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JP2020080822A - 食品組成物及びその製造方法。 - Google Patents

食品組成物及びその製造方法。 Download PDF

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Shota Hoshino
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Abstract

【課題】流動状の繊維含有植物原料を有する食品組成物において、新たな食感を提供することにある。【解決手段】密閉状態で加熱処理された食品組成物において、水と、流動状の繊維含有植物原料と、熱感受性の加工澱粉と、未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉と、を含有し、前記加熱処理後における品温60℃での粘度が400mPa・s以上であり、前記流動状の繊維含有植物原料の含有量が、具材を除く食品組成物の質量を基準として、固形分換算で2質量%以上であること。【選択図】なし

Description

本発明は、食品組成物及びその製造方法に関する。
レトルト食品は、容器に密閉された加熱殺菌済みの食品組成物である。レトルト食品の製造工程では、まず、水に原料を溶解又は分散させ、原料混合物を調製する。その後、容器に原料混合物を充填し、密閉する。更に、加熱殺菌を行い、レトルト食品が得られる。
原料混合物の粘度が小さいと、原料混合物中において具材等の固形原料が沈降しやすくなる。その結果、原料混合物を容器に均一に充填することが難しくなる。一方で、レトルト食品の粘度は、食感などに影響を与える。そのため、喫食時には、比較的低い粘度を有していることが求められる場合もある。
上記に関連して、特許文献1(特許第3118408号)には、少なくとも水及び水不溶性原料を含む原料中に、加熱により増粘性が低下する増粘性物質を加え、これらを撹拌混合して原料中に該水不溶性原料が略均一に分散し、250cp以上でかつ上記分散状態を保持し得る粘度の粘稠物とし、必要により他の原料を加え、該粘稠物を容器に充填密封した後、加熱処理を施して粘度を低下させ、品温5〜15℃で500cp以下の粘度とすることを特徴とする流動性食品の製造方法が開示されている。
特許第3118408号
本発明者らは、ソテーオニオンやダイストマトなどの流動状の繊維含有植物原料を有するソース等の食品組成物について、検討を行っている。このような食品組成物には、繊維に由来する食感が付与されている。この繊維に由来する食感を工夫し、新たな食感が得られれば、新規な需要につながる可能性があり、好ましいと考えられる。
従って、本発明の課題は、流動状の繊維含有植物原料を有する食品組成物において、新たな食感を付与することができる技術を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の事項を含む。
[1]
密閉状態で加熱処理された食品組成物であって、
水と、
流動状の繊維含有植物原料と、
熱感受性の加工澱粉と、
未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉と、
を含有し、
前記加熱処理後における品温60℃での粘度が400mPa・s以上であり、
前記流動状の繊維含有植物原料の含有量が、具材を除く食品組成物の質量を基準として、固形分換算で2質量%以上である、
食品組成物。
[2]
前記熱感受性の加工澱粉が、熱感受性アセチル化アジピン酸澱粉、熱感受性アセチル化リン酸架橋澱粉、熱感受性アセチル化酸化澱粉、熱感受性オクテニルコハク酸澱粉、熱感受性酢酸澱粉、熱感受性酸化澱粉、熱感受性ヒドロキシプロピル澱粉、熱感受性ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、熱感受性リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、熱感受性リン酸化澱粉、熱感受性リン酸架橋澱粉、又は熱感受性澱粉グルコール酸ナトリウムである、[1]に記載の食品組成物。
[4]
前記熱感受性の加工澱粉が、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉又は小麦澱粉を由来とするものである、請求項[1]又は[2]に記載の食品組成物。
[5]
前記未加工澱粉が、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉又は小麦澱粉である、[1]乃至[4]のいずれかに記載の食品組成物。
[6]
