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JP2020106137A - クラッチ - Google Patents

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JP2020106137A
JP2020106137A JP2018248240A JP2018248240A JP2020106137A JP 2020106137 A JP2020106137 A JP 2020106137A JP 2018248240 A JP2018248240 A JP 2018248240A JP 2018248240 A JP2018248240 A JP 2018248240A JP 2020106137 A JP2020106137 A JP 2020106137A
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祐仁 嶌中
Yoshihito Shimanaka
祐仁 嶌中
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Tsubakimoto Chain Co
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Tsubakimoto Chain Co
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Abstract

【課題】簡単な構成で、第1軸部材と第2軸部材との接続および切断を任意のタイミングで切り替えることができ、第1軸部材と第2軸部材とを完全に切り離し可能なクラッチを提供すること。【解決手段】第1軸部材110と第2軸部材150を有するクラッチ100であって、第1軸部材110にはカム当接部111が設けられ、第2軸部材150には伝達部151が設けられ、カム当接部111と伝達部151との間には伝達用カム120が設けられ、カム当接部111と伝達用カム120の第1面とは、螺旋形状面112、113、122、128を互いに対向させて摺動回転可能に当接し、伝達用カム120は、カム当接部111との摺動回転に連動して第1軸部材110の回転軸方向に進退移動可能に構成され、伝達部151と伝達用カム120の第2面とが当接および離脱可能に構成されていること。【選択図】図1

Description

本発明は、入力軸の回転を出力軸側に伝達するクラッチに関し、特に、外部からの操作によって入力軸から出力軸への動力の伝達および切断を切り替えるクラッチに関する。
従来、入力軸から出力軸側に動力伝達するクラッチは、自動車のトランスミッション、バイク、OA機器等の駆動機器等の駆動力の伝達経路上に配されており、様々なものが公知である。
例えば、特許文献1に記載のクラッチは、1方向オーバーランニングクラッチC1であって、第1軸部材(環状形ガイドメンバー50および力制限メンバー180)と、第1軸部材(環状形ガイドメンバー50および力制限メンバー180)と同一の回転軸で独立して回転可能に構成された第2軸部材(駆動軸および筒状ボディ76)とを有し、第1軸部材(環状形ガイドメンバー50および力制限メンバー180)には、カム当接部(螺旋状ガイド歯52)が設けられ、第2軸部材(駆動軸および筒状ボディ76)には、伝達部(摩擦メンバー70)が設けられ、カム当接部(螺旋状ガイド歯52)と伝達部(摩擦メンバー70)との間には、第1軸部材(環状形ガイドメンバー50および力制限メンバー180)と同一の回転軸で相対的に回転可能に構成された伝達用カム(中間メンバー90)が設けられている。
また、カム当接部(螺旋状ガイド歯52)と伝達用カム(中間メンバー90)の第1面(螺旋状ガイド歯92)とは、第1軸部材(環状形ガイドメンバー50および力制限メンバー180)と同一の回転軸を中心とした螺旋形状面を互いに対向させて摺動回転可能に当接することで回転ガイドメカニズムGを構成し、伝達用カム(中間メンバー90)は、カム当接部(螺旋状ガイド歯52)との摺動回転に連動して第1軸部材(環状形ガイドメンバー50および力制限メンバー180)の回転軸方向に進退移動可能に構成され、伝達部(摩擦メンバー70)と伝達用カム(中間メンバー90)の第2面(回転摩擦面104)とが連接してガイド摩擦メカニズムF1を構成しているものである。
