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JP2020133069A - カップ付衣類 - Google Patents

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JP2020133069A
JP2020133069A JP2019030704A JP2019030704A JP2020133069A JP 2020133069 A JP2020133069 A JP 2020133069A JP 2019030704 A JP2019030704 A JP 2019030704A JP 2019030704 A JP2019030704 A JP 2019030704A JP 2020133069 A JP2020133069 A JP 2020133069A
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Abstract

【課題】就寝時にバストを締め付けることなく、バストの隆起部の移動を抑制しながらも、着用感を損なうことなく快適な着け心地を実現できるカップ付衣類を提供する。【解決手段】ベース部4と、ベース部に接合された左右一対のカップ部2,3と、ベース部の左右脇部に接合されたバック部5と、ショルダーストラップ10,11と、を備え、上縁部、脇側縁部及び下縁部が各カップ部に接合されるとともに、中央側縁部6d,7dが各カップ部から遊離するように各カップ部の肌側面に配置された脇側サポート部6,7と、上縁部及び下縁部が各カップ部に接合されるとともに、中央側縁部8b,9b同士が互いにダーツ12を形成して接合され、中央側縁部8b,9bと脇側縁部8d,9dが各カップ部から遊離するように各カップ部の肌側面に配置された左右一対の中央側サポート部8,9と、を備えたカップ付衣類。【選択図】図2

Description

本発明は、ベース部と、前記ベース部に接合された左右一対のカップ部と、前記ベース部の左右脇部に接合されたバック部と、一端側が各カップ部の上縁に連なり他端側が各バック部の上縁に連なるショルダーストラップと、を備えているカップ付衣類に関する。
従来、ブラジャーなどのカップ付衣類は、バストを引き上げて美しい外形を保持するなどの目的で日中に着用されることが多く、就寝時には締付による不快感を回避するために着用されることが憚られていた。
しかし、就寝時にカップ付衣類を着用しない場合には、バストに対する締付感から開放されるのであるが、バストの動きがフリーになるため、寝返りなどに伴ってバスト隆起部が移動するという不安定感や、側臥姿勢を取った場合に左右のバストが重なり汗ばむという不快感などが生起され、またバストが垂れて型崩れが生じる虞があるという不安感もあった。
そこで、特許文献1には、左右バストの隆起部の外輪郭線を仰臥姿勢時の脇側広がりで且つ上広がりの外輪郭線で規定し、該外輪郭線に囲まれた内部を左右カップ部とし、該左右カップ部には、その中央部を大略逆U字状に囲む前側サポート部、上側サポート部、脇側サポート部を設け、これらサポート部のうち前側サポート部のサポート力を最も大としていることを特徴とするカップ部を有する衣類が提案されている。
当該カップ部を有する衣類では、仰臥姿勢において、カップ部の内部でバストの隆起部の基部が移動しないように、外輪郭線に沿ったカップ部内部の外周の脇側、上側、中央前側に設けられたサポート部によりバストに対する保持力が発揮され、サポート部に囲まれたカップ部の中央部分では、ある程度、自由に移動可能に圧迫力が弱められる。
