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JP2020051257A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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毅 園田
Takeshi Sonoda
毅 園田
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Abstract

【課題】ノックコントロールシステムにおける点火タイミングの学習値の誤学習を検知しこれを修正できるようにする。【解決手段】気筒で異常燃焼が発生したことを感知した場合に点火タイミングを遅角させ、異常燃焼の発生を感知しない限りにおいて点火タイミングを進角させるとともに、内燃機関の運転領域の区分毎に異常燃焼が発生しないような点火タイミングを学習値として記憶し、以後の点火タイミングの制御に利用する内燃機関の制御装置であって、経時変化後の内燃機関の運転領域の区分毎の点火タイミングの学習値の基準値を予め記憶保持しており、実際に学習して記憶した学習値と基準値とを比較することを通じて誤学習の発生を検知する内燃機関の制御装置を構成した。【選択図】図3

Description

本発明は、車両等に搭載される内燃機関を制御する制御装置に関する。
内燃機関のシリンダブロックに設置した振動式のノックセンサを介して、または混合気の燃焼時に点火プラグの電極を流れるイオン電流を参照して、ノッキングに代表される異常燃焼の発生を感知し、異常燃焼が起こっているときに点火タイミングを徐々に遅角させるとともに、異常燃焼が起こらない限りにおいて点火タイミングを徐々に進角させるノックコントロールシステムが公知である。
内燃機関の運転制御を司るECU(Electronic Control Unit)は、異常燃焼の発生が収まった段階での点火タイミングを学習値として、当該運転領域を示すパラメータに関連付けてメモリに記憶する。そして、後に再び同じ運転領域に遷移した際に、現在の運転領域に関連付けて記憶保持されている学習値を読み出し、当該学習値を用いて点火タイミングの決定を行う。このような点火タイミングの学習により、異常燃焼の発生を効果的に抑制できる上、気筒の燃焼室内や点火プラグにデポジットが付着し堆積する等の経時変化に対処することが可能となる(例えば、下記特許文献を参照)。
特開2017−115610号公報
しかしながら、異常燃焼を感知するセンサの出力信号にノイズが混入し、実際には異常燃焼が発生していないにもかかわらず異常燃焼が発生したと誤って判断した場合や、偶発的に異常燃焼が発生した(そのような異常燃焼の再現性は低い)場合には、点火タイミングを本来異常燃焼の再発防止に必要な程度を超えて遅角してしまう上、その遅角した点火タイミングを学習値として誤学習してしまう。点火タイミングを不必要に遅角することは、内燃機関の熱機械変換効率を低下させ、内燃機関の出力するエンジントルクの不足、ひいては車両の加速のもたつきを招来する。
本発明は、ノックコントロールシステムにおける点火タイミングの学習値の誤学習を検知しこれを修正できるようにすることを所期の目的としている。
本発明では、気筒で異常燃焼が発生したことを感知した場合に点火タイミングを遅角させ、異常燃焼の発生を感知しない限りにおいて点火タイミングを進角させるとともに、内燃機関の運転領域の区分毎に異常燃焼が発生しないような点火タイミングを学習値として記憶し、以後の点火タイミングの制御に利用する内燃機関の制御装置であって、経時変化後の内燃機関の運転領域の区分毎の点火タイミングの学習値の基準値を予め記憶保持しており、実際に学習して記憶した学習値と基準値とを比較することを通じて誤学習の発生を検知する内燃機関の制御装置を構成した。
内燃機関のある運転領域の区分について点火タイミングの学習値の誤学習の発生を検知した場合には、例えば、当該区分と隣接する区分の学習値を基に、当該区分の学習値を修正することが考えられる。
本発明によれば、ノックコントロールシステムにおける点火タイミングの学習値の誤学習を検知してこれを修正できるようになる。