この特許文献1に記載のクラッチは、回転ガイドメカニズムGとガイド摩擦メカニズムF1とが、いずれも1方向オーバーランニングクラッチC1の空間楔機構を構成しており、第1軸部材(環状形ガイドメンバー50および力制限メンバー180)を正回転させると、カム当接部(螺旋状ガイド歯52)と伝達用カム(中間メンバー90)の第1面(螺旋状ガイド歯92)とが摺動する。
これによって、伝達用カム(中間メンバー90)を伝達部(摩擦メンバー70)の回転牽引摩擦面72に押し付けるとともに、伝達部(摩擦メンバー70)の力伝達摩擦面74が力制限メンバー180側の力伝達摩擦面58に押し付けられるため、伝達用カム(中間メンバー90)と伝達部(摩擦メンバー70)との間および伝達部(摩擦メンバー70)と力制限メンバー180との間で大きな摩擦力が発生し、第1軸部材(環状形ガイドメンバー50および力制限メンバー180)からの駆動力を、伝達部(摩擦メンバー70)を介して第2軸部材(駆動軸および筒状ボディ76)へ伝達することができる。
また、第1軸部材(環状形ガイドメンバー50および力制限メンバー180)から第2軸部材(駆動軸および筒状ボディ76)へ駆動力を伝達している間、くさび効果により、カム当接部(螺旋状ガイド歯52)と伝達用カム(中間メンバー90)の第1面(螺旋状ガイド歯92)は互いに噛み込み続けるものである。
また、第2軸部材(駆動軸および筒状ボディ76)に駆動力が十分に伝達され、第1軸部材(環状形ガイドメンバー50および力制限メンバー180)が第2軸部材(駆動軸および筒状ボディ76)に対して相対的に逆回転すると、カム当接部(螺旋状ガイド歯52)と伝達用カム(中間メンバー90)の第1面(螺旋状ガイド歯92)との噛み込みが外れ、伝達用カム(中間メンバー90)は徐々にカム当接部(螺旋状ガイド歯52)側へ摺動するため、伝達部(摩擦メンバー70)への押付力が低下し、伝達用カム(中間メンバー90)と伝達部(摩擦メンバー70)とが滑り出し、駆動力の伝達が解除されるものである。
なお、伝達用カム(中間メンバー90)は、付勢部材(トーションバネ150)によって伝達部(摩擦メンバー70)側に付勢されており、駆動力の再伝達時に伝達用カム(中間メンバー90)を伝達部(摩擦メンバー70)に即座に押し付けられるように予め楔合する位置を維持できるものである。
特許第5679469号公報
ところが、上記特許文献等で公知のクラッチは、未だ改善の余地があった。
すなわち、特許文献1等で公知のクラッチは、ワンウェイクラッチであり、トルクの方向によって第1軸部材と第2軸部材との接続および切断を自動で切り替えているため、任意のタイミングで第1軸部材から第2軸部材への駆動力の伝達を切り替えることができない虞があった。
さらに、伝達用カムが付勢部材によって伝達部側に常に付勢されているため、第1軸部材から第2軸部材への駆動力の伝達が完全に解除することが困難であるとともに、伝達用カムと伝達部とが滑る時間が増加し、各部の摩耗が進行しやすくなる虞があった。
また、伝達用カムが、付勢部材によって伝達部側に付勢され、予め楔合する位置を維持しているため、駆動力伝達開始時において第1軸部材と第2軸部材とが完全に切り離されておらず、任意のタイミングで駆動力を伝達させるような操作が要求される場面での使用が困難であるという問題があった。
本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡単な構成で、くさび効果により大きな摩擦力を発生させることができるとともに、第1軸部材と第2軸部材との接続および切断を任意のタイミングで切り替えることができ、第1軸部材と第2軸部材とを完全に切り離し可能なクラッチを提供することを目的とするものである。
本発明のクラッチは、第1軸部材と前記第1軸部材と同一の回転軸で独立して回転可能に構成された第2軸部材とを有するクラッチであって、前記第1軸部材には、前記第2軸部材に対向する位置にカム当接部が設けられ、前記第2軸部材には、前記カム当接部に対向する位置に伝達部が設けられ、前記カム当接部と前記伝達部との間には、前記第1軸部材と同一の回転軸で相対的に回転可能に構成された伝達用カムが設けられ、前記カム当接部と前記伝達用カムの第1面とは、前記第1軸部材と同一の回転軸を中心とした螺旋形状面を互いに対向させて摺動回転可能に当接し、前記伝達用カムは、前記カム当接部との摺動回転に連動して前記第1軸部材の回転軸方向に進退移動可能に構成され、前記伝達部と前記伝達用カムの第2面とが当接および離脱可能に構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
