JP2020049552A - ロボットシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】偶発的なエラーの発生によりロボットが非常停止した場合に、原因究明を省略してロボットを再稼働させても再びエラーが発生することを抑制できるロボットシステムを提供すること。【解決手段】ロボット10の動作実行中においてそのロボットの制御ログを取得し、ロボット10がエラー発生により非常停止した場合には、記憶部31のエラーログ記憶領域31bに、当該非常停止の時点よりも所定期間前から非常停止の時点までの制御ログをエラーログとして記憶する。制御部33は、再稼働時における制御ログとエラーログとを比較し、両者の一致度に基づいて、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点における動作状態が再稼働前の動作状態と異なるように、モータ21の駆動を制御する。【選択図】 図2
Description
本発明は、ロボットシステムに関する。
製造ライン等に用いられるロボットシステムでは、ロボットの稼働中にエラーが発生することがある。その場合、ロボットをいったん非常停止させ、エラー発生の原因究明を行ってその原因を取り除き、ティーチングのやり直しをして再稼働させている。この場合のエラーの内容が、例えば指令位置とロボットの現在位置との偏差が所定の閾値を超えるような偏差過大と呼ばれるようなものであれば、モータ等の駆動部の故障等が原因である場合が多く、原因究明も比較的容易である。ところが、エラーの中には、ロボットがワークをつかんだ際の姿勢等により一時的に過電流や過負荷が生じる場合等のように偶発的なものもあり、このような偶発的なエラーは解析しても原因を究明することが困難な場合がある。一方、偶発的なエラーは再稼働時には発生しないこともある。
このように原因究明が困難なエラー発生に対処すべく、例えば、ロボットの動作状態を撮影した画像や、ロボットの動作状態を示す各種情報(例えば加速度やトルク等)を記憶しておき、エラー発生時にその記憶した画像情報や各種情報をパソコンのモニタに表示させ、原因究明に役立てるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1のような従来技術では、エラー発生の原因究明を行っている間はロボットを停止させた状態が継続することとなる。仮に画像情報やロボットの各種情報がモニタに表示されることで原因究明に役立つとしても、あくまで役立つというレベルに過ぎず、結果的に原因がわからないという場合もある。
そのため、製造等のラインの停止状態が続くことを嫌う現場では、偶発的なエラーが発生してもその原因究明を実行するのではなく、一過性のエラーに過ぎないと判断されてエラー原因を内在させたまま再稼働させてしまうこともあり得る。そうすると、結局は、再び同じエラーが発生することとなりロボットが停止して、製造等のラインの再度の停止を招いてしまう。
そこで、本発明は、偶発的なエラーの発生によりロボットが非常停止した場合に、原因究明を省略してロボットを再稼働させても再びエラーが発生することを抑制できるロボットシステムを提供することにある。
上記課題を解決すべく、第1の発明は、
複数の回転軸と、前記複数の回転軸を駆動するモータと、前記モータを駆動する駆動部とを有するロボットと、
前記ロボットが予め設定された所定動作を繰り返し実行するように、前記駆動部を制御する制御部と、
前記所定動作の実行中における前記ロボットの情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得した情報を制御ログとして一時記憶する記憶部と、
を備えたロボットシステムにおいて、
前記記憶部は、前記所定動作の実行中に前記ロボットがエラー発生により非常停止した場合に、当該非常停止の時点よりも所定期間前から前記非常停止の時点までの前記制御ログをエラーログとして前記一時記憶とは別に記憶し、
前記制御部は、前記非常停止が発生した後の再稼働時において、前記所定期間前からの前記制御ログと前記エラーログとを比較し、その一致度に基づいて、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点における動作状態が再稼働前の動作状態と異なるように前記駆動部に対して制御指令を出力することを特徴とする。
複数の回転軸と、前記複数の回転軸を駆動するモータと、前記モータを駆動する駆動部とを有するロボットと、
前記ロボットが予め設定された所定動作を繰り返し実行するように、前記駆動部を制御する制御部と、
前記所定動作の実行中における前記ロボットの情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得した情報を制御ログとして一時記憶する記憶部と、
