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JP2020106342A - 導管の健全性診断方法 - Google Patents

導管の健全性診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導管の種類を問わず、健全性の不良を招くと思われる項目の全てを非破壊検査で適切に診断することを可能とする導管の健全性診断技術を提供する。【解決手段】導管の健全性を非破壊検査で診断する導管の健全性診断方法であって、導管の振動波形、および、動波形を数値解析して得られる周波数分布に基づいて、導管の健全性を診断する基準の指標となる特徴量を取得し、取得された特徴量の変化に基づいて、導管の健全性を診断する導管の健全性診断方法。【選択図】図3

Description

本発明は、導管の健全性を非破壊検査により診断する導管の健全性診断方法に関する。
建築構造物においては、ダクト、各種プラント配管、水道管、ガス管、エア供給管、下水管、石油パイプライン、ガスパイプライン等、種々の導管が配設されている。これらの導管は、腐食、全面腐食、部分腐食、減肉、孔食、エロージョン、エロージョン・コロージョン、摩耗、き裂、ピンホール、漏洩、疲労割れ、応力腐食割れ、高サイクル疲労割れ、内部保護材の剥離、閉塞、堆積物の付着、継手の施工不良や経年劣化などにより健全性が低下する。このため、従来より非破壊検査による導管の健全性診断が行われている。
具体的には、腐食、き裂等については、目視による診断が行われ、導管の肉厚、減肉、き裂については、超音波測定による診断が行われている。
しかし、目視による診断は、導管外面の状態の確認には適しているが、導管内面を診断しようとすると、導管を開放しなければならないため、非破壊で行うことができず、大掛かりで手間が掛かる。
そして、超音波測定による診断は、センサが配置された部分の小さい領域における減肉、き裂しか検査、診断できないため、長大な導管に亘って検査する場合、非常に多くの箇所にセンサを配置して測定を行う必要があり、多くの手間が掛かる。
このような状況下、クエンチダクトの通気検査技術(例えば、特許文献1)、圧縮ガスのパルスによるダクトの検査技術(例えば、特許文献2)が提案されている。
しかしながら、特許文献1、2に開示されている検査技術は、簡便な方法とは言えず、また、適用対象がダクトに限定されており、導管全般に適用できる検査方法ではない。また、前記した各種検査項目の内から穴、隙間、表面成分についてのみ検査するものであり、それ以外の腐食、減肉、摩耗、き裂、内部保護材の剥離、堆積物の付着など他の項目の検査については開示されていない。
特開2007−252576号公報 特開平8−254477号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、導管の種類を問わず、健全性の不良を招くと考えられる項目の全てを非破壊検査で適切に診断することを可能とする導管の健全性診断技術を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討を行い、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、
導管の健全性を非破壊検査で診断する導管の健全性診断方法であって、
前記導管の振動波形、または、前記振動波形を数値解析して得られる周波数分布に基づいて、前記導管の健全性を診断する基準の指標となる特徴量を取得し、
取得された前記特徴量の変化に基づいて、前記導管の健全性を診断することを特徴とする導管の健全性診断方法である。
請求項2に記載の発明は、
前記特徴量として、振動波形の形状、および、前記周波数分布から得られる固有振動ピークから選定された評価ピークの周波数のいずれかを用いることを特徴とする請求項1に記載の導管の健全性診断方法である。
請求項3に記載の発明は、
診断対象の導管と同じタイプで、予め、健全であることが確認されている導管を用いて、前記特徴量を基準特徴量として取得する一方、
診断対象の導管を用いて、前記特徴量を診断用特徴量として取得し、
前記診断用特徴量の前記基準特徴量からの変化量に基づいて、診断対象の導管の健全性を診断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導管の健全性診断方法である。
請求項4に記載の発明は、
前記基準特徴量として、
健全性が既知の導管の新設時に取得された特徴量を用いることを特徴とする請求項3に記載の導管の健全性診断方法である。
請求項5に記載の発明は、
前記導管における前記健全性の診断項目が、腐食、全面腐食、部分腐食、減肉、孔食、エロージョン、エロージョン・コロージョン、摩耗、き裂、ピンホール、漏洩、疲労割れ、応力腐食割れ、高サイクル疲労割れ、内部保護材の剥離、閉塞、堆積物の付着、継手施工不良、継手経年劣化から選択された1つ以上であり、
