JP2020121467A - 層転写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多層フィルムの無駄な搬送を抑制することを目的とする。【解決手段】層転写装置1は、供給リール31と、巻取リール35と、巻取リール35を駆動する駆動源(メインモータ80)と、供給リール31からの多層フィルムFの引き出しを規制する規制状態と、規制を解除する解除状態とに切替可能な規制切替手段(リールクラッチC2、切替機構70、ローラクラッチC5)と、多層フィルムF等を加熱する加熱ローラ61と、加熱ローラ61との間で多層フィルムF等を挟んだ状態で回転することで多層フィルムF等を搬送する加圧ローラ51と、制御部300を備える。制御部300は、駆動源の駆動中に、シートS上のトナー領域が、加熱ローラ61と加圧ローラ51の間の層転写位置に存在しない場合に、規制切替手段を規制状態にし、駆動源の駆動中に、トナー領域が、層転写位置に存在する場合に、規制切替手段を解除状態にする。【選択図】図6
Description
本発明は、シートに形成されたトナー像の上に転写層を転写する層転写装置に関する。
従来、層転写装置として、転写層を含む多層フィルムが巻回された供給リールと、多層フィルムを巻き取るための巻取リールと、多層フィルムおよびシートを加熱する加熱ローラと、加熱ローラとの間で多層フィルムおよびシートを挟む加圧ローラと、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。この技術では、回転する加熱ローラおよび加圧ローラによって、多層フィルムおよびシートを搬送することで、シート上のトナー像に転写層を転写(以下、「層転写」ともいう。)することが可能となっている。
ところで、従来技術において、例えば層転写の指令を受けた後、シートの搬送を開始する前に、加熱ローラおよび加圧ローラの回転を開始してしまうと、多層フィルムを無駄に搬送してしまうという問題が生じる。
そこで、本発明は、多層フィルムの無駄な搬送を抑制することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る層転写装置は、シートに形成されたトナー像の上に転写層を転写する層転写装置であって、前記転写層と、前記転写層を支持する支持層と、を有する多層フィルムが巻回される供給リールと、前記多層フィルムを巻き取るための巻取リールと、前記巻取リールを駆動する駆動源と、前記供給リールからの前記多層フィルムの引き出しを規制する規制状態と、前記規制を解除する解除状態とに切替可能な規制切替手段と、前記多層フィルムおよび前記シートを加熱する加熱ローラと、前記加熱ローラとの間で前記多層フィルムおよび前記シートを挟んだ状態で回転することで前記多層フィルムと前記シートを搬送する加圧ローラと、制御部と、を備える。
前記制御部は、前記駆動源の駆動中に、前記シート上において前記トナー像が形成されたトナー領域が、前記加熱ローラと前記加圧ローラの間の層転写位置に存在しない場合に、前記規制切替手段を前記規制状態にし、前記駆動源の駆動中に、前記トナー領域が、前記層転写位置に存在する場合に、前記規制切替手段を前記解除状態にする。
前記制御部は、前記駆動源の駆動中に、前記シート上において前記トナー像が形成されたトナー領域が、前記加熱ローラと前記加圧ローラの間の層転写位置に存在しない場合に、前記規制切替手段を前記規制状態にし、前記駆動源の駆動中に、前記トナー領域が、前記層転写位置に存在する場合に、前記規制切替手段を前記解除状態にする。
この構成によれば、トナー領域が加熱ローラと加圧ローラの間に存在しない場合には、規制切替手段によって供給リールからの多層フィルムの引き出しが規制されるので、多層フィルムが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
また、前記制御部は、前記転写層の転写の指令を受けると、前記規制切替手段が前記規制状態にある状態で、前記駆動源を駆動してもよい。
これによれば、例えば規制切替手段が解除状態にある状態で駆動源を駆動する方法に比べ、多層フィルムが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
また、前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの上流側に配置される上流側搬送部材を備え、前記制御部は、前記シートの先端が前記上流側搬送部材を通過してから、前記トナー領域が前記層転写位置に到達するまでの間に、前記規制切替手段を前記解除状態にする規制解除処理を実行してもよい。
これによれば、例えばシートの先端が上流側搬送部材を通過する前に規制切替手段を解除状態にする方法に比べ、多層フィルムが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
また、前記制御部は、前記トナー領域から前記シートの後端までの距離が前記トナー領域から前記シートの先端までの距離よりも小さい場合に、前記シートの先端が前記層転写位置を通過した後に、前記規制解除処理を実行してもよい。
これによれば、例えばシートの先端が層転写位置を通過する前に規制切替手段を解除状態にする方法に比べ、多層フィルムが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
また、前記層転写装置は、前記シートの後端までの距離が前記シートの先端までの距離よりも小さいトナー領域に対して前記転写層を転写するための後端転写指令を前記制御部に出力可能な操作部を備え、前記制御部は、前記後端転写指令を受けると、前記規制解除処理を実行してもよい。
また、前記層転写装置は、前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの下流側に配置される下流側搬送部材を備え、前記制御部は、前記トナー領域が前記層転写位置を通過してから前記シートの後端が前記下流側搬送部材に到達するまでの間に、前記規制切替手段を前記規制状態にする層転写後規制処理を実行してもよい。
これによれば、例えばシートの後端が下流側搬送部材を通過した後に規制処理を実行する方法に比べ、多層フィルムが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
また、前記制御部は、前記トナー領域から前記シートの先端までの距離が前記トナー領域から前記シートの後端までの距離よりも小さい場合に、前記シートの後端が前記層転写位置に到達する前に、前記層転写後規制処理を実行してもよい。
これによれば、例えばシートの後端が層転写位置を通過した後に規制処理を実行する方法に比べ、多層フィルムが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
また、前記層転写装置は、前記シートの先端までの距離が前記シートの後端までの距離よりも小さいトナー領域に対して前記転写層を転写するための先端転写指令を前記制御部に出力可能な操作部を備え、前記制御部は、前記先端転写指令を受けると、前記層転写後規制処理を実行してもよい。
また、前記層転写装置は、前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの上流側に配置され、前記シートの先端の通過を検知可能なシート検知センサを備え、前記制御部は、前記トナー領域から前記シートの先端までの距離が前記トナー領域から前記シートの後端までの距離よりも小さい場合に、前記シート検知センサによって前記シートの先端を検知したタイミングに基づいて、前記層転写後規制処理を開始してもよい。
トナー領域からシートの先端までの距離がトナー領域からシートの後端までの距離よりも小さい場合において、例えばシートの後端を検知したタイミングに基づいて層転写後規制処理を開始する場合には、トナー領域が層転写位置を通過した後にシートの後端が検知され、層転写後規制処理の開始が遅れるおそれがある。これに対し、前述した構成では、シートの先端を検知したタイミングに基づいて層転写後規制処理の開始タイミングを決めるので、例えばトナー領域が層転写位置を通過した直後に層転写後規制処理を開始することができ、多層フィルムが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
また、前記層転写装置は、前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの上流側に配置され、前記シートの後端の通過を検知可能なシート検知センサを備え、前記制御部は、前記トナー領域が前記シートの後端側に位置する場合に、前記シート検知センサによって前記シートの後端を検知したタイミングに基づいて、前記層転写後規制処理を開始してもよい。
トナー領域がシートの後端側に位置する場合には、トナー領域が層転写位置を通過し終わる前にシートの後端が検知されるので、後端を検知したタイミングに基づいて層転写後規制処理を良好に行うことができる。また、例えば先端を検知したタイミングに基づいて層転写後規制処理を開始する方法に比べ、シート検知センサでの検知から層転写後規制処理の開始までの時間を短くできるので、層転写後規制処理の開始タイミングに誤差が生じるのを抑えることができる。
また、前記層転写装置は、前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの下流側に配置され、前記シートから離れる方向に前記多層フィルムを案内する剥離ローラを備え、前記制御部は、前記トナー領域が前記剥離ローラを通過した後に、前記層転写後規制処理を開始してもよい。
これによれば、トナー領域から多層フィルムを剥離し終わった後に、層転写後規制処理を行うので、剥離不良を抑制することができる。
また、前記制御部は、前記層転写後規制処理の後に、前記駆動源を停止させてもよい。
これによれば、例えば層転写後規制処理の前に駆動源を停止させる方法に比べ、多層フィルムが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
また、前記規制切替手段は、前記加熱ローラと前記加圧ローラのニップ圧を所定値にするニップ状態と、前記ニップ圧を前記所定値よりも小さくするニップ解除状態とに切替可能な切替機構を備え、前記制御部は、前記切替機構を前記ニップ解除状態とすることで、前記規制切替手段を前記規制状態にし、前記切替機構を前記ニップ状態とすることで、前記規制切替手段を前記解除状態にしてもよい。
これによれば、切替機構をニップ解除状態とすることで、ニップ圧が弱まるので、各ローラによる多層フィルムの無駄な搬送を抑制することができる。
また、前記切替機構は、前記ニップ解除状態において、前記多層フィルムから前記加熱ローラおよび前記加圧ローラの少なくとも一方を離間させてもよい。
これによれば、切替機構をニップ解除状態とすることで、各ローラの少なくとも一方が多層フィルムから離れるので、多層フィルムの無駄な搬送を抑制することができる。
また、前記規制切替手段は、前記駆動源の駆動力を前記加圧ローラまたは前記加熱ローラに伝達する伝達状態と、前記加圧ローラまたは前記加熱ローラへの駆動力の伝達を遮断する遮断状態とを切り替える伝達切替機構を備え、前記制御部は、前記伝達切替機構を前記遮断状態とすることで、前記規制切替手段を前記規制状態にし、前記伝達切替機構を前記伝達状態とすることで、前記規制切替手段を前記解除状態にしてもよい。
これによれば、伝達切替機構を遮断状態とすることで、多層フィルムが搬送されなくなるので、多層フィルムの無駄な搬送を抑制することができる。
また、前記制御部は、前記加熱ローラと前記加圧ローラとで前記多層フィルムを挟み始めてから、前記シートの先端が前記層転写位置に到達するまでの間に、前記伝達切替機構を前記遮断状態から前記伝達状態に切り替えてもよい。
例えば加熱ローラと加圧ローラとで多層フィルムを挟み始めるよりも前に遮断状態から伝達状態に切り替える場合には、挟み始めた瞬間に多層フィルムが搬送され、無駄になる。これに対し、前述した構成では、加熱ローラと加圧ローラとで多層フィルムを挟み始めた後に遮断状態から伝達状態に切り替えるので、多層フィルムの無駄な搬送を抑制することができる。
また、前記制御部は、前記トナー領域から前記シートの後端までの距離が前記トナー領域から前記シートの先端までの距離よりも小さい場合には、前記シートの先端が前記層転写位置を通過した後に、前記切替機構による前記ニップ解除状態から前記ニップ状態への切替を開始し、前記加熱ローラと前記加圧ローラとで前記多層フィルムおよび前記シートを挟み始める前に、前記伝達切替機構を前記遮断状態から前記伝達状態に切り替えてもよい。
例えば加熱ローラと加圧ローラとで多層フィルムおよびシートを挟み始めたときに、各ローラが停止している場合には、停止した各ローラがシートの搬送の抵抗となる。これに対し、前述した構成では、加熱ローラと加圧ローラとで多層フィルムおよびシートを挟み始める前に各ローラを駆動させるため、シートの搬送をスムーズに行うことができる。
また、前記層転写装置は、前記切替機構が前記ニップ解除状態であることを検知する状態検知センサを備え、前記制御部は、前記状態検知センサの出力変化に応じて前記伝達切替機構を前記遮断状態から前記伝達状態に切り替えてもよい。
また、前記制御部は、前記シートの後端が前記層転写位置を通過した後であって、かつ、前記切替機構が前記ニップ解除状態になる前に、前記伝達切替機構による前記伝達状態から前記遮断状態への切り替えを開始してもよい。
また、前記制御部は、前記トナー領域から前記シートの先端までの距離が前記トナー領域から前記シートの後端までの距離よりも小さい場合には、前記シートの後端が前記層転写位置を通過する前から前記切替機構による前記ニップ状態から前記ニップ解除状態への切り替えを開始し、前記ニップ状態から前記ニップ解除状態への切り替えの開始後に、前記伝達切替機構を前記伝達状態から前記遮断状態に切り替えてもよい。
例えばニップ状態からニップ解除状態への切り替えを開始する前に、伝達切替機構を伝達状態から遮断状態に切り替える方法では、各ローラでシートおよび多層フィルムを挟んだ状態で各ローラの回転が止められ、各ローラがシートの搬送の抵抗となる。これに対し、前述した構成では、ニップ状態からニップ解除状態への切り替えの開始後に、伝達状態から遮断状態に切り替えるため、各ローラがシートの搬送の抵抗となるのを抑えることができ、シートの搬送をスムーズに行うことができる。
また、前記規制切替手段は、前記供給リールに加わる負荷トルクと前記巻取リールに加わる駆動トルクとの関係を変更可能なトルク変更手段を備え、前記制御部は、前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも大きくすることで、前記規制切替手段を前記規制状態にし、前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも小さくすることで、前記規制切替手段を前記解除状態にしてもよい。
