JP2020122052A - アルカリ可溶性樹脂、硬化性樹脂組成物、及びその用途 - Google Patents
アルカリ可溶性樹脂、硬化性樹脂組成物、及びその用途 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020122052A JP2020122052A JP2019013450A JP2019013450A JP2020122052A JP 2020122052 A JP2020122052 A JP 2020122052A JP 2019013450 A JP2019013450 A JP 2019013450A JP 2019013450 A JP2019013450 A JP 2019013450A JP 2020122052 A JP2020122052 A JP 2020122052A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- acrylate
- acid
- meth
- alkali
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Optical Filters (AREA)
Abstract
Description
例えば、特許文献1には、特定のモノマーを含むバインダー樹脂と、分散剤と、顔料とを含むブラックマトリックス用のフォトレジスト組成物が記載されている。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明は、酸基含有重合体であるアルカリ可溶性樹脂であって、上記酸基含有重合体は、側鎖部分に酸基を有し、上記酸基が主鎖から2原子以上離れた位置にあるビニル系単量体由来の構成単位(A)と、下記一般式(1):
すなわち、主鎖から近い位置に水酸基を有する構成単位(B)を有することにより、アルカリ可溶性樹脂中の酸基と、主鎖同士の距離が近い架橋構造を形成することができる。また、構成単位(B)を導入し得る単量体(例えば、2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸アルキルエステル)は、(メタ)アクリル酸と重合した場合、水酸基とカルボキシル基が反応して環化し、重合体の水酸基量及び酸基量は減少するが、主鎖から遠い位置に酸基を有する構成単位(A)を導入し得る単量体と重合した場合は環化しないので、重合体において架橋点となる水酸基と酸基の量を高く維持することができる。このように、構成単位(A)と構成単位(B)を有することにより、架橋点となる水酸基を主鎖から近い位置でかつ適量に有する重合体となり得るため、架橋密度が高く、強固な膜(硬化物)が形成でき、耐溶剤性や耐熱着色性を向上させることができると推測される。また、水酸基が多く存在することで、反応系にあるラジカルを捕捉してラジカルの影響を軽減することにより、耐熱着色性を向上させることができると推測される。
上記酸基含有重合体は、側鎖部分に酸基を有し、上記酸基が主鎖から2原子以上離れた位置にあるビニル系単量体由来の構成単位(A)を有する。
重合体が酸基を有することにより、アルカリ可溶性となり得る。
R6は、置換基を有してもよい炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。
上記2価の炭化水素基としては、2価の直鎖状、分岐状若しくは環状の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基が挙げられ、例えば、アルキレン基、アリーレン基、脂環構造を有する2価の炭化水素基等が挙げられ、なかでも、アルキレン基が好ましい。上記脂環構造としては、シクロヘキサン骨格、アダマンタン骨格、ノルボルネン骨格が挙げられる。また、これらは、置換基を有していてもよい。
上記置換基としては、例えば、ヒドロキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;アルキル基;アルコキシ基;等が挙げられる。
mは、上記一般式(2)で表される単量体単位の平均繰り返し単位数を表し、1以上の数である。
nは、0又は1であり、好ましくは1である。
上記酸無水物と、水酸基及び重合性二重結合を有する化合物の反応由来の構造とは、上記酸無水物の酸基と、上記化合物の水酸基とがエステル結合した構造が挙げられる。上記重合性二重結合とは、炭素−炭素二重結合である。
本発明のアルカリ可溶性樹脂を加熱処理すると、構成単位(A)の一部が脱離して酸が発生することが好ましく、その場合に発生する酸が、酸無水物であることが好ましい。また、上記脱離した構成単位(A)の側鎖の末端には、水酸基が存在することが好ましい。
発生した酸無水物は、構成単位(B)の水酸基と架橋反応して、硬化物の架橋密度を高めることができる。
上記構成単位(A)の含有量は、上記酸基含有重合体の全構成単位100質量%に対して、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
上記酸基含有重合体は、更に、下記一般式(1):
上記有機基としては、置換又は無置換の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜15の置換又は無置換の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1〜10の置換又は無置換の炭化水素基であることがより好ましい。上記炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。
置換基のアルキル基としては、炭素数1〜15のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基等が挙げられ、更に好ましくは、メチル基、エチル基が挙げられる。
置換基のアルコキシ基としては、酸素原子に炭素数1〜15のアルキル基が結合した置換基が好ましく、より好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、更に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基が挙げられる。
R2は、水素原子であることが好ましい。
R3は、水素原子であることが好ましい。
R4は、直鎖アルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
上記酸基含有重合体は、更に、−COO*R8(R8は、一価の有機基を表し、O*に結合する炭素原子は、第3級炭素原子である。)基を含有するビニル系単量体由来の構成単位(C)を有することが好ましい。上記構成単位(C)を有することにより、耐溶剤性及び耐熱着色性がより一層優れた硬化物を与えることができる。また、アルカリ可溶性樹脂を色材とともに用いた場合、色材濃度が高い硬化物を与えることができる。
上記構成単位(C)を含むアルカリ可溶性樹脂を加熱処理すると、上記構成単位(C)において−COO*R8の末端(R8)が脱離し、末端にカルボキシル基が形成され、当該カルボキシル基と上述した構成単位(B)の水酸基とが架橋することができる。また、上記構成単位(B)の水酸基と架橋すると、主鎖同士の距離が近い架橋構造が形成され、これにより、架橋密度がより高く、より強固な膜(硬化物)を形成することができ、耐溶剤性及び耐熱着色性をより一層向上させることができる。