を備えたロボットシステムにおいて、
前記記憶部は、前記所定動作の実行中に前記ロボットがエラー発生により非常停止した場合に、当該非常停止の時点よりも所定期間前から前記非常停止の時点までの前記制御ログをエラーログとして前記一時記憶とは別に記憶し、
前記制御部は、前記非常停止が発生した後の再稼働時において、前記所定期間前からの前記制御ログと前記エラーログとを比較し、その一致度に基づいて、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点における動作状態が再稼働前の動作状態と異なるように前記駆動部に対して制御指令を出力することを特徴とする。
第1の発明によれば、非常停止が発生した後にロボットを再稼働して所定動作を再び実行する場合に、その実行中の制御ログとエラーログとの一致度が比較される。その一致度に基づいて、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点において再稼働前とは異なる動作状態となるよう制御される。これにより、偶発的なエラー発生によりロボットが非常停止した場合に、原因究明を省略してロボットを再稼働させても再度エラーが発生することが抑制される。その結果、製造等のラインを原因究明のために長期間中断させてしまうおそれを低減できる。
第2の発明では、前記制御部は、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点における動作状態が再稼働前の動作状態と異なるように前記駆動部に対して制御指令を出力する場合に、再稼働前の動作と同じ種類の動作についてその内容を異ならせることを特徴とする。
ロボットに偶発的なエラーを発生させる原因としては、エラーが発生した時点においてロボットが行っていた動作の種類(例えば、加速、等速、減速等)の内容に問題があった可能性が高いと考えられる。そこで、第2の発明のように、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点における動作の種類と同じ種類の動作についてその内容が異なるように制御内容を変更すれば、再稼働時において、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点で再びエラーが発生することの回避可能性を高めることができる。
第3の発明では、前記制御部は、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点における動作状態が再稼働前の動作状態と異なるように前記駆動部に対して制御指令を出力する場合でも、前記所定動作を実行する速度パターンの面積が維持されるように前記制御指令を出力することを特徴とする。
再稼働前と動作状態が異なるように制御指令の内容を変更しても所定動作を実行する速度パターンの面積は変更されずに維持されるため、制御指令の内容が変更されてもロボットの到達位置が変化することを抑制できる。
第4の発明では、前記情報取得部が取得する前記ロボットの情報は、前記モータにおける電流値又は負荷率、温度及び前記回転軸の角度であることを特徴とする。
ロボットの制御において、モータの電流値、負荷率及び温度は予め上限値が設定されており、ロボットがエラー状態にあるか否かを判定する要素である。そのため、エラー発生時点の所定時間前からエラー発生時点までの期間においてこれらの一致度が高い場合、再びエラーが発生する蓋然性が高いと考えられる。そこで、第4の発明のようにエラー発生の蓋然性を判断する指標として、電流値、負荷率及び温度を用いることが好適である。
以下、本発明のロボットシステムを具体化した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、工場の機械組立ラインにおいて機械等の組み立てを行う産業用ロボット又は工場の加工ラインにおいて素材等に対して加工を行う産業用ロボットに適用されたロボットシステムとして具体化されている。
図1に示すように、ロボット10は、6つの関節K1〜K6を有する6軸ロボットである。ロボット10は、各関節K1〜K6の回転軸(関節軸)として第1〜第6軸J1〜J6を有している。本実施形態では、第1軸J1が鉛直方向に延びるようにしてロボット10が床等のロボット設置箇所に設置されている。以下の説明では、図1の上下方向が鉛直方向を示している。
ロボット10において基台11は、ロボット設置場所に固定される固定部12と、固定部12の上方に設けられる回動部13とを有している。回動部13は、鉛直方向に延びる第1軸J1を回動中心として固定部12に対して回動可能とされている。回動部13の上端部には下アーム15が連結されている。下アーム15は、水平方向に延びる第2軸J2を回動中心として回動部13に対して回動可能とされている。