これによれば、負荷トルクを駆動トルクよりも大きくすることで多層フィルムの搬送を止めることができ、負荷トルクを駆動トルクよりも小さくすることでシートおよび多層フィルムの搬送をスムーズに行うことができる。
また、前記トルク変更手段は、前記供給リールに負荷トルクを付与する負荷付与手段を有し、前記制御部は、前記負荷付与手段から前記供給リールに負荷トルクを付与することで、前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも大きくし、前記負荷付与手段から前記供給リールへの負荷トルクの付与を解除することで、前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも小さくしてもよい。
また、前記制御部は、前記トナー領域が前記層転写位置を通過してから前記シートの後端が前記層転写位置に到達する前に、前記切替機構による前記ニップ状態から前記ニップ解除状態への切り替えを開始し、前記ニップ状態から前記ニップ解除状態への切り替えを開始してから前記ニップ解除状態になるまでの間に、前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも大きくしてもよい。
例えば切替機構がニップ解除状態になった後に負荷トルクを駆動トルクよりも大きくする場合と比べ、多層フィルムを止めるタイミングを早めることができるので、多層フィルムの無駄な搬送を抑制することができる。
また、前記制御部は、前記トナー領域から前記シートの後端までの距離が前記トナー領域から前記シートの先端までの距離よりも小さい場合には、前記加熱ローラと前記加圧ローラとで前記多層フィルムおよび前記シートを挟み始める前に、前記伝達切替機構を前記遮断状態から前記伝達状態に切り替え、前記加熱ローラと前記加圧ローラとで前記多層フィルムおよび前記シートを挟んだ後に、前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも小さくしてもよい。
シートの搬送を止めないように、加熱ローラと加圧ローラとで多層フィルムおよびシートを挟み始める前から各ローラを駆動する場合において、加熱ローラと加圧ローラとで多層フィルムおよびシートを挟み始める前に負荷トルクを駆動トルクよりも小さくすると、各ローラで多層フィルムおよびシートを挟んだ瞬間から多層フィルムおよびシートが搬送されてしまい、その分多層フィルムが無駄になる。これに対し、前述した構成では、各ローラで多層フィルムおよびシートを挟んだ後に負荷トルクを駆動トルクよりも小さくするので、多層フィルムの無駄な搬送を抑制することができる。
また、前記層転写装置は、前記切替機構が前記ニップ解除状態であることを検知する状態検知センサを備え、前記制御部は、前記状態検知センサの出力変化に応じて前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも小さくしてもよい。
また、前記制御部は、前記シートの後端が前記層転写位置を通過してから前記切替機構による前記ニップ状態から前記ニップ解除状態への切り替えを開始し、前記切替機構が前記ニップ解除状態になる前に、前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも大きくしてもよい。
例えば切替機構がニップ解除状態になった後に負荷トルクを駆動トルクよりも大きくする場合には、ローラが多層フィルムから離れてから負荷トルクが大きくなるまでの間において、多層フィルムが無駄に搬送されてしまう。これに対し、前述した構成では、切替機構がニップ解除状態になる前、例えばローラが多層フィルムから離れる前に、負荷トルクを駆動トルクよりも大きくするので、多層フィルムの無駄な搬送を抑制することができる。
また、前記規制切替手段は、前記加熱ローラと前記加圧ローラとで前記多層フィルムを挟むニップ状態と、前記多層フィルムから前記加熱ローラおよび前記加圧ローラの少なくとも一方を前記多層フィルムから離間させるニップ解除状態とに切替可能な切替機構を備え、前記制御部は、前記切替機構を前記ニップ解除状態とすることで、前記規制切替手段を前記規制状態にし、前記切替機構を前記ニップ状態とすることで、前記規制切替手段を前記解除状態にし、搬送方向において所定長さのシートに前記転写層を転写する場合において、前記切替機構を前記ニップ状態にしている時間である層搬送時間を、前記所定長さのシートのうちトナー像が形成可能な領域全体が前記層転写位置を通過するのにかかる時間以上の第1時間とする通常処理を実行可能な通常モードと、前記層搬送時間を、前記第1時間よりも短い第2時間とする節約転写処理を実行可能な層節約モードと、を実行可能であってもよい。
これによれば、層節約モードを実行することで、通常モードよりも多層フィルムの無駄な搬送を抑制することができる。
また、前記層転写装置は、前記通常モードと前記層節約モードを選択可能な操作部を備え、前記制御部は、前記操作部からの信号に基づいて前記通常モードまたは前記層節約モードを実行してもよい。
例えばトナー領域を解析する機能を層転写装置に持たせる場合に比べ、層転写装置を簡易に構成することができる。
また、前記制御部は、前記層節約モードとして、前記トナー領域から前記シートの先端までの距離が前記トナー領域から前記シートの後端までの距離よりも小さい場合に、少なくとも前記トナー領域が前記層転写位置を通過する間、前記切替機構を前記ニップ状態にした後、前記シートの後端が前記層転写位置を通過する前から前記切替機構を前記ニップ解除状態に切り替える先端転写モードと、前記トナー領域から前記シートの後端までの距離が前記トナー領域から前記シートの先端までの距離よりも小さい場合に、前記シートの先端が前記層転写位置を通過してから前記切替機構を前記ニップ状態に切り替え、少なくとも前記トナー領域が前記層転写位置を通過する間、前記切替機構を前記ニップ状態にする後端転写モードと、を実行可能であってもよい。
これによれば、トナー領域の位置に応じて、多層フィルムの無駄な搬送を抑制することができる。
また、前記層転写装置は、前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの上流側に配置される上流側搬送部材と、前記シートの搬送方向において前記上流側搬送部材の上流側に配置され、前記シートの搬送方向の長さを検知可能なシート検知センサと、を備え、前記制御部は、前記後端転写モードにおいて、前記シートの搬送方向の長さが前記所定長さ以上であると判断すると、前記シートの先端が前記層転写位置を通過してから前記切替機構を前記ニップ状態に切り替え、前記後端転写モードにおいて、前記シートの搬送方向の長さが前記所定長さ未満であると判断すると、前記シートの後端が前記上流側搬送部材を通過する前のタイミングであって、かつ、前記所定長さ以上であると判断した場合よりも早いタイミングで、前記切替機構を前記ニップ状態に切り替えてもよい。
これによれば、小サイズのシートが、上流側搬送部材で送り出された後、止まってしまうのを抑えることができるので、小サイズのシートをスムーズに搬送することができる。
また、前記層転写装置は、前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの下流側に配置される下流側搬送部材と、前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの上流側に配置され、前記シートの搬送方向の長さを検知可能なシート検知センサと、を備え、前記制御部は、前記先端転写モードにおいて、前記シートの搬送方向の長さが前記所定長さ以上であると判断すると、前記シートの後端が前記層転写位置を通過する前から前記切替機構を前記ニップ解除状態に切り替え、前記先端転写モードにおいて、前記シートの搬送方向の長さが前記所定長さ未満であると判断すると、前記シートの先端が前記下流側搬送部材に到達した後のタイミングであって、かつ、前記所定長さ以上であると判断した場合よりも遅いタイミングで、前記切替機構を前記ニップ解除状態に切り替えてもよい。
これによれば、小サイズのシートが層転写装置内に残るのを抑制することができる。
また、前記制御部は、前記節約転写処理において、トナー像を有する第1トナー領域と、トナー像が存在しない非トナー領域と、トナー像を有する第2トナー領域とが、この順で前記層転写位置を通過する場合には、少なくとも前記第1トナー領域が前記層転写位置を通過する間、前記切替機構を前記ニップ状態にし、前記第1トナー領域が前記層転写位置を通過した後、前記切替機構を前記ニップ解除状態にし、少なくとも前記第2トナー領域が前記層転写位置を通過する間、前記切替機構を前記ニップ状態にしてもよい。
これによれば、シートの先端と後端にトナー領域が離れて存在する場合であっても、多層フィルムの無駄な搬送を抑制しながら、層転写を良好に行うことができる。
また、前記層転写装置は、前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの下流側に配置され、前記シートから離れる方向に前記多層フィルムを案内する剥離ローラを備え、前記制御部は、前記非トナー領域の前記搬送方向の長さをX、前記シートの搬送速度をV、前記ニップ状態から前記ニップ解除状態を経て再び前記ニップ状態に切り替えるための最短時間をt、前記層転写位置から前記剥離ローラまでの長さをLとして、
X > V・t + L
という実行可能条件を満たした場合に、前記節約転写処理を実行してもよい。
X > V・t + L
という実行可能条件を満たした場合に、前記節約転写処理を実行してもよい。
これによれば、第1トナー領域に転写した転写層から支持層をきれいに剥離させることができるとともに、第2トナー領域が層転写位置に到達する前に切替機構をニップ状態にして、第2トナー領域に対して良好に転写層を転写することができる。
また、前記制御部は、第1シートの次に第2シートを連続して搬送する場合には、前記非トナー領域の前記搬送方向の長さXを、前記第1シートの後端側の第1非トナー領域の搬送方向の長さX1と、前記第2シートの先端側の第2非トナー領域の搬送方向の長さX2と、前記第1シートと前記第2シートの間隔Y1とを足し合わせて算出してもよい。
これによれば、複数枚のシートに対して層転写を連続して行う場合にも、節約転写処理を良好に行うことができる。
また、前記制御部は、前記実行可能条件を満たさないと判断した場合には、前記シートを搬送する搬送機構を制御することで、前記第1シートと前記第2シートの間隔Y1を大きくする、または、前記シートの搬送速度Vを小さくする調整処理を実行してもよい。
これによれば、層転写を連続して行う場合において、節約転写処理を実行できる可能性を高めることができる。
また、前記制御部は、前記調整処理において、前記第2シートの搬送開始タイミングを、前記実行可能条件を満たさないと判断した場合よりも遅らせることで、前記第1シートと前記第2シートの間隔Y1を大きくしてもよい。
また、前記切替機構は、前記加熱ローラを移動させることで、前記ニップ状態と前記ニップ解除状態とに切替可能であってもよい。
また、前記駆動源の駆動力は、前記加圧ローラに伝達されていてもよい。
例えば移動可能な加熱ローラに駆動源を繋げる構造に比べ、構造を簡易化することができる。
本発明によれば、多層フィルムの無駄な搬送を抑制することができる。
本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、層転写装置の全体構成を簡単に説明した後、本願発明の特徴部分の構成について説明する。
以下の説明において、方向は、図1に示す方向で説明する。すなわち、図1の右側を「前」とし、図1の左側を「後」とし、図1の紙面手前側を「左」とし、図1の紙面奥側を「右」とする。また、図1の上下を「上下」とする。
以下の説明において、方向は、図1に示す方向で説明する。すなわち、図1の右側を「前」とし、図1の左側を「後」とし、図1の紙面手前側を「左」とし、図1の紙面奥側を「右」とする。また、図1の上下を「上下」とする。
図1(a)に示すように、層転写装置1は、例えばレーザプリンタ等の画像形成装置でシートSにトナー像を形成した後、シートSのトナー像の上にアルミニウム等の箔を転写するための装置である。つまり、層転写装置1は、シートSのトナー像の上に箔を転写することで、シートSに箔の画像を形成している。層転写装置1は、筐体2と、シートトレイ3と、搬送機構の一例としてのシート搬送部10と、フィルム供給部30と、転写部50とを備えている。
筐体2は、樹脂などからなり、装置本体21と、カバー22とを備えている。装置本体21は、上部に開口21A(図2参照)を有している。開口21Aは、装置本体21に後述するフィルムユニットFUを着脱するための開口である。カバー22は、開口21Aを開閉するための部材である。カバー22の後端部は、装置本体21に回動可能に支持されている。カバー22は、開口21Aを閉じる閉位置(図1(a)の位置)と、開口21Aを開放する開位置(図2の位置)との間で回動可能となっている。
シートトレイ3は、用紙、OHPフィルム等のシートSが載置されるトレイである。シートトレイ3は、筐体2の後部に設けられている。なお、シートSは、トナー像が形成された面を下向きにしてシートトレイ3上に載置される。
シート搬送部10は、シート供給機構11と、シート排出機構12とを備えている。シート供給機構11は、シートトレイ3上のシートSを一枚ずつ転写部50に向けて搬送する機構である。シート供給機構11は、ピックアップローラ11Aと、リタードローラ11Bと、上流側搬送部材の一例としての上流側搬送ローラ11Cとを備えている。
ピックアップローラ11Aは、シートトレイ3上のシートSを転写部50に向けて供給するためのローラである。リタードローラ11Bは、ピックアップローラ11Aによって搬送されるシートSを1枚に分離するためのローラである。
リタードローラ11Bは、ピックアップローラ11Aの上に配置されている。リタードローラ11Bは、ピックアップローラ11Aで送り出されるシートSの上に重なっているシートSをシートトレイ3に向けて戻す方向に回転可能となっている。
上流側搬送ローラ11Cは、2つのローラからなり、これらのローラの間でシートSを挟んだ状態で各ローラが回転することで、シートSを搬送可能となっている。上流側搬送ローラ11Cは、ピックアップローラ11Aと転写部50との間に配置され、ピックアップローラ11Aで送り出されるシートSを転写部50に搬送する。
シート排出機構12は、転写部50を通過したシートSを筐体2の外部に排出する機構である。シート排出機構12は、下流側搬送部材の一例としての下流側搬送ローラ12Aと、排出ローラ12Bとを備えている。
下流側搬送ローラ12Aおよび排出ローラ12Bは、それぞれ、2つのローラからなり、これらのローラの間でシートSを挟んだ状態で各ローラが回転することで、シートSを搬送可能となっている。下流側搬送ローラ12Aは、転写部50と排出ローラ12Bとの間に配置され、転写部50から送り出されるシートSを排出ローラ12Bに搬送する。排出ローラ12Bは、シートSの搬送方向において下流側搬送ローラ12Aの下流側に配置され、下流側搬送ローラ12Aで送り出されるシートSを筐体2の外に排出する。
