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JP2020140047A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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JP2020140047A JP2019034907A JP2019034907A JP2020140047A JP 2020140047 A JP2020140047 A JP 2020140047A JP 2019034907 A JP2019034907 A JP 2019034907A JP 2019034907 A JP2019034907 A JP 2019034907A JP 2020140047 A JP2020140047 A JP 2020140047A
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Haruki Mori
春樹 森
中田 浩一
Koichi Nakada
浩一 中田
秀文 鯨井
Shubun Kujirai
秀文 鯨井
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Abstract

【課題】 繰り返し使用時の環境変動を抑制できる電子写真感光体を提供する。【解決手段】 支持体と、感光層と、を有する電子写真感光体において、保護層が、特定の骨格を有する化合物と、特定の重合性官能基を有する正孔輸送性化合物との共重合体を含有する。【選択図】 図1

Description

本発明は電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真画像形成装置(電子写真装置)に搭載される電子写真感光体には、光導電性物質(電荷発生物質)である有機物を含有する有機電子写真感光体(以下、「電子写真感光体」という。)があり、これまで幅広い検討がなされてきた。
例えば、繰り返し使用時の画質の低下は電子写真感光体における課題の1つであり、これまでにさまざまな検討がなされてきた。特許文献1および2には、特定の構造の重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の硬化物を保護層に含有する電子写真感光体が記載されており、繰り返し使用時の画質劣化を抑制する効果を発現している。
特開2013−44818号公報 特開2013−44823号公報
本発明者らが鋭意検討した結果、特許文献1および2に記載の電子写真感光体では、使用環境によって繰り返し使用時の電位変動の差が大きかった。特に高温高湿環境と低温低湿環境との間での差(環境変動)が顕著であった。繰り返し使用時の環境変動が大きくなると、使用環境により繰り返し使用時の画像濃度変化が異なってくるため、画像形成の際に、使用環境に応じた本体制御が必要となってしまう。そのため、繰り返し使用時の環境変動を抑制できる電子写真感光体が求められている。
したがって、本発明の目的は、繰り返し使用時の環境変動を抑制できる電子写真感光体を提供することにある。さらには、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
よって本発明は、
支持体と、感光層と、保護層をこの順に有する電子写真感光体において、該保護層が、下記式(1)で示される化合物と、下記式(2)で示される化合物とを含む組成物の共重合体を含有することを特徴とする電子写真感光体
Figure 2020140047
(式(1)中、R11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、または、置換基を有するベンジル基、または無置換のベンジル基を示す。前記ベンジル基が有する前記置換基は、炭素数4以下のアルキル基である。R11およびR12は互いに結合して環を形成してもよい。R13は、炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、または、メチル基を示す。R16およびR17は、それぞれ独立に炭素数1以上4以下のアルキレン基を示す。)
Figure 2020140047
(式(2)中、Aは正孔輸送性基を示し、Pは下記式(3)または下記式(4)で示される1価の官能基を示す。
aは1から4の整数を示す。aが2から4の整数の場合、それぞれのPは同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2020140047
(式(3)中、Xは、アルキレン基、−C(=O)−、−N(L)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を組み合わせてなる(n+1)価の連結基を示す。Lは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。式(3)中のXは、式(2)中のPと結合している)
Figure 2020140047
(式(4)中、R41は、アルキレン基を示し、式(2)中のPと結合している。X及びXは、アルキレン基、−C(=O)−、−N(L)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を組み合わせてなる(n+1)価の連結基を示す。Lは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。また、X及びXはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
なお、該AのPとの結合部位を水素原子に置き換えた場合の化合物は、下記式(5)、または下記式(6)である。
Figure 2020140047
(式(5)中、R、R及びRは、炭素数1から6のアルキル基を有してもよいフェニル基、ビフェニル基、またはフルオレニル基を示す。また、R、R及びRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2020140047
(式(6)中、R、R、R、R10、R11及びR12は、炭素数1から6のアルキル基を有してもよいフェニル基を示す。また、R、R、R、R10、R11及びR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)を提供する。
本発明によれば、繰り返し使用時の環境変動を抑制できる電子写真感光体を提供することができる。また、本発明によれば、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本実施形態に係る電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の一態様に係る電子写真感光体は、保護層が、下記式(1)で示される化合物と、下記式(2)で示される化合物とを含む組成物の共重合体を含有することを特徴とする。
Figure 2020140047
(式(1)中、R11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、または、置換基を有するベンジル基、または無置換のベンジル基を示す。前記ベンジル基が有する置換基は、炭素数4以下のアルキル基である。R11およびR12は互いに結合して環を形成してもよい。R13は、炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、または、メチル基を示す。R16およびR17は、それぞれ独立に炭素数1以上4以下のアルキレン基を示す。)
Figure 2020140047
(式(2)中、Aは正孔輸送性基を示し、Pは下記式(3)または下記式(4)で示される1価の官能基を示す。
aは1から4の整数を示す。aが2から4の整数の場合、それぞれのPは同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2020140047
(式(3)中、Xは、アルキレン基、−C(=O)−、−N(L)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を組み合わせてなる(n+1)価の連結基を示す。Lは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。式(3)中のXは、式(2)中のPと結合している。)
