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JP2020101103A - 内燃機関の排気熱回収装置 - Google Patents

内燃機関の排気熱回収装置 Download PDF

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JP2020101103A
JP2020101103A JP2018238433A JP2018238433A JP2020101103A JP 2020101103 A JP2020101103 A JP 2020101103A JP 2018238433 A JP2018238433 A JP 2018238433A JP 2018238433 A JP2018238433 A JP 2018238433A JP 2020101103 A JP2020101103 A JP 2020101103A
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友章 廣澤
Tomoaki Hirosawa
友章 廣澤
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Abstract

【課題】排気熱回収装置を利用して後処理部材の上流側の位置における排気温度を低下させる。【解決手段】内燃機関1の排気熱を回収するための排気熱回収装置は、内燃機関の排気通路4における後処理部材24の上流側の位置で排気熱を回収すると共に、回収した排気熱を冷却水に伝達する排気熱回収器23と、排気熱回収器を制御するように構成された制御部100とを備える。制御部は、後処理部材の上流側の位置における排気温度が所定の閾値を超えたときに排気熱回収器を作動させる。【選択図】図1

Description

本開示は内燃機関の排気熱回収装置に係り、特に、内燃機関の排気熱を回収するための排気熱回収装置に関する。
排気熱回収装置により内燃機関の排気熱を回収し、回収した排気熱を内燃機関の冷却水に伝達し、冷却水を加熱して、内燃機関の冷間始動後の暖機を促進する場合がある。
特開2010−133349号公報
ところで、内燃機関の排気通路には、排気後処理を行う触媒等の後処理部材が設置されている。後処理部材の上流側の位置における排気温度については、後処理部材が排気中の有害成分を比較的高い浄化率で除去できるような好ましい温度域がある。
しかし、排気温度がそのような温度域を超えてしまうと、後処理部材の浄化率が低下し、有害成分の排出量が増大する虞がある。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、排気熱回収装置を利用して後処理部材の上流側の位置における排気温度を低下させることにある。
本開示の一の態様によれば、
内燃機関の排気熱を回収するための排気熱回収装置であって、
前記内燃機関の排気通路における後処理部材の上流側の位置で排気熱を回収すると共に、回収した排気熱を冷却水に伝達する排気熱回収器と、
前記排気熱回収器を制御するように構成された制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記後処理部材の上流側の位置における排気温度が所定の閾値を超えたときに前記排気熱回収器を作動させる
ことを特徴とする内燃機関の排気熱回収装置が提供される。
好ましくは、前記制御部は、前記後処理部材の上流側の位置における排気温度が所定の閾値を超え、かつ、前記排気熱回収器を作動させても冷却水温度が許容限度を超えて上昇しないような所定の許可条件が成立した場合に、前記排気熱回収器を作動させる。
好ましくは、前記許可条件は、冷却水温度が所定の閾値未満であるという第1の予備条件が成立することを、成立条件に含む。
好ましくは、前記許可条件は、前記内燃機関が搭載された移動体の速度が所定の閾値以上であるという第2の予備条件が成立することを、成立条件に含む。
好ましくは、前記許可条件は、ラジエータの通過風を発生するファンの回転速度が所定の閾値未満であるという第3の予備条件が成立することを、成立条件に含む。
好ましくは、前記排気温度の閾値は、前記後処理部材が所定値以上の効率で作動する温度域の上限温度に等しく設定される。
