等が好ましい。シリカを主成分とする担体は、固体酸性質を示さない又は示しても少ないものが多い。このため、アルデヒド類の水素添加反応において副反応を抑制できるので好ましい。この無機担体は、このようなシリカを主成分とする担体以外であっても、固体酸性質を示さない又は示しても少ないものであれば問題なく使用することができる。しかし、アルミナを主成分とする担体は、固体酸を多く含むことがあるので、好ましくない。なお、この工程では、無機担体は粉末状であることが好ましい。無機担体が成型体である場合、シリカ、ニッケル化合物の分散性が低下する。特に、無機担体が大きい場合は、その中心部までシリカ、ニッケル化合物が分散し難くなる。したがって、無機担体の大きさは、1mm以下であることが好ましい。
この工程では、シリカ及びニッケル化合物を混合して成型前駆体を調製する。この工程における各成分の混合比率は、最終的に得られるニッケル触媒の組成に合わせて適宜調整される。この工程で得られる成型前駆体は、粉末状、顆粒状又は粘土状であってもよい。所望の形状に成型するために適切な形状を取ることが好ましい。例えば、打錠成型法により成型する場合は、成型前駆体は粉末状又は顆粒状であることが好ましい。このような粉末状又は顆粒状の成型前駆体は、シリカ、ニッケル化合物を粉末の状態で混合する方法を用いることができる。また、顆粒状の成型前駆体は、粉末状の成型前駆体をローラーコンパクタ等で圧密することで調製することができる。
押出成形法により成型する場合は、成型前駆体は粘土状であることが好ましい。粘土状の成型前駆体は、シリカ、ニッケル化合物を混合する際に、水、バインダー及び滑材等を添加して混練する方法により調製することができる。このとき、アルカリ金属塩を含み、pHが8以上かつ11以下の範囲に調整されたシリカゾルとニッケル化合物とを混合してもよい。
[前記成型前駆体を成型して焼成前駆体を調製する成型工程]
この工程は、前述の混合工程で得られた成型前駆体を成型して、焼成前駆体を調製する工程である。
この工程では、従来公知の成型方法を用いて、成型前駆体を成型することができる。例えば、打錠成型法又は押出成型法を用いることができる。このような成型法を用いて、球状、柱状又はこれらに類する形状に成型前駆体を成型する。この工程では、成型前駆体は、柱状であって、その径が0.5mm以上かつ5mm以下の範囲にあり、その長さが1mm以上かつ10mm以下の範囲にある形状に成型されることが好ましい。
[前記焼成前駆体を焼成してニッケル触媒を調製する焼成工程]
この工程は、前述の成型工程で得られた焼成前駆体を焼成して、ニッケル触媒を調製する工程である。
この工程では、焼成前駆体に含まれるニッケル化合物が焼成により分解され、酸化ニッケルが生成する。ニッケル化合物が分解されるために必要な焼成温度は、ニッケル化合物の種類によって変わる。しかし、300℃以上かつ450℃以下の範囲で焼成すれば、概ね酸化ニッケルが得られる。ただし、あまり高温で焼成すると酸化ニッケルが凝集して成長する。このように酸化ニッケルが凝集したニッケル触媒は、アルデヒド類の水素添加反応における触媒活性が低下する。この工程では、350℃以上かつ400℃以下の範囲で焼成前駆体を焼成することが好ましい。また、焼成時間は、概ね5時間以上かつ24時間以下の範囲にあることが好ましい。
本発明の製造方法では、前述の焼成工程を経て得られたニッケル触媒を還元安定化処理してもよい。この還元安定化処理とは、ニッケル触媒に含まれる酸化ニッケルを金属ニッケルに還元した後、その表面を酸化被膜で覆う方法を指す。このような方法を用いることで、金属ニッケルを含むニッケル触媒であっても、空気中で安全に取り扱うことができる。また、アルデヒド類の水素化反応前に行う前処理が容易になる。
本発明のニッケル触媒に含まれる酸化ニッケルを金属ニッケルに還元する方法は、例えば、還元性のガスを流通した状態で酸化ニッケルが還元されるまで加熱する方法がある。しかし、加熱し過ぎると金属ニッケル同士が凝集して成長し、金属ニッケルの結晶子径が大きくなる。そこで、このような還元処理は、380℃以上かつ430℃以下の温度範囲で実施されることが好ましい。還元処理に要する時間は、ニッケル触媒の仕込量によって変化する。還元処理の終了を見極めるには、反応後のガスについて水の含有量を分析すればよい。還元処理が終了に近づくと、還元によって生成する水が減少する。
還元処理されたニッケル触媒には金属ニッケルが含まれるため、これをそのまま空気中に取り出すと急激に酸化する。場合によっては、酸化熱によって発火することもある。そこで、還元処理後のニッケル触媒は、不活性ガス中において、ごく少量の酸素でゆっくりと表面を酸化することが好ましい。このような処理は、安定化処理とも呼ばれる。この処理を施すことで、空気中でも金属ニッケルを含むニッケル触媒を安全に取り扱うことができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの実施範囲に限定されるものではない。