Figure 2020140047
(式(4)中、R41は、アルキレン基を示し、式(2)中のPと結合している。X及びXは、アルキレン基、−C(=O)−、−N(L)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を組み合わせてなる(n+1)価の連結基を示す。Lは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。また、X及びXはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
なお、該AのPとの結合部位を水素原子に置き換えた場合の化合物は、下記式(5)、または下記式(6)である。
Figure 2020140047
(式(5)中、R、R及びRは、炭素数1から6のアルキル基を有してもよいフェニル基、ビフェニル基、またはフルオレニル基を示す。また、R、R及びRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2020140047
(式(6)中、R、R、R、R10、R11及びR12は、炭素数1から6のアルキル基を有してもよいフェニル基を示す。また、R、R、R、R10、R11及びR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
本発明者らは、本発明の効果が発現する理由を、以下のように推測している。
電子写真感光体の繰り返し使用時の環境変動は、保護層を透過した水分が感光層中の電荷発生物質へ及ぼす影響が、使用環境によって異なることで顕著になると推測している。特に、高温高湿環境と低温低湿環境との間では、使用環境中の絶対水分量が大きく異なるため、水分が電荷発生物質へ及ぼす影響に差があり、繰り返し使用時の環境変動が大きくなると推測される。
特許文献1および2に記載の電子写真感光体は、保護層中に特定の構造の重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の硬化物を含有しており、特定の構造の重合性官能基としてはスチレン骨格を用いている。スチレン骨格は重合反応速度が遅く、硬化の際に時間がかかるため、正孔輸送部位同士が凝集しやすくなり、膜内で疎密な構造を形成しやすくなると考えられる。保護層中の硬化膜の疎な部分が形成されると、保護層を水分が透過しやすくなり、感光層中の電荷発生物質に水分が到達しやすくなると考えられる。上記理由により、特許文献1および2に記載の電子写真感光体では、繰り返し使用時の環境変動が顕著となったと推測している。
なお本発明に係る電子写真感光体の一形態については、図2を用いて後述する。
本発明の電子写真感光体では、たとえば保護層のように、電子写真感光体の表面に、下記式(1)で示される化合物が含まれている。
Figure 2020140047
(式(1)中、R11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、または、置換基を有するベンジル基、または無置換のベンジル基を示す。前記ベンジル基が有する置換基は、炭素数4以下のアルキル基である。R11およびR12は互いに結合して環を形成してもよい。R13は、炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、または、メチル基を示す。R16およびR17は、それぞれ独立に炭素数1以上4以下のアルキレン基を示す。)
前記式(1)で示される化合物は、分子量、分子サイズが適度な大きさであり、前記式(1)で示される化合物を含有する膜の緻密性が向上し、環境中からの膜内部等への水分の浸入等を抑制する効果があると推測している。そのため、本発明では、前記式(2)で示される化合物のようにスチレン骨格を重合性官能基に用いた正孔輸送性化合物を用いているにもかかわらず、保護層中の水分透過が抑制され、環境変動を抑制できると考えられる。
前記式(1)で示される化合物中のR11およびR12は、メチル基であることが好ましい。この場合には、分子サイズがより好適なサイズとなり、膜の緻密性が向上し、環境変動を抑制することができる。
以下に、前記式(1)で示される化合物の具体例(例示化合物1−1〜1−20)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 2020140047
前記式(2)で示される化合物中のAは正孔輸送性基である。正孔輸送性基とは、正孔輸送性を有する部位である、式(5)に示すようなトリアリールアミン骨格、または式(6)に示すようなテトラフェニルベンジジン骨格を含む官能基である。
便宜上前記式(2)中、該AのP1との結合部位を水素原子に置き換えた場合の化合物も、前記式(5)、または前記式(6)であり、いいかえるとトリアリールアミン骨格、またはテトラフェニルベンジジン骨格を含む化合物である。
前記式(2)で示される化合物中のPは、たとえば上述の式(3)や(4)である。これらはさらには例えば下記式(7)、下記式(8)、下記式(9)、下記式(10)で示される1価の官能基のいずれかであることが好ましい。この場合には、重合反応速度が向上することで膜の緻密性が向上し、環境変動を抑制することができる。
Figure 2020140047
(式(7)中、Yは2価の有機基を示す。pは0または1の整数を示す。)
Figure 2020140047
(式(8)中、Y’は2価の有機基を示す。p’は0または1の整数を示す。)
Figure 2020140047
(式(9)中、Zは2価の有機基を示す。qは0または1の整数を示す。)
Figure 2020140047
(式(10)中、Z’は2価の有機基を示す。q’は0または1の整数を示す。)
以下に、前記式(2)で示される化合物の具体例(例示化合物2−1〜2−18)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 2020140047
Figure 2020140047
前記組成物中の前記式(1)で示される化合物の含有質量は、前記式(2)で示される化合物の含有質量に対して、25.0質量%以上66.7質量%以下であることが好ましい。66.7質量%以上の場合には、環境変動は抑制されるが、繰り返し使用時の電位変動そのものが大きくなってしまう。したがって、この範囲の場合には、環境変動の抑制と、繰り返し使用時の電位変動の抑制を高いレベルで両立することができる。さらに好ましくは、33.3質量%以上53.8質量%以下である。
保護層の平均膜厚は10μm以上20μm以下であることが好ましい。保護層の膜厚が厚くなると、保護層を通過し感光層に到達する水分が少なくなるため、環境変動を抑制できると考えられる。20μm以上の場合には、繰り返し使用時の電位変動そのものが大きくなってしまう。したがって、この範囲の場合には、環境変動の抑制と、繰り返し使用時の電位変動の抑制を高いレベルで両立することができる。さらに好ましくは、13μm以上17μm以下である。
保護層中には、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含有することが好ましい。ポリテトラフルオロエチレン粒子は撥水性が高いため、含有することにより保護層の撥水性が向上する。そのため、保護層中の水分透過が抑制され、環境変動を抑制できると考えられる。
また、本発明の電子写真感光体の保護層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
保護層に添加剤を含有する場合、保護層の組成物中における添加剤の含有割合は50質量%以下であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の保護層は、下記式(1)で示される化合物と、下記式(2)で示される化合物とを含有する保護層用塗布液を調製する工程、該保護層用塗布液の塗膜を形成する工程、および該塗膜を硬化させることによって保護層を形成する工程を経て形成することができる。
保護層用塗布液の調製に用いる溶剤としては、保護層の下に設けられる層を溶解しない溶剤を使用することが好ましい。より好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、シクロペンタノールなどのアルコール系溶剤である。