上記一価の有機基としては、好ましくは炭素数1〜91の一価の直鎖状、分岐状若しくは環状の飽和又は不飽和炭化水素基が挙げられる。上記有機基は、置換基を有していてもよい。
R8の炭素数は、より好ましくは炭素数1〜50であり、更に好ましくは炭素数1〜35であり、特に好ましくは炭素数1〜20である。
R8は、後述する式(a)中のAと同様の一価の有機基であることが好ましい。
CH2=C(R9)−C(=O)−O*−A (3)
(式中、R9は、水素原子又はメチル基を表す。Aは、酸素原子側に第3級炭素原子を有する構造を含む、一価の有機基を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
上記酸基含有重合体は、上記構成単位(C)を1種のみ有していてもよいし、2種以上有していてもよい。
上記他の構成単位としては、主鎖に環構造を有する構成単位、構成単位(A)を導入し得るビニル系単量体以外の酸基含有単量体由来の構成単位、芳香族ビニル単量体由来の構成単位、水酸基含有単量体由来の構成単位、エポキシ基含有単量体由来の構成単位、又は(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の構成単位等が挙げられる。
上記酸基含有重合体は、これらの構成単位の1種のみを有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
上記酸基含有重合体は、更に、主鎖に環構造を有する構成単位(D)を有していてもよい。上記環構造としては、イミド環、テトラヒドロピラン環、テトラヒドロフラン環、ラクトン環等が挙げられる。
上記α−(アリルオキシメチル)アクリレート系単量体の具体例としては、例えば、α−アリルオキシメチルアクリル酸;α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸i−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘプチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸カプリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸デシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ウンデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ラウリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ミリスチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ペンタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヘプタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ステアリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノナデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エイコシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メリシル等のアルキル−(α−アリルオキシメチル)アクリレート系単量体;α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエトキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸3−メトキシブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エトキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フェノキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フェノキシエトキシエチル等のアルコキシアルキル−(α−アリルオキシメチル)アクリレート系単量体;α−アリルオキシメチルアクリル酸ヒドロキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヒドロキシプロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヒドロキシブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フルオロエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジフルオロエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸クロロエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジクロロエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ブロモエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジブロモエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ビニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸アリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メタリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸クロチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸プロパギル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロペンチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸4−メチルシクロヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリシクロデカニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸イソボルニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸アダマンチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジシクロペンタジエニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジメチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリメチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸4−t−ブチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ベンジル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジフェニルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジフェニルエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリフェニルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シンナミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ナフチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸アントラニル;等が挙げられる。