本発明の一実施形態における車両用内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 同実施形態の内燃機関の制御装置が学習して記憶する内燃機関の運転領域の区分毎の点火タイミングの学習値を示す図。 同実施形態の内燃機関の制御装置が予め保持している経時変化後の内燃機関の運転領域の区分毎の点火タイミングの学習値を示す図。 本発明の変形例の一に係るイオン電流検出用回路を示す図。 同変形例において検出されるイオン電流信号を例示する図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態の内燃機関は、ポート噴射式の4ストローク火花点火エンジンであり、複数の気筒1(例えば、三気筒。図1には、そのうち一つを図示している)を具備する。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を気筒1毎に設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイル14は、半導体スイッチング素子13であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、特にサージタンク33に接続している。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。ECU0は、複数基のECUまたはコントローラがCAN(Controller Area Network)等の電気通信回線を介して相互に通信可能に接続されてなるものであることがある。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、内燃機関のクランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求されるエンジン負荷率)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、気筒1に連なる吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、大気圧を検出する大気圧センサから出力される大気圧信号g、気筒1を内包しているシリンダブロックの振動の大きさを検出する振動式のノックセンサから出力される振動信号h等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、イグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納しているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量(または、新気量)を推算する。そして、それらに基づき、吸気量に見合った要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率(または、EGRガス量)等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
気筒1における混合気への点火のタイミングを決定するにあたり、ECU0は、現在の内燃機関の運転領域[エンジン回転数,エンジン負荷率(または、エンジントルク、サージタンク33内吸気圧、気筒1に充填される吸気量若しくは燃料噴射量)]に応じてベース点火タイミングを設定し、そのベース点火タイミングに、気筒1における異常燃焼の発生の有無に応じた遅角補正量を加える。
ベース点火タイミングは、基本的に、各運転領域におけるMBT(Minimum advance for Best Torque)と、同運転領域においてノッキングに代表される異常燃焼が惹起されないと通常考えられる限界の点火タイミングの進角量との比較により定まる。低負荷ないし中負荷の運転領域では、点火タイミングをMBTまで進角させても異常燃焼は起こらず、故にベース点火タイミングをMBTに設定する。これに対し、比較的高負荷の運転領域では、点火タイミングをMBTまで進角させると異常燃焼を起こすリスクがあるので、ベース点火タイミングをMBTよりも遅いタイミングに設定する必要がある。
ECU0のメモリには予め、内燃機関の運転領域を示唆するパラメータ[エンジン回転数,エンジン負荷率]と、ベース点火タイミングとの関係を規定したマップデータを格納している。ECU0は、現在の運転領域をキーとして当該マップを検索し、設定するべきベース点火タイミングを知得する。
ECU0は、ノックセンサが出力する振動信号hを参照して各気筒1における異常燃焼の発生の有無を判定し、その判定結果に応じた点火タイミングの調整を行う、いわゆるノックコントロールシステムを実現する。ECU0は、気筒1またはシリンダブロックの振動の強度を示す振動信号hの現在のサンプリング値をノック判定値と比較し、前者が後者を上回ったならば、当該気筒1にて異常燃焼が起こったと判定する。翻って、振動信号hのサンプリング値がノック判定値以下であるならば、当該気筒1にて異常燃焼は起こっていないと判定する。