下アーム15の先端部(上端部)には上アーム16が連結されている。上アーム16は、水平方向に延びる第3軸J3を回動中心として下アーム15に対し回動可能とされている。上アーム16は、長手方向に分割された基端側の第1上アーム16Aと先端側の第2上アーム16Bとを有している。これら各アーム16A,16Bのうち第1上アーム16Aが下アーム15に連結されている。第2上アーム16Bは、上アーム16の長手方向に延びる第4軸J4を回動中心として第1上アーム16Aに対し回動可能に連結されている。
第2上アーム16Bの先端部には手首部17が設けられている。手首部17は、水平方向に延びる第5軸J5を回動中心として第2上アーム16Bに回動可能に連結されている。手首部17には、ワークやツール等を取り付けるためのハンド部18が設けられている。ハンド部18は、その中心線である第6軸J6を回動中心として手首部17に対してねじり方向に回動可能に連結されている。
このように、ロボット10は、各軸J1〜J6を回動中心として回動可能とされた複数(具体的には6つ)の構成要素(回動部13、下アーム15、第1上アーム16A、第2上アーム16B、手首部17、ハンド部18)を備える。この場合、これら各構成要素はそれぞれ、各軸J1〜J6を回転中心とした関節K1〜K6の回転に伴い回動する。
各関節K1〜K6にはそれぞれモータ21(サーボモータ)が設けられている。モータ21は正逆両方向の回転が可能であり、モータ21の駆動により原点位置を基準として各関節J1〜J6が回転駆動され、ひいては各構成要素が回動する。
次に、ロボット10の動作中、原因究明が困難な偶発的エラーが発生した場合に、再稼働時に同じエラーが発生することを回避するためのエラー回避を実行するロボットシステムSについて説明する。図2は、ロボットシステムSの電気的構成を示す図である。
図2に示すように、ロボットシステムSは、前述したロボット10と、操作装置40とを備えている。ロボット10は、ロボット10の各種動作を制御するコントローラ30を備えている。コントローラ30は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを主体に構成され、記憶部31を有している。記憶部31には、ロボット10の動作プログラム等の各種プログラムが記憶されている。動作プログラムとしては、ロボット10が設置された作業ラインにおいて必要な動作として予め設定されるほか、コントローラ30に接続されたティーチングペンダントを用いて動作プログラムの作成、修正、登録、各種パラメータの設定が行われる。コントローラ30は、記憶部31に記憶された各種プログラムに基づいてロボット10の動作制御等を行う。これにより、作業ラインに設置されたロボット10は、動作プログラムにおいて設定された所定の動作を繰り返す。
コントローラ30は、ロボット10の各関節K1〜K6に設けられたモータ21を駆動させる駆動部32を備えている。駆動部32は、入力される直流電圧を交流電圧に変換し、3相モータ21のステータ巻線に印加する3相インバータを含んでいる。インバータは、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとの直列接続体を3つ備えている。なお、駆動部32は、ロボット10の各関節J1〜J6のそれぞれに対応して個別に設けられている。なお、図2には、便宜上、1つのモータ21のみ図示している。
コントローラ30は、モータ21の駆動制御を行う制御部33を備えている。制御部33は、マイクロプロセッサを主体として構成されている。また、コントローラ30には、関節K1〜K6の回転位置(回転軸の角度)を検出する位置検出部34(エンコーダ)が接続されている。位置検出部34は、各関節K1〜K6(各モータ21)にそれぞれ設けられている。図2には、便宜上、1つの位置検出部34のみ図示している。コントローラ30には、各位置検出部34からそれぞれ関節K1〜K6の回転位置情報が逐次入力される。この入力された回転位置情報は、制御ログの一つとして記憶部31の一時記憶領域31aに記憶される。
コントローラ30の制御部33は、各モータ21の制御量(例えば回転速度、加速度、減速度)をその指令値に制御すべく、回転位置情報に基づいて制御信号を生成し、駆動部32に対して制御指令を出力する。このように、制御部33は、位置検出部43から入力される回転位置情報に基づいて各モータ21の駆動をフィードバック制御する。
コントローラ30には、モータ21に流れる電流値を検出する電流検出部35が接続されている。電流検出部35は、本実施形態において情報取得部に相当し、各モータ21にそれぞれ設けられている。図2には、便宜上、1つの電流検出部35のみ図示している。コントローラ30には、動作プログラムによるロボット10の動作中、各電流検出部35からそれぞれ各モータ21の電流値が逐次入力される。入力された電流値は、記憶部31の一時記憶領域31aに制御ログの一つとして記憶される。コントローラ30は、それら入力される各モータ21の電流値に基づいて、モータ21により関節K1〜K6を回転駆動する際に発生する負荷率を検出する。検出された負荷率も、制御ログの一つとして記憶部31の一時記憶領域31aに記憶される。