予め、選択された診断項目を模擬した振動のシミュレーションを行い、得られた前記特徴量の変化より、各診断項目における健全性の低下についての診断基準を設定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の導管の健全性診断方法である。
請求項6に記載の発明は、
予め、導管のタイプおよび健全性の診断項目毎に、前記診断用特徴量の前記基準特徴量からの変化量を、健全性のレベルと対応付けて、前記診断基準のデータベースを構築しておき、
前記データベースに基づいて、前記導管の健全性を診断することを特徴とする請求項5に記載の導管の健全性診断方法である。
請求項7に記載の発明は、
前記診断対象の導管の健全性診断に際して、複数の箇所で前記特徴量を取得し、
取得された複数の特徴量に基づいて、前記特徴量のコンター図を作成し、
前記コンター図上で、前記特徴量を相対的に評価することにより、前記診断対象の導管の健全部と非健全部の差分を検出することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の導管の健全性診断方法である。
請求項8に記載の発明は、
診断対象の導管の前記振動波形の計測を、定点で経年的に実施することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の導管の健全性診断方法である。
請求項9に記載の発明は、
前記振動波形の計測に際して、前記導管をテストハンマで打撃することにより加振することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の導管の健全性診断方法である。
請求項10に記載の発明は、
前記振動波形を、AEセンサを用いて取得することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の導管の健全性診断方法である。
本発明によれば、導管の種類を問わず、健全性の不良を招くと思われる項目の全てを非破壊検査で適切に診断することを可能とする導管の健全性診断技術を提供することができる。
本発明の一実験例において、診断対象の導管の形態を示す斜視図である。 本発明の一実験例において、振動信号を検出するセンサの設置位置と打撃位置との関係を示す図である。 図1に示した診断対象の導管の各腐食段階における評価ピーク周波数を示す図である。 穴近傍で計測された振動波形をFFT解析して得られた周波数分布である。 穴から7m離れた位置で計測された振動波形をFFT解析して得られた周波数分布である。 図4、5の周波数分布から評価ピーク周波数を抽出し、条件毎に比較した図である。 ライニングが剥がれたダクトを側面から見たイメージ図である。 ライニングが貼り付いているダクトで計測された振動波形である。 ライニングが剥がれたダクトで計測された振動波形である。
以下、本発明を実施の形態に基づき、図面を参照して説明する。
[1]本発明の基本的な考え方
最初に、本発明に係る導管の健全性診断方法の基本的な考え方について説明する。
本発明者は、上記した本発明の課題の解決について、種々の実験と検討を行う中で、ダクトにおける健全性の低下は、振動波形の変化を招き、またその振動波形から得られる周波数分布の変化を招くため、これらを導管の健全性を診断する基準の指標となる特徴量として採用することにより、導管における健全性の低下を診断できることを見出した。
即ち、本発明に係る導管の健全性診断方法は、導管の振動波形、および、振動波形を数値解析して得られる周波数分布に基づいて、導管の健全性を診断する指標となる特徴量を取得し、取得された特徴量の変化に基づいて、導管の健全性を診断することを特徴としている。
具体的には、導管の健全性の低下に伴って、振動波形の形状や、周波数分布から得られる固有振動ピークから選定された評価ピークの周波数が変化することに基づいて、これらを導管の健全性を診断する指標となる特徴量に採用して、この特徴量の変化を知ることにより、導管の健全性を定性的に診断することができる。
そして、このとき、特徴量の変化と、健全性の低下の程度とが、予め関係付けられていると、特徴量の変化を知ることにより、導管における健全性の低下を定量的に診断することもできる。
[2]具体的な実施の形態
次に、具体的な実施の形態について説明する。
1.特徴量の取得
本実施の形態において、健全性の低下を診断する基準(診断基準)となる特徴量(基準特徴量)の取得は、以下に示す2つの手法のいずれかを用いて行われ、診断対象の導管から得られた特徴量(診断用特徴量)と比較することにより、導管の健全性を診断することができる。
(1)第1の健全性診断方法(診断時に基準特徴量を取得)
第1の手法は、診断時に基準特徴量を取得することである。具体的には、診断対象の導管と同じタイプで、予め、健全であることが確認されている導管を用いて、特徴量の取得を行い、これを基準特徴量とする。
