[go: up one dir, main page]

JP2020044750A - 受容紙用ポリエステルフィルム - Google Patents

受容紙用ポリエステルフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2020044750A
JP2020044750A JP2018175661A JP2018175661A JP2020044750A JP 2020044750 A JP2020044750 A JP 2020044750A JP 2018175661 A JP2018175661 A JP 2018175661A JP 2018175661 A JP2018175661 A JP 2018175661A JP 2020044750 A JP2020044750 A JP 2020044750A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
polyester
film
polyester film
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018175661A
Other languages
English (en)
Inventor
知子 早野
Tomoko Hayano
知子 早野
達之 今井
Tatsuyuki Imai
達之 今井
大幹 山本
Hiromi Yamamoto
大幹 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2018175661A priority Critical patent/JP2020044750A/ja
Publication of JP2020044750A publication Critical patent/JP2020044750A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】印画ズレと画像の鮮明性を並立することができる受容紙用ポリエステルフィルムを提供すること。【解決手段】ポリエステル層(B層)の少なくとも片面にポリエステル層(A層)を積層してなるポリエステルフィルムであり、ポリエステルフィルム全体の見かけ密度が0.60g/cm3以上0.90g/cm3未満であり、ポリエステル層(A層)の空洞含有量が3.0体積%以下であり、ポリエステル層(A層)の厚みが4μm以上15μm以下である受容紙用ポリエステルフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、印画ズレがなく、耐折れシワ性、画像の鮮明性に優れた受容紙用ポリエステルフィルムに関するものである。
従来より、ポリエステルフィルムは、感熱記録シートなど受容紙の基材として用いられ、一般的に、天然紙/接着層/ポリエステルフィルム/(易接着層)/受容層形成コート層という受容シートの構成の一部に用いられている。この受容層形成コート層の上に、インクリボンがサーマルヘッドで押し付けられながら加熱され、受容層形成コート層を通して、ポリエステルフィルムの表面側にインクが転写して印字される。
この受容紙の基材にポリエステルフィルムが用いられるのは、表面平滑性と適度のクッション性を合わせ持つため、転写時のサーマルヘッド、インクリボンと基材表面で均一な接触が出来るようになり、天然紙では得られない良好な印画性が得られるためである。
そのポリエステルフィルムの構成として、光沢性を持たせる外層とクッション性を持たせた空洞層の2層構成、もしくは、クッション性を持たせた空洞層の両面に光沢性を持たせた外層を積層させた3層構成のフィルムが知られている。例えば、特許文献1乃至3に記載されるとおり、ポリエステルフィルムに空洞を形成させる核材を添加して空洞を含有した層でクッション性を付与し、その空洞を含有した層の表面に、空洞をなるべく形成させない層を積層させて、印画性を良好なものとしている。
特開平11−240972号公報 特開2000−355166号公報 特開2005−238622号公報
受容シートには、通常、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)・表面保護コーティグが順列されたインクリボンをサーマルヘッドで加熱転写しながら、受容シートの表面に、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)が順番に同じ位置に転写され、それらのカラーの濃度を調整して、受容シートの表面には様々な色のカラー画像を形成させる。この画像の鮮明さを求めると、基材にクッション性を付与させてしっかりとインクリボンが基材に接触するようにしなければならない。また、受容シートの最下位置に設けられる天然紙は、ポリエステルフィルムと接触する天然紙の表面粗さがポリエステルフィルムよりも粗い。そのため、十分なクッション性をポリエステルフィルムに付与しないと、天然紙の粗さが受容シートの印刷面にまで影響を及ぼし印画面があれてしまい見た目の鮮明性に欠けてしまう。一方で、クッション性を付与しようとすると、フィルムが折れやすく、受容シートとした際に、折れシワが発生した面に印画するため、印画面にインクがきれいに転写されなかったり、印画面中にシワを発生させてしまう。
