[go: up one dir, main page]

JP2020082429A - 一体化成形体 - Google Patents

一体化成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP2020082429A
JP2020082429A JP2018217243A JP2018217243A JP2020082429A JP 2020082429 A JP2020082429 A JP 2020082429A JP 2018217243 A JP2018217243 A JP 2018217243A JP 2018217243 A JP2018217243 A JP 2018217243A JP 2020082429 A JP2020082429 A JP 2020082429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
molded body
reinforcing member
plate material
integrated molded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018217243A
Other languages
English (en)
Inventor
佳祐 長縄
Keisuke Naganawa
佳祐 長縄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2018217243A priority Critical patent/JP2020082429A/ja
Publication of JP2020082429A publication Critical patent/JP2020082429A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】電子機器筐体等に用いられる、反りが少なく、剛性が高く、軽量・薄肉化を可能としうる繊維強化樹脂と補強部材の一体化成形体の提供。【解決手段】繊維強化樹脂からなる矩形形状の面状構造体である板材2、長尺体である補強部材3、及び、不連続繊維と熱可塑性樹脂からなる樹脂部材4とから構成され、補強部材3が板材2の片側表面の外周縁部の少なくとも一部の領域に配置され、樹脂部材4が補強部材3の少なくとも一部の領域と接合するとともに、板材2の片側表面の外周縁部の少なくとも一部の領域および/または側面6の少なくとも一部の領域と接合する構造である一体化成形体。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば医療用カセッテ、パソコン、OA機器または携帯電話等の部品や筐体部分として用いられる軽量、高強度・高剛性でかつ薄肉化が要求される用途に適した一体化成形体に関する。
現在、医療用カセッテ、パソコン、OA機器、AV機器、携帯電話、電話機、ファクシミリ、家電製品または玩具用品などの電気・電子機器の携帯化が進むにつれ、より小型、軽量化が要求されている。その要求を達成するために、機器を構成する部品、特に筐体には、外部から荷重がかかった場合に筐体が大きく撓んで内部部品と接触、破壊を起こさないようにする必要があるため、高強度・高剛性化を達成しつつ、かつ薄肉化が求められている。
また、成形体をより高強度・高剛性化するために強化繊維と樹脂からなる繊維強化樹脂に別の補強部材等を付加させて一体化接合成形させ小型軽量化した成形体において、反りが少なく、接合強度の信頼性が要求されている。
特許文献1(国際公開2018/110293号)には、片側表面が意匠面である板材(A)と部材(B)との間に接合樹脂(C)が介在した一体化成形体において、部材(B)の内側に、板材(A)と部材(B)とが離間するように配置され、板材(A)の外周縁部の少なくとも一部の領域が接合樹脂(C)と接合する第1の接合部を有するとともに、一体化成形体の意匠面側の表面の少なくとも一部に、板材(A)、部材(B)、および接合樹脂(C)が露出する領域を有する構成が記載され、これにより、複数の構造体が高い接合強度で接合し、その接合境界部が良好な平滑性を有し、成形体が板材の構成部材を有していても反り低減が図れ、軽量・薄肉化を実現することができるという効果が開示されている。
また、特許文献2(特開2011−166124号公報)には、熱可塑性樹脂からなる成形体(I)と、連続した強化繊維と熱硬化性樹脂を含む成形体(II)が接合されてなる電気・電子機器筐体であって、該成形体(I)が面状構造体であり、前記成形体(I)が凹形状の溝を有し、前記成形体(II)が該溝に沿って配置され、金型のキャビティ内に、前記成形体(II)がインサートされ、射出成形によりキャビティに前記成形体(I)が充填することにより、前記成形体(I)と前記成形体(II)とが一体化されてなる電気・電子機器筐体が記載され、これにより、複雑形状を形成することに適した熱可塑性樹脂からなる成形体(I)と、高剛性で生産性の高い連続した強化繊維と熱硬化性樹脂からなる成形体(II)を、必要とされる部分に効果的に配置することで、成形性、生産性、高剛性などの特性を損なうことなく、良好な軽量性、経済性、薄肉性を満たし、かつ必要とされる複雑な形状に対しても対応可能な電気・電子機器筐体が得られる、との効果が開示されている。
国際公開2018/110293号パンフレット 特開2011−166124号公報
しかし、特許文献1の構成では、部材(B)と板材(A)とを接合樹脂(C)で一体化した成形体で、反り低減が図れ、軽量・薄肉化を実現することを目的としたものであり、連続繊維及び熱硬化性樹脂を含む部材(B)が板材(A)と離間した構成となっているため、成形体自体の一層の高剛性化に対して改善の余地があった。
また、特許文献2の構成では、例えば、成形体(I)の溶融した熱可塑性樹脂がぶつかり合って形成されたウェルドが形成されている箇所は強度低下が生じるため、これらを補強する目的で、成形体(II)を成形体(I)に有するウェルドを跨って配置することにより、より剛性の高い電気・電子機器筐体を得ることができる。しかし、成形体の面状構造体である天板部分には熱可塑性樹脂を主成分とする成形体(I)が用いられ、補強部材である成形体(II)は成形体(I)に形成された溝に沿って配置される構成で高い剛性が得られるが、成形体(I)の肉厚を小さくしている箇所での境界部で強度が不均衡になる懸念があり、さらに、(I)が配置された箇所とされていない箇所で、強度、剛性に差があり、成形体自体の一層の高剛性化に対して改善の余地があった。