特許文献2には、カップ部を有する衣類であって、一対のカップ部、カップ支持部、肩ストラップ、およびバック布を備え、前記カップ支持部は、前記一対のカップ部の下縁に設けられ、前記肩ストラップは、前記一対のカップ部の上部に設けられ、前記バック布は、前記カップ部の脇側に設けられ、前記カップ部は、立位におけるバージスラインに沿う形状のカップくりを有し、前記カップくりの内側下部にサポート部材が設けられており、前記サポート部材は、下記で定義される内バージス点とバストトップ点と下記で定義される下カップ点とを順に結び形成される角の二等分線とバージスラインとの交点と、下記で定義される脇バージス点とを少なくとも通り、バストの膨らみの周縁部に対応する部分に沿って前記カップ部の下部に設けられており、かつ、前記サポート部材のバストトップ点側の縁部は、前記衣類を構成する他の部材に固定されていないことを特徴とするカップ部を有する衣類が提案されている。
内バージス点とは、バストトップ点を通る水平線と、バストの膨らみの前中心側のバージスラインとの交点であり、下カップ点とは、バストトップ点を通る垂線と下部バージスラインとの交点であり、脇バージス点とは、バストトップ点を通る水平線と、バストの膨らみの脇側のバージスラインとの交点である。
当該カップ部を有する衣類では、就寝姿勢にここちよく眠るための着け心地の良さを維持しつつ、就寝する前の座位や立位姿勢でもバストをサポートして着用安定性を確保することができる。
特開2005−23497号公報 特開2015−190079号公報
しかし、特許文献1に記載されたカップ付衣類は、左右それぞれのカップ部の肌側面に、カップ部を構成するベア天竺の身生地より伸びが少ないヘムパワーネットで構成される前側サポート部、上側サポート部及び脇側サポート部を配置し、前側サポート部及び上側サポート部がカップ部とぴったりと重ねた状態で配置されているため、締付による不快感は低減されるものの、バストの肌面とカップ部が密着して通気性が損なわれて不快感を生じるため更なる改良の余地があった。
また、特許文献2に記載されたカップ付衣類は、サポート部材のバストトップ点側の縁部が衣類を構成する他の部材に固定されていないため、バストの肌面とカップ部との密着性は低減されるが、仰臥位をとったときにバストの隆起部が頭部側に移動することに対応して、カップくりの形状が前中心側で内バージス点より上方まで延びるように構成されていることから、例えば側臥位で上方に位置するバストの隆起部の前中心側の肌がカップ部と密着するなど、通気性を含めて快適性を向上させる点で更なる改良の余地があった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、就寝時にバストを締め付けることなく、バストの隆起部の移動を抑制しながらも、着用感を損なうことなく快適な着け心地を実現できるカップ付衣類を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明によるカップ付衣類の第一の特徴構成は、ベース部と、前記ベース部に接合された左右一対のカップ部と、前記ベース部の左右脇部に接合されたバック部と、一端側が各カップ部の上縁に連なり他端側が各バック部の上縁に連なるショルダーストラップと、を備えているカップ付衣類であって、上縁部、脇側縁部及び下縁部が各カップ部の上縁部、脇側縁部及び下縁部と其々接合されるとともに、中央側縁部が各カップ部から遊離するように各カップ部の肌側面に配置され、各カップ部より伸縮力が強い素材で構成された左右一対の脇側サポート部と、上縁部及び下縁部が各カップ部の上縁部及び下縁部と其々接合されるとともに、中央側縁部同士が互いにダーツを形成して接合され、前記中央側縁部と脇側縁部が各カップ部から遊離するように各カップ部の肌側面に配置され、各カップ部より伸縮力が強い素材で構成された左右一対の中央側サポート部と、を備えている点にある。
就寝時にカップ付衣類を着用しない場合、重力の影響を受けてバスト隆起部が主に下方に移動する立位姿勢と比較して、仰臥姿勢ではバスト隆起部が頭部側及び脇部側に流れて、全体として平坦になる傾向がある。そのような場合でも、上述のカップ付衣類を着用すると、脇側サポート部によってバスト隆起部の脇側及び脇側上方への流れが適切に受け止められ、中央側サポート部によってバスト隆起部の中央側(前中心側)への流れや頭部側への流れが適切に受け止められるようになる。