コントローラ30には、モータ21の温度を検出する温度検出部36が接続されている。温度検出部36は、本実施形態において情報取得部に相当し、各位置検出部34にそれぞれ内蔵されている。図2には、便宜上、1つの温度検出部36のみ図示している。コントローラ30には、動作プログラムによるロボット10の動作中、各温度検出部36からそれぞれ各モータ21周辺の温度値が逐次入力される。入力された温度値は、記憶部31の一時記憶領域31aに制御ログの一つとして記憶される。
コントローラ30の記憶部31には、一時記憶領域31aのほかに、エラーログ記憶領域31bを有している。エラーログ記憶領域31bには、偶発的なエラーが発生してロボット10が非常停止した場合に、エラー発生時点から所定期間(例えば4秒〜5秒程度)遡った時点を起点とし、その起点からエラー発生時点までの制御ログ(電流値、負荷率、温度)が記憶される。エラーログは、エラーが発生するたびに更新される。このエラーログとして記憶された制御ログは、ロボット10を再稼働した際に実行されるエラー回避処理において用いられる。
コントローラ30には、ロボット10の制御に関する各種操作を行うための操作装置40が接続されている。操作装置40は、周知のパーソナルコンピュータ(端末装置)により構成されており、キーボード等からなる操作部41と、ディスプレイ等からなる表示部42とを有している。なお、操作装置40は、端末装置に代えて、ティーチングペンダントにより構成されていてもよい。
次に、ロボット10のエラーの発生を監視するエラー監視処理と、エラーが発生した場合に、その後の再稼働時において再びエラーが発生することを回避するためのエラー回避処理について、図3及び図4に基づき説明する。エラー監視処理及びエラー回避処理は、コントローラ30の制御部33により実行される。エラー監視処理は、ロボット10の動作プログラムが開始されたことをトリガとして開始される。
エラー監視処理は、図3に示すように、まずステップS11において、エラーが発生してロボット10が非常停止したか否かを判定する。ロボット10の動作においては、各モータ21の電流値、負荷率及び温度には予め上限値が設定されており、いずれかの数値がその上限値を超える状態となると、コントローラ30の制御部33がエラー状態にあるとしてロボット10を非常停止させる。ステップS11では、このようなエラー発生によるロボット10の非常停止がなされたか否かを判定する。
エラーが発生していない場合は判定を否定し、ステップS12に進む。ステップS12では、動作プログラムが終了しているか否かを判定し、終了していなければステップS11に戻り、終了していればエラー監視処理を終了する。そのため、動作プログラムが終了するまでエラーが発生しているか否かの監視を継続して行う。
動作プログラムの実行中にエラーが発生してロボット10が非常停止した場合、ステップS11において判定を肯定してステップS13に進む。ステップS13では、エラー発生時の所定期間前からエラー発生時点までの制御ログを記憶部31の一時記憶領域31aから取得し、当該制御ログをエラーログとして記憶部31のエラーログ記憶領域31bに記憶する。この時、従前のエラー回避処理の実行によってエラーログ記憶領域31bにエラーログが記憶されている場合には、エラーログを更新して最新のエラーログを記憶する。
続くステップS14では、非常停止後にロボット10が、設定された所定動作を再度開始したか否か(再稼働したか否か)を判定する。未だ再稼働していない場合には判定を否定して、再稼働したか否かの判定を継続して行う。再稼働した場合には判定を肯定し、ステップS15に進み、エラー回避処理を実行する。その後、エラー監視処理を終了する。
次に、エラー回避処理について説明する。エラー回避処理では、図4に示すように、まずステップS151において、エラーログ記憶領域31bに記憶されたエラーログを読み出す。
続くステップS152では、エラー発生時の動作状態、すなわち動作の種類(加速中か減速中か等速運動中か)と、動作種類ごとの内容(加速度、減速度又は速度の値)とを把握する。なお、動作状態は、各位置検出部34から入力された各関節K1〜K6の回転位置情報に基づいて把握する。
その上で、次のステップS153では、制御指令を変更する変更限界時点に到達したか否かを判定する。