本開示によれば、排気熱回収装置を利用して後処理部材の上流側の位置における排気温度を低下させることができる
本開示の実施形態の構成を示す概略図である。 NOx触媒の浄化率特性を示すグラフである。 冷却水温度制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。 排気熱回収器の制御ルーチンを示すフローチャートである。 排気熱回収器の他の制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
図1に本実施形態の構成を概略的に示す。本実施形態において、動力源としての内燃機関(エンジン)1が、移動体としての車両(図示せず)に搭載されている。車両はトラック等の大型車両であり、エンジン1はディーゼルエンジンである。しかしながら、車両および内燃機関の種類、用途等に特に限定はなく、例えば車両は乗用車等の小型車両であってもよいし、エンジン1はガソリンエンジンであってもよい。
なお、移動体は車両に限定されず、船舶等の他の移動体であってもよい。またエンジンは、移動体に搭載されたものでなくてもよく、定置式のものであってもよい。
図中、吸気の経路を細い破線矢印で示し、排気の経路を細い一点鎖線矢印で示し、エンジン冷却水の経路を太い実線矢印で示す。
エンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2に接続された吸気通路3および排気通路4とを備える。エンジン本体2は、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクケース等の構造部品と、その内部に収容されたピストン、クランクシャフト、バルブ等の可動部品とを含む。エンジン本体2には複数(本実施形態では4つ)のシリンダ5と気筒毎の燃料噴射弁(図示せず)とが設けられる。またエンジン本体2には、その内部で冷却水を循環させるためのエンジン内水路6が設けられる。エンジン内水路6は、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの内部に形成されたウォータジャケットを含む。
吸気通路3は、エンジン本体2に接続された吸気マニホールド10と、吸気マニホールド10の上流側に接続された吸気管11とにより主に画成される。吸気管11には、上流側から順に、ターボチャージャ14のコンプレッサ14Cとインタークーラ15とが設けられる。
排気通路4は、エンジン本体2に接続された排気マニホールド20と、排気マニホールド20の下流側に接続された排気管21とにより主に画成される。排気管21には、ターボチャージャ14のタービン14Tが設けられる。またタービン14Tより下流側の排気管21には、上流側から順に、前段後処理装置22、排気熱回収器23および後段後処理装置24が設けられる。
前段後処理装置22は、上流側から順に直列に接続された酸化触媒(DOC: Diesel Oxidation Catalyst)とフィルタ(DPF: Diesel Particulate Filter)を備える。酸化触媒は、排気中の未燃成分(炭化水素HCおよび一酸化炭素CO)を酸化除去すると共に、このときの反応熱で排気ガスを加熱昇温し、また排気中のNOをNO2に酸化する。フィルタは、所謂連続再生式の触媒付きフィルタからなり、排気中に含まれる粒子状物質(PM: Particulate Matter)を捕集すると共に、捕集したPMを連続的に燃焼除去する。
排気熱回収器23は、排気ガスと冷却水の間で熱交換を行う熱交換器であって、排気ガスの熱すなわち排気熱を回収し、回収した排気熱を冷却水に伝達する。排気熱回収器23は、排気管21に取り付けられて実質的な熱回収および熱交換を行う回収器本体25と、排気熱回収器23の作動と停止(オンとオフ)を切り替える切替弁26とを備える。
回収器本体25は、これに導入された排気ガスと冷却水の間で熱交換を行う熱交換器を含む。切替弁26は、開のとき回収器本体25に冷却水を導入して排気熱回収器23を作動状態(オン)とし、閉のとき回収器本体25への冷却水導入を禁止して排気熱回収器23を停止状態(オフ)とする。このように本実施形態では、冷却水の導入を制御して排気熱回収器23の作動状態を切り替えているが、代替的または付加的に、排気ガスの導入を制御して排気熱回収器23の作動状態を切り替えてもよい。