請求項1にかかる発明のクラッチは、第1軸部材には、第2軸部材に対向する位置にカム当接部が設けられ、第2軸部材には、カム当接部に対向する位置に伝達部が設けられ、カム当接部と伝達部との間には、伝達用カムが設けられ、カム当接部と伝達用カムの第1面とは、第1軸部材と同一の回転軸を中心とした螺旋形状面を互いに対向させて摺動回転可能に当接し、伝達用カムは、カム当接部との摺動回転に連動して第1軸部材の回転軸方向に進退移動可能に構成され、伝達部と伝達用カムの第2面とが、当接および離脱可能に構成されているため、伝達部と伝達用カムの第2面とを当接させると、第1軸部材と第2軸部材との間で駆動力が伝達されるとともに、伝達用カムは螺旋形状面と第2面とのなす角をくさび角度とするくさび効果によって、伝達部と伝達用カムの第2面との間に大きな摩擦力を発生させることができ、伝達部と伝達用カムの第2面とが滑りにくくなり、駆動力の伝達効率が低下することを防止できる。
また、伝達部と伝達用カムとを完全に切り離すことで、第1軸部材と第2軸部材とを完全に切り離すことができる。
さらに、駆動力の伝達の切り替えを、トルクの大きさや方向に関わらず、伝達部と伝達用カムとの当接および離脱によって切り替えることができるため、任意のタイミングで第1軸部材と第2軸部材との駆動力の伝達を切り替えできるとともに、正逆どちらの回転に対しても、駆動力を伝達可能に構成することができる。
また、カム当接部と伝達用カムの第1面との当接面である、第1軸部材と同一の回転軸を中心とした螺旋形状面のくさび角度や表面の摩擦材を調整することで、例えば、伝達部と伝達用カムとを滑らせながら当接して徐々に駆動力を伝達させる構成にする等、クラッチの特性を変化させることができる。
請求項2に記載の構成によれば、クラッチは、伝達切替部材を有し、伝達切替部材は、伝達用カムを第1軸部材に対して相対的に正逆回転させることで、伝達用カムを第1軸部材の回転軸方向に進退移動可能に構成されているため、伝達切替部材を操作することのみで、簡単に伝達用カムの第2面を伝達部に当接および離脱することができ、第1軸部材と第2軸部材との駆動力の伝達を切り替えることができる。
また、カム当接部と伝達用カムの第1面とが、第1軸部材と同一の回転軸を中心とした螺旋形状面を互いに対向させて摺動回転することで、伝達用カムと伝達部とが押し付けられて摩擦力が発生すると、この摩擦力により伝達用カムが伝達部材との間のくさび領域に引き込まれるため、くさび効果によって伝達切替部材で伝達用カムに与えた力よりも大きな摩擦力を発生させることができ、伝達切替部材を動作させる力は、伝達用カムの伝達部への当接および切断の切替に必要な力のみに抑えることができる。
請求項3に記載の構成によれば、伝達用カムは、切替係合部を有し、伝達切替部材は切替係合部に係合可能な被係合部を有し、第1軸部材に対して一体的に回転するとともに、第1軸部材の回転軸方向に進退移動可能に構成され、伝達用カムは、伝達切替部材の回転軸方向の移動により第1軸部材に対して正逆回転可能に構成されているため、伝達切替部材の進退移動のみで、簡単に伝達用カムを正逆回転できる。
請求項4に記載の構成によれば、クラッチには、伝達用カムを伝達部から離脱する方向に伝達切替部材を付勢する付勢部材が設けられているため、停電等の不具合発生時等に伝達切替部材の操作が不能になった状態でも、付勢部材によって伝達用カムを伝達部から離脱でき、第1軸部材と第2軸部材とを完全に切り離し、安全な状態に自動的に移行させることができる。
請求項5に記載の構成によれば、伝達用カムは、第1軸部材の回転軸から半径方向への移動を制限する制限片を有しているため、クラッチの回転中に半径方向への振動や大きな力が不意にかかった場合でも、伝達用カムの位置や回転中心がずれることなく、確実に駆動力を伝達することができる。
請求項6に記載の構成によれば、第1軸部材および第2軸部材の少なくともいずれか一方には、第1軸部材の回転軸を中心とし、第1軸部材および第2軸部材の他方側へ延びる円周壁を有した規制部材が設けられ、制限片の半径方向内周側は、規制部材の円周壁に沿った制限弧状部を有するため、伝達用カムの位置や回転中心のズレをより確実に防ぐことができる。