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、補強部材が複数の構造体と高い接合強度で接合し、成形体が板材の構成部材を有しても反り低減が図れ、また成形体の剛性を高め、軽量・薄肉化を可能としうる一体化成形体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は以下の手段を採用するものである。すなわち、
(1)繊維強化樹脂からなる矩形形状の面状構造体である板材(A)、長尺体である補強部材(B)及び、不連続繊維と熱可塑性樹脂からなる樹脂部材(C)とから構成される一体化成形体であって、
前記補強部材(B)が前記板材(A)の片側表面の外周縁部の少なくとも一部の領域に配置され、
前記樹脂部材(C)が前記補強部材(B)の少なくとも一部の領域と接合するとともに、前記板材(A)の片側表面の外周縁部の少なくとも一部の領域および/または側面の少なくとも一部の領域と接合することを特徴とする一体化成形体。
(2)前記補強部材(B)の長手方向と直交する断面の形状が、円形形状、楕円形状または矩形形状のいずれかである(1)に記載の一体化成形体。
(3)前記板材(A)の外周縁部の少なくとも一部に湾曲した曲在形状部を有する(1)または(2)に記載の一体化成形体。
(4)前記補強部材(B)の断面形状が、前記板材(A)の曲在形状部の湾曲形状に合致した曲面を一部に有する長尺体である(3)に記載の一体化成形体。
(5)前記樹脂部材(C)が前記板材(A)の側面の全領域と接合する(1)〜(4)のいずれかに記載の一体化成形体。
(6)前記板材(A)の外周縁部の少なくとも一部の領域と接合した領域における前記樹脂部材(C)の形状が、前記補強部材(B)の最頂部の高さ(前記板材(A)と前記補強部材(B)との接合箇所からもっとも離間した位置までの距離)以上の高さに形成された部位を有する(1)〜(5)のいずれかに記載の一体化成形体。
(7)前記板材(A)の投影面積X(mm)と、前記補強部材(B)の投影面積Y(mm)との比Y/Xが0.01〜0.2である(1)〜(6)のいずれかに記載の一体化成形体。
(8)前記補強部材(B)の長手方向と直交する断面部において、前記補強部材(B)の断面積をB2(mm)、前記樹脂部材(C)の断面積をC2(mm)とすると、B2/C2が0.01〜0.8である(1)〜(7)のいずれかに記載の一体化成形体。
(9)前記板材(A)と、前記補強部材(B)および/または前記樹脂部材(C)とが、接合層を介して接合されている(1)〜(8)のいずれかに記載の一体化成形体。
(10)前記補強部材(B)が一方向強化繊維及び熱硬化性樹脂から構成される(1)〜(9)のいずれかに記載の一体化成形体。
(11)前記板材(A)が連続繊維及び熱硬化性樹脂から構成される(1)〜(10)のいずれかに記載の一体化成形体、である。
本願発明の一体化成形体によれば、補強部材が複数の構造体と高い接合強度で接合し、成形体が面状構造体である板材の構成部材を有しても反り低減が図れ、また成形体の強度・剛性を高めることができ、軽量・薄肉化を実現することができる。
本発明に係る一体化成形体の平面図である。 図1に示す一体化成形体の底面図である。 図1または図2のA−A’断面図である。 図1または図2のB−B’断面図である。 本発明に係る一体化成形体の構成部材である板材(A)の斜視図である。 本発明に係る一体化成形体の構成部材でその断面の形状が矩形状の補強部材(B)の斜視図である。 図1に示す一体化成形体において、補強部材(B)を板材(A)上の配置位置を変えたA−A’断面図である。 図1に示す一体化成形体において、補強部材(B)を板材(A)上の配置位置をさらに別の位置に変えたA−A’断面図である。 本発明に係る一体化成形体の構成部材でその断面の形状が円形形状である補強部材(B)の斜視図である。 断面の形状が円形形状である補強部材(B)が板材(A)及び樹脂部材(C)と一体化した一体化成形体のA−A’断面図である。 断面形状を楕円形状とした補強部材(B)の斜視図である。 断面形状を楕円形状とした補強部材(B)が板材(A)及び樹脂部材(C)と一体化した一体化成形体のA−A’断面図である。 板材(A)の外周縁部の少なくとも一部に湾曲した曲在形状部を有する一体化成形体の平面図である。 図13に示す一体化成形体の底面図である。 板材(A)の外周縁部の少なくとも一部に湾曲した曲在形状部を有する一体化成形体の断面図である。 板材(A)の外周縁部の少なくとも一部に湾曲した曲在形状部を有し、曲在形状部の湾曲形状に合致した曲面を一部に有する補強部材(B)を接合した一体化成形体の断面図である。 板材(A)の外周縁部の少なくとも一部に湾曲した曲在形状部を有し、補強部材(B)が、樹脂部材(C)の同一辺の中に、2つ以上配置され一体化した一体化成形体のA−A’断面図である。 樹脂部材(C)を補強部材(B)の最頂部の高さ以上の高さに形成した一体化成形体の部分断面拡大図である。 樹脂部材(C)を補強部材(B)の最頂部の高さ以上の高さに形成した別の形態の一体化成形体の部分断面拡大図である。 板材(A)の投影面積を表した平面図である。 補強部材(B)の投影面積を表した平面図である。 板材(A)と樹脂部材(C)との間に第1の接合層、板材(A)と補強部材(B)との間に第2の接合層を介して接合した態様を表した一体化成形体の断面図である。 図21と異なる断面形状を有する補強部材(B)を用いて、第1の接合層および第2の接合層を設けた別の接合態様の一体化成形体の断面図である。 成形下金型に板材(A)の片側表面の外周縁部の少なくとも一部の領域に補強部材(B)を配置した平面図[1]と、C−C’断面図[2]である。 樹脂部材(C)を射出ゲート口から射出注入して一体化成形体を成形した平面図[1]とC−C’断面図「2」である。 一体化成形体1の対向する2辺を万能試験機の固定台に載置した状態を示す底面図である。 図25のD−D’断面図である。 一体化成形体1を万能試験機の固定台に載置し、上方からロードセルによる荷重を付加した状態を示す平面図である。 図27のE−E’断面図である。 図27の領域21の側面断面図である。 補強部材(B)を作成する一実施形態である引抜成形工程の概略図である。
以下、実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は図や実施例に何ら限定されるものではない。
本発明に係る一体化成形体1の構成は、繊維強化樹脂からなる矩形形状の面状構造体である板材(A)2、長尺体である補強部材(B)3及び不連続繊維と熱可塑性樹脂からなる樹脂部材(C)4とから構成される一体化成形体1であって、補強部材(B)3が板材(A)2の片側表面の外周縁部の少なくとも一部の領域に配され、樹脂部材(C)4が補強部材(B)3の少なくとも一部の領域と接合するとともに、板材(A)2の片側表面の外周縁部の少なくとも一部の領域および/または側面の少なくとも一部の領域と接合する構成である。