後段後処理装置24は、選択還元型NOx触媒(SCR: Selective Catalytic Reduction)と、その上流側に設置された尿素添加弁とを備える。尿素添加弁から排気管21内に添加された尿素水は加水分解してアンモニアを生成する。NOx触媒は、このアンモニアを還元剤として排気中のNOxを連続的に還元除去する。なお後段後処理装置24におけるNOx触媒の下流側に、NOx触媒から排出された余剰アンモニアを酸化除去するアンモニア酸化触媒を追加で設けてもよい。
以上の酸化触媒、フィルタ、NOx触媒およびアンモニア酸化触媒は、それぞれ排気後処理を実行するための後処理部材をなす。特に本実施形態ではNOx触媒が、後述する過昇温抑制のための対象の後処理部材をなす。
エンジン1は排気再循環(以下、EGR)装置30をも備える。EGR装置30は、排気通路4内(特に排気マニホールド20内)の排気ガスの一部(EGRガスという)を吸気通路3内(特に吸気マニホールド10内)に還流させるためのEGR通路31と、EGR通路31を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ32と、EGRガスの流量を調節するためのEGR弁33とを備える。
一方、エンジン1の冷却システムについては、エンジン本体2における冷却水の入口部にウォータポンプ40が設けられる。ウォータポンプ40から排出された冷却水は、太線矢印で示すように三方に分岐され、一つはエンジン内水路6に、一つはオイルクーラ7に、一つはEGRクーラ32に送られる。
またEGRクーラ32から排出された冷却水は、車内暖房用のヒータコア41を通過した後、二方に分岐され、一方は前述の切替弁26に送られる。他方は、エンジン本体2における冷却水の出口部に設けられた調整弁42に送られる。この調整弁42にはエンジン内水路6の下流端も接続される。
切替弁26に送られた冷却水は、切替弁26が開のとき、回収器本体25に送られて排気熱により加熱される。そして回収器本体25から排出された後、調整弁42に送られる。
調整弁42は、エンジン内水路6、ヒータコア41および回収器本体25から送られてきた冷却水を、ラジエータ43と、ラジエータ43をバイパスするバイパス通路44との一方または両方に送る。すなわち調整弁42は、ラジエータ43とバイパス通路44を流れる冷却水の流量割合を調整する。本実施形態の場合、調整弁42の開度が大きくなるほどラジエータ43の流量割合が多くなるものとする。例えば、調整弁42の開度が100%のときラジエータ43の流量割合は100%(すなわちバイパス通路44の流量割合は0%)である。逆に、調整弁42の開度が0%のときラジエータ43の流量割合は0%(すなわちバイパス通路44の流量割合は100%)である。調整弁42の開度は連続的に可変である。
本実施形態の場合、調整弁42は電動バルブまたは電磁弁により形成され、その開度が電気的に制御される。そしてエンジン本体2の冷却水出口部には水温センサ45が設けられ、この水温センサ45で検出された水温に基づいて調整弁42の開度が制御されるようになっている。但し調整弁42は、感温型サーモスタットのような機械式であってもよい。
ラジエータ43から排出された冷却水と、バイパス通路44を流れた冷却水とは、いずれもウォータポンプ40に送られる。
他方、エンジン1には、ラジエータ43の通過風を発生させるためのファン46が設けられている。ファン46は車両におけるラジエータ43の後側、かつエンジン本体2の前側に設置される。なお図1の左側が車両の前側である。ファン46は、回転時にラジエータ43の後側から空気を吸引してラジエータ43を通過する通過風を発生させる。但し、空気を吐出して通過風を発生させるようファンを配置および構成してもよい。
本実施形態の場合、ファン46の回転速度(具体的には単位時間当たりの回転数(rpm))、ひいてはファン46の風量(ファン46を通過する風量)を、エンジン回転数等に拘わらず任意に制御できるよう、電動式ファンによりファン46を構成している。しかしながらより一般的な、クラッチを介してクランクシャフトにより駆動される機械式ファンによりファン46を構成してもよい。