前記熱非感受性の加工澱粉が、熱非感受性アセチル化アジピン酸澱粉、熱非感受性アセチル化リン酸架橋澱粉、熱非感受性アセチル化酸化澱粉、熱非感受性オクテニルコハク酸澱粉、熱非感受性酢酸澱粉、熱非感受性酸化澱粉、熱非感受性ヒドロキシプロピル澱粉、熱非感受性ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、熱非感受性リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、熱非感受性リン酸化澱粉、熱非感受性リン酸架橋澱粉、又は熱非感受性澱粉グルコール酸ナトリウムである、[1]乃至[5]のいずれかに記載の食品組成物。
[7]
前記流動状の繊維含有植物原料が、タマネギ、トマト、ジンジャー、ガーリックからなる群から選択される少なくとも一種の植物を由来とする、[1]乃至[6]のいずれかに記載の食品組成物。
[8]
前記流動状の繊維含有植物原料が、ソテーオニオン及びダイストマトからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[7]に記載の食品組成物。
[9]
更に、粒状の繊維含有植物原料を含む、[1]乃至[8]のいずれかに記載の食品組成物。
[10]
前記粒状の繊維含有植物原料が、乾燥コーングリッツ及び乾燥オニオンミンスからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[9]に記載の食品組成物。
[11]
更に、小麦粉ルウを含有する、[1]乃至[10]のいずれかに記載の食品組成物。
[12]
水と、流動状の繊維含有植物原料と、熱感受性の加工澱粉と、未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉と、を混合し、加熱前食品組成物を調製する工程と、
前記加熱前食品組成物を、密閉容器に充填する工程と、
前記密閉容器に充填された加熱前食品組成物を加熱処理する工程と、
を備え、
前記流動状の繊維含有植物原料の含有量が、具材を除く食品組成物の質量を基準として、固形分換算で2質量%以上であり、
前記加熱処理後の食品組成物の品温60℃での粘度が400mPa・s以上である、
食品組成物の製造方法。
本発明によれば、流動状の繊維含有植物原料を有する食品組成物において、新たな食感が提供される。
以下、本発明の実施形態に係る食品組成物について説明する。
本実施形態に係る食品組成物は、密閉状態で加熱処理された食品組成物であり、いわゆる加熱殺菌処理済食品、好ましくはレトルト食品として供される組成物である。食品組成物は、水と、流動状の繊維含有植物原料と、熱感受性の加工澱粉と、未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉とを含有する。食品組成物は、加熱処理後に、品温60℃で400mPa・s以上の粘度を有する。流動状の繊維含有植物原料は、具材を除く食品組成物の質量を基準として、固形分換算で2質量%以上の量で含まれている。
本実施形態によれば、所定の2種類の澱粉(熱感受性の加工澱粉、未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉)が使用されているため、流動状の繊維含有植物原料を含有する食品組成物に、気泡を含むようなフワッとした特有の食感が付与される。また、このフワッとした食感に併せて、良好な風味と、繊維感がある食欲をそそる外観も得られる。
以下に、食品組成物について詳述する。
1:流動状の繊維含有植物原料
流動状の繊維含有植物原料は、繊維を含有する植物由来の流動状の原料である。「流動状の原料」とは、定形を有さず、一見固形であっても、それをかき混ぜると容易に形状が崩れるような原料であることを意味する。例えば、「流動状の原料」としては、微細粒子の懸濁液や、ペースト状、及びゼリー状等の形状のものが挙げられる。繊維含有植物原料を、ミキサー等で流動状に粉砕する工程や、煮込む工程等によって、流動状の繊維含有植物原料を得ることができる。
流動状の繊維含有植物原料としては、特に限定されるものでは無いが、好適には、野菜類及び果実類由来の原料が用いられる。野菜類及び果実類としては、例えば、トマト、タマネギ、ジンジャー、ガーリック、トウモロコシ、馬鈴薯、人参、ピーマン、セロリ、及びりんごからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、好ましくは、トマト及びタマネギからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
好適には、流動状の繊維含有植物原料としては、トマト、タマネギ、ジンジャー、ガーリック、特にダイストマト、ソテーオニオンからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。このような原料は、フワッとした特有の食感に特に寄与する。