気筒1における異常燃焼の発生を感知した場合には、以後異常燃焼が起こらなくなるまで点火タイミングを徐々に遅角させる、換言すればベース点火タイミングに加味する遅角補正量を徐々に増大させる。一方で、異常燃焼の発生を感知していない場合には、異常燃焼が起こらない限りにおいて点火タイミングを徐々に進角させて、即ちベース点火タイミングに加味する遅角補正量を減少させて、内燃機関の出力及び燃費性能の向上を図る。この異常燃焼の有無の判定及び点火タイミングの遅角/進角補正は、各気筒1毎に個別に行うことができる。
本実施形態のECU0は、異常燃焼の発生が収まった段階での点火タイミングを学習値として、当該運転領域を示すパラメータ[エンジン回転数,エンジン負荷率]に関連付けてメモリに記憶する。即ち、図2に模式的に示すように、エンジン回転数の範囲x及びエンジン負荷率の範囲yによって定義される運転領域の各区分xy毎に、学習した学習値rxyを記憶する。ここで、学習値として記憶保持する値は、当該運転領域のベース点火タイミングに加味する遅角補正量であることがある。そして、後に再び同じ運転領域に遷移したときに、メモリに記憶保持している、現在の運転領域に関連付けられている学習値を読み出し、当該学習値を用いて点火タイミングの決定を行う。
点火タイミングの学習値の学習または更新は、原則として、ある運転領域に遷移してから同運転領域を脱するまでの間、即ち当該運転領域への一度の滞在期間中に、一定量以上点火タイミングを遅角させたことを必要条件として行う。つまり、この必要条件が成立しない限りは、ECU0のメモリに記憶保持している学習値の更新を許可しない。ある運転領域に遷移したばかりの時点での点火タイミングの初期値は、直近に学習された当該運転領域に対応する学習値を用いて決定する。但し、当該運転領域において未だ一度も学習が行われていないような場合には、当該運転領域に対応するベース点火タイミングを以て点火タイミングの初期値とする。しかして、ECU0は、既に述べた通り、各気筒1において異常燃焼の発生を感知したか否かに応じて、点火タイミングをその初期値から遅角させ、あるいは進角させる。そして、当該運転領域に遷移してから別の運転領域に遷移するまでの滞在期間中に、点火タイミングがその初期値から一定量以上遅角したならば、同初期値から一定量以上遅角した点火タイミングであって気筒1において異常燃焼が発生しない点火タイミング(または、そのベース点火タイミングからの遅角補正量)を、当該運転領域に対応する新たな学習値として、同運転領域を示すパラメータに関連付けてメモリに記憶する。
なお、ある運転領域の滞在期間中に上記の必要条件が成立したかどうかを判断するにあたり、同滞在期間中にノックコントロールシステムとしてのECU0が反復的に決定する点火タイミング(または、その遅角補正量)の時系列をなまし処理した値を、同滞在期間における点火タイミングの初期値と比較し、なまし処理した値が初期値から一定量以上遅角したことを以て、必要条件が成立したものとしてもよい。なまし処理した値は、点火タイミングの時系列の移動平均をとることで、またはその時系列からなる信号をローパスフィルタ処理する等により、算定することができる。
異常燃焼を感知するセンサの出力信号hにノイズが混入し、実際には異常燃焼が発生していないにもかかわらず異常燃焼が発生したと誤って判断した場合や、偶発的に再現性の低い異常燃焼が発生した場合には、点火タイミングを異常燃焼の再発防止に本来必要な程度を超えて遅角した上、その遅角した点火タイミングを学習値として誤学習してしまうことがあり得る。点火タイミングを不必要に遅角することは、内燃機関の熱機械変換効率を低下させ、内燃機関の出力するエンジントルクの不足、ひいては車両の加速のもたつきを招来するので、決して好ましくない。
点火タイミングの誤学習を検知するべく、本実施形態のECU0は予め、経時変化後の内燃機関の点火タイミングの学習値の基準値、換言すれば経時変化後の内燃機関の運転中に学習されるであろう点火タイミングの学習値の予想値をメモリに記憶保持している。即ち、図3に模式的に示すように、エンジン回転数の範囲x及びエンジン負荷率の範囲yによって定義される運転領域の各区分xy毎に、経時変化後の学習値の基準値bxyを記憶保持している。ここで、基準値として記憶保持する値は、当該運転領域のベース点火タイミングに加味する遅角補正量であることがある。