一方で、診断対象の導管を用いて、同様に特徴量を取得する。このとき、前記したように、導管の健全性の低下に伴って特徴量が変化するため、この特徴量を診断用特徴量として、先に取得された基準特徴量からの変化量を知ることにより、診断対象の導管の健全性を診断することができる。
(2)第2の健全性診断方法(新設時に基準特徴量を取得)
第2の手法は、導管の新設時には、健全性が既知である導管が使用されることに鑑みて、導管を新設した際に基準特徴量を取得することである。
これにより、診断対象の導管を用いて特徴量を取得するだけで、基準特徴量からの変化量を知ることができ、効率的に、診断対象の導管の健全性を診断することができる。また、新設後に診断対象の導管が生産中止などによって無くなっていても、健全性を診断することができる。
2.健全性の診断項目と診断基準の設定
導管の健全性の低下を診断する具体的な診断項目としては、前記したように、腐食、全面腐食、部分腐食、減肉、孔食、エロージョン、エロージョン・コロージョン、摩耗、き裂、ピンホール、漏洩、疲労割れ、応力腐食割れ、高サイクル疲労割れ、内部保護材の剥離、閉塞、堆積物の付着、継手施工不良、継手経年劣化が挙げられ、これらの内から1つ以上の診断項目を選択して、各診断項目について、健全性の程度を診断することにより、精度高く、導管の健全性を診断することができる。
具体的には、予め、選択された診断項目を模擬した振動のシミュレーションを行い、特徴量を取得して、各診断項目に適応する診断基準として設定することにより、導管の健全性を診断する。
3.特徴量の取得方法
次に、健全性の低下を診断するために必要な特徴量の具体的な取得方法について説明する。前記したように、特徴量としては、振動波形の形状、あるいは、この振動波形を数値解析して得られる周波数分布から取得されるピーク周波数より任意に選定された評価ピーク周波数が用いられる。
(1)振動波形の取得
振動波形は、ハンマ等により計測対象のダクトを打撃して加振することにより発生した振動信号を計測することにより取得できるが、稼働状態にあるダクトから直接振動波形を取得してもよい。
なお、加振による振動信号の計測に際しては、振動を取得可能な加速度計や、マイクロフォンなどを用いてもよいが、計測対象に直接接触させて計測することができ、高感度で振動信号を取得することができるアコースティックエミッションセンサ(AEセンサ)を用いることが好ましい。
そして、加振に際して使用するハンマとしては、プラスチックハンマ、ゴムハンマ、木ハンマ、テストハンマ、鉄ハンマなど、特に限定されないが、打音点検用に一般的に用いられており、重さも軽く、持ち運びに便利なテストハンマが好ましい。
(2)評価ピーク周波数の取得
上記で取得された振動波形に対して数値解析を施して周波数分析することにより、固有周波数が含まれている周波数分布を得ることができる。そして、得られた周波数分布から任意に選定された評価ピーク周波数を求めることができる。
なお、数値解析にあたっては、高速フーリエ変換(FFT)、自己回帰型の最大エントロピー法(MEM)、自己回帰モデル(AR)、自己回帰−移動平均モデル(ARMA)等公知の解析方法を用いることができるが、この内でも、短時間での処理が可能なFFT変換が好ましい。
上記では、特徴量の取得にあたって、実測により振動波形を得ているが、理論解析による振動のシミュレーションを用いて取得してもよい。理論解析によるシミュレーションには、例えば有限要素法を用いて各解析モデルに対して固有値解析を行う方法など公知の解析方法を用いることができる。
4.データベースの構築
上記の振動のシミュレーションに際して、導管のタイプおよび診断項目と、シミュレーションの結果である特徴量(診断基準)の基準特徴量からの変化量とを互いに関連付けて、パソコンなどに予め記憶させることにより、診断基準のデータベースを構築することができる。
そして、診断対象から診断項目に対応して得られた特徴量を、このデータベースと照合することにより、この診断項目において健全性がどの程度低下しているかを具体的に診断することができるため、補修や交換の適切なタイミングを知ることができる。
5.コンター図の利用
上記した診断対象の導管の健全性診断に際して、複数の箇所で特徴量を取得して、取得された複数の特徴量に基づいて、特徴量のコンター図を作成することにより、ある領域における健全性を相対的に評価することができ、診断対象の導管の健全部と非健全部の差分を検出することができる。
そして、このように導管の健全部と非健全部との差分を検出することにより、領域のどの辺りまで導管の非健全化が進行しているかを具体的に知ることができる。
なお、診断対象の導管の振動波形の計測を、定点で経年的に実施した場合、経年変化による非健全化の進行を把握することができ、また、今後の進行を予測することができるため、導管の補修時期や交換時期を適確に予測して準備することができる。
[3]本実施の形態の効果
上記した本実施の形態を適用することにより、以下の効果を得ることができる。