フィルム供給部30は、シート供給機構11から搬送されたシートSに重ねるように多層フィルムFを供給する部分である。フィルム供給部30は、フィルムユニットFUと、駆動源の一例としてのメインモータ80を備えている。
フィルムユニットFUは、図2に示すように、後述する供給リール31の軸方向に直交する方向において、開口21Aを通過して装置本体21に着脱可能となっている。フィルムユニットFUは、供給リール31と、巻取リール35と、第1案内軸41と、第2案内軸42と、第3案内軸43とを備えている。フィルムユニットFUの供給リール31には、多層フィルムFが巻回されている。
図1(b)に示すように、多層フィルムFは、複数の層からなるフィルムである。詳しくは、多層フィルムFは、支持層F1と、被支持層F2とを有する。支持層F1は、高分子材料からなるテープ状の透明な基材であり、被支持層F2を支持している。被支持層F2は、例えば、剥離層F21と、転写層F22と、接着層F23とを有する。剥離層F21は、支持層F1から転写層F22を剥離しやすくするための層であり、支持層F1と転写層F22との間に配置されている。剥離層F21は、支持層F1から剥離しやすい透明な材料、例えばワックス系樹脂を含んでいる。
転写層F22は、トナー像に転写される層であり、箔を含んでいる。箔とは、金、銀、銅、アルミニウム等の金属であって薄く延された金属である。また、転写層F22は、金色、銀色、赤色などの着色材料と、熱可塑性樹脂とを含む。転写層F22は、剥離層F21と接着層F23との間に配置されている。
接着層F23は、転写層F22をトナー像に接着しやすくするための層である。接着層F23は、後述する転写部50によって加熱されたトナー像に付着しやすい材料、例えば塩化ビニル系樹脂やアクリル系樹脂を含んでいる。
供給リール31は、樹脂などからなり、多層フィルムFが巻回される供給軸部31Aを有している。供給軸部31Aには、多層フィルムFの一端が固定されている。
巻取リール35は、樹脂などからなり、多層フィルムFを巻き取るための巻取軸部35Aを有している。巻取軸部35Aには、多層フィルムFの他端が固定されている。
なお、図1等においては、便宜上、供給リール31および巻取リール35の両方に多層フィルムFが最大に巻回された状態を図示することとする。実際には、フィルムユニットFUが新品の状態においては、供給リール31に巻回されたロール状の多層フィルムFの径は最大となっており、巻取リール35には多層フィルムFが巻回されていない、もしくは、巻取リール35に巻回されたロール状の多層フィルムFの径は最小となっている。また、フィルムユニットFUの寿命時(多層フィルムFを使い切ったとき)においては、巻取リール35に巻回されたロール状の多層フィルムFの径は最大となり、供給リール31には多層フィルムFが巻回されていない、もしくは、供給リール31に巻回されたロール状の多層フィルムFの径は最小となる。
第1案内軸41は、供給リール31から引き出される多層フィルムFの進行方向を変更するための軸である。第1案内軸41は、樹脂などからなっている。
第2案内軸42は、第1案内軸41で案内された多層フィルムFの進行方向を変更するための軸である。第2案内軸42は、樹脂などからなっている。
第3案内軸43は、第2案内軸42で案内された多層フィルムFの進行方向を変更して巻取リール35に案内する軸である。第3案内軸43は、樹脂などからなっている。
第1案内軸41は、トナー像を下にした状態で搬送されるシートSに対して、供給リール31から引き出された多層フィルムFを下から重ねるように案内している。第1案内軸41は、供給リール31から引き出された多層フィルムFの搬送方向を変えて、シートSの搬送方向と略平行に多層フィルムFを案内する。
第2案内軸42は、転写部50を通過した多層フィルムFと接触し、転写部50を通過した多層フィルムFの搬送方向をシートSの搬送方向とは異なる方向に変更することで、多層フィルムFをシートSから離れる方向に案内する剥離ローラである。転写部50を通過してシートSと重なった状態で搬送された多層フィルムFは、第2案内軸42を通過する際にシートSとは異なる方向に案内され、シートSから剥離される。
転写部50は、シートSと多層フィルムFを重ねた状態で加熱および加圧することで、シートSに形成されたトナー像の上に転写層F22を転写するための部分である。転写部50は、加圧ローラ51と、加熱ローラ61と、切替機構70とを備えている。転写部50は、加圧ローラ51と加熱ローラ61のニップ部において、シートSと多層フィルムFを重ねて加熱および加圧する。
加圧ローラ51は、円筒状の芯金の周囲をシリコンゴムからなるゴム層で被覆したローラである。加圧ローラ51は、多層フィルムFの上側に配置され、シートSの裏面(トナー像が形成された面と反対側の面)と接触可能となっている。
加圧ローラ51は、両端部がカバー22に回転可能に支持されている。加圧ローラ51は、加熱ローラ61との間でシートSおよび多層フィルムFを挟み、メインモータ80によって回転駆動されることで加熱ローラ61を従動回転させる。このように加圧ローラ51と加熱ローラ61との間でシートSおよび多層フィルムFを挟んだ状態で、加圧ローラ51および加熱ローラ61が回転することで、シートSおよび多層フィルムFが搬送される。
加熱ローラ61は、円筒状に形成された金属管の内部にヒータを配置したローラであり、多層フィルムFおよびシートSを加熱している。加熱ローラ61は、多層フィルムFの下側に配置され、多層フィルムFと接触している。
切替機構70は、加圧ローラ51および加熱ローラ61の状態を、加圧ローラ51と加熱ローラ61で多層フィルムFを挟んだニップ状態と、少なくとも1つのローラが多層フィルムFから離れたニップ解除状態とに切り替えるための機構である。本実施形態では、切替機構70は、加熱ローラ61を、図6に実線で示す圧接位置と、図6に仮想線で示す離間位置との間で移動させることで、加熱ローラ61を多層フィルムFに対して接触・離間させている。つまり、切替機構70は、加熱ローラ61を多層フィルムFから離すことで、加圧ローラ51および加熱ローラ61の状態を、ニップ解除状態にする。また、切替機構70は、加熱ローラ61を多層フィルムFに圧接させることで、加圧ローラ51および加熱ローラ61の状態を、ニップ状態にする。
このように構成された層転写装置1では、シートSの表面を下向きにしてシートトレイ3に載置されたシートSが、シート供給機構11により一枚ずつ転写部50に向けて搬送される。シートSは、転写部50のシート搬送方向における上流側で、供給リール31から供給された多層フィルムFと重ねられ、シートSのトナー像と多層フィルムFが接触した状態で転写部50に搬送される。
転写部50においては、シートSと多層フィルムFが加圧ローラ51と加熱ローラ61の間のニップ部を通過する際に、加熱ローラ61と加圧ローラ51により加熱および加圧され、トナー像の上に転写層F22が転写される。なお、以下の説明では、トナー像への転写層F22の転写を、単に「層転写」とも称する。
層転写が行われた後、シートSと多層フィルムFは密着した状態で第2案内軸42まで搬送される。シートSと多層フィルムFが第2案内軸42を通過すると、多層フィルムFの搬送方向がシートSの搬送方向と異なる方向に変わるため、シートSから多層フィルムFが剥離される。
シートSから剥離された多層フィルムFは、巻取リール35に巻き取られていく。一方、多層フィルムFが剥離されたシートSは、シート排出機構12によって、箔が転写された表面を下に向けた状態で、筐体2の外部に排出される。
図3に示すように、フィルムユニットFUは、樹脂などからなるホルダ100と、ホルダ100に着脱可能なフィルムカートリッジ200とを備えている。フィルムカートリッジ200は、前述した多層フィルムFが巻回された供給リール31および巻取リール35と、供給ケース32とを備えている。
供給リール31(詳しくは、供給ケース32)および巻取リール35は、ホルダ100に対して、供給リール31の軸方向に直交する方向に着脱可能となっている。そして、フィルムカートリッジ200は、ホルダ100に取り付けられた状態において、装置本体21に着脱可能となっている。
供給ケース32は、供給リール31を収容する中空のケースである。供給ケース32は、樹脂などからなり、略円筒状の外周壁32Aと、外周壁32Aの両端に設けられる略円板状の2つの側壁32Bとを有する。供給リール31は、供給ケース32の各側壁32Bに回転可能に支持されている。
ホルダ100は、ベースフレーム110と、ベースフレーム110に回動可能(移動可能)に支持される規制フレーム120とを有している。ベースフレーム110は、第1保持部111と、第2保持部112と、2つの連結部113と、2つの取手114とを有している。
第1保持部111は、供給ケース32を保持する部位である。第1保持部111は、供給ケース32を介して供給リール31を保持している。第1保持部111は、断面視略円弧状の外周壁111Aと、2つの側壁111Bとを有する。
外周壁111Aは、供給ケース32の外周面に沿って配置されている。各側壁111Bは、供給リール31の軸方向において、外周壁111Aの各端部に配置されている。
各側壁111Bは、供給ケース32の着脱時に供給ケース32をガイドする着脱ガイドGを有している。2つのうち一方の側壁111Bには、ギヤ機構130が設けられている。ギヤ機構130は、装置本体21に設けられる供給側トルクリミッタTL2(図6参照)の負荷を供給リール31に付与するための機構である。なお、ギヤ機構130の構造については、後で説明する。
第2保持部112は、巻取リール35を保持する部位である。詳しくは、第2保持部112は、規制フレーム120とともに、中空のケースを構成しており、中空のケース内に巻取リール35を収容している。
2つの連結部113は、第1保持部111と第2保持部112とを連結する部位である。詳しくは、各連結部113は、供給リール31の軸方向に間隔を開けて配置されている。
このように連結部113が形成されることで、ホルダ100は、供給リール31の軸方向に直交する直交方向に貫通する貫通穴100Aを有している。各取手114は、各連結部113の上に配置されている。各取手114は、ホルダ100のうち巻取リール35の軸方向両端にそれぞれ配置されている。
供給リール31は、軸方向の一端に供給ギヤ31Gを有している。供給ギヤ31Gは、供給ケース32に形成された切欠から外部に露出している。供給ギヤ31Gは、フィルムカートリッジ200がホルダ100に取り付けられた状態において、前述したギヤ機構130と噛み合うように構成されている。
巻取リール35は、前述した巻取軸部35Aと、2つのフランジ35Bと、巻取ギヤ35Cとを有している。フランジ35Bは、巻取軸部35Aに巻回される多層フィルムFの幅方向の移動を規制するための部位である。フランジ35Bは、巻取軸部35Aよりも大径の円板状に形成されており、巻取軸部35Aの両端部に設けられている。
巻取ギヤ35Cは、層転写装置1に設けられるメインモータ80から駆動力を受け、駆動力を巻取軸部35Aに伝達するためのギヤである。巻取ギヤ35Cは、軸方向において、フランジ35Bの外側に配置されている。巻取ギヤ35Cは、巻取軸部35Aと同軸に配置されている。
図4に示すように、供給リール31に負荷を付与するためのギヤ機構130は、フレームギヤ131と、ギヤ列132とを備えている。フレームギヤ131は、装置本体21に設けられる筐体ギヤ21Gと噛み合うギヤである。フレームギヤ131は、筐体ギヤ21Gを介して後述する供給側トルクリミッタTL2などに連結されている。
ギヤ列132は、フレームギヤ131と供給ギヤ31Gを連結するギヤ列である。ギヤ列132は、第1ギヤ133と、第2ギヤ134とを備えている。第1ギヤ133は、フレームギヤ131に噛み合っている。第2ギヤ134は、2段ギヤであり、大径ギヤ部134Aと、小径ギヤ部134Bとを有する。
大径ギヤ部134Aは、小径ギヤ部134Bよりも大径のギヤである。大径ギヤ部134Aは、第1ギヤ133に噛み合っている。小径ギヤ部134Bは、供給ギヤ31Gに噛み合っている。
図5に示すように、供給リール31の軸方向の他端には、第1負荷付与機構310が設けられている。第1負荷付与機構310は、供給リール31を回転可能に支持する供給ケース32との間で摩擦力を発生させることで供給リール31に第1負荷トルクLT1を付与する機構である。
第1負荷付与機構310は、供給リール31に固定される固定部材311と、固定部材311に対して軸方向に移動可能な可動部材312と、固定部材311と可動部材312との間に配置されるコイルバネ313と、供給ケース32に固定される摩擦パッド314とを備えている。
固定部材311は、円筒状に形成された供給軸部31Aに嵌合されることで、供給軸部31Aに固定されている。可動部材312は、固定部材311によって軸方向に移動可能に支持されている。
そして、可動部材312は、コイルバネ313によって摩擦パッド314に付勢されている。これにより、供給リール31が回転すると、可動部材312と摩擦パッド314との間で摩擦力が生じるので、第1負荷付与機構310によって供給リール31に第1負荷トルクLT1が付与される。
図6に示すように、メインモータ80は、前述したように巻取リール35および加圧ローラ51に駆動力を付与する他、シート搬送部10にも駆動力を付与している。ここで、図6においては、便宜上、層転写装置1の構成を簡略化して図示している。
層転写装置1は、メインモータ80の駆動力を巻取リール35に伝達するための構成として、巻取側トルクリミッタTL1と、ギヤG1とを主に備えている。巻取側トルクリミッタTL1は、メインモータ80から巻取リール35に加わる駆動トルクDTを所定値以下に制限する機能を有している。
巻取側トルクリミッタTL1は、図示せぬギヤを介してメインモータ80に連結されている。また、巻取側トルクリミッタTL1は、ギヤG1を介して巻取ギヤ35Cに連結されている。
層転写装置1は、メインモータ80の駆動力をシート搬送部10に伝達するための構成として、ピックアップクラッチC1と、ギヤG2とを主に備えている。ピックアップクラッチC1は、メインモータ80からピックアップローラ11Aへの駆動力の伝達を切り替えるための電磁クラッチである。
ピックアップクラッチC1は、図示せぬギヤを介してメインモータ80に連結されている。また、ピックアップクラッチC1は、ギヤG2を介してピックアップローラ11Aに連結されている。なお、シート搬送部10を構成する各ローラのうち、ピックアップローラ11A以外のローラは、図示せぬギヤを介してメインモータ80に連結されている。