なかでも、アルキル−(α−アリルオキシメチル)アクリレート系単量体が好適である。上記アルキル−(α−アリルオキシメチル)アクリレート系単量体としては、透明性や分散性、工業的入手の容易さ等の観点から、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル(メチル−(α−アリルオキシメチル)アクリレートとも称する)が特に好適である。
上記構成単位(A)を導入し得るビニル系単量体以外の酸基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和多価カルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物類;ライトエステルP−1M(共栄社化学製)等のリン酸基含有不飽和化合物;等が挙げられる。これらの中でも、汎用性、入手性等の観点から、カルボン酸系単量体(不飽和モノカルボン酸類、不飽和多価カルボン酸類、不飽和酸無水物類)を用いることが好適である。反応性、水ムラの抑制、耐熱着色性等の点で、より好ましくは不飽和モノカルボン酸類であり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸(すなわち、アクリル酸及び/又はメタクリル酸)である。
上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、キシレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン等が挙げられ、なかでも、耐熱分解性が向上するという点で、好ましくはスチレン、ビニルトルエンが挙げられ、更に有機溶媒やアルカリに対する溶解速度が高いという点で、より好ましくはビニルトルエンが挙げられる。
上記水酸基含有単量体としては、分子中に水酸基と重合性二重結合を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく挙げられ、より好ましくは(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
但し、グリシジル化合物等のエポキシ基含有単量体の付加反応によって二重結合を導入する場合、疎水性維持の観点から、上記酸基含有重合体は上記構成単位(G)を含まないことが好ましい。
上記エポキシ基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、上述した構成単位(C)を導入し得るビニル系単量体以外であって、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカ−2−イルメタアクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
上記他の重合性単量体としては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム等の重合体分子鎖の片末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物類;(メタ)アクリル酸イソシアナトエチル、アリルイソシアネート等の不飽和イソシアネート類;等が挙げられる。
これらの構成単位の含有量は、目的、用途に応じて適宜設定することができる。
上記酸価は、KOH溶液を用いた中和滴定法により測定して得られる値であり、具体的には、実施例に記載の方法で測定して求めることができる。
上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC)により測定して求められる値であり、具体的には、実施例に記載の方法で測定して求めることができる。
上記アルカリ可溶性樹脂の二重結合当量としては、350〜4500g/当量が好ましい。上記二重結合当量が上述の範囲であると、耐溶剤性がより一層優れる。また、現像性、光に対する感度等にも優れる。上記二重結合当量は、光架橋性を高める点で、400〜4000g/当量であることがより好ましく、450〜3500g/当量であることが更に好ましい。
二重結合当量は、原料の仕込み量から計算することができ、重合体固形分の質量(g)を、重合体の二重結合量(mol)で除することにより求めることができる。また、滴定及び元素分析、NMR、IR等の各種分析や示差走査熱量計法を用いて測定することもできる。
上記構成単位(B)を導入し得る単量体は、(メタ)アクリル酸と重合すると、環化するが、上記構成単位(A)を導入し得る単量体とは環化しない。そのため、単量体成分を重合してアルカリ可溶性樹脂を得た際に、水酸基量は減少せず、アルカリ可溶性樹脂を熱処理した際の架橋点となり、架橋密度の高い硬化物を与えることができる。
上記環化率とは上記アルカリ可溶性樹脂が有する環構造の形成に使用される単量体単位のうち、実際に環構造を形成しているものの割合である。具体的には、上記構成単位(B)を導入し得る単量体が、2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸アルキルエステルである場合、下記式で求めることができる。
環化率(モル%)=[(理論酸価と実測酸価の差分に相当する酸単位のモル数)/(2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルのモル数)]×100
なお、理論酸価は、[酸単位のモル数]/[全単量体成分の総質量]×56.11の計算式で求めることができる。また、実測酸価は、上述したKOH溶液を用いた中和滴定法により求めることができる。
本発明のアルカリ可溶性樹脂を製造する方法としては、少なくとも上述した構成単位(A)及び(B)を有する酸基含有重合体を得ることができる方法であれば、特に限定されず上述した構成単位(A)及び(B)を導入し得る単量体、ならびに他の任意の構成単位を導入し得る単量体を含む単量体成分を、公知の方法で重合する方法が挙げられる。単量体の量は、重合体における各構成単位の含有量が所望の範囲となるよう適宜調整することができる。
また上記単量体成分を重合して得られる重合体の分子量は、重合開始剤の量や種類、重合温度、連鎖移動剤の種類や量の調整等により制御することができる。
上述したアルカリ可溶性樹脂と重合性化合物を含むことにより、硬化性樹脂組成物とすることができる。上記硬化性樹脂組成物は、上述のアルカリ可溶性樹脂を含むので、耐溶剤性と耐熱着色性に優れた硬化物を与えることができる。また、重合性化合物を更に含むことにより、樹脂組成物の硬化性や、基材への密着性、機械的強度、耐熱性等の各種物性がより優れた硬化物を与えることができる。このような、上記アルカリ可溶性樹脂、及び、重合性化合物を含む硬化性樹脂組成物もまた、本発明の一つである。