流動状の繊維含有植物原料の含有量は、具材を除く食品組成物の質量を基準として、固形分換算、すなわち乾燥物換算で2質量%以上であればよい。食品組成物は、固形物として存在する具材と、これを除く、流動状の繊維含有植物原料を含む流動状の部分とに区別される。流動状の繊維含有植物原料の含有量が固形分換算で2質量%以上であることにより、フワッとした特有の食感が得られる。流動状の繊維含有植物原料の含有量は、固形分換算で好ましくは2.5〜11質量%、より好ましくは3〜10質量%である。流動状の繊維含有植物原料の大きさは、目開き500μmの篩ON以上、より好ましくは目開き2mmの篩ON以上である。
2:熱感受性の加工澱粉
「熱感受性」とは、密閉状態で加熱処理された場合に粘性付与能力が低下する性質、言い換えれば耐熱性がないことを言う。すなわち、「熱感受性」とは、密閉状態で加熱処理された場合に、当該澱粉の澱粉粒の大部分が、破壊されることを意味する。熱感受性の加工澱粉が用いられていることにより、流動状の繊維含有植物原料と、未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉との共存下、密閉状態で加熱処理された場合に、食品組成物のフワッとした食感と、良好な風味と、繊維感がある外観が達成されるという効果を奏する。
加工澱粉は、未加工澱粉を、所定の加工方法により加工することにより、得ることができる。この際、使用する未加工澱粉の種類や、加工方法等を適宜選択することにより、熱感受性の加工澱粉を得ることができる。
熱感受性の加工澱粉としては、例えば、熱感受性アセチル化アジピン酸澱粉、熱感受性アセチル化リン酸架橋澱粉、熱感受性アセチル化酸化澱粉、熱感受性オクテニルコハク酸澱粉、熱感受性酢酸澱粉、熱感受性酸化澱粉、熱感受性ヒドロキシプロピル澱粉、熱感受性ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、熱感受性リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、熱感受性リン酸化澱粉、熱感受性リン酸架橋澱粉、及び熱感受性澱粉グルコール酸ナトリウムが挙げられ、好ましくは、熱感受性ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、熱感受性酢酸澱粉、及び熱感受性ヒドロキシプロピル澱粉が挙げられる。熱感受性ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉が好ましい。
熱感受性の加工澱粉の原料となる未加工の澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉及び小麦澱粉等を挙げることができる。馬鈴薯澱粉が好ましい。
熱感受性の加工澱粉の含有量は、具材を除く食品組成物の質量を基準として、例えば0.4〜3質量%、より好ましくは0.8〜1.2質量%である。
3:未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉
未加工澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉及び小麦澱粉などが挙げられる。馬鈴薯澱粉が好ましい。
「未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉」が使用されていることにより、流動状の繊維含有植物原料と、熱感受性の加工澱粉との共存下、密閉状態で加熱処理された場合に、食品組成物のフワッとした食感と、良好な風味と、繊維感がある外観が達成されるという作用を奏する。
熱非感受性の加工澱粉とは、上記の「熱感受性」を有さない加工澱粉である。
熱非感受性の加工澱粉は、未加工澱粉を加工する際に、使用する未加工澱粉の種類や、加工方法等を適宜選択することにより、得ることができる。
熱非感受性の加工澱粉としては、例えば、熱非感受性アセチル化アジピン酸澱粉、熱非感受性アセチル化リン酸架橋澱粉、熱非感受性アセチル化酸化澱粉、熱非感受性オクテニルコハク酸澱粉、熱非感受性酢酸澱粉、熱非感受性酸化澱粉、熱非感受性ヒドロキシプロピル澱粉、熱非感受性ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、熱非感受性リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、熱非感受性リン酸化澱粉、熱非感受性リン酸架橋澱粉、及び熱非感受性澱粉グルコール酸ナトリウム等を挙げることができ、好ましくは、リン酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸澱粉、及びヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を挙げることができる。
また、熱非感受性の加工澱粉の原料となる未加工の澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉及び小麦澱粉等を挙げることができる。