そして、脇側サポート部及び中央側サポート部は各カップ部より伸縮力が強い素材で構成されるとともに、脇側サポート部は中央側縁部が各カップ部から遊離するように配され、中央側サポート部は互いにダーツを形成して接合された中央側縁部と脇側縁部が各カップ部から遊離するように配されているため、バスト隆起部が各サポート部材で受け止められた状態で、カップ部を構成する身生地と各サポート部材の相対的な動きが許容され、身生地と各サポート部材の間に僅かな空間が形成されるようになる。そのため、カップ部を構成する身生地によりバストが圧迫されるようなことがなく、適度な保温性、吸湿性が確保され、快適な着け心地を実現することができる。
殊に、各カップ部に配された中央側サポート部の中央側縁部が互いにダーツを形成して接合されているため、中央側サポート部の其々に左右のバスト隆起部の中央側(前中心側)を其々受止め可能な膨出部が形成され、側臥姿勢でも上方側のバスト隆起部が当該膨出部に受け止められ、その状態で中央側縁部が各カップ部から遊離するように配されているので、カップ部と中央側サポート部との間に僅かに形成される空間によって適度な通気性が確保され、快適な着け心地を実現することができるようになる。
同第二の特徴構成は、上述の第一の特徴構成に加えて、前記脇側サポート部は、重畳部で前記中央側サポート部より肌側に配置されるとともに、中央側縁部の下端がバストトップ点を通る垂線と各カップ部の下縁との交点より脇側に位置し、中央側縁部の上端がバストトップ点を通る垂線と各カップ部の上縁との交点より中央側に位置し、中央側縁部がバストトップ点を通る水平線上でバストトップ点より脇側に位置するように配置されている点にある。
中央側縁部の下端がバストトップ点を通る垂線と各カップ部の下縁との交点より脇側に位置し、中央側縁部の上端がバストトップ点を通る垂線と各カップ部の上縁との交点より中央側に位置するので、仰臥姿勢、側臥姿勢の何れの姿勢であっても、脇部及び脇部上方へ流れるバスト隆起部が中央側サポート部よりも肌側に配置された脇側サポート部により同一面で一様に受け止められるようになる。そして、脇側サポート部は、中央側縁部がバストトップ点を通る水平線上でバストトップ点より脇側に位置するように配置されているので、ヘム部とバストトップ点とが擦れるような不快感を生じることもない。
同第三の特徴構成は、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記脇側サポート部の中央側縁部のヘム部及び前記中央側サポート部の脇側縁部のヘム部に所定幅で捲縮加工糸が肌側面に表出するように編み込まれている点にある。
寝返りなどによりバスト隆起部が移動する際にバストの肌面と各サポート部のヘム部が擦れるような場合であっても、ヘム部に編み込まれた捲縮加工糸が肌側面に表出しているので、肌触りが良く不快感を与えることが無い。
同第四の特徴構成は、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記脇側サポート部の中央側縁部のヘム部及び前記中央側サポート部の脇側縁部のヘム部の肌側面が所定幅にわたり起毛処理されている点にある。
上述と同様、寝返りなどによりバスト隆起部が移動する際にバストの肌面と各サポート部のヘム部が擦れるような場合であっても、ヘム部の肌側面が起毛処理されているので、肌触りが良く不快感を与えることが無い。
同第五の特徴構成は、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記左右一対のカップ部と前記ベース部とがバージスラインに沿うように伸縮性のテープ部材を介して変形可能に接合され、前記左右一対のカップ部が其々一枚のヨコ編地で一体に形成された表層及び裏層の二層で構成され、各編地はコース方向が互いに交差する方向に配され、何れか一方の編地はコース方向が身巾方向に沿うように配されている点にある。