その上で、ECU0は、運転領域の各区分xyについて学習した学習値rxyと、同じ運転領域の区分xyについて予め保持している基準値bxyとを比較し、両者の差分の大きさが閾値を上回っている(さらには、学習値rxyが基準値bxyよりも点火タイミングとして遅角している)ときに、当該区分についての学習値rxyは誤学習された不適切なものであると判断する。
学習値rxyと比較するべき基準値bxyのマップデータは、内燃機関の運用期間の長さによらず単一であってもよいし、内燃機関の運用期間の長さに応じて異なるものとしてもよい。内燃機関の運用期間の長さは、その回転回数の累積値や点火回数の累積値、これまでに気筒1に充填した吸気の総量、燃料噴射量の総量、または車両の走行距離等によって示される。
学習値rxyと比較するべき基準値bxyのマップデータとして、内燃機関の運用期間の長さによらない単一のマップを記憶保持している場合において、そのマップデータ中の基準値bxyに、内燃機関の運用期間の長さに応じた補正を加味した上で、学習値rxyと比較することも考えられる。
何れかの運転領域の区分xyについての学習値rxyが誤学習されたものであると判断したECU0は、メモリに記憶する当該学習値rxyの修正を実行する。例えば、運転領域の区分[2,2]についての学習値r22と基準値b22との比較の結果、当該学習値r22が誤学習されたものであると判断したならば、その運転領域の区分[2,2]に隣接する区分[1,2]の学習値r12、区分[3,2]の学習値r32、区分[2,1]の学習値r21、区分[2,3]の学習値r23のうちの何れか少なくとも一つを用いて、当該学習値r22を修正する。具体的には、当該学習値r22を、学習値r12、学習値r32、学習値r21または学習値r23の何れかに書き換えてもよいし、学習値r12、学習値r32、学習値r21または学習値r23の何れかに近づけた値に書き換えてもよいし、学習値r12と学習値r32との平均値(足して二で割った値)に書き換えてもよいし、学習値r21と学習値r23との平均値(足して二で割った値)に書き換えてもよいし、学習値r12、学習値r32、学習値r21及び学習値r23の平均値(足して四で割った値)に書き換えてもよい。
あるいは、誤学習されたものと判断した当該学習値r22を、同区分[2,2]に対応する基準値b22に書き換えたり、または同基準値b22に近づけた値に書き換えたりすることで、当該学習値r22を修正しても構わない。
本実施形態では、気筒1で異常燃焼が発生したことを感知した場合に点火タイミングを遅角させ、異常燃焼の発生を感知しない限りにおいて点火タイミングを進角させるとともに、内燃機関の運転領域の区分毎に異常燃焼が発生しないような点火タイミングを学習値として記憶し、以後の点火タイミングの制御に利用する内燃機関の制御装置0であって、経時変化後の内燃機関の運転領域の区分毎の点火タイミングの学習値の基準値を予め記憶保持しており、実際に学習して記憶した学習値と基準値とを比較することを通じて誤学習の発生を検知する内燃機関の制御装置0を構成した。
内燃機関のある運転領域の区分について点火タイミングの学習値の誤学習の発生を検知した場合には、例えば、当該区分と隣接する区分の学習値を基に、当該区分の学習値を修正する。
本実施形態によれば、ノックコントロールシステムにおける点火タイミングの学習値の誤学習を適切に検知して、これを修正することが可能となる。従って、点火タイミングが不必要に遅角化することが抑制され、内燃機関の熱機械変換効率を高く維持してエンジントルクの不足、車両の加速のもたつきを回避することができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、各気筒1における異常燃焼の発生を感知する手法は、振動式のノックセンサの出力信号hを参照するものには限定されない。筒内圧即ち気筒1の燃焼室内圧力を検出できる筒内圧センサが気筒1に実装されている場合には、筒内圧を参照して異常燃焼の発生を感知することができる。
また、気筒1の燃焼室内で燃料が燃焼する際に発生するイオン電流の量を検出可能である場合には、そのイオン電流信号を参照して異常燃焼の発生を感知することができる。以下、イオン電流信号を参照した異常燃焼の有無の判定について補足する。