ここで、後述するように、再稼働時においては、エラーが再度発生することを回避するため、各モータ21の駆動部32に出力する制御指令の内容、すなわち加速度、減速度及び速度のいずれかを、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点において異なる値となるよう変更する。この場合、加速度、減速度及び速度のいずれを変更するかは、エラー発生時点における動作の種類による。つまり、エラー発生時点での動作種類が加速中であれば加速度の値を変更し、減速中であれば減速度の値を変更し、等速運動中であれば速度の値を変更する。そして、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点において、加速度、減速度又は等速運動中の速度が変更された動作状態になっている必要があるため、その変更された動作状態とするために必要な変更期間がある。再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点よりもこの変更期間だけ前となる時点を変更限界時点とする。変更限界時点は、変更対象が加速度、減速度及び速度のいずれであるか及びそれぞれの変更前の値によって異なり得る。そこで、エラー発生時点における動作種類とその数値を把握した上で、この変更限界時点が求められる。
この変更限界時点に到達したか否かを、上記ステップS153において判定する。未だ変更限界時点に到達していない場合には判定を否定し、変更限界時点に到達したか否かの判定を継続して行う。変更限界時点に到達した場合には判定を肯定して次のステップS154に進む。
ステップS154では、再稼働時において取得された制御ログのうち、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点よりも所定時間前からの制御ログとエラーログとを比較し、その一致率を算出する。前述したように、制御ログ及びエラーログの内容としては、モータ21における電流値、負荷率、温度及び回転位置の各情報がある。このうち、負荷率は、定格電流値に対する定電流値の割合であり、電流値に基づいて算出されるため電流値に依存する。そこで、制御ログとエラーログとの比較とは、具体的には、電流値又は負荷率、温度、回転位置の各情報について比較し、その一致率を算出する。
図5は、一例として、エラー発生時における制御ログとしての負荷率の推移を示している。図5に示すように、エラーが発生した場合には、エラー発生時点T1より所定期間(本実施形態では4秒)前の時点T2からエラー発生時点T1までの制御ログ(図示は負荷率の制御ログ)がエラーログとして記憶される。再稼働時には、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点T1の所定時間前の時点T2から変更限界時点T3までの制御ログについて、エラーログと比較することで両者の一致率を算出する。一致率の算出の仕方としては、例えば、ログ取得時点における制御ログの値とエラーログの値との偏差が1%以内であれば一致すると判断し、変更限界時点T3までの間で一致と判断された割合として算出することが考えられる。
続く、ステップS145では、算出した一致率に応じて制御指令の内容を変更する。変更する動作の種類は、エラー発生時点の動作種類に基づいて選択する。すなわち、エラー発生時点の動作種類が加速中であれば加速度を変更し、減速中であれば減速度を変更し、等速運動中であれば速度を変更する。それぞれを種類について変更する程度に関しては、ログの一致率が100%であれば、加速度、減速度又は速度をエラー発生時点における値の70%に、ログの一致率が90%であれば75%に、ログの一致率が80%であれば80%にそれぞれ減少させる。なお、この減少割合は、ユーザにより予め任意に設定されるようになっている。そして、このような制御指令の内容を変更するとしても、ロボット10が動作プログラムにしたがって行う所定動作の開始時点から終了時点までの速度パターンの面積(台形面積)は変更させない。
図6は、制御指令の変更例として、ある回転軸における速度パターンの一部を示している。図6(a)に示すように、回転軸の回転動作において、動作開始時点Tsから加速が開始されたところ、その加速中にエラーが発生したとする。この場合、再稼働時には、図中に実線で示すように、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点T1において、エラーログとの一致度に応じて加速度を減少させた動作状態となっているように加速度を減少させる。その後、等速から減速に転じる時点を本来の時点T4よりも遅らせた時点T4aにて等速から減速に転じさせ、動作終了時点Teは加速度の変更前と同じとなるように減速度を増加させる。これにより、速度パターンの面積(台形面積)を変えない制御が可能となる。