特許文献1乃至3に記載されている方法では、その印画の鮮明性を求めるべくクッション性には優れるが、受容シートにサーマルヘッドが組み込み、インクリボンの走行性が悪化することで、それぞれのカラーが異なる位置に積層され、画像に含まれる対象物の図柄の輪郭や色味がズレやすくなってしまう。
本発明の目的は、上記従来技術の課題に鑑み、印画ズレを防止し、耐折れシワ性、画像の鮮明性を並立することができる受容紙用ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑みてなされたものであり、特定の構成を有するフィルムであれば、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は下記により得ることができる。
(1)ポリエステル層(B層)の少なくとも片面にポリエステル層(A層)を積層してなるフィルムであり、全体のフィルムの見かけ密度が0.60g/cm以上0.90g/cm未満であり、ポリエステル層(A層)の空洞含有量が3.0体積%以下、ポリエステル層(A層)の厚みが4μm以上15μm以下である受容紙用ポリエステルフィルム。
(2)フィルムの総厚みが70μm以上150μm以下である(1)に記載の受容紙用ポリエステルフィルム。
本発明によれば、印画ズレを防止し、耐折れシワ性、画像の鮮明性を並立することができる受容紙用ポリエステルフィルムを提供することができる。
本発明のポリエステルフィルムを実施するための形態について、以下説明する。
本発明のフィルムは、ポリエステル層(B層)の少なくとも片面にポリエステル層(A層)を積層してなるフィルムである。ポリエステル層(B層)の少なくとも片面にポリエステル層(A層)を有することで、容易に本発明の見かけ密度にしやすくなる。さらに、ポリエステル層(B層)の両面にそれぞれポリエステル層(A層)を有することで、フィルム中に含まれる粒子脱落による汚染を防止ることができるため好ましい。また、ポリエステル層(A層)は、フィルムの表層に有することが好ましい。本発明のフィルムの構成としては、A層/B層、A層/B層/A’層(A層とA’層は同一の構成であり、便宜的に以下、A’層という)が挙げられる。
本発明のフィルムを構成するポリエステル層(B層)およびポリエステル層(A層)は、ポリエステルを主成分とするポリエステル樹脂からなる層である。ポリエステル樹脂は、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であり、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主成分とし、これら構成成分は1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも、品質、経済性などを総合的に考慮すると、ポリエチレンテレフタレートを主成分とすることが好ましい。また、これらポリエステル樹脂には、さらに他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
本発明のフィルムは、フィルム全体の見かけ密度は、0.60g/cm以上0.90g/cm未満であることが必要である。見かけ密度が0.60g/cm未満であると、フィルムのクッション性が向上し、天然紙の表面粗さを吸収すること、サーマルヘッドが受容シートの面により接触しやすくなることで、画像の鮮明性は向上するが、クッション性が高くなりすぎるため、サーマルヘッドとの摩擦が高くなり印画ズレが発生する。見かけ密度が0.90g/cmを超える場合、クッション性が低下するため、サーマルヘッドとの摩擦が低くなり印画ズレの発生はしにくくなるが、天然紙の表面粗さが吸収されにくく、サーマルヘッドが受容シートの面により接触性が悪くなること、断熱性が低下するため、画像の鮮明性が低下する傾向にある。このクッション性を付与するには、詳しくは、後述するが、フィルムに空洞を含有することで達成しやすくなる。より好ましくは、0.65g/cm以上0.85g/cm未満である。
本発明のフィルムのポリエステル層(A層)は、空洞含有量が3.0体積%以下であることが必要である。クッション性を上げようとすると、ポリエステル層(A層)の空洞含有量を多くすればよいが、本発明では、ポリエステル層(A層)の空洞含有量を3.0体積%以下とすることで、印画ズレの発生や耐折れシワの発生を抑制することができることを見出した。空洞含有量が3.0体積%を超えると、ポリエステル層(A層)の表面があれてしまうため、印画の鮮明性に劣ったり、フィルムの折れシワが発生しやすくなる。フィルム全体の見かけ密度が0.9g/cm以上であるとフィルム全体として撓みが抑えられるため、ポリエステル層(A層)の空洞率が上記の範囲より高くても耐折れシワ性を良好にしやすくなるが、一方で、クッション性に劣るため、印画の鮮明性に劣る。本発明のフィルムは、見かけ密度が0.60g/cm以上0.90g/cm未満と軽量化されるため、空洞含有量が3.0体積%を超えると、受容シートをたわませた際に折れやすく、その受容シートに印画すると、画像抜けや、画像に線がはいり、インクがきれいに転写されない。好ましくは、2.5体積%以下であり、さらに好ましくは1.0体積%未満である。ポリエステル層(A層)の空洞率を該範囲とするためには、詳しくは後述するが、ポリエステル層(A層)に含有する非相溶樹脂や粒子の含有量を少なくすることや、フィルムの延伸温度を利用して、ポリエステル層(A層)の空洞を消失させる方法が挙げられる。通常、フィルムを延伸する場合には、未延伸フィルムを得た後に長手方向および/または長手方向とは垂直な方向に延伸する手法が用いられるが、よりポリエステル層(A層)の空隙を微小な含有量とさせるため、最初の延伸時点で、例えば、長手方向が最初の延伸であれば、延伸温度を高くして、長手方向の延伸時点で延伸時に形成されやすくなる空洞を消失しておくことがあげられる。