層転写装置1は、メインモータ80の駆動力を加圧ローラ51に伝達するための構成として、伝達機構TMと、伝達切替機構の一例としてのローラクラッチC5とを主に備えている。伝達機構TMは、メインモータ80からの駆動力を加圧ローラ51に伝達させる機構である。伝達機構TMは、ローラクラッチC5から加圧ローラ51へ駆動力を伝達するためのギヤG3と、メインモータ80からローラクラッチC5へ駆動力を伝達するための図示せぬギヤとを備えている。
ローラクラッチC5は、伝達機構TMの状態を、加圧ローラ51に駆動力を伝達させる伝達状態と、加圧ローラ51への駆動力の伝達を遮断する遮断状態とに切替可能な電磁クラッチである。
層転写装置1は、供給側トルクリミッタTL2と、リールクラッチC2と、接離モータ90と、操作部の一例としてのタッチパネルTPと、制御部300とをさらに備えている。
供給側トルクリミッタTL2は、第2負荷トルクLT2を供給リール31に付与するための部材である。ここで、第2負荷トルクLT2は、巻取リール35に加わる駆動トルクDTから前述した第1負荷トルクLT1を引いた値よりも大きな値に設定されている。また、前述した第1負荷トルクLT1は、巻取リール35に加わる駆動トルクDTよりも小さな値に設定されている。本実施形態において、負荷付与手段は、供給側トルクリミッタTL2で構成されている。そして、この負荷付与手段と、リールクラッチC2とによって、供給リール31に加わる負荷トルクLTと巻取リール35に加わる駆動トルクDTとの関係を変更可能なトルク変更手段が構成されている。
供給側トルクリミッタTL2は、リールクラッチC2に連結されている。リールクラッチC2は、供給側トルクリミッタTL2と供給リール31の接続状態を変更可能とする電磁クラッチである。リールクラッチC2が供給側トルクリミッタTL2と供給リール31の接続状態を変更することで、供給リール31に付与される負荷トルクLTの大きさが変更されるようになっている。詳しくは、供給側トルクリミッタTL2と供給リール31との接続が切れた状態においては、供給リール31に付与される負荷トルクLTは、第1負荷トルクLT1となり、駆動トルクDTよりも小さな値となる。また、供給側トルクリミッタTL2と供給リール31とが接続された状態においては、供給リール31に付与される負荷トルクLTは、第1負荷トルクLT1に第2負荷トルクLT2を加えた値となり、駆動トルクDTよりも大きな値となる。
リールクラッチC2は、筐体ギヤ21Gと前述したギヤ機構130(図示略)を介して供給ギヤ31Gに連結されている。また、筐体ギヤ21Gは、検知ギヤG4と噛み合っている。検知ギヤG4は、複数のスリットが形成された回転板を有するギヤである。回転板の各スリットは、図示せぬロータリエンコーダによって検出されることで、供給リール31の回転速度を検出することが可能となっている。
接離モータ90は、切替機構70を駆動して、加圧ローラ51および加熱ローラ61の状態を、ニップ状態とニップ解除状態とに切り替えるためのモータである。また、切替機構70の近傍には、切替機構70がニップ解除状態であることを検知する、状態検知センサの一例としての離間センサSAが設けられている。ここで、離間センサSAとしては、例えば光センサなどを用いることができる。
また、ピックアップローラ11Aと上流側搬送ローラ11Cとの間には、転写部50に向けて搬送されるシートSの通過を検知する、シート検知センサの一例としての第1シートセンサSS1が設けられている。さらに、下流側搬送ローラ12Aと排出ローラ12Bとの間には、転写部50から送り出されるシートSの通過を検知する第2シートセンサSS2が設けられている。
ここで、第1シートセンサSS1および第2シートセンサSS2としては、例えば、シートSが接触することで回動するレバーと、レバーの位置を検知する光センサとからなるセンサを用いることができる。このような構成とすることで、第1シートセンサSS1および第2シートセンサSS2のそれぞれにおいて、シートSの先端が通過したこと、シートSの後端が通過したことを検知することが可能となっている。
また、第1シートセンサSS1は、シートSと接触することで第1姿勢となり、シートSから外れることで第2姿勢となるため、シートSが第1シートセンサSS1を通過する間、第1シートセンサSS1は第1姿勢に保たれる。第1姿勢に保持されている時間は、シートSの搬送方向の長さに対応しているため、第1シートセンサSS1は、シートSの搬送方向の長さも検知可能となっている。
なお、加圧ローラ51と加熱ローラ61との間でシートSおよび多層フィルムFを搬送しているときに、各ローラ51,61と巻取リール35との間で多層フィルムFが弛まないように、巻取リール35、詳しくは巻取軸部35Aの周速は、加圧ローラ51の周速よりも大きくなるように設定されている。詳しくは、周速の関係が前述の関係となるように、メインモータ80の駆動力を加圧ローラ51に伝達する伝達機構TMと、メインモータ80の駆動力を巻取リール35に伝達する機構が構成されている。
なお、各ローラ51,61で多層フィルムFを挟んでいる状態では、巻取軸部35Aの回転は加圧ローラの周速に規制されるので、層転写中においては、巻取軸部35Aの実際の周速と加圧ローラ51の実際の周速は略同じである。そのため、前述した巻取軸部35Aの周速とは、仮に各ローラ51,61がニップ解除状態で、かつ、負荷トルクLTが駆動トルクDTよりも小さい関係であるときの仮想の周速をいう。なお、実際の制御においては、巻取軸部35Aの周速がこのような仮想の周速になることはない。
本実施形態では、前述したトルク変更手段(供給側トルクリミッタTL2、第1負荷付与機構310およびリールクラッチC2)と、切替機構70と、伝達切替機構(ローラクラッチC5)とによって、規制切替手段が構成されている。規制切替手段は、供給リール31からの多層フィルムFの引き出しを規制する規制状態と、規制を解除する解除状態とに切替可能となっている。
詳しくは、規制切替手段は、切替機構70がニップ解除状態である場合には、ローラクラッチC5の状態に関わらず、リールクラッチC2が接続されてLT>DTになると規制状態となり、リールクラッチC2が切断されてLT<DTになると解除状態となる。また、規制切替手段は、切替機構70がニップ状態であり、かつ、リールクラッチC2が切断されてLT<DTになる場合には、ローラクラッチC5が切断、つまり遮断状態となることで規制状態となり、ローラクラッチC5が接続、つまり伝達状態となることで解除状態となる。また、規制切替手段は、リールクラッチC2が接続されてLT>DTとなり、かつ、ローラクラッチC5が接続されている場合には、切替機構70がニップ解除状態となることで規制状態となり、切替機構70がニップ状態となることで解除状態となる。
タッチパネルTPは、ユーザによって操作されるボタンなどを表示するパネルである。詳しくは、タッチパネルTPは、層転写の処理を全面転写モードで行うための第1ボタンB1と、層転写の処理を先端転写モードで行うための第2ボタンB2と、層転写の処理を後端転写モードで行うための第3ボタンB3とを、表示する。
ここで、全面転写モードとは、シートSの全体(詳しくは、画像形成が可能な領域の全体)にわたって形成されたトナー領域TA(図7(a)参照)に対して層転写を行うモードである。ここで、トナー領域TAは、文字や図形などのトナー像が形成される領域である。
先端転写モードとは、シートSの先端までの距離がシートSの後端までの距離よりも小さいトナー領域TAに対して転写層F22を転写するモードである。本実施形態では、先端転写モードにおいて、シートSの搬送方向の中央よりも先端側に形成されたトナー領域TAに対して転写層F22を転写することとする。
後端転写モードとは、シートSの後端までの距離がシートSの先端までの距離よりも小さいトナー領域TAに対して転写層F22を転写するモードである。本実施形態では、後端転写モードにおいて、シートSの搬送方向の中央よりも後端側に形成されたトナー領域TAに対して転写層F22を転写することとする。
ユーザは、タッチパネルTPに表示されたボタンB1〜B3を選択することで、各モードを選択することが可能となっている。ユーザが第1ボタンB1を選択した場合には、タッチパネルTPは、全面転写モードで層転写を実行させるための全面転写指令を制御部300に出力する。
ユーザが第2ボタンB2を選択した場合には、タッチパネルTPは、先端転写モードで層転写を実行させるための先端転写指令を制御部300に出力する。ユーザが第3ボタンB3を選択した場合には、タッチパネルTPは、後端転写モードで層転写を実行させるための後端転写指令を制御部300に出力する。なお、タッチパネルTPは、図1に示すように、例えばカバー22の上面に設けられている。
制御部300は、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、ROM等に記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。制御部300は、タッチパネルTPから出力されてくる指令に基づいて、前述した各モードで層転写を実行可能となっている。
制御部300は、各モードにおいて、メインモータ80の駆動中であって、かつ、トナー領域TAが加熱ローラ61と加圧ローラ51の間の層転写位置に存在しない場合に、規制切替手段を規制状態にする制御を実行する。また、制御部300は、各モードにおいて、メインモータ80の駆動中であって、かつ、シートS上のトナー領域TAが、層転写位置に存在する場合に、規制切替手段を解除状態にする制御を実行する。
図7(a)〜(d)に示すように、各モードにおいて大きく異なる点は、加熱ローラ61の位置を切り替えるタイミングである。なお、加熱ローラ61は、層転写を実行していない初期状態において、離間位置に位置している。
図7(a)に示すように、全面転写モードの前半の制御(トナー領域TAへの層転写前の制御)において、制御部300は、シートSの先端が加熱ローラ61と加圧ローラ51の間の層転写位置に到達する前に、加熱ローラ61を離間位置から圧接位置に移動させる。また、図7(b)に示すように、全面転写モードの後半の制御(トナー領域TAへの層転写後の制御)において、制御部300は、シートSの後端が層転写位置を通過した後に、加熱ローラ61を圧接位置から離間位置に移動させる。
先端転写モードの前半の制御は、全面転写モードの前半の制御(図7(a)参照)と同じである。図7(c)に示すように、先端転写モードの後半の制御において、制御部300は、全面転写モードとは異なり、シートSの後端が層転写位置を通過する前に、加熱ローラ61を圧接位置から離間位置に移動させる。
図7(d)に示すように、後端転写モードの前半の制御において、制御部300は、全面転写モードとは異なり、シートSの先端が層転写位置を通過した後に、加熱ローラ61を離間位置から圧接位置に移動させる。なお、後端転写モードの後半の制御は、全面転写モードの後半の制御(図7(b)参照)と同じである。
このように各モードにおいて加熱ローラ61の移動タイミングが異なることで、規制切替手段の状態が切り替わるタイミングが異なっている。厳密には、加熱ローラ61の移動タイミングの他、各クラッチC2,C5の切り替えも併せて行うことで、規制切替手段の状態が切り替わるタイミングが異なっている。
次に、制御部300の動作について、詳細に説明する。制御部300は、層転写装置1の電源が投入された後、図8に示す処理を繰り返し実行している。
図8に示す処理において、制御部300は、まず、全面転写指令があるか否かを判断する(S101)。ステップS101において全面転写指令があると判断した場合には(Yes)、制御部300は、全面転写処理を実行して(S102)、本処理を終了する。
ステップS101において全面転写指令がないと判断した場合には(No)、制御部300は、先端転写指令があるか否かを判断する(S103)。ステップS103において先端転写指令があると判断した場合には(Yes)、制御部300は、先端転写処理を実行して(S104)、本処理を終了する。
ステップS103において先端転写指令がないと判断した場合には(No)、制御部300は、後端転写指令があるか否かを判断する(S105)。ステップS105において後端転写指令があると判断した場合には(Yes)、制御部300は、後端転写処理を実行して(S106)、本処理を終了する。ステップS105において後端転写指令がないと判断した場合には(No)、制御部300は、本処理を終了する。
次に、図9および図12を参照して、全面転写処理について説明する。
図9に示す全面転写処理において、制御部300は、加熱ローラ61内のヒータをONにした後(S2、図12の時刻t1)、リールクラッチC2を接続する(S3、時刻t2)。ここで、図12の時刻t1〜t2間は、便宜上、短い時間間隔で図示しているが、実際には、ヒータをONにしてから加熱ローラ61の温度がある程度目標温度に近くなったときに、リールクラッチC2を接続する。なお、図12は、各部材の動作タイミングの順序を誇張して図示しているため、時間間隔については実際の時間間隔とは異なっている。
図9に示す全面転写処理において、制御部300は、加熱ローラ61内のヒータをONにした後(S2、図12の時刻t1)、リールクラッチC2を接続する(S3、時刻t2)。ここで、図12の時刻t1〜t2間は、便宜上、短い時間間隔で図示しているが、実際には、ヒータをONにしてから加熱ローラ61の温度がある程度目標温度に近くなったときに、リールクラッチC2を接続する。なお、図12は、各部材の動作タイミングの順序を誇張して図示しているため、時間間隔については実際の時間間隔とは異なっている。
ステップS3においてリールクラッチC2を接続すると、負荷トルクLTが、LT1+LT2となり、駆動トルクDTよりも大きくなる。ステップS3の後、制御部300は、メインモータ80をONにする(S4、時刻t3)。つまり、制御部300は、全面転写転写の指令を受けると、規制切替手段が規制状態にある状態で、メインモータ80を駆動する。メインモータ80をONにすると、メインモータ80の駆動力が巻取側トルクリミッタTL1を介して巻取リール35に伝達される。これにより、巻取リール35に駆動トルクDTが加わるが、ステップS3の処理によって、LT>DTとなっているため、負荷トルクLTによって供給リール31からの多層フィルムFの引き出しが規制される。そのため、駆動トルクDTが加わった巻取リール35によって多層フィルムFが引っ張られるが、供給リール31および巻取リール35の回転が止まっているため、多層フィルムFは、搬送されることなく、所定のテンションが加わった状態で止まっている。
ステップS4の後、制御部300は、ピックアップクラッチC1を接続することで、シートSの供給を実行する(S5、時刻t4)。詳しくは、制御部300は、1枚のシートSをピックアップローラ11Aで搬送するのに必要な時間αだけピックアップクラッチC1に電流を流すことで、ピックアップローラ11Aを所定時間だけ駆動させる。なお、ピックアップローラ11Aの駆動の停止は、第1シートセンサSS1でシートSの先端を検知したタイミングに基づいて決めてもよい。