「未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉」の含有量は、具材を除く食品組成物の質量を基準として、例えば0.2〜3質量%、より好ましくは0.6〜1質量%である。
4:その他の原料
本実施形態に係る食品組成物には、上述の成分の他にも、必要に応じて他の成分が含まれていてもよい。このような他の原料としては、例えば、粒状の繊維含有植物原料(具材を除く、食品組成物の流動状の部分に含まれる)、小麦粉ルウ、調味料(香辛料を含む)、及び食品添加物などが挙げられる。
粒状の繊維含有植物原料としては、例えば、乾燥コーングリッツ、乾燥オニオンミンス、パウダー乃至ホールスパイスからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。このような粒状の繊維含有植物微細原料は、食品組成物にザラザラとして固形物感のある食感を付与する。その結果、フワッとした特有の食感に、ザラザラとして固形物感のある食感が部分的に付与され、更に特有の食感を得ることができる。
粒状の繊維含有植物原料は、具材を除く食品組成物の質量を基準として、例えば、固形分換算で0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%である。粒状の繊維含有植物微細原料の大きさは、目開き500μmの篩ON以上、より好ましくは目開き1mmの篩ON〜4mmの篩PASSである。
また、本実施形態に係る食品組成物は、例えばカレーソース、シチューソース、ハヤシソース、デミグラスソース、ホワイトソース及びパスタソース等として使用されることが好ましい。
また、好ましくは、食品組成物は、加温された状態で喫食される食品であり、より好ましくは、小麦粉ルウを含むものである。
本実施形態に係る食品組成物は、具材と混合されて提供されてもよい。具材としては、例えば、野菜類、豆類、穀類、果物類、肉類、及び魚介類等を挙げることができる。
5:粘度
本実施形態に係る食品組成物の粘度は、品温60℃で400mPa・s以上の粘度であればよいが、好ましくは800〜4000mPa・s、より好ましくは1000〜1600mPa・sである。粘度がこのような範囲内にあれば、フワッとした特有の食感、良好な風味、外観を得ることができる。
なお、食品組成物の粘度は、B型粘度計(東機産業社製TVB-25型粘度計)を使用して、ローターNo.3を品温約60℃の具材を除く食品組成物の中に入れ、30rpmで回転させて、30秒後に測定し、3回測定した平均値をとる、という方法により測定することができる。
6:製造方法
本実施形態に係る食品組成物の製造方法について、以下に説明する。
まず、水と、流動状の繊維含有植物原料と、熱感受性の加工澱粉と、未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉とを、必要に応じてその他の原料と共に混合し、加熱前食品組成物を調製する。加熱前食品組成物に流動状の繊維含有植物原料が含まれるように調製すればよい。必要に応じて、具材を混合してもよい。
次いで、加熱前食品組成物を、容器に充填し、密閉する。
続いて、充填された加熱前食品組成物を殺菌等のため密閉状態で加熱処理する。加熱温度は、例えば100℃以上、好ましくは115〜125℃である。加熱時間は、加熱温度に応じて必要な時間とすればよい。これにより、本実施形態に係る食品組成物が得られる。
(実施例)
以下、本発明についてより詳細に説明するため、本発明者により行われた実施例について説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施例に限定されて解釈されるべきものでは無い。
表1及び2に示される組成で、流動状の繊維含有植物原料、熱感受性の加工澱粉、未加工澱粉、熱非感受性の加工澱粉、他の増粘剤、香辛料、調味料(香辛料以外)、小麦粉ルウ、及び水を混合して煮込み、食品組成物(加熱前)を得た。得られた食品組成物をレトルトパウチに充填密封し、温度120℃、4分間相当以上の熱がかかるように加熱処理を行い、実施例1〜13及び比較例1〜8に係る食品組成物を得た。
すなわち、実施例1では、流動状の繊維含有植物原料として「ソテーオニオン」及び「ダイストマト」を所定範囲の固形分量で含み、熱感受性の加工澱粉として「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉」を含み、未加工澱粉として「馬鈴薯澱粉」を含んで、加熱処理後における粘度が所定範囲内になるように食品組成物を調製した。