請求項7に記載の構成によれば、伝達用カムは、第1軸部材の回転軸を中心に周方向に複数設けられているとともに、少なくとも1つの伝達用カムは逆向きにカム当接部と摺動回転するように配置されているため、第1軸部材および第2軸部材の回転方向が正逆どちらであっても、伝達用カムを伝達部材に当接させて、駆動力を伝達できる。
本発明の一実施形態に係るクラッチ100の、組立て前の各部品を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係るクラッチ100の、伝達用カム120が伝達部151から離脱している状態を示す側面図。 本発明の一実施形態に係るクラッチ100の、伝達用カム120が伝達部151から離脱している状態の、伝達切替部材140を除いた側面図。 本発明の一実施形態に係るクラッチ100の、伝達用カム120が伝達部151に当接している状態を示す側面図。 本発明の一実施形態に係るクラッチ100の、伝達用カム120が伝達部151に当接している状態の、伝達切替部材140を除いた側面図。 本発明の一実施形態に係るクラッチ200の、組立て前の各部品を示す概略斜視図。 本発明の一実施形態に係るクラッチ300の、組立て前の各部品を示す概略斜視図。
以下に、本発明の一実施形態に係るクラッチ100について、図面に基づいて説明する。
なお、説明のため、図3および図5は、伝達切替部材140を図示していない。
本発明の一実施形態であるクラッチ100は、図1に示すように、第1軸部材110と、第1軸部材110と同一の回転軸で独立して回転可能に構成された第2軸部材150とを有しており、第1軸部材110と第2軸部材150との間には、第1軸部材110と同一の回転軸で相対的に回転可能に構成された伝達用カム120と、伝達用カム120の側面から係合可能に構成された円環状の伝達切替部材140とが設けられている。
第1軸部材110には、第2軸部材150に対向する位置にカム当接部111が設けられており、カム当接部111は、正方向螺旋形状面112と、第1軸部材110の回転軸を挟んで逆向きに形成された逆方向螺旋形状面113とを有している。
また、第1軸部材110の中央には、第1軸部材110の回転軸方向に貫通した貫通孔114が設けられている。
第2軸部材150には、カム当接部111に対向する位置に平板状に形成された伝達部151と、伝達部151の中央からカム当接部111側に向かって突出形成された円周壁153を有した規制部材152が設けられている。
伝達用カム120には、第1面に正方向螺旋形状面112に対応する正方向螺旋摺動面122を有するとともに、第2面に伝達部151に対応する平板面123を有する扇形形状の正方向伝達用カム121と、逆方向螺旋形状面113に対応する逆方向螺旋摺動面128を有するとともに、第2面に伝達部151に対応する平板面129を有する扇形形状の逆方向伝達用カム127とが第1軸部材110の回転軸を基準として対向するように設けられている。
正方向伝達用カム121および逆方向伝達用カム127の外周面には、それぞれ正方向螺旋状係合部124および逆方向螺旋状係合部130が設けられ、正方向伝達用カム121および逆方向伝達用カム127の内周面側には、互いの内周面に沿った円盤状に形成されるとともに、第1軸部材110の回転軸方向にずらして配置された制限片125、131が設けられ、制限片125、131の中央部には、第1軸部材110の回転軸方向に制限片125、131を貫通した制限貫通孔126、132が設けられている。
伝達切替部材140は、第1軸部材110と相対的に回転方向の位置を固定されており、伝達切替部材140の内周面には、正方向螺旋状係合部124および逆方向螺旋状係合部130にそれぞれ対応して摺動係合可能な正方向被係合部141および逆方向被係合部142が形成されている。
また、伝達切替部材140は、第2軸部材150側から第1軸部材110側へ向かう方向へ付勢部材(図示しない)によって常に付勢されている。
なお、規制部材152は、貫通孔114とは互いの半径方向および軸方向の移動を規制するとともに、回転方向にのみ摺動可能に形成され、制限貫通孔126、132とは互いの半径方向の移動のみ規制するとともに、回転方向及び軸方向に摺動可能に形成されている。
次に、本発明のクラッチ100の、第1軸部材110から第2軸部材150への駆動力伝達切替時における各部の動作について、図2乃至図5を用いて説明する。