ステップS5の後、制御部300は、接離モータ90をONにして、加熱ローラ61を離間位置から圧接位置へ移動させる第1切替制御を開始する(S6、時刻t6)。詳しくは、制御部300は、第1切替制御において、加熱ローラ61の移動に必要な時間βだけ接離モータ90に電流を流す。なお、制御部300は、後述する第2切替制御も第1切替制御と同様に行う。
ステップS6の後、詳しくは加熱ローラ61が圧接位置に移動した後、制御部300は、リールクラッチC2を切断する(S7、時刻t8)。これにより、加圧ローラ51および加熱ローラ61がニップ状態になった後に、負荷トルクLTが、LT1となって、駆動トルクDTよりも小さくなる。ここで、加圧ローラ51および加熱ローラ61がニップ状態になる前に、LT<DTにしてしまうと、巻取リール35が回転し始めて、多層フィルムFが無駄に搬送されてしまう。そのため、前述したように、加圧ローラ51および加熱ローラ61がニップ状態になった後、つまり加圧ローラ51と加熱ローラ61との間で多層フィルムFを挟んだ後に、LT<DTとすることで、巻取リール35が回転し始めるのを規制することができ、多層フィルムFの無駄な搬送が抑えられる。
ステップS7の後、制御部300は、ローラクラッチC5を接続する(S8、時刻t9)。これにより、メインモータ80から加圧ローラ51に駆動力が伝達されて、加圧ローラ51および加熱ローラ61が回転するので、多層フィルムFの搬送が開始される。
ここで、ステップS8の処理は、加熱ローラ61と加圧ローラ51とで多層フィルムFを挟み始めてから、シートSの先端が層転写位置に到達するまでの間に行うのが好ましい。本実施形態では、ステップS8の処理を、加熱ローラ61が圧接位置に位置してから、シートSの先端が層転写位置に到達するまでの間に行っている。
ここで、ステップS6〜S8の処理は、シートSの先端が上流側搬送ローラ11Cを通過してから、トナー領域TAが層転写位置に到達するまでの間に、規制切替手段を解除状態にする規制解除処理に相当する。規制解除処理は、多層フィルムFを搬送するための処理であるため、シートSが、加圧ローラ51と加熱ローラ61の間の層転写位置に到達する時刻t10の直前で行うのがよい。そのため、第1シートセンサSS1でシートSの先端を検知したタイミング(時刻t5)に基づいて、ステップS6〜S8の各処理を行うタイミングを決めればよい。
なお、ステップS6〜S8の各処理を行うタイミングは、略同時のタイミングで行うのが好ましい。また、ステップS6〜S8の各処理を行うタイミングは、本実施形態とは異なる順序で行ってもよいし、同時に行ってもよい。
なお、リールクラッチC2の切断のタイミングは、例えば、接離モータ90をONするタイミング(時刻t6)や、離間センサSAから加熱ローラ61が離間位置に位置しないことを示す信号を受けたタイミング(時刻t7)に基づいて決めることもできる。ここで、離間センサSAは、加熱ローラ61が離間位置に位置する間、第1信号(例えばLow信号)を出力し、加熱ローラ61が離間位置から移動し始めた直後に第2信号(例えばHigh信号)を出力する。そのため、加熱ローラ61が圧接位置に到達するタイミングは、接離モータ90の駆動中の時間βの間であって、離間センサSAから第2信号を受けた後のタイミングになるので、前述した各タイミング(時刻t6,t7)に基づいて、リールクラッチC2の切断のタイミングを決めてもよい。
ステップS8の後、制御部300は、トナー領域TA上のトナー像への層転写が完了したか否かを判断する(S9)。具体的には、制御部300は、第1シートセンサSS1でシートSの後端を検知(時刻t11)してからの経過時間に基づいて、層転写が完了したかを判断する。ここで、層転写の完了のタイミングは、シートSのトナー領域TAの後端が層転写位置を通過したタイミングや、シートSの後端が層転写位置を通過したタイミングや、シートSのトナー領域TAの後端が、剥離ローラとしての第2案内軸42(図1参照)を通過したタイミングなどとすることができる。
なお、本実施形態では、層転写の完了のタイミングを、シートSのトナー領域TAの後端が第2案内軸42を通過した後のタイミング、具体的には、シートSの後端が層転写位置を通過した時刻t12から所定時間後のタイミング(時刻t13)とする。このように層転写の完了のタイミングを設定することで、シートSのトナー像からの多層フィルムFの剥離が完了する前に多層フィルムFが止まることが抑制されるので、多層フィルムFをトナー像から良好に剥離することができる。
ステップS9において層転写が完了したと判断した場合には(Yes)、制御部300は、ローラクラッチC5を切断するとともに、接離モータ90をONにして、加熱ローラ61を圧接位置から離間位置へ移動させる第2切替制御を開始する(S10、時刻t13)。なお、本実施形態では、ローラクラッチC5の切断と接離モータ90のONを同時に行うこととするが、本発明はこれに限定されず、異なるタイミングで行ってもよい。
ステップS10においてローラクラッチC5を切断すると、メインモータ80から加圧ローラ51への駆動力の伝達が切れるので、加圧ローラ51および加熱ローラ61が停止して、多層フィルムFの搬送が止められる。また、ステップS10において接離モータ90をONにすると、加熱ローラ61の圧接位置から離間位置への移動が開始される。
つまり、制御部300は、シートSの後端が層転写位置を通過した後であって(時刻t12の後)、かつ、切替機構70がニップ解除状態になる前、つまり加熱ローラ61が離間位置に到達する前に、ローラクラッチC5による伝達状態から遮断状態への切り替えを開始する。
ステップS10の後、詳しくは加熱ローラ61の離間位置への移動を開始してから離間位置に到達する前(好ましくは加熱ローラ61が多層フィルムFから離れる前)までの間に、制御部300は、リールクラッチC2を接続する(S11、時刻t14)。これにより、リールクラッチC2を接続する前の状態では、加圧ローラ51と加熱ローラ61との間で多層フィルムFを挟んでいることで、多層フィルムFの搬送が止められている。
そして、リールクラッチC2の接続後は、負荷トルクLTが、LT1+LT2となって、駆動トルクDTよりも大きくなる。そのため、リールクラッチC2の接続後に、加熱ローラ61が多層フィルムFから離れても、大きな負荷トルクLTによって、巻取リール35が回転することが規制され、多層フィルムFは搬送されることなく、所定のテンションが加わった状態で止まっている。
ここで、ステップS10,S11の処理は、トナー領域TAが層転写位置を通過してからシートSの後端が下流側搬送ローラ12Aに到達するまでの間に、規制切替手段を規制状態にする層転写後規制処理に相当する。なお、ステップS10,S11の層転写後規制処理は、第1シートセンサSS1でシートSの後端を検知したタイミング(時刻t11)に基づいて行えばよい。ここで、ステップS10,S11の処理を、シートSの先端を検知したタイミング(時刻t5)に基づいて行うこともできるが、シートSの後端を検知したタイミング(時刻t11)の方がステップS10,S11の処理を行うタイミングに近いため、シートSの後端を検知したタイミング(時刻t11)に基づいてステップS10,S11の処理を行うことで、より精度のよいタイミングで各処理を行うことができる。
ステップS11の後、制御部300は、ヒータをOFFにする(S12、時刻t16)。ステップS12の後、制御部300は、メインモータ80をOFFにする(S13、時刻t17)。ステップS13の後、制御部300は、リールクラッチC2を切断して(S14、時刻t18)、本処理を終了する。なお、ステップS12〜S14の処理は、第2シートセンサSS2でシートSの後端を検知したタイミング(時刻t15)に基づいて行えばよい。
次に、図10および図13を参照して、先端転写処理について説明する。先端転写処理は、後半の一部の処理が全面転写処理と異なるだけで、その他の処理は全面転写処理と同様であるため、同じ処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
図10に示す先端転写処理において、制御部300は、ステップS1〜S8の処理を行った後、シートSの先端側に位置するトナー領域TA上のトナー像への層転写が完了したか否かを判断する(S31)。ここで、トナー像への層転写の完了の判断は、例えば、第1シートセンサSS1でシートSの先端を検知したタイミング、詳しくは先端を検知してからの経過時間に基づいて行えばよい。本実施形態では、シートSの後端が層転写位置に到達する前、例えばシートSの搬送方向の中央が層転写位置に到達したときに、層転写完了と判断することとする。
ステップS31において層転写が完了したと判断した場合には(Yes)、制御部300は、ステップS32〜S34に示す層転写後規制処理を開始する。詳しくは、ステップS32において、制御部300は、第2切替制御を開始して、加熱ローラ61の圧接位置から離間位置への移動を開始する(S32)。詳しくは、制御部300は、トナー領域TAが層転写位置を通過した後(時刻t31の後)であって、かつ、シートSの後端が層転写位置を通過する前(時刻t12よりも前)に、切替機構70によるニップ状態からニップ解除状態への切り替えを開始する(時刻t32)。
ステップS32の後、詳しくは、ニップ状態からニップ解除状態への切り替えを開始してからニップ解除状態になるまでの間(時刻t32〜t33間)に、制御部300は、リールクラッチC2を接続してLT>DTとする(S33)。なお、本実施形態では、ステップS31,S32の処理を略同時に行うこととする。
ステップS33の後、制御部300は、ローラクラッチC5を切断して加圧ローラ51の回転を止めることで、多層フィルムFの搬送を停止させる(S34,t34)。ステップS32〜S34に示す層転写後規制処理の後、制御部300は、ステップS12〜S14の処理を実行して、本処理を終了する。つまり、制御部300は、層転写後規制処理の後に、メインモータ80を停止させる(S13)。
次に、図11および図14を参照して、後端転写処理について説明する。後端転写処理は、前半の一部の処理が全面転写処理と異なるだけで、その他の処理は全面転写処理と同様であるため、同じ処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
図11に示す後端転写処理において、制御部300は、ステップS1〜S5の処理を行った後、第1切替制御を開始して、加熱ローラ61の離間位置から圧接位置への移動を開始する(S51)。詳しくは、制御部300は、シートSの先端が層転写位置を通過した後(時刻t10の後)に、切替機構70によるニップ解除状態からニップ状態への切替を開始する(時刻t51)。つまり、制御部300は、シートSの先端が層転写位置を通過した後に、ステップS51〜S53に示す規制解除処理を実行する。
ステップS51の後、制御部300は、ローラクラッチC5を接続して加圧ローラ51を回転させる(S52)。詳しくは、ステップS52において、制御部300は、加熱ローラ61と加圧ローラ51とで多層フィルムFおよびシートSを挟み始める前に、ローラクラッチC5を切断状態(遮断状態)から接続状態(伝達状態)に切り替える(時刻t52)。より詳しくは、制御部300は、離間センサSAの出力変化に応じてローラクラッチC5を切断状態から接続状態に切り替える。
ステップS52の後、制御部300は、リールクラッチC2を切断してLT<DTとする(S53)。詳しくは、制御部300は、加熱ローラ61と加圧ローラ51とで多層フィルムFおよびシートSを挟んだ後(時刻t53の後)に、LT<DTとする(時刻t54)。より詳しくは、制御部300は、離間センサSAの出力変化に応じてLT<DTとする。
ステップS53の後、制御部300は、シートSの後端側に位置するトナー領域TA上のトナー像への層転写が完了したか否かを判断する(S54)。ここで、層転写の完了の判断は、全面転写処理での層転写の完了判断と同様に行えばよい。
ステップS54において層転写が完了したと判断した場合には(Yes)、制御部300は、ステップS10〜S14の処理を実行して、本処理を終了する。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
トナー領域TAが加熱ローラ61と加圧ローラ51の間に存在しない場合には、規制切替手段によって供給リール31からの多層フィルムFの引き出しが規制されるので、多層フィルムFが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
トナー領域TAが加熱ローラ61と加圧ローラ51の間に存在しない場合には、規制切替手段によって供給リール31からの多層フィルムFの引き出しが規制されるので、多層フィルムFが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
規制切替手段が規制状態にある状態でメインモータ80を駆動するので、例えば規制切替手段が解除状態にある状態でメインモータを駆動する方法に比べ、多層フィルムFが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
シートSの先端が上流側搬送ローラ11Cを通過してから、トナー領域TAが層転写位置に到達するまでの間に、規制切替手段を解除状態にするので、例えばシートの先端が上流側搬送ローラを通過する前に規制切替手段を解除状態にする方法に比べ、多層フィルムFが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
後端転写処理において、シートSの先端が層転写位置を通過した後に、規制切替手段を解除状態にするので、例えばシートの先端が層転写位置を通過する前に規制切替手段を解除状態にする方法に比べ、多層フィルムFが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
トナー領域TAが層転写位置を通過してからシートSの後端が下流側搬送ローラ12Aに到達するまでの間に、規制切替手段を規制状態にするので、例えばシートの後端が下流側搬送ローラを通過した後に規制処理を実行する方法に比べ、多層フィルムFが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
先端転写処理において、シートSの後端が層転写位置に到達する前に、規制切替手段を規制状態にするので、例えばシートの後端が層転写位置を通過した後に規制切替手段を規制状態にする方法に比べ、多層フィルムFが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
先端転写処理において、例えば第1シートセンサによってシートの後端を検知したタイミング(図13、時刻t11)に基づいて層転写後規制処理を開始(時刻t32)する場合には、トナー領域TAが層転写位置を通過した後にシートSの後端が検知され、その後に層転写後規制処理を開始しなければならないので、層転写後規制処理の開始が遅れるおそれがある。これに対し、前述した構成では、第1シートセンサSS1によってシートSの先端を検知したタイミング(時刻t5)に基づいて層転写後規制処理の開始タイミング(時刻t32)を決めるので、例えばトナー領域TAが層転写位置を通過した直後に層転写後規制処理を開始することが可能となり、多層フィルムFが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