図5に示す面状構造体である板材(A)2、及び図6に示す長尺体である補強部材(B)3を別々にあらかじめ準備しておき、図1ないし図4に示すように、板材(A)2の片側表面の外周縁部のうち、対向する一対の長辺に沿って、及び、対向する一対の短辺に沿って補強部材(B)3が配され、さらに、樹脂部材(C)4により板材(A)2および補強部材(B)が接合一体化された構成である。
補強部材(B)3が板材(A)2の外周縁部の少なくとも一部の領域に配することにより、成形体1の反りを抑制するとともに、一体化成形体1の強度・剛性を高めることができる。さらに、樹脂部材(C)4が補強部材(B)3の少なくとも一部の領域と接合するとともに、板材(A)2の片側表面の外周縁部の少なくとも一部の領域、側面部6の少なくとも一部の領域、又は外周縁部の少なくとも一部の領域と側面部6の少なくとも一部の領域双方と接合する形態をとることにより、樹脂部材(C)4と板材(A)2との接合強度を高めることができる。
ここで、板材(A)2の外周縁部とは、面状構造体の板材(A)2の外周部付近の平面部領域であり、板材(A)2の1辺の長さに対して外周端部から0〜15%の長さの範囲内であることが好ましい。この板材(A)2の外周縁部に、補強部材(B)3の一部が位置するように配することが好ましい。図3では補強部材(B)3の一部が板材(A)2の外周端部と接し、その一面が板材(A)2の側面部6と同一平面状に揃って面一で配置される態様を例示している。また、補強部材(B)3の補強効果が発現できるのであれば、図7に示すように、補強部材(B)3が板材(A)2の外周端部よりも内側にずれて外周縁部の位置に配する構成でも構わないし、また、図8に示すように、補強部材(B)3の一部が板材(A)2の外周端部よりも外側にはみ出すようにずらして配する構成でも構わない。外周端部とは、板材(A)2の外周縁部の最も端の箇所を指し、側面部6と接する箇所である。
図3又は図4はそれぞれ図1又は図2のA−A’、B−B’の断面図であるが、同じ部材の配置構成を明確にするため、図1又は図2と同様の模様を示している。以下同様である。
また、面状構造体である板材(A)2は、平面の投影面積に比べて側面部面積が小さい面形状で、投影面積が10,000〜250,000mmの範囲で、側面部6の高さである板材(A)2の板厚は0.2〜5mmの範囲であることが好ましい。より好ましくは投影面積が40,000〜240,000mmの範囲、板厚が0.5〜3mmの範囲であり、さらに好ましくは90,000〜220,000mmの範囲、板厚が1〜2mmの範囲である。例えば、カセッテやパソコンの筺体のように投影面積に比べて側面部面積が小さい、薄肉型直方体形状においては、その強度・剛性を確保して、曲げや衝撃に対して強い強度が必要である。このような形態であっても、本発明の構成を取ることにより強い強度、高い剛性を保持することができる。
また、樹脂部材(C)4は、射出成形可能な熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。樹脂部材(C)4を射出成形することにより、板材(A)2や補強部材(B)3と接合一体化することができる。
樹脂部材(C)4を構成する熱可塑性樹脂の種類としては特に制限はなく、以下に例示される熱可塑性樹脂のいずれの樹脂も用いることができる。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN樹脂)、液晶ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂や、ポリエチレン(PE樹脂)、ポリプロピレン(PP樹脂)、ポリブチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂などのポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリケトン(PK)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、ポリエーテルニトリル(PEN)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などのフッ素系樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの結晶性樹脂、スチレン系樹脂の他、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリサルホン(PSU)樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂などの非晶性樹脂、その他、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、更にポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリイソプレン系樹脂、フッ素系樹脂、およびアクリロニトリル系樹脂等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体および変性体等から選ばれる熱可塑性樹脂が挙げられる。中でも、得られる成形品の軽量性の観点からはポリオレフィン樹脂が好ましく、強度の観点からはポリアミド樹脂が好ましく、表面外観の観点からポリカーボネート樹脂やスチレン系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のような非晶性樹脂が好ましく、耐熱性の観点からポリアリーレンスルフィド樹脂が好ましく、連続使用温度の観点からポリエーテルエーテルケトン樹脂が好ましく用いられる。
また、樹脂部材(C)4を構成する不連続繊維としては、ポリアクリルニトリル(PAN)系、レーヨン系、リグニン系、ピッチ系の炭素繊維や、黒鉛繊維や、ガラスなどの絶縁性繊維や、アラミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂などの有機繊維や、シリコンカーバイト、シリコンナイトライドなどの無機繊維が挙げられる。これらの強化繊維は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。中でも、軽量化効果の観点から、比強度、比剛性に優れるPAN系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が好ましく用いられる。また、得られる成形品の経済性を高める観点からは、ガラス繊維が好ましく用いられ、とりわけ力学特性と経済性のバランスから炭素繊維とガラス繊維を併用することが好ましい。さらに、得られる成形品の衝撃吸収性や賦形性を高める観点からは、アラミド繊維が好ましく用いられ、とりわけ力学特性と衝撃吸収性のバランスから炭素繊維とアラミド繊維を併用することが好ましい。これらの中で、強度と弾性率などの力学的特性に優れるPAN系の炭素繊維をより好ましく用いることができる。