なお、「固形分総量」とは、硬化物を形成する成分(硬化物の形成時に揮発する溶媒等を除く)の総量を意味する。
上記重合性化合物は、フリーラジカル、電磁波(例えば赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー線の照射等により重合し得る、重合性不飽和結合(重合性不飽和基とも称す)を有する低分子化合物である。例えば、重合性不飽和基を分子中に1つ有する単官能の化合物と、2個以上有する多官能の化合物が挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物;
また上記重合性化合物の分子量としては特に限定されないが、取り扱いの観点から、例えば、2000以下が好ましい。
上記硬化性樹脂組成物は、更に、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤を含むことにより、硬化性樹脂組成物の硬化性を向上させ、得られる硬化物の性能を向上させることができる。
上記光重合開始剤としては、好ましくはラジカル重合性の光重合開始剤が挙げられる。ラジカル重合性の光重合開始剤とは、電磁波や電子線等の活性エネルギー線の照射により重合開始ラジカルを発生させるものである。
これらの光重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述したアルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、光重合開始剤の他に必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、溶剤;色材(着色剤とも称す);分散剤;耐熱向上剤;レベリング剤;現像助剤;シリカ微粒子等の無機微粒子;シラン系、アルミニウム系、チタン系等のカップリング剤;フィラー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール等の熱硬化性樹脂;多官能チオール化合物等の硬化助剤;可塑剤;重合禁止剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;艶消し剤;消泡剤;帯電防止剤;スリップ剤;表面改質剤;揺変化剤;揺変助剤;キノンジアジド化合物;多価フェノール化合物;カチオン重合性化合物;酸発生剤;等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの他の成分は、公知のものを適宜選択して使用するとよく、その使用量も適宜設計することができる。
上記溶剤としては、重合体を均一に溶解し、かつ反応しない溶媒であれば、特に制限されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶剤の含有量は、硬化性樹脂組成物を使用する際の最適粘度等に応じて適宜設定すればよい。
上記色材としては、例えば、顔料又は染料等が挙げられる。上記色材として、顔料又は染料の一方を使用してもよいし、顔料と染料を組み合わせて使用してもよい。例えば、カラーフィルターの赤色、青色、緑色画素を形成する場合、青と紫、緑と黄等、色材を適宜組み合わせて求める色特性が発揮されるような公知の手法を用いるとよい。また、ブラックマトリックスを形成する場合、黒の色材を用いるとよい。
これらの色材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物が上記色材を含む場合、更に分散剤を含むことが好ましい。分散剤を含むことにより、色材の分散媒への分散を安定化することができる。上記分散剤としては、特に制限されず、公知のものが挙げられ、例えば樹脂型分散剤、界面活性剤、色素誘導体等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記硬化性樹脂組成物を調製する方法としては、特に制限されず公知の方法を用いればよく、例えば、上述した各含有成分を、各種の混合機や分散機を用いて混合分散する方法が挙げられる。混合・分散工程は特に制限されず、公知の方法により行えばよい。また、通常行われる他の工程を更に含んでいてもよい。なお、上記硬化性樹脂組成物が色材を含む場合は、色材の分散処理工程を経て調製することが好ましい。
なお、得られた硬化性樹脂組成物は、フィルター等によって、濾過処理をして微細なゴミを除去するのが好ましい。
本発明のアルカリ可溶性樹脂及び硬化性樹脂組成物は、上述したように、耐溶剤性と耐熱着色性に優れた硬化物を与えることができる。また、上記硬化物は、硬化性、基材との密着性、耐熱性及び透明性等の基本性能にも優れる。このような上記アルカリ可溶性樹脂の硬化物、及び、上記硬化性樹脂組成物の硬化物もまた、本発明の一つである。
上記基材としては、特に制限されず、目的や用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、ガラス板、プラスチック板等、種々の材料からなる基材が挙げられる。
また、上記硬化性樹脂組成物の硬化物を有するカラーフィルターも、本発明の一つである。以下、カラーフィルターについて、説明する。
本発明のカラーフィルターは、基板上に、上記硬化物を有する形態からなる。
上記カラーフィルターにおいて、上述の硬化性樹脂組成物により形成される硬化物は、例えば、ブラックマトリクスや、赤色、緑色、青色、黄色等の各画素のような着色が必要なセグメントとして特に好適であるが、フォトスペーサー、保護層、配向制御用リブ等の着色が必ずしも必要としないセグメントとしても好適である。
また上記基材には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤等による薬品処理等を行ってもよい。
上記カラーフィルターを得るには、例えば、画素一色につき(すなわち、一色の画素ごとに)、基板上に、上記硬化性樹脂組成物を配置する工程(配置工程とも称す)と、当該基板上に配置された硬化性樹脂組成物に光を照射する工程(光照射工程とも称す)と、現像液により現像処理する工程(現像工程とも称す)と、加熱処理する工程(加熱工程とも称す)とを含む手法を採用し、これと同じ手法を各色で繰り返す製造方法を採用することが好適である。なお、各色の画素の形成順序は、特に限定されるものではない。
上記配置工程は、塗布により行うことが好適である。基板上に上記硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、スピン塗布、スリット塗布、ロール塗布、流延塗布等が挙げられ、いずれの方法も好ましく用いることができる。
上記配置工程ではまた、上記硬化性樹脂組成物を基板上に塗布した後、塗膜を乾燥することが好適である。塗膜の乾燥は、例えば、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いて行うことができる。乾燥条件は、含まれる溶媒成分の沸点、硬化成分の種類、膜厚、乾燥機の性能等に応じて適宜選択されるが、通常、50〜160℃の温度で10秒〜300秒間行うことが好適である。
上記光照射工程において、使用される活性光線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が使用される。また、露光機の方式としては、プロキシミティー方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式が挙げられるが、プロキシミティー方式が好ましく用いられる。