[測定方法]
本発明の実施例では、実施例で得られた中間体及びニッケル触媒について、下記の条件で測定を行った。
[アルカリ金属含有量]
試料0.2gを溶解して得られた水溶液を原子吸光分析(日立ハイテク社製、Z−2310)して、アルカリ金属含有量を算出した。なお、検量線はブランクを含む4点で作成した。
[水洗後のアルカリ金属残留率]
試料1gを秤量し、ビーカーに充填した。このビーカーに試料1gに対し100mLの割合で、イオン交換水を加えて、60分静置した。その後、ビーカー中の水を除去し、試料を120℃で乾燥した。この試料を水洗後の試料として、前述のアルカリ金属含有量を測定した。この水洗後のアルカリ金属含有量を水洗前のアルカリ金属含有量で除して、アルカリ金属残留率を算出した。
[ニッケル含有量]
試料0.1gを溶解して得られた水溶液を高周波誘導結合プラズマ発光分光分析(SII製、SPS5520)して、ニッケル含有量を算出した。なお、検量線は3点で作成した。
[ニッケル、アルカリ金属の分散性]
試料を切断して断面を露出させた。この断面を上にして試料台にセットした。これをSEM(日本電子株式会社製、JSM−7600F)を用いて観察した。なお、このとき試料の断面が1画面に収まるよう倍率を調節した。この倍率で、EDX分析を行った。その結果、試料の断面におけるニッケル及びアルカリ金属の元素マップが得られた。
[ニッケル結晶子径]
得られた試料について、X線回折測定を行った。また、この測定は以下の条件で行った。
<X線回折測定条件>
装置 :MiniFlex(株式会社リガク製)
操作軸 :2θ/θ
線源 :CuKα
測定方法 :連続式
電圧 :40kV
電流 :20mA
開始角度 :2θ=20°
終了角度 :2θ=70°
サンプリング幅:0.020°
スキャン速度 :4.000°/min
<結晶子径の算出方法>
X線回折測定により、得られたデータについて解析ソフト(株式会社リガク製、JADE)で求めた。具体的には、解析ソフトに測定データを読み込み、2θ=51°±1°にピークトップを有するピークの結晶子径(積分幅から求めた値)を、ニッケル結晶子径とした。
[比表面積]
得られた試料について窒素流通下にて前処理を行い、全自動比表面積測定装置(マウンテック製、型式;MacsorbHM model−1220)にセットし、窒素吸着法(BET法)を用いて、窒素の脱離量から、BET1点法により比表面積を算出した。具体的には、試料0.1gを測定セルに充填し、窒素流通下にて250℃で、40分間の加熱処理(前処理)を行った。その後、窒素混合ガス(体積分率で窒素が30%、ヘリウムが70%)の気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させた。次に、上記混合ガスを流しながら試料温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を熱伝導度型検出器(TCD)で検出した。最後に純窒素を1ccパルスで流通させ、先の窒素脱離量との比から比表面積を算出した。
[細孔容積]
得られた試料について、水銀圧入法にて細孔分布を測定した。また、この測定は以下の条件で行った。
測定装置 AutoPoreIV(Micromeritics社製)
試料重量 1.0g
試料前処理 110℃−3hr
圧力範囲 1.5〜60000psia
[強度]
得られた試料について、強度の測定を行った。また、その測定は以下の条件で行った。
測定装置:圧壊強度計(インストロン社製、型式3365)
測定回数:10回(この平均値を測定値とした)
測定方向:縦、横、長さ方向で最も薄い面(圧壊強度が最も低い面)を測定した。
[形状]
得られた試料を10個抽出し、その径及び長さをノギスで測定した。この10個の測定値の平均を、試料の径及び長さとした。
[シリカの一次粒子径]
1)SiOとして1.5gに相当する試料をビーカーに採取してから、恒温反応槽(25℃)に移し、純水を加えて液量を90mLにした。以下の操作は、25℃に保持した恒温反応槽中にて行った。
2)pH3.6〜3.7になるように0.1モル/L塩酸を加えた。
3)塩化ナトリウムを30g加え、純水で150mLに希釈し、10分間攪拌した。
4)pH電極をセットし、攪拌しながら0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、pH4.0に調整した。