就寝時にカップ付衣類を着用しない場合、重力の影響を受けてバストの隆起部が主に下方に移動する立位姿勢におけるバージスラインと比較して、仰臥姿勢ではバストの隆起部が頭部側及び脇部側に流れるため、バージスラインが頭部側に移動するとともに左右脇部側に延びる傾向がある。そのような場合でも、左右一対のカップ部とベース部とがバージスラインに沿うように伸縮性のテープ部材を介して変形可能に接合されているため、就寝前の立位姿勢及び就寝後の仰臥姿勢などの何れにも対応して、伸縮性のテープ部材を介してカップ部下端が変形することで、バスト隆起部の下縁が適切に支持されるようになる。
また、カップ部が表層及び裏層の二層で構成されているので、バストを確実に保護することができ、二層の編地の何れか一方はコース方向が身巾方向に沿うように配されたヨコ編地で構成されているので、着用の際に身巾方向への十分な伸びが確保されて容易く着用できる。そして、他方の編地はコース方向が一方の編地と交差する方向に配されているので、着用後は身巾方向への伸びを抑制するように作用し、バスト隆起部に対する良好なフィット感を実現することができる。
同第六の特徴構成は、上述の第五の特徴構成に加えて、前記ベース部が表層及び裏層の二層のヨコ編地で構成され、各編地はコース方向が丈方向に配されている点にある。
ベース部が二層のヨコ編地で構成されることで、二層で構成されたカップ部との強度バランスが保たれるようになるとともに、各編地はコース方向が丈方向に配されているため、カップ部よりも身巾方向の伸長を抑制する方向に作用する。そのため、各サポート部によるサポート力が作用しないカップ部の下方であってもベース部によるサポート力で立位姿勢でのバスト隆起部の安定保持が可能になる。
同第七の特徴構成は、上述の第五または第六の特徴構成に加えて、前記バック部は、コース方向が身巾方向に沿う一層のヨコ編地で構成されている点にある。
胸部周りの締付感を緩くして就寝時の着用快適性を確保することができる。
以上説明した通り、本発明によれば、就寝時にバストを締め付けることなく、バストの隆起部の移動を抑制しながらも、着用感を損なうことなく快適な着け心地を実現できるカップ付衣類を提供することができるようになった。
(a)は本発明によるカップ付衣類の一例であるブラジャーの表面の正面図、(b)は同カップ付衣類の背面図 (a),(b)は、本発明によるカップ付衣類の一例であるブラジャーの裏(肌側)面の正面図 (a)はブラジャーのカップ部のパターン図、(b)はベース部のパターン図、(c)はバック部のパターン図、(d)は中央側サポート部のパターン図、(e)は脇側サポート部のパターン図 本発明によるカップ付衣類に備えた中央側サポート部及び脇側サポート部の機能説明図 (a)はブラジャーの着用状態の正面図、(b)は同側面図、(c)は斜め上方からの俯瞰図
以下、本発明によるカップ付衣類の一例であるブラジャーについて説明する。
図1(a)には正面視のブラジャーの表面、図1(b)には背面視のブラジャーの表面が示され、図2には正面視のブラジャーの裏(肌側)面が示されている。
以下の説明で使用する「縫製」或いは「縫着」との表現は、「接合」という用語の一態様として用いており、本発明で用いる「接合」との用語は、「縫製」に限らず、接着材を用いて生地同士を接着する概念をも含む意味で用いている。
図1(a),(b)に示すように、ブラジャー1は、ベース部4と、ベース部4に接合された左右一対のカップ部2,3と、ベース部4の左右脇部4a,4bに縫着されたバック部5と、ショルダーストラップ10,11とを備えている。ショルダーストラップ10,11は、一端側が各カップ部2,3の上縁に連なる前側ストラップ片の他端側と、他端側が各バック部5の上縁に連なる後ろ側ストラップ片の一端端が肩部で縫着されている。
図2(a)に示すように、カップ部2,3の肌側面には、脇側サポート部6,7及び中央側サポート部8,9が其々配されている。図2(a)には、説明の理解が容易なように、左側のカップ部2に配された脇側サポート部6、及び右側のカップ部3に配された中央側サポート部9がハッチング領域として表されている。