保護層用塗布液を塗布する方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布を用いる方法が好ましい。
保護層用塗布液の塗膜を硬化させる方法としては、熱、紫外線、または電子線によって硬化させる方法が挙げられる。膜のムラやシワの発生を抑制するために、重合速度を調整しやすい熱によって硬化させることが好ましい。
次に本発明の電子写真感光体の構成について説明する。また、該電子写真感光体の各構成を説明すると共に、その製造方法についても説明する。
[電子写真感光体]
本発明の一態様に係る電子写真感光体は、支持体と、感光層と、表面層(保護層)とをこの順に有することを特徴とする。
図2は、電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図2中、電子写真感光体は、支持体21、下引き層22、電荷発生層23、電荷輸送層24、および、保護層25を有する。この場合、電荷発生層23および電荷輸送層24が感光層を構成し、保護層25が表面層である。
電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このときの塗布方法としては、上記の表面層用塗布液を塗布する方法で挙げた方法を用いることができ、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体および各層について説明する。
<支持体>
本発明の電子写真感光体は支持体を有し、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合または被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
<導電層>
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなどの元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などをさらに含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上記各材料および溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、支持体または導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素−炭素二重結合基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などをさらに含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上記重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤をさらに含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上記各材料および溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<感光層>
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層である。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1−1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤をさらに含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上記各材料および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
(1−2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、5:10〜12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上記各材料および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
単層型感光層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
<保護層>
保護層は、上記のように保護層用塗布液を調製する工程、保護層用塗布液の塗膜を感光層上に形成する工程、該塗膜を硬化させることによって形成することができる。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、本発明の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段を有することを特徴とする。
図1に、電子写真装置の一例である、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真画像形成装置の概略構成を示す。
円筒状の電子写真感光体1は、筒内に設けられた軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。なお、図においては、ローラ型帯電部材によるローラ帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段9を別途設けず、上記付着物を現像手段5などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジ11を電子写真装置の本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、複写機、ファクシミリ、および、これらの複合機などに用いることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、酸化亜鉛粒子(比表面積:15m/g、平均粒子径70nm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤(KBM503、信越化学工業社製)1.3部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、120℃で3時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、表面処理された酸化亜鉛粒子110部をテトラヒドロフラン500部と撹拌混合し、アリザリン0.6部をテトラヒドロフラン50部に溶解させた溶液を添加し、50℃で5時間撹拌した。その後、減圧濾過によりアリザリンを付与させた酸化亜鉛粒子を濾別し、さらに60℃で減圧乾燥を行い、アリザリンを付与させた酸化亜鉛粒子を得た。
次に、アリザリンを付与させた酸化亜鉛粒子60部と、ポリオール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業社製)15部と、ブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住化コベストロウレタン社製)13.5部とを、メチルエチルケトン85部に混合した液38部と、メチルエチルケトン25部とを混合し、直径1mmφのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散した。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005部、およびシリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)40部を添加し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記アルミニウムシリンダー上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間170℃で乾燥させて、膜厚が20μmの下引き層を形成した。