本発明のフィルムは、ポリエステル層(A層)の1層あたりの厚みは4μm以上15μm以下であることが、フィルムの折れシワの抑制や、天然紙の表面粗さの影響を受けにくく、より高感度で印画の鮮明性を上げるために必要である。ポリエステル層(A層)の1層あたりの厚みが薄く4μm未満となると、サーマルヘッドからの熱に対して高感度にはなり、印画の鮮明性は向上しやすくなるものの、天然紙の表面粗さやポリエステル層(B層)のクッション性の影響を受けやすく、結果として鮮明性は低下する。また、クッション性が高いため印画ズレや、折れシワが発生しやすくなる。ポリエステル層(A層)の1層あたりの厚みが、15μmを超えると、天然紙の表面粗さやポリエステル層(B層)のクッション性の影響を受けにくく印画ズレは発生しにくくなるが、クッション性が低下しサーマルヘッドも密着性が低くなり、感度低下により画像の鮮明性を損なう。
本発明のフィルムは、ポリエステル層(B層)を少なくとも1層以上有することが好ましい。ポリエステル層(B層)は空洞を含有することが好ましく、空洞を含有するポリエステル層(B層)をフィルム中に有することで、容易にフィルムにクッション性を付与しやすくなるからである。ポリエステル層(B層)に、空洞を含有せしめる方法としては、(1) ポリエステルに発泡剤を含有せしめ、押出や製膜時の加熱により発泡、あるいは化学的分解により発泡させて気泡を形成する方法、(2) ポリエステルの押出時にガスまたは気化可能物質を添加する方法、(3) ポリエステルに該ポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂(非相溶樹脂)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより微細な気泡を発生させる方法、(4) 前記の非相溶樹脂の代わりに気泡形成性の無機粒子を多量添加する方法等が好ましく用いられる。本発明の目的の範囲内であれば、いずれの方法を用いてもよいが、製膜性、内部に含有せしめる気泡の量の調整し易さ、より微細で均一な大きさの気泡の形成し易さ、さらに軽量性などの総合的な点から、上記(3)の非相溶樹脂の使用が特に好ましく用いられる。ここで言う非相溶樹脂とは、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂であって、かつ該ポリエステルに対して非相溶性を示す熱可塑性樹脂であり、ポリエステル中では粒子状に分散し、延伸によりフィルム中に気泡を形成せしめる効果が大きい樹脂が好ましい。より具体的に述べれば、非相溶樹脂とは、ポリエステルと上記非相溶樹脂とを溶融した系を、公知の方法、好ましくは、示差走査熱量計(DSC)、動的粘弾性測定等で測定した場合に、ポリエステルに相当するガラス転移温度(以降、Tgと省略する)以外に該非相溶樹脂に相当するTgが観察される樹脂である。
このような非相溶樹脂の融点は、ポリエステルの融点よりも低温であって、かつ製膜時にフィルムを熱固定して配向させる際の温度(熱処理温度)よりも高温であることが特に好ましい。かかる点から該非相溶樹脂の中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素系樹脂などが好ましく用いられる。これらの非相溶樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶樹脂を併用してもよい。これらの中でも、臨界表面張力の小さなポリプロピレン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン樹脂が好ましく、さらにはポリメチルペンテンが最も好ましい。該ポリメチルペンテンは相対的にポリエステルとの表面張力差が大きく、かつ融点が高いため、添加量当たりの気泡形成の効果が大きいという特徴があり、非相溶樹脂として特に好ましいものである。
本発明における微細な空洞とは、感度向上のためフィルム自身に断熱性やクッション性を付与せしめることに寄与できるものであり、ポリエステル中に含有させた該非相溶樹脂を核として生成されたものであることが最も好ましい。さらに、ポリエステル層(B)の断面(厚み方向)を走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)などによって観察したとき、気泡部分の断面積(ただし、気泡生成の核となる非相溶樹脂部分は除く)の平均値が1〜25μmであるものが好ましく、より好ましくは1.5〜20μm、さらに好ましくは2〜15μmである。