まず、図2および図3に示すように、本発明のクラッチ100は、第1軸部材110の正方向螺旋形状面112および逆方向螺旋形状面113に、伝達用カム120の正方向伝達用カム121および逆方向伝達用カム127を摺動可能に当接させ、第1軸部材110の貫通孔114と伝達用カム120の制限貫通孔126、132に第2軸部材150の規制部材152を挿通し、第2軸部材150をカム当接部111と伝達部151との距離を固定させた状態で配置し、伝達切替部材140の正方向被係合部141および逆方向被係合部142を伝達用カム120の正方向螺旋状係合部124および逆方向螺旋状係合部130に摺動可能に係合されている。
このとき、付勢部材(図示しない)によって伝達切替部材140は第1軸部材110側に移動している。
また、伝達切替部材140は、第1軸部材110と相対的に回転方向の位置を固定されているため、正方向伝達用カム121および逆方向伝達用カム127は、伝達切替部材140の正方向被係合部141および逆方向被係合部142に正方向螺旋状係合部124および逆方向螺旋状係合部130とを摺動されながら回転させられることで、それぞれ正方向螺旋形状面112および逆方向螺旋形状面113と摺動しながら回転移動し、第2軸部材150の伝達部151から離脱した状態を維持している。
この状態では、第1軸部材110と第2軸部材150とは物理的に接触していないため、第1軸部材110を回転させても第2軸部材150側に駆動力が伝達されることがない。
次に、伝達切替部材140を第1軸部材110側から第2軸部材150側へ向かう方向へ移動させると、正方向伝達用カム121および逆方向伝達用カム127は、伝達切替部材140の正方向被係合部141および逆方向被係合部142に正方向螺旋状係合部124および逆方向螺旋状係合部130とを摺動されながら回転させられ、それぞれ正方向螺旋形状面112および逆方向螺旋形状面113と摺動しながら回転移動し、伝達用カム120の平板面123、129が第2軸部材150の伝達部151に当接する。
このとき、第1軸部材110が正方向に回転している場合、正方向伝達用カム121は、カム当接部111と伝達部151との間を正方向にさらに摺動移動する力を受けることにより、くさび効果が生じ、より伝達部151側へ押し付けられて正方向伝達用カム121と伝達部151との摩擦力を高める。
このように、くさび効果による押し付け力を利用した駆動力の伝達方法のため、伝達用カム120を伝達部151側へ移動させるための力を非常に小さく抑えることができ、伝達切替部材140を介して伝達用カム120を強く伝達部151側に押し付ける必要がない。
すなわち、例えば、一般的な電磁クラッチと比べた場合、僅かな電磁力しか発生できない電磁石を伝達切替部材140の動作用に採用することができるため、省電力化や、装置構成を小型化することができる。
なお、くさび効果によるクラッチ100の係合特性は、螺旋形状面112、113と螺旋摺動面122、128、平板面123、129と伝達部151がそれぞれ互いに平行な面を対向させて当接および摺動していることから、くさび角である螺旋摺動面122、128と平板面123、129とのなす角によって決まる。
正方向伝達用カム121と伝達部151とが当接した直後から十分に摩擦力が大きければ、伝達用カム120は伝達部151と滑ることなく瞬時に一体に回転し、第1軸部材110から第2軸部材150へ駆動力を伝達することができる。
このとき、伝達用カム120の平板面123、129と伝達部151とは、広い平面で面接触しているため、ローラタイプのクラッチのような線接触に比べて摩耗や変形を抑制できる。
また、摩擦材を平板面123、129や伝達部151に使用する場合でも、平面に使用する一般的なものが使用可能であるため、材料や加工に必要なコストを低減することもできる。
さらに、カム当接部111の螺旋形状面112、113と、伝達用カム120の螺旋摺動面122、128とは、互いに平行な面を対向させて当接しているため、摺動時に摩耗した際に対向する螺旋形状面112、113と螺旋摺動面122、128との平行関係は変わることがなく、くさび角も変化せず、クラッチ100の係合特性は変化することがない。
また、クラッチ100の係合特性を調整することで、伝達用カム120と伝達部151との当接直後から、互いが滑りながら徐々に駆動力を伝達させることも可能であるため、連結前の第1軸部材110と第2軸部材150との差回転が大きい場合でも、衝撃トルクを抑えて駆動力を伝達でき、クラッチ100や周辺部品の破損を抑制することができる。