一方、車両には、車両およびエンジンを制御するための制御装置が搭載されている。制御装置は、制御ユニット、回路要素(circuitry)もしくはコントローラとしての電子制御ユニット(ECU: Electronic Control Unitという)100を含む。ECU100は、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、記憶媒体であるROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)、入出力ポート、ならびにROMおよびRAM以外の記憶装置等を含む。ECU100は、前述の尿素添加弁、切替弁26、EGR弁33、調整弁42およびファン46を制御するように構成され、プログラムされている。
また制御装置は、センサ類として、前述の水温センサ45と、排気温センサ27と、速度センサ28とを含む。排気温センサ27は、排気通路4における後段後処理装置24(具体的にはNOx触媒)の上流側の位置に設置され、当該位置における排気温度を検出する。速度センサ28は、移動体である車両の速度、すなわち車速を検出する。
本実施形態の場合、回収器本体25の下流側の位置に排気温センサ27を設置している。こうすると、回収器本体25での排気熱回収により温度が低下した後の排気ガスの温度を検出でき、制御上有利である。但し、排気温センサ27は回収器本体25の上流側の位置に設置することも可能である。
次に、本実施形態の制御について説明する。
上記構成において、NOx触媒の上流側の位置の排気温度、言い換えればNOx触媒に流入する排気ガスの温度については、NOx触媒が排気中のNOxを比較的高い浄化率で除去できるような好ましい温度域がある。
図2に、NOx触媒の浄化率特性を示す。横軸は、排気温センサ27の位置における排気温度であり、便宜上、触媒入口温度Teと称す。縦軸は、NOx触媒の効率すなわちNOx浄化率ηである。見られるように、NOx浄化率ηはある温度で最大となるピーク特性を有し、NOx触媒には、NOx浄化率ηが比較的高い所定値η1以上となる触媒入口温度Teの温度域、すなわち活性温度域ΔTeが存在する。活性温度域ΔTeの下限温度はTe1、上限温度はTe2である。例えばTe1=150℃、Te2=350℃であるが、数値はそれらに限られない。この活性温度域ΔTeが、上述の好ましい温度域に相当する。
しかし、実際の触媒入口温度Teはエンジン運転状態等に応じて大きく変動し、触媒入口温度Teが活性温度域ΔTeを超えてしまうこともある。そうなると、点aで示すようにNOx触媒のNOx浄化率ηが、好適なNOx浄化率の下限値η1よりも低下し、NOxの排出量が増大する虞がある。
そこで本実施形態では、排気熱回収装置を利用して触媒入口温度Teを低下させる。具体的にはECU100は、触媒入口温度Teが所定の閾値を超えたとき、切替弁26を開とし、排気熱回収器23を作動させる。ここで閾値は、活性温度域ΔTeの上限温度Te2と等しく設定される。
排気熱回収器23を作動させると、回収器本体25に冷却水が導入され、回収器本体25内で排気熱が冷却水に伝達される。これにより、排気ガスから熱を奪って排気ガスの温度を低下させることができる。そして点bで示すように、触媒入口温度Teを上限温度Te2以下に低下させ、活性温度域ΔTe内に入れることができ、NOx触媒を高効率で作動させ、NOxの排出を抑制できる。
ところで、こうすると冷却水が排気熱で加熱されるので、冷却水の温度上昇が問題となる。すなわち、冷却水温度が所定の目標温度に一致するよう、調整弁42とファン46が制御されているが、冷却水の温度が目標温度に対しあまりに高くなると、許容できないほどにファン46の回転数が高くなり、ファン駆動損失が増大する。これは燃費悪化の原因となる。
そこで本実施形態では、触媒入口温度Teが閾値すなわち上限温度Te2を超えた場合、排気熱回収器23を作動させても冷却水温度が許容限度を超えて上昇しないような所定の許可条件が成立した場合に限って、排気熱回収器23を作動させる。言い換えれば、現状の冷却水温度と許容限度との間に比較的余裕がある場合に限って、排気熱回収器23を作動させる。これにより、冷却水温度が許容限度を超えて上昇すると許可条件非成立のときに、排気熱回収器23の作動を禁止でき、冷却水温度上昇に起因するファン回転数の増大ひいてはファン駆動損失の増大を抑制できる。