ポリエステル層(B層)中の非相溶樹脂の含有量は、B層全体に対して1〜35重量%が好ましく、より好ましくは5〜30重量%、さらには10〜25重量%の範囲が最も好ましい。含有量が上記範囲より少ない場合には、ポリエステル層(B層)に空洞を発現させにくく、フィルム全体の密度が高くなり、クッション性が低下する。さらに、該範囲より多い場合には、ポリエステル層(B層)の空洞が高くなり、ポリエステル層(A層)の調整のみでは耐折れシワ性は向上することが難しくなる。また、受容シートに用いられる本発明のフィルムは、紙に類似する白色性が求められるため、該範囲より非相溶樹脂の含有量が低いとフィルムの白色性や隠蔽性などを向上させることが難しく、逆に添加量が上記範囲より多い場合には、延伸時にフィルム破れ等が生じやすくなって、生産性が低下する場合がある。
また、ポリエステル層(B層)において、非相溶樹脂の分散径が小さくなることで延伸により発生する気泡をより微細化でき、結果的にフィルムの白色性や製膜性を向上させることができるので、前述したポリエステルと非相溶樹脂の他に、さらに分散剤を添加することが、より好ましい。上記の効果を示す分散剤としては、カルボキシル基やエポキシ基等の極性基やポリエステルと反応性のある官能基をもったオレフィン系の重合体または共重合体、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、界面活性剤、熱接着性樹脂等を用いることができる。もちろん、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。かかる分散剤は、あらかじめ重合反応において分散剤を共重合化したポリエステルとして使用しても、直接そのまま使用してもよい。
本発明のフィルムの総厚みは特に規定されないが、70〜150μmであることが、耐折れしわ性、白色性、断熱性、印刷特性のバランスの点から好ましい。
ポリエステル層(A層)は、無機粒子を層全体に対して1〜35重量%となるよう含有してもよい。無機粒子としては、例えば湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、珪酸アルミ、リン酸カルシウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウムおよびフッ化カルシウム等を使用することができ、粒子を含有することで、フィルムの易滑性を付与することができる。また、光沢性の観点から、ポリエステル層(A層)中には2種類以上の無機粒子を組みあわせて、1種の無機粒子の含有量の一部をその無機粒子の粒子径よりも大きくしてさらに易滑性を向上させつつ光沢性を並立する事もできる。白色度向上の観点からは、より好ましくは、酸化チタンと炭酸カルシウムまたは硫酸バリウムが選択される。
かかる無機粒子は、ポリエステル中での平均粒子径が、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.1〜3μmであるものがよい。かかる平均粒子径が上記範囲外である場合、凝集などによる無機粒子の均一分散性不良、あるいは粒子自身によってフィルム表面の光沢または平滑性が低下する場合があるので好ましくない。
該層(A層)に入れる粒子としては有機粒子も用いることができる。架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム、アクリル粒子、イミド粒子などを挙げることができる。
次に、本発明の受容紙用ポリエステルフィルムの製造方法について、その一例を説明するが、本発明は、かかる例のみに限定されるものではない。
押出機(A)と押出機(B)と押出機(A’)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(B層)を形成するため、真空乾燥したポリエステルのチップと真空乾燥したポリエステルに非相溶樹脂を含有させたチップとを、非相溶樹脂および無機粒子を1〜35重量%となるように混合し、これを260〜300℃に加熱された押出機(B)に供給し、溶融押出後10〜50μmカットのフィルターにて濾過した後に、Tダイ複合口金内に導入する。この原料には、必要に応じて分散剤を0.05〜10重量%添加してもよい。また、非相溶樹脂の添加は、予めマスターチップとしたものを真空乾燥して使用してもよい。一方、ポリエステル層(A層および/またはA’層)を積層するため、ポリエステルのチップおよび無機粒子のマスターチップを、無機粒子が1〜35重量%となるよう混合し、充分に真空乾燥する。この原料には、必要に応じて蛍光増白剤を0.01〜1.5重量%添加せしめてもよい。次に、この乾燥原料を、260〜300℃に加熱された押出機(A)、押出機(A’)に供給し、ポリエステル層(B層)場合と同様に溶融、濾過してTダイ複合口金内に導入する。
Tダイ複合口金内では押出機(B)のポリマーが中央部に、押出機(A)のポリマーが、押出機(B)の片面に、押出機(A’)リマーが、押出機(A)の反対面側の表層になるように積層してシート状に共押出成形し、溶融積層シートを得る。
この溶融積層シートを、表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸積層フィルムを作製する。該未延伸積層フィルムを70〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に2〜5倍延伸し、20〜30℃のロール群で冷却する。
続いて、長手方向に延伸したフィルムのポリエステル層(A層)側にコロナ放電処理を施した後、必要に応じて、該処理面に塗布層形成塗液を塗布する。その後、フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、90〜150℃に加熱した雰囲気中で長手方向に直角な方向(横方向)に2〜5倍に延伸する。