5)pH4.0に調整した試料を0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、pH8.7〜9.3の範囲での滴定量とpH値を4点以上記録して、0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液の滴定量をX、その時のpH値をYとして、検量線を作った。
6)次の式(2)からSiO1.5g当たりのpH4.0〜9.0までに要する0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液の消費量V(mL)を求め、次の〔a〕又は〔b〕に従って比表面積SA1[m/g]を求めた。
〔a〕 実験式(3)にて、SA1の値を求め、その値が80〜350m/gの範囲にある場合は、その値をSA1とした。
〔b〕 実験式(3)によるSA1の値が350m/gを超える場合は、改めて実験式(4)にて、SA1を求め、その値をSA1とした。
このSA1を用いて、式(5)から平均粒子径D1(nm)を求める。
V=(A×f×100×1.5)/(W×C) ・・・ (2)
SA1=29.0V−28 ・・・ (3)
SA1=31.8V−28 ・・・ (4)
D1=6000/(ρ×SA1) ・・・ (5) (ρ:試料の密度)
但し、上記式(2)における記号の意味は次の通りである。
A:SiO1.5g当たりpH4.0〜9.0までに要する0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液の滴定量(ml)
f:0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液の力価
C:試料のSiO濃度(%)
W:試料採取量(g)
[アルデヒド類の水素添加試験]
<前処理>
0.5Lオートクレーブにニッケル触媒11.5gを仕込んだ。これに水素を150mL/minで流通させながら、170℃で90min保持した。その後室温まで冷却した。その後、オートクレーブ内の水素を窒素で置換した。
<水素添加試験>
n−ブチルアルデヒド32.6gとn−ブタノール65.4gを混合し、混合液を前述のオートクレーブへ注入した。この混合液をオートクレーブ中で700rpmで撹拌しながら110℃まで昇温した。その後、オートクレーブ内の圧力が5MPaとなるまで水素を注入し、圧力を5MPaに維持した状態で2時間保持した。その後、これを室温まで冷却し、反応液を得た。
<分析>
得られた反応液をガスクロマトグラフ(島津製作所製、GC−14B)で分析し、n−ブチルアルデヒド(NBD)、2−エチルヘキサナール(2EH)、n−ブタノール(NBA)及びC12アセタール(C12AC)の含有量を測定した。そして、各成分の含有量を用いて下記の式から転化率及び選択率を算出した。
[転化率]
転化率(%)=(反応前のNBD含有量−反応後のNBD含有量)/反応前のNBD含有量×100
[NBA選択率]
NBA選択率(%)=反応後のNBA含有量/(反応後のNBA含有量+反応後の2EH含有量×2+反応後のC12AC含有量×3)×100
[2EH選択率]
2EH選択率(%)=反応後の2EH含有量×2/(反応後のNBA含有量+反応後の2EH含有量×2+反応後のC12AC含有量×3)×100
[C12AC選択率]
C12AC選択率(%)=反応後のC12AC含有量×3/(反応後のNBA含有量+反応後の2EH含有量×2+反応後のC12AC含有量×3)×100
[実施例1]
[シリカ及びニッケル化合物を混合して成型前駆体を調製する混合工程]
ゾルゲル法を用いて得られた一次粒子径が5nmのシリカゾルに、水酸化ナトリウムを加え、pHを10に調整した。このとき、シリカゾルに含まれるシリカの含有量は、SiO換算で、20.5質量%であった。その後、このシリカゾルを乾燥して得られたシリカのアルカリ金属含有量を測定した。また、このシリカの水洗後のアルカリ金属残留率を前述の測定方法に基づき算出した。その結果、アルカリ金属含有量は、1質量%であった。また、アルカリ金属残留率は、99%であった。
硫酸ニッケル水和物(NiSO・6HO、和光純薬工業社製)254gを水道水890gに溶解した。次に、この水道水に珪藻土(東京興行貿易商会社、品名:Celite)を178g分散させた。この水道水の温度を72.5℃に調整した。ここで得られた溶液を、以下では「母液」という。
別容器を用いて、炭酸ナトリウム(NaCO、関東化学社製)180gを水道水890gに溶解し、72.5℃に調整した。ここで得られた溶液を、以下では「アルカリ溶液」という。
前述の母液に前述のアルカリ溶液を一定の速度で80分かけて加えた。その後、この混合液を72.5℃に保持しつつ、120分間攪拌した。その後、得られたスラリーを、ヌッチェを用いて減圧濾過し、ケーキ状のニッケル化合物を得た。