後端転写処理においては、トナー領域TAが層転写位置を通過し終わる前(時刻t12の前)にシートSの後端が検知されるので(時刻t11)、後端を検知したタイミングに基づいて層転写後規制処理を良好に行うことができる。また、後端転写処理において、例えば先端を検知したタイミングに基づいて層転写後規制処理を開始する方法に比べ、第1シートセンサSS1での検知から層転写後規制処理の開始までの時間を短くできるので、層転写後規制処理の開始タイミングに誤差が生じるのを抑えることができる。
トナー領域TAが剥離ローラである第2案内軸42を通過した後に、層転写後規制処理を開始するので、トナー領域TAから多層フィルムFを良好に剥離させることができ、剥離不良を抑制することができる。
層転写後規制処理の後にメインモータ80を停止させるので、例えば層転写後規制処理の前にメインモータ80を停止させる方法に比べ、多層フィルムFが無駄に搬送されるのを抑制することができる。
LT>DTで、かつ、加圧ローラ51の回転中において、切替機構70をニップ解除状態とすることで、加熱ローラ61が多層フィルムFから離れるので、多層フィルムFの無駄な搬送を抑制することができる。
切替機構70がニップ状態である場合に、ローラクラッチC5を切断することで、多層フィルムFが搬送されなくなるので、多層フィルムFの無駄な搬送を抑制することができる。
先端転写処理において、例えば加熱ローラと加圧ローラとで多層フィルムを挟み始めるよりも前にローラクラッチを切断状態から接続状態に切り替える場合には、挟み始めた瞬間に多層フィルムが搬送され、無駄になる。これに対し、本実施形態では、先端転写処理において、加熱ローラ61と加圧ローラ51とで多層フィルムFを挟み始めた後にローラクラッチを切断状態から接続状態に切り替えるので、多層フィルムFの無駄な搬送を抑制することができる。
後端転写処理において、例えば加熱ローラと加圧ローラとで多層フィルムおよびシートを挟み始めたときに、各ローラが停止している場合には、停止した各ローラがシートの搬送の抵抗となる。これに対し、本実施形態では、後端転写処理において、加熱ローラ61と加圧ローラ51とで多層フィルムFおよびシートSを挟み始める前に各ローラ61,51を駆動させるため、シートSの搬送をスムーズに行うことができる。
先端転写処理において、例えばニップ状態からニップ解除状態への切り替えを開始する前に、ローラクラッチを切断する方法では、各ローラでシートおよび多層フィルムを挟んだ状態で各ローラの回転が止められ、各ローラがシートの搬送の抵抗となる。これに対し、本実施形態では、先端転写処理において、ニップ状態からニップ解除状態への切り替えの開始後に、ローラクラッチC5を切断するため、各ローラ61,51がシートSの搬送の抵抗となるのを抑えることができ、シートSの搬送をスムーズに行うことができる。
負荷トルクLTを駆動トルクDTよりも大きくすることで多層フィルムFの搬送を止めることができる。また、負荷トルクLTを駆動トルクDTよりも小さくすることでシートSおよび多層フィルムFの搬送をスムーズに行うことができる。
ニップ状態からニップ解除状態への切り替えを開始してからニップ解除状態になるまでの間に、LT>DTとすることで、例えば切替機構がニップ解除状態になった後にLT>DTとする場合と比べ、多層フィルムFを止めるタイミングを早めることができるので、多層フィルムFの無駄な搬送を抑制することができる。
例えば、先端転写処理において、シートの搬送を止めないように、加熱ローラと加圧ローラとで多層フィルムおよびシートを挟み始める前から各ローラを駆動する場合において、加熱ローラと加圧ローラとで多層フィルムおよびシートを挟み始める前に負荷トルクを駆動トルクよりも小さくすると、各ローラで多層フィルムおよびシートを挟んだ瞬間から多層フィルムおよびシートが搬送されてしまい、その分多層フィルムが無駄になる。これに対し、本実施形態では、各ローラ61,51で多層フィルムFおよびシートSを挟んだ後に負荷トルクLTを駆動トルクDTよりも小さくするので、多層フィルムFの無駄な搬送を抑制することができる。
例えば、切替機構がニップ解除状態になった後に負荷トルクを駆動トルクよりも大きくする場合には、ローラが多層フィルムから離れてから負荷トルクが大きくなるまでの間において、多層フィルムが無駄に搬送されてしまう。これに対し、本実施形態では、切替機構70がニップ解除状態になる前、詳しくは加熱ローラ61が多層フィルムFから離れる前に、負荷トルクLTを駆動トルクDTよりも大きくするので、多層フィルムFの無駄な搬送を抑制することができる。
メインモータ80の駆動力を加圧ローラ51に伝達するように構成したので、例えば移動可能な加熱ローラにメインモータを繋げる構造に比べ、構造を簡易化することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
前記実施形態では、レーザプリンタ等の画像形成装置とは別の装置として層転写装置1を構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図15に示すように、層転写装置1は、画像形成装置としてのレーザプリンタPTと一体に構成されていてもよい。
図15に示すように、レーザプリンタPTは、シートSを収容するシートトレイPT1と、シートSを供給する供給部PT2と、供給部PT2から送られてくるシートSにトナー像を形成する画像形成部PT3と、シートS上にトナー像を定着させる定着装置PT4と、トナー像が定着されたシートSを、レーザプリンタPTの外、または、層転写装置1に向けて搬送する搬送機構PT5とを備えている。
層転写装置1は、前記実施形態と同様に構成される、フィルムユニットFU、加圧ローラ51、加熱ローラ61および切替機構70を備える。そして、層転写装置1は、図6に簡略的に示した構成と同様の構成となっている。
レーザプリンタPTは、図16に示すタッチパネルTPを備えている。タッチパネルTPは、層転写の処理を通常モードで行うための通常ボタンB4と、層転写の処理を層節約モードで行うための層節約ボタンB5とを、表示する。ユーザは、タッチパネルTPに表示されたボタンB4,B5を選択することで、各モードを選択することが可能となっている。ユーザが各ボタンB4,B5を選択した場合には、タッチパネルTPは、選択されたモードで層転写を実行させるための指令を制御部300に出力する。
ここで、通常モードとは、図17(a)に示すように、搬送方向において所定長さのシートSに転写層F22を転写する場合において、切替機構70をニップ状態にしている時間である層搬送時間を、所定長さのシートSのうちトナー像が形成可能な画像形成領域全体が層転写位置を通過するのにかかる時間以上の第1時間T1とする通常処理を実行可能なモードである。本実施形態では、第1時間T1を、シートSが層転写位置を通過する時間Tαよりも長い時間とする。
また、層節約モードとは、図17(b)に示すように、前述した層搬送時間を、第1時間T1よりも短い第2時間T2とする節約転写処理を実行可能なモードである。ここで、節約転写処理とは、トナー像を有する第1トナー領域と、トナー像が存在しない非トナー領域と、トナー像を有する第2トナー領域とが、この順で層転写位置を通過する場合において、少なくとも第1トナー領域が層転写位置を通過する間、切替機構70をニップ状態にし、第1トナー領域が層転写位置を通過した後、切替機構70をニップ解除状態にし、少なくとも第2トナー領域が層転写位置を通過する間、切替機構70をニップ状態にする処理である。
図17(b)には、1枚のシートSに2つのトナー領域TAが離れて形成されている例を示す。この場合、層節約モードにおいて、1つ目のトナー領域TAが層転写位置を通過する時間T21の間と、2つ目のトナー領域TAが層転写位置を通過する時間T22の間だけ切替機構70をニップ状態にしている。そのため、この場合には、層搬送時間である第2時間T2は、T21+T22となる。
また、図18(a)に示すように、複数枚のシートSに対して連続して層転写を行う場合(以下、「連続転写」ともいう。)には、通常モードでは、最初のシートSが層転写位置に到達してから最後のシートSが層転写位置を抜けるまでの間、切替機構70をニップ状態にする。ここで、連続転写とは、所定の間隔で搬送する複数枚のシートSに対して連続して層転写を行うことをいう。
また、図18(b)に示すように、連続転写を層節約モードで行う場合には、各シートS上のトナー領域TAが層転写位置を通過する間だけ、切替機構70をニップ状態にする。ここで、図18(b)では、各シートSの画像形成領域全体にトナー領域TAが設定されている例を示す。
次に、制御部300の動作について説明する。制御部300は、レーザプリンタPTの電源が投入された後、図19に示す処理を繰り返し実行している。
図19に示す処理において、制御部300は、まず、印刷転写指令があるか否かを判断する(S201)。ここで、印刷転写指令は、レーザプリンタPTで印刷を行った後、シートSを層転写装置1に搬送して、層転写装置1において層転写を行うための指令である。ステップS201において印刷転写指令がないと判断した場合には(No)、制御部300は、本処理を終了する。
ステップS201において印刷転写指令があると判断した場合には(Yes)、制御部300は、タッチパネルTPからの信号に基づいて、通常モードが選択されているか否かを判断する(S202)。なお、制御部300は、印刷転写指令を受けると、公知の印刷処理を実行して、シートSにトナー像を形成するとともに、トナー像が形成されたシートSを層転写装置1に搬送する。
ステップS202において通常モードが選択されていると判断した場合には(Yes)、制御部300は、通常モードを実行する(S203)。また、ステップS202において通常モードが選択されていないと判断した場合には(No)、制御部300は、層節約モードが選択されていると判断して、層節約モードを実行する(S204)。
図20に示す通常モードにおいて、制御部300は、連続転写を実行するか否か、つまり印刷転写指令で複数枚のシートSに対して印刷・層転写の指示がなされているか否かを判断する(S211)。ステップS211において連続転写を実行しないと判断した場合には(No)、制御部300は、前記実施形態と同様の全面転写処理(図9の処理)を実行する。
ステップS211において連続転写を実行すると判断した場合には(Yes)、制御部300は、最初のシートSが層転写位置に到達してから最後のシートSが層転写位置を抜けるまでの間、切替機構70をニップ状態にする(S212)。なお、ステップS212において、切替機構70をニップ解除状態からニップ状態に切り替えるタイミングは、全面転写処理の前半の処理と同じタイミングで行えばよい。また、ステップS212において、切替機構70をニップ状態からニップ解除状態に切り替えるタイミングは、全面転写処理の後半の処理と同じタイミングで行えばよい。
詳しくは、最初のシートSが層転写位置に到達するまでの間、制御部300は、前述したステップS2〜S8の処理を実行する。ステップS8の後、制御部300は、最後のシートSが層転写位置を抜けるまでの間、何もしない。そして、最後のシートSが層転写位置を抜けた後、制御部300は、前述したステップS10〜S14の処理を実行する。
次に、図21を参照して、層節約モードについて説明する。なお、制御部300は、層節約モードにおいて、印刷転写指令に含まれる画像の情報に基づいて、トナー像を有するトナー領域と、トナー像を有さない非トナー領域とを設定するように構成されている。具体的には、制御部300は、例えば1枚のシートSの搬送方向における所定の第1範囲にトナー像が形成されると判断した場合には、第1範囲を第1トナー領域として設定する。また、制御部300は、第1範囲から離れた第2範囲にトナー像が形成されると判断した場合には、第2範囲を第2トナー領域として設定する。さらに、制御部300は、第1範囲と第2範囲の間の範囲である第3範囲にトナー像が形成されないと判断した場合には、第3範囲を非トナー領域として設定する。
層節約モードにおいて、制御部300は、まず、連続転写を実行するか否かを判断する(S221)。ステップS221において連続転写を実行しないと判断した場合には(No)、制御部300は、1枚のシートSに対する層転写において、節約転写処理の実行可能要件を満たすか否かを判断する(S222)。
具体的に、制御部300は、ステップS222において、以下の式(1)を満たすか否かを判断する。
X > V・t+L+α ・・・(1)
X:非トナー領域の搬送方向の長さ
V:シートSの搬送速度
t:ニップ状態からニップ解除状態を経て再びニップ状態に切り替えるための最短時間
L:層転写位置から第2案内軸42までの長さ
α:設計バラツキ(部品寸法公差による速度バラツキ、距離のバラツキ、加熱ローラ61の圧接タイミング、離間タイミングのバラツキを含む。)
X > V・t+L+α ・・・(1)
X:非トナー領域の搬送方向の長さ
V:シートSの搬送速度
t:ニップ状態からニップ解除状態を経て再びニップ状態に切り替えるための最短時間
L:層転写位置から第2案内軸42までの長さ
α:設計バラツキ(部品寸法公差による速度バラツキ、距離のバラツキ、加熱ローラ61の圧接タイミング、離間タイミングのバラツキを含む。)
ステップS222において実行可能要件を満たすと判断した場合には(Yes)、制御部300は、節約転写処理を実行する(S223)。ステップS222において実行可能要件を満たさないと判断した場合には(No)、制御部300は、前述した全面転写処理(図9の処理)を実行する(S102)。
ステップS221において連続転写を実行すると判断した場合には(Yes)、制御部300は、連続転写において、節約転写処理の実行可能要件を満たすか否かを判断する(S224)。詳しくは、制御部300は、ステップS224において、前述した式(1)におけるXを、以下の式(2)に基づいて算出する。
X = X1+Y1+X2 ・・・(2)
X1:第1シートの後端側の第1非トナー領域の搬送方向の長さ
X2:第1シートの次に搬送される第2シートの先端側の第2非トナー領域の搬送方向の長さ
Y1:第1シートと第2シートの間隔
X = X1+Y1+X2 ・・・(2)
X1:第1シートの後端側の第1非トナー領域の搬送方向の長さ
X2:第1シートの次に搬送される第2シートの先端側の第2非トナー領域の搬送方向の長さ
Y1:第1シートと第2シートの間隔