延伸倍率は、縦、横それぞれ2〜5倍とするが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は6〜20倍であることが好ましい。面積倍率が6倍未満であると得られるフィルムの白色性やフィルム強度が不十分となり、逆に面積倍率が20倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる傾向がある。
このようにして得られた二軸延伸フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて150〜240℃で1〜30秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取ることにより、本発明のポリエステルフィルムを得ることができる。なお、上記熱処理工程中では、必要に応じて横方向あるいは縦方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。また、二軸延伸は逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また二軸延伸後に縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。
[特性の測定方法および評価方法]
本発明の特性値は、次の評価方法、評価基準により求められる。
(1)フィルム、各層の厚み(μm)
JIS C2151(1990年)に準じて、マイクロメータを用いてフィルムの厚み測定をする。測定は任意の5箇所について行い、平均値をもってフィルムの全体の厚みとした。サンプルを凍結処理した後断面を切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡S−2100A形((株)日立製作所製)を用いて500〜5,000倍に拡大観察して撮影した断面写真より、微細な気泡の含有の有無を調べた。気泡含有の有無の判定は、断面写真の気泡部分の平均断面積を真円に換算したときの平均値として求めたとき1μm2以上ならば気泡含有層と判断し、気泡が連続的に含有する層を気泡を含有する層(B層)と含有しない層をポリエステル層(A層および/またはA’層)とに区別した。
また、断面写真より各ポリエステル層の厚み方向の長さを計測し、拡大倍率から逆算して各層の厚みを求めた。なお、気泡部分の断面積、各ポリエステル層の厚みを求めるに当たっては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真を使用し、その平均値として算出し、マイクロメータにて測定した全体厚みに対し、層比から算出した各層の割合をかけることで、各層の厚みを算出した。
(2)見かけ密度
フィルムを100×100mm角に切取り、ダイアルゲージを取り付けたものにて10点の厚みを測定し、厚みの平均値d(μm)を計算する。また、天秤にて秤量し、重さw(g)を10−4gの単位まで読み取る。この時、見かけ密度を次式により求めた。
見かけ密度(g/cm)=w/d×100。
(3)耐折れシワ性
フィルムのA層(A層とA’層が両表層にある場合、A層とA’層の厚みが同じであればいずれかの表面、厚みが異なる場合は厚みが薄い方の層の表面)とは反対側に、秤量125g/mの紙の片面側と貼り合わせ、長さ300mm幅50mmの短冊状に切り出した。短冊状フィルムの片端を固定し、A層(A層とA’層が両表層にある場合、A層とA’層の厚みが同じであればいずれかの表面、厚みが異なる場合は厚みが薄い方の表面)側を内側にして直径6mmの円筒形のガラス棒に180°巻き付け折り返す。このガラス棒の両端に各50gの錘を取り付け、自由端側を1回引っ張り上げることでフィルムをガラス棒に100mm長に渡ってしごく。しごいたフィルムの表面を実体顕微鏡(10倍)にて折れシワの状態を観察した。○、△が合格である。
◎:折れシワが1ヶ/cm未満
○:折れシワが1ヶ/cm以上5ヶ/cm未満
×:折れシワが5ヶ/cm以上。
(4)印画ズレの評価
本発明のポリエステルフィルムのA層の表面(A層とA’層が両表層にある場合、A層とA’層の厚みが同じであればいずれかの表面、厚みが異なる場合は厚みが薄い方の層の表面)に、受容層形成塗液を塗布する。
[受容層形成塗液]
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン200) 20部
シリコーンオイル(信越化学工業(株)製、X−22−3000T) 2部
トルエン 39部
メチルエチルケトン 39部
次に秤量125g/mの紙の両側に受容層が外側になるように貼合せをおこない、キャノン社製カードフォトプリンター「CP−300」(キャノン製)と専用のインキリボン(カラーインク、ペーパーセット KL−36IPに付属のもの)を用いて、該受容シートの受容層形成面にテスト印字を行い、下記により判定した。◎、〇が合格である。
◎:印画のズレが確認されず、きれいであり良好。
〇:僅かに印画のズレが見られるものの、おおむねきれいであり良好。
×:はっきりと印画のズレが確認できる。
(5)画像の鮮明性評価
(4)と同様にして、受容層に対して、灰色のベタ印刷物を行う。得られた印画物を