次に、電荷発生物質としてCuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°の7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン15部、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10部、およびn−酢酸ブチル200部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175部、メチルエチルケトン180部を加え、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を温度100℃で5分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送物質としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン45部、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(PCZ500、粘度平均分子量50000)55部を、クロロベンゼン800部に加えて溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を45分間130℃で乾燥させることによって、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、ポリテトラフルオロエチレン粒子(ルブロンL−2、ダイキン工業社製)60部、フッ素原子含有樹脂(GF300、東亞合成社製)3部、シクロペンタノール140部を混合した後、超高速分散機で分散し、保護層用分散液を調製した。次に、式(1)で示される化合物として例示化合物No.1−1を21部、式(2)で示される化合物として例示化合物No.2−15を49部、重合開始剤(OTazo−15、大塚化学社製)1部をシクロペンタノール80部に溶解した後、保護層用分散液100部と混合し、保護層用塗布液を調製した。この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成した。室温(25℃)で30分間風乾した後、酸素濃度200ppmの窒素雰囲気下で45分間150℃加熱することで塗膜を硬化させ、膜厚15μmの保護層を形成した。
このようにして、電子写真感光体1を製造した。
(実施例2)
保護層用塗布液中に含まれる式(2)で示される化合物を、例示化合物No.2−15から例示化合物No.2−17に変更すること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例3)
保護層用塗布液中に含まれる式(1)で示される化合物を21部から14部に変更し、式(2)で示される化合物を49部から56部に変更すること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例4)
保護層用塗布液中に含まれる式(1)で示される化合物を21部から28部に変更し、式(2)で示される化合物を49部から42部に変更すること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例5)
保護層用塗布液中に含まれる式(1)で示される化合物を21部から13部に変更し、式(2)で示される化合物を49部から57部に変更すること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例6)
保護層用塗布液中に含まれる式(1)で示される化合物を21部から29部に変更し、式(2)で示される化合物を49部から41部に変更すること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例7)
保護層用塗布液中に含まれる式(1)で示される化合物を、例示化合物No.1−1から例示化合物No.1−4に変更すること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例8)
保護層用塗布液中の保護層用分散液100部を、シクロペンタノール25部に変更すること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例9)
保護層用塗布液中に含まれる式(1)で示される化合物を21部から13部に変更し、式(2)で示される化合物を49部から57部に変更すること以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例10)
保護層用塗布液中に含まれる式(1)で示される化合物を21部から29部に変更し、式(2)で示される化合物を49部から41部に変更すること以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例11)
保護層の膜厚を15μmから9μmに変更すること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例12)
保護層の膜厚を15μmから21μmに変更すること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例13)
保護層の膜厚を15μmから9μmに変更すること以外は、実施例9と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例14)
保護層の膜厚を15μmから21μmに変更すること以外は、実施例10と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例15)
保護層用塗布液中に含まれる式(1)で示される化合物を、例示化合物No.1−1から例示化合物No.1−4に変更すること以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例16)
保護層用塗布液中に含まれる式(1)で示される化合物を、例示化合物No.1−1から例示化合物No.1−4に変更すること以外は、実施例14と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例17)
保護層用塗布液中に含まれる式(2)で示される化合物を、例示化合物No.2−15から例示化合物No.2−17に変更すること以外は、実施例15と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例18)
保護層用塗布液中に含まれる式(2)で示される化合物を、例示化合物No.2−15から例示化合物No.2−17に変更すること以外は、実施例16と同様にして電子写真感光体を製造した。
(比較例1)
保護層用塗布液中に、式(1)で示される化合物を用いないこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(比較例2)
保護層用塗布液中に含まれる式(1)で示される化合物を、下記式(C−1)で示される化合物に変更すること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 2020140047
[評価]
各実施例および比較例で製造した電子写真感光体を、評価装置として電子写真装置(複写機)(商品名:iR−ADV C5255、キヤノン(株)製)の改造機のシアンステーションに装着した。以下に示す条件で環境変動の評価を行った。
〈環境変動評価〉
30℃80%RHの高温高湿環境、15℃5%RHの低温低湿環境において、それぞれ、A4横サイズ紙にて、画像比率1%のテストチャートを用いて1000枚連続の画像形成を行い、電子写真感光体の電位変動を調べた。像露光部VLの「1000枚後の電位−初期の電位」の値をΔVLとした。
次に、高温高湿環境におけるΔVLをΔVL(HH)、低温低湿環境におけるΔVLをΔVL(LL)として、「ΔVL(HH)−ΔVL(LL)」の値を環境変動の結果として、算出した。
本発明において、環境変動(ΔVL(HH)−ΔVL(LL))が10V未満であり、ΔVL(HH)およびΔVL(LL)がそれぞれ30V未満であると、電子写真感光体の特性として問題がないと判断した。
Figure 2020140047
評価の結果、実施例においては、繰り返し使用時の環境変動が十分に抑制できており、問題がなかった。比較例においては、繰り返し使用時の環境変動に問題があった。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
21 支持体
22 下引き層
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 保護層(表面層)