また、樹脂部材(C)4を構成する不連続繊維の重量平均繊維長が0.3〜5mmであることが好ましい。
ここで、連続繊維と不連続繊維について定義する。連続繊維とは、一体化成形体1に含有された強化繊維が一体化成形体1の全長または全幅にわたって実質的に連続して配置された様態であり、不連続繊維とは断続的に強化繊維が分断されて配置された様態のものをいう。一般的に、一方向に引き揃えた強化繊維に樹脂を含浸させた一方向繊維強化樹脂が連続繊維に該当し、プレス成形に用いるSMC基材、射出成形に用いる強化繊維が含有したペレット材料などが不連続繊維に該当する。
不連続繊維の中でも射出成形に用いるペレット材料として、不連続繊維で構成された部材中に残存した重量平均繊維長が一定の繊維長を有することにより、射出成形時において、繊維強化樹脂が成形型の成形金型の隅部分までに均一に充填することができる。重量平均繊維長が0.3mm未満であると、強度や剛性が十分に得られない場合や、一体化成形体1の反り低減が十分に図ることができない場合がある。重量平均繊維長が5mmを超えると樹脂の流動性が悪くなり、射出成形時に樹脂部材(C)4を成形金型の隅部分までに均一に充填しにくくなる場合がある。不連続炭素繊維の重量平均繊維長は、好ましくは0.4〜3mm、より好ましくは、1〜2.5mm、さらに好ましくは、1.4〜1.9mmである。
また、樹脂部材(C)4の繊維重量含有率が10〜30重量%であることが好ましい。これにより、樹脂部材(C)4の収縮を抑えて、一体化成形体1の反り低減を図ることができる。10重量%未満であると、一体化成形体1の強度確保が困難になる場合があり、30重量%を超えると、射出成形において、樹脂部材(C)4の充填が一部不十分になる場合がある。繊維重量含有率は15〜30重量%がより好ましく、さらに好ましくは20〜30重量%である。
また、本発明において、補強部材(B)3の長手方向と直交する断面の形状が円形形状、楕円形状または矩形形状であることが好ましい。
補強部材(B)3の断面形状が、図6に示す長方形や図3の断面図に示す正方形といった矩形形状とすることにより、板材(A)2との位置決めが容易となるとともに、板材(A)2と面接触する態様となり接合強度も向上できる。
また、補強部材(B)3の断面形状が、図9や図10に示す円形形状とすることにより、補強部材(B)3自体の強度が向上し、一体化成形体1の高強度化を図ることとができる。補強部材(B)3の断面形状が、図11や図12に示す楕円形状とすることによっても同様の効果を得ることができる。
また。本発明において、板材(A)2の外周縁部の少なくとも一部に湾曲した曲在形状部5を有することが好ましい。
図15に示すように、板材(A)2の外周縁部に湾曲した曲在形状部5を設けることにより、板材(A)2の曲げ強度、剛性を向上することができる。図15に示す断面形状を有する一体化成形体1は、断面形状が楕円形状である補強部材(B)3が外周縁部の曲在形状部5付近に配され、樹脂部材(C)4は補強部材(B)3の表面の覆うとともに、板材(A)2の曲在形状部5の領域と接合した態様を備えている。
また、曲在形状部5の湾曲形状について、その曲率半径は0.5〜10mmが好ましい。曲率半径が0.5mm未満であると炭素繊維が曲げ部分で蛇行し、曲げ部分の強度・剛性が低下する。曲率半径が10mmを超えると側壁部の曲げ剛性・強度が十分に発現しない場合がある。曲率半径は好ましくは0.8〜8mm、より好ましくは1〜7mm、さらに好ましくは2〜6mmである。
また。本発明において、補強部材(B)3の断面形状が、板材(A)2の曲在形状部7の湾曲形状に合致した曲面を一部に有する長尺体であることが好ましい。
図16に示すように、補強部材(B)3の断面形状の一面8が湾曲形状を有し、その面が板材(A)2の曲在形状部5の湾曲形状に沿った形状を有して接合している。このような接合の形態とすることにより、板材(A)2と補強部材(B)3との接合強度を向上させることができるとともに、一体化成形体1の曲げ強度を向上させることができる。また、図16に示す接合形態では、樹脂部材(C)4は補強部材(B)3の表面と板材(A)2の側面部6とに接合している。このように2つの面と接合することにより、板材(A)2と補強部材(B)3との接合強度を向上させることができるとともに、一体化成形体1の曲げ強度・剛性をより高めることができる。また、補強部材(B)を、図17に示すように、樹脂部材(C)を2つ以上配置してもよい。
また、本発明において、樹脂部材(C)4が板材(A)2の側面部6の全領域と接合することが好ましい。
図3又は図4の断面図に示すように、板材(A)2の側面部6全周にわたって樹脂部材(C)と接合することで一体化成形体1全体として高い接合強度と薄肉化を実現することができる。
また、本発明において、板材(A)2の外周縁部の少なくとも一部の領域と接合した領域における樹脂部材(C)4の形状が、補強部材(B)3の最頂部の高さ11以上の高さに形成された部位12を有することが好ましい。
図3の一部を拡大した図18や、図15の一部を拡大した図19に示すように、樹脂部材(C)4が補強部材(B)3の最頂部の高さ11以上の高さに形成された部位12を、板材(A)2の外周縁部の少なくとも一部に有することが好ましい。補強部材(B)3の最頂部の高さとは、板材(A)2と補強部材(B)3との接合箇所からもっとも離間した位置までの距離を指す。図17に示すような複数の補強部材(B)で補強されている場合には、板材(A)から最も離れて配置された補強部材(B)との離間した位置までの距離とする。
補強部材(B)3の最頂部の高さ11に対して、樹脂部材(C)4の最頂部の高さ12が大きくなるように樹脂部材(C)4を形成することにより、樹脂部材(C)4と補強部材(B)3との接合強度を向上させることができるとともに、一体化成形体1の曲げ強度・剛性をより高めることができる。なお、図18又は図19は、補強部材(B)3、樹脂部材(C)4は板材(A)から見て下方に形成しているため、下方側に最頂部が形成されている態様である。