に対して、下記により判定した。◎、〇が合格である。
◎:ムラなく印画できている。
〇:わずかにムラがみられる。
×:はっきりとしたムラがみられる。
(6)印画性の総合評価
(4)および(5)で評価した、印画ズレ、印画の鮮明性の両方の評価をもって、下記のとおり総合評価とした。
◎:いずれも◎の評価であるもの。
〇:いずれかが〇の評価であり、かつ、×の評価を有しないもの。
×:×の評価を一つでも有するもの。
(実施例1)
押出機(a)、押出機(b)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(A層)および(A’層)を形成するため、常法で得られたポリエチレンテレフタレート(融点265℃、以降PET−1と省略する)に、酸化チタン粒子をポリエステル層(A層)および(A’層)それぞれに対して、14重量%含有したポリエチレンテレフタレートを180℃で3時間真空乾燥した後、押出機(a)側に供給し、280℃で溶融押出後、35μmカットフィルターにより異物濾過を行ったのちに、Tダイ複合口金に導入した。
ポリエステル層(B層)を形成するため、PET−1に、ポリメチルペンテン(三井化学(株)製、TPX、DX820:以降PMPと省略する)を10重量%、PET−1に分散剤として分子量4,000のポリエチレングリコール(以降、PEGと省略する)を10重量%含有させた共重合PETをPEGがポリエステル層(B層)を構成する樹脂全体に対し1重量%となるように添加し、更にヒンダードフェノ−ル系酸化防止剤を0.05重量%添加したものを180℃で3時間真空乾燥した後に、押出機(b)側に供給し、280℃で溶融押出後35μmカットフィルターにより異物濾過を行ったのちに、Tダイ複合口金に導入した。
次いで、該口金内でポリエステル層(A層)およびポリエステル層(A’層)がポリエステル層(B層)の両表層に積層されるよう合流せしめた後、シート状に共押出して溶融積層シートとした。そして、該溶融積層シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電荷法で密着冷却固化させて未延伸積層フィルムを得た。続いて、該未延伸積層フィルムを常法に従い85℃に加熱したロール群で予熱した後、105℃の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に1.1倍微延伸した後、3.1倍本延伸を行い、25℃のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。この一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の130℃の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に110℃の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(横方向)に3.3倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで230℃の熱処理を施し、さらに180℃で4.8%横方向に弛緩処理を行った後、更に140℃で1%弛緩処理を行い、次いで均一に徐冷後に巻き取って、ポリエステル層(A層)およびポリエステル層(A’層)がそれぞれ片側4.2μm、ポリエステル層(B層)が63.6μm、の構成とした厚み72μmのポリエステルフィルムを得た。
かくして得られたポリエステルフィルムの特性は、表1のとおりであって、感熱転写記録用の受容シート基材として優れていることが分かる。
(実施例2)
実施例1のフィルムの積層比を表1とすること、フィルムの製造条件において、縦延伸時の加熱ロールの温度を95℃に代えること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例3)
A層、A’層に含有する粒子、B層のPMP量を表1とすること以外は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。
(実施例4)
A層/B層の2層構成として、A層に含有する粒子、B層のPMP量を表1とすること、フィルムの製造条件において、縦延伸時の加熱ロールの温度を85℃、熱固定温度を220℃に代えること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例5)
フィルムに添加する粒子種、粒子含有量、非相溶性樹脂含有量を表1とすること、以外は、実施例3と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例6)
実施例1のA層の粒子に代えて、表1とすること、フィルムの製造条件において、縦延伸時の加熱ロールの温度を85℃、熱固定温度を235℃とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(比較例1)
B層の非相溶性樹脂の含有量を表1とすること、フィルムの製造条件において、縦延伸時の加熱ロールの温度を85℃、熱固定温度を220℃に代えること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムは、表層のチタンによる空洞が残り、A層の空洞率が3.0体積%を超えたため、表面があれ、印画の鮮明性が低下した。