Claims (8)

  1. 支持体と、感光層と、保護層をこの順に有する電子写真感光体において、該保護層が、下記式(1)で示される化合物と、下記式(2)で示される化合物とを含む組成物の共重合体を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2020140047

    (式(1)中、R11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、または、置換基を有するベンジル基、または無置換のベンジル基を示す。前記ベンジル基が有する前記置換基は、炭素数4以下のアルキル基である。R11およびR12は互いに結合して環を形成してもよい。R13は、炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、または、メチル基を示す。R16およびR17は、それぞれ独立に炭素数1以上4以下のアルキレン基を示す。)
    Figure 2020140047

    (式(2)中、Aは正孔輸送性基を示し、Pは下記式(3)または下記式(4)で示される1価の官能基を示す。
    aは1から4の整数を示す。aが2から4の整数の場合、それぞれのPは同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2020140047

    (式(3)中、Xは、アルキレン基、−C(=O)−、−N(L)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を組み合わせてなる(n+1)価の連結基を示す。Lは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。式(3)中のXは、式(2)中のPと結合している。)
    Figure 2020140047

    (式(4)中、R41は、アルキレン基を示し、式(2)中のPと結合している。X及びXは、アルキレン基、−C(=O)−、−N(L)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を組み合わせてなる(n+1)価の連結基を示す。Lは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。また、X及びXはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
    なお、該AのPとの結合部位を水素原子に置き換えた場合の化合物は、下記式(5)、または下記式(6)である。
    Figure 2020140047

    (式(5)中、R、R及びRは、炭素数1から6のアルキル基を有してもよいフェニル基、ビフェニル基、またはフルオレニル基を示す。また、R、R及びRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2020140047

    (式(6)中、R、R、R、R10、R11及びR12は、炭素数1から6のアルキル基を有してもよいフェニル基を示す。また、R、R、R、R10、R11及びR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記式(2)のPが、下記式(7)、下記式(8)、下記式(9)、下記式(10)で示される1価の官能基のいずれかである請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2020140047

    (式(7)中、Yは2価の有機基を示す。pは0または1の整数を示す。)
    Figure 2020140047

    (式(8)中、Y’は2価の有機基を示す。p’は0または1の整数を示す。)
    Figure 2020140047

    (式(9)中、Zは2価の有機基を示す。qは0または1の整数を示す。)
    Figure 2020140047

    (式(10)中、Z’は2価の有機基を示す。q’は0または1の整数を示す。)
  3. 前記組成物中の前記式(1)で示される化合物の含有質量が、前記式(2)で示される化合物の含有質量に対して、25.0質量%以上66.7質量%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記式(1)で示される化合物中のR11およびR12がメチル基であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記保護層中に、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記保護層の膜厚が10μm以上20μm以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を有する電子写真装置。
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