JP2020124810A - 構造体の製造方法及び構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、このようにして形成されたFRP製の構造体は、硬化過程でひずみが生じやすく、精度良い平板形状を得られないという問題がある。
強化繊維と、未硬化の熱硬化性樹脂とを含むシート及び/又はテープを複数枚、マンドレルの周囲に巻き付けて筒状の積層体を形成する第1工程と、
前記積層体の全周を、テープまたはフィルムにより圧迫する第2工程と、
前記熱硬化性樹脂が完全硬化する前の状態まで、前記積層体を加熱する第3工程と、
前記積層体より前記マンドレルを抜き出す第4工程と、
前記テープまたはフィルムを巻き付けた前記積層体を、成形型内に配置して加圧し、前記熱硬化性樹脂が完全硬化するまで前記積層体を加熱する第5工程と、を有する。
前記構造体は筒状であって、他部品と連結するための取付部材と接合されており、前記取付部材に係合する凹状もしくは凸状の係合部を内部に有する。
強化繊維と、未硬化の熱硬化性樹脂とを含むシート及び/又はテープを複数枚、マンドレルの周囲に巻き付けて筒状の積層体を形成し、
前記積層体の全周を、テープまたはフィルムにより圧迫し、
前記熱硬化性樹脂が完全硬化する前の状態まで、前記積層体を加熱し、
前記積層体より前記マンドレルを抜き出し、
前記テープまたはフィルムを巻き付けた前記積層体を、成形型内に配置して加圧し、前記熱硬化性樹脂が完全硬化するまで前記積層体を加熱することにより形成される。
なお、本発明による構造体は、その構造又は特性により直接的に特定することが困難であるため、その構造体の製造方法によって、構造体自体を特定したものである。
なお、本明細書中、「強化繊維」は、炭素(カーボン)繊維、ガラス繊維、アラミド繊維に代表される有機繊維、シリコンカーバイド繊維、金属繊維などであると好ましい。さらに、「熱硬化性樹脂」は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などであると好ましい。
あるいは、ロービンク繊維に樹脂を含浸しながら巻き付けるフィラメントワインディング製法で巻くことによっても、筒状の積層体を形成できる。ただし、シートワインディング製法やテープワインディング製法であれば、樹脂と強化繊維の比率が管理され安定したプリプレグを用いることができるので、より好ましい。
プリプレグとしては、例えば東レ株式会社製のトレカ(登録商標)を好適に用いることができる。
第1の実施形態にかかる構造体の製造方法について説明する。図1は、第1工程を模式的に示す図である。図1に示すように、マンドレルMDおよび各種プリプレグシートPS1〜PS6を準備する。
本製造方法の第1工程について説明する。プリプレグシートPS1は、カーボン繊維の配向方向がマンドレルMDの軸線に対し+45度方向のシートと、−45度方向のシートを2層に重ねて張り合わせて1枚のプリプレグシートとしたものであり、構造体が受けるねじれ応力に抗する作用を持つ。このプリプレグシートPS1を、必要に応じて外周に剥離処理を施したマンドレルMDの外周に巻き付ける。
本製造方法の第2工程について説明する。図2は、第2工程を模式的に示す図である。図2において、積層体LMを巻き付けたマンドレルMDの一端を、モータ回転軸などの回転駆動体RDに連結し、薄いテープTP(ここでは透明とする)の一端を積層体LMの外周に張り付ける。
本製造方法の第3工程について説明する。図3は、第3工程を模式的に示す図である。テープTPを巻いた積層体LMを、マンドレルMDとともにオーブンOV内に配置する。オーブンOV中で加熱して、積層体LMのプリプレグシートの樹脂を完全硬化前の状態まで加熱する。より具体的には、積層体LMの熱硬化性樹脂の硬化度を、30〜90%になるように加熱する。
具体的には、図4に示すDSC曲線のように、約103℃付近から急激な発熱が生じ、110.7℃で発熱ピークが生じ、以降、急激に発熱が減少する。この発熱は、エポキシ樹脂の昇温加熱により重合(硬化)が生じたことを表す。ここで、110.7℃を、このエポキシ樹脂の最大発熱温度という。
換言すれば、熱硬化性樹脂を加熱していった時の発熱ピークを随時測定し、最大発熱温度未満のX℃となったときに加熱を中断することで、熱硬化性樹脂を完全に硬化する前の状態にとどめることができる。
本製造方法の第4工程について説明する。図6は、第4工程を模式的に示す図である。テープTPを巻いた積層体LMをオーブンOVから取り出して、図6に示すようにマンドレルMDを引き抜く。積層体LMの外周にテープTPが所定の張力で巻かれており、また第3工程にて積層体LMの熱硬化性樹脂が30%以上の硬化度で加熱されているので、積層体LMは、マンドレルMDを引き抜いても筒形状を維持できる剛性を持つ。この筒形状をプリフォーム体という。
本製造方法の第5工程について説明する。図7〜9は、第5工程を模式的に示す図である。まず、図7に示すように、マンドレルMDを引き抜いた積層体LM内に、円筒状のゴム体GMを挿入する。マンドレルMDとほぼ同径の円筒状であるゴム体GMは、加熱すると膨張する特性を有する。
ここで、下型LDにおける樋底面の幅をWとし、樋内壁の高さをHとし、テープTPを巻いた積層体LMの外径をDとしたときに、πD≒2(W+H)であると、型の内周長と、最終の構造体の外周長とを略一致させることができ、それにより安定した形状を持つ構造体を得られる。