また、図6(b)に示すように、回転軸の回転動作において、動作開始時点Tsから加速を開始し、次いで等速運動をしている途中でエラーが発生したとする。この場合、再稼働時には、図中に実線で示すように、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点T1において、エラーログとの一致度に応じて速度を減少させた動作状態となっているように速度を減少させる。その後、等速から減速に転じる時点を本来の時点T4よりも遅らせた時点T4aにて等速から減速に転じさせ、動作終了時点Teは加速度の変更前と同じとなるように減速度を増加させる。これにより、速度パターンの面積(台形面積)を変えない制御が可能となる。
以上詳述したロボットシステムSによれば、次のような効果が得られる。
(1)非常停止が発生した後にロボット10を再稼働して所定動作を再び実行する場合に、その実行中の制御ログとエラーログとの一致度を比較し、その一致度に基づいてロボット10の制御内容を変更するようにした。すなわち、一致度に応じて、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点において再稼働前とは異なる動作状態となるようロボット10を制御している。これにより、偶発的なエラー発生によりロボット10が非常停止した場合に、原因究明を省略してロボット10を再稼働させても再びエラーが発生することが抑制される。その結果、製造等のラインを原因究明のために長期間中断させてしまうおそれを低減できる。
(2)ロボット10に偶発的なエラーを発生させる原因としては、エラーが発生した時点でロボット10が行っていた動作の種類(例えば、加速、等速、減速等)について、その数値に問題があった可能性が高いと考えられる。この点、本実施形態のロボットシステムSでは、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点における動作の種類を把握し(ステップS142)、それと同じ種類の動作について一致度に応じて指令内容を変更している。これにより、再稼働時において、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点で再びエラーが発生することの回避可能性を高めることができる。
(3)再稼働時の制御ログとエラーログとの一致度に応じて、エラー発生時点と同じ時点で動作状態が異なるように制御指令の内容を変更するとしても、速度パターンの面積は変更せずに維持するようにした。これにより、制御指令の内容が変更されてもロボット10による所定動作の到達位置が変化することを抑制できる。
(4)ロボット10が所定動作を繰り返し実行する間、モータ21の電流値又は負荷率、温度及び回転位置を制御ログとして記憶部31の一時記憶領域31aに一時記憶している。エラー発生時には、エラー発生時点よりも所定期間前からエラー発生時点までの制御ログをエラーログとし、エラーログ記憶領域31bに記憶し、再稼働時の制御ログとエラーログとを比較するようにしている。ロボット10の動作においては、モータ21の電流値、負荷率、温度には予め上限値が設定されており、ロボット10がエラー状態にあるか否かを判定する要素となっている。これらの要素においてエラーログとの一致度が高い場合、再びエラーが発生する蓋然性が高いと考えられるため、エラー発生の蓋然性を判断する指標として、電流値又は負荷率、温度を用いることが好適である。
なお、本実施形態のロボットシステムSは、上記した実施形態の構成に限られるものではなく、例えば次のような構成を採用してもよい。
(a)上記実施の形態では、ロボット10が実行する所定動作の速度パターンの面積を維持しつつ制御指令の内容を変更するようにした。速度パターンの面積維持は、ロボット10の所定動作における到達位置を変更させないために行われるところ、到達位置が変化しても問題ない場合であれば、制御指令の内容変更により速度パターンの面積が変更されてもよい。
(b)上記実施の形態では、電流値又は負荷率、温度及び回転位置を制御ログとし、当該制御ログについてエラー時のものと再稼働時のものとを比較して一致率を算出し、その一致率に応じて制御指令の内容を変更している。これに代えて、電流値又は負荷率、温度の少なくとも一つを比較してその一致率に応じて制御指令の内容を変更するようにしてもよい。
(c)上記実施の形態では、ロボット10にエラーが発生するごとに、記憶部31のエラーログ記憶領域31bに記憶されたエラーログが更新されるようにしたが、複数のエラーログが記憶されるようにしてもよい。同じ時点でエラーが複数発生するような場合は、それら複数のエラーログを記憶させておき、再稼働時の制御ログと複数のエラーログとを比較してその一致率を求め、一致率に応じて制御指令の内容を変更するようにすれば、エラーの再発生をより一層抑制できる。