なお、伝達切替部材140を第1軸部材110側へ移動させると、伝達用カム120は伝達部151から離脱するように螺旋形状面112、113と摺動しながら回転移動できるため、第1軸部材110が回転している間でも第2軸部材150への駆動力の伝達を迅速に解除することができる。
また、第1軸部材110が逆方向に回転している場合でも、逆方向伝達用カム127が正回転時の正方向伝達用カム121とは逆向きに同様の動作をするため、第1軸部材110から第2軸部材150へ駆動力を伝達できる。
さらに、伝達用カム120が伝達部151に当接して回転すれば、くさび効果によって伝達用カム120は伝達部151に強く押し付けられるため、第2軸部材150を回転させて第2軸部材150から第1軸部材110へ駆動力を伝達することもできる。
また、規制部材152は、貫通孔114とは互いの半径方向および軸方向の移動を規制するとともに、回転方向にのみ摺動可能に形成され、制限貫通孔126、132とは互いの半径方向の移動のみ規制するとともに、回転方向及び軸方向に摺動可能に形成されているため、クラッチ100の回転時に各部材が振動等で回転軸の半径方向へ力を受けても、各部材の回転軸は第1軸部材の回転軸の半径方向から大きくずれることがなく、安定して動作できる。
さらに、正方向伝達用カム121および逆方向伝達用カム127に設けられた制限片125、131は、互いの内周面に沿った円盤状に形成されるとともに、第1軸部材110の回転軸方向にずらして配置されているため、正方向伝達用カム121および逆方向伝達用カム127の回転軸はより一層第1軸部材110の回転軸からずれることがなく、安定して動作できる。
また、付勢部材(図示しない)によって伝達切替部材140は第1軸部材110方向へ常に付勢されているため、駆動力伝達中に停電などの不具合が発生した際に、伝達切替部材140を第1軸部材110方向へ移動させて伝達用カム120を伝達部151から確実に離脱させ、第1軸部材110と第2軸部材150との連結を自動的に解除させることができる。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
なお、上述した実施形態では、伝達用カムは、正方向伝達用カムと逆方向伝達用カムが、制限片を第1軸部材の回転軸方向にずらした状態で、第1軸部材の回転軸を基準として対向するように配置されているものとして説明したが、伝達用カムの配置はこれに限定されず、例えば、図6に示すように、第1軸部材の回転軸を中心として、外周側に正方向伝達用カムを設けて、内周側に逆方向伝達用カムを設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、正方向および逆方向に駆動力を伝達可能な構成として説明したが、駆動力の伝達方向はこれに限定されず、例えば、図7に示すように、伝達用カムを正逆いずれか一方向のみ設けて、駆動力を一方向にのみ伝達可能に構成してもよい。
また、上述した実施形態では、伝達切替部材は、第2軸部材側から第1軸部材側へ向かう方向へ付勢部材によって常に付勢されているものとして説明したが、伝達切替部材の構成はこれに限定されず、例えば、伝達切替部材が常に第2軸部材と第1軸部材との間の移動可能な範囲の中間位置に向けて付勢されていてもよく、付勢部材がなくてもよい。
また、上述した実施形態では、螺旋状係合部と被係合部とは、面接触で当接しているものとして説明したが、伝達用カムと伝達切替部材との係合関係はこれに限定されず、例えば、伝達切替部材の内周側に、螺旋状係合部と係合可能な丸棒状のピンを突出形成して配置してもよい。
また、上述した実施形態では、第2軸部材に設けられた規制部材は、第1軸部材に設けられた貫通孔とは回転方向にのみ摺動可能に形成され、伝達用カムの制限片に設けられた制限貫通孔とは回転方向および軸方向に摺動可能に形成されているものとして説明したが、各部材の構成はこれに限定されず、例えば、第1軸部材に規制部材を設けて、第2軸部材に貫通孔を設けてもよく、制限片に制限貫通孔を設けずに円周壁に沿った弧状の制限弧状部を設けてもよく、貫通孔、制限貫通孔、制限片、規制部材を設けなくてもよい。