なお、活性エネルギー光線の照射工程では、用途によっては、所定のマスクパターンを介して活性エネルギー光線を照射することとしてもよい。この場合、露光部が硬化し、硬化部が現像液に対して不溶化又は難溶化されることになる。
上記現像工程は、上述した光照射工程の後、現像液によって現像処理し、未露光部を除去しパターンを形成する工程である。これにより、パターン化された硬化膜を得ることができる。現像処理は、通常、10〜50℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法で行うことができる。
有機溶媒やアルカリ性水溶液としては、特開2015−157909号公報に記載のものと同様のものが挙げられる。
上記加熱工程は、上述した現像工程の後、焼成によって露光部(硬化部)を更に硬化させる工程(後硬化工程とも称す)である。例えば、高圧水銀灯等の光源を使用して、例えば0.5〜5J/cm2の光量で後露光する工程や、例えば60〜260℃の温度で10秒〜120分間にわたって後加熱する工程等が挙げられる。このような後硬化工程を行うことにより、パターン化された硬化膜の硬度及び密着性を更に強固なものとすることが可能になる。また、この加熱工程により、上述したように、上記硬化性樹脂組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂の構成単位の3級炭素含有部位が脱離して生成したカルボキシル基が、上述した重合体が有する水酸基含有単量体の水酸基と反応して架橋構造を形成し、得られる本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物が耐溶剤性や硬化性に更に優れたものとなる。
なお、上記加熱工程により得られる硬化膜の膜厚は、加熱前の塗膜の膜厚を100%とすると、90%以下であることが好適である。より好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下である。
本発明はまた、上述したカラーフィルターを備えることを特徴とする表示装置でもある。
なお、上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化物を有する表示装置用部材及び表示装置もまた、本発明の好適な実施形態に含まれる。上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化物(硬化膜)は、安定して、基材等に対する密着性に優れ、かつ高硬度であるうえ、高平滑性を示し、高い透過率を有するものであるから、透明部材として特に好適であり、また、各種表示装置における保護膜や絶縁膜としても有用である。
なお、上記硬化物(硬化膜)を表示装置用部材として用いる場合、当該部材は、上記硬化膜から構成されるフィルム状の単層又は多層の部材であってもよいし、上記単層又は多層の部材に更に他の層が組み合わされた部材であってもよいし、また、上記硬化膜を構成中に含む部材であってもよい。
(1)重量平均分子量(Mw)
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてHLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム:TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
共重合体溶液をアルミカップに約1gはかり取り、アセトン約3gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。そして、熱風乾燥機(商品名:PHH−101、エスペック社製)を用い、真空下140℃で1.5時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、質量を測定した。その質量減少量から、共重合体溶液の固形分(質量%)を計算した。
共重合体溶液を3g精秤し、アセトン90gと水10gの混合溶媒に溶解させ、0.1NのKOH水溶液を滴定液として用いて滴定した。滴定は、自動滴定装置(商品名:COM−555、平沼産業社製)を用いて行い、溶液の酸価と溶液の固形分から固形分1g当たりの酸価(mgKOH/g)を求めた。
共重合体溶液1.5gを精秤して5cm角のガラス基板上にスピンコートし、100℃で1時間、180℃で1時間、250℃で2時間と熱処理を順に行い、膜厚40μmの薄膜を得た。得られた薄膜を、色差計ZE6000(日本電色工業株式会社製、反射モードで測定条件)で測定して、100℃で1時間熱処理した後と、250℃で2時間熱処理した後の薄膜の色の変化をそれぞれのb*値の差(Δb*)により評価した。なおb*は、CIEで規格化され日本ではJIS(JIS Z 8729)で採用されているL*、a*、b*表色系に基づく彩度を表す色度である。b*の値の差(Δb*)が小さい程、熱処理前後の薄膜の変色が小さく、耐熱着色性が高いと評価した。
硬化性樹脂組成物を5cm角のガラス基板上にスピンコートし、100℃で3分間乾燥後、高圧水銀灯にて100mJで露光を行い、230℃で30分時間熱処理を行い、膜厚5μmの硬化膜を得た。そして、その硬化膜を1−メチル−2−ピロリドン(NMP)20gに85℃で10分間浸漬した後取り出し、硬化膜を取り出した後の浸漬液(NMP)について、分光光度計UV3100(島津製作所社製)で吸光度を測定した。吸光度の値が大きい程、浸漬液中に色材が多く溶出したことを示し、硬化性樹脂組成物の耐溶剤性が低いと評価した。
共重合体溶液1(RHMA−t−BMA−MMA−AEHS共重合体溶液)の調製
温度計、攪拌機、ガス導入管、冷却管及び滴下槽導入口を備えた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート110部を仕込み、窒素置換した後、加熱して90℃まで昇温した。他方、滴下槽(A)として、ビーカーに2−(1−ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル10.0部、メタクリル酸t−ブチル35.0部、メタクリル酸メチル18.0部、コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)37.0部及びt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名「ルペロックス(登録商標)575」、アルケマ吉富社製)2.2部を攪拌混合したものを準備し、滴下槽(B)に、n−ドデシルメルカプタン3.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80部を攪拌混合したものを準備した。反応槽の温度が90℃になった後、同温度を保持しながら、滴下槽から3時間かけて滴下を開始し、重合を行った。滴下終了後30分間90℃を保った後、115℃まで昇温し、90分間熟成を行った。その後、室温まで冷却し、共重合体溶液1を得た。各種物性を表1に示す。
共重合体溶液2(RHMA−t−BMA−MMA−HOMS共重合体溶液)の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量を、2−(1−ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル10.0部、メタクリル酸t−ブチル35.0部、メタクリル酸メチル15.5部、及びコハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)39.5部とした以外は合成例1と同様の方法で、共重合体溶液2を得た。各種物性を表1に示す。