なお、この説明から理解されるように、冷却水温度の許容限度とは、ファン回転数およびファン駆動損失が許容範囲内での最大値となるような冷却水温度をいい、実験的に求めることが可能である。以下、冷却水温度が許容限度を超えることを便宜上、冷却水温度が過剰上昇するともいう。
本実施形態において、許可条件が成立する条件(成立条件)は、次の予備条件1〜3の少なくとも一つが成立することである。
予備条件1:冷却水温度が所定の閾値未満である。具体的には、水温センサ45により検出された、エンジン本体2の冷却水出口部の水温Twが所定の閾値Tw2未満であるとき、予備条件1が成立する。水温Twが閾値Tw2以上だと、排気熱回収器23を作動させたときに冷却水温度が許容限度を超えて上昇する可能性がある。そのため、水温Twが閾値Tw2未満の場合に限って排気熱回収器23の作動を許可している。なお閾値Tw2は、冷却水温度の許容限度に等しいかその付近の値に設定することが可能であり、実験的に求めることが可能である。
予備条件2:車速が所定の閾値以上である。具体的には、速度センサ28により検出された車速Vが所定の閾値V1以上であるとき、予備条件2が成立する。車速Vが閾値V1未満だと、ラジエータ43に供給される車両前方からの走行風量が少ないため、排気熱回収器23を作動させたときにラジエータ43の放熱不足により冷却水温度が許容限度を超えて上昇する可能性がある。そのため、車速Vが閾値V1以上の場合に限って排気熱回収器23の作動を許可している。閾値V1は実験的に求めることが可能である。
予備条件3:ファン46の回転数が所定の閾値未満である。具体的には、ECU100により検出されたファン46の回転数Nfが所定の閾値Nf1未満であるとき、予備条件3が成立する。ここでファン46の回転数NfはECU100が制御しているので、ECU100自身、ファン46の回転数Nfを検出することが可能である。ファン回転数Nfが閾値Nf1以上ということは、後述の冷却水温度制御において冷却水温度が既にある程度上昇していることを意味する。このため、この状態から排気熱回収器23を作動させると、冷却水温度がさらに上昇して許容限度を超える可能性がある。そのため、ファン回転数Nfが閾値Nf1未満の場合に限って排気熱回収器23の作動を許可している。なお閾値Nf1は、ファン回転数の許容範囲内での最大値と等しいかその付近の値に設定することが可能であり、実験的に求めることが可能である。また閾値Nf1は比較的低い値である。
これら予備条件1〜3は、単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。
次に、本実施形態における制御ルーチンを説明する。なお後述するいずれのルーチンも、ECU100により所定の演算周期τ(例えば10msec)毎に繰り返し実行される。
図3は、基本的な冷却水温度制御の制御ルーチンを示す。まずステップS101で、ECU100は、水温センサ45により検出された水温Twの値を取得する。
次にステップS102で、ECU100は、検出水温Twを所定の目標温度Twtに近づけるよう、調整弁42とファン46を制御する。この制御は様々な方法で実行可能であるが、以下に一例を述べる。
かかる基本水温制御は、できるだけファン46を作動させないような態様で実行される。従って基本的にはファン46をオフにした状態で、調整弁42の開度調整だけで水温の調節を行う。検出水温Twが目標温度Twtより低い場合、ECU100は調整弁42の開度を減少してラジエータ43を流れる冷却水の流量(ラジエータ流量)を低下させると共に、バイパス通路44を流れる冷却水の流量(バイパス流量)を増加させる。これにより検出水温Twを上昇させることができる。検出水温Twが目標温度Twtより高い場合は逆の操作を行う。
調整弁42の開度を100%とし、冷却水の全量をラジエータ43に流した場合でもなお検出水温Twが目標温度Twtより高い場合は、ファン46を作動させ、ラジエータ通過風量を増大させる。検出水温Twが目標温度Twtより高くなるほど、ファン回転数Nfを増大し、ラジエータ通過風量を増大させる。これにより検出水温Twを低下させて目標温度Twtに近づけることが可能である。