比較例1〜4では、「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉」あるいは「馬鈴薯澱粉」のいずれかのみを含んで、各々加熱処理後における粘度が異なるようにして食品組成物を調製した。比較例2及び4では、加熱処理後における粘度が、本発明の所定範囲内になるように調製した。表1は、下記の基準で評価したこれらの性能をまとめたものである。
また、実施例2〜7及び比較例5では、流動状の繊維含有植物原料の量を変えて、食品組成物を調製した。表2は、下記の基準で評価したこれらの性能をまとめたものである。
また、実施例8〜9及び比較例6では、未加工澱粉として「馬鈴薯澱粉」を含むと共に、種類の異なる加工澱粉を含んで、加熱処理後における粘度が、本発明の所定範囲内になるように食品組成物を調製した。表3は、下記の基準で評価したこれらの性能をまとめたものである。
さらに、実施例10〜13及び比較例7〜8では、熱感受性の加工澱粉として「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉」を含むと共に、種類の異なる熱非感受性の加工澱粉、未加工澱粉及び他の増粘剤を含んで、比較例9では、熱非感受性の加工澱粉である「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉」及び「キサンタンガム」を含んで、各々加熱処理後における粘度が、本発明の所定範囲内になるように食品組成物を調製した。表4は、下記の基準で評価したこれらの性能をまとめたものである。
尚、レトルト加熱処理の前後における粘度(品温60℃)を、前記の方法により測定した。
また、加熱後の各食品組成物にて、気泡を含むようなフワッとした食感、風味及び外観を、官能評価により評価した。官能評価は、下記の基準で行った。
<食感>
◎:繊維含有植物原料を含む食品組成物に、適度な軽い粘性が付与されており、繊維感があり、気泡を含むようなフワッとした食感である。
○:上記と同様の食感があるが、気泡を含むようなフワッとした食感が◎より弱い。
×1:粘性がよわく、繊維の筋ばった食感が感じられ、不良である。
×2:ぬるっとして重たい粘性のもので、繊維感が感じられない。
×3:繊維感がなく、フワッとした食感が全く感じられない。
<風味>
◎:前記のフワッとした食感に合わせて、舌触りと口どけがよいと共に、後味、舌残りに伸びのある良好な風味が感じられる。
○:上記と同様の風味が感じられるが、後味、舌残りの伸びのある風味が◎より弱い。
×1:適切な粘性がないため、後味、舌残りが直ちになくなり、風味を感じにくい。
×2:ぬるっとして重たい粘性のもので、舌触りと口どけと、後味、舌残りがわるい。
×3:繊維感がなく、舌触りと口どけと、後味、舌残りを感じない。
更に、各食品組成物について、外観を、官能評価により評価した。官能評価は、下記の基準で行った。
<外観>
◎:表層に繊維感と粒状感があり、食欲をそそる外観である。
○:表層に繊維感と粒状感があるが、◎より少ない。
×1:ぬるっとして重たい粘性のもので、繊維と粒状物が埋没している。
×2:表層に離水があり外観、物性が劣る。
×3:繊維感がほとんどない。
表1乃至表4に、加熱処理の前後における粘度、食感、風味及び外観ついての評価結果を示す。
表1に示されるように、実施例1は、比較例1乃至4に比べて、食感、風味及び外観のいずれにおいても優れていた。この結果から、「熱感受性の加工澱粉」と、「未加工澱粉」との組み合わせを用いることにより、それぞれ単独で用いる場合よりも、特有の食感、風味、及び外観に優れた食品組成物が得られることが判った。
また、表2に示されるように、実施例1乃至7は、比較例5に比べて良好な食感、風味、及び外観を有していた。これらの結果から、流動状の繊維含有植物原料の含有量が固形分換算で2質量%以上であれば、特有の食感、風味、及び外観に優れた食品組成物が得られることが判った。
表3に示されるように、実施例1、8及び9は、比較例6に比べて、良好な食感、風味、及び外観を有していた。これらの結果からも、「熱感受性の加工澱粉」と、「未加工澱粉」との組み合わせを用いることにより、それぞれ単独で用いる場合よりも、特有の食感、風味、及び外観に優れた食品組成物が得られることが判った。
表4に示されるように、実施例1、10、11、12、及び13に係る食品組成物は、比較例7乃至9に係る食品組成物よりも良好な食感、風味及び外観を有していた。このことから、「熱感受性の加工澱粉」と、「未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉」
との組み合わせを用いることにより、他の増粘剤を用いた場合とは異なり、良好な特有の食感、風味及び外観が得られることが判った。
なお、本発明によって、以上の効果が達成されるのは、熱感受性の加工澱粉の澱粉粒と、未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉の澱粉粒が、流動状の繊維含有植物原料の繊維の絡み合いの中に入り込んで、食品組成物の粘性を増し、この状態の食品組成物が、密閉状態で加熱処理されて、熱感受性加工澱粉の粘性付与能力が低下する場合に、繊維、熱感受性加工澱粉、及び未加工澱粉・熱非感受性加工澱粉の相互作用で、食品組成物の特有の物性が形成されることによるものと考えられる。