(1)目視では導管を開放しなければ確認できない内面の減肉について、導管を開放せずに診断することができ、効率的な診断ができる。
(2)目視では検出が困難であった腐食、減肉、き裂についても検出することができる。
(3)超音波測定ではセンサ設置部の診断しかできないのに対して、センサから遠く離れた位置で発生したき裂による漏洩についても検出することができる。
(4)コンター図を使用することにより、面全体で健全性の低下状態を診断することができる。
(5)定点で経年的に計測することにより、適切な補修計画などの立案が可能となる。
1.実験例1
本実験例では、評価ピークの周波数が健全性の低下を診断する特徴量として採用できることを確認した。
(1)実験方法
ダクトを模擬した角管の内面に機械加工を用いて腐食による減肉に相当する傷を付加した後、角管をテストハンマによる打撃により加振して、振動信号を計測した。振動信号の計測にはAEセンサを用いた。
図1に使用した角管1を示す。なお、図1において、2は傷の付加箇所である。診断対象として、下記A〜Gの7種類の角管を用意した。なお、E、F、Gは、き裂模擬した微小穴を有している。
A:健全、
B:減肉0.8mm、範囲20mm角、
C:減肉0.8mm、範囲50mm角、
D:減肉0.8mm、範囲100mm角、
E:減肉1.6mm、範囲20mm角、
F:減肉1.6mm、範囲50mm角、
G:減肉1.6mm、範囲100mm角。
図2に打撃位置及びセンサ設置位置を示す。図2に示すように、センサは傷の付加箇所の中心とその左右に50mmの間隔を隔てて設置した。
計測した振動波形を基にFFT解析を実施し、周波数分布を取得した。得られた周波数分布の中から評価ピークを決定し、その周波数(評価ピーク周波数)を求めた。
(2)実験結果
実験結果を図3に示す。図3は各診断対象の評価ピーク周波数をまとめて示す図である。
図3より、傷の中央部の計測点(センサ設置位置)2においては、傷の大きさが大きくなるほど、即ち、減肉の範囲が広がるほど、評価ピーク周波数が低下する傾向があることが分かる。また、傷の中央部から50mm離れた計測点、1、3においても、中央部の腐食の範囲の拡大により、評価ピーク周波数が低下する傾向があることが分かる。
上記結果は、理論とも符号している。即ち、板の曲げ振動の理論式は、下式に示す通りであり、一般的に、板厚hが小さくなると振動周波数fは低下する。
Figure 2020106342
なお、上式において、
f:固有振動数(Hz)、a:辺長(mm)、h:板厚(mm)
λ:境界条件と振動モードによる定数、ρ:密度(kg/m
D=Eh/12(1−ν):板の曲げ剛性、E:ヤング率(N/m)、ν:ポアソン比である。
上記実験結果より、目視では確認できない内面の腐食に対しても、AEセンサを用いたハンマによる加振で振動計測を行い、周波数分布から評価ピーク周波数を得て評価することにより、減肉およびき裂(微小穴)を検出できることが分かり、評価ピークの周波数が健全性の低下を診断する特徴量として採用できることが確認できた。
2.実験例2
本実験例では、AEセンサを用いた振動計測の場合、超音波検査と異なり、遠く離れた点でもき裂の存在を検出できることを確認した。
(1)実験方法
ダクトのき裂を模擬した診断対象について健全性診断の実験を行った。なお、振動波形の取得には計測対象を加振せず、そのまま計測する方法を用いた。
診断対象として、穴のサイズの異なる下記H〜Lの5種類のダクトを用意した。なお、I〜Lは後になる程、穴の大きさが大きい。
H:穴なし、
I:微小穴01、
J:微小穴02、
K:き裂01、
L:き裂02。
振動信号の計測にはAEセンサを用い、計測位置を穴の近傍と穴から7m離れた2箇所に設定した。得られた信号波形をFFTを用いて数値解析し、周波数分布を得た。
(2)実験結果
実験結果を図4、5、6に示す。図4は計測位置を穴の近傍に設置したときの周波数分布であり、図5は計測位置を穴から7m離れて設置したときの周波数分布である。図4、5で横軸は周波数であり、縦軸は振動強度である。また、○印を付したピークは評価ピークである。図6は、図4、5から求めた各診断対象の評価ピーク周波数をまとめて示す図である。
上記実験結果より、ダクトにき裂が無い場合とある場合の振動波形より得られるFFTピーク周波数を比較した結果、穴無しのときに比べ、穴が大きくなるに従い、理論通り評価ピーク周波数が低下する傾向があることが分かる。
また、上記の傾向は、計測位置を穴の近傍に設置した場合と穴から7m離れた場合の双方に共通していた。この結果から、AEセンサを用いた振動計測の場合、超音波検査と異なり、7m離れた点でもき裂(微小穴)の存在を検出できることが確認できた。
3.実施例3
本実験例では、周波数分布が健全性の低下を診断する特徴量として採用できることを確認した。
(1)実験方法
診断対象として内面のライニングが剥がれたダクトを使用し、診断対象をテストハンマ打撃により加振して、振動信号を計測した。振動信号の計測にはAEセンサを用いた。図7はライニングが剥がれたダクトを側面から見たイメージ図である。なお、図7において、3はダクト、4はライニングである。ライニング4はダクト3の内面全面に施されている。