こうした調整弁42とファン46の制御に際しては、検出水温Twと目標温度Twtの差に応じたフィードバック制御を行うことが可能である。
次に図4を参照して、排気熱回収器23の制御ルーチンを説明する。
ステップS201で、ECU100は、水温センサ45により検出された水温Twと、排気温センサ27により検出された触媒入口温度Teと、速度センサ28により検出された車速Vとの値を取得する。
次にステップS202で、ECU100は、水温Twを所定の閾値(第1閾値)Tw1と比較する。この第1閾値Tw1は、前述の閾値(第2閾値)Tw2と異なり、第2閾値Tw2よりも低い値であって、エンジンの暖機完了を判定するための温度である。例えばTw1=80℃であるが、数値は任意に設定可能である。
水温Twが第1閾値Tw1より低い場合、ECU100は、暖機完了前とみなしてステップS203に進み、切替弁26を開にして排気熱回収器23を作動させる。これにより、冷間始動後に回収した排気熱で冷却水を加熱することができ、エンジンの暖機を促進することができる。
他方、水温Twが第1閾値Tw1以上の場合、ECU100は暖機完了後とみなしてステップS204に進む。
ステップS204でECU100は、触媒入口温度Teが閾値Te2を超えているか否かを判断する。閾値Te2を超えてない場合、ECU100は、ステップS207に進んで切替弁26を閉にし、排気熱回収器23を停止させる。
他方、閾値Te2を超えている場合、ECU100は、ステップS205,S206で許可条件の成立の是非を判断する。ここでは、ステップS205で前述の予備条件1(水温条件)の成立を判断し、ステップS206で前述の予備条件2(車速条件)の成立を判断する。すなわち予備条件1と予備条件2の組み合わせを用いている。しかしながら組み合わせはこれに限らず、また予備条件1〜3を単独で使用してもよい。
ステップS205でECU100は、水温Twが第2閾値Tw2未満か否かを判断する。水温Twが第2閾値Tw2未満でない場合(第2閾値Tw2以上である場合)、ECU100は、許可条件不成立とみなしてステップS207に進み、排気熱回収器23を停止させる。これにより、排気熱回収による冷却水温度の過剰上昇、ひいてはこれに起因するファン回転数およびファン駆動損失の増大を未然に防止することができる。
他方、水温Twが第2閾値Tw2未満である場合、ECU100はステップS206に進み、車速Vが閾値V1以上か否かを判断する。車速Vが閾値V1以上でない場合(閾値V1未満である場合)、ECU100は、許可条件不成立とみなしてステップS207に進み、排気熱回収器23を停止させる。これにより、排気熱回収時の走行風不足による冷却水温度の過剰上昇、ひいてはこれに起因するファン回転数およびファン駆動損失の増大を未然に防止することができる。
他方、車速Vが閾値V1以上である場合、ECU100は許可条件成立とみなしてステップS203に進み、切替弁26を開にし、排気熱回収器23を作動させる。これにより、冷却水温度の過剰上昇が生じないことを確認した上で排気熱回収器23を作動させることができ、排気熱回収時のファン駆動損失増大および燃費悪化を未然に防止することができる。
この制御では、ステップS205とステップS206の両方がイエスのとき、すなわち予備条件1と予備条件2の両方が成立したとき、排気熱回収器23を作動させている。これにより、許可条件を厳しくして排気熱回収時の冷却水温度過剰上昇を確実に防止できる。その一方で代替的に、予備条件1と予備条件2のいずれか一方が成立したとき排気熱回収器23を作動させてもよい。この場合、許可条件を緩くして排気熱回収の機会を増やすことができる。
前者は予備条件1と予備条件2をアンド条件(AND)で結んだ例、後者は予備条件1と予備条件2をオア条件(OR)で結んだ例である。予備条件1〜3は、任意に組み合わせてアンドまたはオア条件で結ぶことが可能である。
次に図5を参照して、排気熱回収器23の他の制御ルーチンを説明する。本ルーチンは、予備条件2の代わりに予備条件3を用いた点が前記制御ルーチンと相違する。
本ルーチンのステップS302〜S305,S307は前記制御ルーチンのステップS202〜S205,S207と同様である。本ルーチンのステップS301,S306が前記制御ルーチンのS201,S206と相違する。