ステップS224において実行可能要件を満たすと判断した場合には(Yes)、制御部300は、節約転写処理を実行する(S226)。ステップS224において実行可能要件を満たさないと判断した場合には(No)、制御部300は、シート搬送部10を制御することで、第1シートと第2シートの間隔Y1を大きくする調整処理を実行した後に(S225)、節約転写処理を実行する(S226)。
詳しくは、制御部300は、調整処理において、第2シートの搬送開始タイミング(ピックアップローラ11AでのシートSの供給タイミング)を、実行可能条件を満たさないと判断した場合よりも遅らせることで、第1シートと第2シートの間隔Y1を大きくする。なお、調整処理において、シート搬送部10を制御することで、シートSの搬送速度Vを小さくしてもよい。
この形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
層節約モードを実行することで、通常モードよりも多層フィルムFの無駄な搬送を抑制することができる。
層節約モードを実行することで、通常モードよりも多層フィルムFの無駄な搬送を抑制することができる。
1枚のシートSに2つのトナー領域が離れて存在する場合であっても、層節約モードを実行することで、多層フィルムFの無駄な搬送を抑制しながら、層転写を良好に行うことができる。
1枚のシートSに対して層転写を行う場合において、式(1)を満たした場合に節約転写処理を実行するので、第1トナー領域に転写した転写層F22から支持層F1をきれいに剥離させることができるとともに、第2トナー領域が層転写位置に到達する前に切替機構70をニップ状態にして、第2トナー領域に対して良好に転写層F22を転写することができる。
複数枚のシートSに対して層転写を連続して行う場合において、X=X1+Y1+X2としたので、複数枚のシートSに対して層転写を連続して行う場合にも、節約転写処理を良好に行うことができる。
複数枚のシートSに対して層転写を連続して行う際に、節約転写処理の実行可能条件を満たさない場合には、調整処理が実行されるので、層転写を連続して行う場合において、節約転写処理を実行できる可能性を高めることができる。
なお、制御部300は、層節約モードとして、図22に示す先端転写処理を実行する先端転写モードと、図23に示す後端転写処理を実行する後端転写モードと、を実行可能であってもよい。ここで、図22、図23に示す先端転写処理および後端転写処理は、前述した図10、図11に示す先端転写処理および後端転写処理を一部変更したものであるため、同様の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
図22に示す先端転写処理において、制御部300は、前述したステップS2〜S8の処理を実行した後、シートSの搬送方向の長さが所定長さ以上であるか否かを判断する(S301)。ここで、所定長さは、上流側搬送ローラ11Cと下流側搬送ローラ12Aのローラピッチ以上の長さである。
ステップS301において所定長さ以上であると判断した場合には(Yes)、制御部300は、前述したステップS31〜S34,S12〜S14の処理を実行する。つまり、制御部300は、先端転写モードにおいて、シートSの搬送方向の長さが所定長さ以上であると判断すると、シートSの後端が層転写位置を通過する前のタイミングであって、前記実施形態で示したタイミング(ステップS31で層転写が完了したと判断したタイミング)で、切替機構70をニップ解除状態に切り替える(S32)。
ステップS301において所定長さ未満であると判断した場合には(No)、制御部300は、シートSの先端が下流側搬送ローラ12Aに到達したか否かを判断する(S302)。ステップS302において到達したと判断すると(Yes)、制御部300は、切替機構70をニップ解除状態に切り替える(S32)。詳しくは、制御部300は、シートSの搬送方向の長さが所定長さ未満であると判断した場合には(S302:Yes)、シートSの先端が下流側搬送ローラ12Aに到達した後のタイミングであって、かつ、所定長さ以上であると判断した場合よりも遅いタイミングで、切替機構70をニップ解除状態に切り替える(S32)。
図23に示す後端転写処理において、制御部300は、前述したステップS2〜S5の処理を実行した後、シートSの搬送方向の長さが所定長さ以上であるか否かを判断する(S311)。ここで、所定長さは、上流側搬送ローラ11Cと下流側搬送ローラ12Aのローラピッチである。
ステップS311において所定長さ以上であると判断した場合には(Yes)、制御部300は、前述したステップS51〜S54,S10〜S14の処理を実行する。つまり、制御部300は、後端転写モードにおいて、シートSの搬送方向の長さが所定長さ以上であると判断すると、シートSの先端が層転写位置を通過した後の所定のタイミングで、切替機構70をニップ状態に切り替える(S51)。
ステップS311において所定長さ未満であると判断した場合には(No)、制御部300は、シートSの後端が上流側搬送ローラ11Cを通過する前のタイミングであって、かつ、所定長さ以上であると判断した場合よりも早いタイミングで、切替機構70をニップ状態に切り替える(S312)。ステップS312の後、制御部300は、前述したステップS52〜S54,S10〜S14の処理を実行する。
以上、この形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
層節約モードとして先端転写モードと後端転写モードを実行するので、トナー領域TAの位置に応じて、多層フィルムFの無駄な搬送を抑制することができる。
層節約モードとして先端転写モードと後端転写モードを実行するので、トナー領域TAの位置に応じて、多層フィルムFの無駄な搬送を抑制することができる。
後端転写モードにおいて、ステップS312の処理を実行することで、小サイズのシートSが、上流側搬送ローラ11Cで送り出された後、止まってしまうのを抑えることができるので、小サイズのシートSをスムーズに搬送することができる。
先端転写モードにおいて、ステップS302でYesと判断するタイミングで切替機構70をニップ解除状態とするので、小サイズのシートSの先端が下流側搬送ローラ12Aに到達する前に切替機構70がニップ解除状態となることによって小サイズのシートSが層転写装置1内に残ってしまうのを抑制することができる。
前記実施形態では、加熱ローラ61を多層フィルムFから離間させることで切替機構70をニップ解除状態にしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、加圧ローラを多層フィルムから離間させる、または、加熱ローラと加圧ローラの両方を多層フィルムから離間させることで、切替機構をニップ解除状態としてもよい。
また、ニップ解除状態において各ローラが多層フィルムに接触していてもよい。つまり、切替機構は、加熱ローラと加圧ローラのニップ圧を所定値にするニップ状態と、ニップ圧を所定値よりも小さくするニップ解除状態とに切替可能に構成されていてもよい。
これによれば、切替機構をニップ解除状態とすることで、ニップ圧が弱まるので、各ローラによる多層フィルムの無駄な搬送を抑制することができる。
前記実施形態では、操作部の一例としてタッチパネルTPを例示したが、本発明はこれに限定されず、操作部は、例えばユーザの操作によって押圧位置と解除位置に移動可能な押しボタン(スイッチ)などであってもよい。
前記実施形態では、操作部からの信号に基づいて制御部が各モードを実行するように構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置と層転写装置が一体に構成される場合には、印刷転写指令に含まれる画像データに基づいて制御部がシート上のトナー領域の大きさや位置を判断し、トナー領域の大きさや位置に基づいて各モードを選択してもよい。
前記実施形態では、状態検知センサとして光センサを例示したが、本発明はこれに限定されず、状態検知センサは、例えば、切替機構に連動するレバーと、レバーの位置を検知する光センサとで構成してもよい。
前記実施形態では、シート検知センサを、レバーと、レバーの位置を検知する光センサとで構成したが、本発明はこれに限定されず、シート検知センサは、例えば、光センサのみで構成されていてもよい。
前記実施形態では、多層フィルムFの搬送を止めるために、LT>DTとする構成としたが、本発明はこれに限定されず、LT≧DTとする構成としてもよい。
前記実施形態では、トルク変更手段として、供給リール31に付与する負荷トルクLTを変更するリールクラッチC2および供給側トルクリミッタTL2を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、トルク変更手段は、駆動トルクの大きさを変更するものであってもよい。例えば、巻取リールを駆動するためのモータを、メインモータとは別の専用モータとし、この専用モータをトルク変更手段としてもよい。この場合、専用モータの駆動・停止を切り替えることで、負荷トルクLTと駆動トルクDTの関係を、LT<DTとLT=DTとすることができる。
また、トルク変更手段は、供給リール31に係合して供給リール31の回転を止める係合位置と、供給リール31から外れて供給リール31の回転を許可する退避位置との間で移動可能な部材としてもよい。つまり、供給リールの回転をロック・解除可能な機械的なロック機構であってもよい。
なお、ローラクラッチC5およびピックアップクラッチC1の代わりに、加圧ローラ51を回転させるための専用のモータと、ピックアップローラ11Aを回転させるための専用のモータを設けてもよい。
前記実施形態では、伝達切替機構として、ローラクラッチC5を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、加圧ローラまたは加熱ローラに駆動力を伝達するための伝達機構の所定のギヤに噛み合う位置と、所定のギヤから外れる位置との間で揺動する振子ギヤなどであってもよい。
前記実施形態では、箔を含む転写層F22を例示したが、本発明はこれに限定されず、転写層は、例えば、箔や着色材料を含まず、熱可塑性樹脂から形成されていてもよい。
前記実施形態では、多層フィルムFを4層で構成したが、本発明はこれに限定されず、多層フィルムは、転写層と支持層を有していれば、層の数はいくつであってもよい。
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
1 層転写装置
31 供給リール
35 巻取リール
51 加圧ローラ
61 加熱ローラ
70 切替機構
80 メインモータ
300 制御部
C2 リールクラッチ
C5 ローラクラッチ
F 多層フィルム
F1 支持層
F22 転写層
S シート
TA トナー領域
31 供給リール
35 巻取リール
51 加圧ローラ
61 加熱ローラ
70 切替機構
80 メインモータ
300 制御部
C2 リールクラッチ
C5 ローラクラッチ
F 多層フィルム
F1 支持層
F22 転写層
S シート
TA トナー領域
Claims (38)
- シートに形成されたトナー像の上に転写層を転写する層転写装置であって、
前記転写層と、前記転写層を支持する支持層と、を有する多層フィルムが巻回される供給リールと、
前記多層フィルムを巻き取るための巻取リールと、
前記巻取リールを駆動する駆動源と、
前記供給リールからの前記多層フィルムの引き出しを規制する規制状態と、前記規制を解除する解除状態とに切替可能な規制切替手段と、
前記多層フィルムおよび前記シートを加熱する加熱ローラと、
前記加熱ローラとの間で前記多層フィルムおよび前記シートを挟んだ状態で回転することで前記多層フィルムと前記シートを搬送する加圧ローラと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記駆動源の駆動中に、前記シート上において前記トナー像が形成されたトナー領域が、前記加熱ローラと前記加圧ローラの間の層転写位置に存在しない場合に、前記規制切替手段を前記規制状態にし、
前記駆動源の駆動中に、前記トナー領域が、前記層転写位置に存在する場合に、前記規制切替手段を前記解除状態にすることを特徴とする層転写装置。 - 前記制御部は、前記転写層の転写の指令を受けると、前記規制切替手段が前記規制状態にある状態で、前記駆動源を駆動することを特徴とする請求項1に記載の層転写装置。
- 前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの上流側に配置される上流側搬送部材を備え、
前記制御部は、前記シートの先端が前記上流側搬送部材を通過してから、前記トナー領域が前記層転写位置に到達するまでの間に、前記規制切替手段を前記解除状態にする規制解除処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、前記トナー領域から前記シートの後端までの距離が前記トナー領域から前記シートの先端までの距離よりも小さい場合に、前記シートの先端が前記層転写位置を通過した後に、前記規制解除処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の層転写装置。
- 前記シートの後端までの距離が前記シートの先端までの距離よりも小さいトナー領域に対して前記転写層を転写するための後端転写指令を前記制御部に出力可能な操作部を備え、
前記制御部は、前記後端転写指令を受けると、前記規制解除処理を実行することを特徴とする請求項4に記載の層転写装置。 - 前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの下流側に配置される下流側搬送部材を備え、
前記制御部は、前記トナー領域が前記層転写位置を通過してから前記シートの後端が前記下流側搬送部材に到達するまでの間に、前記規制切替手段を前記規制状態にする層転写後規制処理を実行することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、前記トナー領域から前記シートの先端までの距離が前記トナー領域から前記シートの後端までの距離よりも小さい場合に、前記シートの後端が前記層転写位置に到達する前に、前記層転写後規制処理を実行することを特徴とする請求項6に記載の層転写装置。
- 前記シートの先端までの距離が前記シートの後端までの距離よりも小さいトナー領域に対して前記転写層を転写するための先端転写指令を前記制御部に出力可能な操作部を備え、
前記制御部は、前記先端転写指令を受けると、前記層転写後規制処理を実行することを特徴とする請求項7に記載の層転写装置。 - 前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの上流側に配置され、前記シートの先端の通過を検知可能なシート検知センサを備え、
前記制御部は、前記トナー領域から前記シートの先端までの距離が前記トナー領域から前記シートの後端までの距離よりも小さい場合に、前記シート検知センサによって前記シートの先端を検知したタイミングに基づいて、前記層転写後規制処理を開始することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の層転写装置。 - 前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの上流側に配置され、前記シートの後端の通過を検知可能なシート検知センサを備え、