また、本発明において、板材(A)2の投影面積X(mm)と、補強部材(B)3の投影面積Y(mm)との比Y/Xが0.01〜0.2であることが好ましい。補強部材(B)が複数ある場合、各補強部材の投影面積の和を投影面積Y(mm)とし、投影面積が重なり合う箇所がある場合は、重なり合う部分の投影面積は同一とする。
Y/Xの比が0.01〜0.2の範囲内にあると、一体化成形体1の高剛性化と薄肉・軽量化とを満足することができる。投影面積は、部材を光で照らした場合に出来る影の面積を示し、図20に示す板材(A)2の平面に対して垂直な光で照らした場合に出来る影の面積が投影面積Xであり、図21に示す板材(A)2に補強部材(B)3を配した底面図において、補強部材(B)3の投影面積Yは、板材(A)の平面と平行な面における投影面積と規定する。図10、図12、図15、図16、または図17においても同様で、板材(A)の平面と平行な面における投影面積を投影面積Yと規定する。
Y/Xが0.01未満であると、補強材としての作用が低下して、一体化成形体1の剛性が低下する場合がある。Y/Xが0.2を超えると補強部材(B)4の使用量が多くなり、薄肉・軽量の要求を満たすことが困難となる場合がある。好ましくはY/Xが0.02〜0.18、より好ましくはY/Xが0.02〜0.15、さらに好ましくはY/Xが0.025〜0.10である。
また、本発明において、補強部材(B)3の長手方向と直交する断面部において、補強部材(B)3の断面積をB2(mm)、樹脂部材(C)4の断面積をC2(mm)とすると、B2/C2が0.01〜0.8であることが好ましい。補強部材(B)が複数ある場合、断面積B2(mm)は、各補強部材(B)の断面積の和とする。
補強部材(B)3の断面積に対し、樹脂部材(C)4の断面積を一定量大きくすることにより、板材(A)2と補強部材(B)3との接合強度を向上させることができるとともに、一体化成形体1の曲げ強度・剛性をより高めることができる。
B2/C2が0.01未満であると、補強部材(B)3の存在割合が小さくなり、一体化成形体1の曲げ強度や剛性を向上させにくくなる。B2/C2が0.8を超えると、樹脂部材(C)4の存在割合が小さくなり、板材(A)2と樹脂部材(C)4との接合強度が十分に得られない場合がある。好ましくはB2/C2が0.05〜0.5、より好ましくはB2/C2が0.1〜0.4、さらに好ましくは0.15〜0.35である。
一体化成形体1の高剛性化と薄肉・軽量化を発現するために、補強部材(B)3の好ましい断面積B2は1〜100mmであり、より好ましくは4〜50mm、さらに好ましくは9〜30mmである。断面積B2が100mmを超えると、補強部材(B)3の厚みおよび/または幅が増大し、補強部材(B)3の使用量が多くなり、軽量の要求を満たすことが困難となる場合がある。断面積B2が1mm未満であると、補強部材としての機能が発揮できにくくなる場合があり、また、補強部材(B)3を得ることが困難となる場合がある。
また、補強部材(B)3の形状は長尺体で、その長手方向の任意の箇所における断面の形状が実質的に同一であることが好ましい。実質的に同一とは、長手方向に切り出した観察断面において、観察断面の投影面積の差が±10%以下であることと定義する。補強部材(B)が複数ある場合も、各補強部材において、その長手方向の任意の箇所における断面の形状が実質的に同一であることが好ましい。また、一体化成形体1の高剛性化と薄肉・軽量化を発現するために、補強部材(B)3の最大長尺長さB3と断面積B2との比B2/B3が0.002〜0.2となる形状とすることが好ましい。
また、本発明において、板材(A)2と、補強部材(B)3および/または樹脂部材(C)4とが、接合層13を介して接合されていることが好ましい。
特に、板材(A)2と樹脂部材(C)4との間に、接合層を設けることが好ましい。この際、補強部材(B)3を配置する際に、1層の接合層で十分に接合できない場合には、図22や図23に示すように、補強部材(B)3に第2の接合層14を設けた上で、第1の接合層13と接合させることもできる。このような接合層を設けることにより、互いの部材間の接合力を強化することができる。
第1の接合層13として熱可塑性樹脂の不織布を用いると、樹脂部材(C)4の射出成形時の熱により溶融することで、板材(A)2と樹脂部材(C)4とを接合可能とすることができる。この場合、第1の接合層13と樹脂部材(C)4とは、同種の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。同種で無い場合でも、相溶性が良いものであれば特に限定されるものではなく、樹脂部材(C)4を構成する樹脂の種類によって最適なものを選定することができる。第1の接合層13としては、不織布に限らず、フィルム等のシート状であればその形態は特に限定されるものではない。
また、第2の接合層14として接着剤を用いると、補強部材(B)3を精度良く位置決め固定することができる。接着剤としては、アクリル系、エポキシ系、スチレン系、ナイロン系、エステル系などの接着剤を用いることができる。
また。本発明において、補強部材(B)3が一方向強化繊維及び熱硬化性樹脂から構成されることが好ましい。
補強部材(B)3に含まれる強化繊維が連続した一方向に配置され、マトリクス樹脂として熱硬化性樹脂を使用することにより補強部材として、一体化成形体1の高強度・剛性化に有効に作用する。
補強部材(B)3は図6、図9又は図11に示すように一定の長さを有する長尺体であり、長手方向が面状構造体である板材(A)2の外周辺と略平行に配置することが好ましく、さらに、補強部材(B)3の長手方向と一方向性繊維の繊維配列方向とが略平行であることが好ましい。略平行とは、角度が完全に平行に揃ってずれ角度が0度である場合のみならず、角度が平行から±10度のずれも許容できる範囲である。
また、補強部材(B)3を構成する一方向強化繊維の材料として、樹脂部材(C)4について前述した強化繊維が好ましく用いることができる。
また、補強部材(B)3を構成する熱硬化性樹脂での例示としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール(レゾール型)樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などの熱硬化性樹脂などを好ましく用いることができる。これらは、2種以上をブレンドした樹脂などを適用しても良い。この中でも、特に、エポキシ樹脂は、成形体の力学特性や、耐熱性の観点から好ましい。エポキシ樹脂は、その優れた力学特性を発現するために、使用する樹脂の主成分として含まれるのが好ましく、具体的には樹脂組成物当たり60重量%以上含まれることが好ましい。