(d)上記実施の形態では、回転軸の回転動作が加速中の時点でエラーが発生した場合、再稼働時には同じ時点で加速度が変更された状態となるようにしたが(図6(a)参照)、加速度だけでなく等速運動中の速度も併せて変更するようにしてもよい。この場合でも、速度パターンの面積(台形面積)を変えないようにすることが好ましい。
(e)上記実施の形態では、6軸ロボット10を用いた場合を想定したが、ロボットが有する回転軸の数は任意であり、より少ない又はより多い回転軸を有するロボットであってもよい。
10…ロボット、21…モータ、31…記憶部、32…駆動部、33…制御部、35…電流検出部(情報取得部)、36…温度検出部(情報取得部)、J1〜J6…第1軸〜第6軸(回転軸)、S…ロボットシステム。
Claims (4)
- 複数の回転軸と、前記複数の回転軸を駆動するモータと、前記モータを駆動する駆動部とを有するロボットと、
前記ロボットが予め設定された所定動作を繰り返し実行するように、前記駆動部を制御する制御部と、
前記所定動作の実行中における前記ロボットの情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得した情報を制御ログとして一時記憶する記憶部と、
を備えたロボットシステムにおいて、
前記記憶部は、前記所定動作の実行中に前記ロボットがエラー発生により非常停止した場合に、当該非常停止の時点よりも所定期間前から前記非常停止の時点までの前記制御ログをエラーログとして前記一時記憶とは別に記憶し、
前記制御部は、前記非常停止が発生した後の再稼働時において、前記所定期間前からの前記制御ログと前記エラーログとを比較し、その一致度に基づいて、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点における動作状態が再稼働前の動作状態と異なるように前記駆動部に対して制御指令を出力することを特徴とすることを特徴とするロボットシステム。 - 前記制御部は、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点における動作状態が再稼働前の動作状態と異なるように前記駆動部に対して制御指令を出力する場合に、再稼働前の動作と同じ種類の動作についてその内容を異ならせることを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
- 前記制御部は、再稼働前にエラーが発生したのと同じ時点における動作状態が再稼働前の動作状態と異なるように前記駆動部に対して制御指令を出力する場合でも、前記所定動作を実行する速度パターンの面積が維持されるように前記制御指令を出力することを特徴とする請求項2に記載のロボットシステム。
- 前記情報取得部が取得する前記ロボットの情報は、前記モータにおける電流値又は負荷率、温度及び前記回転軸の角度であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018177934A JP2020049552A (ja) | 2018-09-21 | 2018-09-21 | ロボットシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018177934A JP2020049552A (ja) | 2018-09-21 | 2018-09-21 | ロボットシステム |
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JP2020049552A true JP2020049552A (ja) | 2020-04-02 |
Family
ID=69994993
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JP2018177934A Pending JP2020049552A (ja) | 2018-09-21 | 2018-09-21 | ロボットシステム |
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JP (1) | JP2020049552A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022039065A (ja) * | 2020-08-27 | 2022-03-10 | オムロン株式会社 | 制御装置、および制御方法 |
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2018
- 2018-09-21 JP JP2018177934A patent/JP2020049552A/ja active Pending
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