前記制御部は、前記トナー領域が前記シートの後端側に位置する場合に、前記シート検知センサによって前記シートの後端を検知したタイミングに基づいて、前記層転写後規制処理を開始することを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の層転写装置。 - 前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの下流側に配置され、前記シートから離れる方向に前記多層フィルムを案内する剥離ローラを備え、
前記制御部は、前記トナー領域が前記剥離ローラを通過した後に、前記層転写後規制処理を開始することを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、前記層転写後規制処理の後に、前記駆動源を停止させることを特徴とする請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の層転写装置。
- 前記規制切替手段は、前記加熱ローラと前記加圧ローラのニップ圧を所定値にするニップ状態と、前記ニップ圧を前記所定値よりも小さくするニップ解除状態とに切替可能な切替機構を備え、
前記制御部は、
前記切替機構を前記ニップ解除状態とすることで、前記規制切替手段を前記規制状態にし、
前記切替機構を前記ニップ状態とすることで、前記規制切替手段を前記解除状態にすることを特徴とする請求項6から請求項12のいずれか1項に記載の層転写装置。 - 前記切替機構は、前記ニップ解除状態において、前記多層フィルムから前記加熱ローラおよび前記加圧ローラの少なくとも一方を離間させることを特徴とする請求項13に記載の層転写装置。
- 前記規制切替手段は、
前記駆動源の駆動力を前記加圧ローラまたは前記加熱ローラに伝達する伝達状態と、前記加圧ローラまたは前記加熱ローラへの駆動力の伝達を遮断する遮断状態とを切り替える伝達切替機構を備え、
前記制御部は、
前記伝達切替機構を前記遮断状態とすることで、前記規制切替手段を前記規制状態にし、
前記伝達切替機構を前記伝達状態とすることで、前記規制切替手段を前記解除状態にすることを特徴とする請求項14に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、前記加熱ローラと前記加圧ローラとで前記多層フィルムを挟み始めてから、前記シートの先端が前記層転写位置に到達するまでの間に、前記伝達切替機構を前記遮断状態から前記伝達状態に切り替えることを特徴とする請求項15に記載の層転写装置。
- 前記制御部は、
前記トナー領域から前記シートの後端までの距離が前記トナー領域から前記シートの先端までの距離よりも小さい場合には、
前記シートの先端が前記層転写位置を通過した後に、前記切替機構による前記ニップ解除状態から前記ニップ状態への切替を開始し、
前記加熱ローラと前記加圧ローラとで前記多層フィルムおよび前記シートを挟み始める前に、前記伝達切替機構を前記遮断状態から前記伝達状態に切り替えることを特徴とする請求項15に記載の層転写装置。 - 前記切替機構が前記ニップ解除状態であることを検知する状態検知センサを備え、
前記制御部は、前記状態検知センサの出力変化に応じて前記伝達切替機構を前記遮断状態から前記伝達状態に切り替えることを特徴とする請求項17に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、
前記シートの後端が前記層転写位置を通過した後であって、かつ、前記切替機構が前記ニップ解除状態になる前に、前記伝達切替機構による前記伝達状態から前記遮断状態への切り替えを開始することを特徴とする請求項15から請求項18のいずれか1項に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、
前記トナー領域から前記シートの先端までの距離が前記トナー領域から前記シートの後端までの距離よりも小さい場合には、
前記シートの後端が前記層転写位置を通過する前から前記切替機構による前記ニップ状態から前記ニップ解除状態への切り替えを開始し、
前記ニップ状態から前記ニップ解除状態への切り替えの開始後に、前記伝達切替機構を前記伝達状態から前記遮断状態に切り替えることを特徴とする請求項15から請求項19のいずれか1項に記載の層転写装置。 - 前記規制切替手段は、
前記供給リールに加わる負荷トルクと前記巻取リールに加わる駆動トルクとの関係を変更可能なトルク変更手段を備え、
前記制御部は、
前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも大きくすることで、前記規制切替手段を前記規制状態にし、
前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも小さくすることで、前記規制切替手段を前記解除状態にすることを特徴とする請求項15から請求項20のいずれか1項に記載の層転写装置。 - 前記トルク変更手段は、前記供給リールに負荷トルクを付与する負荷付与手段を有し、
前記制御部は、
前記負荷付与手段から前記供給リールに負荷トルクを付与することで、前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも大きくし、
前記負荷付与手段から前記供給リールへの負荷トルクの付与を解除することで、前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも小さくすることを特徴とする請求項21に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、
前記トナー領域が前記層転写位置を通過してから前記シートの後端が前記層転写位置に到達する前に、前記切替機構による前記ニップ状態から前記ニップ解除状態への切り替えを開始し、
前記ニップ状態から前記ニップ解除状態への切り替えを開始してから前記ニップ解除状態になるまでの間に、前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも大きくすることを特徴とする請求項21または請求項22に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、
前記トナー領域から前記シートの後端までの距離が前記トナー領域から前記シートの先端までの距離よりも小さい場合には、
前記加熱ローラと前記加圧ローラとで前記多層フィルムおよび前記シートを挟み始める前に、前記伝達切替機構を前記遮断状態から前記伝達状態に切り替え、
前記加熱ローラと前記加圧ローラとで前記多層フィルムおよび前記シートを挟んだ後に、前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも小さくすることを特徴とする請求項21から請求項23のいずれか1項に記載の層転写装置。 - 前記切替機構が前記ニップ解除状態であることを検知する状態検知センサを備え、
前記制御部は、前記状態検知センサの出力変化に応じて前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも小さくすることを特徴とする請求項24に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、
前記シートの後端が前記層転写位置を通過してから前記切替機構による前記ニップ状態から前記ニップ解除状態への切り替えを開始し、前記切替機構が前記ニップ解除状態になる前に、前記負荷トルクを前記駆動トルクよりも大きくすることを特徴とする請求項21から請求項25のいずれか1項に記載の層転写装置。 - 前記規制切替手段は、
前記加熱ローラと前記加圧ローラとで前記多層フィルムを挟むニップ状態と、前記多層フィルムから前記加熱ローラおよび前記加圧ローラの少なくとも一方を前記多層フィルムから離間させるニップ解除状態とに切替可能な切替機構を備え、
前記制御部は、
前記切替機構を前記ニップ解除状態とすることで、前記規制切替手段を前記規制状態にし、
前記切替機構を前記ニップ状態とすることで、前記規制切替手段を前記解除状態にし、
搬送方向において所定長さのシートに前記転写層を転写する場合において、
前記切替機構を前記ニップ状態にしている時間である層搬送時間を、前記所定長さのシートのうちトナー像が形成可能な領域全体が前記層転写位置を通過するのにかかる時間以上の第1時間とする通常処理を実行可能な通常モードと、
前記層搬送時間を、前記第1時間よりも短い第2時間とする節約転写処理を実行可能な層節約モードと、を実行可能であることを特徴とする請求項1に記載の層転写装置。 - 前記通常モードと前記層節約モードを選択可能な操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部からの信号に基づいて前記通常モードまたは前記層節約モードを実行することを特徴とする請求項27に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、
前記層節約モードとして、
前記トナー領域から前記シートの先端までの距離が前記トナー領域から前記シートの後端までの距離よりも小さい場合に、少なくとも前記トナー領域が前記層転写位置を通過する間、前記切替機構を前記ニップ状態にした後、前記シートの後端が前記層転写位置を通過する前から前記切替機構を前記ニップ解除状態に切り替える先端転写モードと、
前記トナー領域から前記シートの後端までの距離が前記トナー領域から前記シートの先端までの距離よりも小さい場合に、前記シートの先端が前記層転写位置を通過してから前記切替機構を前記ニップ状態に切り替え、少なくとも前記トナー領域が前記層転写位置を通過する間、前記切替機構を前記ニップ状態にする後端転写モードと、を実行可能であることを特徴とする請求項27または請求項28に記載の層転写装置。 - 前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの上流側に配置される上流側搬送部材と、
前記シートの搬送方向において前記上流側搬送部材の上流側に配置され、前記シートの搬送方向の長さを検知可能なシート検知センサと、を備え、
前記制御部は、
前記後端転写モードにおいて、前記シートの搬送方向の長さが所定長さ以上であると判断すると、前記シートの先端が前記層転写位置を通過してから前記切替機構を前記ニップ状態に切り替え、
前記後端転写モードにおいて、前記シートの搬送方向の長さが前記所定長さ未満であると判断すると、前記シートの後端が前記上流側搬送部材を通過する前のタイミングであって、かつ、前記所定長さ以上であると判断した場合よりも早いタイミングで、前記切替機構を前記ニップ状態に切り替えることを特徴とする請求項29に記載の層転写装置。 - 前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの下流側に配置される下流側搬送部材と、
前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの上流側に配置され、前記シートの搬送方向の長さを検知可能なシート検知センサと、を備え、
前記制御部は、
前記先端転写モードにおいて、前記シートの搬送方向の長さが前記所定長さ以上であると判断すると、前記シートの後端が前記層転写位置を通過する前から前記切替機構を前記ニップ解除状態に切り替え、
前記先端転写モードにおいて、前記シートの搬送方向の長さが前記所定長さ未満であると判断すると、前記シートの先端が前記下流側搬送部材に到達した後のタイミングであって、かつ、前記所定長さ以上であると判断した場合よりも遅いタイミングで、前記切替機構を前記ニップ解除状態に切り替えることを特徴とする請求項29または請求項30に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、
前記節約転写処理において、
トナー像を有する第1トナー領域と、トナー像が存在しない非トナー領域と、トナー像を有する第2トナー領域とが、この順で前記層転写位置を通過する場合には、少なくとも前記第1トナー領域が前記層転写位置を通過する間、前記切替機構を前記ニップ状態にし、前記第1トナー領域が前記層転写位置を通過した後、前記切替機構を前記ニップ解除状態にし、少なくとも前記第2トナー領域が前記層転写位置を通過する間、前記切替機構を前記ニップ状態にすることを特徴とする請求項27または請求項28に記載の層転写装置。 - 前記シートの搬送方向において前記加熱ローラの下流側に配置され、前記シートから離れる方向に前記多層フィルムを案内する剥離ローラを備え、
前記制御部は、
前記非トナー領域の前記搬送方向の長さをX、前記シートの搬送速度をV、前記ニップ状態から前記ニップ解除状態を経て再び前記ニップ状態に切り替えるための最短時間をt、前記層転写位置から前記剥離ローラまでの長さをLとして、
X > V・t + L
という実行可能条件を満たした場合に、前記節約転写処理を実行することを特徴とする請求項32に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、
第1シートの次に第2シートを連続して搬送する場合には、
前記非トナー領域の前記搬送方向の長さXを、前記第1シートの後端側の第1非トナー領域の搬送方向の長さX1と、前記第2シートの先端側の第2非トナー領域の搬送方向の長さX2と、前記第1シートと前記第2シートの間隔Y1とを足し合わせて算出することを特徴とする請求項33に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、
前記実行可能条件を満たさないと判断した場合には、前記シートを搬送する搬送機構を制御することで、前記第1シートと前記第2シートの間隔Y1を大きくする、または、前記シートの搬送速度Vを小さくする調整処理を実行することを特徴とする請求項34に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、前記調整処理において、前記第2シートの搬送開始タイミングを、前記実行可能条件を満たさないと判断した場合よりも遅らせることで、前記第1シートと前記第2シートの間隔Y1を大きくすることを特徴とする請求項35に記載の層転写装置。
- 前記切替機構は、前記加熱ローラを移動させることで、前記ニップ状態と前記ニップ解除状態とに切替可能であることを特徴とする請求項27から請求項36のいずれか1項に記載の層転写装置。
- 前記駆動源の駆動力は、前記加圧ローラに伝達されることを特徴とする請求項37に記載の層転写装置。
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