また、補強部材(B)4を構成する樹脂として、熱可塑性樹脂を用いることも好ましい。補強部材(B)4の熱可塑性樹脂が樹脂部材(C)3と溶融固着した接合構造となる。これにより、一体化成形体1としてより高い接合強度を実現することができる。溶融固着した接合構造は、熱により相互の部材が溶融し、冷却して固着した状態の接合構造をいう。熱可塑性樹脂の種類としては前述した樹脂部材(C)4について例示した熱可塑性樹脂が好ましく用いることができる。
また、本発明において、補強部材(B)3の繊維重量含有率が65〜82重量%であることが好ましい。
これにより、一体化成形体1の側壁部の曲げ強度・剛性を高めることができるとともに、一体化成形体1の反り低減を図ることができる。65重量%未満であると、一体化成形体1の強度、剛性確保が困難になる場合があり、82重量%を超えると、炭素繊維への樹脂含侵が悪くなり、側壁部の曲げ強度、剛性が不十分になる場合がある。繊維重量含有率は、好ましくは68〜80重量%、より好ましくは70〜78重量%、さらに好ましくは72〜76重量%である。
また、本発明において、板材(A)2が連続繊維及び熱硬化性樹脂から構成されることが好ましい。
繊維強化樹脂の強化繊維に炭素繊維を用い、マトリクス樹脂として熱硬化性樹脂を用いた連続炭素繊維化樹脂を使用することにより、高剛性・軽量・薄肉化を実現することができる。板材(A)2は一体化成形体1の強度、剛性を高める観点で、高強度かつ高剛性であり、さらに軽量性に優れた部材を用いることが好ましい。強化繊維、熱硬化性樹脂は前述した強化繊維、熱硬化性樹脂を用いることができる。
次に、本発明に係る一体化成形体の製法について図面を用いながら説明する。
予め、繊維強化樹脂からなる矩形形状の面状構造体である板材(A)2と、長尺体である補強部材(B)3を準備しておく。次に、図24[1]又は[2]に示すように、成形下金型15に、板材(A)2を配し、板材(A)2の片側表面の外周縁部の少なくとも一部の領域に補強部材(B)3を配置する。その後、図25[1]に示すように、成形上金型16を板材(A)2と接する位置まで下降させ、成形下金型15と成形金型16とで形成される空間に、不連続繊維と熱可塑性樹脂からなる樹脂部材(C)4を射出ゲート17から射出成形する。これにより、樹脂部材(C)4が補強部材(B)3を覆うように接合するとともに、板材(A)2の片側表面の外周縁部及び側面の領域と接合一体化することができる。図25[2]は、成形上金型16を上昇させた後、成形下金型15内で成形された一体化成形体1を示す。このような製造方法によれば、板材(A)2、補強部材(B)3及び樹脂部材(C)4が接合し、補強部材(B)3と板材(A)2との接合強度を高めることができるとともに、一体化成形体1の高強度・剛性化を図ることができる。
以下、実施例によって、本発明の一体化成形体1およびその製造方法について具体的に説明するが、下記の実施例は本発明を制限するものではない。
実施例に用いた測定方法を下記する。
(1)重量平均繊維長の測定
樹脂部材(C)4に含有される強化繊維の重量平均繊維長Lwを以下のとおり測定した。まず、一体化成形体1から測定する樹脂部材(C)4の一部を切り出し、電気炉にて空気中500℃で60分間加熱して樹脂を十分に焼却除去して強化繊維のみを分離した。次に、分離した強化繊維から無作為に400本以上抽出した。これらの抽出した強化繊維の繊維長の測定は、光学顕微鏡を用いて行い、400本の繊維の長さを1μm単位まで測定して、下式を用いて重量平均繊維長Lwを算出した。
重量平均繊維長Lw=Σ(Mi×Ni)/Σ(Mi×Ni)
Mi:繊維長(mm)
Ni:繊維長Miの強化繊維の個数
(2)繊維重量含有率の測定
板材(A)2、補強部材(B)3または樹脂部材(C)4の繊維重量含有率は、以下の方法により測定した。一体化成形体1から測定する板材(A)2、補強部材(B)3または樹脂部材(C)4を切り出し、その重量w0(g)を測定した。次に、切り出したサンプルを空気中で500℃×1時間加熱し、樹脂成分を十分に焼却除去して残存した強化繊維の重量w1(g)を測定した。下式を用いて、繊維重量含有率(重量%)を求めた。測定はn=3で行い、その平均値を用いた。
繊維重量含有率(重量%)=(強化繊維の重量w1/切り出しサンプルの重量w0)×100
(3)一体化成形体の評価
万能試験機に一体化成形体1を配置し、外周縁部にロードセルで荷重を負荷し、そのたわみを評価した。
まず、450×450mmの正方形で板厚1.2mmの板材(A)2、板材(A)2の1辺と同じ長さの長尺体である補強部材(B)3と樹脂部材(C)4を、図1〜4に示すように板材(A)2の四方4辺に配した一体化成形体1を準備した。作成方法は後述する実施例1のとおりとした。
次に、図26や図27に示すように、一体化成形体1の対向する2辺を水平な固定台18に置いた。固定台はその断面の1辺の長さが樹脂部材(C)4の下方の1辺と同じ長さの正方形で、長さは板材(A)2の1辺と同じ長さのものを使用した。
次に、図28や図29に示すように、一体化成形体1の固定台に固定されていない1辺のいずれかにロードセル20を用いて荷重を負荷した。ロードセル20は一体化成形体1の1辺の中央部に垂直な方向に下降させた。荷重は500Nとした。また、ロードセル20による荷重を負荷する点から、辺の長手左右方向に±30mm離れた位置に支持台19を配置した。支持台19間距離は60mmとした。支持台19は三角柱形状で、横置きにして頂辺で支える態様とした。一体化成形体1と接する長さは樹脂部材(C)4の下方の1辺と同じとした。
図30に示すように、ロードセル20は補強部材(B)3が位置する箇所の上方から押し当てるようにし、ロードセル20が一体成形体1と接する、荷重方向に対する垂直な断面の直径は、補強部材(B)3の長手方向に垂直な断面における水平の幅長と略同じにした。
(材料組成例1)二方向クロスプリプレグの調整
PAN系炭素繊維束(東レ社製、品番:T300)を使用したシート状二方向クロスにエポキシ樹脂フィルム(ベースレジン:ジシアンジアミド/ジクロロフェニルメチルウレア硬化系エポキシ樹脂)を用いてエポキシ樹脂フィルム2枚を炭素繊維束の両面から重ね、加熱加圧により樹脂を含浸させ、炭素繊維の重量含有率が56%、厚み0.24mmの二方向クロスプリプレグを作製した。
(材料組成例2)補強部材(B)3の調整