脇側サポート部6,7は、上縁部6a,7a、脇側縁部6b,7b及び下縁部6c,7cが各カップ部2,3の上縁部2a,3a、脇側縁部2b,3b及び下縁部2c,3cと其々接合され、中央側縁部6d,7d及び上斜縁部6e,7eが各カップ部2,3から遊離するように各カップ部2,3の肌側面に配置されている。
中央側サポート部8,9は、上縁部8a,9a及び下縁部8c,9cが各カップ部2,3の上縁部2a,3a及び下縁部2c,3cと其々縫着されるとともに、左右の中央側縁部8b,9bが互いにダーツ12を形成して縫着されている。
当該中央側縁部8b,9b、脇側縁部8d,9d及び上斜縁部8e,9eは各カップ部2,3から遊離するように各カップ部2,3の肌側面に配置されている。なお、脇側サポート部6,7の上斜縁部6e,7e及び中央側サポート部8,9の上斜縁部8e,9eは其々一体となるように縫製されている。
図2(b)に示すように、脇側サポート部6,7は、中央側サポート部8,9との重畳部で中央側サポート部8,9より肌側に配置されるとともに、中央側縁部6d,7dの下端がバストトップ点Tを通る垂線と各カップ部2,3の下縁との交点T1より脇側に位置し、中央側縁部6d,7dの上端がバストトップ点Tを通る垂線と各カップ部2,3の上縁との交点T2より中央側に位置し、中央側縁部6d,7dがバストトップ点Tを通る水平線上でバストトップ点Tより脇側に位置するように配置されている。従って、ヘム部とバストトップ点とが擦れるような不快感を生じることもない。
また、中央側サポート部8,9の脇側縁部8d,9d下端がバストトップ点Tを通る垂線と各カップ部2,3の下縁との交点T1より前中心側に位置し、脇側縁部8d,9dの上端がバストトップ点Tを通る垂線と各カップ部2,3の上縁との交点T2より脇側に位置し、脇側縁部8d,9dがバストトップ点Tを通る水平線上でバストトップ点Tより前中心側に位置するように配置されている。従って、同様にヘム部とバストトップ点とが擦れるような不快感を生じることもない。
ベース部4、カップ部2,3及びバック部5は、レーヨン糸95%、ポリウレタン糸5%からなるベア天竺のヨコ編地が採用され、脇側サポート部6,7及び中央側サポート部8,9は、各カップ部2,3に採用されたヨコ編地より伸縮力が強い素材、例えばポリウレタン糸にナイロン糸を巻き付けたSCYやDCYを用いて製編されたタテ編地であるパワーネットが採用されている。
そして、図2(a)には、脇側サポート部6,7及び中央側サポート部8,9を構成するパワーネットの編み立て方向が矢印で示され、当該矢印で示す編み立て方向に沿って細幅のパワーネットが裁断されて配置されている。
脇側サポート部6,7のヘム部となる中央側縁部6d,7d、及び中央側サポート部8,9のヘム部となる脇側縁部8d,9dには、所定幅(本実施形態では15mm)で捲縮加工糸が肌側面に表出するように編み込まれている。例えば捲縮加工糸としては、ウーリーナイロン糸のように嵩高い糸を採用することが好ましい。さらにはポリウレタン糸にウーリーナイロン糸を巻き付けたSCYやDCYを採用することもできる。
このような捲縮加工糸が地組織に編成されることにより、寝返りなどによりバスト隆起部が移動する際にバストの肌面と各サポート部のヘム部が擦れるような場合であっても、ヘム部の肌側面に捲縮加工糸が表出するので、肌触りが良く不快感を与えることが無い。
なお、パワーネットの製編時に、捲縮加工糸が編み込まれる一対の縁部が編み立て方向に沿って隣接するように抜き糸を介して製編すれば、製編後に抜き糸を除去することにより、解れが生じることが無い状態で、捲縮加工糸が編み込まれた一対のヘム部が形成される。
図3(a)にはカップ部2,3のパターン、図3(b)にはベース部4のパターン、図3(c)にはバック部5のパターン、図3(d)には中央側サポート部8,9のパターン、図3(e)には脇側サポート部6,7のパターンが示されている。なお、図3(a)には、図3(d),(e)の各サポート部9,6が重畳配置された状態が示されている。中央側サポート部及び脇側サポート部は左右対称形状となる。