共重合体溶液3(RHMA−VT−t−BMA−HOMS共重合体溶液)の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量を、2−(1−ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル10.0部、ビニルトルエン15.0部、メタクリル酸t−ブチル35.0部、及びコハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)40.0部とした以外は合成例1と同様の方法で、共重合体溶液3を得た。各種物性を表1に示す。
共重合体溶液4(RHMA−VT−t−BMA−HOMS共重合体溶液)の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量を、2−(1−ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル20.0部、ビニルトルエン5.0部、メタクリル酸t−ブチル35.0部、及びコハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)40.0部とした以外は合成例1と同様の方法で、共重合体溶液4を得た。各種物性を表1に示す。
共重合体溶液5(RHMA−t−BMA−HOMS共重合体溶液)の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量を、2−(1−ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル30.0部、メタクリル酸t−ブチル30.0部、及びコハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)40.0部とした以外は合成例1と同様の方法で、共重合体溶液5を得た。各種物性を表1に示す。
共重合体溶液6(RHMA−t−BMA−MMA−HEMA−AEHS共重合体溶液)の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量を、2−(1−ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル10.0部、メタクリル酸t−ブチル30.0部、メタクリル酸メチル3.0部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20.0部、及びコハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)37.0部とした以外は合成例1と同様の方法で、共重合体溶液6を得た。各種物性を表1に示す。
共重合体溶液7(RHMA−t−BMA−MMA−HOMS共重合体溶液)の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量を、2−(1−ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル10.0部、メタクリル酸t−ブチル55.0部、メタクリル酸メチル15.0部、及びコハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)20.0部とした以外は合成例1と同様の方法で、共重合体溶液7を得た。各種物性を表1に示す。
共重合体溶液8(RHMA−t−BMA−MMA−HOMS共重合体溶液)の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量を、2−(1−ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル10.0部、メタクリル酸t−ブチル20.0部、メタクリル酸メチル15.0部、及びコハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)55.0部とした以外は合成例1と同様の方法で、共重合体溶液8を得た。各種物性を表1に示す。
共重合体溶液9(BzMI−RHMA−t−BA−AEHS共重合体へのGMA付加溶液)の調製
温度計、攪拌機、ガス導入管、冷却管及び滴下槽導入口を備えた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート85.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテル48.9部を仕込み、窒素置換した後、加熱して90℃まで昇温した。他方、滴下槽(A)として、ビーカーに2−(1−ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル10.0部、N−ベンジルマレイミド5.0部、アクリル酸t−ブチル47.0部、コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)38.0部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名「パーブチル(登録商標)O」、日油社製)2.0部を攪拌混合したものを準備し、滴下槽(B)に、n−ドデシルメルカプタン0.8部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20.0部を攪拌混合したものを準備した。反応槽の温度が90℃になった後、同温度を保持しながら、滴下槽から3時間かけて滴下を開始し、重合を行った。滴下終了後30分間90℃を保った後、115℃まで昇温し、90分間熟成を行った。セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル(GMA)13.2部、重合禁止剤として2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(商品名「アンテージW400」、川口化学工業社製)0.2部、触媒としてトリエチルアミン0.3部を仕込み、110℃で1時間、115℃で10時間反応させた。その後、室温まで冷却し、共重合体溶液9を得た。各種物性を表1に示す。
共重合体溶液10(BzMI−t−BMA−MMA−HEMA−AA共重合体溶液)の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量を、N−ベンジルマレイミド10.0部、メタクリル酸t−ブチル35.0部、メタクリル酸メチル21.0部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20.0部、及びメタクリル酸14.0部とした以外は合成例1と同様の方法で、共重合体溶液10を得た。各種物性を表1に示す。
共重合体溶液11(BzMI−t−BMA−HEMA−HOMS共重合体溶液)の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量を、N−ベンジルマレイミド10.0部、メタクリル酸t−ブチル25.0部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20.0部、及びコハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)45.0部とした以外は合成例1と同様の方法で、共重合体溶液11を得た。各種物性を表1に示す。