ライニングが剥がれていないダクトと剥がれたダクトを用意し、それぞれをテストハンマで加振して振動信号を計測し、計測された振動信号の信号波形にFFTを用いた数値解析を行って周波数分布を得た。
(2)実験結果
実験結果を図8、9に示す。図8はライニングが剥がれていない、即ち健全なダクトの周波数分布(FFT波形)であり、図9はライニングが剥がれたダクトのFFT波形である。図8、9で横軸は周波数であり、縦軸は強度(Magnitude)である。
図8に示す通り、健全なダクトの場合には、振動の周波数分布がブロードであった。これに対して、ライニングが剥がれて健全性が低下している場合には、図9に示すように、周波数分布に多数のピークが存在していた。このように、周波数分布において、健全性の違いに合わせて大きな違いが生じているため、外面からの目視や超音波検査では検出できないライニングの剥がれについても、AEセンサを用いた振動計測では、FFT波形の形状から診断できることが確認できた。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
1 角管
2 傷の付加箇所
3 ダクト
4 ライニング

Claims (10)

  1. 導管の健全性を非破壊検査で診断する導管の健全性診断方法であって、
    前記導管の振動波形、または、前記振動波形を数値解析して得られる周波数分布に基づいて、前記導管の健全性を診断する基準の指標となる特徴量を取得し、
    取得された前記特徴量の変化に基づいて、前記導管の健全性を診断することを特徴とする導管の健全性診断方法。
  2. 前記特徴量として、振動波形の形状、および、前記周波数分布から得られる固有振動ピークから選定された評価ピークの周波数のいずれかを用いることを特徴とする請求項1に記載の導管の健全性診断方法。
  3. 診断対象の導管と同じタイプで、予め、健全であることが確認されている導管を用いて、前記特徴量を基準特徴量として取得する一方、
    診断対象の導管を用いて、前記特徴量を診断用特徴量として取得し、
    前記診断用特徴量の前記基準特徴量からの変化量に基づいて、診断対象の導管の健全性を診断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導管の健全性診断方法。
  4. 前記基準特徴量として、
    健全性が既知の導管の新設時に取得された特徴量を用いることを特徴とする請求項3に記載の導管の健全性診断方法。
  5. 前記導管における前記健全性の診断項目が、腐食、全面腐食、部分腐食、減肉、孔食、エロージョン、エロージョン・コロージョン、摩耗、き裂、ピンホール、漏洩、疲労割れ、応力腐食割れ、高サイクル疲労割れ、内部保護材の剥離、閉塞、堆積物の付着、継手施工不良、継手経年劣化から選択された1つ以上であり、
    予め、選択された診断項目を模擬した振動のシミュレーションを行い、得られた前記特徴量の変化より、各診断項目における健全性の低下についての診断基準を設定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の導管の健全性診断方法。
  6. 予め、導管のタイプおよび健全性の診断項目毎に、前記診断用特徴量の前記基準特徴量からの変化量を、健全性のレベルと対応付けて、前記診断基準のデータベースを構築しておき、
    前記データベースに基づいて、前記導管の健全性を診断することを特徴とする請求項5に記載の導管の健全性診断方法。
  7. 前記診断対象の導管の健全性診断に際して、複数の箇所で前記特徴量を取得し、
    取得された複数の特徴量に基づいて、前記特徴量のコンター図を作成し、
    前記コンター図上で、前記特徴量を相対的に評価することにより、前記診断対象の導管の健全部と非健全部の差分を検出することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の導管の健全性診断方法。
  8. 診断対象の導管の前記振動波形の計測を、定点で経年的に実施することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の導管の健全性診断方法。
  9. 前記振動波形の計測に際して、前記導管をテストハンマで打撃することにより加振することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の導管の健全性診断方法。
  10. 前記振動波形を、AEセンサを用いて取得することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の導管の健全性診断方法。
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