図3(a)に示すパターンで裁断される左右のカップ部2,3は、其々一枚のヨコ編地で一体に形成され、表層及び裏層の二層で構成される。各編地はコース方向が互いに交差する方向に配され、表面の編地はコース方向が身巾方向に沿うように配され、裏面の編地はコース方向が丈方向に沿うように配されている。そして、それぞれの下縁にダーツ20,30(図1(a)参照。)を形成する左右の切欠きC1,C2が形成され、其々が縫製されることによりバストを覆う凹部が形成される。
図3(b)に示すパターンで裁断されるベース部4も、表層及び裏層の二層のヨコ編地で構成され、各編地はコース方向が丈方向に配される。また、図3(c)に示すパターンで裁断されるバック部5は、コース方向が身巾方向に沿う一層のヨコ編地で構成されている。
図3(d)に示すパターンで裁断される中央側サポート部8,9の中央側縁部8b,9bは、上下方向に沿う中央部が凹む凹曲線に裁断され、其々が縫製されることにより、バストの前中心側を受止める凹部が形成される。これにより例えば側臥姿勢で中央側(前中心側)に流れる左右何れかのバストが受け止められるようになる。
このようにして裁断された各部の生地片が縫製されて、図1,2に示すブラジャーとして完成する。即ち、重畳配置された表裏二枚の左右のカップ部2,3の内側に中央側サポート部8,9及び脇側サポート部6,7が配され、カップ部2,3の下縁と、同じく重畳配置された表裏二枚のベース部4の上縁が、肌側に配置される伸縮性の厚手のテープ部材14を添えて縫着される。
当該厚手のテープ部材14を介した縫着ラインが、立位姿勢と仰臥姿勢の間で変動するバージスラインに沿うように変形することで、バスト隆起部の下縁を姿勢の変化に対応してフレキシブルに支持できるようになる。
また、表裏二枚のベース部4の下縁も肌側に伸縮性のテープ部材15を添えて縫着され、これにより着用時に胴回りのフィット感が確保される。さらに、ベース部4の左右脇部4a,4bがバック部5の脇部5a,5bと縫着され、各カップ部2,3の上縁に連なる前側ストラップ片と、各バック部5の上縁に連なる後ろ側ストラップ片が肩部で縫着され、腕回り及び首回りの縁部がテープ16,11,18で被覆されて縫着される。
図4には、中央側サポート部8,9及び脇側サポート部6,7の機能が示されている。図4中、中央側サポート部9及び脇側サポート部6に付した矢印は、中央側サポート部9及び脇側サポート部6を構成するパワーネットによりバスト隆起部に対する
図4の左上に示すように、就寝時にカップ付衣類を着用せずに仰臥姿勢となる場合に、白抜きの矢印で示すように、バスト隆起部が頭部側及び左右の脇部側に流れて、全体として平坦になる傾向がある。
そのような場合でも、図4の右上に示すように、当該ブラジャー1を着用すると、脇側サポート部6,7によってバスト隆起部の脇側及び脇側上方への流れが適切に受け止められ、中央側サポート部8,9によってバスト隆起部の中央側(前中心側)への流れや頭部側への流れが適切に受け止められるようになる。
図4の左下に示すように、就寝時にカップ付衣類を着用せずに側臥姿勢となる場合に、白抜きの矢印で示すように、右側のバスト隆起部が前中心側に流れ、左側のバスト隆起部が脇部側に流れる。
そのような場合でも、図4の右下に示すように、当該ブラジャー1を着用すると、脇側サポート部6,7によってバスト隆起部の脇側及び脇側上方への流れが適切に受け止められ、中央側サポート部8,9によってバスト隆起部の中央側(前中心側)への流れや脇部への流れが適切に受け止められるようになる。