<耐熱着色性の評価>
得られた共重合体溶液1〜11を用いて耐熱着色性を評価した。結果を表1に示す。
表1中の記載は、下記のとおりである。
RHMA:2−(1−ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル
BzMI:N−ベンジルマレイミド
VT:ビニルトルエン
t−BMA:メタクリル酸t−ブチル
t−BA:アクリル酸t−ブチル
MMA:メタクリル酸メチル
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
AEHS:コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)
HOMS:コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)
GMA:メタクリル酸グリシジル
また、上述の構成単位に加えて、t−BMA由来の構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂は、Δb*の値が非常に小さく、耐熱着色性が格段に優れることが確認された(実施例1〜8)。
<耐溶剤性の評価>
(調製例1)
顔料分散体1の調製
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを12.9部、分散剤としてディスパロンDA−7301を0.4部、色材としてC.I.ピグメントグリーン58を2.25部、及び、C.I.ピグメントイエロー138を1.5部混合し、ペイントシェーカーにて3時間分散することで顔料分散体1(固形分22質量%)を得た。
表2に示す配合としたこと以外は実施例10と同様にして硬化性樹脂組成物2〜11を得た。なお、表2中の配合量は、固形分換算量である。得られた硬化性樹脂組成物1〜11を用いて耐溶剤性を評価した。結果を表2に示す。
Claims (9)
- 前記酸基含有共重合体は、更に、−COO*R8(R8は、一価の有機基であり、O*に結合する炭素原子は、第3級炭素原子である。)基を含有するビニル系単量体由来の構成単位を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂。
- 前記構成単位(B)は、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂。
- 前記酸基含有重合体は、酸価が20〜200mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂、及び、重合性化合物を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 請求項6に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
- 請求項7に記載の硬化物を含んでなることを特徴とするカラーフィルター。
- 請求項8に記載のカラーフィルターを備えることを特徴とする表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019013450A JP2020122052A (ja) | 2019-01-29 | 2019-01-29 | アルカリ可溶性樹脂、硬化性樹脂組成物、及びその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019013450A JP2020122052A (ja) | 2019-01-29 | 2019-01-29 | アルカリ可溶性樹脂、硬化性樹脂組成物、及びその用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020122052A true JP2020122052A (ja) | 2020-08-13 |
Family
ID=71992219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019013450A Pending JP2020122052A (ja) | 2019-01-29 | 2019-01-29 | アルカリ可溶性樹脂、硬化性樹脂組成物、及びその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020122052A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021200540A1 (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-07 | 株式会社日本触媒 | N-置換マレイミド系重合体、及びその製造方法 |
WO2022130773A1 (ja) | 2020-12-17 | 2022-06-23 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ |
WO2022131191A1 (ja) | 2020-12-16 | 2022-06-23 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ |
WO2023234096A1 (ja) | 2022-06-01 | 2023-12-07 | 富士フイルム株式会社 | 光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法 |
WO2023234095A1 (ja) | 2022-06-01 | 2023-12-07 | 富士フイルム株式会社 | 光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法 |
WO2023234094A1 (ja) | 2022-06-01 | 2023-12-07 | 富士フイルム株式会社 | 光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000206694A (ja) * | 1998-11-10 | 2000-07-28 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | ネガ型レジスト組成物 |
JP2003321521A (ja) * | 2002-04-26 | 2003-11-14 | Nippon Shokubai Co Ltd | アルコール性水酸基と芳香族環を同一繰り返し単位に持つプロトンによる脱離性基を有する共重合体 |
JP2004252146A (ja) * | 2002-05-27 | 2004-09-09 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | ネガ型レジスト組成物 |
JP2012193219A (ja) * | 2011-03-14 | 2012-10-11 | Nippon Shokubai Co Ltd | カラーフィルタ用感光性樹脂組成物 |
JP2014065768A (ja) * | 2012-09-25 | 2014-04-17 | Nippon Shokubai Co Ltd | 重合体およびその用途 |