また、上述した実施形態では、伝達切替部材が伝達部から離脱した状態では、第1軸部材と第2軸部材とは物理的に接触していないものとして説明したが、第1軸部材と第2軸部材との関係はこれに限定されず、例えば、規制部材と貫通孔とをラジアルベアリングおよびスラストベアリングを介して接続することで、第1軸部材と第2軸部材とが駆動力を伝達しないように接触されていてもよく、規制部材と制限貫通孔とをすべり軸受構造にして接続することで、第1軸部材と第2軸部材とが駆動力を伝達しないように接触されていてもよい。
100、200、300 ・・・ クラッチ
110、210、310 ・・・ 第1軸部材
111 ・・・ カム当接部
112、212、312 ・・・ 正方向螺旋形状面
113、213 ・・・ 逆方向螺旋形状面
114 ・・・ 貫通孔
120 ・・・ 伝達用カム
121、221、321 ・・・ 正方向伝達用カム
122、222、322 ・・・ 正方向螺旋摺動面
123、129 ・・・ 平板面
124 ・・・ 正方向螺旋状係合部
125、131 ・・・ 制限片
126、132 ・・・ 制限貫通孔
127、227 ・・・ 逆方向伝達用カム
128、228 ・・・ 逆方向螺旋摺動面
130 ・・・ 逆方向螺旋状係合部
140 ・・・ 伝達切替部材
141 ・・・ 正方向被係合部
142 ・・・ 逆方向被係合部
150、250、350 ・・・ 第2軸部材
151 ・・・ 伝達部
152 ・・・ 規制部材
153 ・・・ 円周壁

Claims (7)

  1. 第1軸部材と、前記第1軸部材と同一の回転軸で独立して回転可能に構成された第2軸部材とを有するクラッチであって、
    前記第1軸部材には、前記第2軸部材に対向する位置にカム当接部が設けられ、
    前記第2軸部材には、前記カム当接部に対向する位置に伝達部が設けられ、
    前記カム当接部と前記伝達部との間には、前記第1軸部材と同一の回転軸で相対的に回転可能に構成された伝達用カムが設けられ、
    前記カム当接部と前記伝達用カムの第1面とは、前記第1軸部材と同一の回転軸を中心とした螺旋形状面を互いに対向させて摺動回転可能に当接し、
    前記伝達用カムは、前記カム当接部との摺動回転に連動して前記第1軸部材の回転軸方向に進退移動可能に構成され、
    前記伝達部と前記伝達用カムの第2面とが、当接および離脱可能に構成されていることを特徴とするクラッチ。
  2. 前記クラッチは、伝達切替部材を有し、
    前記伝達切替部材は、前記伝達用カムを第1軸部材に対して相対的に正逆回転させることで、前記伝達用カムを前記第1軸部材の回転軸方向に進退移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ。
  3. 前記伝達用カムは、外周面に切替係合部を有し、
    前記伝達切替部材は、前記切替係合部に係合可能な被係合部を有し、前記第1軸部材に対して一体的に回転するとともに、前記第1軸部材の回転軸方向に進退移動可能に構成され、
    前記伝達用カムは、前記伝達切替部材の回転軸方向の移動により前記第1軸部材に対して正逆回転可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載のクラッチ。
  4. 前記クラッチは、前記伝達用カムを前記伝達部から離脱する方向に前記伝達切替部材を付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のクラッチ。
  5. 前記伝達用カムは、前記第1軸部材の回転軸から半径方向への移動を制限する制限片を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のクラッチ。
  6. 前記第1軸部材および前記第2軸部材の少なくともいずれか一方には、前記第1軸部材の回転軸を中心とし、前記第1軸部材および前記第2軸部材の他方側へ延びる円周壁を有した規制部材が設けられ、
    前記制限片の半径方向内周側は、前記規制部材の前記円周壁に沿った制限弧状部を有することを特徴とする請求項5に記載のクラッチ。
  7. 前記伝達用カムは、前記第1軸部材の回転軸を中心に周方向に複数設けられているとともに、少なくとも1つの伝達用カムは逆向きにカム当接部と摺動回転するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のクラッチ。

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