その後、加熱を中止し上型UDと下型LDとを離間させて、各筒状に変形した積層体LMを取り出す。ゴム体GMは、冷えると収縮するので、硬化した積層体LMから容易に抜き出すことができる。さらに積層体LMからテープTPを剥がすことで、図10に一部を示すごとき構造体ST1が完成する。
なお、ゴム体GMの代わりに、空気などを注入することで膨らむエアバッグなどを用いてもよい。
以上のようにして形成した構造体ST1に、取付部材を取り付けることで、他部品との連結が可能になる。図11は、変形例にかかる第5工程を模式的に示す図である。ここでは、予め金属製などの取付部材ATを準備する。
第2の実施形態にかかる構造体の製造方法について説明する。図13、14は、第2実施形態にかかる第5工程を模式的に示す図である。第2の実施形態においては、第1工程〜第4工程までは、第1の実施形態と同様である。つまり、第1工程〜第4工程で形成したプリフォーム体を共通に用いることができる。
第4工程で形成され、マンドレルMDを引き抜いたプリフォーム体である積層体LMを、ゴム体など挿入することなく、図13に示すように、板状の上型UDと板状の下型LDとの間に配置する。
その後、上型UDと下型LDとを離間させて、板状に変形した積層体LMを取り出し、さらに積層体LMからテープTPを剥がすことで、図15に一部を示すごとき構造体ST2が完成する。構造体ST2は、その両端近傍に穴をあけて、他部品にボルト締結することができる。
図17、18は、第2の実施形態の変形例を示す断面図である。筒状の積層体LMを押しつぶす成形型の形状を変えることで、図17に示すように、断面がL字状の構造体ST2を形成したり、図18に示すように、断面がC字形状の構造体ST2を形成できる。
MD マンドレル
TP テープ
OV オーブン
RD 回転駆動体
GM ゴム体
UD 上型
LD 下型
AT 取付部材
ST1,ST2 構造体
Claims (12)
- 強化繊維と、未硬化の熱硬化性樹脂とを含むシート及び/又はテープを複数枚、マンドレルの周囲に巻き付けて筒状の積層体を形成する第1工程と、
前記積層体の全周を、テープまたはフィルムにより圧迫する第2工程と、
前記熱硬化性樹脂が完全硬化する前の状態まで、前記積層体を加熱する第3工程と、
前記積層体より前記マンドレルを抜き出す第4工程と、
前記テープまたはフィルムを巻き付けた前記積層体を、成形型内に配置して加圧し、前記熱硬化性樹脂が完全硬化するまで前記積層体を加熱する第5工程と、を有する、
構造体の製造方法。 - 前記成形型から前記積層体を取り出して、前記テープまたはフィルムを剥がす第6工程を更に有する、
請求項1に記載の構造体の製造方法。 - 前記シートは、前記強化繊維に前記熱硬化性樹脂を含浸させてなるプリプレグである、
請求項1又は2に記載の構造体の製造方法。 - 前記第2工程において、前記マンドレルを回転させながら、所定の張力を付与しつつ前記積層体の周囲にテープを巻き付ける、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。 - 前記第2工程において、前記積層体の周囲に熱収縮フィルムからなるチューブを配置して、前記熱収縮フィルムを加熱する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。 - 前記第3工程において、前記熱硬化性樹脂の硬化度が30%〜90%の範囲になるよう、前記積層体を加熱する、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。 - 前記第5工程で、前記積層体の内部に空間を設けるように前記成形型内で加圧する、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。 - 前記第5工程で、前記積層体の内部に空間を設けないように前記成形型内で加圧する、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。 - 強化繊維に含浸させた熱硬化性樹脂から形成され、法線方向が互いに異なる第1の面と第2の面とを持つ構造体であって、
前記第1の面と前記第2の面との交差部は、曲率が一定もしくは徐々に変化する曲面を持ち、前記交差部を通過する前記強化繊維が折れることなく連続している、
構造体。 - 前記構造体は板状であって、内部に空間を有しない、
請求項9に記載の構造体。 - 前記構造体は筒状であって、他部品と連結するための取付部材と接合されており、前記取付部材に係合する凹状もしくは凸状の係合部を内部に有する、
請求項9に記載の構造体。 - 強化繊維と、未硬化の熱硬化性樹脂とを含むシート及び/又はテープを複数枚、マンドレルの周囲に巻き付けて筒状の積層体を形成し、
前記積層体の全周を、テープまたはフィルムにより圧迫し、
前記熱硬化性樹脂が完全硬化する前の状態まで、前記積層体を加熱し、
前記積層体より前記マンドレルを抜き出し、
前記テープまたはフィルムを巻き付けた前記積層体を、成形型内に配置して加圧し、前記熱硬化性樹脂が完全硬化するまで前記積層体を加熱することにより形成される、
構造体。
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