JP2018141894A (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-13 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ |
-
2019
- 2019-01-29 JP JP2019013450A patent/JP2020122052A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000206694A (ja) * | 1998-11-10 | 2000-07-28 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | ネガ型レジスト組成物 |
JP2003321521A (ja) * | 2002-04-26 | 2003-11-14 | Nippon Shokubai Co Ltd | アルコール性水酸基と芳香族環を同一繰り返し単位に持つプロトンによる脱離性基を有する共重合体 |
JP2004252146A (ja) * | 2002-05-27 | 2004-09-09 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | ネガ型レジスト組成物 |
JP2012193219A (ja) * | 2011-03-14 | 2012-10-11 | Nippon Shokubai Co Ltd | カラーフィルタ用感光性樹脂組成物 |
JP2014065768A (ja) * | 2012-09-25 | 2014-04-17 | Nippon Shokubai Co Ltd | 重合体およびその用途 |
JP2018141894A (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-13 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021200540A1 (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-07 | 株式会社日本触媒 | N-置換マレイミド系重合体、及びその製造方法 |
JPWO2021200540A1 (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-07 | ||
JP7515995B2 (ja) | 2020-04-01 | 2024-07-16 | 株式会社日本触媒 | N-置換マレイミド系重合体、及びその製造方法 |
WO2022131191A1 (ja) | 2020-12-16 | 2022-06-23 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ |
WO2022130773A1 (ja) | 2020-12-17 | 2022-06-23 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ |
WO2023234096A1 (ja) | 2022-06-01 | 2023-12-07 | 富士フイルム株式会社 | 光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法 |
WO2023234095A1 (ja) | 2022-06-01 | 2023-12-07 | 富士フイルム株式会社 | 光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法 |
WO2023234094A1 (ja) | 2022-06-01 | 2023-12-07 | 富士フイルム株式会社 | 光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102182764B1 (ko) | 경화성 수지 조성물 및 그 용도 | |
JP6886827B2 (ja) | アルカリ可溶性樹脂、感光性樹脂組成物及びその用途 | |
JP6807791B2 (ja) | アルカリ可溶性樹脂、感光性樹脂組成物及びその用途 | |
CN105278247B (zh) | 固化性树脂组合物及其用途 | |
JP2020122052A (ja) | アルカリ可溶性樹脂、硬化性樹脂組成物、及びその用途 | |
JP7263052B2 (ja) | アルカリ可溶性樹脂、硬化性樹脂組成物及びその用途 | |
JP6751611B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物及びその用途 | |
JP2020186325A (ja) | アルカリ可溶性樹脂、及び、硬化性樹脂組成物 | |
JP2015157909A (ja) | 硬化性樹脂組成物及びその用途 | |
JP2020111656A (ja) | 重合体、硬化性樹脂組成物、及びその用途 | |
JP7161928B2 (ja) | 重合体、重合体を含む硬化性樹脂組成物、及びその用途 | |
JP7067906B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、及び(メタ)アクリレート系重合体の製造方法 | |
JP7372064B2 (ja) | アルカリ可溶性樹脂、硬化性樹脂組成物、及びその用途 | |
JP7160554B2 (ja) | 光学材料用樹脂組成物及びその用途 | |
JP7016738B2 (ja) | ラジカル重合性共重合体、硬化性樹脂組成物及びその用途 | |
JP2023003551A (ja) | 着色感光性樹脂組成物及びその用途 | |
JP7185415B2 (ja) | 新規重合体、硬化性樹脂組成物、及びその用途 | |
JP6694416B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物及びその用途 | |
JP7161927B2 (ja) | 環構造含有重合体、環構造含有重合体を含む硬化性樹脂組成物、及びその用途 | |
JP7174612B2 (ja) | 新規重合体、新規重合体を含む硬化性樹脂組成物、及びその用途 | |
CN111542554B (zh) | 聚合物、固化性树脂组合物及其用途 | |
JP7134851B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物及びその用途 | |
JP7315416B2 (ja) | 感光性樹脂組成物、硬化物、及び積層体 | |
JP7078490B2 (ja) | 重合性単量体組成物、重合体及びその製造方法、硬化性樹脂組成物、及びその用途 | |
JP7449153B2 (ja) | 熱硬化性樹脂、その製造方法、及び、硬化性樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211008 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220719 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220720 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220916 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20230110 |