図31に示す引抜成形工程によって補強部材(B)3を作成した。まず、強化繊維束30(東レ社製、品番:T700)がクリール31から引き出され、ガイドロールを介して強化繊維束30を樹脂バス32に導入し、熱硬化性樹脂組成物を付着させてからスクイズ33にて擦過して熱硬化性樹脂組成物を強化繊維束30に含浸させるとともに余剰な熱硬化性樹脂組成物を一部除去した。更にガイドにより強化繊維の位置を一本ずつ決めることにより、所望の断面形状を持つ引抜成形金型34へバランス良く進入させた。強化繊維とともにダイスを通過できない、最終的に余剰になる樹脂は金型からバックフローしてダイス入り口から垂れ落ちて除去させた。熱硬化性樹脂組成物が含浸した樹脂含浸繊維基材35は、引抜成形金型34内で通過する間に加熱され熱硬化性樹脂組成物が硬化し、引抜成形金型の出口から排出され、長尺体の補強部材(B)3を生成した。
(材料組成例3)樹脂部材(C)4の調整
炭素繊維ペレット(東レ(株)製、品番:TLP1040 、長繊維炭素繊維強化6ナイロン、繊維重量含有率は表1に記載)。
(材料組成例4)接合層(熱可塑接着フィルム)の調整
ポリアミド樹脂(東レ(株)製CM8000、4元共重合ポリアミド6/66/610/12、融点130℃)のペレットを、プレス成形を行い、厚み0.05mmの熱可塑接着フィルムを得た。これを接合層13として使用した。
(実施例1)
材料組成例1で得た二方向クロスプリプレグを450mm角のサイズに調整した後、5ply積層し、その上に材料構成4で得た接合層1plyを積層した。積層体盤面温度150℃のプレス金型上に配置した後、盤面を閉じて3MPaで加熱プレスした。加圧から10分間経過した後、盤面を開き、板厚1.2mmの平板形状をした熱硬化炭素繊維強化樹脂板を得た。これを板材(A)2とした。
次に、材料組成例2で得た図6に示す矩形形状の補強部材(B)3に、図22に示すように、接合層14であるエポキシ樹脂系接着剤(ヘンケルジャパン(株)製、品番:E−120HP)を塗付した後、板材(A)2の外周縁部上に貼り付けた。その後、図24に示すように、補強部材(B)3が貼り付いた板材(A)2を成形下金型15上に配置した。
次に、図25に示すように、成形上金型16を板材(A)2と接する位置まで下降させ、成形上金型16をセットした後、型締めを行った後、成形下金型15と成形金型16とで形成される空間に、材料組成例3で得られた不連続炭素繊維と熱可塑性樹脂からなる樹脂部材(C)4を射出ゲート口17から射出成形して、図1〜図4に図示する一体化成形体1を製造した。一体化成形体1の材料組成、物性特性等をまとめて(表1)に示す。実施例2以降は(表1)に示した材料組成にて行った。
板材(A)2は、実施例1〜6では正方形、実施例7では外周縁部の4辺を曲率半径4mmになるように曲げ、曲在形状部5を形成した。
補強部材を配した実施例1〜7ではひずみの評価値が1.4以下を示し実使用上問題ないレベルの高い剛性を持った一体化成形体1を得た。補強部材を配さない比較例1ではたわみの評価値が高く、実使用上問題のあるレベルであった。
本発明の一体化成形体は、自動車内外装、電気・電子機器筐体、自転車、スポーツ用品用構造材、航空機内装材、輸送用箱体等に有効に使用できる。
1 一体化成形体
2 板材(A)
3 補強部材(B)
4 樹脂部材(C)
5 曲在形状部
6 板材(A)の側面部
7 樹脂部材(C)の下方の一面部
8 補強部材(B)の断面形状の一面部
9 補強部材(B)の他の一面部
11 補強部材(B)の最頂部の高さ
12 樹脂部材(C)の最頂部の高さ
13 補強部材(B)と樹脂部材(C)との間の少なくとも一部に設けた第1の接合層
14 補強部材(B)と板材(A)との間の少なくとも一部に設けた第2の接合層
15 成形下金型
16 成形上金型
17 射出ゲート口
18 固定台
19 支持台
20 ロードセル
21 拡大領域
30 補強繊維束
31 クリール
32 樹脂バス
33 スクイズ
34 引抜成形金型

Claims (11)

  1. 繊維強化樹脂からなる矩形形状の面状構造体である板材(A)、長尺体である補強部材(B)及び、不連続繊維と熱可塑性樹脂からなる樹脂部材(C)とから構成される一体化成形体であって、
    前記補強部材(B)が前記板材(A)の片側表面の外周縁部の少なくとも一部の領域に配置され、
    前記樹脂部材(C)が前記補強部材(B)の少なくとも一部の領域と接合するとともに、前記板材(A)の片側表面の外周縁部の少なくとも一部の領域および/または側面の少なくとも一部の領域と接合することを特徴とする一体化成形体。
  2. 前記補強部材(B)の長手方向と直交する断面の形状が、円形形状、楕円形状または矩形形状のいずれかである請求項1に記載の一体化成形体。
  3. 前記板材(A)の外周縁部の少なくとも一部に湾曲した曲在形状部を有する請求項1または2に記載の一体化成形体。
  4. 前記補強部材(B)の断面形状が、前記板材(A)の曲在形状部の湾曲形状に合致した曲面を一部に有する長尺体である請求項3に記載の一体化成形体。
  5. 前記樹脂部材(C)が前記板材(A)の側面の全領域と接合する請求項1〜4のいずれかに記載の一体化成形体。
  6. 前記板材(A)の外周縁部の少なくとも一部の領域と接合した領域における前記樹脂部材(C)の形状が、前記補強部材(B)の最頂部の高さ(前記板材(A)と前記補強部材(B)との接合箇所からもっとも離間した位置までの距離)以上の高さに形成された部位を有する請求項1〜5のいずれかに記載の一体化成形体。
  7. 前記板材(A)の投影面積X(mm)と、前記補強部材(B)の投影面積Y(mm)との比Y/Xが0.01〜0.2である請求項1〜6のいずれかに記載の一体化成形体。
  8. 前記補強部材(B)の長手方向と直交する断面部において、前記補強部材(B)の断面積をB2(mm)、前記樹脂部材(C)の断面積をC2(mm)とすると、B2/C2が0.01〜0.8である請求項1〜7のいずれかに記載の一体化成形体。
  9. 前記板材(A)と、前記補強部材(B)および/または前記樹脂部材(C)とが、接合層を介して接合されている請求項1〜8のいずれかに記載の一体化成形体。
  10. 前記補強部材(B)が一方向強化繊維及び熱硬化性樹脂から構成される請求項1〜9のいずれかに記載の一体化成形体。
  11. 前記板材(A)が連続繊維及び熱硬化性樹脂から構成される請求項1〜10のいずれかに記載の一体化成形体。