そして、脇側サポート部6,7及び中央側サポート部8,9は各カップ部2,3より伸縮力が強い素材で構成されるとともに、脇側サポート部6,7は中央側縁部6d,7dが各カップ部2,3から遊離するように配され、中央側サポート部8,9は互いにダーツ12を形成して接合された中央側縁部8b,9bと脇側縁部8d,9dが各カップ部2,3から遊離するように配されているため、バスト隆起部が各サポート部材6,7,8,9で受け止められた状態で、カップ部2,3を構成する身生地と各サポート部材6,7,8,9の相対的な動きが許容され、カップ部2,3の身生地と各サポート部材6,7,8,9の間に僅かな空間が形成されるようになる。そのため、カップ部を構成する身生地によりバストが束縛されたり圧迫されたりするようなことがなく、さらに適度な保温性、吸湿性が確保され、快適な着け心地を実現することができる。
殊に、各カップ部2,3に配された中央側サポート部8,9の中央側縁部8b,9bが互いにダーツ12を形成して接合されているため、中央側サポート部8,9の其々に左右のバスト隆起部の中央側(前中心側)を其々受止め可能な膨出部が形成され、側臥姿勢でも上方側のバスト隆起部が当該膨出部に受け止められ、その状態で中央側縁部9b,9bが各カップ部2,3から遊離するように配されているので、カップ部2,3と中央側サポート部8,9との間に僅かに形成される空間によって適度な通気性が確保され、快適な着け心地を実現することができるようになる。
図5(a)〜(c)には、本発明のブラジャー1を装着した状態が示されている。同図では、肌側に位置する中央側サポート部8,9及び脇側サポート部6,7が破線で示されるとともに一方がハッチングされ、バストに対する支持方向が矢示されている。
以上説明したように、2,3が表層及び裏層の二層で構成されているので、バストを確実に保護することができ、二層の編地の表層はコース方向が身巾方向に沿うように配されたヨコ編地で構成されているので、着用の際に身巾方向への十分な伸びが確保されて容易く着用できる。そして、裏層の編地はコース方向が一方の編地と交差する方向に配されているので、着用後は身巾方向への伸びを抑制するように作用し、バスト隆起部に対する良好なフィット感を実現することができる。
また、ベース部4が二層のヨコ編地で構成されることで、二層で構成されたカップ部2,3との強度バランスが保たれるようになるとともに、各編地はコース方向が丈方向に配されているため、カップ部2,3よりも身巾方向の伸長を抑制する方向に作用する。そのため、各サポート部6,7,8,9によるサポート力が作用しないカップ部2,3の下方であってもベース部4によるサポート力で立位姿勢でのバスト隆起部の安定保持が可能になる。
さらに、テープ部材14を介した縫着ラインが、立位姿勢と仰臥姿勢の間で変動するバージスラインに沿うように変形する際に、ベース部4も丈方向に容易に伸長するため、バスト隆起部の下縁を姿勢の変化に対応してより一層にフレキシブルに支持できるようになる。なお、バック部5は、コース方向が身巾方向に沿う一層のヨコ編地で構成されているため、胸部周りの締付感を緩くして就寝時の着用快適性を確保することができる。
上述した実施形態では、サポート部材6,7,8,9がパワーネットにより構成される例を説明したが、カップ部23より伸縮力が強い素材で構成されていれば、パワーネットに替えて他の編地を用いることも可能である。例えば、解れ止め加工を施した編地を用いることも可能である。
この様な編地として、熱変形性弾性糸とそれ以外の糸をプレーティング編みで編成し、ヒートセット加工で熱変形性弾性糸を熱変形させることにより解れ止め加工したヨコ編地を用いることができる。
それ以外の糸として、例えば綿糸とポリエステル糸の混紡糸などが選択でき、フライス編みまたはスムース編みで編成された編地を好適に用いることができる。この様な解れ止め加工したヨコ編地であれば、特段の解れ止め処理をしなくても裁断部をそのままヘム部として用いることができる。なお、この場合には、図2(a)に矢印で示される方向にコース方向が沿うように配されることが好ましい。
上述した例では、脇側サポート部6,7の中央側縁部6d,7dのヘム部及び中央側サポート部8,9の脇側縁部8d,9dのヘム部に15mm幅で捲縮加工糸が肌側面に表出するように編み込まれた態様を説明したが、幅は特にこの数値に限るものではなく、適宜設定すればよい。