本ルーチンのステップS301において、ECU100は、水温Twおよび触媒入口温度Teに加え、自身で把握しているファン回転数Nfの値を取得する。
また本ルーチンのステップS306において、ECU100は、予備条件3(ファン回転数条件)の成立を判断する。具体的には、ファン回転数Nfが閾値Nf1未満か否かを判断する。ファン回転数Nfが閾値Nf1未満でない場合(閾値Nf1以上である場合)、ECU100は、許可条件不成立とみなしてステップS307に進み、切替弁26を閉にし、排気熱回収器23を停止させる。これにより、排気熱回収時のファン回転数の増大、ひいてはファン駆動損失の増大を未然に防止することができる。
他方、ファン回転数Nfが閾値Nf1未満である場合、ECU100は許可条件成立とみなしてステップS303に進み、切替弁26を開にし、排気熱回収器23を作動させる。
本ルーチンでは、予備条件1と予備条件3をアンド条件で結び、両者が成立したときに許可条件成立として排気熱回収器23を作動させる。
以上の説明で分かるように、本実施形態のECU100は、特許請求の範囲にいう制御部に相当する。また本実施形態の予備条件1〜3は、特許請求の範囲にいう第1〜第3の予備条件に相当する。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態は他にも様々考えられる。
(1)例えば前記実施形態では、切替弁26を、回収器本体25の冷却水流れ方向上流側に設置したが、代替的または付加的に、冷却水流れ方向下流側に設置してもよい。
(2)前記実施形態では、温度上昇抑制対象の後処理部材をNOx触媒としたが、酸化触媒等の他の後処理部材としてもよい。
本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関(エンジン)
4 排気通路
23 排気熱回収器
24 後段後処理装置
25 回収器本体
26 切替弁
27 排気温センサ
28 速度センサ
43 ラジエータ
45 水温センサ
46 ファン
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気熱を回収するための排気熱回収装置であって、
    前記内燃機関の排気通路における後処理部材の上流側の位置で排気熱を回収すると共に、回収した排気熱を冷却水に伝達する排気熱回収器と、
    前記排気熱回収器を制御するように構成された制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記後処理部材の上流側の位置における排気温度が所定の閾値を超えたときに前記排気熱回収器を作動させる
    ことを特徴とする内燃機関の排気熱回収装置。
  2. 前記制御部は、前記後処理部材の上流側の位置における排気温度が所定の閾値を超え、かつ、前記排気熱回収器を作動させても冷却水温度が許容限度を超えて上昇しないような所定の許可条件が成立した場合に、前記排気熱回収器を作動させる
    請求項1に記載の内燃機関の排気熱回収装置。
  3. 前記許可条件は、冷却水温度が所定の閾値未満であるという第1の予備条件が成立することを、成立条件に含む
    請求項2に記載の内燃機関の排気熱回収装置。
  4. 前記許可条件は、前記内燃機関が搭載された移動体の速度が所定の閾値以上であるという第2の予備条件が成立することを、成立条件に含む
    請求項2または3に記載の内燃機関の排気熱回収装置。
  5. 前記許可条件は、ラジエータの通過風を発生するファンの回転速度が所定の閾値未満であるという第3の予備条件が成立することを、成立条件に含む
    請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気熱回収装置。
  6. 前記排気温度の閾値は、前記後処理部材が所定値以上の効率で作動する温度域の上限温度に等しく設定される
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気熱回収装置。
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