得られたケーキ状のニッケル化合物の全量を50℃に調整した5Lの温水へ投入し、スラリー化して、懸濁洗浄及び濾過を行った。同工程を繰り返し行い、濾液の電気伝導度が1.5mS/cmとなったところで洗浄を終了した。
箱型乾燥機を用いて、ケーキ状のニッケル化合物を120℃で12時間乾燥した。ハンマークラッシャーミルを用いて、乾燥後のケーキを粉砕して、粉末状のニッケル化合物を得た。
前述の工程で得られたシリカゾル2,500gと、ニッケル化合物667gとを双腕ニーダーを用いて混合した。これに、バインダー成分として、メチルセルロースを10g、カルボキシメチルセルロースを10g添加し、さらに混合した。このとき、これらの混合物は粘土状になった。これを成型前駆体とした。
[成型前駆体を成型して焼成前駆体を調製する成型工程]
前述の成型工程で得られた成型前駆体を、2軸オーガ押出機を用いて2.6mmφの円柱状に成型した。これを120℃で乾燥したものを焼成前駆体とした。
[焼成前駆体を焼成して触媒を調製する焼成工程]
前述の工程で得られた焼成前駆体500gを、マッフル炉を用いて365℃で4.5時間焼成してニッケル触媒を得た。
このニッケル触媒250gを環状炉に仕込んだ。この環状炉に、空間速度が450h-1となる流量で水素を流通し、420℃まで昇温した。その後、420℃で4時間保持した。保持終了後、窒素ガスを流通しながら80℃まで冷却した。その後、窒素ガスに空気を徐々に加え、安定化処理を行った。このとき、空気の添加量をニッケル触媒の温度が150℃を超えない範囲で調整した。その後、酸化による発熱がなくなったら、空気の添加量を徐々に増やした。そして、空気を100%添加しても発熱がなくなったところで、安定化処理を終了した。この安定化処理を経て得られたニッケル触媒を前述の方法で分析及び評価した結果を表1に示した。また、このニッケル触媒のSEM画像、ニッケル及びアルカリ金属の分散状態を表す元素マッピングの結果を、それぞれ図1〜3に示した。
[比較例1]
実施例1で得られたシリカゾルをアンモニウムタイプのイオン交換樹脂に流通させ、ナトリウムを除去した。また、このシリカゾル2,000gと、ニッケル化合物800gとを双腕ニーダーを用いて混合した。これに、バインダー成分として、メチルセルロースを10g、カルボキシメチルセルロースを10g添加し、さらに混合した。これ以外の工程は、実施例1と同様の方法で行った。
[比較例2]
比較例1の方法で得られたシリカゾル2,000gと、ニッケル化合物800gと炭酸カリウム(関東化学製)8.1gとを双腕ニーダーを用いて混合した。これに、バインダー成分として、メチルセルロースを10g、カルボキシメチルセルロースを10g添加し、さらに混合した。これ以外の工程は、比較例1と同様の方法で行った。
[比較例3]
比較例1の方法で得られたシリカゾル2,000gと、ニッケル化合物800gと炭酸カリウム(関東化学製)14.4gを、双腕ニーダーを用いて混合した。これに、バインダー成分として、メチルセルロースを10g、カルボキシメチルセルロースを10g添加し、さらに混合した。これ以外の工程は、比較例1と同様の方法で行った。
[比較例4]
バーサルアルミナR−3を426gと、ニッケル化合物800gとを双腕ニーダーを用いて混合した。なお、これにシリカゾルは添加しなかった。これに、バインダー成分として、メチルセルロースを10g、カルボキシメチルセルロースを10g添加し、さらに混合した。これ以外の工程は、実施例1と同様の方法で行った。

Claims (2)

  1. アルデヒド類を水素添加するための触媒であって、
    ニッケル成分、アルカリ金属成分およびシリカを含み、
    ニッケル含有量がNiO換算で5質量%以上30質量%以下の範囲にあり、
    アルカリ金属含有量が0.3質量%以上3質量%以下の範囲にあり、
    水洗後のアルカリ金属残留率が80%以上100%以下の範囲にある、
    ニッケル触媒。
  2. アルデヒド類を水素添加するための触媒の製造方法であって、
    シリカ及びニッケル化合物を混合して成型前駆体を調製する混合工程、
    前記成型前駆体を成型して焼成前駆体を調製する成型工程、
    前記焼成前駆体を焼成して触媒を調製する焼成工程、を含み、
    前記シリカのアルカリ金属含有量が0.1質量%以上かつ2.0質量%以下の範囲にあり、
    前記シリカの水洗後のアルカリ金属残留率が80%以上かつ100%以下の範囲にあり、
    前記シリカの一次粒子径が1nm以上かつ30nm以下の範囲にある、
    ニッケル触媒の製造方法。
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