図4に、内燃機関の各気筒1の火花点火装置にイオン電流の検出用の回路を付設したものを示している。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。内燃機関の制御装置たるECU0からの点火信号iをイグナイタが受けると、まずイグナイタの半導体スイッチ13が点弧して点火コイル14の一次側に電流が流れ、その直後の火花点火のタイミングで半導体スイッチ13が消弧してこの電流が遮断される。すると、自己誘導作用が起こり、一次側に高電圧が発生する。そして、一次側と二次側とは磁気回路及び磁束を共有するので、二次側にさらに高い誘導電圧が発生する。この高い誘導電圧が点火プラグ12の中心電極に印加され、中心電極と接地電極との間で火花放電する。
イオン電流検出回路は、イオン電流を効果的に検出するためのバイアス電源部15と、イオン電流の多寡に応じた検出電圧を増幅して出力する増幅部16とを備える。バイアス電源部15は、バイアス電圧を蓄えるキャパシタ151と、キャパシタ151の電圧を所定電圧まで高めるためのツェナーダイオード152と、電流阻止用のダイオード153、154と、イオン電流に応じた電圧を出力する負荷抵抗155とを含む。増幅部16は、オペアンプに代表される電圧増幅器161を含む。
点火プラグ12の中心電極と接地電極との間のアーク放電時にはキャパシタ151が充電され、その後キャパシタ151に充電されたバイアス電圧により負荷抵抗155にイオン電流が流れる。イオン電流が流れることで生じる抵抗155の両端間の電圧は、増幅部16により増幅されてイオン電流信号mとしてECU0に受信される。混合気の燃焼時のイオン電流は、圧縮上死点後、熱解離によって増加し、気筒1の燃焼室内圧力がピークを迎えるのとほぼ同時にピークに達する。
図5に、気筒1での燃料の燃焼中に異常燃焼が起こった場合の、イオン電流信号mの推移を例示する。異常燃焼が惹起されるとき、気筒1の燃焼室内では燃焼速度の速い、激しい燃焼が生じている。それ故、正常燃焼の場合と比較して、イオン電流信号mが早期にピークを迎える。さらに、イオン電流信号mの波形に、異常燃焼に起因して発生する振動Sが重畳される。
因みに、図5に示しているイオン電流信号hの例では、ノッキングに起因した信号Sに加えて、スパイク状のノイズNが重畳されている。スパイクノイズNの原因は、スロットルバルブ32等を駆動するモータの作動、半導体スイッチ素子のスイッチング動作、リレースイッチのON/OFF切換等、様々である。
気筒1における異常燃焼の発生の有無を判定するにあたり、ECU0は、気筒1の点火プラグ12の電極を流れるイオン電流信号mを、イオン電流検出用の回路を介してサンプリングする。そして、サンプリングしたイオン電流信号mを、異常燃焼に起因して発生する信号Sが持つ周波数成分を通過させつつこの信号S以外の成分を減衰させるバンドパスフィルタに入力する。
しかして、ECU0は、バンドパスフィルタで処理した後の信号を時間積分する、換言すればサンプリング値の時系列を積算する。その後、ECU0は、そうして得た積算値をノック判定値と比較する。前者が後者を上回ったならば、当該気筒1にて異常燃焼が起こったと判定する。さもなくば、当該気筒1にて異常燃焼は起こっていないと判定する。
加えて、上記の積算値から、異常燃焼の強度を推測することもできる。即ち、積算値が大きいほど、発生した異常燃焼の強度が大きい。
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に用いることができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
12…点火プラグ
b…クランク角信号
c…アクセル開度信号
h…振動信号
i…点火信号
m…イオン電流信号

Claims (2)

  1. 気筒で異常燃焼が発生したことを感知した場合に点火タイミングを遅角させ、異常燃焼の発生を感知しない限りにおいて点火タイミングを進角させるとともに、内燃機関の運転領域の区分毎に異常燃焼が発生しないような点火タイミングを学習値として記憶し、以後の点火タイミングの制御に利用する内燃機関の制御装置であって、
    経時変化後の内燃機関の運転領域の区分毎の点火タイミングの学習値の基準値を予め記憶保持しており、
    実際に学習して記憶した学習値と基準値とを比較することを通じて誤学習の発生を検知する内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関のある運転領域の区分について点火タイミングの学習値の誤学習の発生を検知した場合、当該区分と隣接する区分の学習値を基に、当該区分の学習値を修正する請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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