Figure 2020080822
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Figure 2020080822
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Claims (11)

  1. 密閉状態で加熱処理された食品組成物であって、
    水と、
    流動状の繊維含有植物原料と、
    熱感受性の加工澱粉と、
    未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉と、
    を含有し、
    前記加熱処理後における品温60℃での粘度が400mPa・s以上であり、
    前記流動状の繊維含有植物原料の含有量が、具材を除く食品組成物の質量を基準として、固形分換算で2質量%以上である、
    食品組成物。
  2. 前記熱感受性の加工澱粉が、熱感受性アセチル化アジピン酸澱粉、熱感受性アセチル化リン酸架橋澱粉、熱感受性アセチル化酸化澱粉、熱感受性オクテニルコハク酸澱粉、熱感受性酢酸澱粉、熱感受性酸化澱粉、熱感受性ヒドロキシプロピル澱粉、熱感受性ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、熱感受性リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、熱感受性リン酸化澱粉、熱感受性リン酸架橋澱粉、又は熱感受性澱粉グルコール酸ナトリウムである、請求項1に記載の食品組成物。
  3. 前記熱感受性の加工澱粉が、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉又は小麦澱粉を由来とするものである、請求項1又は2に記載の食品組成物。
  4. 前記未加工澱粉が、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉又は小麦澱粉である、請求項1乃至3のいずれかに記載の食品組成物。
  5. 前記熱非感受性の加工澱粉が、熱非感受性アセチル化アジピン酸澱粉、熱非感受性アセチル化リン酸架橋澱粉、熱非感受性アセチル化酸化澱粉、熱非感受性オクテニルコハク酸澱粉、熱非感受性酢酸澱粉、熱非感受性酸化澱粉、熱非感受性ヒドロキシプロピル澱粉、熱非感受性ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、熱非感受性リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、熱非感受性リン酸化澱粉、熱非感受性リン酸架橋澱粉、又は熱非感受性澱粉グルコール酸ナトリウムである、請求項1乃至4のいずれかに記載の食品組成物。
  6. 前記流動状の繊維含有植物原料が、タマネギ、トマト、ジンジャー、ガーリックからなる群から選択される少なくとも一種の植物を由来とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の食品組成物。
  7. 前記流動状の繊維含有植物原料が、ソテーオニオン及びダイストマトからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項6に記載の食品組成物。
  8. 更に、粒状の繊維含有植物原料を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の食品組成物。
  9. 前記粒状の繊維含有植物原料が、乾燥コーングリッツ及び乾燥オニオンミンスからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項8に記載の食品組成物。
  10. 更に、小麦粉ルウを含有する、請求項1乃至9のいずれかに記載の食品組成物。
  11. 水と、流動状の繊維含有植物原料と、熱感受性の加工澱粉と、未加工澱粉及び/又は熱非感受性の加工澱粉と、を混合し、加熱前食品組成物を調製する工程と、
    前記加熱前食品組成物を、密閉容器に充填する工程と、
    前記密閉容器に充填された加熱前食品組成物を加熱処理する工程と、
    を備え、
    前記流動状の繊維含有植物原料の含有量が、具材を除く食品組成物の質量を基準として、固形分換算で2質量%以上であり、
    前記加熱処理後の食品組成物の品温60℃での粘度が400mPa・s以上である、
    食品組成物の製造方法。
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