また、このような態様に替えて、脇側サポート部6,7の中央側縁部6d,7dのヘム部及び中央側サポート部8,9の脇側縁部8d,9dのヘム部の肌側面が起毛処理されていてもよく、同様の効果が得られる。
なお、ショルダーストラップ10,11は、左右のカップ部2,3を肩から支持できる態様であればよく、上述したラウンドタイプのストラップ以外に、紐や布テープで構成された態様、2本のトラップが背部で一体になりバック部5に連なるように構成された態様、カップ部2,3にのみストラップが取り付けられたいわゆる「ホルターネック」タイプのストラップでもよい。
バック部5が左右別体で構成され、係脱可能な連結具で左右のバック部5が連結されるように構成してもよい。連結具として、ホック、グリッパー、ボタン、紐、面ファスナーなどを用いることができる。
本発明が適用されるカップ付衣類はブラジャーに限定されるものではなく、キャミソールやタンクトップなどカップ部を備えた衣類に広く適用することができる。
本発明によるカップ付衣類は、就寝時にバストを締め付けることなく、バストの隆起部の移動を抑制しながらも、着用感を損なうことなく快適な着け心地を実現できるカップ付衣類として女性に広く利用される。
1:カップ付衣類(ブラジャー)
2,3:カップ部
4:ベース部
5:バック部
6,7:脇側サポート部
8,9:中央側サポート部
10,11:ショルダーストラップ
12,20,30:ダーツ

Claims (7)

  1. ベース部と、前記ベース部に接合された左右一対のカップ部と、前記ベース部の左右脇部に接合されたバック部と、一端側が各カップ部の上縁に連なり他端側が各バック部の上縁に連なるショルダーストラップと、を備えているカップ付衣類であって、
    上縁部、脇側縁部及び下縁部が各カップ部の上縁部、脇側縁部及び下縁部と其々接合されるとともに、中央側縁部が各カップ部から遊離するように各カップ部の肌側面に配置され、各カップ部より伸縮力が強い素材で構成された左右一対の脇側サポート部と、
    上縁部及び下縁部が各カップ部の上縁部及び下縁部と其々接合されるとともに、中央側縁部同士が互いにダーツを形成して接合され、前記中央側縁部と脇側縁部が各カップ部から遊離するように各カップ部の肌側面に配置され、各カップ部より伸縮力が強い素材で構成された左右一対の中央側サポート部と、
    を備えているカップ付衣類。
  2. 前記脇側サポート部は、重畳部で前記中央側サポート部より肌側に配置されるとともに、中央側縁部の下端がバストトップ点を通る垂線と各カップ部の下縁との交点より脇側に位置し、中央側縁部の上端がバストトップ点を通る垂線と各カップ部の上縁との交点より中央側に位置し、中央側縁部がバストトップ点を通る水平線上でバストトップ点より脇側に位置するように配置されている請求項1記載のカップ付衣類。
  3. 前記脇側サポート部の中央側縁部のヘム部及び前記中央側サポート部の脇側縁部のヘム部に所定幅で捲縮加工糸が肌側面に表出するように編み込まれている請求項1または2記載のカップ付衣類。
  4. 前記脇側サポート部の中央側縁部のヘム部及び前記中央側サポート部の脇側縁部のヘム部の肌側面が所定幅にわたり起毛処理されている請求項1または2記載のカップ付衣類。
  5. 前記左右一対のカップ部と前記ベース部とがバージスラインに沿うように伸縮性のテープ部材を介して変形可能に接合され、
    前記左右一対のカップ部が其々一枚のヨコ編地で一体に形成された表層及び裏層の二層で構成され、各編地はコース方向が互いに交差する方向に配され、何れか一方の編地はコース方向が身巾方向に沿うように配されている請求項1から4の何れかに記載のカップ付衣類。
  6. 前記ベース部が表層及び裏層の二層のヨコ編地で構成され、各編地はコース方向が丈方向に配されている請求項5記載のカップ付衣類。
  7. 前記バック部は、コース方向が身巾方向に沿う一層のヨコ編地で構成されている請求項5または6記載のカップ付衣類。
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