JP2018217243A 2018-11-20 2018-11-20 一体化成形体 Pending JP2020082429A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018217243A JP2020082429A (ja) 2018-11-20 2018-11-20 一体化成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018217243A JP2020082429A (ja) 2018-11-20 2018-11-20 一体化成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020082429A true JP2020082429A (ja) 2020-06-04

Family

ID=70905559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018217243A Pending JP2020082429A (ja) 2018-11-20 2018-11-20 一体化成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020082429A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3804942A4 (en) * 2018-06-07 2022-03-09 Toray Industries, Inc. INTEGRATED MOLDED OBJECT AND ASSOCIATED MANUFACTURING METHOD
WO2023276848A1 (ja) * 2021-06-29 2023-01-05 東レ株式会社 一体化成形体
US11572124B2 (en) 2021-03-09 2023-02-07 Guerrilla Industries LLC Composite structures and methods of forming composite structures
US11745443B2 (en) 2017-03-16 2023-09-05 Guerrilla Industries LLC Composite structures and methods of forming composite structures
WO2023248914A1 (ja) * 2022-06-23 2023-12-28 東レ株式会社 一体化成形体及び電子機器筐体
US12365418B2 (en) 2022-12-28 2025-07-22 Astro Tech Co., Ltd. Composite structures and methods of forming composite structures

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11745443B2 (en) 2017-03-16 2023-09-05 Guerrilla Industries LLC Composite structures and methods of forming composite structures
EP3804942A4 (en) * 2018-06-07 2022-03-09 Toray Industries, Inc. INTEGRATED MOLDED OBJECT AND ASSOCIATED MANUFACTURING METHOD
US11572124B2 (en) 2021-03-09 2023-02-07 Guerrilla Industries LLC Composite structures and methods of forming composite structures
WO2023276848A1 (ja) * 2021-06-29 2023-01-05 東レ株式会社 一体化成形体
WO2023248914A1 (ja) * 2022-06-23 2023-12-28 東レ株式会社 一体化成形体及び電子機器筐体
US12365418B2 (en) 2022-12-28 2025-07-22 Astro Tech Co., Ltd. Composite structures and methods of forming composite structures

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020082429A (ja) 一体化成形体
US10265928B2 (en) Fiber reinforced composite material structure, composite material molded body using the same, and manufacturing method therefor
TWI781970B (zh) 一體成形體及其製造方法
US20180284845A1 (en) Housing
WO2018142971A1 (ja) 一体化成形体及びその製造方法
JP6167537B2 (ja) 繊維強化プラスチック成形品の製造方法および一体成形品の製造方法
CN108029213B (zh) 壳体
US10571963B2 (en) Housing
JP5678483B2 (ja) 湾曲形状を有する繊維強化プラスチック成形品
WO2020202903A1 (ja) 繊維強化プラスチック成形体
US10509443B2 (en) Housing
JP2011166124A (ja) 電気・電子機器筐体
EP3600871A1 (en) Thin, high-stiffness laminates, portable electronic device housings including the same, and methods for making such laminates and portable electronic device housings
JP2004209717A (ja) 繊維強化成形品
JP2020131459A (ja) 一体化成形体
JP6728607B2 (ja) 電子機器筐体
JP2021142671A (ja) 一体化成形体及びその製造方法
JP7088433B1 (ja) プリプレグ、成形体および一体化成形体
US11951728B2 (en) Fiber-reinforced plastic molded body
JP2010046938A (ja) 複合成形品およびその製造方法
JP2004358828A (ja) 繊維強化熱硬化樹脂製筐体成形品およびその製造方法
JP2015147378A (ja) 繊維強化プラスチック成形品およびその製造方法
JP2014188954A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂構造体およびその製造方法