(比較例2)
B層の非相溶性樹脂の含有量を表1とすること、厚みを変えること以外は実施例4と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
A層の粒子の添加量が低いため、A層の空洞率は1.0体積%未満となったが、A層の厚みが薄いため、折れシワや、印画ズレが発生した。
(比較例3)
粒子量、非相溶性樹脂量、厚みを変えること以外は、実施例1同様にしてポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムは、フィルム全体として密度が高く、A層の厚みは3.5μmと薄かったが、折れシワや印画ズレは良好となったが、クッション性が不足するため印画の鮮明性が低下した。
(比較例4)
粒子量、非相溶性樹脂量、厚みを変えること以外は、実施例1同様にしてポリエステルフィルムを得た。
比較例4は比較例3の全体厚みを変え、クッション性を考慮にB層の厚みを厚くしたものであるが、比較例3同様、クッション性が不足するため印画の鮮明性が低下した。
Figure 2020044750
表中、「チタン」は「酸化チタン」、「炭カル」は「炭酸カルシウム」を表す。

Claims (2)

  1. ポリエステル層(B層)の少なくとも片面にポリエステル層(A層)を積層してなるポリエステルフィルムであり、ポリエステルフィルム全体の見かけ密度が0.60g/cm以上0.90g/cm未満であり、ポリエステル層(A層)の空洞含有量が3.0体積%以下であり、ポリエステル層(A層)の厚みが4μm以上15μm以下である受容紙用ポリエステルフィルム。
  2. フィルムの総厚みが70μm以上150μm以下である請求項1に記載の受容紙用ポリエステルフィルム。
JP2018175661A 2018-09-20 2018-09-20 受容紙用ポリエステルフィルム Pending JP2020044750A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018175661A JP2020044750A (ja) 2018-09-20 2018-09-20 受容紙用ポリエステルフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018175661A JP2020044750A (ja) 2018-09-20 2018-09-20 受容紙用ポリエステルフィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020044750A true JP2020044750A (ja) 2020-03-26

Family

ID=69899140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018175661A Pending JP2020044750A (ja) 2018-09-20 2018-09-20 受容紙用ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020044750A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5077229B2 (ja) 二軸配向白色ポリプロピレンフィルム、反射板および感熱転写記録用受容シート
JP2006334966A (ja) 空洞含有白色積層ポリエステルフィルム
JP4747442B2 (ja) 白色ポリエステルフィルム
JP4506200B2 (ja) 感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルム
JP2020044750A (ja) 受容紙用ポリエステルフィルム
JP2005350615A (ja) 2軸延伸ポリエステルフィルム
JP2002052674A (ja) 微細気泡含有積層ポリエステルフィルム
JP2020045439A (ja) 受容紙用ポリエステルフィルム
JP2004123784A (ja) 白色ポリエステルフィルム
JP4747441B2 (ja) 白色ポリエステルフィルム
JP2659765B2 (ja) 複層樹脂フィルム
JP3878333B2 (ja) 溶融熱転写記録シート
JP3761008B2 (ja) 熱転写受像シート用ポリエステル系フィルムおよび熱転写受像シート
JP3182843B2 (ja) 染料熱転写受像シート
JP2002105232A (ja) 白色ポリエステルフィルム
JP2000202972A (ja) 空洞含有ポリエステル系フィルム
JP3259833B2 (ja) 熱転写受像シート
JP4000700B2 (ja) 受容シート
JP4686797B2 (ja) 空洞含有ポリエステル系フィルム
JP4506199B2 (ja) 感熱転写記録用積層ポリエステルフィルム
JP3966055B2 (ja) 白色積層ポリエステルフィルム及びそれを用いた感熱転写記録用受容シート
JP2007203567A (ja) 白色積層ポリエステルフィルム
JP2003211610A (ja) 白色積層ポリエステルフィルム
JP2002060531A (ja) 微細気泡含有単層ポリエステルフィルム
JP3456245B2 (ja) 感熱孔版原紙用フイルム